JP2001194892A - 現像ロール - Google Patents

現像ロール

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JP2001194892A
JP2001194892A JP2000003514A JP2000003514A JP2001194892A JP 2001194892 A JP2001194892 A JP 2001194892A JP 2000003514 A JP2000003514 A JP 2000003514A JP 2000003514 A JP2000003514 A JP 2000003514A JP 2001194892 A JP2001194892 A JP 2001194892A
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elastic
foam layer
developing roll
roll
developing
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Atsushi Ota
温 太田
Noriyuki Kamiya
紀行 神谷
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロールの外径の変化及びロール表面の形状の
変化を最小限に抑えて画像品質を向上させた低硬度の現
像ロールを提供する。 【解決手段】 芯軸1の周囲に弾性発泡体層2を有する
現像ロール20において、該弾性発泡体層2の外周部2
a及び端部2bに、これらと隣接するようにして、弾性
非発泡体層3を一体的に設ける。前記弾性非発泡体層3
を構成する重合体は、好ましくは、エピクロロヒドリン
ゴム又はニトリルゴムである。前記弾性非発泡体層3を
構成する重合体には、好ましくは、可塑剤として、該重
合体と繰り返し単位を同じくする液状重合体を非架橋状
態に分散させる。前記弾性非発泡体層3は、好ましく
は、無機充填材を50容積%以上含有する。前記無機充
填材の平均粒子径は、好ましくは、3μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の電子写真装置において用いられる
現像ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いた画像形成装置にお
いては、高画質化するために、接触現像方式が採用され
ている。接触現像方式は、弾性を有する現像ロール上に
トナー薄層を形成し、これを静電潜像が形成された感光
体に当接させることにより、感光体上に可視像を形成す
るものである。接触現像方式には、乾式のものと湿式の
ものとがある。
【0003】一般的に、画像形成装置において高画質化
を達成するには、トナーの粒径を小さくすることが有効
であるが、乾式の接触現像方式では、トナーが粉体状で
あるために飛散するという問題があるので、トナーの粒
径を小さくするには限界がある。しかし、湿式の接触現
像方式では、トナーを液体キャリアに分散することによ
りトナーの飛散を防ぐことができるので、トナーの粒径
を小さくすることが可能であり、画像形成装置において
高画質化を達成することが可能となる。
【0004】湿式の接触現像方式では、感光体と現像ロ
ールとを低圧力で接させ、且つ、ニップ幅を大きくとる
ことが求められるので、現像ロールには、低硬度のロー
ルが適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】湿式の接触現像方式に
よる画像形成装置で要求される低硬度の現像ロールを一
般の天然ゴムや合成ゴムで得るには、これらのゴムに軟
化剤を添加しなくてはならないが、軟化剤をゴムに添加
すると、軟化剤がロールの表面に析出して感光体を汚染
してしまう。そのために、特開平7−62157号公報
には、少量の軟化剤の添加による汚染性の少ない低硬度
ゴムロール用組成物が提案されている。しかし、湿式の
接触現像方式では、現像ロールが現像液に浸かるので、
少量の軟化剤でも軟化剤が現像液へ抽出してしまい、そ
のために、ロールの硬度や外径の変化が発生し、さらに
は、ロール表面の形状の変化が発生するという問題があ
った。
【0006】軟化剤を現像ロールを構成するゴムに添加
しないで比較的容易に低硬度の現像ロールを得るには、
現像ロールを構成するゴムとしてシリコンゴムを用いる
ことが考えられる。特開平7−271177号公報に
は、シリコンゴムで構成される弾性体層上に現像液によ
る膨潤を防ぐためにフロロシリコンゴムよりなる表層を
