JP5857954B2 - コハク酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コハク酸産生能を有する微生物を用いたコハク酸の製造方法に関するものである。
発酵によるコハク酸生産は、一般的に、充分量の酸素を供給する好気条件下、少量の酸素を供給する微好気条件下、又は酸素を供給しない嫌気条件下で行われる。これまでに、好気条件下よりは微好気条件下又は嫌気条件下での発酵反応がコハク酸生産に有効であると記載されていた(特許文献1〜4、非特許文献1)。特に、コリネ菌(Corynebacterium glutamicum ATCC 13032)を題材として、シミュレーション (FBAモデル) 結果を基に、嫌気条件下より微量の酸素を供給する条件下の方がコハク酸の生産が向上することや、LDH遺伝子を欠損することで、さらにコハク酸の生産が向上することが記載されている(非特許文献1)。
特許文献5と6には、酵母やコウジカビ等の真核細胞を用いたコハク酸の生産では、酸素欠乏条件下、酸素消費速度(移動速度)を0.01〜5mmol/L/hr以下に制御すること、又は、通気することで酸素供給制御を行う場合(oxygen limited conditions)は酸素消費速度を5.5〜7mmol/L/hrに制御することが記載されている。
特開2004−194570号公報 特開2006−6344号公報 特開2005−95169号公報 国際公開WO2005/026349号パンフレット 国際公開WO2009/065778号パンフレット 国際公開WO2010/003728号パンフレット
Shinfuku et al., Development and experimental verification of a genome−scale metabolic model for Corynebacterium glutamicum. Microbial Cell Factories 2009, vol.8:43
しかし、非特許文献1に記載のシミュレーション(FBAモデル)は菌体増殖が最も良くなる状態を目的とした計算をしているために、原料とする糖代謝が菌体増殖に使用されていること、菌体の代謝物は乳酸が主に生産されており(炭素収率最大60%)、コハク酸においては炭素収率最大20%程度の条件であった。さらに、微好気条件下及び嫌気条件下でのコハク酸生産において、酸素摂取速度(OUR)/糖摂取速度(GUR)が0.21のとき、シミュレーション結果の炭素収率が19.2%に対して、実施例の炭素収率が3.1%と、シミュレーション結果と実施例との乖離があった。これらのことから、菌体増殖が制限された条件下における、コハク酸を産生する微生物による発酵反応への酸素供給とコハク酸生産反応との関係の詳細は未だ解明されていない。
また、シミュレーションでは発酵条件の菌体増殖速度が高く、菌体増殖が制限された条件下で、発酵反応への酸素供給とコハク酸生産反応との関係の詳細は未だ解明されていない。
さらに、工業的なスケールで生産を行う場合、酸素を供給しない嫌気環境を制御する必要があり、具体的には、特許文献1等に記載されているような、減圧による反応水溶液の溶解ガスの除去や窒素などによる反応系からの酸素の除去を行うことになる。しかしながら、溶解ガス除去用減圧設備の増設並びに窒素ガス供給制御等に多大な費用がかかるために、産業利用上好ましくない。また、反応系からの酸素の除去を工業的なスケールで行う場合には、反応を開始するまでに多大な時間がかかるために、使用する菌体や培地等の状態が変化してしまい、反応自体に支障がでる可能性がある。また、工業的なスケールでのコハク酸生産において、酸素供給とコハク酸生産効率の関係は明らかになっていない。
本発明の課題は、従来よりも生産効率の高い、特に工業的スケールに対応可能な、コハク酸の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、コハク酸産生能がある微生物により原料糖からコハク酸を製造する際に、微生物の菌体増殖が制限された条件下において、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比を特定の範囲にて行うこと、つまり極微量の酸素が供給される環境下でコハク酸生産反応を行うことでコハク酸生産の効率が向上することを見出し、本発明を達成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] コハク酸産生能を有するコリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属、アクチノバチルス(Actinobacillus)属、糸状菌、酵母菌から選択される微生物と糖を反応させるコハク酸の製造方法において、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比(mmol− O2/mol−S
A)が0.38以上105.82以下であり、反応中の微生物の倍加時間が40時間以上であることを特徴とするコハク酸の製造方法。
[2] 反応中の対コハク酸酸素移動速度減少率(%/g/L)が1.2以下であることを特徴とする[1]に記載のコハク酸の製造方法。
[3] 酸素移動速度(mmol− O2/L/hr)が0.01以上5以下であるこ
とを特徴とする[1]又は[2]に記載のコハク酸の製造方法
] 該微生物が、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が非改変株と比べて低減するように改変されたもの、及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼ活性が非改変株と比べて増強するように改変されたものであることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
] 反応中のpHが5〜10であることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載のコハク酸の製造方法。
] [1]〜[]のいずれかに記載の方法によりコハク酸を製造する工程、及び得られたコハク酸を用いて重合反応を行う工程を含む、コハク酸含有ポリマーの製造方法。
] [1]〜[]のいずれかに記載の方法によりコハク酸を製造する工程、及び得られたコハク酸を原料としてコハク酸誘導体を合成する工程を含む、コハク酸誘導体の製造方法。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明のその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
<本発明の概要>
本発明は、コハク酸産生能を有する微生物と糖を反応させるコハク酸の製造方法であって、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比(mmol− O2/mol−SA)の範囲が0.1以上240以下であり、反応中の微生物の倍加時間が40時間以上であることを特徴とするコハク酸の製造方法にある。
<微生物>
本発明の方法で使用される微生物は、コハク酸産生能を有する微生物であれば、限定されない。
本発明において、コハク酸産生能とは、微生物を培地で培養したときに、該培地中にコハク酸を蓄積する能力をいう。具体的には、特段の制限はないが、コハク酸産生能の程度はコハク酸における消費糖炭素収率等により示すことができる。
コハク酸における消費糖炭素収率(C−mol%)については、特段の制限はないが、消費糖炭素収率が低すぎると、原料である糖に対するコハク酸生産効率が低くなる傾向があるので、通常40C−mol%以上、好ましくは50C−mol%以上、より好ましくは60C−mol%以上である。一方、通常133C−mol%以下、好ましくは120C−mol%以下、より好ましくは110C−mol%以下である。なお、コハク酸における消費糖炭素収率(C−mol%)とは、消費した糖に含まれる炭素原子(C原子)のモル数に対する、生産したコハク酸に含まれる炭素原子のモル数の比をいう。
本発明の方法で使用される微生物は、コハク酸産生能を有すれば特段の制限はないが、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Acinobacillus)属細菌、糸状菌、及び酵母菌からなる群より選択される微生物が挙げられる。その中でも、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Acinobacillus)属細菌、酵母菌が好ましく、より好ましく
はコリネ型細菌、大腸菌、酵母菌であり、特に好ましくはコリネ型細菌である。
本発明の方法で使用されるコリネ型細菌は、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、アースロバクター(Arthrobacter)属、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、マイクロコッカス(Micrococcus)属に属する細菌が挙げられる。
