JP5858013B2 - 吸気システム - Google Patents
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Description
従来より、内燃機関(エンジン)の燃焼室に吸入空気(吸気)を供給するための吸気通路長をエンジン運転状況に対応して変更する可変吸気システムが公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。
先ず、特許文献1(従来例1)の可変吸気システムは、コネクタの湾曲した壁面に開口形成された開口部の内周面から張り出した環状の張り出し部(バルブシート)を有するインテークマニホールドと、このインテークマニホールド内に形成される開口部を開閉する弁体を有する吸気制御弁と、この吸気制御弁のシャフトを駆動するアクチュエータとを備えている。
従来例1の可変吸気システムに使用される吸気制御弁は、合成樹脂により形成された矩形板状の弁体、およびこの弁体の外周端面に接着剤により接合(接着)されるゴム弾性体からなるシールリップ等により構成され、シールリップを開口部の内周面から張り出した環状のバルブシートに密着させることにより、開口部を全閉して吸気の流れをシールするように構成されている。
弁体は、吸気制御弁の閉弁時に連通口のほぼ全体を閉塞する本体部材と、この本体部材の先端部に配置されて、弁体の先端部を構成するゴム状弾性体製の弾性シール部材とを有している。
弾性シール部材は、仕切壁により構成される周縁部の前縁部に当接した際に弾性変形するシールリップを備えている。
ところが、従来例1の可変吸気システムに使用される吸気制御弁は、合成樹脂製の弁体、およびこの弁体の外周端面に接着剤により接合(接着)されるゴム弾性体製のシールリップ等を備えているが、シールリップを弁体の外周端面に接着固定する接着工程が必要であるため、製造コストが増加するという課題がある。
そこで、製造コストを低減するという目的で、接着剤を用いることなく弁体の外周端面にシールリップを装着することが考えられる。この場合、弁体の外周端面に対するゴム弾性体製のシールリップの保持強度が著しく低下し、弁体からシールリップが剥離したり、脱落したりする。これにより、吸気制御弁の全閉時に弁体とバルブシートとの間に形成される隙間から吸気が洩れる等の不具合が発生するので、吸気制御弁の全閉時における吸気洩れ流量が増加、つまりシール性能が低下するという課題がある。
ところで、吸気制御弁の弁体の外周端面に対するゴム弾性体製のシールリップの保持強度を向上するという目的で、図12および図13に示したように、合成樹脂製のバタフライバルブ(以下プレートバルブ)101のバルブ周縁部102に、ゴム状弾性体製の弾性シール材103を接着した吸気制御弁を備えた可変吸気システム(比較例1)を試作した。
弾性シール材103は、プレートバルブ101の外周面を被覆する周面弾性被覆体110、プレートバルブ101の板厚方向の一側面(表面)を被覆する弾性被覆体111、プレートバルブ101の板厚方向の他側面(裏面)を被覆する弾性被覆体112、1列の貫通孔列の各貫通孔105を通り抜けて弾性被覆体111、112同士を結合する複数の弾性結合体113、および弾性被覆体111の表面から突出するV字状のシールリップ114等により構成されている。
ところが、発明者等が各種実験を行ったところ、1列の貫通孔列の各貫通孔105の孔間ピッチ(Pa)が広いと、所望の保持強度を得ることができないことが分かった。
そこで、図12(b)の形態で、保持強度を上げるためには、1列の貫通孔列の各貫通孔105の孔間ピッチ(Pa)を詰める必要があるが、プレートバルブ101のバルブ周縁部102を貫通する貫通孔105の個数が増加するため、プレートバルブ101自体の強度の低下を招くという課題が生じる。
この貫通孔群は、複数個の貫通孔をプレートバルブの周縁方向に沿うように一列に配列(縦列)した貫通孔列を、その貫通孔列の配列(縦列)方向に対して垂直な横列方向に複数列配置して構成されている。
そして、貫通孔群における複数列の貫通孔列のうち列の異なる貫通孔列の各貫通孔または隣接する貫通孔列の各貫通孔は、貫通孔列の横列方向に一列に並ばないようにオフセット配列され、あるいは貫通孔列の縦列(配列)方向に沿って互い違いに配列されている。
さらに、合成樹脂製のプレートバルブの周縁部に対する、ゴム状弾性体製の弾性シール材の保持強度を向上することができるので、吸気制御弁の全閉時における吸気洩れ流量を減らし、良好なシール性能を発揮することができる。
図1ないし図6は、本発明を適用した内燃機関の可変吸気システム(実施例1)を示したものである。
エンジンは、内部に燃焼室がそれぞれ形成された複数の気筒(シリンダ)を有している。エンジンの各気筒毎の燃焼室には、吸気ポートおよび排気ポートがそれぞれ連通している。
