JP5857967B2 - 金カルベン錯体及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)用発光材料等として有用な金カルベン錯体に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、近年、高性能平面カラーディスプレイ用表示装置における発光素子として注目されている。当該素子における発光材料としては、発光分子の励起1重項からの発光を利用する蛍光材料が主に用いられている。現在では、さらなる高効率を達成するために、励起3重項からの発光を利用するリン光発光材料の開発が盛んに行われている。
しかしながら、非特許文献1にも示されるように、リン光性有機エレクトロルミネッセンス素子において、フルカラーディスプレイを完成させるために重要である440nm以下の深青色領域にエレクトロルミネッセンスによる発光ピーク極大を実現でき、かつ発光色がCIE(国際照明委員会)表色系でy座標が0.18未満となるような素子を作成することは非常に困難であることが知られている。
また、これまで、本願発明の金カルベン錯体及び当該錯体を発光材料として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子については知られていなかった(例えば、非特許文献2、非特許文献3及び特許文献1)。
WO2006/080515
(社)高分子学会2006年度有機ELシンポジウム講演要旨集7ページ Journal of Chemical Society,Dalton Trans.,1986,411. 実験化学講座,第4版,丸善社,455頁,18巻(1991年)
本発明の課題は、フルカラーディスプレイを完成させるために重要である440nm以下の深青色領域においてエレクトロルミネッセンスによる発光ピーク極大を有し、かつ発光色がCIE(国際照明委員会)表色系でy座標が0.18未満となる、リン光性有機エレクトロルミネッセンス素子用の発光材料等として有用な金カルベン錯体を提供することである。
本発明の課題は、下記一般式(1)
(式中、Lは、含窒素へテロ環カルベン配位子を示し、Xはアルキレン基、酸素原子、置換シリル基又は置換ゲルミル基を示し、R11〜R19は、それぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は置換基を示す。)
で示される金カルベン錯体によって解決される。
本発明により、440nm以下の深青色領域にエレクトロルミネッセンス発光ピーク極大を有し、かつ発光色がCIE(国際照明委員会)表色系でy座標が0.18未満となる、リン光性有機エレクトロルミネッセンス素子用の発光材料等として有用な金カルベン錯体が提供される。
図1は、実施例6で作製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構成図である。
[金カルベン錯体]
本発明の金カルベン錯体は、前記の一般式(1)で示されるが、以下、その一般式(1)におけるL、X及びR11〜R19について説明する。
(Lについて)
前記一般式(1)においてLは、含窒素へテロ環カルベン配位子を示す。含窒素ヘテロ環カルベン配位子とは、カルベン(炭素周りに6電子しか価電子を持たない、二価の化学種)及びその隣接位に窒素原子を有する環状の二配位の化合物をいう。
その例としては、下記一般式(2)又は(3)
で示される配位子が挙げられる。
前記一般式(2)及び(3)中、R及びRは、それぞれ同一又は異なっていてもよく、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ポリシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、
3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、アリールオキシル基、ニトロ基、シアノ基又はジ置換アミノ基を示し、隣接している基同士が結合して環を形成していてもよい。
なお、R1〜R6が水素原子を有する基(水素原子を除く)である場合には、その基中の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基又はアリールオキシル基で置換されていてもよい。
前記アルキル基としては、炭素原子数1〜20、特に炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましい。そのようなアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びそれらの異性体が挙げられる。
前記シクロアルキル基としては、特に炭素原子数3〜7のシクロアルキル基が好ましい。前記シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基が挙げられる。
前記アルケニル基としては、炭素原子数2〜20、特に炭素原子数2〜12のアルケニル基が好ましい。そのようなアルケニル基の例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基及びそれらの異性体が挙げられる。
前記ポリシクロアルキル基としては、特に炭素原子数7〜10のものが好ましい。そのようなポリシクロアルキル基の例としては、ビシクロ−[2.1.1]−ヘキシル基、ビシクロ−[2.2.1]−ヘプチル基、ビシクロ−[2.2.2]−オクチル基、ビシクロ−[3.3.0]−オクチル基、ビシクロ−[4.3.0]−ノニル基、ビシクロ−[4.4.0]−デシル基及びアダマンチル基が挙げられる。
前記アリール基としては、炭素原子数6〜20、特に炭素原子数6〜16のアリール基が好ましい。そのようなアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジメチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基及びそれらの異性体(例えばo−キシリル基、m−キシリル基及びp−キシリル基である)が挙げられる。
前記アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。そのようなアラルキル基の例としては、ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基及びビフェニルメチル基が挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