ブレビバクテリウム属細菌としては、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)およびコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)等が用いられる。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムおよびコリネバクテリウム・グルタミカムは互いに非常に近縁で、性質も類似しており、現在の分類学においては、同一の種に分類されることもある。
コリネ型細菌の親株の特に好ましい具体例としては、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233(FERM BP−1497)、同MJ−233 AB−41(FERM BP−1498)、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC31831、及びブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869等が挙げられる。
なお、ブレビバクテリウム・フラバムは、現在、コリネバクテリウム・グルタミカムに分類される場合もあることから(Lielbl, W., et al., International Journal of Systematic Bacteriology, 1991, vol. 41, p255−260)、本発明においては、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株、及びその変異株MJ−233 AB−41株はそれぞれ、コリネバクテリウム・グルタミカムMJ−233株及びMJ−233 AB−41株と同一の株であるものとする。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233は、1975年4月28日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(現独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P−3068として寄託され、1981年5月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−1497の受託番号で寄託されている。
アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌としては、アナエロビオスピリラム・サクシニシプロデュセン(Anaerobiospirillum succiniciproducens)等が用いられる。
アクチノバチルス(Acinobacillus)属細菌としては、アクチノバチルス・サクシノジェネス(Actinobacillus succinogenes)等が用いられる。
糸状菌は、Aspergillus属、Penicillium属、Rizopus属等に属する微生物が挙げられる。
Aspergillus属微生物としては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)等が用いられる。
Penicillium属微生物としては、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム・シンプリシシマム(Penicillium simplicissimum)等が用いられる。
izopus属微生物としては、リゾパス・オリゼー(Rizopus oryzae)等が用いられる。
酵母菌は、サッカロミセス属(Saccaromyces)、シゾサッカロミセス属(Shizosaccaromyces)、カンジダ属(Candida)、ピキア属(Pichia)、クルイウェロマイセス属(Kluyveromyces)、チゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces) 等に属する微生物が挙げられる。
サッカロミセス属(Saccaromyces)微生物としては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ウバラム(S. uvarum)、サッカロミセス・バイアヌス(S. bayanus)等が用いられる。
シゾサッカロミセス属(Shizosaccaromyces)微生物としては、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等が用いられる。
カンジダ属(Candida)微生物としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・ソノレンシス(C. sonorensis)、カンジダ・グラブラタ(C. glabrata)等が用いられる。
ピキア属(Pichia)微生物としてはピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・スティピィス(P. stipiis)等が用いられる。
クルイウェロマイセス属(Kluyveromyces)微生物としては、クルイウェロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイウェロマイセス・マルキシアヌス(K. marxianus)、クルイウェロマイセス・サーモトレランス(K. thermotolerans)等が用いられる。
チゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)微生物としては、チゴサッカロミセス・バイリイ(Zygosaccharomyces baili)、チゴサッカロミセス・ロウキシ(Z. rouxii)等が用いられる。
このコハク酸生産能は、本発明の方法で使用される微生物の野生株の性質として有するものであってもよく、育種によって付与される性質であってもよい。
育種によってコハク酸生産能を付与するには、特に限定はないが、具体的にはUV照射やNTG処理等の通常の変異処理により変異株を得る方法、細胞融合もしくは遺伝子組み換え法等の遺伝学的手法により誘導される組み換え体を得る方法等の、微生物の育種に採用されてきた方法が用いられる。
前記の組み換え体としては、コハク酸生合成酵素遺伝子の発現強化やコハク酸分解酵素遺伝子及び副生物生合成遺伝子の発現低下等、公知の方法によって得られたものが用いられる。本発明の方法で使用される組み換え体は、単独の改変でもよく、2種又は3種以上の改変が施されたものであってもよい。具体的には、例えば、ピルビン酸カルボキシラーゼ活性が非改変株と比べて増強するように改変された微生物や、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が非改変株と比べて低減するように改変された微生物等が挙げられる。
ピルビン酸カルボキシラーゼ(以下、「PC」、あるいは「pc」とも呼ぶ)活性が非改変株と比べて増強するように改変された微生物は、例えば、特開平11−196888号公報に記載の方法と同様にして、pc遺伝子をプラスミドにより宿主微生物中で高発現させることにより構築することができる。また、相同組換えによって染色体上に組み込んでもよいし、プロモーター置換によってpc遺伝子の発現を増強することもできる(特開2008−259451号公報)。形質転換は、例えば、電気パルス法(Res. Microbiol., Vol.144, p.181−185, 1993)等によって行うことができる。
「PC活性が増強される」とは、PC活性が野生株又は親株等の非改変株に対して、単位菌体重量あたり好ましくは1.5倍以上、より好ましくは3.0倍以上増加していることをいう。PC活性が増強されたことは、公知の方法、例えば、J.Bacteriol., 158, 55−62, (1984)に記載の方法によりPC活性を測定することによって確認することができる。pc遺伝子の具体的な導入方法としては、特開2008−259451号公報に記載のものが用いられる。
また、ラクテートデヒドロゲナーゼ(以下、「LDH」と称することがある)活性が非改変株と比べて低減するように改変されたもとしては、例えば、特開平11−206385号公報に記載されている相同組換えによる方法、あるいは、sacB遺伝子を用いる方法(Schafer, A. et al. Gene 145 (1994) 69−73)等で染色体上のLDH遺伝子を破壊することによって構築することができる。なお、「LDH活性が低減された」とは、非改変株と比較してLDH活性が低下していることをいう。LDH活性は完全に消失していてもよい。LDH活性が低下したことは、公知の方法(L..Kanarek, et al., J. Biol. Chem.239, 4202 (1964)等)によりLDH活性を測定することによって確認することができる。
