JP2018087563A - 吸気装置 - Google Patents

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伊藤 篤史
Atsushi Ito
篤史 伊藤
剛士 森口
Takeshi Moriguchi
剛士 森口
俊之 大岩
Toshiyuki OIWA
俊之 大岩
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【課題】外部ガスに含まれる液体成分や異物が、外部ガス制御弁に溜まることを抑制することが可能な吸気装置を提供する。【解決手段】この吸気装置100は、内燃機関200の複数の気筒210に対応してそれぞれ設けられた複数の吸気管12を含む吸気装置本体10と、排気ガスを複数の吸気管12の各々の内部に供給する排気ガス通路30と、排気ガス通路30に配置され、排気ガスの流通を制御する排気ガス制御弁40と、を備える。そして、排気ガス通路30は、排気ガス制御弁40に対して上流側に配置される複数の上流側排気ガス通路32aと、排気ガス制御弁40に対して下流側に配置される複数の下流側排気ガス通路32bと、を含む。そして、排気ガス制御弁40は、車両搭載状態において、複数の上流側排気ガス通路32aおよび複数の下流側排気ガス通路32bに対して上側に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、吸気装置に関する。
従来、吸気管内に外部ガスを供給する吸気装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、内燃機関の複数の気筒に対応してそれぞれ設けられた複数の分岐管(吸気管)を含む吸気マニホールドと、吸気マニホールドの複数の分岐管に接続され、内燃機関から排出された排気ガスを複数の吸気管の各々の内部に供給するEGR(Exhaust Gas Recirculation)マニホールドとを備える吸気装置が開示されている。この吸気装置では、複数の分岐管のそれぞれに対応して、排気ガスの流通を制御する複数のEGRバルブが設けられている。この吸気装置では、EGRバルブに対して上流側の排気ガス通路が、EGRバルブに対して上側に配置されている。
特開2000−45879号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の吸気装置では、上流側の排気ガス通路がEGRバルブに対して上側に配置されているため、排気ガスの凝縮水などの排気ガスに含まれる液体成分や排気ガスに含まれるデポジットなどの異物が、重力によりEGRバルブに向かって移動してしまう。このため、排気ガスに含まれる液体成分や異物が、EGRバルブ(外部ガス制御弁)に溜まりやすいという問題点がある。なお、排気ガスに含まれる液体成分や異物が、EGRバルブに溜まった場合には、EGRバルブにおける液体成分の凍結や異物の堆積に起因して、EGRバルブが作動しないおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、外部ガスに含まれる液体成分や異物が、外部ガス制御弁に溜まることを抑制することが可能な吸気装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における吸気装置は、内燃機関の複数の気筒に対応してそれぞれ設けられた複数の吸気管を含む吸気装置本体と、外部ガスを複数の吸気管の各々の内部に供給する外部ガス通路と、外部ガス通路に配置され、外部ガスの流通を制御する外部ガス制御弁と、を備え、外部ガス通路は、外部ガス制御弁に対して上流側において、複数の吸気管にそれぞれ対応する位置に配置される複数の上流側外部ガス通路と、外部ガス制御弁に対して下流側において、複数の吸気管にそれぞれ対応する位置に配置される複数の下流側外部ガス通路と、を含み、外部ガス制御弁は、車両搭載状態において、複数の上流側外部ガス通路および複数の下流側外部ガス通路に対して上側に配置されている。
この発明の一の局面による吸気装置では、上記のように、外部ガス制御弁を、車両搭載状態において、複数の上流側外部ガス通路および複数の下流側外部ガス通路に対して上側に配置する。これにより、外部ガスの凝縮水などの外部ガスに含まれる液体成分や外部ガスに含まれるデポジットなどの異物を、重力により、外部ガス制御弁に対して下側に配置された複数の上流側外部ガス通路および複数の下流側外部ガス通路に向かって移動させることができる。その結果、外部ガスに含まれる液体成分や異物が、外部ガス制御弁に溜まることを抑制することができる。したがって、外部ガス制御弁における液体成分の凍結や異物の堆積に起因して、外部ガス制御弁が作動しなくなることを抑制することができる。
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、複数の上流側外部ガス通路の各々および複数の下流側外部ガス通路の各々は、車両搭載状態において、外部ガス制御弁に対して、水平方向に延びるか、鉛直下方に延びるかまたは下方に傾斜した方向に延びるように形成されている。
このように構成すれば、上流側外部ガス通路および下流側外部ガス通路において、外部ガスに含まれる液体成分や異物が、重力により、外部ガス制御弁に向かって移動されることを抑制することができる。その結果、外部ガスに含まれる液体成分や異物が、外部ガス制御弁に溜まることをより抑制することができる。また、複数の上流側外部ガス通路の各々および複数の下流側外部ガス通路の各々が鉛直下方に延びるかまたは下方に傾斜した方向に延びるように形成されている場合には、上流側外部ガス通路および下流側外部ガス通路において、外部ガスに含まれる液体成分や異物を、重力により、下側に向かって移動させることができる。その結果、外部ガスに含まれる液体成分や異物が、上流側外部ガス通路および下流側外部ガス通路に溜まることを抑制することができる。したがって、液体成分の凍結や異物の堆積に起因して、上流側外部ガス通路および下流側外部ガス通路が閉塞することを抑制することができる。
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、外部ガス制御弁は、弁体と、弁体を収容するとともに、外部ガスが流入する流入口と、外部ガスが流出する流出口とが形成された弁体収容部と、を含み、流入口または流出口のうちの少なくともいずれか一方は、弁体収容部の下端部に形成されている。
このように構成すれば、弁体収容部の下端部に形成された流入口または流出口のうちの少なくともいずれか一方から、弁体収容部内の外部ガスに含まれる液体成分や異物を容易に排出することができる。その結果、外部ガスに含まれる液体成分や異物が、弁体収容部内に溜まることを抑制することができるので、液体成分の凍結や異物の堆積に起因して、外部ガス制御弁が作動しなくなることをより抑制することができる。
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、外部ガス制御弁は、弁体と、弁体を収容するとともに、外部ガスが流入する流入口と、外部ガスが流出する流出口とが形成された弁体収容部と、を含み、外部ガス制御弁は、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体により流出口を覆うように構成されている。
このように構成すれば、外部ガス制御弁の閉状態において、圧力が高い側である外部ガスの流入口側と、圧力が低い側である外部ガスの流出口側との圧力差により、弁体を流出口に向かって移動させることができる。その結果、弁体と弁体収容部との間の隙間を小さくすることができるので、外部ガス制御弁の閉状態において、外部ガス制御弁のシール性を高めることができる。
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、複数の上流側外部ガス通路および複数の下流側外部ガス通路は、吸気装置本体と一体的に形成されている。
このように構成すれば、複数の上流側外部ガス通路および複数の下流側外部ガス通路が吸気装置本体と別途独立して設けられている場合に比べて、吸気装置を軽量化およびコンパクト化することができる。また、複数の下流側外部ガス通路が吸気装置本体と別途独立して設けられている場合に比べて、複数の下流側外部ガス通路の長さを小さくすることができるので、複数の下流側外部ガス通路の容積を小さくすることができる。その結果、外部ガス制御弁を開状態にした場合に、外部ガスを迅速に吸気管に供給することができるので、外部ガス供給制御の応答性を高めることができる。
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、外部ガス制御弁は、外部ガス通路の最下流部の近傍に配置されている。
このように構成すれば、外部ガス制御弁の閉状態において、外部ガスを外部ガス通路の最下流部の近傍まで導いておくことができる。その結果、外部ガス制御弁を開状態にした場合に、外部ガスを迅速に吸気管に供給することができるので、外部ガス供給制御の応答性を高めることができる。
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、外部ガス制御弁は、円柱状の弁体と、弁体を収容するとともに、外部ガスが流入する流入口と、外部ガスが流出する流出口とが形成された弁体収容部と、を含み、外部ガス制御弁は、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体により流入口および流出口の両方を覆う第1閉状態に制御されるように構成されている。
このように構成すれば、外部ガス制御弁の閉状態において流入口が弁体により覆われていない場合と異なり、覆われていない流入口を介して外部ガス制御弁の弁体収容部内に外部ガスが流入することを防止することができる。その結果、外部ガス制御弁の閉状態において、外部ガス制御弁を第1閉状態に制御することによって、液体成分や異物が外部ガス制御弁の弁体収容部内に溜まることを抑制することができる。