前記アルコキシル基としては、特に炭素原子数1〜10のアルコキシル基が好ましい。そのようなアルコキシル基の例としては、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンタノキシル基、ヘキサノキシル基、ヘプタノキシル基、オクタノキシル基、ノナノキシル基、デカノキシル基及びそれらの異性体が挙げられる。
前記アリールオキシル基としては、特に炭素原子数6〜14のアリールオキシル基が好ましい。そのようなアリールオキシル基の例としては、フェノキシル基、トリロキシル基、キシリロキシル基、ナフトキシル基及びそれらの異性体が挙げられる。
前記ジ置換アミノ基としては、炭素原子数2〜16のジ置換アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基及びアリール基が挙げられ、前記ジ置換アミノ基において、これらの炭素原子数の合計が2〜16である。そのようなジ置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、フェニルメチルアミノ基、フェニルエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基及びそれらの異性体が挙げられる。
またR〜Rについて、上記の通り隣接している基同士(R〜Rの任意の二つ)は結合して環を形成してもよい。そのようにして形成される環の例としては、シクロヘキシル環及びベンゼン環などが挙げられる。
前述の通り、R〜R6が水素原子を有する基(水素原子を除く)である場合(R〜Rのうちの隣接する基同士が結合して環を形成し、その環が水素原子を有する場合を含む)には、その基中の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基又はアリールオキシル基で置換されていてもよく、これらは上記したものと同様である。
以上説明した中でも、R及びRとしては、tert-ブチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又はアダマンチル基が好ましく、R3、R4、R5及びR6としては、水素原子又はハロゲン原子、特に水素原子が好ましい。
及びRがこれらの基であると、含窒素ヘテロ環カルベン配位子(L)の分解温度が高くなり、本発明の金カルベン錯体の安定性が上昇する。
以上説明した、本発明の金カルベン錯体における含窒素へテロ環カルベン配位子(L)の具体例としては、式(4)〜(13)で示される配位子が挙げられる。
(Xについて)
本発明の金カルベン錯体を示す上記一般式(1)において、Xはアルキレン基、酸素原子、置換シリル基又は置換ゲルミル基を示す。
前記アルキレン基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、より好ましくはメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数1〜3のアルキレン基である。特に好ましくは、メチレン基及びジメチルメチレン基である。
前記置換シリル基としては、置換基中の総炭素数が2〜12の置換シリル基が好ましく、前記置換基の例としては、炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基が挙げられる。前記置換シリル基の具体例としては、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジプロピルシリル基、フェニルメチルシリル基、ジフェニルシリル基及びそれらの異性体(たとえばジ−n−プロピルシリル基及びジイソプロピルシリル基である)が挙げられる。特に好ましくは、ジメチルシリル基及びジフェニルシリル基である。
前記置換ゲルミル基としては、置換基中の総炭素数2〜12の置換ゲルミル基が好ましく、前記置換基の例としては、炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基が挙げられる。前記置換ゲルミル基の具体例としては、ジメチルゲルミル基、ジエチルゲルミル基、ジプロピルゲルミル基、フェニルメチルゲルミル基、ジフェニルゲルミル基及びそれらの異性体が挙げられる。特に好ましくは、ジメチルゲルミル基である。
(R11〜R19について)
本発明の金カルベン錯体を示す上記一般式(1)において、R11〜R19はそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は置換基である。前記置換基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ポリシクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。これらの例としては、R1〜R6において説明したものと同様のものが挙げられる。R11〜R19として特に好ましくは水素原子である。
<金カルベン錯体の製造方法>
本発明の一般式(1)で示される金カルベン錯体は、例えば、下記反応工程式(1)
(式中、X、L及びR11〜R19は、上記と同義であり、Pは、単座ホスフィン配位子を示す。)
で示されるように、金ホスフィン錯体(A)と含窒素へテロ環カルベン配位子(L)とを反応させることによって得られる。
前記単座ホスフィン配位子(P)としては、例えば、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、(4−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィン、ジアリルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジフェニル(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、ジフェニルビニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニルホスフィン)、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィン、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、ネオメンチルジフェニルホスフィン、p−トリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、2,4,4−トリメチルペンチルホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン及びトリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィンが挙げられる。これらは市販のものをそのまま使用することが出来る。
