JP2007087788A - プラズマ放電処理装置、プラズマ放電処理方法 - Google Patents

プラズマ放電処理装置、プラズマ放電処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ放電処理装置において、基材の種類(基材幅)の変更があっても、高品質の放電処理が可能な、簡易な構成で、複雑な制御を必要としない、コスト的にも、生産性的にも優れた表面処理や薄膜形成を可能とするプラズマ放電処理装置及びプラズマ放電処理方法の提供。
【解決手段】主電極101と第1の副電極102間に第1の高周波電源51と第2の高周波電源52とにより対向領域31に発生した高周波電界及び第1のガス供給手段41により供給された混合ガスにより対向領域31で発生した大気圧プラズマ放電により基材F表面に薄膜形成する。基材Fより狭幅の基材F’に対しては、主電極101と第2の副電極103間に第1の高周波電源51と第3の高周波電源53とにより対向領域32に発生した高周波電界及び第2のガス供給手段43により供給された混合ガスにより対向領域32で発生した大気圧プラズマ放電により基材F’表面に薄膜形成する。
【選択図】図4

Description

本発明はプラズマ放電処理装置、プラズマ放電処理方法に関する。
大気圧プラズマ放電処理は、従来の低圧プラズマ放電処理とは異なり、処理対象の基板等を真空チャンバー内で処理する必要がなく、その装置としては、上下の平行平板型電極間に電圧を印加してプラズマ放電を発生させ、下部電極上に設置された基材を処理する簡易な装置が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
また、複数の幅の基材に対応するものとして、電極を基材幅に合わせて斜めに移動させ、放電幅を変化させるプラズマ放電処理装置が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
また、放電幅を変化させた時にガスの供給幅を変化させる大気圧プラズマ処理方法が提案されている(例えば特許文献3参照。)。
特開平10−154598号公報 特開2003−22899号公報 特開2004−323928号公報
近来、各種の機能性薄膜の需要増大に伴い薄膜の生産性向上が要求され、且つその品種例えば基材幅も各種要求されるようになってきた。
しかし、特許文献1に記載のプラズマ放電処理装置では、シート型の基材等を連続処理する際は、上下の一対の電極間に基材を設置し、上下の電極は基材の処理方向に対して直角に設置されており、電極の大きさは処理する基材の大きさに合わせて一定であり、基材の大きさが変わったときには、それに合わせて変更するか、元の電極をそのまま使用し、処理するしかなくコスト的にも、品質的にも、生産性的にも問題があった。
また、特許文献2に記載のプラズマ放電処理装置では、基材幅が変更となっても生産性の低下は減少するものの、電極を基材の搬送方向に対して斜めに回動せねばならず、斜めに回動させる機構が複雑化し、斜めであるために幅方向の供給エネルギーが一定となりにくく品質の安定性に欠け易く、品質を一定にするためには制御が複雑になってしまうと言った問題点が推測される。
また、特許文献3に記載の大気圧プラズマ処理方法のガス供給手段ではガス供給口の端部にガスの通過を制限するスペーサー状の部材を設けこれを移動することにより供給面積を変更するようにしたので可動部材を必要とし構成が複雑になってしまうという問題点があった。
本発明は、上述したような状況に鑑みてなされたもので、プラズマ放電処理装置において、基材の種類(基材幅)の変更があっても、高品質の放電処理が可能な、簡易な構成で、複雑な制御を必要としない、コスト的にも、生産性的にも優れた表面処理や薄膜形成を可能とするプラズマ放電処理装置及びプラズマ放電処理方法を提供することを目的とする。
(1)主電極と主電極に対向する副電極との対向領域で基材にプラズマ放電処理を行うプラズマ放電処理装置において、
前記主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極と、複数の目的のプラズマ放電処理に応じた複数の副電極にプラズマ放電の発生を切り替える副電極切替手段とを有し、
前記主電極と前記副電極切替手段に切り替えられた副電源との対向領域にプラズマ放電を発生させ、目的のプラズマ放電処理を行うことを特徴とするプラズマ放電処理装置。
(2)前記主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極との対向領域に少なくとも放電ガスを供給する複数のガス供給手段とを有し、
前記副電極切替手段は、前記主電極と目的のプラズマ放電処理に応じた副電極との対向領域間に、前記ガス供給手段からの少なくとも放電ガスの供給を切り替えるガス切替手段とを有することを特徴とする(1)に記載のプラズマ放電処理装置。
(3)主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極との対向領域のうちいずれかの対向領域に高周波電界を発生させる高周波電源を有し、
前記副電極切替手段は、前記主電極と目的のプラズマ放電処理に応じた副電極との対向領域間に、前記高周波電源によるプラズマ発生を切り替える電源切替手段とを有することを特徴とする(2)に記載のプラズマ放電処理装置。
(4)前記目的のプラズマ放電処理は、基材の表面処理、または薄膜形成処理であることを特徴とする(1)または(3)に記載のプラズマ放電処理装置。
(5)前記目的のプラズマ放電処理は、幅の異なる基材への表面処理、または幅の異なる基材への薄膜形成処理であることを特徴とする(1)または(3)に記載のプラズマ放電処理装置。
(6)前記目的のプラズマ放電処理に応じた副電極は、それぞれ幅の異なる基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極であることを特徴とする(5)に記載のプラズマ放電処理装置。
(7)前記ガス切替手段は、主電極に対向する少なくとも2つの副電極のうち搬送する基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極と、主電極との対向領域に、前記ガス供給手段からの少なくとも放電ガスの供給を切り替え、
前記電源切替手段は、主電極に対向する少なくとも2つの副電極のうち搬送する基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極と、主電極との対向領域に、前記高周波電源によるプラズマ発生を切り替えるものであることを特徴とする(5)または(6)に記載のプラズマ放電処理装置。
(8)前記副電極は、搬送する基材の目的のプラズマ放電処理に応じた誘電体の幅及び厚さ及び材質を有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
(9)前記ガス切替手段に、搬送する基材の幅に応じた放電可能部分をもつ副電極と該副電極に対向する主電極との対向領域に前記ガス供給手段からの少なくとも放電ガスを供給するように切り替えさせ、且つ、前記電源切替手段に、搬送する基材の幅に応じた放電可能部分をもつ副電極と主電極間にプラズマ放電を発生させる高周波電源に高周波電界を発生させてプラズマ放電を行わせるように切り替えさせて、プラズマ放電処理を行わせる制御手段と、を有することを特徴とする(5)〜(8)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
(10)前記主電極及び前記副電極は回転可能なローラ状の電極で、ローラ状の副電極はローラ状の主電極の周囲に同心的に配設されていることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
(11)前記主電極は回転可能なローラ状の電極で、前記副電極は固定された棒状の電極で、棒状の副電極はローラ状の主電極の周囲に同心的に配設されていることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
(12)前記主電極は平板状の電極で、前記副電極は前記主電極に平行に離間した平板状の電極で、前記主電極は前記副電極に対し機材搬送方向に2倍以上の長さを有していることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
