JP2006045398A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高い発光輝度、発光効率を持ち、繰り返し使用時での安定性の優れた有機EL素子の開発のために、優れた発光能力を有し、耐久性のある有機EL材料、特に発光材料と、それを用いた有機EL素子を提供することである。特に、橙〜赤色の発光素子を提供することにある。
【解決手段】下記一般式[1]で表されるベンゾチアジアゾール誘導体であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
【化1】
Figure 2006045398

[式中、R1 ないしR4 は、それぞれ独立に、水素原子などを表す。]

Description

本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子用材料および高輝度の発光素子に関するものである。
有機物質を使用したEL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般にEL素子は、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が、陽極側から正孔がそれぞれ注入され、発光層において電子と正孔が再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
従来の有機EL素子は、無機EL素子に比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。
近年、10V以下の低電圧で発光する高い蛍光量子効率を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機EL素子が報告され、関心を集めている(非特許文献1参照)。この方法は、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は数1000cd/m2、最大発光効率は1.5lm/Wを達成して、実用領域に近い性能を持っている。
特に、黄色から赤色の発光を得るための有機EL素子用発光材料としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alq3と略称)にDCM(4−ジシアノメチレン−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ピラジン)をドープした橙色発光の例(非特許文献2参照)等があるが、最高輝度、色純度ともにディスプレイ材料として満足いくものはなく、さらに高輝度でかつ色純度の良い赤色発光素子の実現が望まれているのが現状である。
有機EL材料に使用されている縮合芳香環化合物は既にいくつか知られている。たとえば、有機EL素子の正孔輸送材料や発光層ホスト材料として、インドール誘導体やピロロ[3,4−f]イソインドール誘導体などが知られている(特許文献1および特許文献2)。また、ベンゾチアジアゾール誘導体は液晶材料として利用されている(特許文献3)。
アプライド・フィジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年 Chem. Funcl. Dyes. Proc. Int. Symp., 2nd 536ページ1993年 特開2002−305084号公報 特開2004−143044号公報 特開2003−104976号公報
本発明の目的は、高い発光輝度、発光効率を持ち、繰り返し使用時での安定性の優れた有機EL素子の開発のために、優れた発光能力を有し、耐久性のある有機EL材料、特に発光材料と、それを用いた有機EL素子を提供することである。特に、橙〜赤色の発光素子を提供することにある。
本発明は、下記一般式[1]で示される有機EL素子材料に関する。
一般式[1]
Figure 2006045398
[式中、R1 ないしR4 は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換の複素環基を表す(隣接した置換基同士で結合して新たな環を形成してもよい。)。]
また、本発明は、R1ないしR4のうち少なくとも一つが、−NR56である上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
[R5、R6は、互いに独立に、水素、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。]
また、本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に一層または多層の有機層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
また、本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に少なくとも一層の発光層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
また、本発明は、発光層が発光材料を含んでなり、前記発光材料が、上記発光材料である上記有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
本発明の一般式[1]で表せるベンゾチアジアゾール誘導体を用いることによって、黄橙色から赤色の領域の発光ができ、かつ、従来に比べて高い発光効率で高輝度であり、長い発光寿命を持つ有機EL素子を得ることができる。
本発明は、発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられ、電流の注入により発光する有機物質を構成要素として含む有機EL素子において、前記有機層に、一般式[1]で示される新規な化合物が含まれることを特徴とする。
本発明における一般式[1]のR1ないしR4は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。また、R1ないしR4のうち隣接した置換基同士で結合して新たな環を形成してもよい。
本発明のR1ないしR4で示される置換基のハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が上げられる。また、アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基などが挙げられる。
アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アンスリルオキシカルボニル基、ピレニルオキシカルボニル基、ペリレニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
アシルオキシ基としては、たとえば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基などが挙げられる。
アシルアミノ基としては、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。
N−アルキルカルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−ベンジルカルバモイル基などが挙げられる。
N−アリールカルバモイル基としては、例えば、N−フェニルカルバモイル基、N−トリルカルバモイル基、N−ビフェニリルカルバモイル基、N−ナフチルカルバモイル基、N−アンスリルカルバモイル基、N−ピレニルカルバモイル基、N−ペリレニルカルバモイル基などが挙げられる。
アルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基などが挙げられる。
芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ニトロフェニル基などが挙げられる。
アルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基などが挙げられる。
アミノ基としては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
複素環基としては、例えば、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリニル基、キノリニル基、アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、カルバゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、プラニル基などが挙げられる。また、以上の置換基同士が結合してさらなる環を形成しても良い。
本発明のより好ましい形態は、一般式[1]中のR1ないしR4の少なくとも一つが―NR56であらわされるアミノ基の場合である。
上記アミノ基の置換基R5ないしR6は、互いに独立に水素、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。
5ないしR6の具体例は、上述のR1ないしR4の具体例で示したアルキル基、芳香族基、複素環基と同じものを例示できる。
以下に、本発明の化合物の代表例を、具体的に例示するが、本発明は、この代表例に限定されるものではない。
Figure 2006045398
Figure 2006045398
Figure 2006045398
Figure 2006045398
Figure 2006045398
本発明の化合物の合成方法は、特開2003−104976号公報にベンゾチアゾール骨格の合成例が開示されている。
そこで、本発明の化合物の一般的な合成方法を以下に示す。2,1,3−ベンゾチアジアゾールを臭化水素酸中で撹拌する。これを加熱し還流させる。続いて、臭素を加えて反応させることで、臭素化ベンゾチアジアゾールを合成することができる。このとき、反応温度や臭素の量を調整することによって、任意の位置に臭素が置換したベンゾチアジアゾールを合成することができる。この方法の詳細は、Journal of heterocyclic chemistry,7th 629ページ 1970年に記載されている。
さらにこの臭素化ベンゾチアジアゾールをトルエン中、トリ―t−ブチルホスフィン、酢酸パラジウム(II)、t−ブトキシナトリウムと共に、対応する1級もしくは2級アミンと100℃で撹拌することで、目的化合物を合成することができる。以上の合成法は一例であり、特に限定されるものではない。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層もしくは多層の有機薄膜を形成した素子である。一層型の場合、陽極と陰極との間に発光層を設けている。発光層は、発光材料を含有し、それに加えて陽極から注入した正孔、もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送させるために、正孔注入材料もしくは電子注入材料を含有しても良い。しかしながら、本発明の発光材料は、均一な薄膜を形成することができるので、本発明の発光材料のみで発光層を形成することも可能である。多層型は、(陽極/正孔注入帯域/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入帯域/陰極)、(陽極/正孔注入帯域/発光層/電子注入帯域/陰極)の多層構成で積層した有機EL素子がある。本発明の化合物は、発光材料として発光層に使用できる。
発光層には、必要があれば、本発明の化合物に加えて、さらなる公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を使用することもできる。有機EL素子は、多層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができる。必要があれば、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を組み合わせて使用することが出来る。また、ドーピング材料により、発光輝度や発光効率の向上、赤色や青色の発光を得ることもできる。また、正孔注入帯域、発光層、電子注入帯域は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。その際には、正孔注入帯域の場合、電極から正孔を注入する層を正孔注入層、正孔注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔を輸送する層を正孔輸送層と呼ぶ。同様に、電子注入帯域の場合、電極から電子を注入する層を電子注入層、電子注入層から電子を受け取り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送層と呼ぶ。これらの各層は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機層もしくは金属電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。
本発明の化合物と共に発光層に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレンおよび色素レーザー用や増白用の蛍光色素等があるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物および共に発光層に使用できる上記の化合物の発光層中での存在比率はどれが主成分であってもよい。つまり、上記の化合物および本発明における化合物のそれぞれの組み合わせにより、本発明における化合物は発光層を形成する主材料にも他の主材料中へのドーピンク材料にも成り得る。
本発明の化合物と共に発光層に使用できる化合物で特に好ましいものとしては、ペリレン誘導体とジケトピロロピロール誘導体が挙げられる。
ペリレン環に付加する置換基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基などの1価の脂肪族炭化水素基、フェニル基、ナフチル基などの1価の芳香族炭化水素基、クロマニル基などの1価の脂肪族複素環基、フリル基、チエニル基などの1価の芳香族複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アリールアルキルアミノ基等が挙げられる。
また、上記のジケトピロロピロール誘導体は下記一般式[2]で示される構造およびN位のH原子を置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の環中に複素原子を有しても良い芳香族基に置換したものである。また本発明の化合物に属するものの2種以上の組み合わせでもよい。さらには前述の本発明の化合物と同様にジケトピロロピロール骨格のカルボニルの酸素原子部分を、他の電子求引性置換基に換えることもでき、本発明の化合物と組み合わせて発光層に使用できる。
上記、ペリレン誘導体およびジケトピロロピロール誘導体の具体例としては特願2001−368036号公報、特願2002−18009号公報、特開2004−124106号公報、特開2002−012861号公報、特開2001−011031号公報、特開2004−175674号公報、特開2003−27049号公報、特開2003−155286号公報中に記載された具体例が挙げられる。
一般式[2]
Figure 2006045398
正孔注入材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入帯