インテークマニホールド1に接続される吸気管には、エアクリーナおよびスロットルバルブ等が設置されている。また、エキゾーストマニホールドに接続される排気管には、排気浄化装置(触媒等)およびマフラー等が設置されている。
可変吸気制御弁は、インテークマニホールド1に設けられるバルブシート(後述する)に接離して流路を開閉する複数(気筒数)のバタフライバルブ(以下プレートバルブ)2と、これらのプレートバルブ2の各バルブ周縁部3に装着された複数の弾性シール材(リップシール)4とを備えている。
エアコネクタ8には、EGRガスまたはブローバイガスまたは燃料蒸気ガス等のガス導入パイプが接続されている。
各分岐管9の内部には、2つの第1、第2連通孔11、12を介して、サージタンク室10と連通する2つの第1、第2分岐通路(流路)13、14、これらの第1、第2分岐通路13、14を流れる吸気を合流させる合流部(吸気集合部)16、およびこの合流部16を介して、各第1、第2分岐通路13、14と連通する吸気導入通路17が形成されている。
また、複数の分岐管9の出口端、つまり各吸気導入ポート18の開口周縁には、エンジンのシリンダヘッドの取付面に複数の締結ボルトを用いて締結固定される角環状の結合フランジ19が複数(気筒数分)設けられている。
複数の分岐管9の各第2分岐通路14は、インテークマニホールド1のサージタンク室10の壁面(吸気流方向の下流側壁面)で開口した第2連通孔12から合流部16までの吸気通路長が、各第1分岐通路13の吸気通路長よりも短くなっている。
なお、吸気導入通路17を設けずに、2つの第1、第2分岐通路13、14の合流部16が、エンジンの各気筒の吸気ポート内に設けられていても構わない。
また、2つの第1、第2分岐通路13、14の吸気通路長を異ならせる代わりに、2つの第1、第2分岐通路13、14の吸気通路断面積を異ならせるようにしても良い。この場合、第1分岐通路13よりも第2分岐通路14の方が吸気通路断面積を大きくする。
バルブシート21、22は、弁孔15の開口周縁に設けられている。この弁孔15は、バルブシート21、22を吸気の流れ方向に貫通形成された流路孔であり、バルブシート21、22の内部に形成された部分と、合流部16の壁面(吸気流方向の下流側壁面)で開口した、第2分岐通路14の出口ポートを構成する部分とからなる。
ここで、慣性過給効果とは、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸い込まれる吸気の脈動によって発生する慣性力を利用して、より多くの吸気をエンジンの各気筒毎の燃焼室に吸入する過給効果のことである。
可変吸気制御弁は、上述したように、複数のプレートバルブ2、複数の弾性シール材4、バルブシャフト5、アクチュエータ6およびECUを備えている。
プレートバルブ2は、弁孔15を開閉することで、サージタンクのサージタンク室10の壁面で開口した第1連通孔11、12から合流部16までの吸気通路長を変更する矩形状のプレートバルブである。これらのプレートバルブ2は、インテークマニホールド1の各分岐管9の内部(第2分岐通路14)において、合流部16よりも吸気流方向の上流側に設置されている。
プレートバルブ2には、バルブシャフト5の周囲を周方向に取り囲む円筒状の回転軸部23が設けられている。この回転軸部23の内部には、バルブシャフト5の回転軸方向に貫通する貫通孔(多角孔、四角孔)が形成されている。回転軸部23の中央部には、バルブシャフト5が露出する開口部24が設けられている。
プレートバルブ2は、矩形状の表面25、矩形状の裏面26および角筒状の外周面27を有している。
弾性シール材4は、プレートバルブ2の板厚方向の両側面(表面25、裏面26)をそれぞれ被覆する弾性被覆体51、52を備えている。
なお、プレートバルブ2、弾性シール材4の詳細は、後述する。
バルブシャフト5の回転軸方向の一端部は、インテークマニホールド1の軸受孔に直接軸受されている。また、バルブシャフト5の回転軸方向の他端部は、インテークマニホールド1の側壁から突出してアクチュエータ6に駆動連結されている。
減速機構は、モータの出力軸に固定されるピニオンギア、このピニオンギアと噛み合う中間ギア、およびこの中間ギアと噛み合う出力ギア等を有している。出力ギアは、バルブシャフト5と一体回転可能に連結している。
ここで、バルブシャフト5を回転駆動して複数のプレートバルブ2を開閉動作させるモータは、ECUによって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載された外部電源(バッテリ)に電気的に接続されている。