この場合、好ましくは、外部ガス制御弁は、外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行わない運転条件である場合には、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、第1閉状態に制御されるとともに、外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行う運転条件である場合には、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体により流入口または流出口のうちのいずれか一方を覆う第2閉状態に制御されるように構成されている。
このように構成すれば、第2閉状態では、弁体により流入口および流出口の両方を覆う第1閉状態に比べて、小さい回転角度で、外部ガス制御弁を流入口と流出口とを流体的に接続する開状態に移行させることができるので、外部ガス制御弁を開状態に迅速に移行させることができる。その結果、第2閉状態では、外部ガス供給制御の応答性を高めることができる。また、外部ガス供給制御の応答性を要する運転条件(外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行う運転条件)である場合には、外部ガス制御弁を応答性が高い第2閉状態にすることができるとともに、外部ガス供給制御の応答性を要しない運転条件(外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行わない運転条件)である場合には、外部ガス制御弁を液体成分や異物が溜まることを抑制可能な第1閉状態にすることができる。これらの結果、液体成分や異物が外部ガス制御弁に溜まることを抑制しながら、外部ガス供給制御の応答性を高めることができる。
上記外部ガス制御弁が第1閉状態または第2閉状態に制御される構成において、好ましくは、外部ガス制御弁は、内燃機関の温度が所定の温度よりも小さい場合には、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、第1閉状態に制御されるとともに、内燃機関の温度が所定の温度以上である場合には、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、第2閉状態に制御されるように構成されている。
このように構成すれば、内燃機関の温度が低く外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行わない運転条件である場合に、外部ガス制御弁を確実に第1閉状態に制御することができる。また、内燃機関の温度が高く外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行う運転条件である場合に、外部ガス制御弁を確実に第2閉状態に制御することができる。また、内燃機関の温度が低い場合には、液体成分や異物が発生しやすい。このため、内燃機関の温度が所定の温度よりも小さい場合に、外部ガス制御弁を第1閉状態に制御することは、液体成分や異物が外部ガス制御弁に溜まることを抑制する上で、非常に効果的である。
上記外部ガス制御弁が第1閉状態または第2閉状態に制御される構成において、好ましくは、外部ガス制御弁は、第1閉状態に移行する場合には、第2閉状態において流入口または流出口のうちのいずれか覆われない方を覆う方向に弁体が回転されるように構成されている。
このように構成すれば、第2閉状態において流入口または流出口のうちのいずれか覆われない方を覆う方向とは反対方向に弁体が回転される場合に比べて、弁体の回転角度を小さくすることができるので、弁体により流入口および流出口の両方を覆う第1閉状態に迅速に移行することができる。
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、外部ガス制御弁は、円柱状の弁体と、円柱状の弁体を収容するとともに、外部ガスが流入する流入口と、外部ガスが流出する流出口とが形成された円柱状の弁体収容部と、円柱状の弁体収容部を内部に有する樹脂製の筐体と、円柱状の弁体と筐体における弁体収容部を取り囲む内周面との間に配置された金属製の管部材とを含む。
このように構成すれば、樹脂製の筐体を用いることによって、吸気装置を容易に軽量化することができる。また、一般的に樹脂よりも耐摩耗性に優れた金属製の管部材により、耐摩耗性に劣る樹脂製の筐体が摩耗するのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、筐体および吸気装置本体は、樹脂により一体的に形成されている。
このように構成すれば、筐体と吸気装置本体とを別個に設ける場合と比べて、部品点数を削減することができるとともに、筐体と吸気装置本体とを接合する必要ないので、製造工程を簡略化することができる。また、筐体および吸気装置本体を樹脂により形成することによって、吸気装置本体をより容易に軽量化することができる。
なお、上記一の局面による吸気装置において、以下の構成も考えられる。
(付記項1)
たとえば、上記複数の上流側外部ガス通路および複数の下流側外部ガス通路が吸気装置本体と一体的に形成されている構成において、好ましくは、複数の上流側外部ガス通路の各々の壁部と、複数の下流側ガス通路の各々の壁部と、吸気装置本体の複数の吸気管の各々の壁部とは、共用の壁部により構成されている。
(付記項2)
また、上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、外部ガス制御弁は、弁体と、弁体を収容するとともに、複数の上流側外部ガス通路にそれぞれ対応する位置に配置される複数の流入口と、複数の下流側外部ガス通路にそれぞれ対応する位置に配置される複数の流出口とが形成された弁体収容部と、を含み、弁体は、円柱状の弁体本体と、弁体本体のうち、複数の流入口および複数の流出口に対応する位置に切欠き状に設けられた複数の弁体切欠き部と、を有し、外部ガス制御弁は、外部ガスを流通させる開状態において、複数の弁体切欠き部の各々が、複数の流入口および複数の流出口の各々を流体的に接続する位置に配置されるとともに、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体が、複数の流入口および複数の流出口の各々を流体的に遮断する位置に配置されるように構成されている。
(付記項3)
また、上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、外部ガスは、再循環される排気ガス、または、内燃機関において漏れ出たブローバイガスを含む。
(付記項4)
また、上記外部ガス制御弁が外部ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体により流出口を覆う構成において、好ましくは、外部ガス制御弁は、弁体軸部と、弁体軸部に取り付けられ、弾性変形可能な軸受部と、をさらに含む。
(付記項5)
また、上記外部ガス制御弁が金属製の管部材を含む構成において、好ましくは、金属製の管部材は、樹脂製の筐体における弁体収容部を取り囲む内周面に一体的に取り付けられている。
(付記項6)
また、上記外部ガス制御弁が金属製の管部材を含む構成において、好ましくは、外部ガス制御弁は、筐体の外部に少なくとも一部が配置され、円柱状の弁体を回動させる駆動部と、金属製の管部材と樹脂製の筐体との間に配置され、駆動部と筐体との間をシールするシール部材とをさらに含む。
本発明の第1実施形態による吸気装置を示す模式的な正面図である。 図1の600−600線に沿った断面を示す模式的な断面図である。 第1実施形態の吸気装置の排気ガス通路と排気装置との接続状態を示す模式的な図である。 第1実施形態の吸気装置の排気ガス制御弁を示す模式的な斜視図である。 第1実施形態の吸気装置の排気ガス制御弁の開状態を示す模式的な断面図である。 第1実施形態の吸気装置の排気ガス制御弁の閉状態を示す模式的な断面図である。 第1実施形態の吸気装置の排気ガス制御弁の弁体軸部および軸受部を示す模式的な断面図である。 第2実施形態の内燃機関の構成を示すブロック図である。 第2実施形態の吸気装置の排気ガス制御弁の開閉制御を説明するための図である。 第2実施形態の吸気装置の排気ガス制御弁の開閉制御を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態の第1変形例による吸気装置の外部ガス制御弁の弁体軸部および軸受部を示す模式的な断面図である。 第1実施形態の第2変形例による吸気装置の外部ガス制御弁の弁体軸部および軸受部を示す模式的な断面図である。 本発明の第3実施形態による吸気装置を示す模式的な正面図である。 図13の610−610線に沿った断面を示す模式的な断面図である。 図14の620−620線に沿った断面を示す模式的な断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、内燃機関200における複数の気筒210の配列方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、水平面に直交する方向を上下方向(Z方向)とする。
[第1実施形態]
(吸気装置の構成)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による吸気装置100の構成について説明する。
図1および図2に示すように、吸気装置100は、自動車などの車両に搭載される内燃機関200(図2参照)に空気を含む燃焼用のガスを供給する装置である。内燃機関200は、複数(3つ)の気筒210(図2参照)を備える直列多気筒(3気筒)エンジンである。複数の気筒210は、図示しないものの、X方向に沿って並んで配列されている。内燃機関200では、吸気装置100により空気を含む燃焼用のガスが供給されるとともに、ガソリンなどの燃料と混合されて燃焼される。また、内燃機関200では、排気装置300(図3参照)により、燃焼用のガスと燃料とが混合されて燃焼されることにより生じた排気ガスが外部に排出される。なお、図1〜図3は、車両搭載状態の吸気装置100を示している。
