JP5857729B2 - 電気泳動表示素子の製造方法 - Google Patents
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Description
Ray Tube)や液晶ディスプレイが用いられている。これらはデジタルデータを瞬時に表示し、書き換えることができるが、装置を常に持ち歩くことは困難であり、長時間の作業では眼が疲労したり、電源をオフにしては表示できなかったりなど、多くの欠点もある。
しかしながら、ハードコピーは使用された後は廃棄され、リサイクルされるが、そのリサイクルには多くの労力と費用を要するので省資源の点では問題が残る。
この方式は、予め空間を精密に形成することが可能なため、マイクロカプセルよりも均一な区画化領域を形成できるメリットがある。しかしながらこの方式の場合、隔壁の厚さがある程度必要となるため、表示に寄与する面積の割合(開口率)が低下してしまい、表示コントラストを向上させることができないという問題を有している。
工程(1):第1の導電層を備える基板の前記第1の導電層上に、可塑性を有する材料の層を積層する工程
工程(2):複数の凹部を有するテンプレートに前記基板の可塑性を有する材料の層が形成された面を貼りあわせる工程
工程(3):前記テンプレートが有する複数の凹部及び前記基板により閉じられた空間と、外部と、の圧力差により区画化された複数の空間を形成する工程
工程(4):前記可塑性を有する材料を硬化する工程
工程(5):前記基板をテンプレートから離脱する工程
工程(6):前記区画化された複数の空間に帯電粒子を含む液体を注液する工程
工程(7):前記区画化された複数の空間を封止し、第2の導電層を備える対向基板を前記基板に対向配置する工程
工程(1):第1の導電層12aを備える基板11a上に可塑性を有する材料の層22を形成する工程
工程(2):複数の凹部21を有するテンプレート20に前記基板11aの可塑性を有する材料の層22が形成された側を貼りあわせる工程
工程(3):前記テンプレート20が有する複数の凹部21及び前記基板11aにより閉じられた空間と、外部と、の圧力差により区画化された複数の空間15を形成する工程
工程(4):前記可塑性を有する材料を硬化する工程
工程(5):前記基板11aをテンプレート20から離脱する工程
工程(6):前記区画化された複数の空間15に帯電粒子を含む液体を注液する工程
工程(7):前記区画化された複数の空間15を封止し、第2の導電層12bを備える対向基板11bを前記基板11aに対向配置する工程
なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明は本発明の好ましい形態における例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明に係る電気泳動表示素子の製造方法における一実施の形態により製造される画像表示媒体としての電気泳動表示素子の構成例を図1(a)に示す。
画像表示媒体1は、基板11a、(第1の)導電層12a、一方が開口した中空構造物(ハニカム構造を有する層)13が順に積層され、さらに中空構造物13の開口部を封止層14で封止して複数のセル(複数の空間)15が形成されている。このセル15の内部に、白色粒子及び/又は着色粒子が一種以上分散されている溶媒を有している。またさらに、封止層14の上には(第2の)導電層12b、対向基板11bがこの順に積層されている。
基板11a、対向基板11bには周知慣用の材料を適用できるが、ガラス、あるいはPET(Polyethylene terephthalate)、PMMA(Polymenthylmethacrylate)、PEN(Polyethylene
naphthalate)、PES(Polyether sulfone)、PC(Polycarbonate)などのプラスチックフィルムが好ましい材料として挙げられる。
第1の導電層12a、第2の導電層12bには周知慣用の材料を適用できるが、ITO、SnO2、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒又は合成樹脂バインダに混合して塗布したものなどが用いられる。導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。
換言すると、第1の導電層12aを備える基板11a及び第2の導電層12bを備える対向基板11bの一方あるいは両方が、複数の画素電極を備える基板であることで、任意の画像が表示可能となるため好ましい。
本発明において、中空構造物13は、可塑性を有する材料を硬化させた材料からなることが好ましい。なお、可塑性を有する材料は、特に限定されないが、水溶性樹脂を含有することが好ましい。
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、プルラン、アルブミン、CMC(carboxymethylcellulose)、ポリアクリル酸、セルロース、デンプン、ゼラチン、アルギン酸塩、グアーガム、アラビアガム、カラーギナン、トラガント、ペクチン、デキストリン、カゼイン、コラーゲン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、酸化エチレン、寒天、ローカストビーンガム、キサンタンガム、サイクロデキストリン、タンニン酸、カラヤガム、ジュランガム、ファーセレラン、トラントガム、レシチン、キチン、キトサン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、リグニンスルホン酸、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリエチレンオキシド、ポリアリルアミン等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。なお、ここでいう水溶性樹脂とは、水に溶解又は膨潤する樹脂を意味する。
