JP4918810B2 - 置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
従来銅を中心金属としたリン光材料としては、特許文献1に示すような、銅(1価)のイオン性錯体、多核錯体が知られていたが(例えば、非特許文献2参照)、これらの発光極大波長はいずれも500nmよりも長波長であり、フルカラーディスプレイを実現するために不可欠な480nm以下の青色領域を達成できていない。
又、青色領域を達成している銅錯体としては、ピラゾール-銅錯体が知られているが(例えば、非特許文献3参照)、この材料は融点が125℃と低く、電圧印加時に発生するジュール熱のため、発光層内で融解することが懸念され、有機エレクトロルミネッセンス素子材料としては不適である。更に、錯体部分が電気的に陽イオンであり、無電荷の錯体でないためにカウンター陰イオンを伴っているイオン性錯体が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような化合物の場合、化合物自体が電荷を内在するため、電圧印加による発光中に有機物内の電流を阻害するなどの問題が生じて低電圧での高効率発光が期待できないという問題がある。
Journal of American Chemical Society,2003,125巻,12971. Journal of American Chemical Society,2005,127巻,2030. Journal of American Chemical Society,2005,127巻,7489.
で示される置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体によって解決される。
で示される化合物である。
で示されるように、置換フェニルエチン化合物と含窒素へテロ環カルベン銅ハロゲン化物(LCuY)とを反応させることによって得られる。
で示されるように、ハロゲン化銅と含窒素へテロ環カルベンヒドロクロライドとを塩基の存在下に反応させることによって得られる(例えば、Organic Letters,2003,5巻,2417に記載の方法)。
で示される前記置換フェニルエチン化合物は、反応工程式(3)
で示されるように対応する置換フェニル臭化物から公知の方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,1985,50巻,1763に記載の方法)によって合成可能である。
又、エチニル置換芳香族カルボン酸を誘導化した後に(例えば、特開平3−227954号公報に記載の方法)、カルボキシル基を非特許文献7に示されるように種々のカルボン酸誘導体に誘導することによっても合成可能である(例えば、実験化学講座 第4版 22巻 有機合成IV 丸善株式会社に記載の方法)。
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、3−ベンゾイルフェニルエチン(124mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を168mg得た(収率85%)。
EI−MS(M/Z):656(M)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):447(max)
熱分析:融点:190℃
元素分析 観測値 C:76.49,H:6.83,N:4.16
理論値 C:76.74,H:6.90,N:4.26
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、3−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルエチン(135mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を154mg得た(収率76%)。
CI−MS(M/Z):675(M+H)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):446(max)
熱分析:融点:223℃
元素分析 観測値 C:73.98,H:6.61,N:4.00
理論値 C:74.69,H:6.57,N:4.15
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、3−アセチルフェニルエチン(86.5mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を161mg得た(収率90%)。
CI−MS(M/Z):595(M+H)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):442(max)
熱分析:融点:189℃
元素分析 観測値 C:73.84,H:7.15,N:4.70
理論値 C:74.65,H:7.28,N:4.71
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、4−ベンゾイルフェニルエチン(124mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を180mg得た(収率91%)。
CI−MS(M/Z):657(M+H)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):480(max)
熱分析:融点:213℃
元素分析 観測値 C:76.65,H:6.80,N:4.22
理論値 C:76.74,H:6.90,N:4.26
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、4−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルエチン(135mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を166mg得た(収率82%)。
CI−MS(M/Z):675(M+H)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):478(max)
熱分析:融点:183℃
