JP5857077B2 - 紙葉類処理装置および遊技媒体貸出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紙幣などの紙葉類を収納する紙葉類処理装置およびこれを備えた遊技媒体貸出装置に関する。
紙葉類処理装置は、紙幣やクーポン券などの紙葉類が投入されることで各種の商品やサービスを提供するサービス機器、例えば、遊技場に設置されている遊技機、或いは、公共の場に設置されている自動販売機や券売機等に組み込まれている。紙葉類処理装置は、投入された紙葉類の有効性を識別して、有効と判定された紙葉類を収納するように構成されている。
例えば特許文献1に記載の遊技場台間機に設けられた紙幣処理装置は、紙幣投入口から投入された紙幣の真贋を識別する紙幣識別機と、真札であると識別された紙幣を複数枚重ねて収納(積層収納)するスタッカーとを備えている。この紙幣識別機には、紙幣の真贋を識別するためのセンサと、紙幣を搬送する搬送機構が設けられている。スタッカーに収納された紙幣を回収する際には、紙幣識別機とスタッカーを台間機本体に対して前方に引き出した状態で、スタッカーに設けた紙幣取出口を側方に回動させて、紙幣取出口から紙幣の束を取り出すようになっている。
特開2002−331158号公報
ところで、このような紙葉類処理装置は省スペースに設置するために小型化が求められている。しかしながら、特許文献1の紙幣処理装置では、スタッカーの側面に紙幣取出口が回動可能に設けられているため、スタッカーの横幅(紙幣処理装置の横幅)が大きくなってしまう。
本発明は、小型化が可能な紙葉類処置装置およびこれを備えた遊技媒体貸出装置を提供することを目的とする。
本発明の紙葉類処理装置は、紙葉類が挿入される挿入口と、前記挿入口に挿入された紙葉類が収納される収納部と、前記挿入口に挿入された紙葉類を前記収納部に搬送可能な搬送機構と、を備え、前記搬送機構は、前記収納部に収納された紙葉類を前記挿入口から排出されるまで前記挿入口に向かって搬送可能であり、前記搬送機構は、前記収納部に収納された紙葉類の表面に対して、該紙葉類の厚み方向で当接する当接部材を有し、この当接部材の当接部表面は、互いに硬度の異なる2種類の弾性部材を交互に配置した凹凸状とし、前記挿入口に1枚ずつ挿入された紙葉類を前記収納部まで搬送する場合には、凸状の弾性部材の表面が前記紙葉類表面に当接し、前記収納部に積層収納された複数枚の紙葉類を前記挿入口に向かって搬送する場合には、前記凸状が弾性変形して前記凹状の弾性部材の表面が前記紙葉表面に当接するように、前記紙葉の表面に当接する当接力を変化させるように構成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、挿入口に紙葉類が挿入されると、この紙葉類は搬送機構によって搬送されて収納部に収納される。また、収容部に収納された紙葉類を回収する際には、収納部内の紙葉類を搬送機構によって挿入口まで搬送移動させて、挿入口から排出させる。したがって、紙葉類が挿入される挿入口は、収納部に収納された紙葉類を排出するための排出口を兼ねているため、挿入口と排出口を別々に設ける場合に比べて装置を小型化できる。また、前記搬送機構は、前記挿入口から一枚ずつ搬送させる場合と、前記収納部に収納した紙葉を前記挿入口に向かって搬送させる場合とで、前記紙葉に対する当接力を当接部材の硬度の違いを利用して容易に当接力を変化させることが可能となる。その結果、前記挿入口からの紙葉の挿入時には、当接力を弱くしてジャミング等の発生を防止し、逆に、前記収納部に紙葉が積層された状態で前記挿入口へ搬送する場合には、当接力を大きくすることによって、積層状態の紙葉の束を前記挿入口へ安定して搬送することが可能となる。
本発明の紙葉類処理装置において、前記搬送機構は、前記挿入口に1枚ずつ挿入された紙葉類を前記収納部に搬送可能であり、且つ、前記収納部に積層収納された複数枚の紙葉類を前記挿入口に向かって搬送可能であってもよい。
上記の構成によれば、収納部に収納された複数枚の紙葉類をまとめて搬送して挿入口から排出させることができる。
本発明の紙葉類処理装置において、前記挿入口は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、前記収納部に収納された紙葉類を前記搬送機構により前記挿入口に向かって搬送する際に、当該開口幅が拡張するようになっていてもよい。
上記の構成によれば、通常時には挿入口の開口幅は1枚の紙葉類を挿入できる程度に狭くなっているが、収納された紙葉類を回収する際には挿入口の開口幅が広がるため、複数枚の紙葉類を挿入口から排出することができる。また、通常時に挿入口の開口幅が狭いことにより、挿入口から紙葉類を抜き出す不正行為を防止できる。
本発明の紙葉類処理装置は、前記挿入口と前記収納部との間に、紙葉類が搬送される搬送路を備えており、前記搬送路は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、前記収納部に収納された紙葉類を前記搬送機構により前記挿入口に向かって搬送する際に、当該開口幅が拡張するようになっていてもよい。
上記の構成によれば、通常時には搬送路の開口幅が狭いため、1枚の紙葉類を搬送路に設けた搬送機構によって搬送することができる。また、収納された紙葉類を回収する際には搬送路の開口幅が拡張されるため、収納部に収納された紙葉類の枚数が多い場合であっても、搬送路が邪魔になることなく紙葉類を搬送できる。
本発明の紙葉類処理装置において、前記収納部に収納された紙葉類を厚み方向で挟持可能な一対の搬送部材を有し、一方の側の前記搬送部材は、紙葉類と当接すると形状が変形し、変形した形状から元の形状に戻ろうとする弾性力を利用して紙葉類を押圧する第1の当接部材を有し、前記搬送機構は、前記搬送部材によって挟持された紙葉類を搬送可能に構成され、前記搬送機構によって前記挿入口に挿入された紙葉類を前記収納部に向かって搬送する際、前記第1の当接部材を紙葉類と当接させるように、前記一対の搬送部材間の相対距離を変更してもよい。
上記の構成によれば、紙葉類を収納部に向かって搬送する紙葉類収納時は、第1の当接部材をその弾性変形で生じる力を利用して積層された紙葉類に当接させることで、積層された紙葉類の状態に依存せず搬送する紙葉類と搬送部材との間に一定の摩擦力が加えられるようになる。これにより、従来よりも安定して紙葉類収納時の動作を行うことが可能となる。
本発明の紙葉類処理装置において、一方の側の前記搬送部材は、前記第1の当接部材よりも直径が小さく、前記第1の当接部材よりも硬質に形成された第2の当接部材を有し、前記収納部に収納された紙葉類を前記挿入口に向かって搬送する際、前記第2の当接部材を紙葉類と当接させるように、前記一対の搬送部材間の相対距離を変更してもよい。
上記の構成によれば、紙葉類を挿入口に向かって搬送する紙葉類回収時は紙葉類と第2の当接部材を当接させる。第2の当接部材は第1の当接部材よりも硬質なため、第1の当接部材は潰れて第2の当接部材が紙葉類と当接する。これにより、搬送部材の移動量を変更するだけで、2種類のローラを使い分けることが可能となり、無用な構成、制御が不要となりコストダウンに繋がる。
また、本発明の遊技媒体貸出装置は、遊技機同士の間に設置される遊技媒体貸出装置であって、上記の紙葉類処理装置を備えたことを特徴とする。
本発明の紙葉類処理装置およびこれを備えた遊技媒体貸出装置によれば、紙葉類が挿入される挿入口が、収納された紙葉類を排出するための排出口を兼ねているため、挿入口と排出口を別々に設ける場合に比べて装置を小型化できる。


実施形態1に係る紙幣処理装置が組み込まれた遊技媒体貸出装置の設置状態を示す斜視図である。 紙幣処理装置の斜視図である。 図2の紙幣処理装置から前カバーを取り外した状態の斜視図である。 紙幣処理装置の断面図であって、入金された紙幣を収納部に向かって搬送している途中の状態を示す図である。 紙幣処理装置の図1中の左側から見た図である。 紙幣処理装置の図1中の右側から見た図である。 紙幣処理装置の底面図である。 収納部に搬入された紙幣を収納部に積層収納する動作を説明するための断面図である。 収納部に積層収納された紙幣を挿入口から回収する動作を説明するための断面図である。 スタックゲート付近の部分拡大断面図であって、(a)はスタックゲートが搬入位置にある状態を示し、(b)はスタックゲートがスタック位置にある状態を示し、(c)はスタックゲートが搬出位置にある状態を示している。 スタックゲート、スタックゲート駆動機構、および押圧板を図1中の左側から見た斜視図である。 押圧板を図1中の右側から見た斜視図である。 アッパーガイド、拡張機構、搬送ローラ対のピンチローラ、可変機構、カム板、およびカム用モータを図1中の左側から見た斜視図である。 カム板の両面を示す図である。 (a)は収納部に紙幣が収納されていない状態におけるカム板の回転時の第1カム溝中の係合突起の位置と、搬送ローラ対の駆動ローラとピンチローラの相対距離との関係を示しており、(b)は第2カム溝中の係合突起の位置と、搬送路の開口幅との関係を示している。 紙幣処理装置の制御ブロック図である。 紙幣が入金された際の真贋判定までの処理手順を示すフローチャートである。 重なり/形状チェック処理手順を示すフローチャートである。 入金された紙幣を差し戻す処理手順を示すフローチャートである。 真券と判定された紙幣を収納部に積層収納する処理手順を示すフローチャートである。 収納部に収納された紙幣を挿入口から回収する処理手順を示すフローチャートである。 実施形態2に係る紙幣処理装置の斜視図である。 図22の紙幣処理装置から左カバーを取り外した状態の斜視図である。 紙幣処理装置の分解斜視図である。 紙幣処理装置の要部斜視図である。 紙幣処理装置から右カバーを取り外した状態の斜視図である。 押圧板の説明図である。 押圧板の上方向から見た側面図である。 セイフティ機構の斜視図である。 ピンチローラの分解された状態示す説明図である。 カム板の斜視図である。 カム板の一方面のカム溝の状態を示す説明図である。 カム板の他方面のカム溝の状態を示す説明図である。 カム板の角度位置に基づいた各部の動作を示す説明図である。 拡張機構による各部の動作を示す説明図である。 拡張機構による各部の動作を示す説明図である。 拡張機構による各部の動作を示す説明図である。 第1アームの動作を示す説明図である。 第1アームの動作を示す説明図である。 第1アームの動作を示す説明図である。 紙幣が入金された際の真贋判定までの処理手順を示すフローチャートである。 真券と判定された紙幣を収納部に積層収納する処理手順を示すフローチャートである。 入金された紙幣を差し戻す処理手順を示すフローチャートである。 入金された紙幣を差し戻す処理手順を示すフローチャートである。 重なり/形状チェック処理手順を示すフローチャートである。 重なりチェックの説明図である。 形状チェックの説明図である。 真贋判定処理のフローチャートである。 透かし画像真贋判定処理のフローチャートである。 透かし画像真贋判定処理(明暗反転)のフローチャートである。
(実施形態1)
以下、本発明の紙葉類処理装置の一実施形態である紙幣処理装置1について説明する。図1に示すように、本実施形態1の紙幣処理装置1は、例えば、スロットマシン等の各種の遊技機201の間に設置される遊技媒体貸出装置(遊技機用台間機)200に組み込まれている。遊技媒体貸出装置200は、紙幣処理装置1の上側又は下側に、他の装置(例えば、硬貨処理装置、記録媒体処理装置、電源装置、表示装置など)を備えており、紙幣処理装置1に紙幣Mが挿入されて、挿入された紙幣の有効性が判定されると、その紙幣価値に応じた遊技媒体の貸出処理、或いは、ICカードのような記録媒体への書き込み処理等が行なわれる。紙幣処理装置1は、紙幣Mが短い辺側から挿入される挿入口2を有しており、この挿入口2が縦向きとなるように遊技媒体貸出装置200に組み込まれている。なお、紙幣処理装置1に入金される紙幣の種類は1種類ではなく、長手方向長さの異なる複数種類の紙幣を入金可能である。
(紙幣処理装置1の概略構成)
図2および図3に示すように、紙幣処理装置1は、各種部材が組み付けられるフレーム10と、挿入口2を露出させる矩形穴3aを有し、フレーム10の前壁11を覆うように配置された前カバー3とを有する。以下、図2および図3に示す前後方向、左右方向、および上下方向を用いて紙幣処理装置1について説明する。フレーム10の前壁11には、左側が開口した凹部11aが形成されている。図4に示すように、フレーム10は、凹部11aの右縁から後方に延びる壁部12と、凹部11aの上下縁から後方に延びる上下壁13と、上下壁13および壁部12の後端に接続された後壁14とを有する。
紙幣処理装置1は、挿入口2に挿入された紙幣Mが通過する搬送路4と、搬送路4の後方に設けられ、紙幣Mを厚み方向(左右方向)に複数枚重ねて収納(積層収納)可能な収納部5とを有する。搬送路4および収納部5は、上下壁13の間に形成されている。