前記含窒素へテロ環カルベン配位子(L)は、市販品をそのまま用いてもよいし、例えば、公知の方法によって合成したものを使用してもよい(例えば、J.Am.Chem.Soc.,114,5530(1992)及び国際公開第98/27064号公報参照)。また、前記含窒素へテロ環カルベン配位子(L)は、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロライド(IPrHCl)のような含窒素へテロ環ヒドロハライドと、塩基との反応によっても得ることができる。当該反応の反応条件は公知である。
本発明の金カルベン錯体の合成において、前記含窒素へテロ環カルベン配位子(L)の使用量は、金ホスフィン錯体(A)1モルに対して、好ましくは1〜10モル、更に好ましくは1〜4モルである。
本発明の金カルベン錯体の合成において使用する溶媒としては、金ホスフィン錯体(A)及び含窒素ヘテロ環カルベン配位子(L)の反応を阻害しないものならば特に限定されない。
そのような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、フラン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びジブチルエーテル等のエーテル類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン及びジクロロプロパン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節されるが、金ホスフィン錯体(A)1モルに対して、好ましくは1〜30L、更に好ましくは5〜20Lである。
本発明の金カルベン錯体の合成は、例えば、金ホスフィン錯体(A)、含窒素へテロ環カルベン配位子(L)及び溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜120℃、更に好ましくは20〜100℃であり、反応圧力は特に制限されないが、通常常圧である。
本発明の金カルベン錯体は、前記反応の終了後、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、昇華又はクロマトグラフィー等の公知の精製方法によって単離・精製される。
また、本発明の金カルベン錯体の製造原料である前記金ホスフィン錯体(A)は、例えば、下記反応工程式(2)
(式中、X、P及びR11〜R19は、前記と同義であり、Yはハロゲン原子、好ましくは塩素原子又は臭素原子を示す。)で示されるように、金ハロゲノホスフィン錯体(B)と置換エチン(C)とを所定の条件で反応させることによって得られる(例えば、非特許文献2参照)。
なお、前記金ハロゲノホスフィン錯体(B)は、公知の方法によって合成可能である(例えば、非特許文献3参照)。
前記置換エチン(C)は、市販品をそのまま用いてもよいし、置換芳香族臭化物から公知の方法(例えばJournal of Organic Chemistry,1985,50巻,1763.)などにより合成可能である。
また本発明の金カルベン錯体は、下記反応工程式(3)
(式中、X、L及びR11〜R19は、上記と同義であり、Zはハロゲン原子、好ましくはフッ素原子を示す。)
で示されるように、ハロゲノ金カルベン錯体(D)と、芳香族化合物(E)とを反応させることによって、得ることができる。当該反応を促進させるために、反応系に塩基を存在させることが望ましい。
前記芳香族化合物(E)は、市販品をそのまま用いてもよく、ベンゼンから合成することもできる。
一方前記ハロゲノ金カルベン錯体(D)は、上記反応工程式(2)及び(1)に準じた反応を実施することにより(反応工程式(2)及び(1)において、置換エチン(C)及び金ホスフィン錯体(A)が、R15〜R19及びXが結合したベンゼン環のまとまりが存在しない化合物を反応させることになる)、得ることができる。
また、ハロゲノ金カルベン錯体(D)と芳香族化合物(E)との反応における反応条件(溶媒及び反応温度等)は、上記反応工程式(1)で示される反応の反応条件と同様である。
この反応工程式(3)で示される芳香族置換反応は、当業者に周知の反応であり、収率がよい。さらに、ハロゲノ金カルベン錯体(D)及び芳香族化合物(E)、特に芳香族化合物(E)は、市販品であるかまたはそれから容易に構造を変換して製造することができるので、様々な構造の本発明の金カルベン錯体を設計、製造することが可能である。
なお、前記反応工程式(3)で示される反応を利用して本発明の金カルベン錯体を製造すると、合成反応の後の精製操作までを含めたトータルの収率が高いので、好ましい。
<金カルベン錯体>
たとえば以上説明した製造方法によって得られる本発明の金カルベン錯体の例としては、式(14)〜(18)
で示される化合物等が挙げられる。これらの一般式(1)の構造を有する本発明の金カルベン錯体は、440nm以下の深青色領域においてエレクトロルミネッセンスによる発光ピーク極大を有し、かつ発光色がCIE(国際照明委員会)表色系でy座標が0.18未満となる、リン光性有機エレクトロルミネッセンス素子用の発光材料等として有用である。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
次に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子について、その実施形態を示す。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、一対の対向する電極間に発光層を有するものであって、前記発光層が少なくとも一種の本発明の金カルベン錯体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子である。
当該金カルベン錯体の発光層における含有量は、発光層1gに対して、通常0.005〜1g、好ましくは0.01〜0.25gである。
この有機エレクトロルミネッセンス素子では、他の発光材料(ホスト材料及びゲスト材料)、正孔輸送材料や電子輸送材料を組み合わせて使用することもできる。本発明の金カルベン錯体は、その強い発光特性からゲスト材料として有用である。更に、通常有機エレクトロルミネッセンス素子は輸送層を有するが、正孔輸送層、発光層、電子輸送層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されていてもよい。