(13)プラズマ放電は大気圧またはその近傍の圧力環境で行われることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
(14)それぞれ幅の異なる基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極は、放電可能部分の長さが異なり、放電可能部分はプラズマ放電可能な厚さの誘電体で被覆され、放電不能部分はプラズマ放電不能な厚さの誘電体で被覆されていることを特徴とする(6)〜(13)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
(15)基材の表面にプラズマ放電処理を行うプラズマ放電処理方法において、
主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極とのうち、目的のプラズマ放電処理に応じた副電極を選択使用して、目的のプラズマ放電処理を行うことを特徴とするプラズマ放電処理方法。
(16)前記目的のプラズマ放電処理は、基材の表面処理、または薄膜形成処理であることを特徴とする(15)に記載のプラズマ放電処理方法。
(17)前記目的のプラズマ放電処理は、幅の異なる基材への表面処理、または幅の異なる基材への薄膜形成処理であることを特徴とする(15)に記載のプラズマ放電処理方法。
(18)複数の幅の基材にプラズマ放電処理を可能なプラズマ放電処理方法において、
新たに選択された基材の幅情報を読み込む工程と、新たに選択された基材幅に対応する放電可能幅を有する副電極を決定する工程と、高周波電源とガス供給手段と排気手段と基材搬送をOFFしてプラズマ放電処理を停止する工程と、決定された副電極に接続される高周波電源と、決定された副電極に対応するガス供給手段と排気手段と、をONとする工程と、全てがONとなった後プラズマ放電処理を開始する工程とを含むことを特徴とするプラズマ放電処理方法。
(19)プラズマ放電は大気圧またはその近傍の圧力環境で行われることを特徴とする(15)〜(18)のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理方法。
(1)に記載の発明によれば、主電極に対してプラズマ放電を行う副電極を目的のプラズマ放電に応じて変更可能とすることにより、基材の種類(基材幅)の変更があっても、高品質の放電処理が可能な、簡易な構成で、複雑な制御を必要としない、コスト的にも、生産性的にも優れた表面処理や薄膜形成を可能とするプラズマ放電処理装置の提供が可能となる。
(2)または(3)に記載の発明によれば、ガスと高周波電力の供給を選択的に行うことにより主電極に対しプラズマ放電を行う副電極を選択することが可能となる。
(4)に記載の発明によれば、表面処理及び薄膜の形成が可能となる。
(5)、(6)、(7)、(8)、または(9)に記載の発明によれば、基材幅に応じたプラズマ放電処理が可能となる。
(10)または(11)に記載の発明によれば、ウエブ状の基材にプラズマ放電処理が可能となり生産性の向上が図れる。
(12)に記載の発明によれば、シート状の基材にプラズマ放電処理が可能となる。
(13)に記載の発明によれば、大気圧プラズマ放電とすることにより、真空吸引装置等が不要となり簡易な装置となるほか、真空吸引時間等が軽減でき生産性の高い装置とすることができる。
(14)に記載の発明によれば、誘電体の厚さを変化させることにより、基材幅に応じたプラズマ放電を可能とすることができる。
(15)に記載の発明によれば、主電極に対してプラズマ放電を行う副電極を目的のプラズマ放電に応じて変更可能の工程を含ませることにより、基材の種類(基材幅)の変更があっても、高品質の放電処理が可能な、生産性的にも優れた表面処理や薄膜形成を可能とするプラズマ放電処理方法の提供が可能となる。
(16)に記載の発明によれば、表面処理、及び薄膜の形成が可能となる。
(17)または(18)に記載の発明によれば、基材幅に応じた表面処理及び薄膜の形成が可能となる。
(19)に記載の発明によれば、大気圧プラズマ放電とすることにより、真空吸引等が不要となり、真空吸引時間等が軽減でき生産性の高いプラズマ放電処理方法の提供が可能となる。
以下、本発明に係るプラズマ放電処理装置、及びプラズマ放電処理方法について、その好ましい実施の形態を図を用いて説明する。
以下の説明では、用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
また、幅(方向)とは基材の搬送方向に直角な方向を指す。
なお、大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を指すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明者は、プラズマ放電処理において、予め主電極と複数の目的のプラズマ放電処理に応じた複数の副電極を設け、必要に応じて副電極切替手段により目的のプラズマ放電処理に応じた副電極に切り替え、目的のプラズマ放電処理を容易に切り替え可能にしようとしたもので、
特に、複数の基材幅に応じた複数の異なる長さの放電可能部分を有する副電極を設け、
搬送する基材幅に応じた長さの放電可能部分を持つ副電極を選択し、
主電極と選択した副電極の放電可能部分との間に、ガスを放電可能部分に選択的に供給し、且つ高周波電界を放電可能部分に選択的に発生させ、これによって基材幅に応じた幅のプラズマ放電を起こさせることにより、複数の品種(基材幅)変更に容易に対応可能と考え本発明に至った。
なお、目的のプラズマ放電処理に応じた副電極とは、主電極と副電極との関係において目的のプラズマ放電処理(例えば薄膜形成、特に幅の異なる基材に対する薄膜形成)を行わせる副電極を指す。
プラズマ放電処理装置は、少なくとも1つの主電極と、主電極に対向する異なる放電可能部分を有する少なくとも2つの副電極と、を有し、主電極と選択された(基材幅と略同じ幅の放電可能部分を持つ)副電極との間でプラズマ放電を発生させ、活性化されたガスにより基材の表面処理や基材表面に薄膜を堆積・形成するものである。
以下、説明を分かりやすくするため1つの主電極と、放電可能部分が異なる2つの副電極を有するプラズマ放電処理装置について、薄膜を形成する材料ガスと放電ガスと必要に応じ添加ガスの混合ガスGを供給して薄膜を形成する場合について説明する。
放電ガス(例えば酸素ガス)を供給することにより同様にして基材表面の表面処理(例えば表面の酸化処理)を行うことも可能なことは言うまでもない。
図1は、プラズマ放電処理装置の第1の実施の形態を示す側面概略図である。
放電可能部分とは主・副電極において誘電体がプラズマ放電可能な厚さに被覆され、主電極と副電極との間にプラズマ放電が可能な部分を指す。
プラズマ放電処理装置1において、PET(ポリエチレンテレフタレート)を含むウエブ状の基材Fが複数の副電極の一つ(例えば第1の副電極102)に巻回され、次いでガイドローラ21、22、23、24を介して、複数の主電極の一つ(例えば主電極101)に巻回され、次いでガイドローラ25、26、27、28を介して、副電極の一つ(例えば第2の副電極103)に巻回されながら搬送され、次工程に搬送される。
第1の副電極102と主電極101との対向領域31に少なくとも放電ガスを含むガスG1を供給する第1のガス供給手段41と、放電で不要となったガス或いはパーティクル等を含む不要となったガス等の排ガスG1’や発生したパーティクル(図番なし)を対向領域31からプラズマ放電処理装置1外に排気する第1の排気手段42とが配設され、第2の副電極103と主電極101との対向領域32に少なくとも放電ガスを含むガスG2を供給する第2のガス供給手段43と、排ガスG2’や発生したパーティクル(図番なし)を対向領域32からプラズマ放電処理装置1外に排気する第2の排気手段44とが配設されている。
主電極101には高周波電圧を印加する第1の高周波電源51が接続され、第1の副電極102には高周波電圧を印加する第2の高周波電源52が接続され、第2の副電極103には高周波電圧を印加する第3の高周波電源53が接続され、各高周波電源51、52、53は副電極切替手段である制御手段CRに接続され、目的のプラズマ放電処理或いは基材幅に応じて出力電圧のON/OFFが制御されている。