吸気装置100は、吸気装置本体10と、排気ガス再循環部20とを備えている。
吸気装置本体10は、吸気口(図示せず)から吸い込んだ空気を、複数の気筒210に対応してそれぞれ設けられた内燃機関200の複数の燃焼室220(図2参照)に供給するように構成されている。具体的には、吸気装置本体10は、サージタンク11と、複数(3つ)の吸気管12とを含んでいる。
サージタンク11は、スロットルバルブ(図示せず)を介して、吸気口に接続されている。また、サージタンク11は、吸気口から吸い込んだ空気を一時的に溜めるように構成されている。複数の吸気管12は、内燃機関200の複数の気筒210にそれぞれ対応して設けられている。また、複数の吸気管12の各々は、サージタンク11に溜まった空気を内燃機関200の吸気ポート230に導くように構成されている。吸気装置本体10は、吸気口から吸い込まれてサージタンク11に溜められた空気を、複数の吸気管12により気筒210毎に分配することによって、内燃機関200の複数の燃焼室220の各々に供給するように構成されている。
排気ガス再循環部20は、内燃機関200の燃焼室220から排出された排気ガスのうちの一部を、吸気装置本体10の複数の吸気管12の各々に供給するように構成されている。これにより、吸気装置本体10は、吸気口から吸い込まれた空気と、排気ガス再循環部20により供給された排気ガスとを混合した燃焼用のガスを、内燃機関200の燃焼室220に供給することが可能なように構成されている。この結果、内燃機関200では、排気ガスが再循環される。
排気ガス再循環部20は、排気ガス通路30(外部ガス通路の一例)と、排気ガス制御弁40(外部ガス制御弁の一例)とを含んでいる。
排気ガス通路30は、排気装置300から供給される排気ガスを吸気装置100の複数の吸気管12の各々の内部に供給する排気ガス通路である。具体的には、排気ガス通路30は、主排気ガス通路31と、複数(3つ)の分岐排気ガス通路32とを有している。
図1〜図3に示すように、主排気ガス通路31は、排気装置300と分岐排気ガス通路32とを接続する排気ガス通路である。主排気ガス通路31は、集合排気ガス通路31aと、複数(2つ)の分岐排気ガス通路31b(図1参照)と、排気ガス集合通路31cとを含んでいる。排気ガス通路30では、排気ガスの流れ方向の上流側から下流側に向かって、集合排気ガス通路31a、分岐排気ガス通路31b、排気ガス集合通路31cおよび分岐排気ガス通路32が、この順に配置されている。
図3に示すように、集合排気ガス通路31aは、排気装置300に接続されている。また、図1および図3に示すように、集合排気ガス通路31aは、排気装置300から供給される排気ガスを複数の分岐排気ガス通路31bに導くように構成されている。また、集合排気ガス通路31aには、水などの冷却用流体により、排気ガス通路30内の排気ガスを冷却するための冷却部33(図3参照)が設けられている。これにより、排気ガスを冷却した状態で、複数の吸気管12に供給することが可能である。複数の分岐排気ガス通路31bは、集合排気ガス通路31aにより導かれた排気ガスを複数(2つ)の通路に分岐させて、排気ガス集合通路31cに導くように構成されている。排気ガス集合通路31cは、複数の分岐排気ガス通路31bにより複数の通路に分岐された排気ガスを集合させて、複数の分岐排気ガス通路32に導くように構成されている。
図1および図2に示すように、複数(3つ)の分岐排気ガス通路32は、主排気ガス通路31と複数の吸気管12とを接続する排気ガス通路であって、主排気ガス通路31により導かれた排気ガスを複数の吸気管12のそれぞれに対応して分岐させる排気ガス通路である。複数の分岐排気ガス通路32の各々は、上流側排気ガス通路32a(上流側外部ガス通路の一例)と、下流側排気ガス通路32b(下流側外部ガス通路の一例)とを含んでいる。つまり、排気ガス通路30は、複数(3つ)の上流側排気ガス通路32aと、複数(3つ)の下流側排気ガス通路32bとを含んでいる。
複数の上流側排気ガス通路32aは、排気ガス制御弁40に対して上流側において、複数の吸気管12にそれぞれ対応する位置に配置されている。また、複数の上流側排気ガス通路32aは、主排気ガス通路31により導かれた排気ガスを、排気ガス制御弁40の内部に導くように構成されている。複数の下流側排気ガス通路32bは、排気ガス制御弁40に対して下流側において、複数の吸気管12にそれぞれ対応する位置に配置されている。また、複数の下流側排気ガス通路32bは、排気ガス制御弁40の内部の排気ガスを、排気ガス通路30の最下流部に接続された複数の吸気管12に導くように構成されている。
排気ガス制御弁40は、排気ガス通路30の最下流部の近傍に配置され、複数の分岐排気ガス通路32において、排気ガスの流通を制御するように構成されている。具体的には、排気ガス制御弁40は、複数の分岐排気ガス通路32において、再循環される排気ガスの流量を制御するように構成されている。排気ガス制御弁40は、図4に示すように、弁体41と、弁体収容部42と、弁体軸部43と、軸受部44とを含んでいる。
弁体41は、モータなどの駆動部45により回転されることによって、排気ガス通路30を開閉する部材である。具体的には、弁体41は、弁体本体41aと、複数(3つ)の弁体切欠き部41bとを有している。弁体本体41aは、X方向に延びる円柱形状を有している。複数の弁体切欠き部41bは、弁体本体41aにおいて、弁体収容部42の後述する複数の流入口42a(図2参照)および複数の流出口42b(図2参照)に対応する位置に切欠き状に設けられている。複数の弁体切欠き部41bの各々は、X方向に直交する断面において、円柱形状を有する弁体本体41aを半円状に切り欠いた形状を有している。
図1および図2に示すように、弁体収容部42は、排気ガス制御弁40のケーシング46に、X方向に延びる円柱形状を有する空間として形成されており、弁体41を収容するように構成されている。また、弁体収容部42には、複数(3つ)の流入口42aと、複数(3つ)の流出口42bとが形成されている。複数(3つ)の流入口42aは、複数の上流側排気ガス通路32aにそれぞれ対応する位置に配置されている。また、複数の流出口42bは、複数の下流側排気ガス通路32bにそれぞれ対応する位置に配置されている。
図4に示すように、弁体軸部43は、駆動部45による駆動力を弁体41に伝達するとともに、弁体41を支持するための部材である。弁体軸部43は、一端側軸部43aと、他端側軸部43bとを有している。一端側軸部43aは、弁体41のX2方向側の端部に設けられている。また、一端側軸部43aは、駆動部45に接続されており、駆動部45による駆動力を弁体41に伝達するように構成されている。他端側軸部43bは、弁体41のX1方向側の端部に設けられている。
軸受部44は、弁体軸部43を回転可能に支持するための部材である。軸受部44は、一端側軸受部44aと、他端側軸受部44bとを有している。一端側軸受部44aは、一端側軸部43aに取り付けられており、一端側軸部43aを回転可能に支持するように構成されている。また、他端側軸受部44bは、他端側軸部43bに取り付けられており、他端側軸部43bを回転可能に支持するように構成されている。弁体41は、一端側軸部43aおよび一端側軸受部44aを介して、X2方向側において支持されるように構成されている。また、弁体41は、他端側軸部43bおよび他端側軸受部44bを介して、X1方向側において支持されるように構成されている。
排気ガス制御弁40は、駆動部45により弁体41が回転されることによって、複数の分岐排気ガス通路32の各々において排気ガスを流通させる開状態と、複数の分岐排気ガス通路32の各々において排気ガスの流通を遮断する閉状態とが切り替わるように構成されている。具体的には、排気ガス制御弁40は、図5に示すように、開状態において、複数の弁体切欠き部41bの各々が、複数の流入口42aおよび複数の流出口42bの各々を流体的に接続する位置に配置されるように構成されている。これにより、複数の上流側排気ガス通路32a(図2参照)と、複数の下流側排気ガス通路32b(図2参照)とが流体的に接続されて、複数の吸気管12(図2参照)に排気ガスが供給される。なお、図6では、排気ガス制御弁40の開状態のうちの全開状態を示しているものの、排気ガス制御弁40は、全開状態以外の開状態も取り得る。つまり、排気ガス制御弁40は、弁体41の回転量により開度を調節して、排気ガスの流量を制御することが可能である。
また、排気ガス制御弁40は、図6に示すように、閉状態において、弁体41(弁体本体41a)が、複数の流入口42aおよび複数の流出口42bの各々を流体的に遮断する位置に配置されるように構成されている。また、排気ガス制御弁40は、閉状態において、弁体41(弁体本体41a)により複数の流出口42bの各々を覆うように構成されている。これにより、複数の上流側排気ガス通路32a(図2参照)と、複数の下流側排気ガス通路32b(図2参照)とが流体的に遮断されて、複数の吸気管12(図2参照)への排気ガスの供給が停止される。
ここで、第1実施形態では、図1および図2に示すように、排気ガス制御弁40は、車両搭載状態において、複数の上流側排気ガス通路32aおよび複数の下流側排気ガス通路32bに対して上側(Z1方向側)に配置されている。また、第1実施形態では、排気ガス制御弁40は、排気ガス通路30において、最も高い位置に配置されている。また、図2に示すように、排気ガス制御弁40では、弁体収容部42の複数の流入口42aの各々および複数の流出口42bの各々は、下方に傾斜した方向に開口している。これにより、排気ガスの凝縮水などの排気ガスに含まれる液体成分や排気ガスに含まれるデポジットなどの異物が、弁体収容部42内に溜まることを抑制することが可能である。