また、中空構造物13の隔壁の高さは、10μm〜200μmであることが好ましく、20μm〜100μmであることがより好ましい。
さらに、中空構造物13の底面の厚さは、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
封止層14には上記中空構造物13に使用される材料を使用することができるが、上記中空構造物13に使用される材料と同じであっても異なっていても良い。
封止層14は厚さが0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmである。封止層の膜厚を薄くすることにより、反射率、駆動電圧の面で有利となるが、膜厚が0.1μm未満では強度が弱くなる。膜厚が20μmを超えると、表示切り替えのために必要な駆動電圧が大きくなってしまい、また表示コントラストも低下する。
本発明において、セル15の内部に封入されている白色粒子及び/又は着色粒子が一種以上分散されている溶媒は、外部電界によって粒子が泳動することにより視認色が変わるものである。
なお、本発明においては、白色粒子と着色粒子を帯電粒子と総称し、また、帯電粒子を含む液体とは前記溶媒を意味するものとする。
白色粒子及び/又は着色粒子が一種以上分散されている溶媒、白色粒子、および着色粒子は、特に限定されず公知の材料が適宜利用可能である。
白色粒子としては、例えば酸化チタン、アルミナ等の無機粒子、ポリビニルナフタレン等の有機粒子が挙げられる。
着色粒子としては、例えばカーボンブラック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、染色レーキ顔料等が挙げられる。
溶媒としては、例えばシリコーンオイル、イソパラフィン系炭化水素等が挙げられる。
本発明に係る電気泳動表示素子の製造方法における他の実施の形態により製造される画像表示媒体としての電気泳動表示素子の構成例を図1(b)に示す。
画像表示媒体1は、基板11a、(第1の)導電層12a、一方が開口した中空構造物(ハニカム構造を有する層)13が順に積層され、さらに中空構造物13の開口部を封止層14で封止して複数のセル(複数の空間)15が形成されている。このセル15の内部に、白色粒子及び/又は着色粒子が一種以上分散されている溶媒を有している。またさらに、封止層14の上には接着層17、(第2の)導電層12b、対向基板11bがこの順に積層されている。
図2に、本発明に係る電気泳動表示素子の製造方法の工程フローの一例を示す。
本発明において電気泳動表示素子(図1(a)に示す構成例のもの)を製造するためには、独立した複数の凹部21を有するテンプレート20を用いる(図2(a)参照)。
まず、スリットコーター等を用いた塗布などの公知の方法により可塑性を有する材料の層22を、第1の導電層12aを形成した基板11a上に形成し、次いで、可塑性を有する材料の層22の側が接触するようにテンプレート20上に配置する(図2(b)参照)。
次に、可塑性を有する材料の層22を介して一体化した基板11aとテンプレート20とを真空チャンバー内等に設置し減圧状態にすると、凹部21及び基板11aにより閉じられた空間に保持されている空気が、外部との圧力差によって膨張する。このとき、凹部21は、可塑性を有する材料の層22で密閉されているので、空気の膨張により、可塑性を有する材料の層22が延伸変形し、次いで、硬化手段により可塑性を有する材料を硬化することで、テンプレート20上に区画化された複数の空間を有する中空構造物13が形成される(図2(c)参照)。
さらに、中空構造物13aが形成された基板11aをテンプレート20から剥離(離脱)すると、下部(基板11aと反対側)に複数の空間の開口部を有する中空構造物13と基板11aとが一体化されたものが得られる(図2(d)参照)。このとき、正方格子状に配置された凹部21を有するテンプレートを用いると、正四角柱状のセルが正方格子状に配置された中空構造物が得られ、六方最密格子状に配置された凹部21aを有するテンプレートを用いると、正六角柱状のセルが六方最密格子状に配置された中空構造物が得られる。
次に、該中空構造物13の複数の空間の開口部が上側になるようにし、ここに白色粒子及び/又は着色粒子が一種以上分散されている溶媒(帯電粒子を含む液体)を注液する(図2(e)参照)。最後に中空構造物13との接着機能を有する硬化前の封止層14を、第2の導電層12bを形成した対向基板11b上に形成し、中空構造物13の複数の空間の開口部側と貼り合わせて硬化することで該複数の空間を封止し、電気泳動表示素子を得る(図2(f)参照)。
また図2では、中空構造物13が有するセルの隔壁と底面(第1の基板11a側の面)との接点を直角で描写してあるが、実際にはその製法ゆえに隔壁と底面との接点は概略直角ではあるものの、所定の湾曲を有している構造となる。即ち、テンプレート20が有する複数の凹部21及び基板11aにより閉じられた空間と外部との圧力差により該空間内部の空気が膨張することでセルが形成されるがゆえに、マイクロエンボス加工や画像露光による形成とは異なり、底面と隔壁とがセル内部の圧力分布に応じて所定の湾曲を有して接する構造となる。
テンプレート20としては、ニッケル基板、シリコン基板、ガラス基板上にレジスト剤パターンを形成したもの、銅張り板(銅/ポリイミド積層基板)、エッチングしたガラス基板等の他に、ポリイミド、PET(Polyethylene terephthalate)、アクリル等の樹脂基板を用いることができる。なお、テンプレート20の凹部21は、疎水処理されていることが好ましい。