元素分析 観測値 C:74.28,H:6.70,N:4.15
理論値 C:74.69,H:6.57,N:4.15
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、4−アセチルフェニルエチン(86.5mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を115mg得た(収率64%)。
CI−MS(M/Z):595(M+H)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):476(max)
熱分析:融点:181℃
元素分析 観測値 C:73.97,H:7.15,N:4.69
理論値 C:74.65,H:7.28,N:4.71
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、3−(N,N−ジエチルアミノカルボニル)フェニルエチン(121mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を140mg得た(収率71%)。
EI−MS(M/Z):578(M−Et2NH)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):423(max)
熱分析:融点:180℃
元素分析 観測値 C:73.28,H:7.36,N:6.40
理論値 C:73.64,H:7.72,N:6.44
アルゴン雰囲気下、25mlシュレンク管に[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]銅クロライド(IPrCuCl;147mg,0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(5.7mg,0.03mmol)、3−メトキシカルボニルフェニルエチン(96.1mg,0.60mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5ml)を加えたのち、ジエチルアミン(4.5ml)を加えて、室温で24時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に開け、塩化メチレン(30ml)を加えて分液操作を行った。水相より更に塩化メチレンで抽出した(各20ml、2回)。有機層を、水で洗浄(各50ml、5回)した後、硫酸マグネシウム1gを加えて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、濃縮操作を行い、得られた固体を塩化メチレン/n−ヘキサンより再結晶することにより、白色固体である目的物を134mg得た(収率73%)。
EI−MS(M/Z):578(M−MeOH)+
発光分析(CHCl3,77K,Ex240nm)λ(nm):428(max)
熱分析:融点:187℃
元素分析 観測値 C:72.62,H:6.98,N:4.64
理論値 C:72.70,H:7.09,N:4.58
イーエッチシー製インジウム錫酸化物(以下ITOと略す場合もある)被膜付きガラスを透明電極基板として用い、前記基板上に、ホール輸送層3としてポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(以下PEDOT:PSSと略する場合もある)/エチレングリコール(EG)ブレンドの層をスピンキャスト法により製膜し、真空中120℃にて1時間乾燥した。ここで、PEDOT:PSS/EGブレンドのキャスト溶液はティーエーケミカル製PEDOT:PSS溶液Baytron Pの99.9部にEGの0.1部を混合することによって調製した。その後、ホスト材料1,3−ジカルバゾリルベンゼン(以下mCP)に対してCu(IPr)(4BzPE)が5wt%のドープ量となるように調製したmCP/Cu(IPr)(4BzPE)ブレンドのクロロホルム溶液(濃度10wt%)を、ホール輸送層3の上にスピンキャストすることによって、mCPホスト中にCu(IPr)(4BzPE)が5wt%ドープされた発光層4を形成した。残留溶媒を除去するために真空中室温にて1時間乾燥した。ITO上の有機膜を部分的に削り取って露出させたITO表面と有機膜表面の段差を原子間力顕微鏡で計測することによって求めたホール輸送層3の膜厚は60nm、発光層4の膜厚は40nmであった。
アルバック機工製真空蒸着装置を使用し、2×10−3Pa以下の真空度で、発光層4の上に更に、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−ターシャリブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(以下TAZと略す)からなるホールブロック層5を30nm、LiFからなるバッファ層7を0.5nm、電極6としてアルミニウム(Al)を膜厚100nm、順次真空蒸着させてエレクトロルミネッセンス素子を作製した。
なお、真空蒸着は、基板に対向して置かれた坩堝に原料を仕込み、坩堝ごと原料を加熱することによって行った。
前記素子のITO電極2を正極、Al電極6を負極として通電し電極間電圧を上げていくと、+14V付近から素子は肉眼ではっきりと分かる程度の発光を開始し、+20Vにおいて最大電流効率0.11cd/Aを示し、+23Vにおいて6cd/m2で発光した。この素子の発光スペクトルは波長490nmにピークを有していた。
(第1工程)
15mLシュレンク管をAr置換し、3−ブロモベンゾフェノン1.57g (6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム70mg (0.06mmol)、ピペリジン6mL、2−メチル−3−ブチン−2−オール640μL (6.6mmol)を加え、100℃で1.25時間攪拌した。
反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=5/1)によって精製することにより目的物であるジメチルヒドロキシメチル−3−ベンゾイルフェニルアセチレンを黄色液体として1.46g得た。(収率92%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.83−7.40(m,9H),2.09(s,1H)、1.61(s,6H)