有する現像ロールが提案されている。しかし、このよう
な現像ロールにおいては、接着状態や使用による摩耗等
の影響により、ロール端部から現像液が膨潤してしま
い、ロールの外径や形状が変化してしまうという問題が
あった。
【0007】現像ロールに弾性発泡体を用いることによ
り、低硬度の現像ロールが得られるが、弾性発泡体を用
いた弾性ロールは、現像液を吸収するので、ロールの外
径や形状が変化してしまう。そこで、かかる弾性発泡体
層の外周部に弾性非発泡体層を配置した構成の現像ロー
ルが、乾式現像方式の現像ロールとして、各種提案され
ている(特開平7−238923号公報、特開平7−2
95331号公報、特開平8−1831号公報、特開平
11−119542号公報及び特開平11−20261
5号公報を参照)。しかし、これらの現像ロールは、湿
式の画像形成装置で用いると、やはり、ロール端部から
の現像液の吸収により、ロールの外径の変化やロール表
面の形状の変化が発生してしまうという問題があった。
【0008】このような現像ロールの製造方法として
は、円筒金型内に樹脂チューブ及び芯金を配置し、その
間に液状ゴムを注入し、弾性発泡体層を形成するものが
提案されている(特開平11−223979号公報及び
特開平11−223980号公報を参照)。これらの方
法によれば、表面が平滑な低硬度の現像ロールを得るこ
とができるが、これらの現像ロールでは、表面にセルの
凹凸影響によるうねりが発生してしまい、そのために、
このうねりにより画像にムラが発生してしまうという問
題があった。また、発泡体層と非発泡体層(スキン層)
とを一体成形し、次に、非発泡体層の表面に塗装により
別種の非発泡体の表面層を形成するものが提案されてい
る(特開平5−80650号公報を参照)。この現像ロ
ールの製造方法によれば、発泡体のセルの凹凸によるロ
ール表面のうねりは、発泡体上に非発泡体層を直接塗装
する場合より、改善することができるが、発泡時の発生
気体の抜け道が確保できないために、マクロな部分での
ロールの精度を出すのが難しく、そのために、フレが生
じたり、外径寸法の不均一が生じるという問題があっ
た。
【0009】本発明は、かかる問題を解決することを目
的としている。即ち、本発明は、ロールの外径の変化及
びロール表面の形状の変化を最小限に抑えて画像品質を
向上させた低硬度の現像ロールを提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、上記目的を達成するために、芯軸の周囲に弾性発
泡体層を有する現像ロールにおいて、該弾性発泡体層の
外周部及び端部に、これらと隣接するようにして、弾性
非発泡体層を一体的に設けたことを特徴とする現像ロー
ルである。
【0011】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載された発明において、弾性非発泡体層を構成する重
合体がエピクロロヒドリンゴム又はニトリルゴムである
ことを特徴とするものである。
【0012】請求項3に記載された発明は、請求項1又
は2に記載された発明において、弾性非発泡体層を構成
する重合体に、可塑剤として、該重合体と繰り返し単位
を同じくする液状重合体を非架橋状態に分散させたこと
を特徴とするものである。
【0013】請求項4に記載された発明は、請求項1乃
至3のいずれかに記載の発明において、弾性非発泡体が
無機充填材を50容積%以上含有することを特徴とする
ものである。
【0014】請求項5に記載された発明は、請求項4に
記載された発明において、無機充填材の平均粒子径が3
μm以下であることを特徴とするものである。
【0015】請求項6に記載された発明は、請求項4又
は5に記載された発明において、無機充填材が、その少
なくとも一部として、カーボンブラック等の導電性粉
末、及び/又は、酸化チタン、アルミナ等の半導電性粉
末を含有することを特徴とするものである。
【0016】請求項7に記載された発明は、請求項1乃
至6のいずれかに記載された発明において、弾性発泡体
層の外周部と端部との境界が面取りされていることを特
徴とするものである。
【0017】請求項8に記載された発明は、請求項1乃
至7のいずれかに記載された発明において、弾性発泡体
層と非弾性発泡体層とが接着されていることを特徴とす
るものである。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態を
示す現像ロールの断面図であり、そして、図2は、本発
明の一実施の形態を示す現像ロールを用いた現像装置の
概略説明図である。
【0019】図1において、10は現像ロールである。