域または電子注入材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が挙げられる。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等と、それらの誘導体、およびポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料等があるが、これらに限定されるものではない。
本発明の有機EL素子において使用できる正孔注入材料の中で、さらに効果的な正孔注入材料は、アリールアミン誘導体、フタロシアニン化合物ないしはトリフェニレン誘導体である。アリールアミン誘導体の具体例としては、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ジ−m−トリル−4,4'−ビフェニルジアミン、N,N,N',N'−テトラ(p−トリル)−p−フェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラ−p−トリル−4,4'−ビフェニルジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ジ(1−ナフチル)−4,4'−ビフェニルジアミン、N,N'−ジ(4−n−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−p−トリル−9,10−フェナントレンジアミン、4,4',4"−トリス(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)トリフェニルアミン、1,1−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン等、もしくはこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマーもしくはポリマー等があるが、これらに限定されるものではない。
フタロシアニン(Pc)化合物の具体例としては、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体およびナフタロシアニン誘導体等があるが、これらに限定されるものではない。
トリフェニレン誘導体の具体例としては、ヘキサメトキシトリフェニレン、ヘキサエトキシトリフェニレン、ヘキサヘキシルオキシトリフェニレン、ヘキサベンジルオキシトリフェニレン、トリメチレンジオキシトリフェニレン、トリエチレンジオキシトリフェニレンなどのヘキサアルコキシトリフェニレン類、ヘキサフェノキシトリフェニレン、ヘキサナフチルオキシトリフェニレン、ヘキサビフェニリルオキシトリフェニレン、トリフェニレンジオキシトリフェニレンなどのヘキサアリールオキシトリフェニレン類、ヘキサアセトキシトリフェニレン、ヘキサベンゾイルオキシトリフェニレンなどのヘキサアシロキシトリフェニレン類等があるが、これらに限定されるものではない。
電子注入材料としては、電子を輸送する能力を持ち、陰極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入帯域への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が挙げられる。例えば、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等とそれらの誘導体があるが、これらに限定されるものではない。また、正孔注入材料に電子受容物質を、電子注入材料に電子供与性物質を添加することにより増感させることもできる。
本発明の有機EL素子において、さらに効果的な電子注入材料は、金属錯体化合物もしくは含窒素五員環誘導体である。具体的には、金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシ
キノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)フェノラートガリウム、ビス(o−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラート)亜鉛、ビス(o−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラート)亜鉛、ビス(o−(2−ベンゾトリアゾリル)フェノラート)亜鉛等があるが、これらに限定されるものではない。
また、含窒素五員誘導体としては、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、ジメチルPOPOP、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があるが、これらに限定されるものではない。
本有機EL素子においては、発光層中に、本発明の化合物の他に、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料および電子注入材料の少なくとも1種が同一層に含有されてもよい。また、本発明により得られた有機EL素子の、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル、樹脂等により素子全体を保護することも可能である。
有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが適しており、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等およびそれらの合金、ITO基板、NESA基板に使用される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。
陰極に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが適しており、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム等およびそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。合金の比率は、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により制御され、適切な比率に選択される。陽極および陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていても良い。
有機EL素子では、効率良く発光させるために、少なくとも一方は素子の発光波長領域において充分透明にすることが望ましい。また、基板も透明であることが望ましい。透明電
極は、上記の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保するように設定する。発光面の電極は、光透過率を10%以上にすることが望ましい。基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものであれば限定されるものではないが、例示すると、ガラス基板、ポリエチレン板、ポリエチレンテレフテレート板、ポリエーテルサルフォン板、ポリプロピレン板等の透明樹脂があげられる。