ECUは、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、回転角度検出装置、冷却水温センサおよびエアフロメータ等の各種センサからのセンサ出力信号が、A/D変換器によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。なお、これらのクランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、回転角度検出装置、冷却水温センサおよびエアフロメータ等によって、エンジン運転状況(運転状態)を検出する運転状態検出手段が構成される。
具体的には、クランク角度センサの出力信号であるNEパルス信号に基づいてエンジン回転速度(エンジン回転数:NE)を算出し、このエンジン回転数(NE)に対応した目標開度を算出し、バルブ開度センサの出力信号である実バルブ開度と目標開度との偏差がなくなるようにモータへの供給電力をフィードバック制御している。
本実施例のプレートバルブ2および弾性シール材4の詳細を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。
ここで、本実施例のプレートバルブ2においては、図2および図4において回転軸部23よりも図示下方側、図5において回転軸部23よりも図示上方側が、バルブシート22に接離するように構成されている。また、プレートバルブ2においては、図2および図4において回転軸部23よりも図示上方側、図5において回転軸部23よりも図示下方側が、バルブシート22に接離するように構成されている。
貫通孔群Aは、複数の貫通孔列31、32を備えている。これらの貫通孔列31、32は、その配列(縦列)方向に対して垂直な横列方向に複数列(本例では2列)配置して構成されている。
複数列(2列)の貫通孔列31、32の各貫通孔41、42は、同一平面上で、千鳥状に互い違いに配列されている。これらの貫通孔列31、32は、プレートバルブ2の外周側から中心側へ向かって、第1列の貫通孔列31および第2列の貫通孔列32の順に配列されている。
貫通孔群Aにおける2列の貫通孔列31、32のうち列の異なる貫通孔列31、32の各貫通孔41、42または隣接する貫通孔列31、32の各貫通孔41、42は、貫通孔列31、32の縦列(配列)方向に沿って千鳥状に互い違いに配列されている。
2列の貫通孔列31、32の孔間ピッチは、全て一定(等ピッチ)である。また、貫通孔列31の各貫通孔41の孔間ピッチ(Pb)、および貫通孔列31の各貫通孔31と貫通孔列35の各貫通孔32との孔間ピッチ(Pc)の関係は、Pb>Pcである。また、比較例1の孔間ピッチ(Pa)との関係は、Pa<Pb,Pa≦Pcである。
弾性被覆体51は、プレートバルブ2のバルブ周縁部3の表面25、つまりプレートバルブ2の板厚方向の一側面を所定の肉厚で被覆する表面被覆部分である。なお、本実施例では、プレートバルブ2のバルブ周縁部3に形成される環帯形状の表面側収容凹部61内に弾性被覆体51が充填されているが、表面側収容凹部61は無くても構わない。
弾性被覆体52は、プレートバルブ2のバルブ周縁部3の裏面26、つまりプレートバルブ2の板厚方向の他側面を所定の肉厚で被覆する裏面被覆部分である。なお、本実施例では、プレートバルブ2のバルブ周縁部3に形成される環帯形状の裏面側収容凹部62内に弾性被覆体52が充填されているが、裏面側収容凹部62は無くても構わない。
複数の弾性結合体55は、第2列の貫通孔列32の各貫通孔42をプレートバルブ2の表面側から裏面側へ通り抜けて弾性被覆体51、52同士を結合する第2列の結合(連結)部分(第2弾性結合体)である。
周面弾性被覆体は、プレートバルブ2のバルブ周縁部3の外出面を所定の肉厚で被覆する周面被覆部分である。
次に、本実施例の可変吸気システムの作用を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。
これにより、全てのプレートバルブ2のバルブ周縁部3に装着された弾性シール材4のシールリップ57が、インテークマニホールド1のバルブシート21、22に密着することで、第2分岐通路14の出口部(弁孔15)が閉じられる。
このとき、サージタンクのサージタンク室10から2つの第1、第2分岐通路13、14の合流部16までの吸気通路長は、比較的に長い通路長となる。
これにより、エンジンの慣性過給効果を利用した低回転領域における吸気量の充填効率を良好なものとすることができるので、エンジン出力を向上することができる。
これにより、全てのプレートバルブ2のバルブ周縁部3に装着された弾性シール材4のシールリップ57が、インテークマニホールド1のバルブシート21、22より離脱することで、第2分岐通路14の出口部(弁孔15)が開かれる。
このような可変吸気制御弁の全開時には、サージタンクのサージタンク室10の壁面で開口した第2連通孔12から第2分岐通路14に吸気が流入する。そして、第2分岐通路14に流入した吸気は、吸気バルブが開弁している吸気ポートに連通する吸気導入通路17の吸気導入ポート18から吸気ポートを経て燃焼室内に導入される。