本実施形態の紙幣処理装置1は、挿入口2に1枚ずつ挿入された紙幣Mを収納部5まで搬送可能であると共に、収納部5に積層収納された複数枚の紙幣(または1枚の紙幣)を挿入口2に向かって搬送して挿入口2から排出させることが可能となっている。したがって、収納部5に収納された紙幣を挿入口2から回収できるため、挿入口2以外の部分から紙幣を回収する場合に比べて、紙幣の回収作業の効率を向上できる。また、紙幣が挿入される挿入口2が、収納部5に収納された紙幣を排出するための排出口を兼ねているため、挿入口と排出口を別々に設ける場合に比べて装置の厚み(左右方向幅)を薄くすることができ、装置を小型化できる。また、本実施形態の紙幣処理装置1は、挿入口2に挿入された紙幣Mを収納部5に向かって搬送する途中で搬送を停止して挿入口2に向けて差し戻すように搬送することも可能である。
(搬送路4および挿入口2)
壁部12の前後方向中央部よりも前側の位置には、出没穴12aが形成されている。搬送路4は、壁部12および上下壁13のうち出没穴12aよりも前側の部分と、壁部12の出没穴12aより前側の部分の左側に対向配置されたアッパーガイド20とによって形成されている。また、この搬送路4には、紙幣の画像情報を読取り可能な読取部21と、紙幣を厚み方向に挟持可能な挿入搬送ローラ対22、23と、紙幣Mの有無を検知する紙幣検知センサ24、25とが配置されている。
アッパーガイド20は、図13に示すように略板状の部材であって、その前端部は、前壁11の凹部11aの内側に配置されている。挿入口2は、凹部11aとアッパーガイド20の前端部との隙間によって構成されている。
図5に示すように、アッパーガイド20の上下両端部の前後方向中央部は、それぞれ上下方向に突出しており、この突出した部分は、上下壁13に形成されたスリット13bの内側に配置され、フレーム10に固定された左右方向に延びるガイド軸15が貫通している。そのため、アッパーガイド20は、ガイド軸15に沿って左右方向(紙幣の厚み方向)に移動可能となっている。アッパーガイド20は、後述する拡張機構8によって左右方向に駆動される。
図21に示すように、読取部21は、搬送路4の前後方向中央部に配置されており、搬送路4を通過する紙幣の幅方向のほぼ全域を読取り可能に構成されている。本実施形態の読取部21は、紙幣の反射および透過画像を読取り可能なイメージセンサであって、壁部12に設置された受光部および反射用発光部からなる受発光ユニット21aと、アッパーガイド20に設置された透過用発光部21bとで構成されている。受発光ユニット21aは、壁部12の左面とほぼ面一に配置されており、透過用発光部21bは、アッパーガイド20の右面とほぼ面一に配置されている。受発光ユニット21aの受発光ユニット21aおよび透過用発光部21bは、可視光および赤外光を照射可能である。読取部21は、搬送路4に配置された紙幣Mの両側から光を照射して、その透過光と反射光を受光部で検知することで紙幣の画像情報を読取るようになっている。読取部21で読取られた紙幣の画像情報は、後述する制御回路基板100に送信されて、予め格納されている真券のデータと比較することで、紙幣の真贋が判定される。なお、読取部21は、イメージセンサであれば、上記以外の構成であってもよい。
第1紙幣検知センサ24は、挿入口2の近傍に配置されており、第2紙幣検知センサ25は、搬送路4の後端近傍に配置されている。第1紙幣検知センサ24は、回帰反射型フォトセンサであって、壁部12に設置されたセンサ部24aと、アッパーガイド20に設置されたプリズム部24bとで構成されている。また、第2紙幣検知センサ25は、第1紙幣検知センサ24と同様に回帰反射型フォトセンサであって、壁部12に設置されたセンサ部25aと、アッパーガイド20に設置されたプリズム部25bと構成されている。なお、紙幣検知センサ24、25は、紙幣Mの有無を検知できるものであれば、上記以外のセンサであってもよい。
挿入搬送ローラ対22は、第1紙幣検知センサ24と読取部21との間に配置されており、挿入搬送ローラ対23は、読取部21と第2紙幣検知センサ25との間に配置されている。挿入搬送ローラ対22は、壁部12側に配置された駆動ローラ22aと、アッパーガイド20側に配置されたピンチローラ22bとからなり、上下方向に間隔を空けて2箇所配置されている。挿入搬送ローラ対23は、挿入搬送ローラ対22と同様に、壁部12側に配置された駆動ローラ23aと、アッパーガイド20側に配置されたピンチローラ23bとからなり、上下方向に間隔を空けて2箇所配置されている。
駆動ローラ22a、23aは、フレーム10に回転可能に支持された駆動軸26に固定されており、壁部12の左面から若干突出して配置されている。駆動軸26は、後述する搬送機構6によって駆動される。ピンチローラ22b、23bは、アッパーガイド20に回転可能に支持された軸に固定されており、アッパーガイド20の右面から若干突出して配置されている。駆動ローラ22a、23aの外周側部分は、紙幣との摩擦係数の高い材質で形成されている。
アッパーガイド20が拡張機構8によって左右方向の駆動されることで、アッパーガイド20に設置された透過用発光部21b、プリズム部24b、25b、およびピンチローラ22b、23bも移動し、搬送路4の開口幅(左右方向幅)が変化する。
通常時(紙幣が入金される際)には、アッパーガイド20は壁部12に最も近接しており、搬送路4の開口幅は最小となっている。このとき、ピンチローラ23bと駆動ローラ23aは、適切な押圧力で互いに当接している。この状態で、図4に示すように、駆動軸26を回転させて駆動ローラ22a、23aを回転させることで、挿入口2に挿入された1枚の紙幣Mを挿入搬送ローラ対22、23によって収納部5に向かって搬送することができる。
また、収納部5に収納された紙幣Mを挿入口2から回収する際には、図9(b)および図9(c)に示すように、アッパーガイド20は壁部12から離間して、搬送路4の開口幅は拡張される。そのため、収納部5に収納された紙幣の枚数が多い場合であっても、アッパーガイド20が邪魔になることなく同一の搬送路4から紙幣を回収できる。
搬送路4の開口幅を拡張した後で元の位置に戻したとき、読取部21の透過用発光部21bと受発光ユニット21aの受光部との相対距離が拡張前と比べて若干異なる場合がある。従来の光学センサは、受光部と発光部の相対距離がわずかでも変化すると読取データに誤差が生じやすいのに対して、イメージセンサである読取部21は、受光部のレンズの被写界深度を深くとることにより、透過用発光部21bと受光部(21a)との相対距離が多少変化した場合であっても読取データに誤差が生じにくいように構成されている。
上述したように、挿入口2は、前壁11の凹部11aとアッパーガイド20の前端部との隙間によって構成されているため、アッパーガイド20が左右方向に移動することで、挿入口2の開口幅(左右方向幅)は変化する。つまり、挿入口2の開口幅は、搬送路4の開口幅と同様に、通常時は最小となっており、収納部5に収納された紙幣Mを挿入口2から回収する際に拡張される。通常時に挿入口2の開口幅が狭くなっていることにより、挿入口2から紙幣を抜き出す不正行為を防止できる。また、収納部5に収納された紙幣を回収する際に挿入口2が拡張することにより、収納部5に収納された紙幣の枚数が多い場合であっても挿入口2から回収することができる。
アッパーガイド20の可動に伴う、前カバー3の矩形穴3aとアッパーガイド20との隙間を塞ぐために、アッパーガイド20の前端部には、隙間カバー27が取り付けられている。隙間カバー27は、アッパーガイド20に回動可能に連結されている。また、隙間カバー27は、フレーム10の上下壁13に形成されたガイド溝13cに係合する係合突起27aを有する。通常時(挿入口2の開口幅が最小のとき)には、係合突起27aは、ガイド溝13cの前端部に係合しており、隙間カバー27は、アッパーガイド20の前端部と前カバー3の矩形穴3aの左縁との隙間を塞ぐように配置される。図9(b)に示すように、アッパーガイド20を壁部12から離間する方向に移動させたときには、係合突起27aがガイド溝13cに沿って移動し、隙間カバー27が回動する。
アッパーガイド20の下端部には、前方に突出する突起20aが形成されており、フレーム10には、この突起20aを検知可能なアッパーガイド検知センサ28が設置されている(図5参照)。アッパーガイド検知センサ28は、アッパーガイド20を拡張方向に移動させる不正行為を監視するためのものである。アッパーガイド検知センサ28は、透過型フォトセンサであって、アッパーガイド20が壁部12に最も近接しているとき(搬送路4の開口幅が最小のとき)に突起20aを検知して、アッパーガイド20が壁部12から所定距離以上離間したときに突起20aを検知しないように設置されている。
(収納部5)
収納部5は、出没穴12aの前縁よりも後方に形成されており、紙幣が積層収納される収納空間5aを有する。収納部5は、壁部12および上下壁13のうち出没穴12aより後側の部分と、後壁14と、壁部12の左側に対向配置された収納蓋30とによって形成されている。また、収納部5には、スタックゲート31と、押圧板32と、紙幣を厚み方向に挟持可能な搬送ローラ対33と、収納空間5a内の紙幣の有無を検知するエンプティセンサ34とが配置されている。
収納蓋30は、上下壁13の後端近傍部に回転可能に連結されており、手動で開閉可能となっている。収納蓋30は、メンテナンス時や収納部5に紙幣が詰まった場合などに開けられる。
エンプティセンサ34は、収納部5に収納された紙幣の後端付近を検知できる位置に配置されている。より詳細には、エンプティセンサ34は、入金された最長紙幣の搬送方向後端(前端)が後述するエスクロ位置に到達する前に、この紙幣を検出しないような位置であって、且つ、収納部5に収納された最長紙幣を検知できる位置に配置されている。エンプティセンサ34は、回帰反射型フォトセンサであって、壁部12に設置されたセンサ部34aと、収納蓋30に設置されたプリズム部34bとで構成されている。なお、エンプティセンサ34は、紙幣Mの有無を検知できるものであれば、上記以外のセンサであってもよい。
搬送ローラ対33は、壁部12側に配置された駆動ローラ33aと、収納蓋30側に配置されたピンチローラ33bとからなり、上下方向に間隔を空けて2箇所配置されている。挿入口2と搬送ローラ対33との離間距離は、紙幣の搬送方向長さよりも短い。
駆動ローラ33aは、フレーム10に回転可能に支持された駆動軸35に固定されており、壁部12の左面から若干突出して配置されている。駆動軸35は、後述する搬送機構6によって駆動される。ピンチローラ33bは、上下壁13に形成されたスリット13dに挿通された支軸36に固定されている。支軸36は、後述する可変機構7によって左右方向に駆動される。支軸36が駆動軸35から最も離間した状態では、ピンチローラ33bは収納蓋30に形成された開口から外部に露出する。駆動ローラ33aの外周面の紙幣に対する摩擦係数は、紙幣同士の摩擦係数よりも大きい。ピンチローラ33bの外周面の摩擦係数は、紙幣同士の摩擦係数よりも大きくても小さくてもよい。
出没穴12aの前後両縁は、左右方向から見て凹凸状に形成されている(図6参照)。また、図10に示すように、出没穴12aの前後両縁は面取りされた形状に形成されている。また、上下壁13には、出没穴12aと連通するスリット13aが形成されている。このスリット13aは、上下壁部の左端の近傍から右端まで延びている。また、アッパーガイド20の後端は、左右方向から見て出没穴12aの前縁とほぼ同じ凹凸状に形成されている(図13参照)。
スタックゲート31は、その上下両端部がスリット13aの内側に配置されており、出没穴12aを左右方向に挿通可能に形成されている。スタックゲート31は、後述するスタックゲート駆動機構9によって左右方向に駆動される。
図11に示すように、スタックゲート31は、上下方向(紙幣の搬送方向に直交する方向)に延びるスタック部37と、スタック部37の右側に間隔を空けて対向配置されるガイド部38と、スタック部37とガイド部38を上下両端部において連結する2つの連結部39とを有する。連結部39は、スタックゲート駆動機構9に連結されている。
スタック部37には、前方に突出する複数の凸部37aが上下方向に等間隔に形成されている。凸部37aは、出没穴12aの凹状部に対応する位置に形成されており、スタック部37の前端は、左右方向から見て出没穴12aの前縁に沿った形状となっている。
スタック部37の右面(ガイド部38に対向する面)の後側略半分は、右側に突出し、且つ、その突出部分の前後両端が面取りされた形状となっている。また、スタック部37の前端のうち凸部37aが形成されていない部分の右端は、面取りされた形状となっている。また、スタック部37の左後端は、面取りされた形状となっている。
ガイド部38は、直線部38aと、この直線部38aよりも前後方向幅の大きい幅広部38bとが上下方向に交互に並んだ構成となっている。幅広部38bは、出没穴12aの凹状部に対応する位置に形成されており、ガイド部38の前後両端は、左右方向から見て出没穴12aに沿った形状となっている。