現像ロール10は、金属からなる芯軸1の周囲に弾性発
泡体層2を有している。弾性発泡体層2の外周部2a及
び端部2bには、これらと隣接するようにして、弾性非
発泡体層3が一体的に設けられている。本発明によれ
ば、このように弾性発泡体層2の外周部2a及び端部2
bに弾性非発泡体層3を一体的に設けて、弾性発泡体層
2を弾性非発泡体層3で密封したので、弾性発泡体層2
が現像液を吸収することはなく、ロールの外径の変化や
ロール表面の形状の変化が発生することはない。それ
故、従来のようにゴムに軟化剤を含有させなくても低硬
度の現像ロールが得られる。
【0020】弾性発泡体層2及び弾性非発泡体層3を構
成する重合体としては、例えば、エピクロルヒドリンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリ
ルゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴ
ム、ウレタンゴム、ウレタンフォーム等のゴム又はエラ
ストマーを使用することができるが、特に、弾性非発泡
体層を構成する重合体にエピクロロヒドリンゴム又はニ
トリルゴムを用いると、これらの重合体は、現像液によ
る膨潤が生じにくいので、現像ロールの外径及び形状の
変化を最小限に抑えることができる。また、弾性発泡体
層2を膨潤しにくい弾性非発泡体層3で密封したので、
弾性発泡体層2には任意の材料を用いることができる。
【0021】本発明においては、弾性非発泡体層3を構
成する重合体に、可塑剤として、該重合体と繰り返し単
位を同じくする液状重合体を非架橋状態に分散させるこ
とができる。前記重合体と繰り返し単位を同じくする液
状重合体は、例えば、ブタジエンゴムに対しては液状ポ
リブタジエン、エピクロルヒドリンゴムに対しては液状
エピクロルヒドリンゴム、シリコンゴムに対しては液状
シリコンゴムであるが、本発明の目的に反しない限り前
記組合せ以外の組合せであってもかまわない。このよう
に弾性非発泡体層3を構成する重合体(マトリックス)
に可塑剤として該重合体と繰り返し単位を同じくする液
状重合体を非架橋状態に分散させることにより、現像液
への可塑剤の抽出を抑えつつ、加工性を向上させること
ができる。
【0022】本発明においては、弾性非発泡体層3に無
機充填材を50容積%以上含有させることができる。無
機充填材の平均粒子径は、好ましくは、3μm以下であ
る。このような無機充填材としては、炭酸カルシウム、
シリカ、マイカ、タルク、クレー等の非導電性(絶縁
性)粉末があるが、その少なくとも一部として、カーボ
ンブラック、グラファイト等の導電性粉末、及び/又
は、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物よりなる半導
電性粉末を含有することができる。本発明の目的に反し
ないかぎり、前記例示した以外の充填材であってもかま
わない。
【0023】前記弾性非発泡体層3に無機充填材を50
容積%以上含有させることにより、現像液による弾性非
発泡体層3の膨潤を半分とすることができ、そのため
に、弾性非発泡体層3の肉厚が最大2mmであっても、
現像ロールの外径変化を1μm以下に抑えることができ
る。このように現像ロールの外径変化を、1μm以下に
抑えること、即ち、設計上必要な外径公差(従来より±
数十μm)より1オーダー小さくすることができるため
に、弾性非発泡体層3に体積比率50%以上の無機充填
材を含有させた現像ロールは、経時的に極めて安定して
いると言える。また、発泡弾性層が内部に存在すると、
発泡弾性層がない場合と比べて、弾性非発泡体層3の研
削性が低下するが、弾性非発泡体層3に体積比率50%
以上の無機充填材を含有させることにより、弾性非発泡
体層3の研削性の低下を回避することができる。さら
に、弾性非発泡体層3に体積比率50%以上の無機充填
材を含有させると、その成形加工性が低下することとな
るが、弾性非発泡体層3を構成する重合体(マトリック
ス)に可塑剤として該重合体と繰り返し単位を同じくす
る液状重合体を非架橋状態に分散させることにより、加
工性の低下を回避することができる。
【0024】弾性非発泡体3に含有される無機充填材の
平均粒子径を3μm以下にすると、表面粗さRz(10
点平均粗さ)を3μm以下に抑えた表面の平滑な現像ロ
ールを得ることが可能となり、画像ムラを小さくするこ
とができる。また、カーボンブラック等の導電性粉末、
及び/又は、酸化チタン、アルミナ物等の半導電性粉末
を弾性非発泡体層3に含有させることにより、弾性非発
泡体層3における抵抗値の制御が可能となり、残像やベ