これにより、エンジンの慣性過給効果を利用した高回転領域における吸気量の充填効率を良好なものとすることができるので、エンジン出力を向上することができる。
以上のように、本実施例の可変吸気システムに使用される可変吸気制御弁は、複数のプレートバルブ2の各バルブ周縁部3を表面25と裏面26とを連通するように貫通する貫通孔41、42を複数個有する環帯形状の貫通孔群Aを設けている。
この貫通孔群Aは、複数個の貫通孔41、42をプレートバルブ2の周縁方向に沿うように一列に配列した貫通孔列31、32を、その貫通孔列31、32の配列(縦列)方向に対して垂直な横列方向に複数列配置して構成されている。
そして、貫通孔群Aにおける複数列の貫通孔列31、32のうち列の異なる貫通孔列31、32の各貫通孔41、42または隣接する貫通孔列31、32の各貫通孔41、42は、貫通孔列31、32の横列方向に一列に並ばないようにオフセット配列され、あるいは貫通孔列31、32の配列方向に沿って千鳥状に互い違いに配列されている。
この弾性シール材4は、プレートバルブ2の板厚方向の両側面(表面25、裏面26)をそれぞれ被覆する弾性被覆体51、52、貫通孔列31の各貫通孔41内に充填される複数の弾性結合体54、および貫通孔列32の各貫通孔42内に充填される複数の弾性結合体55を備えている。
また、弾性シール材4をプレートバルブ2のバルブ周縁部3に接着固定する接着工程を廃止したり、部品点数や組付工数の増加を抑制したりすることにより、可変吸気システムの製造コストを低減することができる。
また、合成樹脂との接着が不可である熱可塑性エラストマーで弾性シール材4を作成しても、プレートバルブ2のバルブ周縁部3に対する弾性シール材4の保持が可能となる。 また、接着工程が無くなることで製造コストを低減することができ、更に、合成ゴムよりも安価な熱可塑性エラストマーが使用可能となるので、より製造コストを低減することができる。
図7は、本発明の吸気システムを適用した吸気システム(実施例2)を示したものである。
ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
貫通孔群Bは、貫通孔列31、32を複数列(2列)配置して構成されている。
複数列(2列)の貫通孔列31、32は、少なくとも2種類または3種類以上の異なる形態(孔形状、大きさ)の貫通孔41、42を備えている。
各貫通孔41、42の孔形状は、円形状だけでなく、長円形状、楕円形状、多角形状が考えられる。また、各貫通孔41、42の大きさは、一定の大きささだけでなく、2種類または3種類以上の異なる大きさでも構わない。
また、少なくとも2種類または3種類以上の異なる形態の貫通孔41、42の配列順序は、ランダム(不規則)に設定されている。
すなわち、図7に示したように、貫通孔41、42の形態(孔形状、大きさ)は、貫通孔42a〜42cのように変えても構わない。また、形態を変えた貫通孔42a〜42cの配列順序は、ランダム(不規則)であっても構わないし、また、規則的であっても構わない。
ここで、本実施例の吸気システムにおいては、プレートバルブ2の強度および弾性シール材4の保持強度との兼ね合いを見ながら最適な形態(孔形状、大きさ)を選定可能である。
以上のように、本実施例の吸気システムにおいては、実施例1と同様な効果を奏する。
図8は、本発明の吸気システムを適用した吸気システム(実施例3)を示したものである。
ここで、実施例1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
貫通孔群Cは、貫通孔列31、32を複数列(2列)配置して構成されている。
ここで、複数列(2列)の貫通孔列31、32の各孔間ピッチは、全て異ピッチである。
孔間ピッチの関係は、Pd≠Pe≠Pg≠Pfである。
また、孔間ピッチの関係は、Ph<Pg,Ph<Pf,Pg<Pfである。
ここで、本実施例の吸気システムにおいては、プレートバルブ2の強度および弾性シール材4の保持強度との兼ね合いを見ながら最適な形態(孔形状、大きさ)を選定可能である。
以上のように、本実施例の吸気システムにおいては、実施例1及び2と同様な効果を奏する。
図9は、本発明の吸気システムを適用した吸気システム(実施例4)を示したものである。
ここで、実施例1〜3と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
貫通孔群Dは、貫通孔列31〜33を複数列(3列)配置して構成されている。
複数列(3列)の貫通孔列31〜33は、少なくとも3種類以上の異なる形態(孔形状、大きさ)の貫通孔41〜43を備えている。
複数列(3列)の貫通孔列31〜33の各貫通孔41〜43は、同一平面上で、隣接する貫通孔列31〜33の横列方向に一列に並ばないようにオフセット配列されている。