また、直線部38aの左面(スタック部37に対向する面)の後側略半分は、左側に突出し、且つ、その突出部分の前後両端が面取りされた形状となっている。この突出部分の先端面は、スタック部37の右面の後側略半分に形成された突出部分の先端面と対向している。また、直線部38aの左前端は、面取りされた形状となっている。また、幅広部38bの左面の前後両端は、面取りされた形状となっている。
スタックゲート31は、後述するスタックゲート駆動機構9によって、図10(a)に示すようにガイド部38の左面が壁部12の左面とほぼ面一となる位置(以下、搬入位置と称する)と、図10(b)に示すようにスタック部37が出没穴12aに没する位置(以下、スタック位置と称する)とにわたって駆動される。そのため、スタック部37は、収納空間5aと壁部12よりも右側の空間とを行き来する。つまり、スタック部37は、収納空間5aに対して出没可能である。スタックゲート31が搬入位置にあるときにガイド部38とスタック部37との間に形成される空間を、搬入空間31aと称する。また、図10(c)に示すように、スタック部37の左面が壁部12の左面とほぼ面一となるときのスタックゲート31の位置を、搬出位置と称する。
スタックゲート31の2つの連結部39のうち下側の連結部39には、左側に突出し、先端が下方に延びたL字状の突起39aが設けられており(図11参照)、フレーム10には、この突起39aの先端部を検知可能なスタックゲート検知センサ40が設置されている(図5参照)。スタックゲート検知センサ40は、透過型フォトセンサであって、スタックゲート31が搬入位置のときに突起39aを検知して、スタックゲート31が搬入位置よりも右側に所定距離以上離れたときに突起39aを検知しないように設置されている。スタックゲート検知センサ40の検知結果に基づいて、スタックゲート31は駆動制御される。
押圧板32は、スタック部37の左側に対向配置されている。押圧板32の上下両端部は、上下壁13に形成されたスリット13aの内側に配置されている。押圧板32の上下両端部には、一端がフレーム10に係止されたねじりコイルバネ41の他端が当接しており、押圧板32はこのねじりコイルバネ41によって右側に付勢されている。
図7および図12に示すように、押圧板32の右面(スタック部37と対向する面)には、右方向に突出し且つ前後方向に沿って延びる複数の凸部32aが、上下方向に等間隔に形成されている。凸部32aは、スタック部37の凸部37aと対向する位置に形成されている。
また、押圧板32の前端部は、アッパーガイド20の後端部の左側に配置されている。そのため、押圧板32はねじりコイルバネ41によって右方向に付勢されていても、アッパーガイド20と当接することでそれ以上右側に移動しないようになっている。また、アッパーガイド20が搬送路4を拡張する方向に移動したとき、押圧板32はアッパーガイド20に押圧されて移動する。
(搬送機構6)
搬送機構6は、駆動軸26、35を回転させて、挿入搬送ローラ対22、23または搬送ローラ対33で挟まれた紙幣Mを搬送するためのものである。図7に示すように、搬送機構6は、駆動ローラ22a、23a、33aの駆動軸26、35の下端にそれぞれ固定されたプーリ50、51、52と、搬送用モータ53(図3および図5参照)と、搬送用モータ53の出力軸に固定されたプーリ54と、複数のテンションプーリ55と、プーリ50〜52、54、55に掛け渡されたベルト56とを有する。搬送用モータ53は正逆転可能であって、搬送用モータ53の正転駆動時には、駆動ローラ22a、23a、33aは紙幣Mを後方に搬送する方向に回転し、搬送用モータ53の逆転駆動時には、駆動ローラ22a、23a、33aは紙幣Mを前方に搬送する方向に回転する。
(スタックゲート駆動機構9)
スタックゲート駆動機構9は、スタックゲート31を左右方向に駆動するためのものである。スタックゲート駆動機構9は、スタックゲート31の2つの連結部39にそれぞれ連結された2つのスタックアーム60と、2つの偏心カム61と、駆動軸62と、スタックゲート用モータ64とを有する(図11参照)。
2つのスタックアーム60は、上下壁13の上下両側に配置されている。スタックアーム60は、二股形状に形成されており、二股の基部において、フレーム10に設けられた軸16に回動可能に連結されている。スタックアーム60の二股の一方の先端部は、スタックゲート31の連結部39に回動可能に連結されている。また、スタックアーム60の二股部分の対向面は平行に形成されている。
偏心カム61は、スタックアーム60の二股部分の間に配置されている。2つの偏心カム61は、上下方向に延びる駆動軸62に固定されている。2つの偏心カム61の中心は、同軸上に位置しており、駆動軸62の中心に対して偏心している。
駆動軸62は、その上下両端部がフレーム10に回転可能に支持されている。駆動軸62の下端近傍部には、ギヤ63が固定されており、このギヤ63が、スタックゲート用モータ64の出力軸に固定された出力ギヤ65と噛み合っている。
スタックゲート用モータ64を駆動すると、駆動軸62が回転して、偏心カム61がスタックアーム60を押圧しつつ回転し、それに伴って、スタックアーム60が軸16を中心に揺動して、スタックアーム60に連結されたスタックゲート31が左右方向に移動する。
(可変機構7)
可変機構7は、支軸36(およびピンチローラ33b)を左右方向に移動させて、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離を変更するためのものである。可変機構7は後述するカム板90に連結されており、このカム板90を駆動するカム用モータ94の駆動によって、可変機構7は動作する。可変機構7は、支軸36の上下両端に連結された2つのアーム70と、2つのねじりコイルバネ71と、スライド部材72とを有する(図13参照)。
2つのアーム70は、上下壁13の上下両側に配置されている。アーム70は、左右方向から見て略L字状に形成されている。アーム70は、L字状の角部近傍部において、フレーム10に設けられた軸17に回動可能に連結されている。アーム70のL字状の一方の先端部には、支軸36が回動可能に連結されており、他方の先端部は、スライド部材72の前面に当接している。
2つのねじりコイルバネ71は、アーム70と上下壁13との間に配置されており、一端が上下壁13に係止されて、他端がアーム70における軸17と支軸36とのほぼ中間の位置に係止されている。アーム70はこのねじりコイルバネ71によってスライド部材72を押圧する方向(支軸36を右側に移動させる方向)に付勢されている。
スライド部材72は、壁部12の右側に配置されている(図6参照)。スライド部材72の上下両端部には、それぞれ、フレーム10に固定された前後方向に延びるガイド軸18が貫通しており、スライド部材72はガイド軸18に沿って前後方向に移動可能となっている。
スライド部材72の左面(壁部12側の面)の上下方向中央部には、係合突起72aが形成されている。係合突起72aは、スライド部材72の左側に配置されたカム板90の右面に形成された第1カム溝91に係合している。
カム板90は、円盤状であって、その中心において、フレーム10に設けられた軸に回転可能に支持されている。カム板90の外周部には、ベルト93が巻き掛けられており、このベルト93は、カム用モータ94の出力軸に固定されたプーリ95にも巻き掛けられており、カム用モータ94の駆動によりカム板90は回転駆動される。
図14(a)に示すように、第1カム溝91は、環状に形成されており、径が一定の大径部91aと、大径部91aの両側に接続され、径が連続的に変化する2つの中間部91bと、径が一定であって大径部91aの径よりも小さい小径部91cとで構成されている。大径部91aの角度は200度であって、2つの中間部91bの角度はそれぞれ70度であって、小径部91cの角度は20度である。なお、各溝部91a〜91cの角度は上述する値に限定されるものではない。
スライド部材72の係合突起72aは、第1カム溝91のうち、カム板90の中心より後側であって、上下方向に関してカム板90の中心と同じ高さの部分に係合している。
カム板90が回転して、係合突起72aが小径部91c内を移動するとき、係合突起72aとカム板90の中心との離間距離は最小値のまま一定であって、スライド部材72は最も前側の位置で停止している。このとき、アーム70はねじりコイルバネ71によってスライド部材72に押し付けられているため、図15(a)に示すようにピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離は最大となる。なお、図15(a)は、収納部5に紙幣が収納されていない状態における第1カム溝A91中の係合突起72aの位置と、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの中心の相対距離との関係を示すグラフであって、横軸は、小径部91cの周方向中央部を基準とした第1カム溝A91の角度を示している。係合突起72aが小径部91cに係合しているときのカム板90の位置を、基準位置と称し、このときのピンチローラ33bの位置を待機位置と称する。
また、係合突起72aが大径部91a内を移動するとき、係合突起72aとカム板90の中心との離間距離は最大値のまま一定であって、スライド部材72は最も後側の位置で停止している。このとき、アーム70とスライド部材72とは離間しており、ねじりコイルバネ71の弾性力によってピンチローラ33bは駆動ローラ33aに押し付けられている。そのため、収納部5に紙幣が収納されていない状態では、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの中心の相対距離は最小となる。
また、係合突起72aが中間部91b内を大径部91aに向かう方向に移動するとき、係合突起72aとカム板90の中心との離間距離は徐々に大きくなり、スライド部材72は後方に移動する。これにより、アーム70はねじりコイルバネ71の弾性力によって回動して、それに伴って、支軸36およびピンチローラ33bが右方向に移動し、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離が小さくなる。収納部5に紙幣が収納されていない状態では、係合突起72aが小径部91aの近傍まで移動したときに、ピンチローラ33bが駆動ローラ33aに当接し、そこからさらに係合突起72aを小径部91aに向かって移動させると、スライド部材72がアーム70から離間し、ねじりコイルバネ71の弾性力によってピンチローラ33bが駆動ローラ33aに押し付けられる。
また、係合突起72aが中間部91b内を小径部91cに向かう方向に移動するとき、係合突起72aとカム板90の中心との離間距離は徐々に小さくなり、スライド部材72は前方に移動する。これにより、アーム70はスライド部材72に押圧されて回動し、それに伴って、支軸36およびピンチローラ33bが左方向に移動して、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離が大きくなる。このように、カム板90の回転運動は、支軸36およびピンチローラ33bの左右方向の運動に変換される。
スライド部材72の後端部には、後方に延びる突起72bが形成されており、フレーム10には、この突起72bの先端部を検知可能なカム検知センサ96が設置されている(図6参照)。カム検知センサ96は、透過型フォトセンサであって、カム板90が基準位置にあるときに突起72bを検知して、カム板90が基準位置にないときに突起72bを検知しないように設置されている。カム検知センサ96の検知結果に基づいて、カム板90は駆動制御される。
また、2つのアーム70のうち下側のアーム70の前端部には、下方に突出し、先端が前方に延びたL字状の突起70aが形成されており、フレーム10には、この突起70aを検知可能な厚み検知センサ97が設置されている(図5参照)。厚み検知センサ97は、収納部5に収納されている紙幣の厚みが、所定値(例えば、収納可能な最大厚み)に達しているかどうかを検知するためのものである。厚み検知センサ97は、透過型フォトセンサであって、搬送ローラ対33によって挟持される紙幣の厚みが所定値以上のときに突起70aを検知して、所定値未満のときに突起70aを検知しないように設置されている。前記所定値は、例えば50枚程度の紙幣の厚みである。
ここで、紙幣入金時と紙幣回収時の搬送ローラ対33とスタックゲート31の動作について説明する。まず、紙幣入金時の動作について説明する。通常時(紙幣が入金される際)には、カム板90は基準位置に配置されており、図4に示すように、ピンチローラ33bは待機位置に配置されている。また、スタックゲート31は搬入位置に配置されており、押圧板32はねじりコイルバネ41によってスタック部37側に押圧されている。