EI−MS(M/Z):264(M)+
(第2工程)
還流管を備えた100mL2口フラスコにジメチルヒドロキシメチル−3−ベンゾイルフェニルアセチレン1.45g (5.5mmol)、NaOH(キシダ化学、0.7mm粒状、98%)230mg (5.8mmol)を入れ、内部をAr置換した。ここにトルエン30mLを加え、120℃で0.5時間還流した。反応混合液にトルエンを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー (Hexane/ AcOEt= 30/ 1)によって精製することで、3−ベンゾイルフェニルエチンをオレンジ色固体として0.9g得た(収率80%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.91−7.26(m,9H),3.12(s,6H)
EI−MS(M/Z):206(M)+
(第1工程)
15mLシュレンク管をAr置換し、3−ブロモ−4'−フルオロベンゾフェノン1.4g (5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム58mg (0.05mmol)、1−メチルピペリジン5mL、2−メチル−3−ブチン−2−オール533μL (5.5mmol)を加え、100℃で4.5時間攪拌した。
反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=5/1)によって精製することにより目的物であるジメチルヒドロキシメチル−3−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルアセチレンをオレンジ結晶として1.11g得た。(収率79%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.83−7.15(m,8H),2.15(s,1H),1.62(s,6H)
EI−MS(M/Z):282(M)+
(第2工程)
還流管を備えた100mL2口フラスコにジメチルヒドロキシメチル−3−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルアセチレン1.11g (3.9mmol)、NaOH(キシダ化学、0.7mm粒状、98%)165mg (4.1mmol)を入れ、内部をAr置換した。ここにトルエン20mLを加え、120℃で0.5時間還流した。反応混合液にトルエンを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー (Hexane/ AcOEt= 10/ 1)によって精製することで、3−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルエチンを黄色固体として0.5g得た(収率53%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.87−7.14(m,8H),3.13(s,1H)
EI−MS(M/Z):224(M)+
(第1工程)
30mLシュレンク管をAr置換し、3−ブロモアセトフェノン1.99mL (15mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム173mg (0.15mmol)、ピペリジン15mL、2−メチル−3−ブチン−2−オール1.6mL (16.5mmol)を加え、100℃で1.25時間攪拌した。
反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=5/1)によって精製することにより目的物であるジメチルヒドロキシメチル−3−アセチルフェニルアセチレンをオレンジ色液体として2.98g得た。(収率98%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.00−7.38(m,4H),2.59(s,3H)2.13(s,3H),1.63(s,6H)
EI−MS(M/Z):202(M)+
(第2工程)
還流管を備えた200mL2口フラスコにジメチルヒドロキシメチル−3−アセチルフェニルアセチレン2.98g (14.7mmol)、NaOH(キシダ化学、0.7mm粒状、98%)0.62g (15.4mmol)を入れ、内部をAr置換した。ここにトルエン75mLを加え、120℃で0.5時間還流した。反応混合液にトルエンを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をヘキサン40mlに70℃で溶解して、不溶物をろ過後、ろ液を冷却することにより目的物である、3−アセチルフェニルエチンを白色固体として1.43g得た(収率67%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.07−7.39(m,4H),3.14(s,1H)2.61(s,3H)
EI−MS(M/Z):144(M)+
(第1工程)
15mLシュレンク管をAr置換し、4−ブロモベンゾフェノン3.92g (15mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム173mg (0.15mmol)、ピペリジン15mL、2−メチル−3−ブチン−2−オール1.6mL (16.5mmol)を加え、100℃で1時間攪拌した。
反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をヘキサン300mlに70℃で溶解して、不溶物をろ過後、ろ液を冷却することにより目的物である目的物であるジメチルヒドロキシメチル−4−ベンゾイルフェニルアセチレンを黄色固体として3.47g得た。(収率88%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.80−7.45(m,9H),2.09(s,1H)1.62(s,6H)
EI−MS(M/Z):264(M)+
(第2工程)