さらに、電極から正孔を効率よく注入するために、正孔注入層と呼ばれる層を電極と正孔輸送層の間に設けてもよい。同様に、電極から電子を効率よく注入するために電子注入層と呼ばれる層を電極と電子輸送層の間に設けてもよい。また発光層と電子輸送層との間には、発光層からの正孔漏出の抑制のためにホールブロック層を設けてもよい。これらの各層は、層形成材料のエネルギー準位、耐熱性、発光層もしくは電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。当該選択の方法は公知である。
本発明の金カルベン錯体と共に発光層に使用できるゲスト材料又はホスト材料としては、各種カルバゾール誘導体、縮合多環芳香族(アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、ペンタセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、ルブレン及びそれらの誘導体等)、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン、スチルベン系誘導体、芳香族ケイ素化合物及び芳香族ゲルマニウム化合物(例えば2−メチル−1,4−ビス(トリフェニルゲルミル)ベンゼン)等が挙げられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において使用できる公知の正孔輸送材料の中で、正孔輸送能、発光層への正孔注入性能の点から効果的な正孔輸送材料は、芳香族三級アミン誘導体、フタロシアニン誘導体及びトリフェニレン誘導体である。
前記芳香族三級アミン誘導体として具体的には、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下、TPDと記載)、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、1,1−ビス[4−(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン等、並びにこれらの芳香族三級アミン骨格を有するオリゴマー及びポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記フタロシアニン(Pc)誘導体として具体的には、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、ClSiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記トリフェニレン誘導体として具体的には、下式に示される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式中、Wは1〜12個存在し、それぞれ同一又は異なっていてもよく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を示す。前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、上記一般式(2)及び(3)におけるR〜Rの説明において挙げたものと同様である。
前記ヘテロ環基の例としては、ピリジル基及びピラゾリル基が挙げられる。
なお、Wの炭素原子上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、アリールオキシル基、ジ置換アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基またはオルガノシリル基で置換されていてもよい。
前記ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、アリールオキシル基及びジ置換アミノ基も、上記一般式(2)及び(3)におけるR〜Rの説明において挙げたものと同様である。
なお、前記アルキルカルボニル基の例としては、アセチル基及びエチルカルボニル基が挙げられる。
前記アリールカルボニル基の例としては、ベンゾイル基及びナフチルカルボニル基が挙げられる。
前記オルガノシリル基の例としては、トリメチルシリル基及びトリエチルシリル基が挙げられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、効果的な公知の電子輸送材料は、金属錯体化合物もしくは含窒素五員環誘導体である。
前記金属錯体化合物として具体的には、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(以下、Alqと記載。)、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム及びビス(2−メチル−8−キノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、前記含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体及びトリアゾール誘導体が好ましい。
これらの具体例としては、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、ジメチルPOPOP(ここでPOPOPは1,4−ビス(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ベンゼンを表す。)、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−ターシャリブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール及び1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼンが挙げられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、電荷注入性向上のために電子輸送層と電極との間に無機化合物層(電子注入層)を設けることもできる。
この無機化合物層としては、LiF、LiO、RaO、SrO、BaF、SrF等の、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物もしくは酸化物等からなる層を挙げることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極に使用される導電性材料としては、通常4eV〜6eVの範囲の仕事関数を持つものが適しており、炭素原子、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム及びそれらの合金、ITO(酸化インジウムに酸化スズを5〜10重量%添加した物質)、更にポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂を用いることができる。