本発明に係わる有機EL素子の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれの方法を適用することができる。膜厚は特に限定されるものではないが、適切な膜厚に設定する必要がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になり効率が悪くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な発光輝度が得られない。通常の膜厚は5nmから10μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の適切な溶媒に溶解または分散させて薄膜を形成するが、その溶媒はいずれであっても良い。また、いずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用しても良い。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂およびそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げることができる。また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を挙げることができる。
以上のように、有機EL素子の発光層に本発明の化合物を用いることにより、発光効率、最大発光輝度等の有機EL素子特性を改良することができた。また、この素子は熱や電流に対して非常に安定であり、さらには低い駆動電圧で実用的に使用可能の発光輝度が得られるため、従来まで大きな問題であった劣化も大幅に低下させることができた。
本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや、平面発光体として、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等へ応用が考えられ、その工業的価値は非常に大きい。
本発明の材料は、有機EL素子、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー、有機トランジスタ素子等の分野においても使用できる。
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明は、これによりなんら制限されるものではない。
合成例1
4,7−ビス(ジフェニルアミノ)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(28)の合成
合成は、2段階の反応を経て行い、第一段階である、臭素化反応は、Journal of heterocyclic chemistry,7th 629ページ 1970年に記載の方法に従って行った。
Figure 2006045398
冷却管、滴下ロートを取り付けた100mL四つ口フラスコに、2,1,3−ベンゾチアジアゾール(5.00g,36.7mmol)、48wt.%臭化水素酸(20mL)を入れ、反応液が還流するまで過熱した。これに、臭素(17.60g)を7時間かけて滴下し、滴下後さらに1時間還流状態で撹拌した。反応液を、水(300mL)中に注ぎ込み、析出物をろ取し、水でよく洗浄した。得られたろ過物を酢酸エチルで再結晶し、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(8.8g,29.9mmol)を得た。次に、この化合物(1.50g,5.10mmol)を、冷却管を取り付けた50mL四つ口付フラスコにいれ、これに、トルエン(30mL)、酢酸パラジウム(0.1146g,0.5102mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.3097g,1.531mmol)、ジフェニルアミン(1.90g,11.23mmol),t−ブトキシナトリウム(1.08g,11.23mmol)を順に加え、窒素雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。放冷後、反応液にトルエン(50mL)を加えて水洗(30mL×3回)し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、減圧濃縮し得られた暗赤色固体を2−プロパノール/酢酸エチル混合溶媒で再結晶し、目的物である28を得た(1.80g,3.82mmol)
生成物の分析結果は以下のとおりである。
1H−NMR(270MHz,DMSO−d6,TMS standard,ppm) δ7.27(t,8H,J=8.6Hz), 7.21(s,2H), 7.05−6. 99(m,12H)
元素分析(計算値)C 76.57,H 4.71,N 11.91,S 6.80
元素分析(実測値)C 76.55,H 4.72,N 11.93,S 6.80
UV(トルエン,1.0×10-5mol/L) 509nm(ε 33500)
蛍光スペクトル(トルエン,1.0×10-6mol/L) 659nm
合成例2
4,7−ビス(4−トリルアミノ)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(29)の合成
Figure 2006045398
冷却管を取り付けた100mL四つ口フラスコに4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(2.00g,6.80mmol)、ジトリルアミン(2.82g,14.29mmol)、酢酸パラジウム(0.0764g,0.340mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.207g,1.02mmol)、t−ブトキシナトリウム(1.37g,14.3mmol)、トルエン(40mL)を入れ、窒素雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。法冷後、反応液にトルエン(250mL)を加え水洗(50mL×2回)し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、減圧濃縮し、得られた暗紫色粉末を2−プロパノール/酢酸エチル混合溶媒で再結晶し、目的の29を得た(2.71g,5.15mmol)。
生成物の分析結果は以下のとおりである。
1H−NMR(270MHz,DMSO−d6,TMS standard,ppm) δ7.07(s,2H),705(d,8H,J=8.2Hz),6.87(d,8H ,J=8.2Hz),2.25(s、2H)
元素分析(計算値)C 77.53,H 5.74,N 10.64,S 6.09
元素分析(実測値)C 77.51,H 5.75,N 10.66,S 6.08
UV(トルエン,1.0×10-5mol/L) 532nm(ε 8100)
蛍光スペクトル(トルエン,1.0×10-6mol/L) 688nm
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、発光材料として化合物(29)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、ポリカーボネート樹脂(帝人化成:パンライトK−1300)を2:3:20の重量比でテトラヒドロフランに溶解させ、スピンコーティング法により膜厚100nmの発光層を得た。このとき得られた膜は非常に安定で、凝集し結晶化をおこすといった現象は観察されなかった。その上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子1を作製した。
実施例2
洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―(3―メチルフェニル)―N,N'―ジフェニル―1,1'―ビフェニル−4,4'―ジアミン(TPD) を真空蒸着して膜厚20nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(28)を蒸着し膜厚30nmの発光層を作成し、次いでトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を蒸着して膜厚40nmの電子注入層を得た。その上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚100nmの電極を形成して有機EL素子2を作製した。正孔注入層および発光層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。