主電極101、副電極102、103はそれぞれ不図示の電極駆動手段により矢示方向に回転駆動されている。
そして、第1のガス供給手段41と第2のガス供給手段43及び第1の排気手段42と第2の排気手段44とはプラズマ放電処理装置1全体を制御する制御手段CR(不図示)に接続されており目的のプラズマ放電処理及び基材の幅に応じてガスの供給及び排ガスの排気のON/OFFが制御されている。
上述した構成の作用について説明する。
第1のガス供給手段41から供給されたガスG1が第1の高周波電源51及び第2の高周波電源52により発生された高周波電界により対向領域31で活性化され、基材Fが対向領域31を搬送中に、その表面に高周波電源のON/OFF及びガスの種類により第1の表面処理或いは第1の薄膜形成が行われる。
或いは、第2のガス供給手段43から供給されたガスG2が第1の高周波電源51及び第3の高周波電源53により発生された高周波電界により対向領域32で活性化され、基材Fが対向領域32を搬送中に、その表面或いは第1の薄膜上にガスの種類により第2の表面処理或いは第2の薄膜形成が行われる。
すなわち、目的のプラズマ放電処理に応じた副電極にプラズマ放電の発生を切り替えている。
プラズマ放電処理内容(例えば表面処理とその種類、薄膜形成とその種類)に応じて、上記高周波電源やガス供給手段や排気手段は適宜ON/OFFされる。また、ガスG1及びガスG2の組成は適宜選択される。
また、プラズマ放電処理内容に応じて3つの電源のうち一部をアースに接続しても良い。
これらにより例えば、対向領域31で表面処理を行うこと、或いは対向領域31で薄膜の形成を行うこと、或いは対向領域32で表面処理を行うこと、或いは対向領域32で薄膜形成を行うことも可能となる。
上記プラズマ放電処理装置1を直列に接続して、上述した各主電極と各主電極に対向する副電極との対向領域に、ガス供給切替と高周波電源切替を行うことにより、更に複雑な層構成の薄膜や、それに伴う表面処理を可能なことは言うまでもない。
以下に本発明の特徴であるプラズマ放電処理の幅方向の切替について説明する。
図2は、主・副電極の一例を示す説明図である。
主電極101及び副電極102、103は回転可能なロール状の形状をしている。
図2(a)において主電極101は、金属等の導電性母材101a(以下、「電極母材」ともいう。)に対して電極周面にセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体101b(以下、単に「誘電体」ともいう。)を被覆した組み合わせで構成されている。
そして、誘電体はロール電極の周面に全長にわたって被覆されている(誘電体被覆部A)。
全長L1は搬送される最大サイズの基材Fの幅L61より長くなっている。
また、図2(b)において第1の副電極102は電極母材102aに誘電体102bを被覆した組み合わせで構成されている。
第1の副電極102の全長L2は主電極101と同じ全長L1を有している。
誘電体102bはロール電極の周面に全長にわたって被覆されており(誘電体被覆部B)、主電極101の誘電体の被覆厚さt1と同じ被覆厚さt1を有している。
なお、プラズマ放電処理を行う対象物により厚さを変えても良い。
また、図2(c)において、第2の副電極103は電極母材103aに誘電体103b及び誘電体103cを被覆した組み合わせで構成されている。
第2の副電極103の全長L3は主電極101と同じ全長L1を有している。
第2の副電極103の第1の誘電体103bは後に詳述するように基材Fより狭幅の基材F’が通過する位置に、主電極101誘電体の被覆厚さt1と同じ被覆厚さt1を有している(誘電体被覆部C)。
被覆厚さt1の部分は基材F’の幅L62より短くなっている。
そして、基材F’が通過しない位置には電極の周面にプラズマ放電を起こさない被覆厚さt2の誘電体103cが被覆されている(誘電体被覆部D)。
なお、誘電体被覆部Cと誘電体被覆部Dとは同一の外径を有している。
このように誘電体の厚さを変えることにより被覆厚さt1を有する誘電体被覆部Cではプラズマ放電を可能とし、被覆厚さt2を有する誘電体被覆部Dではプラズマ放電を不能とする。なお、誘電体被覆部Dはプラズマ放電を起こさない絶縁物であれば材質は何でも良い。
以上説明した誘電体の溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
本実施の形態においては、電極母材101a、102a、103aは、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール(不図示)を内蔵し、主電極101、第1の副電極102、第2の副電極103の表面温度を所定の温度に調節している。
図3は、主・副電極の端部コーナーの一例を示す説明図である。
主・副電極の両端部コーナー及び誘電体の厚さが変化する部分のコーナーはアーク放電等の発生を防止するため電極母材のコーナーがカットされ、結果としてコーナーはカットされた分だけ誘電体が厚く被覆されている。
図3(a)、図3(b)にその例を示すが、電極端部等でアーク放電等が発生しない構成、或いは放電条件であれば例えば図3(c)に示すようなものでも良い。
図3(a)は、主電極、第1の副電極、第2の副電極の第1の形態で、主電極101、第1の副電極102、第2の副電極103の電極母材101a、102a、103aの両端部の角q1に面取りが行われている。好ましくは面取りの角に滑らかな丸め(R処理、点線)が施されている。
また、誘電体の両端部コーナーP1は僅かな丸めが施されている。
誘電体101b、102b、103bは電極母材101a、102aの周面に被覆されている。
図3(b)は、主電極、第1の副電極、第2の副電極の第2の形態で、
主電極1011、第1の副電極1021、第2の副電極1031の第2の電極母材1011a、1021a、1031aの両端部の角q2に丸めが行われている。
また、誘電体の両端部コーナーP2は僅かな丸めが施されている。
誘電体1011b、1021b、1031bは電極母材1011a、1021a、1031aの周面及び両端面の一部まで被覆されている。
これらによりロール電極の端部で放電集中によるアークの発生を防止し、材料ガスを使用し薄膜を形成するような場合に好適に用いられる。
図3(c)は、主電極、第1の副電極、第2の副電極の第3の形態で、
主電極1012、第1の副電極1022、第2の副電極1032の第3の電極母材1012a、1022a、1032aの両端部の角q3に丸め等の処理がなくストレートになっている。
誘電体1012b、1022b、1032bは電極母材1012a、1022a、1032aの少なくとも周面に被覆されている。また、誘電体の両端部コーナーP3は僅かな丸めが施されている。
放電の強度が弱い表面処理などを行うような場合に用いることができる。
本発明においては図3(a)及び図3(b)に示した電極が好適に用いられるが、製作する製品により図3(c)に示した電極を用いても良く、適宜選択使用される。
以上により、複数の目的のプラズマ放電処理を主電極と複数の副電極とにより可能としている。
図4は、プラズマ放電処理装置の第1の実施の形態を示す平面概略図である。
図ではプラズマ放電処理装置1を分かりやすいように各電極を平面的に展開してある。
製品の品種、幅等の変更により基材幅が変わり、基材F(実線)が基材Fより狭幅の基材F’(一点鎖線)となった場合の電極とガスの供給との切替について説明する。
主電極101に接続された第1の高周波電源51と、第1の副電極102に接続された第2の高周波電源52と、第2の副電極103に接続された第3の高周波電源53とはそれぞれ制御手段CRに接続され出力のON/OFFが制御されている。
また、対向領域31に混合ガスを供給する第1のガス供給手段41と排ガス等を排気する第1の排気手段42(不図示)、及び対向領域32に混合ガスを供給する第2のガス供給手段43と排ガス等を排気する第2の排気手段44(不図示)とはそれぞれ制御手段CRに接続され給排気のON/OFFが制御されている。
基材Fは前述したように主電極101と第1の副電極102と第2の副電極103に巻回されながら搬送されている。
プラズマ放電処理方法について説明すると、