さらに、本発明の製造方法で用いられる微生物は、前記PC活性の増強、及び/又はLDH活性の低下に加えて、アセテートキナーゼ(以下、「ACK」とも呼ぶ)、ホスフォトランスアセチラーゼ(以下、「PTA」とも呼ぶ)、ピルベートオキシダーゼ(以下、「POXB」とも呼ぶ)およびCoAトランスフェラーゼ(以下、「CTF」とも呼ぶ)からなる群より選ばれる1種類以上の酵素の活性が低減するように改変された微生物であってもよい。
PTAとACKはいずれか一方を活性低下させてもよいが、酢酸の副生を効率よく低減させるためには、両方の活性を低下させることがより好ましい。
「PTA活性」とは、アセチルCoAにリン酸を転移してアセチルリン酸を生成する反応を触媒する活性をいう。「PTA活性が低減するように改変された」とは、PTA活性が、非改変株、例えば野生株よりも低くなったことをいう。PTA活性は非改変株と比較して、単位菌体重量当たり30%以下に低下していることが好ましく、10%以下に低下していることがより好ましい。また、PTA活性は完全に消失していてもよい。PTA活性が低下したことは、例えば、Klotzsch, H. R., Meth Enzymol. 12, 381−386(1969)等に記載の方法により、PTA活性を測定することによって確認することができる。
「ACK活性」は、アセチルリン酸とADPから酢酸を生成する反応を触媒する活性をいう。
「ACK活性が低減するように改変された」とは、ACK活性が、非改変株、例えば野生株よりも低くなったことをいう。ACK活性は非改変株と比較して、単位菌体重量当たり30%以下に低下していることが好ましく、10%以下に低下していることがより好ましい。また、ACK活性は完全に消失していてもよい。ACK活性が低下したことは、Ramponiらの方法(Ramponi G., Meth. Enzymol. 42,409−426(1975))により、ACK活性を測定することによって確認することができる。
なお、コリネバクテリウム・グルタミカム(ブレビバクテリウム・フラバムに分類されるものも含む)においては、Microbiology. 1999 Feb;145 (Pt 2):503−13に記載されているように、PTA及びACKの両酵素はpta−ackオペロン(GenBank Accession No. X89084)にコードされているため、pta遺伝子を破壊した場合は、PTA及びACKの両酵素の活性を低下させることができる。
PTAおよびACKの活性低下は、公知の方法、例えば、相同組換えを利用する方法やsacB遺伝子を用いる方法(Schafer, A. et al. Gene 145 (1994) 69−73)に従ってこれらの遺伝子を破壊することによって行うことができる。具体的には、特開2006−000091号公報に開示された方法に従って行うことができる。pta遺伝子およびack遺伝子としては、前記GenBank Accession No. X89084の塩基配列を有する遺伝子のほか、宿主染色体上のpta遺伝子およびack遺伝子と相同組換えを起こす程度の相同性を有する遺伝子を用いることもできる。ここで、相同組換えを起こす程度の相同性とは、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。また、前記遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNA同士であれば、相同組換えは起こり得る。
「POXB活性」は、ピルビン酸と水から酢酸を生成する反応を触媒する活性をいう。「POXB活性が低減するように改変された」とは、POXB活性が、非改変株、例えば野生株よりも低くなったことをいう。POXB活性は非改変株と比較して、単位菌体重量当たり30%以下に低下していることが好ましく、10%以下に低下していることがより好ましい。「低下」には活性が完全に消失した場合も含まれる。POXB活性は、Chang Y. ,et al.,.J.Bacteriol.151,1279−1289(1982)等に記載の方法により、活性を測定することによって確認することができる。
POXB活性の低下は、公知の方法、例えば、相同組換えを利用する方法やsacB遺伝子を用いる方法(Schafer, A. et al. Gene 145 (1994) 69−73)等に従ってpoxB遺伝子を破壊することにより行うことができる。具体的には、WO2005/113745号公報等に開示された方法に従って行うことができる。poxB遺伝子としては、例えば、GenBank Accession No.Cgl2610(GenBank Accession No.BA000036の2776766−2778505番目の相補鎖)の塩基配列を有する遺伝子が挙げられるが、宿主微生物の染色体DNA上のpoxB遺伝子と相同組換えを起こす程度の相同性を有していればよいため、該配列の相同遺伝子も使用することができる。ここで、相同組換えを起こす程度の相同性とは、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。また、前記遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNA同士であれば、相同組換えは起こり得る。
「CTF活性」は、アセチル−CoAのCoAを他の物質に転移させ、酢酸を生成する反応を触媒する活性をいう。「CTF活性が低減するように改変された」とは、CTF活性が、非改変株、例えば野生株よりも低くなったことをいう。CTF活性は非改変株と比較して、単位菌体重量当たり30%以下に低下していることが好ましく、10%以下に低下していることがより好ましい。尚、「低下」には活性が完全に消失した場合も含まれる。CTF活性は、例えば、Scherf U and Buckel W. Appl Environ Microbiol. 1991; vol.57, pp.2699−2702. 等に記載の方法により測定することが出来る。
ctf遺伝子としては、例えば、GenBank Accession No.Cgl2569(GenBank Accession No.BA000036の2729376−2730917番目の相補鎖)の塩基配列を有する遺伝子が挙げられるが、宿主微生物の染色体DNA上のctf遺伝子と相同組換えを起こす程度の相同性を有していればよいため、該配列の相同遺伝子も使用することができる。ここで、相同組換えを起こす程度の相同性とは、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。また、前記遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNA同士であれば、相同組換えは起こり得る。
なお、本発明の製造方法に用いられる微生物は、前記PC活性の増強、または、PC活性の増強およびLDH活性の低下に加え、前記改変のうちの2種類以上の改変を組み合わせて得られる微生物であってもよい。好ましい微生物としては、例えば、特開2008−259451号公報等に記載されているブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDH株や国際公開WO2009/065777号パンフレット、国際公開WO2009/065778号パンフレット、国際公開WO2009/065779号パンフレット、国際公開WO2009/065780号パンフレット、国際公開WO2010/003728号パンフレット等に記載のアルコールデヒドロゲナーゼをコードするADH1とADH2遺伝子の破壊、グリセロール3リン酸デヒドロゼナーゼをコードするGPD1遺伝子の破壊、フォスフォエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増強、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ活性の増強、フマラーゼ活性の増強、フマル酸リダクターゼ活性の増強、リンゴ酸トランスポーター活性の増強を組み合わせた酵母菌株であり、例えば SUC−200(MATA ura3−52 leu2−112 trp1−289 adh1::lox adh2::lox gpd1::Kanlox, overexpressing PCKa, MDH3, FUMR, FRDg and SpMAE1)等が挙げられる。
<培養>
本発明において、培養とは、主として、コハク酸の製造方法に用いられる微生物を増殖させ微生物の菌体を調製する工程を示す。培養工程は省略してもよく、寒天培地等の固体培地で斜面培養したものを直接反応に用いても良く、また、培養工程を何度か繰り返し行ってもよい。