陰極に使用される導電性材料としては、2.5eV〜4.5eVの範囲の仕事関数を持つものが適しており、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム等及びそれらの合金を用いることができる。ここで前記合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が挙げられる。合金の比率は、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により制御されるが、特に限定されない。
前記陽極及び陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、その少なくとも一方の表面は素子の発光波長領域の光に対して透明であることが望ましい。また、電極も透明であることが望ましい。
透明電極は、前記の導電性材料を使用して、蒸着あるいはスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保されるように設定して、前記の方法を実施して所定の基板上に透明電極層を形成することで、得られる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における発光面の電極は、光透過率を10%以上(最大100%)にすることが望ましい。
前記基板は、機械的及び熱的強度並びに透明性を有するものであれば特に限定されるものではないが、その例としては、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムが挙げられる。
前記透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド及びポリエーテルイミド等が挙げられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のために、素子の表面に保護層を設けることができ、或いは、シリコンオイル、樹脂等により素子全体を保護することもできる。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、あるいはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかにより実施することができる。そのような方法によって形成される各層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常の膜厚は0.1nm〜10μmの範囲であり、更には0.5nm〜0.2μmの範囲が好ましい。
前記湿式成膜法の場合、正孔(ホール)輸送層や電子輸送層など、有機エレクトロルミネッセンス素子において発光層と接することになる層上に、本発明の一般式(1)で表わされる金カルベン錯体を、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒に溶解又は分散させた塗布液を塗布して薄膜を形成し、乾燥することによって、発光層を形成することができる。その他の層の湿式成膜法による形成方法もこれに準じており、公知の方法によりその他の層を形成可能である。
前記乾式成膜法としては、有機薄膜の作製容易性の点から真空蒸着が好ましく、真空蒸着装置を用い、真空度2×10−3Pa以下、基板温度を室温にして、蒸着セルに入れた本発明の金カルベン錯体を加熱し、該材料を蒸発させ、輸送層などに付着させることにより薄膜(発光層)を調製することができる。このとき、蒸着源の温度をコントロールするために、蒸着セルに接触させた熱電対や非接触の赤外線温度計等が好適に用いられる。また蒸着量をコントロールするために蒸着膜厚計が好適に用いられる。
前記蒸着膜厚計としては、蒸着源に対向して設置された水晶振動子を用い、前記水晶振動子表面に付着した蒸着膜の重量を該振動子の発振周波数の変化から計測し、この計測重量から膜厚をリアルタイムに求める形式のものが好適に用いられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、その発光層が本発明の金カルベン錯体を含んでいるため、440nm以下の深青色領域においてエレクトロルミネッセンスによる発光ピーク極大を有し、かつ発光色がCIE(国際照明委員会)表色系でy座標が0.18未満となり、しかも輝度及び電流効率に優れている。
また、特に好ましい態様における本発明の金カルベン錯体は、一般式(1)で表わされる構造によって、蒸着の際に化合物が容易に蒸発し、また化合物としての熱安定性にも優れており、蒸発・付着のプロセスにおいて化合物が分解することもほとんどない。これにより、高い再現率をもって、優れた機能を有する発光層を形成することが可能である。
本発明の金カルベン錯体は、ゲスト材料として有用であり、発光層の形成にあたっては、通常他のホスト材料との共蒸着が行われる。共蒸着は、それぞれの材料について蒸着源を用い、且つ温度をそれぞれ独立に制御することによって行うことができる。ゲスト材料とホスト材料との使用量の割合は、発光材料全量100重量%中のゲスト材料の重量割合で示すと、通常0.5〜100重量%、好ましくは1〜25重量%である。
なお、前記ホスト材料としては、上記で説明したものを含めて、公知の種々の材料が使用可能である。
ここで、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するいずれの層の形成材料としても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のためポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート及びセルロース等の絶縁性樹脂並びにそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン及びポリピロール等の導電性樹脂などの樹脂、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤又は可塑剤等の添加剤を併せて使用することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、例えば壁掛けテレビや携帯電話のフラットパネルディスプレイ等の平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト、並びに計器類等の光源、表示板及び標識灯等に利用できる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]Au(IPr)(4BnPE)[(4−ベンジルフェニルエチニル)[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]金]の合成