挿入口2に挿入された紙幣Mは、挿入搬送ローラ対22、23によって、搬入空間31aを通って収納部5に搬入される。挿入搬送ローラ対22、23によって、紙幣Mの搬送方向後端が読取部21と第2紙幣検知センサ25との間の位置(エスクロ位置)まで搬送されると、搬送が一旦停止され、図8(a)に示すように、ピンチローラ33bを駆動ローラ33a側に駆動して搬送ローラ対33によって紙幣を挟んでから、駆動ローラ33aを回転させて、搬送ローラ対33によって紙幣Mを搬送する。このときの搬送ローラ対33による紙幣の挟持力は、後述するRAM103に記憶された収納部5内の紙幣の収納枚数に応じて以下のように設定される。
紙幣Mが収納されていない状態の収納部5に紙幣Mを搬入した場合には、スライド部材72の係合突起72aは大径部91aに係合されて、ねじりコイルバネ71の弾性力によってピンチローラ33bは駆動ローラ33aに押し付けられる。つまり、ねじりコイルバネ71の弾性力が、搬送ローラ対33の紙幣を挟持する挟持力となる。係合突起72aが大径部91aと係合するときの搬送ローラ対33による紙幣の挟持力をFaとする。
紙幣Mが既に収納されている状態の収納部5に紙幣Mを搬入した場合には、スライド部材72の係合突起72aは、収納部5に収納されている紙幣の枚数に応じた中間部91bの所定の位置に係合されて、搬送ローラ対33による紙幣の挟持力は、上述の挟持力Faよりも小さい一定の挟持力Fbに設定される。このときのピンチローラ33bと駆動ローラ33aとの相対距離は、収納部5に収納されている紙幣の枚数に応じて異なっている。挟持力Fbは、駆動ローラ33aの回転時に、収納部5に既に収納されていた紙幣Mを移動させることなく(即ち、ピンチローラ33bを回転させることなく)、収納部5に搬入された1枚の紙幣Mだけを駆動ローラ33aによって搬送できるような値である。この場合、駆動ローラ33aと紙幣との間の摩擦力が、搬送される紙幣とそれに隣接する紙幣との摩擦力よりも大きくなる。これにより、収納部5に既に収納された複数枚の紙幣の積層状態を保ちながら、収納部5に搬入された紙幣を積層状態の紙幣に更に積層することが可能となる。
図8(b)に示すように、搬送ローラ対33によって紙幣Mの搬送方向後端がスタック部37と対向する位置まで搬送されると搬送が停止される。紙幣Mが既に収納されている状態の収納部5に紙幣Mを搬入した場合には、その後、スライド部材72の係合突起72aが大径部91aに係合される位置までカム板90が回転駆動されて、ねじりコイルバネ71の弾性力によってピンチローラ33bが駆動ローラ33aに押し付けられ、搬送ローラ対33による紙幣の挟持力が挟持力Faに変更される。このときのピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離は、収納部5に収納されている紙幣の厚みによって異なっている。また、ねじりコイルバネ71のねじり角度は、収納部5に収納されている紙幣の厚みによって異なるため、搬送ローラ対33の挟持力Faは、収納部5に収納されている紙幣の厚みによって異なっている。
続いて、図8(c)に示すように、スタックゲート31が搬入位置からスタック位置に駆動される。このとき、押圧板32はねじりコイルバネ41の付勢力によってアッパーガイド20に当接する位置まで移動するとそれ以上右方向には移動しないため、押圧板32とスタック部37とは離間する。そのため、搬入された紙幣Mの搬送方向後端部は、スタック部37とガイド部38との間の空間から、スタック部37を乗り越えて、スタック部37と押圧板32との間の空間に移動する。
その後、図8(d)に示すように、スタックゲート31は、スタック位置から搬入位置に戻される。紙幣Mが収納部5に搬入される度に上述の一連の動作を行うことにより、スタック部37と押圧板32との間に紙幣Mを厚み方向に重ねて収納(積層収納)することができる。
上述したように、本実施形態では、紙幣の搬送方向と直交する方向に延在するスタック部37を収納空間5aに対して出没動作させることで、スタック部37と対向する位置にある紙幣の搬送方向後端部を収納空間5a側へ移動させて、紙幣を収納空間5aに積層収納するようになっているため、たとえ収納部5に搬入された紙幣が正常な位置から幅方向にずれた場合であっても、紙幣の搬送方向後端部を揃えた状態で積層収納することができる。
また、スタック部37を収納空間5aに対して出没動作させる際、搬送ローラ対33によって紙幣が挟持力Faで挟持されているため、予め収納されていた紙幣と、搬入された紙幣とを搬送方向後端部が揃った状態で保持できる。さらに、スタック部37の左右両面の後端が面取りされた形状となっているため、スタック部37を出没動作させた際に、搬入された紙幣の搬送方向後端部をスムーズにスタック部37を乗り越えさせることができる。
また、収納部5に紙幣を搬入する際に、スタック部37が搬入空間31aを確保する位置に配置されていることにより、収納部5に既に収納されている紙幣Mによって、紙幣の搬入が妨げられることを回避できる。また、収納部5に紙幣を搬入する際に、ガイド部38が出没穴12aを塞ぐ位置に配置されるため、紙幣の端部が出没穴12aに引っ掛かるなどして詰まりが発生するのを防止できる。
また、出没穴12aの前後両縁と、ガイド部38の前後両端が、互いに嵌合する凹凸状に形成されていると共に、アッパーガイド20の後端と、スタック部37の前端が、互いに嵌合する凹凸状に形成されているため、収納部5に紙幣を搬入する際に、紙幣の端部が出没穴12aの縁部やアッパーガイド20の後端やスタックゲート31に引っ掛かるのを防止でき、詰まりが生じるのを防止できる。
次に、紙幣回収時の搬送ローラ対33とスタックゲート31の動作について説明する。収納部5に積層収納された複数枚の紙幣Mを挿入口2から回収する際には、まず、図9(a)および図9(b)に示すように、スタックゲート31が搬入位置から搬出位置に駆動されると共に、スライド部材72の係合突起72aが大径部91aに係合される位置までカム板90が回転駆動されて、ねじりコイルバネ71の弾性力によってピンチローラ33bが駆動ローラ33aに押し付けられ、搬送ローラ対33による紙幣の挟持力が挟持力Faに設定される。上述したように、挟持力Faは、ねじりコイルバネ71のねじり角度に依存しており、収納部5に収納された紙幣の厚みによって異なる。また、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離は、収納部5に収納された紙幣の厚みによって異なる。
その後、図9(c)に示すように、駆動ローラ33aが紙幣挿入時と逆方向に回転駆動されることで、搬送ローラ対33で挟持された紙幣Mが挿入口2に向かって搬送される。このとき、搬送された紙幣によって、ピンチローラ33bも回転しており、搬送ローラ対33と紙幣との間の摩擦力は、紙幣同士の間の摩擦力よりも小さくなる。そのため、紙幣同士が滑ることなく、複数枚の紙幣を搬送ローラ対33で挟持して搬送することができる。その結果、紙幣の回収作業の効率を向上できる。
上述したように、挿入口2と搬送ローラ対33との離間距離が、紙幣の搬送方向長さよりも短く設定されているため、搬送ローラ対33だけで、収納部5に収納された紙幣を挿入口2からはみ出す位置まで搬送することができる。
また、出没穴12aの前縁と、スタック部37の前縁が、互いに嵌合する凹凸状に形成されているため、紙幣回収時に、紙幣の端部が出没穴12aの縁部やスタック部37に引っ掛かるのを防止でき、詰まりが生じるのを防止できる。
なお、装置1の厚み(左右方向幅)を薄くするという観点では、収納部5の紙幣の収納可能枚数を少なくすることが好ましいが、収納可能な枚数を少なくすればするほど、収納部5の許容する最大収納枚数に達することが頻繁になる可能性があり、絵営業中に回収作業を何度も行う必要が生じるため、回収作業を効率的に短時間で実行するには、装置1はある程度の厚みを有していることが好ましい。それにより、紙幣回収時に遊技機201の遊技を中断する必要が無くなったり、中断するとしても中断時間を短縮化できる。
(拡張機構8)
拡張機構8は、アッパーガイド20を左右方向に駆動するためのものである。拡張機構8はカム板90に連結されており、カム用モータ94の駆動によって、拡張機構8は動作する。拡張機構8は、アッパーガイド20の上下両端部に連結された2つのアーム80と、2つの連結部材81と、2つのコイルバネ82と、スライド部材83とを有する(図13参照)。
2つのアーム80は、上下壁13の上下両側に配置されている。アーム80は、左右方向から見て略L字状に形成されている。アーム80は、L字状の角部近傍部において、フレーム10に設けられた軸19に回動可能に連結されている。アーム80のL字状の一方の先端部は、アッパーガイド20に回動可能に連結されており、他方の先端部は、連結部材81の前端部に回動可能に連結されている。連結部材81は、ガイド軸18に沿って移動可能にガイド軸18に装着されている。
スライド部材83は、連結部材81の後方に配置されている。スライド部材83の上下両端部には、ガイド軸18が貫通しており、スライド部材83は、ガイド軸18に沿って前後方向に移動可能となっている。コイルバネ82の両端部は連結部材81とスライド部材83に連結されている。連結部材81はコイルバネ82によってスライド部材83側に付勢されている。
スライド部材83は、カム板90と壁部12との間に配置されており、スライド部材83の右面(カム板90側の面)の上下方向中央部には、係合突起83aが形成されている。係合突起83aは、カム板90の左面に形成された第2カム溝A92に係合している。図14(b)に示すように、第2カム溝A92は、環状に形成されており、径が一定の小径部92aと、小径部92aの両側に接続され、径が連続的に変化する2つの中間部92bと、径が一定であって小径部92aの径よりも大きい大径部92cとで構成されている。小径部92aの角度は200度であって、2つの中間部92bの角度はそれぞれ70度であって、大径部92cの角度は20度である。第2カム溝A92の大径部92cは、第1カム溝A91の小径部91cと180度ずれた位置の裏面に形成されている。なお、各溝部92a〜92cの角度は上述する値に限定されるものではない。
スライド部材83の係合突起83aは、第2カム溝A92のうち、カム板90の中心より前側であって、上下方向に関してカム板90の中心と同じ高さの部分に係合している。
カム板90が回転して、係合突起83aが小径部92a内を移動するとき、係合突起83aとカム板90の中心との離間距離は最小値のまま一定であって、スライド部材83は最も後側の位置で停止しており、アッパーガイド20は最も右側に配置され、図15(b)に示すように搬送路4(および挿入口2)の開口幅は最小となる。このとき、連結部材81とスライド部材83とは離間しており、伸長されたコイルバネ82の弾性力によってピンチローラ23bは駆動ローラ23aに押し付けられている。なお、図15(b)は、第2カム溝A92中の係合突起83aの位置と、搬送路4の開口幅との関係を示すグラフであって、横軸は、小径部92aの周方向中央部を基準とした第2カム溝A92の角度を示している。
また、係合突起83aが大径部92c内を移動するとき、係合突起83aとカム板90の中心との離間距離は最大値のまま一定であって、スライド部材83は最も前側の位置で停止しており、アッパーガイド20は最も左側に配置され、搬送路4(および挿入口2)の開口幅は最大となる。
また、係合突起83aが中間部92b内を大径部92cに向かう方向に移動するとき、係合突起83aとカム板90の中心との離間距離は徐々に大きくなり、スライド部材83は前方に移動する。これにより、スライド部材83によって連結部材81が前方に押圧されてアーム80が回動し、それに伴って、アッパーガイド20が左方向に移動して、搬送路4(および挿入口2)の開口幅が大きくなる。
また、係合突起83aが中間部92b内を小径部92aに向かう方向に移動するとき、係合突起83aとカム板90の中心との離間距離は徐々に小さくなり、スライド部材83は後方に移動する。これにより、コイルバネ82の弾性力によって連結部材81がスライド部材83と一体的に後方に移動して、アーム80が回動し、それに伴って、アッパーガイド20が右方向に移動して、搬送路4(および挿入口2)の開口幅が小さくなる。係合突起83aが小径部92aの近傍まで移動したとき、ピンチローラ23bが駆動ローラ23aに当接し、そこからさらに係合突起83aを小径部92aに向かって移動させると、コイルバネ82に抗してスライド部材83が連結部材81から離間して、伸長されたコイルバネ82の弾性力によってピンチローラ23bが駆動ローラ23aに押し付けられる。このように、カム板90の回転運動は、アッパーガイド20の左右方向の運動に変換される。
可変機構7の係合突起72aが小径部91cに係合するとき、拡張機構8の係合突起83aは小径部92aの周方向中央部に係合する。そのため、通常時に、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離を最大としつつ、搬送路4(および挿入口2)の開口幅を最小とすることができる。