本発明において、コハク酸を主として製造する工程を「コハク酸生産反応」、または「反応」と示し、コハク酸生産反応に直接供する菌体を調製する培養を「本培養」と示し、該本培養に供する菌体を調製する培養を「種培養」と示す。
培養に用いる培地は、前記微生物の培養に用いられる通常の培地を用いることができる。例えば、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩からなる組成に、肉エキス、酵母エキス、ペプトン等の天然栄養源を添加した一般的な培地を用いることができる。
本反応に用いる前記微生物を増殖させて菌体を得るための培養条件は限定されないが、通常、コリネ型細菌であれば、生育至適温度であれば特段の制限はないが、通常25℃以上であり、一方、通常35℃以下、好ましくは32℃以下、特に好ましくは30℃以下である。培養時には、通気、攪拌し酸素を供給しながら行う。生育至適温度は、コハク酸の生産に用いられる条件において最も生育速度が速い温度のことを言う。
培養時間は一定量の菌体が得られる時間であれば特段の制限はないが、通常6時間以上96時間以下である。
また、よりコハク酸の製造に適した菌体の調製方法として、特開2008−259451号公報に記載の炭素源の枯渇と充足を短時間で交互に繰り返すように培養を行う方法も用いることができる。
培養後の菌体は、微生物を含む培養液を直接コハク酸生産反応に用いてもよいし、菌体を遠心分離、膜分離等によって回収した後に、反応に用いてもよい。本発明の製造方法に用いられる微生物として、その菌体の処理物を使用することもできる。菌体の処理物としては、例えば、前記方法で培養、集菌した菌体をアクリルアミド、カラギーナン等で固定化した固定化菌体、菌体を破砕した破砕物、その遠心分離上清、又はその上清を硫安処理等で部分精製した画分等が挙げられる。
<培養に用いる糖>
培養には、通常糖を用いる。培養に用いる糖は、前記微生物が資化してコハク酸を生成させうる糖であれば特に限定されないが、通常、ガラクトース、ラクトース、グルコース、フルクトース、グリセロール、シュークロース、サッカロース、デンプン又はセルロース等の炭水化物;グリセリン、マンニトール、キシリトール又はリビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、シュークロース、フルクトース又はグリセロールが好ましく、特にグルコース又はシュークロースが好ましい。
また、前記発酵性糖質を含有する澱粉糖化液又は糖蜜なども使用され、具体的にはサトウキビ、甜菜又はサトウカエデ等の植物から搾取した糖液であるものが好ましい。
これらの糖は、単独でも組み合わせても使用できる。前記糖の使用濃度は特に限定されないが、コハク酸の生成を阻害しない範囲で可能な限り高くするのが有利であり、反応液に対して、通常5%(W/V)以上、好ましくは10%(W/V)以上であり、一方、通常30%(W/V)以下、好ましくは20%(W/V)以下である。また、反応の進行に伴う前記糖の減少にあわせ、糖の追加添加を行っても良い。
<コハク酸生産反応>
本発明のコハク酸生産反応は、コハク酸産生能がある微生物と糖を反応させるコハク酸の製造方法において、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比(mmol− O2/mol−SA)が0.1以上240以下であり、反応中の微生物の倍加時間が40時間以上であることを特徴とする。
<酸素移動速度>
本発明において、酸素移動速度は、後述するコハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比が前記の範囲に含まれる限り特段の制限はなく、反応槽に酸素を供給しない嫌気的雰囲気(酸素移動速度が0の条件)でもよい。ここで、反応槽に酸素を供給しない嫌気的雰囲気(酸素移動速度が0の条件)は、例えば容器を密閉して無通気で反応させる、窒素ガス等の不活性ガスを供給して反応させる、又は二酸化炭素ガス含有の不活性ガスを通気する等の方法によって得ることができるが、コハク酸収率やコハク酸生産速度の低下や、ピルビン酸などの副生物の増加によるコハク酸精製コストの増加、また、酸素移動速度が0を実現するために反応槽を窒素又は酸素を含まない不活性ガスなどで置換するためのコストの増加などの問題がある。
一方、酸素移動速度が高すぎても、コハク酸における消費糖炭素収率の低下やコハク酸生産速度の低下、副生成物である酢酸の生産量増加によるコハク酸精製コストの増加、さらには高い酸素移動速度を実現するために攪拌数を高く設定すること及び/又は通気速度を高く設定することに伴う動力コストの増加などの問題が生じうるので、酸素移動速度は通常0.01[mmolO2/L/hr]以上、好ましくは0.02[mmolO2/L/hr]以上、より好ましくは0.05[mmolO2/L/hr]以上、一方、通常5[m
molO2/L/hr]以下、好ましくは3[mmolO 2 /L/hr]以下、より好ましくは2.5[mmolO2/L/hr]以下、特に好ましくは2[mmolO2/L/hr]以下である。
本発明において、反応液中の酸素移動速度は、溶液を窒素置換し溶存酸素濃度を低下させた後、通気や攪拌を行い溶存酸素濃度の変化から求める方法(Wise W.S. J. Gen. Microbiol., 1951, vol. 5, pp.167−177)等により測定することができる。
本発明において、反応槽に酸素を供給する方法に、特段の制限はないが、例えば、通気する方法や液中に酸素を溶存させる方法を用いることもできる。好ましくは通気する方法である。反応液の攪拌を前記酸素移動速度の範囲内に調節するように適宜行っても良い。前記酸素移動速度の範囲内に調節するために、反応液の撹拌のみによって酸素を溶存させてもよいし、反応液の撹拌と通気を行ってもよいし、通気のみで酸素を溶存させてもよい。また、攪拌による乱流を効率的に生じさせるための邪魔板を設置してもよい。
本発明において通気する方法には特段の制限はないが、酸素を含むガスを反応液やフィード液に接触させることが挙げられる。前記酸素移動速度の範囲内に調節するために、純酸素又は空気など酸素を含むガスをそのまま使用しても、混合してもよい。また、純酸素又は空気など酸素を含むガスと窒素又は二酸化炭素などのガスを任意に混合してもよい。また、一度使用したガスを回収し、再度使用してもよい。前記酸素移動速度の範囲内に調節するために、酸素を含んだ気体を、通気量を調節できるコンプレッサーを用いて、オリフィススパージャーやノズルスパージャー又はリングスパージャーなどのスパージャー(通気管)、また、多孔質チューブなどを通じて反応槽の気相部にガスを通気してもよいし、反応液中に直接通気してもよい。また、前記酸素移動速度の範囲内に調節するために、反応中にフィードするフィード液中に酸素を溶存させてその液をフィードすることにより、間接的に添加してもよい。反応液やフィード液などに通気する際には、配管などから直接ガスを液中に流通させてもよいし、スパージャーなどの散気装置を使用してもよいし、膜などを通してもよい。前記酸素移動速度の範囲内に調節するために、通気するガス若しくは排気するガスの流量、圧力若しくは組成、反応液若しくはフィード液中の酸素濃度若しくは酸化還元電位又はフィード液の流量などのうちいずれかを測定しながら、いずれかを調節してもよい。
<コハク酸生産速度>
本発明において、コハク酸生産速度(mmol/L/hr)とは、1Lあたり1時間に生産されるコハク酸量をいい、小さすぎると長時間の反応時間が必要になることによるコストの増加やコハク酸以外の副生物の生産量の増加によるコハク酸収率の低下につながる傾向にあるので、通常1mmol/L/hr以上、好ましくは5mmol/L/hr以上である。一方、上限に制限はないが、通常1000mmol/L/hr以下、好ましくは700mmol/L/hr以下、より好ましくは300mmol/L/hr以下である。。
<コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比>
本発明において、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比(mmol− O2/mol−SA)は、小さすぎるとコハク酸生産に適した酸素供給量より少なくなり、コハク酸収率の低下やコハク酸生産速度の低下、副生物であるピルビン酸の生産量の増加によるコハク酸の精製コストの増加、非常に小さな酸素移動速度条件が要求されることを実現するために反応層を窒素で置換することなどよるコストの増加、などが問題となるため、0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上である。一方、この比が大きすぎると、コハク酸生産に適した酸素供給量より多くなり、コハク酸収率の低下やコハク酸生産速度の低下、また、副生物である酢酸の生産量が増加することによるコハク酸精製コストの増加、酸素移動速度が大きくなることにより引き起こされる菌体増殖に伴う副生物の増加、コハク酸生産速度が小さくなることによる反応時間の増加によるコストの増加、などが問題となるため、240以下、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下、特に好ましくは50以下である。
コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比を指標とする理由としては、次の様に考えられる。通常、コハク酸生産反応において、コハク酸収率を最大にするためには、理論的には菌体の増殖速度が限りなく小さく、酸素を供給しない嫌気環境が良いとされていた。しかし、本発明の結果、嫌気環境下でのコハク酸生産反応ではピルビン酸などの副生産物量が大きくコハク酸収率も低いこと、微量の酸素の供給により副生産物量の低下やコハク酸収率の向上、さらにコハク酸生産速度が向上することが示された。このように、副生産物の生産を伴うコハク酸生産においては、コハク酸生産のみを考えた理論的に好ましい嫌気条件ではなく、微量の酸素を供給する条件でコハク酸生産能が向上することが判明した。これは、コハク酸生産反応には適した酸素供給の制御が必要であることを意味する。しかしながら、酸素移動速度のみを指標としてある範囲を設定するだけでは、例えば、高いコハク酸生産速度に適した酸素量をコハク酸生産速度が小さい反応時に供給すれば、コハク酸生産において好気的な状態になり、前記したように酢酸などの副生産物の増加につながり好ましくないので、コハク酸生産速度に対応する酸素量を表すコハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比を指標とすることが好ましいと考えられる。そこで、本発明では、主としてコハク酸産生能を有する微生物のコハク酸代謝に対してどれだけの酸素量が要求されるかを示す指標として、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比の値を制御することが重要だと考えた。
該コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比は、特に工業的なコハク酸生産反応における条件設定の際の好ましい指標になり得る。工業生産時には、コハク酸生産速度は原料コストや製造設備コストによって好ましい速度が選択され、変化し得る。該指標は、このような条件の変更にも容易に対応することが可能であり有用である。
<倍加時間>
本発明において、倍加時間とは、前記微生物の菌体量が2倍に増加するためにかかる時間であり、ある2点の菌体濃度(OD)もしくは乾燥菌体重量の値を元に、以下の計算式(1)の式で示される。
Figure 0005857954
なお、T2とT1はある2点のサンプリング時間、X1とX2はその2点に対応する菌体濃度もしくは乾燥菌体重量の値を示す。
本発明において、微生物の倍加時間は、小さすぎると、糖が菌体増殖に利用されるためにコハク酸生産量が減少することや増殖に伴い生産される副生物の増加により、コハク酸精製過程でのコストの増加につながるために40時間以上、好ましくは50時間以上、より好ましくは100時間以上である。一方、上限は特に限定されないが、倍加時間が大きすぎると、触媒である菌体が死滅するためにコハク酸生産が減少する傾向にあるため、通常500時間以下、好ましくは300時間以下、より好ましくは200時間以下である。
倍加時間を制御する要素としては、特段の制限はないが、酸素供給量や温度等の反応条件、反応液の組成、微生物の遺伝子改変等が挙げられる。例えば、酸素の供給を極微量若しくは0に制御すること、温度を生育至適温度の範囲から離れた値に制御すること及び/又は反応培地組成の窒素源やリン源など培地組成の一部を制限すること等で倍加時間を長くすることができる。また、遺伝子改変に関しては、コリネ型細菌において乳酸生産に関連するLDH遺伝子を欠損させることにより倍加時間が長くなり、同様に酵母菌においてはエタノール生産に関連する遺伝子の欠損(一例として、ADH1遺伝子(Mol Cell Biol. 1986, vol. 6, pp. 70−79)、PDC1・PDC5遺伝子の二重欠損やPDC1・PDC5・PDC6遺伝子の三重欠損(Hohmann, J Bacteriol. 1991, vol. 173, pp.7963−7969))などにより倍加時間が長くなる。これらの遺伝子を欠損することにより、ATP獲得効率が悪くなることが原因のひとつである。これらのパラメーターの一つのみを制御しても、その他のパラメーターの変動により倍加時間が変化することもあり、これらのパラメーターを複数組み合わせることで倍加時間を制御することが可能な場合もある。上記に挙げられたパラメーターの具体的な制御方法や適用範囲等は各項目の記載のとおりである。
また、文献1(Shinfuku et al., Microbial Cell Factories 2009, 8:43)、文献2(国際公開WO2010/003728号パンフレット)のコハク酸生産反応における倍加時間を上記計算式(1)にて同様に計算すると、文献1記載の倍加時間は、27.4時間(文献1のAdditional file2の図よりODを読み取り、培養開始後9時間目のOD (12.2)と24時間目のOD (17)から計算した)と7.3時間(文献1のAdditional file3の図よりODを読み取り、培養開始後9時間目のOD(6.5)と25時間目のOD(26)から計算した)であり、文献2記載の倍加時間は、30時間(文献2のExample1、2の記載より、培養開始時の乾燥菌体重量1g biomass dry weightと90時間目の乾燥菌体重量8g biomass dry weightから計算した)であることから、40時間よりも短いことが判る。
<対コハク酸酸素移動速度減少率>
本発明において、対コハク酸酸素移動速度減少率 (%/g/L)とは、反応液1Lあたり1gのコハク酸が生産される間に減少した酸素移動速度の割合を示し、以下の計算式(2)の式で示される。
Figure 0005857954
なお、OTRt1とOTRt2は、それぞれ、反応開始後t1時間とそれ以降のt2時間における酸素移動速度(mmol− O2/L/hr)を示し、SAt1とSAt2は、それぞれ、t1時間とt2時間における反応液のコハク酸濃度(g/L)を示す。また、反応液の流出入を伴う連続反応においては、例えばSAt1は「t1時間までに抜き取られた反応液と反応槽内の反応液に含まれるコハク酸量の総和(g)」の「反応槽内の反応液量(L)」に対する値として計算できる。
対コハク酸酸素移動速度減少率 (%/g/L)は、反応中の任意の時間において、通常1.2(%/g/L)以下、より好ましくは1.1(%/g/L)以下である。下限は特になく0でもよい。対コハク酸酸素移動速度減少率が1.2(%/g/L)以下であることにより、酸素移動速度の低下を抑制することによりコハク酸生産に最適な酸素量を保つことができ、コハク酸収率の低下かつコハク酸生産速度の低下を抑制することができ、また、副生物のピルビン酸の生産量が抑制されることによるコハク酸精製コストの低減が可能となるために、好ましい。
本発明においては、コハク酸生産速度、酸素移動速度及び微生物の倍加時間の、各単独のパラメーターのみを制御することでは、本発明の効果を得ることができない。たとえば、酸素を完全に除去することで微生物の倍加時間を長く制御することだけでは、乳酸や酢酸等の不純物が多く産生され、コハク酸生産速度が減少してしまうために問題となる。コハク酸生産反応の増強を目的として、酸素移動速度を増強すると、酸素移動速度の増強に伴い微生物増殖が活性化し、コハク酸の原料である糖の大部分を微生物の増殖に使用されるために、コハク産生産量が減少する問題が生じる。本発明の効果は、コハク酸収率及び生産速度を向上させるために、コハク酸生産速度、酸素移動速度及び微生物の倍加時間という複数のパラメーターを制御することにより初めて達成されるものである。
<コハク酸生産反応の温度及び時間>
コハク酸生産反応温度は、特に限定はないが、通常用いる前記微生物の生育至適温度より2℃以上 好ましくは7℃以上高い温度である。一方、通常用いる前記微生物の生育至適温度より20℃高い温度以下、好ましくは15℃高い温度以下である。具体的には、コリネ型細菌の場合には、通常37℃以上、好ましくは39℃以上であり、一方通常45℃以下、好ましくは43℃以下、特に好ましくは41℃以下である。コハク酸の生産反応の間、常に37〜45℃である必要はないが、種培養を含めた全反応時間の50%以上、好ましくは80%以上の時間、前記温度範囲にすることが望ましい。
反応の時間は、特に限定はないが、通常1時間以上、好ましくは3時間以上であり、一方、通常168時間以下、好ましくは72時間以下である。
<コハク酸生産反応に用いる微生物の調製方法>
本発明のコハク酸の製造方法においては、前記微生物を糖と反応させることによってコハク酸を製造してもよいし、予め前記培養で増殖させて得られた微生物を糖を含む反応液中で糖と反応させることによってコハク酸を製造してもよい。特に、後者の場合には、主として、微生物を増殖する工程とコハク酸を製造する工程でそれぞれ最適な条件を選択することができ、添加した糖を効率的にコハク酸製造に使用することができるために有用である。