また、第1実施形態では、図5および図6に示すように、弁体収容部42の複数の流出口42bの各々は、弁体収容部42の下端部に形成されている。具体的には、弁体収容部42の複数の流出口42bの各々は、円柱形状を有する空間として形成された弁体収容部42の最下点Pを含むように、弁体収容部42の下端部に形成されている。
また、第1実施形態では、図1〜図3に示すように、排気ガス通路30は、排気ガス制御弁40に対して下り勾配を有するように構成されている。具体的には、排気ガス通路30の複数の分岐排気ガス通路32では、複数の上流側排気ガス通路32aの各々および複数の下流側排気ガス通路32bの各々は、排気ガス制御弁40に対して下方に傾斜した方向に延びるように形成されている。
また、排気ガス通路30の主排気ガス通路31は、全体として、下方に傾斜した方向に延びるように形成されている。具体的には、主排気ガス通路31では、複数の分岐排気ガス通路31bの各々および集合排気ガス通路31aは、下方に傾斜した方向に延びるように構成されている。
また、第1実施形態では、図2に示すように、複数の上流側排気ガス通路32aの各々と、複数の下流側排気ガス通路32bの各々と、排気ガス集合通路31cと、複数(2つ)の分岐排気ガス通路31bの各々と、集合排気ガス通路31aの一部とは、吸気装置本体10と一体的に形成されている。
具体的には、複数の上流側排気ガス通路32aの各々の壁部と、複数の下流側排気ガス通路32bの各々の壁部と、排気ガス集合通路31cの壁部と、複数(2つ)の分岐排気ガス通路31bの各々の壁部と、集合排気ガス通路31aの一部の壁部と、複数の吸気管12の各々の壁部とは、共用の壁部12aにより構成されている。
また、第1実施形態では、図7に示すように、軸受部44(一端側軸受部44aおよび他端側軸受部44b)は、弾性変形可能に構成されている。なお、一端側軸受部44aおよび他端側軸受部44bは、実質的に同様の構成を有しているため、以下では、軸受部44として説明する。
具体的には、軸受部44は、内側軸受部44cと、弾性軸受部44dとをさらに含んでいる。内側軸受部44cは、弁体軸部43(一端側軸部43aおよび他端側軸部43b)を、回転可能に支持するように構成されている。また、内側軸受部44cは、円環形状を有しており、円柱形状を有する弁体軸部43の周囲を囲むように配置されている。また、内側軸受部44cは、金属または硬質な樹脂からなり、弾性軸受部44dよりも硬い。弾性軸受部44dは、円環形状を有する内側軸受部44cの周囲を囲むように配置されている。また、弾性軸受部44dは、ゴムなどのエラストマからなり、弾性変形可能に構成されている。軸受部44は、弾性軸受部44dが弾性変形することにより、弁体収容部42の流出口42bの開口方向に弾性変形可能に構成されている。これにより、排気ガス制御弁40の弁体41は、弁体収容部42の流出口42bを覆う閉状態において、弁体収容部42の流入口42a側の圧力(正圧)と流出口42b側の圧力(負圧)との圧力差により、弁体収容部42の流出口42bに向かって移動可能に構成されている。
また、弾性軸受部44dは、弁体軸部43に対して弁体収容部42の流出口42bの開口方向側に、弾性軸受部44dの他の部分よりも厚みが大きい厚み部44eを有している。これにより、弁体軸部43に対して弁体収容部42の流出口42bの開口方向側に、弾性変形代を確保することができるので、圧力差により、弁体41を流出口42bに向かって確実に移動させることが可能である。また、厚み部44eを有することにより、弾性軸受部44dは、弁体軸部43に対して、弁体収容部42の流出口42bの開口方向側が、弁体収容部42の流出口42bの開口方向とは反対側よりも長い形状を有している。これにより、軸受部44が振動する場合に、弾性軸受部44dの弁体軸部43に対して弁体収容部42の流出口42bの開口方向とは反対側の部分において、振動を抑えることが可能である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、車両搭載状態において、複数の上流側排気ガス通路32aおよび複数の下流側排気ガス通路32bに対して上側に配置する。これにより、排気ガスの凝縮水などの外部ガスに含まれる液体成分や排気ガスに含まれるデポジットなどの異物を、重力により、排気ガス制御弁40に対して下側に配置された複数の上流側排気ガス通路32aおよび複数の下流側排気ガス通路32bに向かって移動させることができる。その結果、排気ガスに含まれる液体成分や異物が、排気ガス制御弁40に溜まることを抑制することができる。したがって、排気ガス制御弁40における液体成分の凍結や異物の堆積に起因して、排気ガス制御弁40が作動しなくなることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の上流側排気ガス通路32aの各々および複数の下流側排気ガス通路32bの各々を、車両搭載状態において、排気ガス制御弁40に対して、下方に傾斜した方向に延びるように形成する。これにより、上流側排気ガス通路32aおよび下流側排気ガス通路32bにおいて、排気ガスに含まれる液体成分や異物が、重力により、排気ガス制御弁40に向かって移動されることを抑制することができる。その結果、排気ガスに含まれる液体成分や異物が、排気ガス制御弁40に溜まることをより抑制することができる。また、第1実施形態のように、複数の上流側排気ガス通路32aの各々および複数の下流側排気ガス通路32bの各々が下方に傾斜した方向に延びるように形成されている場合には、上流側排気ガス通路32aおよび下流側排気ガス通路32bにおいて、排気ガスに含まれる液体成分や異物を、重力により、下側に向かって移動させることができる。その結果、排気ガスに含まれる液体成分や異物が、上流側排気ガス通路32aおよび下流側排気ガス通路32bに溜まることを抑制することができる。したがって、液体成分の凍結や異物の堆積に起因して、上流側排気ガス通路32aおよび下流側排気ガス通路32bが閉塞することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、弁体収容部42の流出口42bを、弁体収容部42の下端部に形成する。これにより、弁体収容部42の下端部に形成された流出口42bから、弁体収容部42内の排気ガスに含まれる液体成分や異物を容易に排出することができる。その結果、排気ガスに含まれる液体成分や異物が、弁体収容部42内に溜まることを抑制することができるので、液体成分の凍結や異物の堆積に起因して、排気ガス制御弁40が作動しなくなることをより抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体41により流出口42bを覆うように構成する。これにより、排気ガス制御弁40の閉状態において、圧力が高い側である排気ガスの流入口42a側と、圧力が低い側である排気ガスの流出口42b側との圧力差により、弁体41を流出口42bに向かって移動させることができる。その結果、弁体41と弁体収容部42との間の隙間を小さくすることができるので、排気ガス制御弁40の閉状態において、排気ガス制御弁40のシール性を高めることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の上流側排気ガス通路32aおよび複数の下流側排気ガス通路32bを、吸気装置本体10と一体的に形成する。これにより、複数の上流側排気ガス通路32aおよび複数の下流側排気ガス通路32bが吸気装置本体10と別途独立して設けられている場合に比べて、吸気装置100を軽量化およびコンパクト化することができる。また、複数の下流側排気ガス通路32bが吸気装置本体10と別途独立して設けられている場合に比べて、複数の下流側排気ガス通路32bの長さを小さくすることができるので、複数の下流側排気ガス通路32bの容積を小さくすることができる。その結果、排気ガス制御弁40を開状態にした場合に、排気ガスを迅速に吸気管12に供給することができるので、排気ガス供給制御の応答性を高めることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、排気ガス通路30の最下流部の近傍に配置する。これにより、排気ガス制御弁40の閉状態において、排気ガスを排気ガス通路30の最下流部の近傍まで導いておくことができる。その結果、排気ガス制御弁40を開状態にした場合に、排気ガスを迅速に吸気管12に供給することができるので、排気ガス供給制御の応答性を高めることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の上流側排気ガス通路32aの各々の壁部と、複数の下流側ガス通路の各々の壁部と、吸気装置本体10の複数の吸気管12の各々の壁部とを、共用の壁部12aにより構成する。これにより、壁部を共用にすることによって、吸気装置100を容易に軽量化およびコンパクト化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、排気ガスを流通させる開状態において、複数の弁体切欠き部41bの各々が、複数の流入口42aおよび複数の流出口42bの各々を流体的に接続する位置に配置するように構成する。また、排気ガス制御弁40を、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体41が、複数の流入口42aおよび複数の流出口42bの各々を流体的に遮断する位置に配置されるように構成する。これにより、単一の排気ガス制御弁40により、複数の流入口42aおよび複数の流出口42bの各々における排気ガスの流通を制御することができる。その結果、複数の流入口42aおよび複数の流出口42bの各々に対応して複数の排気ガス制御弁40を設ける場合に比べて、吸気装置100の構成を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40が、弁体軸部43と、弁体軸部43に取り付けられ、弾性変形可能な軸受部44と、を含む。これにより、軸受部44を弾性変形させることによって、排気ガス制御弁40の閉状態において、圧力差により、弁体41を流出口42bに向かって容易かつ確実に移動させることができる。その結果、弁体41と弁体収容部42との間の隙間を容易かつ確実に小さくすることができるので、排気ガス制御弁40の閉状態において、排気ガス制御弁40のシール性を容易かつ確実に高めることができる。