アルゴン雰囲気下、250mlシュレンク管に1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロライド(IPrHCl;3.04g,7.15mmol)、tert−ブトキシカリウム(85質量%品、1.04g,9.3mmol)及びテトラヒドロフラン(100ml)を加え、室温で15分攪拌した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。
反応混合物にトルエン(100ml)を加え、70℃で5分間攪拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を、4−ベンジルフェニルエチニル(トリフェニルホスフィン)金(3.58g,5.5mmol)及びトルエン100mlを加えた別の250mlシュレンク管に滴下した。滴下後、反応混合物を70℃で2.5時間加熱した。
反応混合物を室温まで冷却した後、その反応混合物にトルエンを加え、水洗してpHを7とした。得られた反応混合液を硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=3/1)によって精製し、得られた固体をHexane/AcOEt=4/1の混合液で再結晶することにより、白色固体である目的化合物を3.74g得た(収率88%)。
以下に、前記目的化合物のH−NMRスペクトル、質量分析結果、発光分析結果及び元素分析結果を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.48(t,2H), 7.19−7.29(m,9H),7.06−7.15(m,4H),6.90−6.92(d,2H),3.86(s,2H),2.55−2.65(sept,4H),1.37(d,12H),1.21(d,12H)
[MS]EI(m/z):776(M−1),CI(m/z):777(MH
発光分析(CHCl,77K,Ex240nm)λmax(nm):422
*Exは励起波長、λmaxは発光波長を示す。以下同様。
元素分析 観測値 C:64.68,H:5.86,N:3.60
理論値 C:64.94,H:6.10,N:3.61
発光寿命:μ秒オーダー。
[実施例2]Au(IPr)(4PHOPE)[(4−フェノキシフェニルエチニル)[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]金]の合成
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロライド(IPrHCl;193mg,0.455mmol)、tert−ブトキシカリウム(85質量%品、66.4mg,0.592mmol)及びテトラヒドロフラン(10ml)を加え、室温で15分攪拌した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。
反応混合物にトルエン(10ml)を加え、70℃で5分間攪拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を、4−フェノキシフェニルエチニル(トリフェニルホスフィン)金(228mg,0.350mmol)及びトルエン10mlを加えた別の50mlシュレンク管に滴下した。滴下後、反応混合物を70℃で2.5時間加熱した。
反応混合物を室温まで冷却した後、その反応混合物にトルエンを加え、水洗してpHを7とした。得られた反応混合液を硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=3/1)によって精製し、得られた固体をHexane/AcOEt=4/1の混合液で再結晶することにより、白色固体である目的化合物を0.208g得た(収率76%)。
以下に、前記目的化合物のH−NMRスペクトル、質量分析結果及び発光分析結果を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.49(t,2H), 7.22−7.47(m,8H),7.11(d,2H),7.00−7.04(m,1H),6.89−6.92(m,2H),6.73−6.77(m,2H),2.56−2.66(sept,4H),1.37(d,12H),1.20(d,12H)
[MS]FAB(m/z):778(M)、779(MH
発光分析(CHCl,77K,Ex240nm)λmax(nm):423
発光寿命:μ秒オーダー。
[実施例3]Au(IPr)(4DMPSiPE)[(4−ジメチルフェニルシリルフェニルエチニル)[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]金]の合成
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロライド(IPrHCl;193mg,0.455mmol)、tert−ブトキシカリウム(85質量%品、66.4mg,0.592mmol)及びテトラヒドロフラン(10ml)を加え、室温で15分攪拌した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。
反応混合物にトルエン(10ml)を加え、70℃で5分間攪拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を、4−ジメチルフェニルシリルフェニルエチニル(トリフェニルホスフィン)金(243mg,0.350mmol)及びトルエン10mlを加えた別の50mlシュレンク管に滴下した。滴下後、反応混合物を70℃で2.5時間加熱した。
反応混合物を室温まで冷却した後、その反応混合物にトルエンを加え、水洗してpHを7とした。得られた反応混合液を硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=3/1)によって精製し、得られた固体をHexane/AcOEt=4/1の混合液で再結晶することにより、白色針状固体である目的化合物を0.212g得た(収率74%)。
以下に、前記目的化合物のH−NMRスペクトル、質量分析結果及び発光分析結果を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.46−7.50(m,2H),7.40−7.43(m,2H),7.23−7.33(m,11H),7.11(d,2H),2.55−2.66(sept,4H),1.37(d,12H),1.21(d,12H),0.45(s,6H)
