JP5857395B2 - グラビア塗工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被塗工材に塗工液を塗工するためのグラビアロールを備えるグラビア塗工装置に関する。より詳細には、グラビアロールの軸方向長さより幅広の被塗工材に対して、帯状に塗工液を塗工するグラビア塗工装置に関するものである。
従来より、グラビアロールに塗工液を保持させ、そのグラビアロールと被塗工材の表面とを接触させて、被塗工材に塗工液を塗布するグラビア塗工装置が使用されている。グラビアロールの表面には、塗工液を保持するための刻印面が形成されている。このようなグラビアロールを塗工液を収容した容器中で回転させることにより、その表面に塗工液が付着した状態とすることができる。その後、被塗工材への塗工を行う前に通常、グラビアロールの表面にドクターブレードを押し当て、塗工液の付着量を適切に調整するようにされている。
例えば、二次電池用の電極板の製造過程では、金属箔などの被塗工材に対して、幅方向の一部分のみに帯状に塗工する場合がある。この場合には生産性を向上させるため、被塗工材に対してストライプ状の塗工層を形成することがある。
このようなグラビア塗工を行うグラビア塗工装置では、グラビアパターンが彫刻された複数の塗布領域(刻印面)と、グラビアパターンが彫刻されていない複数の非塗布領域とを有する段付きのグラビアロールが用いられている。そして、グラビアロールの表面に塗布液(塗工液)を供給し、被塗工材の搬送方向に対して順方向又は逆方向にグラビアロールを回転させることにより、グラビアロールの表面に付着した塗布液を被塗工材の表面に転写して塗布している。そして、このグラビア塗工装置に備わるグラビアロールの表面(ロール表面及びロール端面)には、セラミック層が形成されており、グラビアロールの耐摩耗性の向上が図られている(特許文献1参照)。
また、ロール表面にのみセラミック層が形成されたグラビアロールも知られている。
特開2009−28719号公報
しかしながら、上記したグラビア塗工装置では、ロール角部(端部)においてセラミック層にクラックが発生して、下地ロール(ロール芯)からセラミック層が剥離してしまうおそれがあった。そして、セラミック層が下地ロールから剥離してしまうと、被塗工材に形成される塗工層の塗工巾が安定しなくなるという問題があった。このようにセラミック層が剥離してしまうのは、下地ロールの角部が面取りされておらず、外部からの小さな力(ドクターブレードの接触力)が作用すると簡単にクラックが発生するからである。
ここで、下地ロールとして面取り加工されたものを使用することが考えられる。ところが、一般的なC1前後での面取り加工では、グラビアロール端部がだれてしまい、被塗工材に形成される塗工層の塗工巾が安定しないという問題があった。
また、面取り加工された下地ロールのロール表面にのみセラミック層を形成したグラビアロールでは、上記したものと同様に、セラミック層の剥離や、グラビアロール端部のだれによる塗工層の塗工巾が安定しないという問題の他、ロール端面の摩耗が発生するという問題もあった。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、被塗工材に形成される塗工層の塗工巾を精度良く安定させるとともに、グラビアロールの損傷を抑制することができるグラビア塗工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、被塗工材に塗工液を塗工するためのグラビアロールを備えるグラビア塗工装置において、前記グラビアロールは、ロール角部が面取りされた下地ロールのロール表面及びロール端面にセラミック層が形成されたものであり、前記下地ロールの角部に対する面取りが、面取り範囲0.1〜0.3mmで行われていることを特徴とする。なお、面取り加工としては、例えばR面取りやC面取りがなされていればよい。
このグラビア塗工装置では、下地ロール角部(端部)が面取りされているので、ロール端部においてセラミック層にクラックが発生することを防ぐことができ、下地ロールからセラミック層が剥離することを防止することができる。そして、下地ロールに対する面取りは、0.5mm以下で行われているので、グラビアロール端部がだれることもない。
また、下地ロールの表面全体がセラミック層で覆われているため、塗工液に含まれる粒子によって、ロール表面が摩耗損傷することが防止される。そして、ロール表面の摩耗損傷がなくなることにより、被塗工材に形成される塗工層へ金属異物が混入することも防止される。
このように、このグラビア塗工装置によれば、被塗工材に形成される塗工層の塗工巾を精度良く安定させるとともに、グラビアロールの損傷を抑制することができる。