コハク酸生産反応に用いる前記微生物の菌体量は、特に規定されないが、湿菌体重量として、通常1g/L以上、好ましくは10g/L以上、より好ましくは20g/L以上であり、一方、通常700g/L以下、好ましくは500g/L以下、さらに好ましくは400g/L以下である。
<コハク酸生産反応に用いる糖>
コハク酸生産反応に用いる糖は、前記培養に用いる糖と同様である。
コハク酸製造における糖の使用濃度は特に限定されないが、コハク酸の生成を阻害しない範囲で可能な限り高くするのが有利であり、通常5.0%(W/V)以上、好ましくは10%(W/V)以上であり、一方、通常30%(W/V)以下、好ましくは20%(W/V)以下である。また、反応の進行に伴う糖の減少にあわせ、糖の追加添加を行っても良い。
<反応液>
本発明のコハク酸生産反応における反応液は、前記微生物、前記糖を含有する水溶液であれば、特段の制限はなく、例えば、前記微生物を培養するための培地であってもよいし、リン酸緩衝液等の緩衝液であってもよい。
反応液は、窒素源や無機塩などを含む水溶液であることが好ましい。ここで、窒素源としては、前記微生物が資化してコハク酸等を生成させうる窒素源であれば特に限定されないが、具体的には、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、大豆加水分解物、カゼイン分解物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス又はコーンスティープリカーなどの各種の有機又は無機の窒素化合物が挙げられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄又は亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビオチン、パントテン酸、イノシトール又はニコチン酸等のビタミン類、ヌクレオチド又はアミノ酸などの生育を促進する因子を必要に応じて添加する。また、反応時の発泡を抑えるために、反応液には市販の消泡剤を適量添加しておくことが望ましい。
反応液のpHは、用いる前記微生物の種類に応じて、その活性が最も有効に発揮される範囲に調整されることが好ましい。具体的には、コリネ型細菌を用いる場合には、通常5以上、好ましくは5.5以上、より好ましくは6以上、特に好ましくは7.1以上、一方、10以下、好ましくは9.5以下、より好ましくは9.0以下である。反応液のpHは、反応中も必要に応じてアルカリ性物質、炭酸塩又は尿素などの中和剤によって前記範囲内に調節する。具体的には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム等を添加することによって調整することができる。
反応液には、例えば前記微生物、前記糖、窒素源又は無機塩などのほかに、炭酸イオン、重炭酸イオン又は二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を含有させることが好ましい。炭酸イオン又は重炭酸イオンは、中和剤としても用いることのできる炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は重炭酸カリウムなどから供給されるが、必要に応じて、炭酸若しくは重炭酸又はこれらの塩或いは二酸化炭素ガスから供給することもできる。
炭酸又は重炭酸の塩の具体例としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウム等が挙げられる。そして、炭酸イオン又は重炭酸イオンは、通常1mM以上、好ましくは2mM以上、さらに好ましくは3mM以上の濃度で添加する。一方、通常500mM以下、好ましくは300mM以下、さらに好ましくは200mM以下の濃度で添加する。二酸化炭素ガスを含有させる場合は、溶液1L当たり通常50mg以上、好ましくは100mg以上、さらに好ましくは150mg以上の二酸化炭素ガスを含有させる。一方、通常25g以下、好ましくは15g以下、さらに好ましくは10g以下の二酸化炭素ガスを含有させる。
<コハク酸生産反応におけるその他の反応条件>
本発明のコハク酸製造方法は、前記にあげた項目以外にも、通気するガス又は排気するガスの流量、圧力若しくは組成、反応液又はフィード液中の酸素濃度若しくは酸化還元電位、又はフィード液の流量等のうちいずれかを測定しながら、いずれかを調節することにより、制御することができる。用いる微生物、後述する反応槽又は酸素供給方法等の種類に応じて、コハク酸製造効率が最も有効に発揮される範囲に調整される。具体的には、特段の制限はないが、ジャーファーメンターで反応液上面通気を行う場合には、攪拌速度としては、通常50rpm以上2000rpm以下であり、液量あたりの通気量としては、通常0.001vvm以上10vvm以下であり、通気量の空気含有量は通常0.1%以上100%以下である。
本発明の製造方法は、特段の制限はないが、回分反応、半回分反応又は連続反応に適用することができる。特に、前記中和剤を添加する反応や連続反応等の場合には、反応環境(反応液量等)が逐次変化しかつその変化量が多く、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比の最適な条件から逸脱する場合が多いが、本願発明の方法は、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比を指標として逐次調整できるために好ましい。
<工業的スケールにおけるコハク酸生産反応>
工業的スケールにおける発酵によるコハク酸の製造には、従来、乳酸、酢酸又はグルタミン酸等を工業的スケールにおいて発酵させる場合に採用されてきた方法を適用することができる(生物反応工学(第3版) 山根恒夫著 産業図書 p.266〜276参照)。
工業的スケールにおける発酵においては、微生物反応槽の型と酸素や二酸化炭素等のガス導入方法が重要である。
本発明において、微生物反応槽の型は、特段の制限はないが、気泡撹拌槽型(液中にガスを導入し、撹拌機を用いて気液接触を促進させ吸収速度を上げる)、液面吸収型(液面からガスを吸収させる)、液面吸収撹拌型(液面吸収型に撹拌機を取り付け、酸素吸収速度を上げる)、外部吸収型(酸素吸収用に外部に別装置を設置して反応液を循環する、または反応中に流加する液に吸収させる)、標準気泡塔型、ドラフトチューブ型(ドラフトチューブを設置し、内部循環を促進させてガス吸収速度を上げる。塔側面付近からガスを導入して外縁部を上昇流、中心部を下降流としてもよい)、ドラフトチューブ多孔板型(ドラフトチューブ型に多孔板を設置し、気液接触を促進させて吸収速度を上げる)、多段多孔板型又は外ループエアリフト型(外部に循環流路を設置し、ガスを導入する)等が挙げられる。
ガス導入方法としては、特段の制限はないが、単孔ノズル、マルチノズル、リングスパージャー、マルチパイプ、気液二相流ノズル又は液ジェットによる気泡巻き込み式等が挙げられる。
本発明において、工業的反応スケールとは、特段の制限はないが、反応槽の体積にして通常5m3以上、好ましくは50m3以上、一方、通常5000m3以下、好ましくは3000m3以下である。
工業的反応スケールにおいて本発明が適している理由は、以下のことが挙げられる。
通気しない場合には、反応液に供給される酸素は反応槽の気相部のみであるが、工業的スケールにおいては、反応槽に対して気相部を本実施例のような小スケールのものよりも少なくすることが反応槽容量の効率化から好ましい。結果として反応に好適な酸素移動速度を維持するための酸素量が足りなくなり、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比の好ましい範囲から逸脱することになるが、本発明の製造方法によれば通気制御などにより当該比を一定の範囲に制御することでコハク酸収率を向上することができるために有用である。
また工業反応において、原料コストや製造設備コストによりコハク酸生産速度が変更されるが、本発明の製造方法を用いることで最適な反応条件を容易に設定することが可能である。
<後処理>
以上のような反応により、コハク酸が反応液中に生成、蓄積する。
コハク酸の製造過程における副生成物としては、具体的には、酢酸、エタノール、乳酸、ピルビン酸やα−ケトグルタル酸等のコハク酸以外のクエン酸回路代謝物、α−ケトバリン等のアミノ酸前駆体、アラニン、バリンやグルタミン酸等のアミノ酸、トレハロース等の糖、グリセロールなどのアルコール、タンパク質等が挙げられる。
副生成物の量としては、特段の制限はないが、具体的には、副生物がピルビン酸又は酢酸の場合、コハク酸に対するピルビン酸の重量割合 (%)は、通常5.5%以下、好ましくは5.2%以下であり、コハク酸に対する酢酸の重量割合 (%)は、特段の制限はないが、通常15.8%以下、好ましくは15.5%以下である。