[第2実施形態]
次に、図1および図8〜図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、排気ガス制御弁の開閉制御について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(内燃機関の構成)
第2実施形態による内燃機関400は、図8に示すように、制御部410と、吸気温度センサ420と、冷却水温度センサ430とを備える点で、上記第1実施形態の内燃機関200と相違する。
制御部410は、ECU(Engine Control Unit)を含み、内燃機関400の動作を制御する制御回路である。制御部410は、排気ガス制御弁40の開閉を制御するように構成されている。具体的には、制御部410は、排気ガス制御弁40の弁体41(図9参照)を駆動する駆動部45を制御して、排気ガス制御弁40の弁体41を回転させることにより、排気ガス制御弁40の開閉を制御するように構成されている。吸気温度センサ420は、内燃機関400における吸気温度Tiを検出するように構成されている。吸気温度センサ420により検出された吸気温度Tiは、制御部410により取得される。冷却水温度センサ430は、内燃機関400における冷却水温度Twを検出するように構成されている。冷却水温度センサ430により検出された冷却水温度Twは、制御部410により取得される。
(排気ガス制御弁の開閉に関する構成)
ここで、第2実施形態では、図9に示すように、排気ガス制御弁40は、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体41により流入口42aおよび流出口42bの両方を覆う第1閉状態St1、または、弁体41により流出口42bのみを覆う第2閉状態St2のうちのいずれかに制御されるように構成されている。なお、第1閉状態St1および第2閉状態St2は、共に、流入口42aおよび流出口42bを流体的に遮断することにより、排気ガスの流通を遮断する全閉状態である。また、排気ガス制御弁40は、排気ガスを流通させる開状態において、弁体41により流出口42bの一部のみを覆う一部開状態St3、または、弁体41により流入口42aおよび流出口42bの両方を覆わない全開状態St4に制御されるように構成されている。これにより、複数の吸気管12(図1参照)に供給する排気ガスの量を調節することが可能である。
排気ガス制御弁40は、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行わない運転条件である場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第1閉状態St1に制御されるように構成されている。また、排気ガス制御弁40は、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件である場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第2閉状態St2に制御されるように構成されている。また、排気ガス制御弁40は、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件である場合には、排気ガスを流通させる開状態において、供給したい排気ガスの量に応じて、一部開状態St3または全開状態St4に制御されるように構成されている。
制御部410は、内燃機関400の温度に基づいて、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件であるか否かを判断するように構成されている。具体的には、制御部410は、内燃機関400の温度が所定の温度以上である場合には、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件であると判断するように構成されている。また、制御部410は、内燃機関400の温度が所定の温度よりも小さい場合には、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行わない運転条件であると判断するように構成されている。
したがって、第2実施形態では、排気ガス制御弁40は、内燃機関400の温度が所定の温度よりも小さい場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第1閉状態St1に制御されるとともに、内燃機関400の温度が所定の温度以上の場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第2閉状態St2に制御されるように構成されている。
また、制御部410は、吸気温度Tiおよび冷却水温度Twに基づいて、内燃機関400の温度が所定の温度以上であるか否かを判断するように構成されている。具体的には、制御部410は、吸気温度Tiがしきい値Tithよりも大きく、かつ、冷却水温度Twがしきい値Twthよりも大きい場合に、内燃機関400の温度が所定の温度以上であると判断するように構成されている。吸気温度Tiのしきい値Tithおよび冷却水温度Twのしきい値Twthは、共に、実験などにより予め決められた値である。また、制御部410は、吸気温度Tiがしきい値Tith以下であるか、または、冷却水温度Twがしきい値Twth以下である場合には、内燃機関400の温度が所定の温度よりも小さいと判断するように構成されている。
また、第2実施形態では、排気ガス制御弁40は、第1閉状態St1から第2閉状態St2に移行する場合には、第2閉状態St2において覆われない流入口42aを覆わない方向(R1方向)に弁体41が回転されるように構成されている。また、排気ガス制御弁40は、第2閉状態St2から第1閉状態St1に移行する場合には、第2閉状態St2において覆われない流入口42aを覆う方向(R2方向)に弁体41が回転されるように構成されている。
(排気ガス制御弁の開閉制御)
次に、図10を参照して、第2実施形態の内燃機関400における排気ガス制御弁40の開閉制御をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの処理は、制御部410により行われる。
まず、図10に示すように、ステップS1では、吸気温度センサ420から吸気温度Tiが取得されるとともに、冷却水温度センサ430から冷却水温度Twが取得される。なお、後述するように、内燃機関400が停止される際に、排気ガス制御弁40が第1閉状態St1に制御されるため、ステップS1では、排気ガス制御弁40が第1閉状態St1になっている。
次に、ステップS2では、吸気温度Tiがしきい値Tithよりも大きく、かつ、冷却水温度Twがしきい値Twthよりも大きいか否かが判断される。吸気温度Tiがしきい値Tith以下であるか、または、冷却水温度Twがしきい値Twth以下である場合には、ステップS1に戻る。この場合、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行わない運転条件であるとともに、内燃機関400の温度が所定の温度よりも小さいと判断されるので、排気ガス制御弁40は、第1閉状態St1が維持されたままである。また、吸気温度Tiがしきい値Tithよりも大きく、かつ、冷却水温度Twがしきい値Twthよりも大きい場合には、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件であるとともに、内燃機関400の温度が所定の温度以上であると判断されるので、ステップS3に進む。
次に、ステップS3では、流出口42bのみを覆うように、弁体41をR1方向に回転させることにより、排気ガス制御弁40が第2閉状態St2に制御される。
次に、ステップS4では、内燃機関400の運転条件(たとえば、内燃機関400における回転速度)に基づいて、弁体41をR1方向またはR2方向に回転させることにより流出口42bの開度が調節される。ステップS5では、複数の吸気管12に排気ガスを供給する場合には、排気ガス制御弁40が一部開状態St3または全開状態St4に制御される。また、ステップS5では、複数の吸気管12に排気ガスを供給しない場合には、排気ガス制御弁40が第2閉状態St2に制御される。
次に、ステップS5では、内燃機関400が停止されたか否かが判断される。内燃機関400が停止されることなく、内燃機関400の動作が継続すると判断される場合には、変化する運転条件に応じて排気ガスの供給量を制御するために、ステップS4に戻る。また、内燃機関400が停止されたと判断される場合には、ステップS6に進む。