複数の貫通孔列31、32は、プレートバルブ2の外周側から中心側へ向かって、第1列の貫通孔列31および第2列の貫通孔列32の順に配列されている。
また、弾性シール材4は、上記の他に、複数の弾性結合体56を備えている。この弾性結合体56は、第3列の貫通孔列33の各貫通孔43を通り抜けて弾性被覆体51と弾性被覆体52とを結合する第3列の結合(連結)部分(第1弾性結合体)である。
また、列の異なる貫通孔列31〜33の各貫通孔41〜43の並びは、直線上(斜線上)でも、途中で傾斜角度が変わっても構わない。
ここで、本実施例の吸気システムにおいては、プレートバルブ2の強度および弾性シール材4の保持強度との兼ね合いを見ながら最適な形態(孔形状、大きさ)を選定可能である。
以上のように、本実施例の吸気システムにおいては、実施例1〜3と同様な効果を奏する。
図10および図11は、本発明の吸気システムを適用した吸気システム(実施例5)を示したものである。
ここで、実施例1〜4と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
また、弾性シール材4は、突出部64の半外周面65を被覆する弾性被覆体71、および突出部64の半内周面66を被覆する弾性被覆体72等を有している。
すなわち、図10および図11に示したように、複数の貫通孔41、42は、実施例1〜3のような同一平面でなくても、立体的に千鳥状に互い違いでも構わない。
ここで、本実施例の吸気システムにおいては、プレートバルブ2の強度および弾性シール材4の保持強度との兼ね合いを見ながら最適な形態(孔形状、大きさ)を選定可能である。
また、弾性シール材4のシールリップ57の倒れ性や強度向上にも繋がる。
以上のように、本実施例の吸気システムにおいては、実施例1〜4と同様な効果を奏する。
本実施例では、可変吸気制御弁の弁体であるプレートバルブ2を駆動(開閉駆動)するアクチュエータを、モータおよび減速機構等を備えた電動アクチュエータによって構成しているが、吸気制御弁の弁体であるプレートバルブを駆動(開閉駆動)するアクチュエータを、電磁アクチュエータ(ソレノイドアクチュエータ)、あるいは電磁式または電動式負圧制御弁を備えた負圧作動式アクチュエータによって構成しても良い。
また、吸気制御弁の弁体(プレートバルブ)として、バタフライバルブ、フラップバルブ、ロータリバルブ、ポペットバルブやスプールバルブ等を採用しても良い。
また、本発明の吸気システムを、内燃機関(エンジン)の吸気ポートの高さ方向(ピストンの摺動方向を上下方向とした場合は上下方向)の一方側に片寄った直進的な吸気の流れ(偏流)を発生させることで、エンジンの燃焼室内において縦方向の吸気渦流(旋回流、タンブル流)を発生させるタンブル制御弁を備えた内燃機関の吸気システムに適用しても良い。
また、吸気制御弁の弁体であるプレートバルブは、多連一体型のバルブに限定されず、内燃機関の吸気通路等の流体流路に設置されるバルブであれば、1個のバルブでも良い。
2 プレートバルブ
3 バルブ周縁部
4 弾性シール材
31 貫通孔列
32 貫通孔列
33 貫通孔列
41 貫通孔
42 貫通孔
43 貫通孔
Claims (14)
- (a)内燃機関の吸気通路(10)に連通する流路(12、15)が貫通形成された環状のバルブシート(21、22)と、
(b)このバルブシート(21、22)に接離して前記流路(12、15)を開閉する合成樹脂製のプレートバルブ(2)と、
(c)このプレートバルブ(2)の板厚方向の両側面を被覆するゴム状弾性体製の弾性シール材(4)と
を備えた吸気システムにおいて、
前記プレートバルブ(2)は、その周縁方向に延びる環帯状の周縁部(3)、およびこの周縁部(3)を貫通する貫通孔(41〜43)を複数個有する環帯状の貫通孔群(A〜E)を備え、
前記貫通孔群(A〜E)は、前記複数個の貫通孔(41〜43)を前記プレートバルブ(2)の周縁方向に沿うように一列に配列した貫通孔列(31〜33)を、その貫通孔列(31〜33)の配列方向に対して垂直な横列方向に複数列配置して構成されており、
前記貫通孔群(A〜E)における複数列の貫通孔列(31〜33)のうち列の異なる貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)または隣接する貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)は、前記貫通孔列(31〜33)の横列方向に一列に並ばないようにオフセット配列され、あるいは前記貫通孔列(31〜33)の配列方向に沿って互い違いに配列されており、