また、可変機構7の係合突起72aが中間部91b内を移動し、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離が変化するとき、拡張機構8の係合突起83aは小径部92aに係合しており、搬送路4の開口幅は最小値のまま変化しない。そのため、挿入搬送ローラ対22、23によって収納部5に紙幣を搬入した後、搬送路4の開口幅を最小に維持しつつ、ピンチローラ33bを駆動ローラ33a側に移動させて搬送ローラ対33によって紙幣を挟むことができる。
また、拡張機構8の係合突起83aが中間部92bおよび大径部92cに係合するとき、可変機構7の係合突起72aは大径部91aの周方向中央部に係合する。そのため、収納部5に収納された紙幣を挿入口2から回収する際に、搬送路4の開口幅を最大としつつ、ピンチローラ33bを駆動ローラ33a側に移動させて搬送ローラ対33によって紙幣を挟むことができる。
本実施形態では、拡張機構8と可変機構7を1つのカム板90に連結したことによって、1つのカム用モータ94によって拡張機構8と可変機構7を動作させてアッパーガイド20およびピンチローラ33bを駆動することが可能となっている。そのため、アッパーガイド20およびピンチローラ33bを別々のモータで駆動する場合に比べて装置のコストを低減できる。
また、運動方向を変換するカム機構を用いたことにより、カム用モータ94を回転駆動することで、アッパーガイド20およびピンチローラ33bを左右方向(紙幣の厚み方向)に駆動できるため、紙幣の厚み方向に駆動する駆動源(例えば電動プッシャ)を用いてアッパーガイド20およびピンチローラ33bを駆動する場合に比べて、装置の厚み(紙幣の厚み方向幅)を小さくできる。また、ラックとピニオンを用いてアッパーガイド20およびピンチローラ33bを駆動する場合に比べて、構造を簡易化できると共に装置を小型化できる。
また、カム板90の第1カム溝A91および第2カム溝A92は、拡張機構8により搬送路4および挿入口2の開口幅を変更する動作と、可変機構7によりピンチローラ33bと駆動ローラ33aの相対距離を変更する動作を、同時に行わない形状に形成されているため、カム用モータ94の負荷を軽減でき、故障発生を低減できる。
(制御回路基板100)
図16は、紙幣処理装置1の制御ブロック図である。図16に示すように、紙幣処理装置1は、上記した各駆動装置の動作を制御する制御回路基板100を備えており、この制御回路基板100上には、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103とが実装されている。
ROM102には、搬送用モータ53、スタックゲート用モータ64、カム用モータ94等の各種駆動装置の作動プログラムや、真贋判定プログラム等の各種プログラム等と、真贋判定処理等を行うときに用いられる基準データ等の恒久的なデータが記憶されている。基準データは、真券紙幣の全印刷領域から取得されており、例えば、赤外光および可視光を紙幣に投光した際の透過光と反射光に関する濃淡データを含んでいる。なお、本実施形態では、基準データをROM102に記憶させているが、専用の記憶手段に記憶させておいてもよい。
CPU101は、ROM102に記憶されている作動プログラムに従って制御信号を生成し、I/Oポート104を介して上述した各種駆動装置との間で信号の入出力を行い、各種駆動装置の駆動制御を行う。すなわち、CPU101には、I/Oポート104を介して、搬送用モータ53、スタックゲート用モータ64、カム用モータ94が接続されており、これらの駆動装置は、ROM102に記憶された作動プログラムに従って、CPU101からの制御信号により動作が制御される。
また、CPU101には、I/Oポート104を介して、第1紙幣検知センサ24、第2紙幣検知センサ25、エンプティセンサ34、スタックゲート検知センサ40、カム検知センサ96等の各種センサからの検知信号が入力されるようになっており、これらの検知信号に基づいて、上述した各種駆動装置の駆動制御が行われる。
スタックゲート検知センサ40の検知信号に基づいた制御とは、具体的には、スタックゲート検知センサ40が突起39aを検知している時点から所定のステップ数だけスタックゲート用モータ64を駆動することで、スタックゲート31を搬入位置から搬出位置またはスタック位置まで移動させ、スタックゲート検知センサ40が突起39aを検知するまでスタックゲート用モータ64を駆動することで、スタックゲート31を搬入位置に戻すというものである。
また、カム検知センサ96の検知信号に基づいた制御とは、具体的には、カム検知センサ96が突起72bを検知している時点から所定のステップ数だけカム用モータ94を駆動することで、カム板90を基準位置から所定角度回転させ、カム検知センサ96が突起72bを検知するまでカム用モータ94を駆動することで、カム板90を基準位置に戻すというものである。
また、CPU101には、I/Oポート104を介して、読取部21が接続されており、読取部21で読取ったデータは、ROM102に記憶されている基準データと比較され、紙幣の真贋判定処理が実行される。
RAM103は、CPU101が作動する際に用いるデータやプログラムを記憶していると共に、収納部5に収納されている紙幣の枚数を記憶する機能を有する。
また、CPU101は、遊技媒体貸出装置200が組み込まれた遊技媒体貸出装置200の制御回路200aと、多数の遊技機201および遊技媒体貸出装置200を一括して管理する管理サーバー203とに接続されており、紙幣の金額や枚数などの情報を送信するようになっている。
CPU101は、アッパーガイド検知センサ28によって不正行為を検知した場合には、管理サーバー203と遊技媒体貸出装置200の制御回路200aに不正検知信号を送信するようになっている。
また、CPU101は、厚み検知センサ97により検知された紙幣の厚みが所定値に達したとき、管理サーバー203と遊技媒体貸出装置200の制御回路200aに満杯信号を送信するようになっている。満杯信号を受信した遊技媒体貸出装置200の制御回路200aは、遊技媒体貸出装置200に組み込まれた表示装置や音声装置に満杯状態であることを報知させるようになっている。
また、管理サーバー203の管理者の操作により、管理サーバー203から紙幣処理装置1に対して、収納部5に収納された紙幣の回収を指示する紙幣回収信号を送信できるようになっている。なお、紙幣回収信号は、管理サーバー203に満杯信号が送信されて管理者が紙幣を回収する場合や、遊技場の営業終了後に全ての紙幣処理装置1の紙幣を回収する場合に送信される。
(紙幣入金時の処理動作)
次に、紙幣入金時の紙幣処理装置1の処理動作について、図17〜図20のローチャートを用いて説明する。
操作者が紙幣Mを挿入口2に挿入する際、搬送路4の開口幅および挿入口2の開口幅は最小となっている。また、ピンチローラ33bは待機位置に配置されており、スタックゲート31は搬入位置に配置されている。
図17のフローチャートに示すように、挿入口2に紙幣Mが挿入されて、第1紙幣検知センサ24によって紙幣Mが検知されると(ステップS1:Yes)、黒補正処理を開始する(ステップS2)。黒補正処理とは、反射用発光部と透過用発光部21bの発光状態を無効にした状態で、読取部21の受光部からの検知信号を取得して、最も低い明度の基準値を設定(補正)する処理である。なお、この黒補正処理は、後述する読取部21による紙幣の読取処理の開始までに終了すればよい。
また、搬送用モータ53を正転駆動して(ステップS3)、入金された紙幣Mを挿入搬送ローラ対22、23によって収納部5に向けて搬送する。そして、搬送された紙幣Mが読取部21を通過する際に、紙幣の読取処理を開始すると共に(ステップS4)、重なり/形状チェック処理を実行する(ステップS5)。
重なり/形状チェック処理では、図18のフローチャートに示すように、読取部21が紙幣を所定長さだけ読取ったときに(ステップS21:Yes)、読取った画像の画素の平均濃度値を算出して(ステップS22)、この平均濃度値がROM102に記憶された閾値(基準データ)以上である否かを判断する(ステップS23)。
算出された平均濃度値が閾値未満の場合には(ステップS23:No)、入金された紙幣が重なっている(紙幣が複数枚重なっているか、紙幣の先端部が折れ曲がっている)と判定して、図19のフローチャートに示すように、搬送用モータ53を逆転駆動して(ステップS31)、その紙幣を挿入口2に差し戻すように搬送する。そして、第1紙幣検知センサ24が紙幣の搬送方向前端を検知した時点から搬送用モータ53を所定量だけ逆転駆動して(ステップS32:Yes、ステップS33)、紙幣の一部が挿入口2から排出された状態とする。
また、算出された平均濃度値が閾値以上の場合には(ステップS23:Yes)、所定長さ読取った画像の形状を、ROM102に記憶された基準画像と比較して、類似しないと判断した場合に(ステップS24:No)、紙幣に破れ等があると判定して、その紙幣を直ちに挿入口2から排出するように、搬送用モータ53を逆転駆動する(ステップS31〜S33)。
また、読取った画像の形状が基準画像と類似すると判断した場合には(ステップS24:Yes)、そのまま紙幣の読取処理を継続し、読取部21が紙幣の搬送方向後端の読取りを終了すると(ステップS6:Yes)、真贋判定処理を開始する(ステップS7)。そして、読取部21が紙幣の搬送方向後端の読取りを終了してから搬送用モータ53を所定量だけ駆動して、紙幣の搬送方向後端を読取部21と第2紙幣検知センサ25との間の位置(エスクロ位置)で停止させる(ステップS8)。
また、真贋判定処理において紙幣が真券でないと判定された場合には(ステップS9:No)、その紙幣を直ちに挿入口2から排出するように、搬送用モータ53を逆転駆動する(ステップS31〜S33)。
また、真贋判定処理において紙幣Mが真券であると判定されて(ステップS9:Yes)、図20のフローチャートに示すようにエンプティセンサ34によって紙幣が検知されない場合には(ステップS10:No)、カム用モータ94を駆動して、スライド部材72の係合突起72aをカム板90の大径部91aに係合させることにより、ピンチローラ33bを駆動ローラ33a側に移動させて、搬送ローラ対33によって1枚の紙幣を挟持力Faで挟持する(ステップS11)。
また、真贋判定処理において紙幣が真券であると判定されて(ステップS9:Yes)、エンプティセンサ34によって紙幣が検知された場合には(ステップS10:Yes)、RAM103に記憶されている紙幣の収納枚数に応じて、カム用モータ94を駆動して、スライド部材72の係合突起72aをカム板90の中間部91bの所定の位置に係合させることにより、ピンチローラ33bを駆動ローラ33a側に移動させて、搬送ローラ対33によって紙幣を挟持力Fbで挟持する(ステップS12)。
上記ステップS11、S12の後、搬送用モータ53を正転駆動する(ステップS13)。そして、第2紙幣検知センサ25が紙幣を検知しなくなった時点から搬送用モータ53を所定量だけ正転駆動して、搬入された1枚の紙幣の搬送方向後端をスタック部37と対向する位置で停止させる(ステップS14:Yes、ステップS15)。
その後、カム用モータ94を駆動して、スライド部材72の係合突起72aをカム板90の大径部91aに係合させることにより、ピンチローラ33bを駆動して、搬送ローラ対33によって紙幣を挟持力Faで挟持する(ステップS16)。なお、上述のステップS10において紙幣が検知されなかった場合には、カム用モータ94は停止したままである。
次に、スタックゲート用モータ64を駆動して、スタックゲート31を一旦スタック位置に移動させて、搬入された紙幣の搬送方向後端部をスタック部37と押圧板32との間に移動させてから、スタックゲート31を再び搬入位置に戻す(ステップS17)。これにより、紙幣の搬送方向後端部は、スタック部37を乗り越えて、スタック部37と押圧板32との間に配置される。その後、カム用モータ94を駆動して、ピンチローラ33bを駆動ローラ33aから離間させて待機位置に配置する(ステップS18)。なお、スタックゲート31を搬入位置に戻したときに、RAM103に記憶される紙幣の枚数が更新される。
上述のステップS12を行う際、厚み検知センサ97によって、搬送ローラ対33で挟持される紙幣の厚みが所定値に達していると検知された場合には、紙幣処理装置1から管理サーバー203と遊技媒体貸出装置200の制御回路200aに満杯信号を送信して回収の必要性を通知する。また、紙幣の厚みが所定値に達した場合には、その後、挿入口2に紙幣が挿入されても、上述した紙幣入金時の処理動作を行わない。このように、収納部5内の紙幣の厚みに応じて回収のタイミングを管理することにより、RAM103に記憶された紙幣の収納枚数に応じて管理する場合に比べて、紙幣の状態(しわ等)に依存せずに、より安定した信頼性の高い紙幣回収が可能となる。
(紙幣回収時の処理動作)
次に、収納部5に収納された複数枚の紙幣Mを回収するときの紙幣処理装置1の処理動作について、図21のフローチャートを用いて説明する。