[MS]FAB(m/z):820(M),821(MH
発光分析(CHCl,77K,Ex240nm)λmax(nm):424
発光寿命:μ秒オーダー。
[実施例4]Au(IPr)(4DMPGePE)[(4−ジメチルフェニルゲルミルフェニルエチニル)[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]金]の合成
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロライド(IPrHCl;193mg,0.455mmol)、tert−ブトキシカリウム(85質量%品、66.4mg,0.592mmol)及びテトラヒドロフラン(10ml)を加え、室温で15分攪拌した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。
反応混合物にトルエン(10ml)を加え、70℃で5分間攪拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を、4−ジメチルフェニルゲルミルフェニルエチニル(トリフェニルホスフィン)金(259mg,0.350mmol)及びトルエン10mlを加えた別の50mlシュレンク管に滴下した。滴下後、反応混合物を70℃で2.5時間加熱した。
反応混合物を室温まで冷却した後、その反応混合物にトルエンを加え、水洗してpHを7とした。得られた反応混合液を硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=3/1)によって精製し、得られた固体をHexane/AcOEt=4/1の混合液で再結晶することにより、白色針状固体である目的化合物を0.214g得た(収率71%)。
以下に、前記目的化合物のH−NMRスペクトル、質量分析結果及び発光分析結果を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.46−7.50(m,2H),7.35−7.39(m,2H),7.19−7.29(m,11H),7.11(d,2H),2.57−2.66(sept,4H),1.37(d,12H),1.21(d,12H),0.55(s,6H)
[MS]FAB(m/z):866(M),867(MH
発光分析(CHCl,77K,Ex240nm)λmax(nm):420
発光寿命:μ秒オーダー。
[実施例5]Au(IPr)(4TPSiPE)[(4−トリフェニルシリルフェニルエチニル)[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]金]の合成
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロライド(IPrHCl;193mg,0.455mmol)、tert−ブトキシカリウム(85質量%品、66.4mg,0.592mmol)及びテトラヒドロフラン(10ml)を加え、室温で15分攪拌した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。
反応混合物にトルエン(10ml)を加え、70℃で5分間攪拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を、4−トリフェニルシリルフェニルエチニル(トリフェニルホスフィン)金(287mg,0.350mmol)及びトルエン10mlを加えた別の50mlシュレンク管に滴下した。滴下後、反応混合物を70℃で2.5時間加熱した。
反応混合物を室温まで冷却した後、その反応混合物にトルエンを加え、水洗してpHを7とした。得られた反応混合液を硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=3/1)によって精製し、得られた固体をHexane/AcOEt=4/1の混合液で再結晶することにより、淡黄色固体である目的化合物を0.241g得た(収率73%)。
以下に、前記目的化合物のH−NMRスペクトル、質量分析結果及び発光分析結果を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:7.46−7.50(m,8H),7.25−7.39(m,17H),7.11(d,2H),2.57−2.66(sept,4H),1.37(d,12H),1.21(d,12H)
[MS]FAB(m/z):944(M),945(MH
発光分析(CHCl,77K,Ex240nm)λmax(nm):425
発光寿命:μ秒オーダー。
[実施例6]青色リン光有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
図1に示す青色リン光有機エレクトロルミネッセンス素子を、以下の通り作製した。
イーエッチシー製インジウム錫酸化物(以下ITOと略す)被膜付きガラス基板(図1における1及び2)を透明電極基板として用い、真空蒸着装置を使用して、同基板の前記被膜面上に7×10−4Pa以下の真空度で、2−(4’−トリメチルシリルフェニル)トリフェニレンからなる正孔輸送層3を膜厚40nmになるように形成した。
次に、ホスト材料2−メチル−1,4−ビス(トリフェニルゲルミル)ベンゼン(以後Me−p−BTPGBと略す)中にゲスト材料として実施例1で作成したリン光錯体Au(IPr)(4BnPE)を5.0重量%(ホスト材料及びゲスト材料の合計を100重量%とした場合の割合である)含む発光層4を、前記と同様の真空蒸着により膜厚40nmで前記正孔輸送層3上に形成した。
さらに、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(昇華精製品・以下TAZと略す)からなる電子輸送層5を膜厚30nmで発光層4上に、フッ化リチウム(以下LiFと略す)からなる電子注入層7を膜厚0.5nmで電子輸送層5上に、電極6としてアルミニウム(以下Alと略す)を膜厚80nmで電子注入層7上に、それぞれ順次真空蒸着させて、青色リン光有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
なお、真空蒸着は、正孔輸送層3の形成のときには、前記ガラス基板1に対向して置かれた坩堝に正孔輸送層3の形成原料を仕込み、坩堝ごと原料を加熱することによって行った。以降の発光層4〜電極6(電子注入層7を含む)の形成も、同様にして行った。