実施例3
発光材料を化合物(29)として用いた他は実施例2と同様にして素子3を作製した。
実施例4
洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―(3―メチルフェニル)―N,N'―ジフェニル―1,1'―ビフェニル−4,4'―ジアミン(TPD) を真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(29)とトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を7:93の比率で共蒸着し膜厚30nmの発光層を作成し、次いでトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を蒸着して膜厚40nmの電子注入層を得た。その上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚100nmの電極を形成して有機EL素子4を作製した。正孔注入層および発光層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。
実施例5
洗浄したITO電極付きガラス板上に、銅フタロシアニンを真空蒸着して、膜厚30nmの第一正孔注入層を得た。次いで、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを真空蒸着して、膜厚20nmの第二正孔注入層を得た。さらに、化合物(28)を真空蒸着して、膜厚30nmの発光層を作成し、さらにAlq3を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成した。その上に、フッ化リチウム(LiF)を0.2nm、次いでアルミニウム(Al)を150nm真空蒸着することで電極を形成して、有機EL素子5を作製した。各層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。
実施例6
洗浄したITO電極付きガラス板上に、4,4'−ビス[N−(9−フェナントリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(28)を真空蒸着して膜厚40nmの発光層を作成し、さらに3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾールを蒸着して膜厚10nmの第一電子注入層を作成し、次に、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−シアノフェノラート)ガリウム錯体を蒸着して膜厚30nmの第二電子注入層を得た。さらにその上に、マグネシウムと銀を10:1(重量比)で混合した合金で膜厚250nmの電極を形成して有機EL素子6を作製した。各層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。
実施例7
洗浄したITO電極付きガラス板上に、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(29)と3−ジ(p−トリル)アミノペリレンを5:95の重量比で共蒸着して膜厚30nmの発光層を作成し、次いでビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム錯体を蒸着して膜厚40nmの電子注入層を得た。その上にまず、LiFを0.5nm、さらにAlを200nm真空蒸着によって電極を形成して有機EL素子7を作製した。各層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。
比較例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、発光材料として下記化合物c、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、ポリカーボネート樹脂(帝人化成:パンライトK−1300)を2:3:20の重量比でテトラヒドロフランに溶解させ、スピンコーティング法により膜厚100nmの発光層を得た。その上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子8を作製した。また、そのスピンコート膜は容易に凝集し結晶化を起こしてしまうといった欠点を持っていた。
化合物c
Figure 2006045398
比較例2
洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N'―(3―メチルフェニル)―N,N'―ジフェニル―1,1'―ビフェニル−4,4'―ジアミン(TPD) を真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで、下記化合物dを蒸着し膜厚40nmの発光層を作成し、次いでトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。その上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚100nmの電極を形成して有機EL素子9を作製した。正孔注入層および発光層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。
化合物d
Figure 2006045398
以上のようにして作製した有機EL素子を用いて、窒素雰囲気下で有機EL特性を測定した。各素子の印加電圧5Vにおける発光輝度、最大発光輝度、発光効率および発光色を表1に示す。
表1
Figure 2006045398

Claims (5)

  1. 下記一般式[1]で表されるベンゾチアジアゾール誘導体であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
    一般式[1]
    Figure 2006045398
    [式中、R1 ないしR4 は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換の複素環基を表す(隣接した置換基同士で結合して新たな環を形成してもよい。)。]
  2. 1ないしR4のうち少なくとも一つが、−NR56である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
    [R5、R6は、互いに独立に、水素、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。]
  3. 陽極と陰極とからなる一対の電極間に一層または多層の有機層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 陽極と陰極とからなる一対の電極間に少なくとも一層の発光層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 発光層が発光材料を含んでなり、前記発光材料が、請求項1または2記載の発光材料である請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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