管理サーバー203から送信された紙幣回収信号を受信すると(ステップS41:Yes)、スタックゲート用モータ64を駆動して、スタックゲート31を搬入位置から搬出位置に移動させる(ステップS42)。
次に、カム用モータ94を駆動して、スライド部材72の係合突起72aをカム板90の大径部91aに係合させることにより、ピンチローラ33bをデフォルト位置から駆動ローラ33a側に移動させて搬送ローラ対33によって紙幣を挟持力Faで挟持すると共に、スライド部材83の係合突起83aをカム板90の大径部92cに係合させることにより、搬送路4の開口幅が最大となるようにアッパーガイド20を移動させる(ステップS43)。
続いて、搬送用モータ53を逆転駆動して(ステップS44)、搬送ローラ対33で挟持した紙幣束を挿入口2に向かって搬送する。そして、第1紙幣検知センサ24が紙幣の搬送方向前端を検知した時点から搬送用モータ53を所定量だけ逆転駆動して(ステップS45:Yes、ステップS46)、紙幣束の一部が挿入口2から排出された状態とする。なお、紙幣排出時の搬送用モータ53の回転速度は、複数枚の紙幣を確実に搬送できるように、紙幣挿入時の回転速度よりも遅くすることが好ましい。
その後、紙幣回収者が紙幣束を抜き取って回収し、第1紙幣検知センサ24と第2紙幣検知センサ25によって紙幣が検知されなくなると(ステップS47:No)、カム用モータ94を駆動して、搬送路4の開口幅が最小となるようにアッパーガイド20を移動させると共に、ピンチローラ33bを駆動ローラ33aから離間させて待機位置に配置する(ステップS48)。なお、第1紙幣検知センサ24と第2紙幣検知センサ25によって紙幣が検知されなくなったときに、RAM103に記憶される紙幣の枚数がゼロに初期化される。
以上、本発明の実施形態1を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、上記実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、上記実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
上記実施形態1では、収納部5に収納されている紙幣を搬送するための搬送部材として、1対の部材(搬送ローラ対33)が用いられているが、搬送部材の構成は、これに限定されるものではない。例えば、紙幣の厚み方向一方側に配置された回転可能なベルトと、紙幣の厚み方向他方側に配置されたローラとによって、搬送部材が構成されていてもよい。
また、上記実施形態1では、紙幣回収時やスタック動作時に搬送ローラ対33によって紙幣を挟持する際、ねじりコイルバネ71によってピンチローラ33bが駆動ローラ33a側に押圧されていることにより、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aとの相対距離は、紙幣の厚みに応じた値となっている。つまり、ねじりコイルバネ71の弾性力によって、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aとの相対距離が、紙幣の厚みに応じた値に設定されているが、カム溝91の形状だけで、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aとの相対距離を紙幣の収納枚数に応じた値に設定できるように構成されていてもよい。つまり、カム溝91のうち、係合突起83aが第2大径部92cと係合するときに係合突起72aが係合する部分が、径が連続的に変化する形状であって、RAM103に記憶された紙幣の収納枚数に応じて係合突起72aの係合位置が決定されるようになっていてもよい。
また、上記実施形態1では、スタックゲート31は、スタック部37とガイド部38とが、その延在方向の両端部において連結されているが、延在方向一端部だけで連結されていてもよい。
また、上記実施形態1では、カム溝91、92は環状に形成されているが、カム用モータ94が正逆転可能である場合、カム溝91、92は環状でなくてもよい。
また、上記実施形態1では、本発明の紙葉類処理装置を、遊技媒体貸出装置に組み込まれる紙幣処理装置に適用した例について説明したが、本発明の紙葉類処理装置の適用対象はこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態1では、紙幣処理装置1は、挿入口2の長手方向が上下方向となる向きに設置されるが、本発明の紙葉類処理装置の設置方向はこれに限定されるものではない。例えば、挿入口の長手方向が水平になる向きに設置してもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態である紙幣処理装置A1について説明する。尚、実施形態1と同一部材には同一の符号を付記し、実施形態1との相違部分を中心に説明する。
(左カバー111)
図22、図23及び図24に示すように、本実施形態2の紙幣処理装置A1は、各種部材が組み付けられるフレーム10と、フレーム10の前壁11を覆うように配置された前カバー3と、フレーム10の右側壁10aから左側部分を覆うように配置された左カバー111とを有している。これにより、紙幣処理装置A1は、フレーム10の右側壁10aと前壁11と左カバー111とで箱型形状に形成され、内部に収納された紙幣や各種の機構を保護している。
上記の左カバー111は、切欠き部111aを左側壁111bに有している。切欠き部111aは、収納蓋30を外部に露出させるように形成されている。これにより、紙幣処理装置A1は、フレーム10から左カバー111を取り外さなくても、収納蓋30を開閉することが可能になっている。左カバー111は、フレーム10に対してネジ締めにより着脱可能に固定されている。
(拡張機構A8)
拡張機構A8は、アッパーガイドA20及び押圧板A32を左右方向に駆動させるためのものであると共に、左方向に付勢されているセイフティ機構A112を左右方向に移動させるためのものである。即ち、拡張機構A8は、アッパーガイドA20を駆動する機能と、押圧板A32を駆動する機能と、図26のセイフティ機構A112を移動させる機能とを有している。これにより、拡張機構8の駆動源であるカム用モータ94により回転されるカムプーリA90は、上記の2種類の駆動機能と1種類の移動機能とを実現する機構に共用されている。尚、図26は、フレーム10から右カバー111を取り外した状態を示している。
(拡張機構A8:アッパーガイドA20の駆動機能)
拡張機構A8は、アッパーガイドA20の上下両端部の突起部A20aを左右方向に支持する2つの第1アームA80と、2つの連結部材A81と、2つのねじりコイルバネA801と、スライド部材83とを有することによって、アッパーガイドA20の駆動機能を実現している。
2つの第1アームA80は、上下壁13の上下両側に配置されている。第1アームA80は、左右方向から見て略L字状に形成されている。第1アームA80は、L字状の角部近傍部において、フレーム10に設けられた軸A19に回動可能に連結されている。
第1アームA80のL字状の一方の先端部には、軸A16が設けられている。軸16は、連結部材A81の前端部において回動可能及び左右方向に移動可能に係合されている。一方、連結部材A81の後端部は、スライド部材83に連結されている。連結部材A81は、ガイド軸18に装着され、ガイド軸18に沿って移動可能にされている。ガイド軸18は、前後方向に軸芯が一致されている。これにより、連結部材A81は、スライド部材83により前後方向にだけ移動するようになっている。そして、第1アームA80は、連結部材A81の前後方向の移動に伴って、軸A16が設けられた一方の先端部を前後方向に移動させ、軸A19を回動中心として他方の先端部を左右方向に移動させるようになっている。
第1アームA80のL字状の他方の先端部は、右支持部A80aと左支持部A80bとに分岐されている。右支持部A80aは、アッパーガイドA20の突起部A20aの右側面に当接されている。また、第1アームA80には、ねじりコイルバネA801が設けられている。ねじりコイルバネA801は、第1アームA80を軸支する軸A19に中心部が取り付けられており、先端部がアッパーガイドA20の突起部A20aの左側面に当接され、突起部A20aを右側方向に付勢している。これにより、アッパーガイドA20及び第1アームA80の他方の先端部(右支持部A80a、左支持部A80b)は、ねじりコイルバネA801により右側方向(挿入口2を閉じる方向)に付勢されていると共に、突起部A20aや第1アームA80の右支持部A80a等を介してカム用モータ94により左側方向(挿入口2を開く方向)に移動可能にされている。
一方、第1アームA80の左支持部A80bは、図32A、図32B及び図32Cに示すように、アッパーガイドA20のガイド溝部A20bに嵌合可能にされている。ガイド溝部A20bは、アッパーガイドA20の左右方向に形成されている。ガイド溝部A20bの左端は、アッパーガイドA20の左面において開放端とされている。一方、ガイド溝部A20bの右端は、アッパーガイドA20の右面において閉鎖端A20cとされている。第1アームA80の左支持部A80bは、図32Cに示すように、アッパーガイドA20が挿入口2を閉じる位置にまで移動されたときに、先端部が閉鎖端A20cに当接するように設定されている。これにより、アッパーガイドA20は、連結部材A81により回動を禁止された第1アームA80の左支持部A80bがガイド溝部A20bの閉鎖端A20cに当接されることによって、左側方向(開方向)への移動が禁止される。この結果、アッパーガイドA20は、挿入口2を閉じた状態を第1アームA80により強固に維持することによって、アッパーガイドA20が外部から強制的に左側方向(開方向)へ移動されることによる不正行為を防止することが可能になっている。
(拡張機構A8:押圧板A32の駆動機能)
拡張機構A8は、押圧板A32の上下両端部の突起部A32bを左右方向に支持する2つの第2アームA85と、2つの連結部材A81と、2つのねじりコイルバネ41と、スライド部材83とを有することによって、押圧板A32の駆動機能を実現している。
2つの第2アームA85は、図23に示すように、上下壁13とスタックアーム60との間に配置されている。第2アームA85は、図25に示すように、左右方向から見て略L字状に形成されている。第2アームA85は、L字状の角部近傍部において、フレーム10に回動可能に軸支されている。第2アームA85のL字状の一方の先端部は、押圧板A32の突起部A32bの右側面に当接されている。また、第2アームA85には、ねじりコイルバネ41が設けられている。ねじりコイルバネ41は、第2アームA85を軸支する軸に中心部が取り付けられており、先端部が押圧板A32の突起部A32bの左側面に当接され、突起部A32bを右側方向に付勢している。
一方、第2アームA85のL字状の他方の先端部は、連結部材A81の突起部A81aに当接可能に配置されている。連結部材A81は、スライド部材83により前方に移動したときに、突起部A81aを第2アームA85の他方の先端部に当接させ、第2アームA85の一方の先端部を左方向に移動させることによって、押圧板A32を左方向に移動させるようになっている。また、連結部材A81は、スライド部材83により後方に移動したときに、突起部A81aを第2アームA85の他方の先端部から離反させ、第2アームA85を右方向に回動させることによって、押圧板A32をねじりコイルバネ41の付勢力により右方向に移動させるようになっている。
(拡張機構A8:セイフティ機構A112の移動機能)
拡張機構A8は、図26に示すように、2つの連結部材A81及びスライド部材83とを有することによって、セイフティ機構A112の移動機能を実現している。
連結部材A81は、第1係合溝A81bと第2係合溝A81cとを有している。第1係合溝A81bと第2係合溝A81cとは、セイフティ機構A112の突出部A1122aが移動自在に係合するように形成されている。尚、セイフティ機構A112は、バネA1124により左方向に付勢されている。セイフティ機構A112の詳細については後述する。
図31Bに示すように、第1係合溝A81bは、連結部材A81における右側壁前端部の壁部12側に形成されている。第2係合溝A81cは、第1係合溝A81bに接続されており、連結部材A81における前側壁に形成されている。連結部材A81は、スライド部材83により前方に移動したときに、セイフティ機構A112の突出部A1122aを第1係合溝A81bに係合させる。これにより、セイフティ機構A112のシャッタ部A1121は、搬送路よりも右側に位置することによって、搬送路から没した状態にされる。また、図31Cに示すように、連結部材A81は、スライド部材83により後方に移動し、セイフティ機構A112の突出部A1122aが第2係合溝A81cに到達したときに、セイフティ機構A112が左方向に付勢されていることによって、突出部A1122aを第2係合溝A81cの左端まで移動させる。これにより、セイフティ機構A112のシャッタ部A1121は、搬送路よりも左側に位置することによって、搬送路内に突出した状態にされる。