(1)主電極101と第1の副電極102間に第1の高周波電源51と第2の高周波電源52とにより対向領域31に発生した高周波電界及び第1のガス供給手段41により供給された混合ガスにより対向領域31で発生した大気圧プラズマ放電により基材F表面に薄膜が形成される。
第1のガス供給手段41は後述するように基材Fの幅と略同幅に混合ガスを供給している。
(2)機材Fは薄膜が形成されながら矢印方向に搬送される。
(3)基材F(実線)と基材Fより幅の狭い基材F’(一点鎖線)との接合部J1がプラズマ放電処理装置1上流近傍に到達する。
(4)接合部J1が対向領域31に到達する以前にガス供給手段41からの混合ガスの供給が停止され、第1の高周波電源51及び第2の高周波電源52からの電力供給が停止され、プラズマ放電が停止すると共に基材の搬送が停止される。
これにより、電極の基材F’が搬送されていない部分に薄膜等が堆積付着するのを防止する。
(5)搬送停止中に第2のガス供給手段43からの混合ガスの供給と第1の高周波電源51及び第2の高周波電源53からの電力供給とを開始し基材の搬送を再開する。
(6)第1の高周波電源51と第3の高周波電源53とにより対向領域32に発生した高周波電界及び第2のガス供給手段43により供給された混合ガスにより、対向領域32で発生した大気圧プラズマ放電により基材F’表面に薄膜が形成される。
なお、第2のガス供給手段43は後述するように基材F’の幅と略同幅に混合ガスを供給している。
また、基材Fより狭幅の基材F’(一点鎖線)が、基材F(実線)となった場合について説明すると、
(1)主電極101と第2の副電極103間に第1の高周波電源51と第3の高周波電源53とにより対向領域32に発生した高周波電界及び第2のガス供給手段43により供給された混合ガスにより対向領域32で発生した大気圧プラズマ放電により基材F’表面に薄膜が形成されている。
この時、混合ガスは基材F’幅と略同幅に供給されている。
(2)機材F’は薄膜が形成されながら矢印方向に搬送される。
(3)基材Fより幅の狭い基材F’(一点鎖線)と基材F(実線)との接合部J2がプラズマ放電処理装置1上流近傍に到達する。
(4)接合部J2が対向領域31を通過後ガス供給手段43からの対向領域32への混合ガスの供給が停止され、第1の高周波電源51及び第3の高周波電源53からの電力供給が停止され、プラズマ放電が停止すると共に基材の搬送が停止される。
これにより基材F’が搬送されていない部分に薄膜等が堆積付着するのを防止する。
(5)第1の高周波電源51と第2の高周波電源52とにより対向領域31に発生した高周波電界及び第1のガス供給手段41により供給された混合ガスにより、対向領域31で発生した大気圧プラズマ放電により基材F表面に薄膜が形成される。
なお、第1のガス供給手段41は後述するように基材Fの幅と略同幅に混合ガスを供給している。
また、プラズマ放電処理装置1の上流に前後の基材を接合する接合装置(不図示)を設け、基材Fと基材F’とを接合しても良い。
図5は、主電極と副電極と基材との位置関係を示す説明図である。
図5(a)は主電極101と第1の副電極102と基材Fとの関係を示している。
基材Fに対して主・副電極の全長は略同一な(基材Fより狭い)長さを有している。
主電極101と第1の副電極102について説明すると、両電極は同一の構成・寸法を有している。
L1は全長。L12は実質的に基材を搬送可能な範囲で、両端部コーナーpの丸め部(面取りでも直角でも良い)を除いた基材搬送部長さ。L13はロール電極母材長さ。L14は放電が可能な範囲で、ロール電極の両端部コーナーqの面取り部(丸めでも良い)を除いた放電可能幅寸法。L15は放電空間11にガスを供給する範囲のガス供給幅寸法。を示している。
L61は基材Fの幅寸法で、下記の条件を満たしている。
L1>L12≧L61>L14≧L15
L13>L14
なお、基材Fは電極から離間して図示したが実際は電極に密接して巻回されている。
また、主電極101と第1の副電極102とは同一長さの放電可能寸法L14を有し、軸方向同一位置に対向しているので、プラズマ放電領域幅は放電可能寸法L14内で且つガス供給幅寸法L15内(厳密には放電の電極外への広がり及びガスのガス供給幅外への拡散により若干広くなる)となる。
以上の構成により、主電極101と第1の副電極102との放電可能幅寸法L14の対向領域に第1の高周波電源51と第2の高周波電源52とにより発生する高周波電界と、第1のガス供給手段41により放電空間11のガス供給幅寸法L15に供給された混合ガスとによりプラズマが発生し、搬送される基材F’表面に薄膜が堆積・形成される。
図5(b)は主電極101と、第2の副電極103と、基材Fより狭幅の基材F’との関係を示している。
基材と第2の副電極の誘電体とが異なる以外は、主電極101、第2の副電極103とも主電極101、第1の副電極102と同一の構成・寸法を有し変わらない。
第2の副電極103について説明すると、第2の副電極103の誘電体は、基材F’が通過する部分でプラズマ放電を起こす被覆厚さt1を有し(誘電体被覆部C)、基材F’が通過しない位置でプラズマ放電を起こさない被覆厚さt2の誘電体103cが被覆されている(誘電体被覆部D)。
なお、誘電体103cの厚さt2は実際使用する電圧等の条件下でプラズマ放電を起こさない厚さがあればよい。厚さt1部と厚さt2部が同じ材質の場合は電極母材の直径は誘電体被覆部Cに対して誘電体被覆部Dが細くなっている。
L12’は第2の副電極102の、両端部コーナーpの面取り部(丸めでも良い)を除いた実質的に基材を搬送可能な範囲で、基材搬送部長さを示している。なお、実際の基材F’の搬送は基材搬送部長さL12’のうち誘電体被覆部Cで行われる。
L13はロール電極母材長さ。
L14’は主電極101と第2の副電極103とが対向し、基材F’の幅に対応する放電可能な放電可能幅の寸法を示している。
L15’は放電空間11’にガスを供給する範囲のガス供給幅寸法。を示している。
L62は基材F’の幅寸法で、下記の条件を満たしている。
L1>L12=L12’≧L62>L14’≧L15’
なお、基材F’は電極から離間して図示したが実際は電極に密接して巻回されている。
また、第2の副電極103の誘電体被覆厚さがt2の部分ではプラズマ放電は発生しないため、プラズマ放電領域幅は基材F’の幅に対応する放電可能幅寸法L14’内で且つガス供給幅寸法L15’内(厳密には放電の電極外への広がり及びガスのガス供給幅外への拡散により若干広くなる)となる。
以上の構成により、主電極101の放電可能幅寸法L14と2の副電極103の放電可能幅寸法L14’の対向領域に第1の高周波電源51と第3の高周波電源53とにより発生する高周波電界と、第2のガス供給手段43により放電空間11’のガス供給幅寸法L15’に供給された混合ガスとによりプラズマが発生して搬送される基材F’表面に薄膜が堆積・形成される。
なお、第2の副電極103は、厚さt2の誘電体の代わりに異なる絶縁物(誘電体)で構成しても良い。例えばカラー状の絶縁部材を電極母材103a’に対して圧入されている。
図6は、ガス供給手段および排ガス排気手段の説明図である。
図6(a)は、基材Fを処理する場合の説明図で、主電極と第1の副電極との放電空間に混合ガスを供給する第1のガス供給手段41は、生成された混合ガスGを混合ガス供給ノズル120aに向けて供給するガス供給ブロア121aと、混合ガスGの通路である配管122aと、混合ガスGを混合ガス供給ノズル120に供給ON/OFFする開閉弁123aと、混合ガス供給ノズル120aとを有している。
混合ガス供給ノズル120aの図示y方向の長さは図5(a)で示したガス供給幅寸法L15の長さを有している。
これにより、基材Fが搬送中は開閉弁123aをON(開)とすることにより基材F周囲(ガス供給幅寸法L15)に混合ガスの供給が可能となる。
第1の排気手段42は、排ガスG’やパーティクルをプラズマ放電処理装置外部に放出する排気ブロア131aと、排ガスG’やパーティクルの通路である配管132aと、排ガスG’等を排気ノズル130aから排気ON/OFFする開閉弁133aと、排気ノズル130aとを有している。
排気ノズル130aの図示y方向の長さは混合ガス供給ノズル120aと同じ長さを有している。
これにより、基材Fが搬送中は開閉弁133aをON(開)とすることにより基材F周囲(ガス供給幅寸法L15と同寸法)から排ガスやパーティクルの排除が可能となる。