ここで、0.5mm以下の面取り加工を行えば、グラビアロール端部がだれることもなく、塗工層の塗工巾を精度良く安定させることができるが、より一層高精度で塗工巾を安定させる必要がある場合には、面取り範囲を0.3mm以下にすればよい。その一方、面取り範囲が0.1mm未満になると、下地ロールからセラミック層が剥離する可能性が高くなる。
そこで、上記したグラビア塗工装置において、前記下地ロールの角部に対する面取りが、面取り範囲0.1〜0.3mmで行われている。
これにより、被塗工材に形成される塗工層の塗工巾をより一層精度良く安定させることができるとともに、グラビアロールの損傷を確実に防止することができる。
また、上記したグラビア塗工装置において、前記セラミック層の厚みが、0.1〜0.3mmであることが望ましい。
セラミック層の厚みが0.1mm未満であると、セラミック層の耐摩耗性が不十分となりグラビアロールの損傷を抑制することができなくなる一方、0.3mmより厚いと、ドクターブレードによる塗工液の掻き落とし時にセラミック層の剥がれが発生しやすくなるからである。
本発明に係るグラビア塗工装置によれば、上記した通り、被塗工材に形成される塗工層の塗工巾を精度良く安定させるとともに、グラビアロールの損傷を抑制することができる。
実施の形態に係るグラビア塗工装置の概略を示す図である。 グラビアロールとドクターブレードとの配置関係を示す図である。 グラビアロールの断面図である。 ストライプ塗工ロールの概略を示す図である。 ストライプ塗工ロールの断面図である。 ストライプ塗工ロールによる塗工処理の様子を示す図である。 塗工巾のばらつきを示す図である。
以下、本発明のグラビア塗工装置を具体化した実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。本実施の形態では、二次電池の電極板の製造に用いられるグラビア塗工装置に本発明を適用した場合を例示する。
そこで、実施の形態に係るグラビア塗工装置について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係るグラビア塗工装置の概略を示す図である。図2は、グラビアロールとドクターブレードとの配置関係を示す図である。図3は、グラビアロールの断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るグラビア塗工装置10は、グラビアロール11、ドクターブレード12、塗工液容器13、ポンプ14、フィルタ15などを有している。塗工液容器13には、塗工液17が収容されている。図1は、塗工動作中の状態を示すものであり、被塗工材である金属箔21は、2つのニアロール23の回転によって送りだされている。そして、金属箔21は、2つのニアロール23の間の位置で、グラビアロール11の表面に押し付けられている。なお、塗工動作中には、塗工液17は、ポンプ14によって送り出され、塗工液容器13内に適宜補充されている。その径路上には、塗工液17から不純物を除くフィルタ15が配置されている。
グラビアロール11は、図2に簡略化して示すように、そのロール面25の全体に一様に刻印パターン(グラビアパターン)が形成されたものであり、その両端部に軸部27が設けられており、塗工動作中には図中に矢印で示すように回転されるようになっている。この回転方向は、金属箔21との接触箇所で、金属箔21の進行方向に対して逆向きに進行する方向(リバース塗工)である。また、塗工動作中には、グラビアロール11の下部は、図1に示すように、塗工液容器13内に配置され、塗工液17に部分的に浸漬される。これにより,ロール面25のグラビアパターンの凹部に塗工液17が保持される。
このようなグラビアロール11は、図3に示すように、剛性及び靱性を有する鉄やSUS(ステンレス鋼)等の金属で形成された下地ロール18と、下地ロール18の外表面に形成された所定の厚さを有するセラミック層19とで構成されている。下地ロール18は、ロール面25aと、ロール面25aより小径の軸部27aとを備えた段付きローラである。
ここで、下地ロール18のロール面25aの端部(角部)25acは、0.5mm以下で面取り加工されている。図3には、C面取りした下地ロールを示しているが、面取り加工はC面取りに限られず、R面取りなどであってもよい。
そして、面取り範囲Raは、0.1〜0.3mmとするのが好ましい。面取り範囲Raを0.3mm以下にすることにより、金属箔21に形成される塗工層の塗工巾を高精度で安定させることができるが、0.1mm未満になると、下地ロール18からセラミック層19が剥離する可能性が高くなるからである。つまり、上記した面取り範囲でロール面25aの端部25acを面取り加工することにより、金属箔21に形成される塗工層の塗工巾を確実に高精度で安定させることができる。