以上のようにして得られた青色リン光有機エレクトロルミネッセンス素子のITO電極2を正極、Al電極6を負極として、電極間電圧を順次上げることで前記素子に通電した。電圧印加時に色彩輝度計で0.1cd/m以上の値を示す最も低い電圧を発光開始電圧とし、電圧印加時に測定される素子発光の最大値を最大輝度として観測した。また、この素子の発光に係る電流の効率を以下の式で求めた。
電流効率=(単位面積当りの発光輝度)/(単位面積当りの電流密度)
さらに、発光の色度座標としては、素子発光の輝度が10cd/mにおける値を採用した。
このようにして測定した前記素子の発光開始電圧は6.2V、最大輝度は32.0cd/m、最大電流効率は2.52cd/Aであった。素子発光のCIE表色系における色度座標の値は、x=0.165,y=0.169であり、深みのある青色のリン光が観測された。
[比較例1]青色リン光有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
発光層のゲスト材料としてリン光錯体Au(IPr)(4FPE)([(4−フルオロフェニルエチニル)[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]金]、以後Au(IPr)(4FPE)と略す)を用いた以外は、実施例6と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作成した。実施例6と同様にして評価した結果を、実施例6の結果とともにまとめて表1に示す。
本発明により、440nm以下の深青色領域にエレクトロルミネッセンス発光ピーク極大を有し、かつ発光色がCIE(国際照明委員会)表色系でy座標が0.18未満となる、リン光性有機エレクトロルミネッセンス素子用の発光材料等として有用な金カルベン錯体を提供することが出来る。
1 ガラス基板
2 ITO透明電極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 アルミニウム電極
7 電子注入層

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)

    式中、Lは、下記一般式(2)又は(3)

    (式中、R 及びR は、同一又は異なっていてもよく、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数7〜10のポリシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアラルキル基を示し、
    3 〜R 6 は、それぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素原子数6〜14のアリールオキシル基、ニトロ基、シアノ基又は炭素原子数2〜16のジ置換アミノ基を示し、隣接している基同士が結合して環を形成していてもよい;
    ただし、R 1 〜R 6 が水素原子を有する基(水素原子を除く)である場合には、その基中の任意の水素原子は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基又は炭素原子数6〜14のアリールオキシル基で置換されていてもよい)で示される含窒素へテロ環カルベン配位子を示し;
    Xは、炭素原子数1〜3のアルキレン基、酸素原子、置換シリル基又は置換ゲルミル基を示し、前記置換シリル基及び置換ゲルミル基において、置換基中の総炭素原子数が2〜12であり
    11〜R19は、それぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、炭素原子数7〜10のポリシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアラルキル基を示す
    で示される金カルベン錯体。
  2. 前記ポリシクロアルキル基が、ビシクロ−[2.1.1]−ヘキシル基、ビシクロ−[2.2.1]−ヘプチル基、ビシクロ−[2.2.2]−オクチル基、ビシクロ−[3.3.0]−オクチル基、ビシクロ−[4.3.0]−ノニル基、ビシクロ−[4.4.0]−デシル基又はアダマンチル基である請求項記載の金カルベン錯体。
  3. 及びRが、同一又は異なっていてもよく、tert−ブチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又はアダマンチル基であり、
    〜Rが、それぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は塩素原子である請求項1または2記載の金カルベン錯体。
  4. 及びRが、同一又は異なっていてもよく、tert−ブチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又はアダマンチル基であり、
    〜Rが、水素原子である請求項1〜3のいずれか記載の金カルベン錯体。
  5. 下記式(14)〜(18)から選ばれる金カルベン錯体。
  6. 金ホスフィン錯体(A)と含窒素へテロ環カルベン配位子(L)とを反応させる請求項1記載の金カルベン錯体の製造方法。
  7. 前記含窒素へテロ環カルベン配位子(L)が、含窒素へテロ環ヒドロハライドと塩基との反応によって得られたものである請求項記載の製造方法。
  8. 前記金ホスフィン錯体(A)と含窒素へテロ環カルベン配位子(L)との反応において、金ホスフィン錯体(A)1モルに対して、含窒素へテロ環カルベン配位子(L)を1〜4モル使用する請求項6または7記載の製造方法。
  9. 前記金ホスフィン錯体(A)と含窒素へテロ環カルベン配位子(L)との反応が、金ホスフィン錯体(A)と含窒素へテロ環カルベン配位子(B)とを、溶媒の存在下、0〜120℃の温度で攪拌混合することにより行われる請求項6〜8のいずれか記載の製造方法。
  10. 一対の対向する電極間に発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記発光層が少なくとも一種の請求項1〜のいずれか記載の金カルベン錯体を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 440nm以下の深青色領域にエレクトロルミネッセンス発光ピーク極大を有し、発光色がCIE(国際照明委員会)表色系でy座標が0.18未満であることを特徴とする請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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