図6(b)は、基材Fより狭幅の基材F’を処理する場合の説明図で、主電極と第2の副電極との放電空間に混合ガスを供給する第2のガス供給須段43は、生成された混合ガスGを混合ガス供給ノズル120a’に向けて供給するガス供給ブロア121a’と、混合ガスGの通路である配管122a’と、混合ガスGを混合ガス供給ノズル120a’に供給ON/OFFする開閉弁123a’と、混合ガス供給ノズル120a’とを有している。
混合ガス供給ノズル120a’の図示y方向の長さは図5で示したガス供給幅寸法L15の長さを有している。
これにより、基材Fが搬送中は開閉弁123a’をON(開)とすることにより基材F周囲(ガス供給幅寸法L15’)に混合ガスの供給が可能となる。
第1の排気手段42は、排ガスG’やパーティクルをプラズマ放電処理装置外部に排気する排気ブロア131a’と、排ガスG’やパーティクルの通路である配管132a’と、排ガスG’等を排気ノズル130a’から排気ON/OFFする開閉弁133a’と、排気ノズル130a’とを有している。
排気ノズル130a’の図示y方向の長さは混合ガス供給ノズル120a’と同じ長さを有している。
これにより、基材Fが搬送中は開閉弁133aをON(開)とすることにより基材F周囲(ガス供給幅寸法L15’と同寸法)から排ガスやパーティクルの排除が可能となる。
以上、図示したように狭幅の基材F’を主・副電極の片端面側に寄せて搬送する構成(片側基準搬送)について説明したが、主電極の中央に基材の中央を合わせるようにして搬送する構成(中央基準搬送)としても良い。この場合は図4及び図5の誘電体被覆部Cと、図6の混合ガス供給ノズル120a’と、排気ノズル130a’とは電極の中央に位置するように設ける。
ガス供給ブロア及び排気ブロア及び開閉弁の選択的なON/OFFすなわち、基材F搬送時はガス供給ブロア121aと排気ブロア131aと開閉弁123aと開閉弁133aをON、ガス供給ブロア121a’と排気ブロア131a’と開閉弁123a’と開閉弁133a’をOFFとし、基材F’搬送時はガス供給ブロア121a’と排気ブロア131a’と開閉弁123a’と開閉弁133a’をON、ガス供給ブロア121aと排気ブロア131aと開閉弁123aと開閉弁133aをOFFとすることにより、基材の幅に応じて混合ガスの供給及び排ガスの排気幅の切替が可能となり、エネルギーの節約が可能となる。
なおブロアはONのままで開閉弁のみをON/OFFしても良い。
以上1本の主電極と主電極を囲む異なるプラズマ放電領域幅を有する2本の副電極とを設け、主電極と基材の幅に応じた副電極との間に、基材の幅に応じた幅で混合ガスを供給し高周波電界を発生させ、基材幅に応じた幅のプラズマ放電処理を行う構成・方法について説明したが、1本(複数本)の主電極と各主電極を囲む異なるプラズマ放電領域幅を有する2本以上の副電極とを設けることにより、複雑な多層の薄膜を形成させることも可能なことは言うまでもなく、また、幅の異なる各種の基材を順次接合することにより効率的に各種の幅の基材に基材幅に合わせてプラズマ放電処理を行うことも可能となる。
図7は、プラズマ放電処理装置の第2の実施の形態を示す概略図である。
第2の実施の形態は、副電極を固定電極にしたもので、1つの回転するローラ状の主電極に対して複数の固定電極を配し、主電極と各固定電極間でプラズマ放電を発生させプラズマ放電処理を行っている。なお、各固定電極の放電可能部分の幅はそれぞれ各種の基材幅に応じている。
第2の形態である第2のプラズマ放電処理装置2は、図1を参照して説明した主電極101と同一な、回転するローラ状の主電極101と、主電極101の周囲に同心的に配置された棒状の第1の固定電極301〜棒状の第5の固定電極305と、第1の固定電極301〜第5の固定電極305に接続された第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310と、主電極101と第1の固定電極301〜第5の固定電極305との各対向領域311〜315に混合ガスGを供給する第1のガス供給手段316〜第5のガス供給手段320と、各対向領域311〜315から排ガスG’等を排気する第1の排気手段321〜第5の排気手段325と、上記部材で構成される第1のプラズマ放電ユニット326〜第5のプラズマ放電ユニット330間でガスが拡散し合わないようにした仕切板331を有している。
なお、例えばアルゴン等の放電開始電圧が低い放電ガスを使用する場合は電極の一方をアースに接続し、他方の電極に高周波電力を供給する高周波電源を接続しても良い。
第1の固定電極301〜第5の固定電極305は搬送される各種の基材の幅に応じた放電可能部分の幅を有している。また、第1のガス供給手段316〜第5のガス供給手段320と第1の排気手段321〜第5の排気手段325とは当該固定電極の放電可能部分の幅より狭いガス供給幅とガス排気幅を有している。
例えば第1の固定電極301及び主電極101が基材Fに薄膜を形成するものとし、第2の固定電極302及び主電極101が基材Fより狭幅の基材F’に薄膜を形成するものとすると、第1の固定電極301の放電可能部分の幅と第1のガス供給手段316と第1の排気手段321とは基材Fの幅より狭くなっている。また、第2の固定電極302の放電可能部分の幅と第2のガス供給手段317と第2の排気手段322とは基材F’の幅より狭くなっている。
その場合の作用について説明すると、基材Fが搬送中は主電極101の高周波電源51と第1の固定電極301の第1の高周波電源306とがONとなり対向領域311に高周波電界を発生させ、第1のガス供給手段316から供給された混合ガスGを活性化して基材F表面に薄膜を堆積・形成させる。排ガスG’や発生したパーティクル等は第1の排気手段321により排気される。
基材F後端に基材Fより狭幅の基材F’が接合された基材F’が搬送されると第1の高周波電源306と第1のガス供給手段316と第1の排気手段321とをOFFにして第1のプラズマ放電ユニット326によるプラズマ放電処理を停止し、次いで第2の高周波電源307と第2のガス供給手段317と第2の排気手段322とをONにして第2のプラズマ放電ユニット327によるプラズマ放電処理を開始する。
図8は、固定電極の概念図である。
主電極101は図2(a)において説明した主電極101と同一なので説明を省略する。
図8(a)は基材Fと、主電極101と第1の固定電極301との関係を示し、
第1の固定電極301は図2(b)において説明した回転可能な第1の副電極102を固定した略棒状をなす電極にしたもので電極母材と誘電体の構成・材質等基本的な構成は同一なので説明を省略する。
301aは電極母材、301bは厚さt1の誘電体である。
図8(b)は基材Fより狭幅の基材F’と、主電極101と第2の固定電極302との関係を示し、
第2の固定電極302は図2(c)において説明した回転可能な第2の副電極103を固定した略棒状をなす電極にしたもので電極母材と誘電体の構成・材質等基本的な構成は同一なので説明を省略する。
303aは電極母材、303bは厚さt1の誘電体、303cは厚さt2の誘電体である。誘電体303cではプラズマ放電は発生しない。
誘電体を主電極と固定電極との対向面または、対向面と直角面の対向面近傍とに被覆するようにしても良い。
図9は、プラズマ放電処理装置の第3の実施の形態を示す概略図である。
第3の実施の形態は基本的に図7で説明した主電極を平板状にし、主電極と図7の固定電極に相当する平板電極との間に基材を直線上に搬送するものである。
なお本実施の形態ではウエブ状の基材を処理することも可能であるが、毎葉のシート状の基材を搬送する搬送手段によりシート基材を電極対向領域に搬送することでシート状の基材のプラズマ放電処理に好適に用いることができる。
なお、各固定電極の放電可能部分の幅はそれぞれ各種の基材幅に応じている。
平板状の主電極401と主電極401に離間して平行に配置された副電極である平板または棒状の第1の平板電極402と第2の平板電極403と、主電極401に接続された第1の高周波電源410と第1の平板電極402及び第2の平板電極403に接続された第2の高周波電源411と第3の高周波電源412と、