タ濃度等の画像品質に対処することができる。
【0025】本発明においては、弾性発泡体層2の外周
部2aと端部2bとの境界が面取りされている。弾性発
泡体層2の外周部2aと端部2bとの境界を面取りする
ことにより、外周部2aの材料と端部2bの材料とが成
形の過程で融合する歪みを除去することができ、成形後
の亀裂の発生や長期の使用によっても弾性発泡体層2の
外周部2aと端部2bとの境界の割れを防ぐことができ
る。
【0026】本発明においては、弾性発泡体層2と非弾
性発泡体層3とが接着されている。弾性発泡体層2と非
弾性発泡体層3との接着は、例えば、弾性発泡体層2の
外周部2aに円筒状に押し出されたゴム又はエラストマ
ーを圧入装着し、その端部2bにシート状のゴム又はエ
ラストマーを装着した後、これを円筒型と両端の駒に配
置・装着して加熱架橋(加硫)させることにより、接着
剤を用いないで行うことができる。もちろん、弾性発泡
体層2と非弾性発泡体層3との接着は、接着剤を用いて
行ってもかまわない。このように弾性発泡体層2と非弾
性発泡体層3とが接着されているので、弾性発泡体層2
と非弾性発泡体層3との剥離を防ぐことができ、長期の
使用によっても、このような剥離によるロール形状の変
化が生じない。
【0027】現像ロール10は、例えば、図2に示され
るような画像形成装置20において用いることができ
る。即ち、図2に示すように、現像ロール10は、感光
体ドラム14及び供給ロール13にそれぞれ平行に接触
している。現像液12は、例えば、トナーを粘性液体状
のキャリヤーに分散させたものであるが、容器11の中
に保有されている。容器11の中に保有された現像液4
0は、供給ロール13によって現像ロール10の表面に
供給されて所定量に薄層化され、そして、現像ロール1
0の回転によって感光体ドラム14の表面に搬送され
る。薄層化された現像液に含有されるトナーが感光体ド
ラム上に形成された静電潜像に供給され、静電潜像が可
視像化される。
【0028】
【実施例】(実施例1)芯軸の周囲にエピクロルヒドリ
ンゴムをクロス押出し、これを加熱して加硫・発泡させ
た後その表面部分を研削して、所定厚の弾性発泡体層を
有するロールとした。そして、ニトリルゴム(JSR社
製N250S)、少量の有機硫黄系加硫剤及び少量の加
硫促進剤を配合してニトリルゴム組成物とした。このニ
トリルゴム組成物を押出成形して円筒状成形物とし、こ
れを前記弾性発泡体層を有するロールに圧入装着し、さ
らに、ロールの端部に前記ニトリルゴム組成物と同一の
組成のニトリルゴム組成物で成形したシート状成形物を
装着して、弾性発泡体層を完全に覆った。次に、円筒状
成形物及びシート状成形物を装着したロールを円筒金型
内に配置し、これらを160℃で1時間加熱して加硫さ
せて、弾性発泡体層の外周部及び端部に弾性非発泡体層
を一体的に設け、続いて、弾性非発泡体層の表面を研削
して所定厚の弾性非発泡体層を有する現像ロールとし
た。
【0029】(実施例2)ニトリルゴム(JSR社製N
250S)70容積%、平均粒径1μmの炭酸カルシウ
ム(無機充填材)30容積%、少量の有機硫黄系加硫剤
及び少量の加硫促進剤を配合してニトリルゴム組成物と
した。このニトリルゴム組成物を用いて、実施例1と同
様にして、現像ロールとした。
【0030】(実施例3)ニトリルゴム(JSR社製N
250S)50容積%、平均粒径1μmの炭酸カルシウ
ム(無機充填材)50容積%、少量の有機硫黄系加硫剤
及び少量の加硫促進剤を配合してニトリルゴム組成物と
した。このニトリルゴム組成物を用いて、実施例1と同
様にして、現像ロールとした。
【0031】(実施例4)ニトリルゴム(JSR社製N
250S)30容積%、平均粒径1μmの炭酸カルシウ
ム(無機充填材)70容積%、少量の有機硫黄系加硫剤
及び少量の加硫促進剤を配合してニトリルゴム組成物と
した。このニトリルゴム組成物を用いて、実施例1と同
様にして、現像ロールとした。
【0032】(実施例5)ニトリルゴム(JSR社製N
250S)27容積%、平均粒径1μmの炭酸カルシウ
ム(無機充填材)70容積%、液状ニトリルゴム(ゼオ
ン社製Nipol1312)3容積%、少量の有機硫黄系加
硫剤及び少量の加硫促進剤を配合してニトリルゴム組成
物とした。このニトリルゴム組成物を用いて、実施例1
と同様にして、現像ロールとした。
【0033】実施例1〜5により得られた現像ロールに
ついて、表面粗さRz(10点平均粗さ)/μm、
抵抗/Ωcm、膨潤/vol%、抽出/vol%、
画像及び押出し加工性をそれぞれ評価した。前記
は、現像ロールの弾性非発泡体層から20×20×1m
mの大きさに切り出したサンプルを40℃の現像液に1