(押圧板A32)
拡張機構A8のアームA80により左右方向に移動される押圧板A32は、図31Aに示すように、スタック部A37の左側に対向配置されている。押圧板A32の上下両端部は、図24の上下壁13に形成されたスリット13aの内側に配置されている。押圧板A32の突起部A32bには、図25に示すように、一端がフレーム10に係止されたねじりコイルバネ41の他端が当接しており、押圧板A32はこのねじりコイルバネ41によって右側に付勢されている。
図27Aに示すように、押圧板A32の右面(スタック部A37と対向する面)には、複数の規制部A32a(第1の規制部)が形成されている。規制部A32aは、押圧板A32の上部領域と中部領域と下部領域との3箇所に配置されている。各規制部A32aは、図27Bにも示すように、紙葉類との接触面に、紙葉類の挿入口2方向への移動よりも収納部方向へ移動した際の摩擦力が大きくなるように形成されている。具体的に説明すると、各規制部A32aは、複数の凸条部A32cを有している。各凸条部A32cは、右方向に突出し且つ上下方向に沿って延びるように形成されていると共に、前後方向に等間隔に形成されている。各凸条部A32cの上下方向から見た断面形状は、底部の中心点から頂部に向かう線分が前側に傾斜するように形成されている。
これにより、押圧板A32は、挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に搬送する際、収納部5に積層収納されている紙葉類の積層状態が乱れることを防止することができる。また、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2方向へ搬送する際に、規制部A32aによる摩擦力を低減させることが可能になり、紙葉類の回収時における搬送不良が発生する可能性を小さくすることができる。
(スタック部A37)
図24に示すように、押圧板A32に対向するスタック部A37(可動片)は、積層収納された紙葉類同士の間の摩擦力よりも、積層収納された紙葉類との接触面におけるスタック部A37と積層収納された紙葉類との間の摩擦力が大きくなる第2の規制部を備えている。例えば、第2の規制部は、シリコンゴム製であり、少なくとも紙葉類との接触部位に形成されている。これにより、搬入空間31aに対してスタック部A37が出没するときの衝撃で収納部2に積層収納された紙葉類がずれてしまうことによる紙葉類の収納時の不安定化を防止することができる。さらに、紙幣処理装置A1に外力が付加されたときの衝撃で収納部5に積層収納された紙葉類がずれてしまうことによる紙葉類の収納時の不安定化を防止することもできる。
(セイフティ機構A112)
拡張機構A8により駆動されるセイフティ機構A112は、図28に示すように、シャッタ部材A1125を有している。シャッタ部材A1125は、平板部A1122と、平板部A1122の上下方向の両端面に配置された突出部A1122a・A1122aと、平板部A1122の中心部に配置された移動規制部A1123及びシャッタ部A1121とを有している。移動規制部A1123には、バネA1124が設けられており、バネA1124は、移動規制部A1123を回動中心としてシャッタ部A1121を搬送路4内に進出させるように付勢している。
また、突出部A1122aは、連結部材A81の第1係合溝A81b及び第2係合溝A81cに移動自在に係合されている。そして、図31A及び図31Bに示すように、セイフティ機構A112は、連結部材A81がスライド部材83により前方に移動したときに、突出部A1122aを第1係合溝A81bに係合させ、シャッタ部A1121を搬送路4から没する位置に移動させるようになっている。一方、図31Cに示すように、セイフティ機構A112は、連結部材A81がスライド部材83により後方に移動したときに、突出部A1122aを第2係合溝A81cに係合させ、バネA1124の付勢力によりシャッタ部A1121を搬送路4内に進出する位置に移動させるようになっている。これにより、セイフティ機構A112は、取り引き待ち時において収納部5に収納された紙葉類の引き抜きを防止することが可能になっている。
また、セイフティ機構A112は、シャッタ部A1121の移動及び移動停止を拡張機構A8の進退移動により行っているため、セイフティ機構A112(シャッタ部A1121)の移動及び移動停止を切り替える専用の移動切替機構を別途設ける場合よりもコストダウンを可能にしている。
(搬送ローラ対A33)
図29に示すように、搬送ローラ対A33は、壁部12側に配置された駆動ローラ33aと、収納蓋30側に配置されたピンチローラA33bとからなる。搬送ローラ対A33は、搬送機構6により駆動され、紙幣を搬送するためのものである。挿入口2と搬送ローラ対A33との離間距離は、紙幣の搬送方向長さよりも短い。
駆動ローラ33aは、フレーム10に回転可能に支持された駆動軸35に固定されており、壁部12の左面から若干突出して配置されている。駆動軸35は、搬送機構6によって駆動される。ピンチローラA33bは、支軸36に固定されている。支軸36は、可変機構7によって左右方向に駆動される。支軸36が駆動軸35から最も離間した状態では、ピンチローラA33bは収納蓋30に形成された開口から外部に露出する。
駆動ローラ33aの外周面の紙幣に対する摩擦係数は、紙幣同士の摩擦係数よりも大きい。ピンチローラA33bの外周面の摩擦係数は、紙幣同士の摩擦係数よりも大きくても小さくてもよい。
ピンチローラA33bは、紙葉類と当接すると形状が変形し、変形した形状から元の形状に戻ろうとする弾性力を利用して紙葉類を押圧する第1当接部材A331bを有している。第1当接部材A331bは、低硬度の弾性体、例えばウレタンフォームにより形成されている。また、第1当接部材A331bは、短軸の円環形状に形成されており、上下方向に4個が等間隔で配置されている。
搬送ローラ対A33は、搬送機構6により回転駆動されることによって、挟持した紙葉類を搬送可能にされている。搬送ローラ対A33は、挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に向かって搬送する際、第1当接部材A331bを紙葉類と当接させるように、ピンチローラ33bと駆動ローラ33aとの相対距離を変更されるようになっている。
これにより、紙葉類を収納部5に向かって搬送する紙葉類収納時は、ピンチローラA33bの第1当接部材A331bをその弾性変形で生じる力を利用して積層された紙葉類に当接させることで、積層された紙葉類の状態に依存せず搬送する紙葉類と第1当接部材A331bとの間に一定の摩擦力が加えられるようになる。従って、安定して紙葉類収納時の動作を行うことが可能となる。
また、ピンチローラA33bは、第1当接部材A331bよりも硬質に形成された第2当接部材332bを有している。第2当接部材332bは、円筒形状に形成されている。第2当接部材332bは、第1当接部材A331bに挿入されている。第2当接部材332bの外周面には、凹形状の嵌合部A3321bが周方向に形成されている。嵌合部A3321bは、上下方向の4か所に等間隔で形成されている。各嵌合部A3321bには、第1当接部材A331bの内周部が嵌合されている。第2当接部材332bの軸芯は、第1当接部材A331bの軸芯に一致されている。即ち、搬送ローラ対A33は、第1当接部材A331bと第2当接部材332bとが同軸に配置された構成にされている。
第2当接部材332bの外径は、嵌合部A3321bに嵌合された第1当接部材A331bの外周面よりも第2当接部材332bの外周面が内側に位置するように、第1当接部材A331bの外径よりも小さな値に設定されている。そして、搬送ローラ対A33は、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって搬送する際、第2当接部材332bを紙葉類と当接させるように、駆動ローラ33aとピンチローラA33bとの間の相対距離が変更されるようになっている。
これにより、紙葉類を挿入口2に向かって搬送する紙葉類回収時において、駆動ローラ33aとピンチローラA33bとの間の相対距離を縮小するように変更すると、第2当接部材332bが第1当接部材A331bよりも硬質なため、第1当接部材A331bが潰れる結果、第2当接部材332bを紙葉類に当接させることができる。従って、搬送ローラ対A33の相対距離、即ち、ピンチローラA33bの移動量を変更するだけで、2種類の弾性を有した第1当接部材A331bと第2当接部材332bとを使い分けることが可能となる。
(カムプーリA90)
図25に示すように、拡張機構A8のスライド部材83は、連結部材A81の後方に配置されている。スライド部材83の上下両端部には、ガイド軸18が貫通しており、スライド部材83は、ガイド軸18に沿って前後方向に移動可能となっている。スライド部材83は、カム板であるカムプーリA90の回転により駆動される。
図30Aに示すように、カムプーリA90は、円盤状に一体的に形成されている。カムプーリA90の外周部には、ギア部A901が形成されている。ギア部A901は、タイミングベルトであるベルト93が噛合されている。図29に示すスライド部材83の係合突起83aは、カムプーリA90の左面に形成された第2カム溝A92に係合している。第2カム溝A92は、図30A及び図30Cに示すように、環状に形成されており、径が一定の小径部A92aと、小径部A92aの両側に接続され、径が連続的に変化する2つの中間部A92bと、径が一定であって小径部A92aの径よりも大きい大径部A92cとで構成されている。また、カムプーリA90の左面には、第3カム溝A902が形成されている。
一方、カムプーリA90の右面には、図30Bに示すように、第1カム溝A91が形成されている。第1カム溝A91は、環状に形成されており、径が一定の大径部A91aと、大径部A91aの両側に接続され、径が連続的に変化する2つの中間部A91bと、径が一定であって大径部A91aの径よりも小さい小径部A91cとで構成されている。尚、第1カム溝A91及び第2カム溝A92の詳細は、実施形態1の第1カム溝91及び第2カム溝92と同一である。また、実施形態2のその他の構成は、実施形態1と同一である。
(カムプーリA90による動作)
図30Bに示すように、カムプーリA90の回転中心点と第1カム溝A91の小径部A91cの中間点とを結ぶ線分が前後方向であり、且つ、カムプーリA90の回転中心点が小径部A91cの中間点よりも前側に位置する状態を、カムプーリA90の0度位置(基準位置)の回転角度位置であるとする。そして、図30Dに示すように、カムプーリA90が0度位置から360度位置まで回転すると、第1カム溝A91に係合されたスライド部材72と、第2カム溝A92に係合された連結部材A81とがそれぞれ前後方向に移動することによって、ピンチローラA33bと搬送路4とシャッタ部A1121と押圧板A32とがそれぞれのタイミング(回転角度位置)で動作する。
ここで、カムプーリA90の0度位置(基準位置)は、図25に示すように、カム検知センサ96により検知される。具体的には、スライド部材72の後端部に形成された突起72bをカム検知センサ96が検知することによって、カムプーリA90の0度位置(基準位置)が検知される。カムプーリA90の0度位置(基準位置)は、カム用モータ94によりカムプーリA90が回転駆動されるときの回転角度位置の誤差をリセットするためのものである。基準位置によるリセット動作は、所定時間毎や所定回転角度毎のタイミングで行われてもよいし、所定の動作から次の動作に移るタイミングで行われてもよいし、複数種類の動作の中から選択された1以上の特定の動作を行うタイミングで行われてもよい。
カムプーリA90が0度位置から360度位置まで回転する場合の動作を具体的に説明する。尚、リセット動作の説明は省略するが、所定の動作から次の動作に移るタイミングで行われている。図31Aに示すように、カムプーリA90が0度位置から10度位置においては、ピンチローラA33bが上昇(左方向に移動)して駆動ローラ33aから最も離反した待機位置で停止している状態となる。また、アームA80に支持されたアッパーガイドA20が右方向に移動されることによって、搬送路4が閉鎖した状態となる。シャッタ部A1121は、スタック部37よりも下降(右側に位置)することによって、搬入空間31a(搬送路4)に埋没した埋没位置で停止している状態になる。第2アームA85に支持された押圧板A32は、閉鎖(右側に位置)した状態になる。
カムプーリA90が10度位置から80度位置に向かって回転すると、ピンチローラA33bが下降(右方向に移動)を開始し、駆動ローラ33aに向かって移動する。この際、搬送路4、シャッタ部A1121及び押圧板A32は、それぞれの状態を維持している。
カムプーリA90が80度位置から100度位置に向かって回転すると、ピンチローラA33bが最も下降したローラ間最小位置で停止している状態、搬送路4が閉鎖した状態、シャッタ部A1121が埋没位置で停止している状態、及び押圧板A32が閉鎖(右側に位置)した状態になる。