主電極401に対する、第1の平板電極402と第2の平板電極403との対向領域413と対向領域414に混合ガスGを供給する第1のガス供給手段404と第2のガス供給手段406と、対向領域413、414から排ガスG’等を排気する第1の排気手段405と第2の排気手段407と、上記部材で構成される第1のプラズマ放電ユニット420と第2のプラズマ放電ユニット430間でガスが拡散し合わないようにした仕切板408と、を有している。
なお、例えばアルゴン等の放電開始電圧が低い放電ガスを使用する場合は主電極または副電極をアースに接続し、他の電極に高周波電力を供給する高周波電源を接続しても良い。
例えば、基材Fは第1の副電極を用いてプラズマ放電処理を行い、基材Fより狭幅の基材F’は第2の平板電極403を用いてプラズマ放電処理を行うとすると、主電極401と第1の平板電極402は基材(F)の幅に応じた放電可能部分を有し、第2の平板電極403は搬送される基材(F’)の幅に応じた放電可能部分の幅を有している。
そして、第2の平板電極403の基材F’の通過部分は放電可能な厚さの誘電体403bが被覆され放電可能部分となり、他の部分は放電不能な厚さの誘電体403b’が被覆されている。
また、第2のガス供給手段406と第2の排気手段407とは放電可能部分より狭いガス供給幅とガス排気幅を有している。
その場合の作用について説明すると、基材Fが搬送中は主電極401の高周波電源410と第1の平板電極402の第2の高周波電源411とがONとなり対向領域413に高周波電界を発生させ、第1のガス供給手段404から供給された混合ガスGを活性化して基材F表面に薄膜を堆積・形成させる。排ガスG’や発生したパーティクル等は第1の排気手段405により排気される。
基材F後端に基材Fより狭幅の基材F’が接合された基材F’が搬送されると第2の高周波電源411と第1のガス供給手段404と第1の排気手段405とをOFFにして第1のプラズマ放電ユニット420によるプラズマ放電処理を停止し、次いで第3の高周波電源412と第2のガス供給手段406と第2の排気手段407とをONにして第2のプラズマ放電ユニット430によるプラズマ放電処理を開始する。
以上、制御手段CRを副電極切替手段として高周波電源のON/OFFやガス供給手段のON/OFFを自動的に行う構成について説明したが、手動の切り替えスイッチを高周波電源やガス供給手段に設け、目的のプラズマ放電処理内容に従ってオペレータがON/OFFできるようにしても良い。
以下、主電極に接続する第1の高周波電源51、副電極に接続する第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、固定電極に接続する第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310について説明する。
第1の高周波電源51、第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、及び固定電極に接続する第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310はそれぞれ副電極切替手段である制御手段CRに接続され、目的のプラズマ放電処理或いは基材幅に応じて出力電圧のON/OFFが制御されている。
第1の高周波電源51としては、特に限定はないが、神鋼電機製高周波電源(3kHz)、神鋼電機製高周波電源(5kHz)、春日電機製高周波電源(15kHz)、神鋼電機製高周波電源(50kHz)、ハイデン研究所製高周波電源(100kHz)等が使用できる。
ハイデン研究所製高周波電源(100kHz)はパルスモードと呼ばれる発振のON/OFFを断続的に行う断続発振モードを有しているが、各電源から供給する電圧波形は他の電源の様な連続的なサイン波形でも、ハイデン研究所製高周波電源のような断続発振波形でも良い。
なお、第1の高周波電源51より主電極51に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.5kV〜10kV程度で、1kHz以上で200kHz以下に調整される。ここで高周波電源の電圧波形に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが、連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310としては、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用できる。
第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310より副電極、固定電極に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.1kV〜10kV程度で、電源周波数は電源周波数は100kHz以上150MHz以下に調整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと前述したパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良い。
なお、各高周波電源と各電極との間には、フィルタが設置されており、高周波電源から対応する電極への電流を通過しやすくし、他の高周波電源から自高周波電源に流れ込もうとする電流をアースして自高周波電源へ電流が通過しにくくなるようになっている。
また、第1の高周波電源51は周波数ω1、電極の放電面の単位面積当たり出力電流I1、主電極51と副電極及び固定電極との間に電界強度V1の印加を可能とし、
第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310は周波数ω2、電極の放電面の単位面積当たり出力電流I2、副電極及び固定電極と主電極との間に電界強度V2の印加を可能としている。
そして、第1の高周波電源51と、第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310とにより電極の対向領域31、32、311、312、313、314、315に周波数ω1と周波数ω2が重畳された高周波電界を発生させる。
放電ガスを窒素とした場合、窒素に対して放電を開始させる両電極間に印加する電界強度をIVとすると、安定して放電が開始し、放電開始後も薄膜形成ガス等を安定して励起できるように、
各電源の関係はω2>ω1、及び、V1≧IV>V2またはV1>IV≧V2の関係を有し、窒素の放電開始可能な電界強度は3.7kV/mmの為、窒素の放電開始可能な電界強度をIVとすると、少なくとも第1の高周波電源51から印可する電界強度V1は3.7kV/mm、またはそれ以上とし、第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310から印可する電界強度V2は3.7kV/mm、またはそれ未満とすることが好ましい。
また、電流はロール電極の放電面の単位面積当たり、I1<I2となることが好ましい。電流I1は、好ましくは0.3mA/cm2〜20mA/cm2、さらに好ましくは1.0mA/cm2〜20mA/cm2である。また、電流I2は、好ましくは10mA/cm2〜100mA/cm2、さらに好ましくは20mA/cm2〜100mA/cm2である。
なお、第1の高周波電源51及び第2の高周波電源52、第3の高周波電源53、第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310に関する周波数ω1、ω2、印加する電界強度V1、V2、の関係はω1>ω2、及び、V1≦IV<V2またはV1<IV≦V2としても良い。
以下に、ガス供給手段から供給するガスについて説明する。
本発明において供給するガスは、プラズマ放電処理の内容により異なるが、例えば表面処理を行う場合は放電ガス(例えば酸化処理等を行う場合は酸素ガス)を供給し、薄膜を形成したい場合は、基材上に設けたい薄膜の種類によって異なるが、基本的に、放電を行わせる放電ガスと、薄膜を形成するための材料ガス(反応性ガス)の混合ガスである。
上記混合ガス中の放電ガスとは、窒素、また、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、処理速度を早くしコスト的にも安価な特に窒素が好ましく用いられる。