000時間浸漬した後に測定した膨潤量(vol%)で
ある。前記は、現像ロールの弾性非発泡体層から20
×20×1mmの大きさに切り出したサンプルを40℃
の現像液に1000時間浸漬した後に測定した抽出量
(vol%)である。前記は、1200dpiで評価
して、目視でムラの識別ができないものを○で示し、そ
して、目視で僅かにムラの識別ができるものを△で示し
た。前記における評価基準は、 ×1:収縮が大きく、形状が安定しない、 △1:収縮が大きく、形状を出しにくい、 △2:ヘッド圧が高く、押出速度が遅い、 とした。評価結果は、次の表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1より次のことがわかる。 (a) 無機充填材の添加量に伴ってトナー膨潤量が減少し
てくるが、これは弾性層の樹脂部分のみが変化している
ためである。無機充填材の添加は、膨潤に対して有利で
あることがわかる。
【0036】(b) 無機充填材の添加により研削後の表面
粗さに変化が見られる。特に、本発明の現像ロールは、
その下地が弾性発泡体層であるので、逃げの影響等から
その表面、即ち、弾性非発泡層の表面を均一に研削加工
することが難しい。しかし、無機充填材の添加により、
おそらく表面が硬く・脆くなり、研削加工に有利に作用
したものと思われる。画像上のムラのでない領域を考え
ると、無機充填材50vol %以上添加することが好まし
いことがわかる。Rzの数値より、3μmを超える粒子
を使用した場合は、画像上のムラとなる可能性があるこ
とがわかる。50vol %の添加量は押出した生地の収縮
も減少し、押出加工性に対しても安定する領域である。
【0037】(c) 無機充填材の添加量を増やして行く
と、生地の収縮はないが、押出機の圧力が増加し、押出
速度が遅く不安定となってくる(実施例4)。しかし、
液状ニトリルゴム(ゼオン製Nipol11312)を可塑
剤として使用すると、押出加工性が良好となることがわ
かる。 (d) 通常の可塑剤は抽出や汚染が懸念されるところであ
るが、実施例5では、可塑剤として用いた液状ニトリル
ゴム(ゼオン社製Nipol1312)は、抽出成分として
定量化できなかった。
【0038】(e) 炭酸カルシウム(無機充填材)の増加
にともなって抵抗値の上昇が認められる。このような場
合には、カーボンブラック等の導電性粉末、及び/又
は、酸化チタン、アルミナ等の半導電性粉末を使用して
抵抗値を制御することも可能である。
【0039】
【発明の効果】(1)請求項1に記載された発明 弾性発泡体層の外周部及び端部に弾性非発泡体層を一体
的に設けて、弾性発泡体層を弾性非発泡体層で密封した
ので、弾性発泡体層が現像液を吸収することはなく、ロ
ールの外径の変化やロール表面の形状の変化が発生する
ことはない。それ故、従来のようにゴムに軟化剤を含有
させなくても低硬度の現像ロールが得られる。
【0040】(2)請求項2に記載された発明 弾性非発泡体層を構成する重合体に膨潤しにくいエピク
ロロヒドリンゴム又はニトリルゴムを用いたので、現像
ロールの外径及び形状の変化を最小限に抑えることがで
きる。また、弾性発泡体層を膨潤しにくい弾性非発泡体
層で密封したので、弾性発泡体層には任意の材料を用い
ることができる。
【0041】(3)請求項3に記載された発明 このように弾性非発泡体層3を構成する重合体(マトリ
ックス)に可塑剤として該重合体と繰り返し単位を同じ
くする液状重合体を非架橋状態に分散させることによ
り、現像液への可塑剤の抽出を抑えつつ、加工性を向上
させることができる。また、次の請求項4に記載された
発明において、弾性非発泡体層に体積比率50%以上の
無機充填材を含有させると、その成形加工性が低下する
こととなるが、弾性非発泡体層3を構成する重合体(マ
トリックス)に可塑剤として該重合体と繰り返し単位を
同じくする液状重合体を非架橋状態に分散させることに
より、加工性の低下を回避することができる。
【0042】(4)請求項4に記載された発明 弾性非発泡体層に無機充填材を50容積%以上含有させ
ることにより、現像液による弾性非発泡体層の膨潤を半
分とすることができ、そのために、弾性非発泡体層の肉
厚が最大2mmであっても、現像ロールの外径変化を1
μm以下に抑えることができる。このように現像ロール
の外径変化を、1μm以下に抑えること、即ち、設計上
必要な外径公差(従来より±数十μm)より1オーダー
小さくすることができるために、弾性非発泡体層に無機
充填材を50容積%以上を含有させた現像ロールは、経
時的に極めて安定していると言える。また、弾性発泡体