セラミック層19は、下地ロール18の外表面に対して、セラミック粉末(酸化クロム等)をプラズマ溶射することによって形成されている。セラミック粉末として、例えば、酸化クロムを用いることができる。酸化クロムは、ビッカース硬度が比較的高いため、グラビアロール11の耐摩耗性を向上させることができる。しかも、酸化クロムは、レーザ光の吸収率が比較的高いため、レーザ照射を用いたグラビアパターンの形成に適している。
そして、セラミック層19の外表面のうち、ロール面25に対応した領域にグラビアパターンが形成されている。このグラビアパターンは、下地ロール18の外表面にセラミック層19を形成してから、セラミック層19の表面を研磨し、ロール面25に対応した領域に対するレーザ照射によってグラビアパターンを形成する。
セラミック層19の厚さは、耐摩耗性等を考慮して適宜設定することができるが、0.1〜0.3mmであることが好ましい。セラミック層19の厚みが0.1mm未満であると、セラミック層19の耐摩耗性が不十分となりグラビアロール11(下地ロール18)の損傷を抑制することができなくなる一方、0.3mmより厚いと、ドクターブレード12による塗工液17の掻き落とし時にセラミック層19の剥がれが発生しやすくなるからである。
ドクターブレード12は、図1に示すように、ブレード板31がホルダ32に挟みつけられているものである。塗工動作中には、その先端部34がグラビアロール11の表面に接するように、グラビアロール11に平行に固定して配置されている。
本実施の形態では、図2に示すように、ブレード板31として、グラビアロール11の軸方向について、ロール面25の長さより長いものを用いている。ブレード板31には、ロール面25の軸方向の両端面26の位置に合わせて、2箇所に切り込み37,37が設けられている。ブレード板31は,可撓性を有する樹脂製である。例えば、PET、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン等が適している。樹脂製であるので、容易に撓む。また、金属粉等の導電性の異物を発生させて塗工液17に混入させるおそれはない。
このブレード板31は、図1に示すように、グラビアロール11の回転方向に倣うように配置され、使用時にはグラビアロール11に押し付けられる。そのため、図1や図2に示すように、先端部34がやや撓んだ形状となる。ただし、ブレード板31には切り込み37,37が設けられているため、そこを境として中央部と両端部では先端部34の撓みかたの程度が異なる。
すなわち、図2に示すように、両側の切り込み37同士の間の範囲34Rは、グラビアロール11のロール面25に押し当てられているため比較的大きく撓む。この範囲34Rによって、グラビアロール11のロール面25に付着した塗工液の一部を掻き取ることができる。
一方、それより外側の範囲34Sは、グラビアロール11のロール面25に当接しないため、基部35に対して真っ直ぐに近い位置となり、あまり撓まない。従って、グラビアロール11に押し付けられた状態でのブレード板31は、図2に示すように、外側の範囲34Sが内側の範囲34Rよりもグラビアロール11の回転方向についてわずかに上流側に配置されている状態となっている。そして、切り込み37の断面のうち範囲34Sの側の断面37Sは、グラビアロール11のロール端面26に擦り合わされる。
なお、本実施の形態では、ブレード板31に切り込み37,37が設けられているが、切り込みが設けられていないブレード板を使用することもできる。
次に、上記したグラビア塗工装置10による塗工動作について説明する。グラビア塗工を行う際には、図1に示すように、塗工液容器13に塗工液17を収容し、そこにグラビアロール11を中程まで浸漬する。そして、軸部27を回転駆動して、グラビアロール11を図中に矢印で示すように図中反時計回りに回転させる。従って、グラビアロール11は、ロール面25のうち図中で右側の部分によって、塗工液17を保持しつつ持ち上げる。
このとき、ドクターブレード12は、グラビアロール11と金属箔21との接触箇所よりも、グラビアロール11の回転方向について上流側において、グラビアロール11のロール面25に接触して配置されている。そして、図2に示すように、ブレード板31に切り込み37が形成されているので、先端部34のうち内側の範囲34Rはグラビアロール11のロール面25を摺擦するとともに、同時に外側の範囲34Sの端面はグラビアロール11の両端面26を摺擦する。
ロール面25には一様なグラビアパターンが形成されているので、ブレード板31の範囲34Rによって摺擦されることにより、凸部に付着した塗工液17の一部が掻き落とされる。そして、主に凹部に溜まった塗工液17を保持した状態となる。このときの塗工液17の保持量が適切な量となるように、グラビアパターンの形状やドクターブレード12の押し当て力等が選択されている。一方、グラビアロール11の両端面26のうち、少なくともロール面25の近傍に付着した塗工液17は、ブレード板31の範囲34Sによって掻き落とされる。