反応性ガスは、形成する薄膜に応じ他ガスが適宜選択され、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましく、薄膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
例えば、反応性ガスとしてジンクアセチルアセトナート、トリエチルインジウム、トリメチルインジウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、エトラエチル錫、エトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫などから選択された少なくとも1つの有機金属化合物を含む反応性ガスを用いて、導電性膜あるいは帯電防止膜、あるいは反射防止膜の中屈折率層として有用な金属酸化物層を形成することができる。
また、フッ素含有化合物ガスを用いることによって、基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エネルギーを低くし、撥水性表面を得る撥水膜を得ることが出来る。フッ素元素含有化合物としては、6フッ化プロピレン(CF3CFCF2)、8フッ化シクロブタン(C4F8)等のフッ素・炭素化合物が挙げられる。安全上の観点から、有害ガスであるフッ化水素を生成しない6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタンを用いる。
また、分子内に親水性基と重合性不飽和結合を有するモノマーの雰囲気下で処理を行うことにより、親水性の重合膜を堆積させることもできる。上記親水性基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド基、4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等の親水性基等が挙げられる。又、ポリエチレングリコール鎖を有するモノマーを用いても同様に親水性重合膜の堆積が可能である。
上記モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用できる。
また、有機フッ素化合物、珪素化合物またはチタン化合物を含有する反応性ガスを用いることにより、反射防止膜の低屈折率層または高屈折率層を設けることが出来る。
有機フッ素化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられる。フッ化炭素ガスとしては、4フッ化炭素、6フッ化炭素、具体的には、4フッ化メタン、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン等が挙げられる。前記のフッ化炭化水素ガスとしては、2フッ化メタン、4フッ化エタン、4フッ化プロピレン、3フッ化プロピレン等が挙げられる。
更に、1塩化3フッ化メタン、1塩化2フッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることが出来るがこれらに限定されない。また、これらの化合物が分子内にエチレン性不飽和基を有していても良い。前記の化合物は単独でも混合して用いても良い。
また、有機フッ素化合物が常温、常圧で気体である場合は、混合ガスの構成成分として、そのまま使用できるので最も容易に本発明の方法を遂行することができる。しかし、有機フッ素化合物が常温・常圧で液体又は固体である場合には、加熱、減圧等の方法により気化して使用すればよく、また、又、適切な溶剤に溶解して用いてもよい。
また、上記記載の混合ガス中に水素ガスを0.1〜10体積%含有させることにより薄膜の硬度を著しく向上させることが出来る。また、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素から選択される成分を0.01〜5体積%含有させることにより、反応を促進させることができる。
上記記載の珪素化合物、チタン化合物としては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。また、上記記載の珪素化合物、チタン化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。珪素化合物、チタン化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解される為、基材上への薄膜の形成、薄膜の組成などに対する影響は殆ど無視することが出来る。
上記記載の珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシランなどの有機金属化合物、モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化シランなどの金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、オルガノシランなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出来る。
チタン化合物としては、テトラジメチルアミノチタンなどの有機金属化合物、モノチタン、ジチタンなどの金属水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの金属アルコキシドなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。
反応性ガスに有機金属化合物を添加する場合、例えば、有機金属化合物としてLi,Be,B,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Cd,In,Ir,Sn,Sb,Cs,Ba,La,Hf,Ta,W,Tl,Pb,Bi,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選択される金属を含むことができる。より好ましくは、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
図10は、プラズマ放電処理装置の電極の切替に関する制御のブロック図である。
プラズマ放電処理装置1(第2のプラズマ放電処理装置2)は制御手段CR及び、
制御手段CRに接続された、オペレータが基材の幅を入力する操作パネルPと、第1の高周波電源51(第1の高周波電源51)と、第2の高周波電源52及び第3の高周波電源53(第1の高周波電源306〜第5の高周波電源310)と、第1のガス供給手段41と第1の排気手段42と第2のガス供給手段43と第2の排気手段44(第1のガス供給手段316〜第5のガス供給手段320と第1の排気手段321〜第5の排気手段325)を有し、
制御手段CRは、CPUと、プラズマ放電処理装置全体の制御プログラムが予め記憶されているROM(リードオンリーメモリ)・Mと、各種データ等を読み書きするバッテリーバックアップされたRAM(ランダムアクセスメモリ)・M1と、各種入力部材や各種出力部材とのインターフェースユニットI/Oとを有している。
図11は、プラズマ放電処理装置の電極の切替に関する制御のフロー図である。
ここでは説明を分かりやすくするため、プラズマ放電処理方法のうち、図1に示したプラズマ放電処理装置1について薄膜を形成する場合について説明するが、図7、9に示したプラズマ放電処理装置についても基本的に同様なフローによる制御が行われるので説明を省略する。また基材の表面処理等を行うことも可能である。
以下のフローに記載の制御は制御手段CRにより行われる。
薄膜の形成中に(ステップS101)、操作パネルPの操作スイッチ等の操作内容を読み込み、現在の基材幅と新たに選択された基材の幅を読み込む(ステップS102)。
現在と新たに選択された基材の幅が異なっているかいないかを比較し(ステップS103)、異なっている場合(Y)は新たに選択された基材幅に対応するプラズマ放電領域幅を有する副電極を決定する(ステップS104)。そして薄膜の形成を停止する(基材の搬送停止、高周波電源OFF、混合ガス停止、排ガス排気停止)(ステップS105)。薄膜の形成を停止後、決定された副電極に接続される高周波電源と、決定された副電極に対応するガス供給手段と排気手段とをONとする(ステップS106)。
全てがONとなった後薄膜形成を開始する(基材の搬送開始)(ステップS107)。
ステップS103で基材幅の変更無しと判断された場合は(N)何もせず薄膜の形成を継続する。