還流管を備えた100mL2口フラスコにジメチルヒドロキシメチル−4−ベンゾイルフェニルアセチレン1.85g (7mmol)、NaOH(キシダ化学、0.7mm粒状、98%)294mg (7.4mmol)を入れ、内部をAr置換した。ここにトルエン35mLを加え、120℃で0.5時間還流した。反応混合液にトルエンを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー (Hexane/ AcOEt= 10/ 1)によって精製することで、4−ベンゾイルフェニルエチンを薄茶色固体として1.1g得た(収率76%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.81−7.46(m,9H),3.24(s,1H)
EI−MS(M/Z):206(M)+
(第1工程)
15mLシュレンク管をAr置換し、4−ブロモ−4'−フルオロベンゾフェノン1.4g (5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム116mg (0.1mmol)、1−メチルピペリジン5mL、2−メチル−3−ブチン−2−オール970μL (10mmol)を加え、100℃で1時間攪拌した。
反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物ヘキサン100mlに70℃で溶解して、不溶物をろ過後、ろ液を冷却することにより目的物である目的物であるジメチルヒドロキシメチル−4−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルアセチレンを薄黄色結晶として1.07g得た。(収率76%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.83−7.15(m,8H),2.02(s,1H),1.65(s,6H)
EI−MS(M/Z):282(M)+
(第2工程)
還流管を備えた50mL2口フラスコにジメチルヒドロキシメチル−4−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルアセチレン1.07g (3.8mmol)、NaOH(キシダ化学、0.7mm粒状、98%)0.16g (4mmol)を入れ、内部をAr置換した。ここにトルエン19mLを加え、120℃で15分間還流した。反応混合液にトルエンを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物ヘキサン20mlに70℃で溶解して、不溶物をろ過後、ろ液を冷却することにより目的物である、4−(4'−フルオロベンゾイル)フェニルエチンを黄色固体として0.6g得た(収率71%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.93−7.14(m,8H),3.25(s,1H)
EI−MS(M/Z):224(M)+
(第1工程)
20mLシュレンク管をAr置換し、p−ブロモアセトフェノン1.59mL (8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム92.4mg (0.08mmol)、ピペリジン8mL、2−メチル−3−ブチン−2−オール853μL (8.8mmol)を加え、100℃で1時間攪拌した。
反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=5/1)によって精製することにより目的物であるジメチルヒドロキシメチル−4−アセチルフェニルアセチレンをオレンジ色液体として1.5g得た。(収率93%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.92−7.46(m,4H),2.61(s,3H)2.13(s,1H),1.61(s,6H)
EI−MS(M/Z):202(M)+
(第2工程)
還流管を備えた100mL2口フラスコにジメチルヒドロキシメチル−4−アセチルフェニルアセチレン1.45g (7.2mmol)、NaOH(キシダ化学、0.7mm粒状、98%)301mg (7.5mmol)を入れ、内部をAr置換した。ここにトルエン36mLを加え、120℃で25分間還流した。反応混合液にトルエンを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。反応粗生成物をヘキサン25mlに70℃で溶解して、不溶物をろ過後、ろ液を冷却することにより目的物である、4−アセチルフェニルエチンを黄色固体として0.74g得た(収率56%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.94−7.48(m,4H),3.25(s,1H)2.58(s,3H)
EI−MS(M/Z):144(M)+
20mLシュレンク管をAr置換し、3−エチニル安息香酸1.02g (7mmol)、塩化チオニル5g (42mmol)を加え、50℃で2時間攪拌した後、過剰の塩化チオニルを減圧留去してm−エチニル安息香酸クロリドを得た。得られたm−エチニル安息香酸クロリドに、ジエチルアミン1.49mL(14.4mmol)がジクロロメタン7mLに溶解してなる溶液を氷冷下加えた後、温度を室温にして1時間攪拌した。攪拌終了後、
ジクロロメタンを減圧留去し残滓に水35mLを加え、ジエチルエーテル35mLで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=5/1〜3/1)によって精製することにより目的物である3−(N,N−ジエチルアミノカルボニル)フェニルエチンを薄黄色液体として1.3g得た(収率92%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.76−7.22(m,4H),3.54(br,2H),3.25(br,2H),3.11(s,1H),1.26(br,3H),1.11(br,3H)
EI−MS(M/Z):201(M)+