反応液(培養液)中に蓄積したコハク酸は、常法に従って、反応液より採取することができる。例えば、微生物変換後の反応液は、その後の精製工程での操作性や効率性を考慮して適宜濃縮した後に、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去する。このようにして、コハク酸及びコハク酸アンモニウムやコハク酸マグネシウム等のコハク酸塩を主体として含む溶液或いは水溶液が得られる。ここでいう「主体として含む」状態とは、溶媒を除く全成分の重量に対する該成分の重量が、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上含まれる状態を示す。
その溶液から結晶化又はカラムクロマトグラフィーにより精製するなどして、コハク酸を採取することができる。
<得られたコハク酸の用途>
一般的にコハク酸は石油化学由来の原料から製造され、多種多様な用途に使用されているが、このような用途に対してバイオ資源から誘導されたコハク酸も同様に好ましく使用することができる。例えば、1,4−ブタンジオール、2−ピロリジン、スクシンイミド、無水マレイン酸、イタコン酸、アスパルギン酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシスクシンイミド、マレイミド、4−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、テトラヒドロフラン、アクリル酸、コハク酸ジメチルやコハク酸ジエチル等のコハク酸エステル、ピリロリドン若しくはN−メチルピロリドン等のコハク酸誘導体の原料として、ポリエステル、ポリウレタン若しくはポリアミド等のコハク酸含有ポリマー化合物や製品等の原料として、酸味料、調味料、醸造薬品若しくは加工食品添加剤等の食品添加剤として、発泡浴成分として、植物成長抑制剤、除草剤、抗菌剤、殺虫剤若しくは蚊誘引剤等の医薬品及び農薬の合成原料及び成分として、口腔洗浄剤や化粧品等の原料及び成分として、写真や印刷等に使用される製品の原料及び成分として、高温溶接剤やアルマイト処理表面接着剤等、接着剤及びシーラント原料及び成分として、粉末ニッケル製造、鉄鋼研磨浴、金属加工洗浄溶媒若しくは金属シンタリング用バインダー等の金属加工用の原料及び成分として、ハンダ若しくは溶接用フラックスの原料及び成分として、多孔質酸化チタン製造、ベーマイト製造、光触媒コーティング剤もしくは多孔質セラミック製造等のセラミックや無機化合物等の製造助剤の原料及び成分として、洗剤等の原料及び成分として、漂白剤等の原料及び成分として、染色助剤等の原料及び成分として、電解質溶媒及びメッキ浴液等の原料及び成分として、脱臭剤若しくは空気洗浄剤等の原料及び成分として、生体吸収性縫合糸等の生体吸収性化合物原料として、繊維製品の処理やソフトナー等の原料及び成分として、溶剤若しくは溶媒等の原料及び成分として、水溶性塗料溶剤の原料及び成分として、生分解性樹脂等の原料及び成分として、無臭シーラント等、シーラント原料及び成分として、鉄鋼製品、銅製品若しくは合金製品に対するコーティング・凍結防止・金属加工・過塩素酸用鉛・ボイラー水処理用等の防食剤等の原料及び成分として、合成潤滑剤、耐熱性プラスチック用潤滑剤若しくは電気接点用潤滑剤等の潤滑剤の合成原料及び成分として、樹脂若しくは高分子材料等の溶媒除去洗浄剤等の原料及び成分として、繊維工業若しくはドライクリーニング等に使用される製品の原料及び成分として、インク用溶剤、脱インキ剤、自動車用トップコート剤、絶縁塗料、粉体塗料、三次元印刷用インク、光硬化型塗料、光硬化インク組成物、ナノ粒子インク、インクジェット用インク、印刷スクリーン洗浄、有機半導体溶液、カラーフィルタ製造用インク、トナー、キナクドン顔料製造、スクシニルコハク酸製造、染料中間体等、顔料、染料若しくはインク等の原料及び成分として、含酸素型ディーゼル燃料等の原料及び成分として、セメント混和剤及び処理剤等の原料及び成分として、エンジン浄化剤等の原料及び成分として、石油精製溶剤等の原料及び成分として、プロパント組成物若しくは析出フィルターケーキ除去等の石油及び天然ガス採掘助剤等の原料及び成分として、天然ガス脱水溶媒等の天然ガス生産に係る製品の原料及び成分として、低ダスト性コンクリート床材若しくはアスファルト舗装剤等の建材の原料及び成分として、インク用溶剤や脱インク剤等の原料及び成分として、使用できる。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。
各分析項目については、以下のようにして測定した。
<酸素移動速度測定>
酸素移動速度の測定は、溶液を窒素置換し溶存酸素濃度を低下させた後、通気や攪拌を行い溶存酸素濃度の変化から求める方法を使用した(Wise W.S. J. Gen. Microbiol., 1951, vol. 5, pp.167−177)。具体的には、1Lのジャーファーメンターに目的の液量の水を入れ、窒素を通気し攪拌することで水の溶存酸素を除去した。ジャーファーメンターの気相部に空気を通気して置換した後、100mL/minで液の上面又は下面から空気を通気するとともに100rpm〜500rpmで攪拌し、その後の溶存酸素濃度の変化より酸素移動速度を計算した。また、空気と窒素を混合した気体を通気することで、より低い酸素移動速度の測定を行った。
<コハク酸、ピルビン酸及び酢酸の測定方法>
反応液に含まれるコハク酸、ピルビン酸及び酢酸の分析は、反応液を遠心分離(15,000G、2分)処理し、得られた上澄液を液体クロマトグラフ(LC)に供することで行った。コハク酸生産速度(mmol−SA/L/hr)は、測定したコハク酸濃度をサンプリングした時間(hr)で割ることで計算した。
<倍加時間の測定方法>
倍加時間は、ある2点の菌体濃度(OD)もしくは乾燥菌体重量の値を元に、下記の計算式(1)により求めた。
Figure 0005857954
なお、T2とT1はある2点のサンプリング時間、X1とX2はその2点に対応する乾燥菌体重量の値を示す。
<対コハク酸酸素移動速度減少率(%/g/L)の算出方法>
対コハク酸酸素移動速度減少率(%/g/L)は、反応液1Lあたり1gのコハク酸が生産される間に減少した酸素移動速度の割合を示し、下記の計算式(2)で計算した。
Figure 0005857954
なお、OTRt1とOTRt2は反応開始後t1時間とそれ以降のt2時間における酸素移動速度(mmol− O2/L/hr)を、SAt1とSAt2はt1時間とt2時間における反応液のコハク酸濃度(g/L)を示す。また、反応液の流出入を伴う連続反応においては、例えばSAt1は「t1時間までに抜き取られた反応液と反応槽内の反応液に含まれるコハク酸量の総和(g)」の「反応槽内の反応液量(L)」に対する値として計算できる。
[実施例1]
酸素供給制御によるコハク酸生産
<種培養>
100mLのA培地(尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1g、及び蒸留水:1000mL)を500mLの三角フラスコにいれ、121℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やした後、15mLの滅菌したA培地を200mLの三角フラスコに入れ、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を600μL添加し、MJ233/PC/ΔLDH株を接種して5.5時間30℃で培養した。前述した500mLの三角フラスコに100mLのA培地を入れ滅菌した培地に、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mL添加した後、得られた培養液を、O.D.(660nm)が0.02となるように接種し、30℃20時間で種培養した。
<本培養>
リン酸水溶液(85wt%):6.68g、塩化カリウム:4.95g、硫酸アンモニウム:2.97g、硫酸マグネシウム・7水和物:1.48g、硫酸マンガン・5水和物:118.8mg、硫酸第一鉄・7水和物:118.8mg、CSL(コーンスティープリガー)29.93g、10N水酸化カリウム水溶液:11.08g、消泡剤(CE457:日本油脂製):2.54g及び蒸留水の計1833mLの培地を5Lのジャーファーメンターに入れ、121℃20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、あらかじめフィルター滅菌したビタミン溶液(D−ビオチン、塩酸チアミン各0.2g/L水溶液)を15mL、あらかじめ滅菌した720g/Lの原料糖水溶液を110mL、前述の種培養の溶液を100mL添加した。加熱滅菌前後の重量より蒸発した液量を考慮し全量が2500mLになるように滅菌した水を添加した。ジャーファーメンターを30℃で保温し、pHは28%アンモニア水を用いて7.2に保ち、背圧は0.05MPa、通気は毎分3L、攪拌は毎分600回転で本培養を開始した。溶存酸素濃度がほぼ0まで低下した後、再び上昇を開始して1ppmに達したところであらかじめ滅菌した720g/Lの原料糖を約7g添加したところ、再び0まで低下した。溶存酸素濃度が再び上昇するごとに前記の方法にて原料糖溶液の添加を繰り返して、培養開始後19時間まで継続した。