ここで、グラビアロール11の表面をセラミック層19で構成しているので、グラビアロール11(下地ロール18)の磨耗を抑制することができる。また、塗工液17が粒子を含んでいる場合において、塗工液17の粒子によってグラビアロール11(下地ロール18)の表面が削れやすくなってしまうことも防止することができる。例えば、鉄で形成された下地ロールの表面にクロムメッキを施したグラビアロールを用いた場合には、塗工液に含まれる粒子によって、下地ロールの表面(クロムメッキ)が削れてしまうおそれがある。ところが、本実施の形態では、グラビアロール11の表面をセラミック層19で構成している、つまり下地ロール18の外表面をセラミック層19で覆っているため、グラビアロール11(下地ロール18)の表面が塗工液17に含まれる粒子によって削れてしまうことが抑制される。これにより、グラビアロール11の耐摩耗性の向上が図られている。
一方、被塗工材である金属箔21は、図1に示すように、供給ロール等から巻き出され、2つのニアロール23,23に順に巻き掛けられる。各ニアロール23,23は、その最下部がグラビアロール11の最上部よりやや下になるように配置され、これにより金属箔21に適切なテンションを掛けた状態としている。そして、ニアロール23は、図中に矢印で示すように図中で反時計回りに回転され、金属箔21を送り出す。2つのニアロール23間の位置で、グラビアロール11と金属箔21とが接触させられて、ロール面25に保持されている塗工液17が金属箔21に塗工される。これにより、金属箔21上に塗工層39が形成される。そして、グラビアロール11の磨耗が抑制されているので、磨耗粉(金属粉)が塗工層39に混入するのを防止することができる。
そして、下地ロール18の端部が面取り範囲0.1〜0.3mmで面取りされているため、グラビアロール11の端部においてセラミック層19にクラックが発生することが防止されている。その結果、下地ロール18からセラミック層19が剥離することが防がれる。このことと、グラビアロール11の端部がだれないこととから、塗工層39の塗工巾を高精度で安定させることができる。
なお、本実施の形態のグラビア塗工装置10は、金属箔21とグラビアロール11とがその接触箇所では互いに逆向きに移動される、いわゆるリバース塗工を行うものである。このように塗工することにより、刻印面のパターンはつぶれ、全面べた塗り状の塗工層39を形成することができる。また、本実施の形態で使用している金属箔21は、塗工層39の幅(グラビアロール11の軸方向の長さ)より幅広の帯状のものである。そして、金属箔21の両脇に未塗工箇所を残して、その中央付近に帯状の塗工層39を形成する。
ここで、例えば電極板の製造工程では、1枚の金属箔21に対し、幅方向に複数本の帯状の塗工層を形成したい場合(多列塗工)がある。そのような場合の装置構成、及び処理について、図4〜図6を参照しながら簡単に説明する。図4は、ストライプ塗工ロールの概略を示す図である。図5は、ストライプ塗工ロールの断面図である。図6は、ストライプ塗工ロールによる塗工処理の様子を示す図である。
多列塗工を行う場合には、例えば図4に示すように、塗工箇所の幅や間隔に合わせた複数のグラビアロール11を連結した形状のストライプ塗工ロール40を利用する。この図では、等幅の3本のグラビアロール11を等間隔に連結したものを示した。ここで、図5に示すように、ストライプ塗工ロール40に備わる各グラビアロール11の各下地ロール18の端部25acが、上記したように面取りされている。そして、そのような各下地ロール18が連結されたものの外表面にセラミック層19が設けられている。このようなストライプ塗工ロール40を使用して、上記と同様の塗工処理を行うと、図6に示すように、金属箔21に帯状の3箇所の塗工層41を同時に形成することができる。なお、ブレード板としては、6箇所に切り込み37を形成したブレード板43を使用すればよい。各切り込み37は、すべて、各グラビアロール11の各端面26に合わせて形成されている。
電極板の製造工程では、例えば金属箔21としてアルミ箔や銅箔を用い、これに活物質層を帯状に塗工する。このように複数の塗工層41を形成した金属箔21を、その長手方向に沿って帯状に切断することにより、複数枚の電極板を同時に製造するのである。また、活物質の塗工に限らず、活物質層に先駆けて塗工する下地層、または活物質層の上に重ねて塗工する薄膜保護層等の塗工工程においても、ストライプ塗工ロール40によるグラビア塗工技術を利用することができる。これらの工程においても、本実施の形態に係るグラビア塗工装置によれば、塗工層41の塗工巾を精度良く安定させるとともに、グラビアロール11の損傷を抑制することができる。