層が内部に存在すると、弾性発泡体層がない場合と比べ
て、弾性非発泡体層の研削性が低下するが、弾性非発泡
体層に体積比率50%以上の無機充填材を含有させるこ
とにより、弾性非発泡体層の研削性の低下を回避するこ
とができる。
【0043】(5)請求項5に記載された発明 弾性非発泡体に含有される無機充填材の平均粒子径を3
μm以下にすると、表面粗さRz(10点平均粗さ)を
3μm以下に抑えた表面の平滑な現像ロールを得ること
が可能となり、画像ムラを小さくすることができる。
【0044】(6)請求項6に記載された発明 カーボンブラック等の導電性粉末、及び/又は、酸化チ
タン、アルミナ物等の半導電性粉末を弾性非発泡体層に
含有させることにより、弾性非発泡体層における抵抗値
の制御が可能となり、残像やベタ濃度等の画像品質に対
処することができる。
【0045】(7)請求項7に記載された発明 弾性発泡体層の外周部と端部との境界を面取りすること
により、外周部の材料と端部の材料とが成形の過程で融
合する歪みを除去することができ、成形後の亀裂の発生
や長期の使用によっても弾性発泡体層の外周部と端部と
の境界の割れを防ぐことができる。
【0046】(8)請求項8に記載された発明 弾性発泡体層と非弾性発泡体層とが接着されているの
で、弾性発泡体層と非弾性発泡体層との剥離を防ぐこと
ができ、長期の使用によっても、このような剥離による
ロール形状の変化が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す現像ロールの断面
図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す現像ロールを用い
た現像装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 芯軸 2 弾性発泡体層 2a 外周部 2b 端部 3 弾性非発泡体層 10 現像ロール 11 容器 12 現像液 13 供給ロール 14 感光体ドラム 20 画像形成装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2H077 AD06 FA01 FA13 FA16 FA22 FA27 3J103 AA02 AA14 AA33 AA53 AA74 BA34 BA41 EA02 EA03 EA05 EA07 EA11 FA03 FA12 FA15 FA18 GA02 GA57 GA58 GA60 GA73 HA03 HA04 HA05 HA12 HA15 HA18 HA20 HA22 HA31 HA53

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯軸の周囲に弾性発泡体層を有する現像
    ロールにおいて、該弾性発泡体層の外周部及び端部に、
    これらと隣接するようにして、弾性非発泡体層を一体的
    に設けたことを特徴とする現像ロール。
  2. 【請求項2】 弾性非発泡体層を構成する重合体がエピ
    クロロヒドリンゴム又はニトリルゴムであることを特徴
    とする請求項1記載の現像ロール。
  3. 【請求項3】 弾性非発泡体層を構成する重合体に、可
    塑剤として、該重合体と繰り返し単位を同じくする液状
    重合体を非架橋状態に分散させたことを特徴とする請求
    項1又は2記載の現像ロール。
  4. 【請求項4】 弾性非発泡体層が無機充填材を50容積
    %以上含有することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の現像ロール。
  5. 【請求項5】 無機充填材の平均粒子径が3μm以下で
    あることを特徴とする請求項4記載の現像ロール。
  6. 【請求項6】 無機充填材が、その少なくとも一部とし
    て、カーボンブラック等の導電性粉末、及び/又は、酸
    化チタン、アルミナ等の半導電性粉末を含有することを
    特徴とする請求項4又は5記載の現像ロール。
  7. 【請求項7】 弾性発泡体層の外周部と端部との境界が
    面取りされていることを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれかに記載の現像ロール。
  8. 【請求項8】 弾性発泡体層と非弾性発泡体層とが接着
    されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載の現像ロール。
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