例えば、テンプレート20が有する複数の凹部の開口部の形状は、空構造物13が有する区画化された複数の空間の開口部の形状と概略同一となる。このため、テンプレート20が有する複数の凹部の開口部の形状は、電気泳動素子全体として開口率を高くすることができる形状が好ましく、ハニカム形状であることが特に好ましい。
また、中空構造物13が有する区画化された複数の空間を形成する際に、この形成される区画化された複数の空間の寸法と、テンプレート20が有する複数の凹部の寸法とは密接に関連するものである。このため、目的とする区画化された複数の空間の寸法に応じてテンプレート20が有する複数の凹部の寸法を適宜設計することが望ましい。
テンプレート20が有する複数の凹部の隔壁の厚さは、1μm〜20μmであることが好ましく、2μm〜10μmであることがより好ましい。
また、テンプレート20が有する複数の凹部の隔壁の高さは、10μm〜200μmであることが好ましく、50μm〜100μmであることがより好ましい。
なお、具体的には、従来のマイクロエンボス加工又は画像露光により形成では、セルの隔壁の厚さは10μm以下とすることは困難であったが、本発明における中空構造物13のセルの隔壁は、簡易な工程で厚さを10μm以下とすることができる。
程で得られる。即ち本発明によれば、中空構造物13を他の基材上に形成した場合と比較して、中空構造物13を他の基材から剥がす工程、及び、第1の導電層12aを形成した基板11a上に中空構造物13を貼り合わせる工程を要しないため、工程の簡略化が達成される。
また、第1の導電層12aを形成した基板11a上に直接可塑性を有する材料の層22を設けるため、貼り合わせの工程で生じる気泡の混入等の問題が起こらず、高品質な電気泳動表示素子を得ることができる。
本発明に係る電気泳動表示素子の製造方法の他の工程フローの一例(図1(b)に示す構成例のものの製造例)を図3に示す。注液する工程(図2(e))までは上記図2に示した例と同じである。
これとは別に離型フィルム16上に中空構造物13との接着機能を有する硬化前の封止層14を形成しておく(図3(a)参照)。この離型フィルム16及び封止層14を中空構造物13の複数の空間の開口部側と貼り合わせて硬化し(図3(b)参照)、離型フィルムを剥離する(図3(c)参照)。最後に封止層14との接着機能を有する硬化前の接着層17を、第2の導電層12bを形成した対向基板11b上に形成し、封止層14と貼り合わせて硬化することで、電気泳動表示素子を得る(図3(d)参照)。
離型フィルム16には周知慣用の材料を適用できる。
基板となるITOフィルムの導電面側に、紫外線硬化型粘着フィルム(東亞合成、UVP−3002)を貼り合わせ、次いで、ピッチ200μm深さ50μm幅10μmのハニカム状のテンプレートに上記基板の粘着フィルム側を貼りあわせた。
電気泳動表示用粒子分散液を区画化された空間を満たすように注液するまでは、実施例1と同様に行った。
次いで、封止基板として片側の離型フィルムだけを剥がした紫外線硬化型粘着フィルム(東亞合成、UVP−3002)を使用し、区画化された空間の封止を行った。
その後、離型フィルムを剥がし、ホットメルト型接着剤を塗った電極基板とラミネートして電気泳動表示素子を得た。
11a:基板
11b:対向基板
12a:第1の導電層
12b:第2の導電層
13:中空構造物
14:封止層
15:空間(セル)
16:離型フィルム
17:接着層
20:テンプレート
21:テンプレートが有する凹部
22:可塑性を有する材料の層
Claims (5)
- 下記工程(1)〜(7)を含み製造することを特徴とする電気泳動表示素子の製造方法。
工程(1):第1の導電層を備える基板の前記第1の導電層上に、可塑性を有する材料の層を積層する工程
工程(2):複数の凹部を有するテンプレートに前記基板の可塑性を有する材料の層が形成された面を貼りあわせる工程
工程(3):前記テンプレートが有する複数の凹部及び前記基板により閉じられた空間と、外部と、の圧力差により区画化された複数の空間を形成する工程
工程(4):前記可塑性を有する材料を硬化する工程
工程(5):前記基板をテンプレートから離脱する工程
工程(6):前記区画化された複数の空間に帯電粒子を含む液体を注液する工程
工程(7):前記区画化された複数の空間を封止し、第2の導電層を備える対向基板を前記基板に対向配置する工程 - 前記工程(7)は、前記区画化された複数の空間を封止層で封止し、次いで、前記封止層と前記対向基板とを、接着層を介して貼りあわせることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示素子の製造方法。
- 前記工程(7)は、前記第2の導電層を備える対向基板上に封止層を形成し、当該封止層が形成された対向基板で前記区画化された複数の空間を封止することを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示素子の製造方法。
- 前記基板及び前記対向基板の一方が、透明電極基板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気泳動表示素子の製造方法。
- 前記第1の導電層を備える基板及び前記第2の導電層を備える対向基板の一方あるいは両方が、複数の画素電極を備える基板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動表示素子の製造方法。
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