次に、ステップS6では、流入口42aおよび流出口42bの両方を覆うように、弁体41をR2方向に回転させることにより、排気ガス制御弁40が第1閉状態St1に制御される。その後、排気ガス制御弁40の開閉制御が終了される。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、弁体41により流入口42aおよび流出口42bの両方を覆う第1閉状態St1に制御されるように構成する。これにより、排気ガス制御弁40の閉状態において流入口42aが弁体41により覆われていない場合と異なり、覆われていない流入口42aを介して排気ガス制御弁40の弁体収容部42内に排気ガスが流入することを防止することができる。その結果、排気ガス制御弁40の閉状態において、排気ガス制御弁40を第1閉状態に制御することによって、液体成分や異物が排気ガス制御弁40の弁体収容部42内に溜まることを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行わない運転条件である場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第1閉状態St1に制御されるとともに、排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件である場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第2閉状態St2に制御されるように構成する。これにより、第2閉状態St2では、弁体41により流入口42aおよび流出口42bの両方を覆う第1閉状態St1に比べて、小さい回転角度で、排気ガス制御弁40を流入口42aと流出口42bとを流体的に接続する開状態(一部開状態St3または全開状態St4)に移行させることができるので、排気ガス制御弁40を開状態に迅速に移行させることができる。その結果、第2閉状態St2では、排気ガス供給制御の応答性を高めることができる。また、排気ガス供給制御の応答性を要する運転条件(排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件)である場合には、排気ガス制御弁40を応答性が高い第2閉状態St2にすることができるとともに、排気ガス供給制御の応答性を要しない運転条件(排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行わない運転条件)である場合には、排気ガス制御弁40を液体成分や異物が溜まることを抑制可能な第1閉状態St1にすることができる。これらの結果、液体成分や異物が排気ガス制御弁40に溜まることを抑制しながら、排気ガス供給制御の応答性を高めることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、内燃機関400の温度が所定の温度よりも小さい場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第1閉状態St1に制御されるとともに、内燃機関400の温度が所定の温度以上である場合には、排気ガスの流通を遮断する閉状態において、第2閉状態St2に制御されるように構成する。これにより、内燃機関400の温度が低く排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行わない運転条件である場合に、排気ガス制御弁40を確実に第1閉状態St1に制御することができる。また、内燃機関400の温度が高く排気ガスの複数の吸気管12への供給制御を行う運転条件である場合に、排気ガス制御弁40を確実に第2閉状態St2に制御することができる。また、内燃機関400の温度が低い場合には、液体成分や異物が発生しやすい。このため、内燃機関400の温度が所定の温度よりも小さい場合に、排気ガス制御弁40を第1閉状態St1に制御することは、液体成分や異物が排気ガス制御弁40に溜まることを抑制する上で、非常に効果的である。
また、第2実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁40を、第1閉状態St1に移行する場合には、第2閉状態St2において覆われない流入口42aを覆う方向(R2方向)に弁体41が回転されるように構成する。これにより、第2閉状態St2において覆われない流入口42aを覆う方向とは反対方向(R1方向)に弁体41が回転される場合に比べて、弁体41の回転角度を小さくすることができるので、弁体41により流入口42aおよび流出口42bの両方を覆う第1閉状態St1に迅速に移行することができる。
[第3実施形態]
次に、図13〜図15を参照して、本発明の第3実施形態による吸気装置500の構成について説明する。この第3実施形態では、排気ガス制御弁540(外部ガス制御弁の一例)の樹脂製のケーシング546(筐体の一例)の内周面548dに、金属製の管部材547が固定された例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(吸気装置の構成)
図13および図14に示すように、吸気装置500は、吸気装置本体510と、排気ガス再循環部520とを備えている。吸気装置本体510は、熱可塑性のポリアミド樹脂などの耐熱性に優れた樹脂から構成されている。なお、樹脂には、機械的強度を高めるためにガラス繊維が混入されるのが好ましい。また、樹脂からなる吸気装置本体510と、金属からなる内燃機関200との接続部分には、Oリングからなるシール部材510aが配置されている。
排気ガス再循環部520は、排気ガス通路30と、排気ガス制御弁540とを含んでいる。排気ガス通路30のうち、主排気ガス通路31の分岐排気ガス通路31bおよび排気ガス集合通路31cと、分岐排気ガス通路32とは、吸気装置本体510に一体的に設けられている。具体的には、主排気ガス通路31の分岐排気ガス通路31bおよび排気ガス集合通路31cと、分岐排気ガス通路32とは、吸気装置本体510の複数の吸気管12の上方に形成されている。
排気ガス制御弁540は、図15に示すように、弁体541と、弁体収容部542と、弁体軸部43と、一対の軸受部44とを含んでいる。さらに、排気ガス制御弁540は、弁体541を回動させるモータなどの駆動部545と、ケーシング546(筐体の一例)と、管部材547とをさらに含んでいる。また、図14に示すように、排気ガス制御弁540は、車両搭載状態において、複数の上流側排気ガス通路32aおよび複数の下流側排気ガス通路32bに対して上側(Z1方向側)に配置されている。
弁体541は、図15に示すように、複数(3つ)の弁体本体541aと、複数(3つ)の弁体切欠き部41bとを有している。複数の弁体本体541aは、共に、X方向に延びる円柱状に形成されているとともに、図13に示すように、X方向に所定の間隔を隔てて配置されている。この結果、弁体541は全体として円柱状に形成されている。また、図15に示すように、弁体本体541aには、弁体切欠き部41bが設けられている。そして、複数の弁体本体541aは、弁体収容部542の後述する複数の流入口542aおよび複数の流出口542bに対向する位置に弁体切欠き部41bが位置するように配置されている。
駆動部545は、突起部545aと、突起部545aに形成された凹部545bとを含んでいる。駆動部545では、突起部545aを除く部分全体が、ケーシング546の外部に配置されている。そして、駆動部545がケーシング546のX2方向側の端部に当接した状態で、駆動部545は、図示しないボルトによりケーシング546に締結(固定)されている。凹部545bには、弁体軸部43の軸受である軸受部44(他端側軸受部44b)が嵌め込まれている。これにより、突起部545aでは、弁体軸部43が回転可能に軸支されている。
ケーシング546は、吸気装置本体510と同一の樹脂により一体的に形成されている。また、ケーシング546には、X軸方向に延びる円柱状の穴部548が設けられている。この穴部548は、X2方向側に開口548aを有し、X1方向側に底面部548bを有している。また、穴部548は、開口548a近傍を除いて、略同一の内径になるように形成されている。また、底面部548bには、X1方向に窪む溝部548cが形成されている。この溝部548cは、X2方向側から見て、円状に形成されている。
ここで、第3実施形態では、金属製の管部材547は、穴部548の内周面548dに一体的に固定されている。具体的には、金属製の管部材547は、ケーシング546を吸気装置本体510と共に樹脂成形する際に、ケーシング546の内周面548dに一体的に固定されている。この際、金属製の管部材547は、ケーシング546の穴部548の内周面548dに配置されるようにインサート成形されている。これにより、管部材547の内側の円柱状の空間として、円柱状の弁体541が収容される円柱状の弁体収容部542が形成されている。この結果、円柱状の弁体収容部542とケーシング546の内周面548dとの間に、管部材547が位置している。なお、管部材547は、穴部548の内周面548dに固定可能なように、穴部548の内径よりも若干小さな外径を有している。また、管部材547の内径は、X1方向側の端部を除き略同一の内径になるように構成されている。
管部材547は、穴部548の内周面548dの略全体に亘って配置されている。また、管部材547は、穴部548と同様に、X2方向側に開口547aを有し、X1方向側に底面部547bを有している。なお、管部材547は、穴部548に固定された状態で、X2方向側の開口547aと開口548aとが略面一になるように構成されている。
また、管部材547には、弁体収容部542の複数(3つ)の流入口542a(図13および図14参照)と、複数(3つ)の流出口542bとが形成されている。この複数の流入口542aは、複数の上流側排気ガス通路32aにそれぞれ対応する位置に配置されており、上流側排気ガス通路32aから排気ガスが流入する。また、複数の流出口542bは、複数の下流側排気ガス通路32bにそれぞれ対応する位置に配置されており、下流側排気ガス通路32bに排気ガスが流出する。
管部材547は、樹脂よりも耐摩耗性に優れた金属製である。さらに、管部材547が金属製であることにより、樹脂からなるケーシング546に形成された下流側排気ガス通路32bの内径と比べて、流出口542bの内径をより寸法精度よく作成することが可能である。したがって、第3実施形態では、流出口542bの内径を排気ガスの流通量に対応する寸法で厳密に形成し、下流側排気ガス通路32bの内径を流出口542bよりも大きく作成することによって、より正確に、下流側排気ガス通路32bを流通する排気ガスの流通量を設定することが可能である。さらに、管部材547が金属製であることにより、複数の流出口542bの各々の内径が等しくなるように精度よく形成することができるので、各々の流出口542bから各吸気管12に供給される排気ガスの流通量を均等にすることが可能である。