そして、発明者らは、本発明の有効性を確認するための実験を行った。そこで、その結果を図7に示す。図7は、塗工巾のばらつきを示す図である。本実験では、以下の実施例、比較例1、比較例2の3種類のグラビアロールをそれぞれ3本連結したストライプ塗工ロールを使用し、比較した。なお、各グラビアロールの幅寸法は、161.2mmである。
実施例は、上記したストライプ塗工ロール40である。なお、下地ロール18の面取りはC0.1で行っている。これに対し、比較例1は、C0.8で面取り加工した下地ロールに対し、ロール表面にのみセラミック層を形成したものである。比較例2は、C0.8で面取り加工した下地ロールに対し、ロール表面及びロール端面にセラミック層を形成したものである。そして、通常のグラビア塗工を行い、塗工層における最大巾と最小巾を計測して、ばらつき幅Rを求めた。
この実験の結果は、図7に示すように、比較例1、比較例2ではいずれもばらつき幅Rが1mm以上であることがわかる。すなわち、比較例1では、ばらつき幅が1.18mmであり、比較例2では、ばらつき幅が1.03であった。また、比較例1では、下地ロールの摩耗が確認された。このように、下地ロールの面取りを従来から行われているC1前後で行うと、グラビアロールの端部がだれてしまい、塗工層の塗工巾が安定しなくなると考えられる。
これに対して、実施例においては、ばらつき幅が非常に小さく、塗工層の塗工巾が安定していることがわかる。すなわち、実施例では、ばらつき幅が0.08mmであった。また、セラミック層にクラックは発生しておらず、下地ロールの摩耗もなかった。このように、実施例では、塗工層の塗工巾を精度良く安定させることができるとともに、グラビアロールの損傷を抑制することができる。
この実験結果から、本実施の形態のように、ロール端部を0.5mm以下、好ましくは0.1〜0.3mmの範囲で面取りした下地ロール18のロール面25及びロール端面26にセラミック層19を形成することが、塗工層の塗工巾を安定させるのに有効であると確認することができた。
以上、詳細に説明したように実施の形態に係るグラビア塗工装置10によれば、ロール角部が0.5mm以下で面取りされた下地ロール18のロール面25及びロール端面26にセラミック層19が形成されたグラビアロール11を備えているので、ロール端部においてセラミック層19にクラックが発生することを防ぐことができ、下地ロール18からセラミック層19が剥離することを防止することができるとともに、グラビアロール11の端部がだれることもない。
そして、下地ロール18の表面全体がセラミック層19で覆われているため、塗工液17に含まれる粒子によって、ロール表面が摩耗損傷することも防止される。そして、ロール表面の摩耗損傷がなくなることにより、金属箔21に形成される塗工層39,41へ金属異物が混入することも防止される。
従って、グラビア塗工装置10では、金属箔21に形成される塗工層39,41の塗工巾を精度良く安定させるとともに、塗工層39,41への異物混入を防止し、グラビアロール11の損傷を抑制することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、多列塗工(ストライプ塗工)の例として、グラビアロールを3本連結したものを例示したが、2本連結したもの、あるいは4本以上連結したものであっても本発明を適用することができる。
また、上記した実施の形態では、ロール面25とロール端面26との全域にセラミック層19を形成したグラビアロール11を例示したが、ロール面25の全域とロール面25の一部だけ(ブレード板が接触する部分だけ)にセラミック層を形成したグラビアロールでも上記と同様の効果を得ることができる。
10 グラビア塗工装置
11 グラビアロール
12 ドクターブレード
17 塗工液
18 下地ロール
19 セラミック層
21 金属箔
22
25 ロール面
25a ロール面
25ac ロール面の端部
26 ロール端面
31 ブレード板
32 ホルダ
37 切り込み
39 塗工層
40 ストライプ塗工ロール
41 塗工層
43 ブレード板
Ra 面取り範囲

Claims (2)

  1. 被塗工材に塗工液を塗工するためのグラビアロールを備えるグラビア塗工装置において、
    前記グラビアロールは、ロール角部が面取りされた下地ロールのロール表面及びロール端面にセラミック層が形成されたものであり
    前記下地ロールの角部に対する面取りが、面取り範囲0.1〜0.3mmで行われている
    ことを特徴とするグラビア塗工装置。
  2. 請求項1に記載するグラビア塗工装置において、
    前記セラミック層の厚みが、0.1〜0.3mmである
    ことを特徴とするグラビア塗工装置。
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