<コハク酸生産反応>
リン酸水溶液(85wt%):5.2g、硫酸マグネシウム・7水和物:3.46g、硫酸マンガン・5水和物:138.2mg、硫酸第一鉄・7水和物:138.2mg、10N水酸化カリウム水溶液:9.14g及び蒸留水105mLを121℃20分加熱滅菌した後、加熱滅菌による蒸発量を考慮し滅菌水を添加することで320mLの溶液とした。この溶液を20mL、720g/Lの原料糖水溶液を88mL、滅菌水を228.1mL、あらかじめフィルター滅菌したビタミン溶液(D−ビオチン、塩酸チアミン各0.2g/L水溶液)を448μL、前述した本培養液135mLを1Lジャーファーメンターに入れた。pHはNa中和剤(炭酸水素ナトリウム:113.5g、水酸化ナトリウム:145.9g、滅菌水936.7g)を用いて7.6に保ち、39℃に保温した。
反応液上面を空気対窒素の量比が5:95となるように混合した気体を100mL/minで通気し、毎分100回転で攪拌した。20時間程度経過した時点でのコハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比(mmol− O2/mol−SA)、コハク酸生産速度 (mmol−SA/L/hr)、酸素移動速度(mmol− O2/L/hr)、コハク酸対消費炭素収率 (C−mol%)、対コハク酸酸素移動速度減少率(%/g/L)、ピルビン酸対コハク酸重量割合 (%)及び酢酸対コハク酸重量割合 (%)を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、実施例6、7、9の値から推測すると、40時間以上であることは明らかである。
[実施例2]
通気する混合気体の空気対窒素量の量比を10:90となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、実施例6、7、9の値から推測すると、40時間以上であることは明らかである。
[実施例3]
通気する混合気体の空気対窒素量の量比を14:86となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、実施例6、7、9の値から推測すると、40時間以上であることは明らかである。
[実施例4]
通気する混合気体の空気対窒素量の量比を25:75となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、実施例6、7、9の値から推測すると、40時間以上であることは明らかである。
[実施例5]
通気する混合気体の空気対窒素量の量比を50:50となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、実施例6、7、9の値から推測すると、40時間以上であることは明らかである。
[実施例6]
通気する混合気体の空気対窒素量の量比を100:0となるようにしたこと及び上記式による倍加時間の計算を行った以外は、実施例1と同様に行い、倍加時間とともに上記項目の結果を表1に記載した。
[実施例7]
毎分200回転で攪拌した以外は、実施例6と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。
[実施例8]
毎分400回転で攪拌した以外は、実施例6と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、実施例6、7、9の値から推測すると、40時間以上であることは明らかである。
[実施例9]
毎分500回転で攪拌した以外は、実施例6と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。
[比較例1]
ジャーファーメンターの気相部を窒素で置換した後、通気する混合気体の空気対窒素量の量比を0:100となるようにし、反応液上面に通気し、毎分200回転で攪拌しながら反応を行った以外は、実施例1と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、40時間以上であると推測される。
[比較例2]
反応液下面より、通気する混合気体の空気対窒素量の量比を100:0となるようにし、毎分400回転で攪拌し反応を行った以外は、実施例1と同様に行い、上記項目の結果を表1に記載した。なお、正確な倍加時間は測定していないが、40時間以上であると推測される。
Figure 0005857954
[実施例10]
酸素供給(対コハク酸酸素移動速度減少率)制御の効果
実施例10では、前記中和剤の添加に伴い液量が増加して酸素移動速度の変化が引き起こされるため、添加された中和剤と同量の反応液を反応層から除去することで反応液量を一定に保ち、液量変化による酸素移動速度の変化の影響を除いた以外は、実施例8と同様に行った。20時間程度経過した時点での酸素移動速度(mmol− O2/L/hr)、酸素移動速度維持率 (%)、コハク酸生産速度 (mmol−SA/L/hr)、対コハク酸酸素移動速度減少率 (%/g/L)、コハク酸濃度(g/L)、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比(mmol− O2/mol−SA)及び倍加時間を表2に記載した。
なお、酸素移動速度維持率(%)とは、0時間における酸素移動速度に対する20時間経過後における酸素移動速度の比を示す。
[実施例11]
通気を行わない以外は、実施例10と同様に行った。反応結果を表2に記載した。
Figure 0005857954
通気により酸素移動速度を制御、具体的には反応液1Lあたりコハク酸1gが生産された時に酸素移動速度が1.2%以上低下しないように酸素移動速度を制御、することがより好ましいことが示された。
以上より、反応層中に酸素供給とコハク酸生産量を制御した結果、比較例である嫌気反応および微好気反応より高いコハク酸収率やコハク酸生産速度が得られることが判明した。
本発明の方法によれば、従来と比較してコハク酸収率やコハク酸生産速度を向上することができ、嫌気条件下で従来生成していた副生産物(ピルビン酸など)を低減することができる。
さらに、本発明によれば、完全な嫌気環境を作成するための設備増強や反応制御を強いることなく、工業的スケールに対応可能なコハク酸の製造方法を提供可能となる。得られたコハク酸は食品添加物や医薬品、化粧品、工業原料等に用いることができる。また、得られたコハク酸を原料として重合反応を行うことによりコハク酸含有ポリマーを製造することもできる。

Claims (7)

  1. コハク酸産生能を有するコリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属、アクチノバチルス(Actinobacillus)属、糸状菌、及び酵母菌からなる群より選択される微生物と糖を反応させるコハク酸の製造方法であって、コハク酸生産速度に対する酸素移動速度の比(mmol− O2/mo
    l−SA)が0.38以上105.82以下であり、反応中の微生物の倍加時間が40時間以上であることを特徴とするコハク酸の製造方法。
  2. 反応中の対コハク酸酸素移動速度減少率(%/g/L)が1.2以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 反応中の酸素移動速度(mmol− O2/L/hr)が0.01以上5以下である、
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 該微生物が、ラクテートデヒドロゲナーゼ活性が非改変株と比べて低減するように改変された微生物、及び/又はピルビン酸カルボキシラーゼ活性が非改変株と比べて増強するように改変された微生物である、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 反応中のpHが5以上10以下である、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法によりコハク酸を製造する工程、及び得られたコハク酸を用いて重合反応を行う工程を含む、コハク酸含有ポリマーの製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法によりコハク酸を製造する工程、及び得られたコハク酸を原料としてコハク酸誘導体を合成する工程を含む、コハク酸誘導体の製造方法。
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