前記弾性シール材(4)は、前記周縁部(3)の表面(25)、裏面(26)を被覆する環帯状の弾性被覆体(51、52)、および前記複数列の貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)を通り抜けて前記弾性被覆体(51、52)同士を結合する複数の弾性結合体(54〜56)を有していることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1に記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)は、前記プレートバルブ(2)の外周側から中心側へ向かって、第1列の貫通孔列(31〜33)および第2列の貫通孔列(31〜33)の順に配列されていることを特徴とする吸気システム。 - 請求項2に記載の吸気システムにおいて、
前記複数の弾性結合体(54、55)は、前記第1列の貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)を通り抜けて前記弾性被覆体(51、52)同士を結合する複数の第1弾性結合体(54)、および前記第2列の貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)を通り抜けて前記弾性被覆体(51、52)同士を結合する複数の第2弾性結合体(55)を有していることを特徴とする吸気システム。 - 請求項2または請求項3に記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)は、前記プレートバルブ(2)の外周側から中心側へ向かって、第1列の貫通孔列(31〜33)、第2列の貫通孔列(31〜33)および第3列の貫通孔列(31〜33)の順に配列されていることを特徴とする吸気システム。 - 請求項4に記載の吸気システムにおいて、
前記複数の弾性結合体(54〜56)は、前記第3列の貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)を通り抜けて前記弾性被覆体(51、52)同士を結合する複数の第3弾性結合体(56)を有していることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の吸気システムにおいて、
前記ゴム状弾性体とは、少なくとも前記バルブシート(21、22)と前記プレートバルブ(2)との接触方向に弾性変形する合成ゴムのことであることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の吸気システムにおいて、
前記ゴム状弾性体とは、少なくとも前記バルブシート(21、22)と前記プレートバルブ(2)との接触方向に弾性変形する熱可塑性エラストマーのことであることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の吸気システムにおいて、
前記プレートバルブ(2)は、合成樹脂によって形成されていることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)は、少なくとも2種類以上の異なる形態の貫通孔(41〜43)を有していることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)は、少なくとも3種類以上の異なる形態の貫通孔(41〜43)を有し、
前記少なくとも3種類以上の異なる形態の貫通孔(41〜43)の配列順序は、ランダムに設定されていることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)の孔間ピッチは、全て一定である、あるいは一部が異ピッチである、あるいは全て異ピッチであることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1に記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)のうちで列の異なる貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)の並びは、前記貫通孔列(31〜33)の配列方向に対して垂直な方向に対して傾斜した直線上、あるいは途中で角度が変わっていることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1に記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)は、同一平面上で、前記オフセット配列され、あるいは前記互い違いに配列されていることを特徴とする吸気システム。 - 請求項1に記載の吸気システムにおいて、
前記複数列の貫通孔列(31〜33)の各貫通孔(41〜43)は、立体的に、前記オフセット配列され、あるいは前記互い違いに配列されていることを特徴とする吸気システム。
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