プラズマ放電処理装置の第1の実施の形態を示す側面概略図である。 主・副電極の一例を示す説明図である。 主・副電極の端部コーナーの一例を示す説明図である。 プラズマ放電処理装置の第1の実施の形態を示す平面概略図である。 主電極と副電極と基材との位置関係を示す説明図である。 ガス供給手段および排ガス排気手段の説明図である。 プラズマ放電処理装置の第2の実施の形態を示す概略図である。 固定電極の概念図である。 プラズマ放電処理装置の第3の実施の形態を示す概略図である。 プラズマ放電処理装置の電極の切替に関する制御のブロック図である。 プラズマ放電処理装置の電極の切替に関する制御のフロー図である。
符号の説明
1 プラズマ放電処理装置
31 対向領域
32 対向領域
41 第1のガス供給手段
42 第1の排気手段
43 第2のガス供給手段
44 第2の排気手段
51 第1の高周波電源
52 第2の高周波電源
53 第3の高周波電源
101 主電極
101a 電極母材
101b 誘電体
102 第1の副電極
102a 電極母材
102b 誘電体
103 第2の副電極
103a 電極母材
103a’ 電極母材
103b 誘電体
103c 誘電体(絶縁物)
F 基材
F’基材
G1 ガス
G2 ガス
t1 被覆厚さ
t2 被覆厚さ

Claims (19)

  1. 主電極と主電極に対向する副電極との対向領域で基材にプラズマ放電処理を行うプラズマ放電処理装置において、
    前記主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極と、複数の目的のプラズマ放電処理に応じた複数の副電極にプラズマ放電の発生を切り替える副電極切替手段とを有し、
    前記主電極と前記副電極切替手段に切り替えられた副電源との対向領域にプラズマ放電を発生させ、目的のプラズマ放電処理を行うことを特徴とするプラズマ放電処理装置。
  2. 前記主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極との対向領域に少なくとも放電ガスを供給する複数のガス供給手段とを有し、
    前記副電極切替手段は、前記主電極と目的のプラズマ放電処理に応じた副電極との対向領域間に、前記ガス供給手段からの少なくとも放電ガスの供給を切り替えるガス切替手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ放電処理装置。
  3. 主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極との対向領域のうちいずれかの対向領域に高周波電界を発生させる高周波電源を有し、
    前記副電極切替手段は、前記主電極と目的のプラズマ放電処理に応じた副電極との対向領域間に、前記高周波電源によるプラズマ発生を切り替える電源切替手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ放電処理装置。
  4. 前記目的のプラズマ放電処理は、基材の表面処理、または薄膜形成処理であることを特徴とする請求項1または3に記載のプラズマ放電処理装置。
  5. 前記目的のプラズマ放電処理は、幅の異なる基材への表面処理、または幅の異なる基材への薄膜形成処理であることを特徴とする請求項1または3に記載のプラズマ放電処理装置。
  6. 前記目的のプラズマ放電処理に応じた副電極は、それぞれ幅の異なる基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極であることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ放電処理装置。
  7. 前記ガス切替手段は、主電極に対向する少なくとも2つの副電極のうち搬送する基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極と、主電極との対向領域に、前記ガス供給手段からの少なくとも放電ガスの供給を切り替え、
    前記電源切替手段は、主電極に対向する少なくとも2つの副電極のうち搬送する基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極と、主電極との対向領域に、前記高周波電源によるプラズマ発生を切り替えるものであることを特徴とする請求項5または6に記載のプラズマ放電処理装置。
  8. 前記副電極は、搬送する基材の目的のプラズマ放電処理に応じた誘電体の幅及び厚さ及び材質を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  9. 前記ガス切替手段に、搬送する基材の幅に応じた放電可能部分をもつ副電極と該副電極に対向する主電極との対向領域に前記ガス供給手段からの少なくとも放電ガスを供給するように切り替えさせ、且つ、前記電源切替手段に、搬送する基材の幅に応じた放電可能部分をもつ副電極と主電極間にプラズマ放電を発生させる高周波電源に高周波電界を発生させてプラズマ放電を行わせるように切り替えさせて、プラズマ放電処理を行わせる制御手段と、を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  10. 前記主電極及び前記副電極は回転可能なローラ状の電極で、ローラ状の副電極はローラ状の主電極の周囲に同心的に配設されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  11. 前記主電極は回転可能なローラ状の電極で、前記副電極は固定された棒状の電極で、棒状の副電極はローラ状の主電極の周囲に同心的に配設されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  12. 前記主電極は平板状の電極で、前記副電極は前記主電極に平行に離間した平板状の電極で、前記主電極は前記副電極に対し機材搬送方向に2倍以上の長さを有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  13. プラズマ放電は大気圧またはその近傍の圧力環境で行われることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  14. それぞれ幅の異なる基材の幅に応じた放電可能部分を有する副電極は、放電可能部分の長さが異なり、放電可能部分はプラズマ放電可能な厚さの誘電体で被覆され、放電不能部分はプラズマ放電不能な厚さの誘電体で被覆されていることを特徴とする請求項6〜13のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  15. 基材の表面にプラズマ放電処理を行うプラズマ放電処理方法において、
    主電極と主電極に対向する少なくとも2つの副電極とのうち、目的のプラズマ放電処理に応じた副電極を選択使用して、目的のプラズマ放電処理を行うことを特徴とするプラズマ放電処理方法。
  16. 前記目的のプラズマ放電処理は、基材の表面処理、または薄膜形成処理であることを特徴とする請求項15に記載のプラズマ放電処理方法。
  17. 前記目的のプラズマ放電処理は、幅の異なる基材への表面処理、または幅の異なる基材への薄膜形成処理であることを特徴とする請求項15に記載のプラズマ放電処理方法。
  18. 複数の幅の基材にプラズマ放電処理を可能なプラズマ放電処理方法において、
    新たに選択された基材の幅情報を読み込む工程と、新たに選択された基材幅に対応する放電可能幅を有する副電極を決定する工程と、高周波電源とガス供給手段と排気手段と基材搬送をOFFしてプラズマ放電処理を停止する工程と、決定された副電極に接続される高周波電源と、決定された副電極に対応するガス供給手段と排気手段と、をONとする工程と、全てがONとなった後プラズマ放電処理を開始する工程とを含むことを特徴とするプラズマ放電処理方法。
  19. プラズマ放電は大気圧またはその近傍の圧力環境で行われることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載のプラズマ放電処理方法。
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