なお、管部材547は、排気ガスに含まれる酸性の凝縮水に対して耐腐食性を有する金属から構成されている。酸性の凝縮水に対して耐腐食性を有する金属としては、たとえば、ステンレス鋼が挙げられる。
また、管部材547のX1方向側の外端部には、穴部548の溝部548cに嵌め込まれる凸部547cが形成されている。この凸部547cは、プレス加工などにより、管部材547のX1方向側の外端部がX1方向に押し出されることによって形成されている。この結果、管部材547の底面部547bにおける凸部547cに対応する部分には、X1方向側に窪む軸受配置溝部547dが形成されている。この軸受配置溝部547dには、弁体軸部43の軸受である軸受部44(他端側軸受部44b)が嵌め込まれて固定されている。
また、管部材547のX2方向側の開口547aには、駆動部545の突起部545aが嵌め込まれている。この結果、排気ガス制御弁540では、一端側軸受部44aが嵌め込まれた突起部545aと、他端側軸受部44bが嵌め込まれた軸受配置溝部547dとを、精度をよく形成することが可能な管部材547のX方向の両端にそれぞれ固定することができる。この結果、管部材547内に配置される弁体軸部43の同軸度をより確実に満たすことが可能である。
また、ケーシング546の穴部548の開口548aおよびその近傍には、X方向の他の部分よりも内径の大きな段差部548eが形成されている。段差部548eは、開口548aの全周に亘って周状に形成されている。
排気ガス制御弁540は、段差部548eと、管部材547の開口547aおよびその近傍の外周面との間の空間に、Oリングからなるシール部材549が嵌め込まれるように構成されている。ここで、駆動部545がケーシング546に図示しないボルトにより締結されていることによって、シール部材549が駆動部545のX1方向側の面に押し当てられる。この結果、シール部材549は、駆動部545とケーシング546との間をシールするように構成されている。
したがって、排気ガス制御弁540では、シール部材549により、弁体収容部542内の排気ガスが、ケーシング546と駆動部545との間を伝って排気ガス制御弁540の外部に漏れ出るのが抑制される。さらに、シール部材549により、弁体収容部542内の排気ガスが、管部材547とケーシング546の内周面548dとの間の若干の隙間を伝って排気ガス制御弁540の外部に漏れ出るのが抑制される。なお、第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁540に、円柱状の弁体収容部542を内部に有する樹脂製のケーシング546を設ける。これにより、吸気装置500を容易に軽量化することができる。また、排気ガス制御弁540に、円柱状の弁体541とケーシング546における弁体収容部542を取り囲む内周面548dとの間に配置された金属製の管部材547を設ける。これにより、金属製の管部材547により、ケーシング546が摩耗するのを抑制することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、ケーシング546および吸気装置本体510を、樹脂により一体的に形成する。これにより、ケーシング546と吸気装置本体510とを別個に設ける場合と比べて、部品点数を削減することができるとともに、ケーシング546と吸気装置本体510とを接合する必要ないので、製造工程を簡略化することができる。また、ケーシング546および吸気装置本体510を樹脂により形成することによって、吸気装置500をより容易に軽量化することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、金属製の管部材547を、樹脂製のケーシング546における弁体収容部542を取り囲む内周面548dに一体的に取り付ける。これにより、管部材547を内周面548dに確実に固定することができるので、管部材547がケーシング546から外れるのを効果的に抑制することができる。また、インサート成形によって、管部材547をケーシング546の内周面548dに一体的に固定することによって、容易に、管部材547をケーシング546の内周面548dに一体的に固定することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、排気ガス制御弁540に、金属製の管部材547と樹脂製のケーシング546との間に配置され、駆動部545とケーシング546との間をシールするシール部材549を設ける。これにより、弁体収容部542内の排気ガスが、駆動部545とケーシング546との間からケーシング546(排気ガス制御弁540)の外部に漏れ出るのを抑制することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、上流側排気ガス通路(上流側外部ガス通路)および下流側排気ガス通路(下流側外部ガス通路)が、下方に傾斜した方向に延びるように形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、上流側外部ガス通路および下流側外部ガス通路が、下方に傾斜した方向以外の方向に延びるように形成されていてもよい。たとえば、上流側外部ガス通路および下流側外部ガス通路が、水平方向に延びるかまたは鉛直下方に延びるように形成されていてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、弁体収容部の流入口および流出口が、下方に傾斜した方向に開口している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、弁体収容部の流入口および流出口が、下方に傾斜した方向以外の方向に開口していてもよい。たとえば、弁体収容部の流入口および流出口が、水平方向または鉛直下方に開口していてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、弁体収容部の流出口が、弁体収容部の下端部に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、弁体収容部の流入口が、弁体収容部の下端部に形成されてもよい。なお、弁体収容部の流入口および流出口のうち、いずれか外部ガス制御弁の閉状態において開放されている方(上記第1および第2実施形態では、流入口)を、弁体収容部の下端部に形成すれば、外部ガスに含まれる液体成分や異物をさらに排出しやすくすることができる。また、弁体収容部が、円柱形状以外の形状を有する場合には、弁体収容部の流入口および流出口の両方が、弁体収容部の下端部に形成されてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、複数の上流側排気ガス通路(上流側外部ガス通路)および複数の下流側排気ガス通路(下流側外部ガス通路)が、吸気装置本体と一体的に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の上流側外部ガス通路および複数の下流側外部ガス通路が、吸気装置本体とは別個に設けられていてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、排気ガス制御弁(外部ガス制御弁)が、外部ガス通路の最下流部の近傍に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外部ガス制御弁が、外部ガス通路の最下流部の近傍以外の位置に配置されていてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、単一の排気ガス制御弁(外部ガス制御弁)が、複数の流入口および複数の流出口の各々における排気ガス(外部ガス)の流通を制御する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の外部ガス制御弁が、複数の流入口および複数の流出口の各々における外部ガスの流通を制御してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、再循環される排気ガスを複数の吸気管の各々の内部に供給する排気ガス再循環部を備える吸気装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、内燃機関において漏れ出たブローバイガスを複数の吸気管の各々の内部に供給するブローバイガス供給部を備える吸気装置に適用されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、軸受部の弾性軸受部が、弁体軸部に対して弁体収容部の流出口の開口方向側に、弾性軸受部の他の部分よりも厚みが大きい厚み部を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図11に示す第1変形例の軸受部144のように構成してもよい。図11に示すように、軸受部144の弾性軸受部144dは、弁体軸部43に対して、弁体収容部42の流出口42bの開口方向側、および、弁体収容部42の流出口42bの開口方向とは反対側の両方に、弾性軸受部144dの他の部分よりも厚みが大きい厚み部144eを有している。
また、本発明では、弁体収容部42の流出口42bの開口方向に弾性変形可能であれば、弾性軸受部に必ずしも厚み部を設ける必要はない。図12に示すように、軸受部244の弾性軸受部244dは、一定の厚みの円環形状を有している。
また、上記第2実施形態では、排気ガス制御弁(外部ガス制御弁)が、排気ガス(外部ガス)の流通を遮断する閉状態において、第1閉状態、または、第2閉状態に制御される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外部ガス制御弁が、外部ガスの流通を遮断する閉状態において第1閉状態に制御されれば、第2閉状態に制御されなくてもよい。