20mLシュレンク管をAr置換し、3−エチニル安息香酸1.02g (7mmol)、塩化チオニル5g (42mmol)を加え、50℃で2時間攪拌した後、過剰の塩化チオニルを減圧留去してm−エチニル安息香酸クロリドを得た。得られたm−エチニル安息香酸クロリドに、フェノール692mg(7.35mmol)、ピリジン3.4mL(42mmol)がジクロロメタン7mLに溶解してなる溶液を氷冷下加えた後、温度を室温にして1時間攪拌した。攪拌終了後、ジクロロメタンを減圧留去し残滓に水35mLを加え、酢酸エチル35mLで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルをもちいたカラムクロマトグラフィー(Hexane/AcOEt=10/1)によって精製することにより目的物である3−メトキシカルボニルフェニルエチンを黄色固体として0.55g得た(収率35%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:8.34−6.69(m,9H),3.15(s,1H)
EI−MS(M/Z):222(M)+
2:ITO被膜(正極)
3:ホール輸送層
4:発光層
5:ホールブロック層
7:電子輸送層
6:Al電極
Claims (12)
- Lが、一般式(2)又は(3):
(式中、R1及びR2は、それぞれ同一又は異なっていても良く、アルキル基、シクロアルキル基、ポリシクロアルキル基又はアリール基を示し、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一又は異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、アリールオキシル基、ニトロ基、シアノ基又はジアルキルアミノ基を示し、隣接している基同士が結合して環を形成していても良い;なお、R1〜R6の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基又はアリールオキシル基で置換されていても良い。)
で示される含窒素へテロ環カルベン配位子である請求項1記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体。 - R1及びR2が、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のポリシクロアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基であり、R3、R4、R5及びR6が、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素原子数6〜14のアリールオキシル基、ニトロ基、シアノ基又は炭素原子数2〜10のジアルキルアミノ基である請求項2記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体。
- ポリシクロアルキル基が、ビシクロ−[2.1.1]−ヘキシル基、ビシクロ−[2.2.1]−ヘプチル基、ビシクロ−[2.2.2]−オクチル基、ビシクロ−[3.3.0]−オクチル基、ビシクロ−[4.3.0]−ノニル基、ビシクロ−[4.4.0]−オクチル基及びアダマンチル基から選ばれる少なくとも1種のポリシクロアルキル基である請求項3記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体。
- R1及びR2が、tert−ブチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又はアダマンチル基であり、R3、R4、R5及びR6が、水素原子及び塩素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子である請求項2記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体。
- Xが、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数4〜16のヘテロ環基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数1〜6のアルキルメルカプト基、炭素原子数6〜14のアリールメルカプト基又は炭素原子数1〜14の置換基を有するアミノ基であり、Xの炭素原子上のひとつ又は複数の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシル基、炭素原子数1〜6のアルキルメルカプト基、炭素原子数6〜14のアリールメルカプト基又は炭素原子数1〜14の置換アミノ基に置換されていても良い請求項1記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体。
- Xが、フェニル基、フルオロフェニル基又はメチル基である請求項6記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体。
- 置換フェニルエチン化合物と含窒素へテロ環カルベン銅ハロゲン化物とを反応させて置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体を得る請求項1記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体の製法。
- 置換フェニルエチン化合物の使用量が、含窒素へテロ環カルベン銅ハロゲン化物1モルに対して、1〜3モルである請求項9記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体の製法。
- 含窒素へテロ環カルベン銅ハロゲン化物と置換フェニルエチン化合物との反応を、溶媒の存在下にて、0〜120℃で行う請求項9又は請求項10記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体の製法。
- 反応をヨウ化銅(I)の存在下で行う請求項9乃至11記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体の製法。
- 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した有機エレクトロルミネッセンス素子であって、少くとも1層の有機化合物薄層が請求項1記載の置換フェニルエチニル銅−含窒素へテロ環カルベン錯体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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