また、上記第2実施形態では、排気ガス制御弁(外部ガス制御弁)が、弁体により流出口のみを覆う第2閉状態に制御される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、外部ガス制御弁が、弁体により流入口のみを覆う第2閉状態に制御されてもよい。
また、上記第2実施形態では、制御部が、内燃機関の温度に基づいて、排気ガス(外部ガス)の複数の吸気管への供給制御を行う運転条件であるか否かを判断する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部が、内燃機関の温度以外のパラメータに基づいて、外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行う運転条件であるか否か判断してもよい。たとえば、制御部が、内燃機関における回転速度や吸気装置における吸気流入量などに基づいて、外部ガスの複数の吸気管への供給制御を行う運転条件であるか否かを判断してもよい。この場合、外部ガス制御弁が、内燃機関における回転速度や吸気装置における吸気流入量などに基づいて、外部ガスの流通を遮断する閉状態において、第1閉状態または第2閉状態のうちのいずれかに制御されればよい。
また、上記第2実施形態では、排気ガス制御弁(外部ガス制御弁)が、第1閉状態から第2閉状態に移行する場合に、R1方向に弁体が回転されるとともに、第2閉状態から第1閉状態に移行する場合に、R2方向に弁体が回転される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、外部ガス制御弁が、第1閉状態から第2閉状態に移行する場合に、R2方向に弁体が回転されるとともに、第2閉状態から第1閉状態に移行する場合に、R1方向に弁体が回転されてもよい。
また、上記第2実施形態では、制御部が、吸気温度および冷却水温度に基づいて、内燃機関の温度が所定の温度以上であるか否かを判断する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部が、吸気温度または冷却水温度のいずれか一方のみに基づいて、内燃機関の温度が所定の温度以上であるか否かを判断してもよい。また、制御部が、吸気温度および冷却水温度以外のパラメータに基づいて、内燃機関の温度が所定の温度以上であるか否かを判断してもよい。
また、上記第3実施形態では、吸気装置本体510と排気ガス制御弁540のケーシング546(筐体)とを、樹脂により一体的に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吸気装置本体と排気ガス制御弁の筐体とを一体的に形成せずに、それぞれ別個に設けてもよい。
また、上記第3実施形態では、吸気装置本体510が1個の樹脂部材から構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吸気装置本体を、複数の樹脂部材を振動溶接などにより溶着することによって構成しもよい。この場合、複数の樹脂部材のいずれかを外部ガス制御弁の筐体と一体的に形成するのが好ましい。また、吸気装置本体の一部の部材を樹脂から構成し、熱の影響が大きい部分などに配置される他の部材を熱に強い金属部材により構成してもよい。この場合にも、樹脂から構成される部材のいずれかを外部ガス制御弁の筐体と一体的に形成するのが好ましい。
また、上記第3実施形態では、インサート成形によって、管部材547をケーシング546(筐体)の内周面548dに一体的に固定した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、管部材を筐体の穴部に挿入することによって、管部材を弁体と筐体の内周面との間に配置してもよい。この場合、管部材の外径を穴部の内径と略等しいか、または、若干小さく構成することにより、管部材を筐体の穴部に圧入して固定することが可能である。
また、上記第3実施形態では、管部材547をケーシング546(筐体)における穴部548の内周面548dの略全体に亘って配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、管部材を少なくとも弁体本体が配置される部分にのみ配置してもよい。これにより、弁体本体の回動により筐体の内周面が摩耗するのを抑制しつつ、外部ガス制御弁をより軽量化することが可能である。
10、510 吸気装置本体
12 吸気管
12a 共用の壁部
30 排気ガス通路(外部ガス通路)
32a 上流側排気ガス通路(上流側外部ガス通路)
32b 下流側排気ガス通路(下流側外部ガス通路)
40、540 排気ガス制御弁(外部ガス制御弁)
41、541 弁体
41a、541a 弁体本体
41b 弁体切欠き部
42、542 弁体収容部
42a、542a 流入口
42b、542b 流出口
43 弁体軸部
44,144、244 軸受部
100、400、500 吸気装置
200 内燃機関
210 気筒
546 ケーシング(筐体)
547 管部材
St1 第1閉状態
St2 第2閉状態

Claims (12)

  1. 内燃機関の複数の気筒に対応してそれぞれ設けられた複数の吸気管を含む吸気装置本体と、
    外部ガスを前記複数の吸気管の各々の内部に供給する外部ガス通路と、
    前記外部ガス通路に配置され、前記外部ガスの流通を制御する外部ガス制御弁と、を備え、
    前記外部ガス通路は、前記外部ガス制御弁に対して上流側において、前記複数の吸気管にそれぞれ対応する位置に配置される複数の上流側外部ガス通路と、前記外部ガス制御弁に対して下流側において、前記複数の吸気管にそれぞれ対応する位置に配置される複数の下流側外部ガス通路と、を含み、
    前記外部ガス制御弁は、車両搭載状態において、前記複数の上流側外部ガス通路および前記複数の下流側外部ガス通路に対して上側に配置されている、吸気装置。
  2. 前記複数の上流側外部ガス通路の各々および前記複数の下流側外部ガス通路の各々は、車両搭載状態において、外部ガス制御弁に対して、水平方向に延びるか、鉛直下方に延びるかまたは下方に傾斜した方向に延びるように形成されている、請求項1に記載の吸気装置。
  3. 前記外部ガス制御弁は、弁体と、前記弁体を収容するとともに、前記外部ガスが流入する流入口と、前記外部ガスが流出する流出口とが形成された弁体収容部と、を含み、
    前記流入口または前記流出口のうちの少なくともいずれか一方は、前記弁体収容部の下端部に形成されている、請求項1または2に記載の吸気装置。
  4. 前記外部ガス制御弁は、弁体と、前記弁体を収容するとともに、前記外部ガスが流入する流入口と、前記外部ガスが流出する流出口とが形成された弁体収容部と、を含み、
    前記外部ガス制御弁は、前記外部ガスの流通を遮断する閉状態において、前記弁体により前記流出口を覆うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸気装置。
  5. 前記複数の上流側外部ガス通路および前記複数の下流側外部ガス通路は、前記吸気装置本体と一体的に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸気装置。
  6. 前記外部ガス制御弁は、前記外部ガス通路の最下流部の近傍に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸気装置。
  7. 前記外部ガス制御弁は、円柱状の弁体と、前記弁体を収容するとともに、前記外部ガスが流入する流入口と、前記外部ガスが流出する流出口とが形成された弁体収容部と、を含み、
    前記外部ガス制御弁は、前記外部ガスの流通を遮断する閉状態において、前記弁体により前記流入口および前記流出口の両方を覆う第1閉状態に制御されるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸気装置。
  8. 前記外部ガス制御弁は、前記外部ガスの前記複数の吸気管への供給制御を行わない運転条件である場合には、前記外部ガスの流通を遮断する閉状態において、前記第1閉状態に制御されるとともに、前記外部ガスの前記複数の吸気管への供給制御を行う運転条件である場合には、前記外部ガスの流通を遮断する閉状態において、前記弁体により前記流入口または前記流出口のうちのいずれか一方を覆う第2閉状態に制御されるように構成されている、請求項7に記載の吸気装置。
  9. 前記外部ガス制御弁は、前記内燃機関の温度が所定の温度よりも小さい場合には、前記外部ガスの流通を遮断する閉状態において、前記第1閉状態に制御されるとともに、前記内燃機関の温度が所定の温度以上である場合には、前記外部ガスの流通を遮断する閉状態において、前記第2閉状態に制御されるように構成されている、請求項8に記載の吸気装置。
  10. 前記外部ガス制御弁は、前記第1閉状態に移行する場合には、前記第2閉状態において前記流入口または前記流出口のうちのいずれか覆われない方を覆う方向に前記弁体が回転されるように構成されている、請求項8または9に記載の吸気装置。
  11. 前記外部ガス制御弁は、円柱状の弁体と、前記円柱状の弁体を収容するとともに、前記外部ガスが流入する流入口と、前記外部ガスが流出する流出口とが形成された円柱状の弁体収容部と、前記円柱状の弁体収容部を内部に有する樹脂製の筐体と、前記円柱状の弁体と前記筐体における前記弁体収容部を取り囲む内周面との間に配置された金属製の管部材とを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸気装置。
  12. 前記筐体および前記吸気装置本体は、樹脂により一体的に形成されている、請求項11に記載の吸気装置。
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