カムプーリA90が100度位置に到達すると、搬送路4が開き始める。カムプーリA90が110度位置に到達すると、続いて、押圧板A32が開き始める。そして、カムプーリA90が170度位置に到達したときに、搬送路4及び押圧板A32が最も開いた状態となる。即ち、図31Bに示すように、ピンチローラA33bが最も下降したローラ間最小位置に移動した状態、搬送路4が最も開いた状態、シャッタ部A1121が埋没位置に移動した状態、及び押圧板A32が最も開いた状態になる。この状態は、カムプーリA90が170度位置から190度位置に向かって回転する間において維持される。
カムプーリA90が190度位置に到達すると、搬送路4及び押圧板A32が閉鎖を始める。そして、カムプーリA90が260度位置に到達する直前に、シャッタ部A1121が上昇を開始し、カムプーリA90が260度位置に到達したときに、シャッタ部A1121が最も上昇することによって、搬入空間31a(搬送路4)に進出した突出位置に移動した状態になる。また、搬送路4及び押圧板A32が最も閉じた状態になる。この状態は、カムプーリA90が260度位置から280度位置に向かって回転する間において維持される。
カムプーリA90が280度位置に到達すると、ピンチローラA33bの上昇が開始される。カムプーリA90が300度位置に到達すると、シャッタ部A1121の下降が開始され、カムプーリA90が330度位置に到達したときに、シャッタ部A1121が最も下降されることにより搬入空間31aから没した状態になる。そして、カムプーリA90が350度位置に到達すると、ピンチローラA33bが最も上昇して待機位置に移動した状態となる。これにより、カムプーリA90が0度位置における図31Aの状態に戻ることになる。
(紙幣入金時の処理動作)
次に、紙幣入金時の紙幣処理装置A1の処理動作について、CPU101により実行される図32〜36及び図39〜41のフローチャートを用いて説明する。
図32のフローチャートに示すように、挿入口2に紙幣が挿入されて、第1紙幣検知センサ24によって紙幣が検知されると(T1:YES)、カム用モータ94を駆動させることによって、シャッタ部A1121を突出位置から埋没位置に移動させると共に、ピンチローラA33bをローラ間最小位置から待機位置に移動させる(T2)。即ち、図31Aに示すように、270度位置にあるカムプーリA90を0度位置(基準位置)に移動させることによって、セイフティ機構A112のシャッタ部A1121を搬送路4に埋没させると共に、ピンチローラA33bを待機位置(DOWN→UP)に移動させる。また、カム検知センサ96が突起72bを検知することによって、回転角度位置がリセットされる。
この後、黒補正処理を行う(T3)。搬送用モータ53を正転駆動し(T4)、入金された紙幣を挿入搬送ローラ対22、23により収納部5に向けて搬送する。そして、搬送された紙幣が読取部21を通過する際に、対象物である紙幣の読取処理を開始すると共に(T5)、重なり/形状チェック処理を実行する(T6)。
重なり/形状チェック処理では、図36のフローチャートに示すように、読取部21が識別対象である紙幣を所定長さだけ読取ったときに(T41:YES)、読取った画像の各画素の和を画素合計値として算出して、この画素合計値がROM102に記憶された所定値(基準データからなる閾値)以上である否かを判定する(T42)。ここで、図37に示すように、画素が0(黒)〜255(白)等の数値範囲を有している場合において、一般的に、紙幣(紙葉類)は、印刷領域の外側に余白領域が存在するため、余白領域の画素の値が大きくなる。この結果、各画素の和(画素合計値)が所定値以上の場合は、重なり有り判断とすることができる。尚、透過光としては、赤外光や可視光を適用できる。
図36に示すように、画素合計値が所定値以上である場合には(T42:YES)、入金された紙幣が重なっている(紙幣が複数枚重なっているか、紙幣の先端部が折れ曲がっている)と判定する。そして、図34に示すように、搬送用モータ53を逆転駆動して(T21)、その紙幣を挿入口2に差し戻すように搬送する。第1紙幣検知センサ24が紙幣の搬送方向前端を検知した時点から搬送用モータ53を所定量だけ逆転駆動して(T22:YES、T23)、紙幣の一部が挿入口2から排出された状態とする。具体的には、紙幣が検出されてから38mmまで紙幣を排出して停止する。
この後、カム用モータ94を駆動させることによって、シャッタ部A1121を埋没位置から突出位置に移動させると共に、ピンチローラA33bを待機位置からローラ間最小位置に移動させる(T24)。即ち、基準位置(0度位置)にあるカムプーリA90を270度位置に移動させることで、シャッタ部A1121を搬送路4から突出させると共に、ピンチローラA33bをローラ間最小位置(UP→DOWN)に移動させる。これにより、紙幣が挿入されていない取り引き待ち時において、収納部5に収納された紙葉類の引き抜きを防止することが可能になっている。
また、図36に示すように、画素合計値が所定値未満である場合には(T42:NO)、入金された紙幣が重なっていないと判定し、続いて、所定長読取った画像の形状を、ROM102に記憶された基準画像と比較し、類似しているか否かを判定する(T43)。具体的に説明すると、図38に示すように、図中の太線部分の形状を対象にして基準画像との比較を行なう。尚、透過光としては、赤外光や可視光を適用できる。
図36に示すように、類似しないと判定した場合は(T43:NO)、紙幣に破れ等があると判定して、その紙幣を直ちに挿入口2から排出するように、搬送用モータ53を逆転駆動する(T21〜T24)。
また、読取った画像の形状が基準画像と類似すると判定した場合には(T43:YES)、図32に示すように、そのまま紙幣の読取処理を継続する。そして、読取部21が紙幣の搬送方向後端の読取りを終了すると(T7:YES)、真贋判定処理を開始する(T8)。真贋判定処理の詳細は後述する。そして、読取部21が紙幣の搬送方向後端の読取りを終了してから搬送用モータ53を所定量だけ駆動して、紙幣の搬送方向後端を読取部21と第2紙幣検知センサ25との間の位置(エスクロ位置)で停止させる(T9)。
次に、真贋判定処理において、紙幣が真札でないと判定された場合には(T10:NO)、その紙幣を直ちに挿入口2から排出するように、搬送用モータ53を逆転駆動する(T21〜T24)。
一方、真贋判定処理において、紙幣が真札であると判定された場合は(T10:YES)、図33に示すように、続いて、エンプティセンサ34によって紙幣が検知されか否かを判定する(T11)。紙幣が検知されない場合には(T11:NO)、カム用モータ94を駆動して、スライド部材72の係合突起72aをカムプーリA90の大径部A91aに係合させることにより、ピンチローラA33bを駆動ローラ33a側に移動させる。そして、搬送ローラ対A33によって紙幣を第1の強さで挟む(T12)。ここで、第1の強さは、ピンチローラA33bが駆動ローラ33aにベタ付けの状態である条件下において、(紙幣等の紙葉類が接触するローラの接触面の摩擦係数)>収納される紙葉類間に生じる摩擦係数)の関係を有している。
一方、紙幣が検知された場合には(T11:YES)、RAM103に記憶されている紙幣の収納枚数に応じて、カム用モータ94を駆動して、スライド部材72の係合突起72aをカムプーリA90の中間部A91bの所定の位置に係合させることにより、ピンチローラA33bを駆動ローラ33a側に移動させる。即ち、収納枚数によって駆動ローラ33a及びピンチローラA33b間の距離が変わる。そして、搬送ローラ対A33によって紙幣を第2の強さで挟む(T13)。ここで、第2の強さは、ピンチローラA33bが駆動ローラ33aにベタ付けの状態である条件下において、(紙葉類が接触するローラの接触面の摩擦係数)<(収納される紙葉類間に生じる摩擦係数)の関係を有している。
T12又はT13を実行した後、搬送用モータ53を正転駆動する(T14)。そして、第2紙幣検知センサ25が紙幣を検知しなくなった時点から搬送用モータ53を所定量(9.3mm)だけ正転駆動して、搬入された1枚の紙幣の搬送方向後端をスタック部A37と対向する位置で停止させる(T15:YES、T16)。
その後、カム用モータ94を駆動して、スライド部材72の係合突起72aをカムプーリA90の大径部A91aに係合させることにより、ピンチローラA33bを駆動して、搬送ローラ対A33によって紙幣を第1の強さで挟持する(T17)。これは、紙幣をスタックゲート31と押圧板A32との間に挟む際に、紙幣が動かないようにピンチローラA33bで紙幣を押さえるためである。
次に、スタックゲート用モータ64を駆動して、スタックゲート31を一旦スタック位置に移動させて、搬入された紙幣の搬送方向後端部をスタック部A37と押圧板A32との間に移動させてから、スタックゲート31を再び搬入位置に戻す(T18)。これにより、紙幣の搬送方向後端部は、スタック部A37を乗り越えて、スタック部A37と押圧板A32との間に配置される。この後、カム用モータ94を駆動させることによって、シャッタ部A1121を埋没位置から突出位置に移動させると共に、ピンチローラA33bを待機位置からローラ間最小位置に移動させる(T24)。即ち、90度位置にあるカムプーリA90を基準位置(0度位置)へ移動させ、カム検知センサ96が突起72bを検知することによる回転角度位置のリセット動作を行った後に、更に270度位置へ移動させることにより、シャッタ部A1121を搬送路4から突出させると共に、ピンチローラA33bを待機位置からローラ間最小位置(DOWN→UP→DOWN)に移動させる。これにより、紙幣が挿入されていない取り引き待ち時において、収納部5に収納された紙葉類の引き抜きを防止することが可能になっている。
尚、厚み検知センサ97によって、搬送ローラ対A33で挟持される紙幣の厚みが所定値に達していると検知された場合には、紙幣処理装置A1から管理サーバー203と遊技媒体貸出装置200の制御回路200aに満杯信号を送信して回収の必要性を通知する。また、紙幣の厚みが所定値に達した場合には、その後、挿入口2に紙幣が挿入されても、上述した紙幣入金時の処理動作を行わない。このように、収納部5内の紙幣の厚みに応じて回収のタイミングを管理することにより、RAM103に記憶された紙幣の収納枚数に応じて管理する場合に比べて、紙幣の状態(しわ等)に依存せずに、より安定した信頼性の高い紙幣回収が可能となる。
(紙幣回収時の処理動作)
次に、収納部5に収納された複数枚の紙幣を回収するときの紙幣処理装置A1の処理動作について、図36のフローチャートを用いて説明する。
管理サーバー203から送信された紙幣回収信号を受信すると(T31:YES)、スタックゲート用モータ64を駆動して、スタックゲート31を搬入位置から搬出位置に移動させる(T32)。カム用モータ94を駆動して、ピンチローラA33bとアッパーガイドA20と押圧板A32とを駆動する。そして、第1の強さでピンチローラA33bと駆動ローラ33aとの間にある紙幣を挟む(T33)。具体的に説明すると、270度位置にあるカムプーリA90を基準位置(0度位置)に移動させ、カム検知センサ96が突起72bを検知することによる回転角度位置のリセット動作を行った後に、更に180度位置に移動させることによって、アッパーガイドA20及び押圧板A32を移動させて搬送路4を広げると共に、シャッタ部A1121を突出位置から埋没位置に移動させる。
この後、搬送用モータ53を逆転駆動して(T34)、搬送ローラ対A33で挟持した紙幣束を挿入口2に向かって搬送する。そして、第1紙幣検知センサ24が紙幣の搬送方向前端を検知した時点から搬送用モータ53を所定量(38mm)だけ逆転駆動して(T35:YES、T36)、紙幣束の一部が挿入口2から排出された状態とする。なお、紙幣排出時の搬送用モータ53の回転速度は、複数枚の紙幣を確実に搬送できるように、紙幣挿入時の回転速度よりも遅くすることが好ましい。具体的には、搬送速度は127mm/sであり、挿入方向の半分の速さに設定されている。
紙幣回収者が紙幣束を抜き取って回収し、第1紙幣検知センサ24と第2紙幣検知センサ25によって紙幣が検知されなくなると(T37:NO)、カム用モータ94を駆動して、アッパーガイドA20及び押圧板A32を待機位置に移動させると共に、ピンチローラA33bを待機位置からローラ間最小位置に移動させ、さらに、シャッタ部A1121を埋没位置から突出位置に駆動させる(T38)。
(真贋判定処理)
図32のT8において真贋判定処理が実行されると、図39に示すように、透かし画像真贋判定処理(折れ目除去)を実行した後(T51)、透かし画像真贋判定処理(明暗反転)を実行する(T52)。
具体的に説明すると、透かし画像真贋判定処理は、図40に示すように、ROM102に格納されている標準画像から透かし画像(人物)を取得する(T61)。そして、座標[x,y]地点の縦ラインの平均濃度値を算出し(T62)、座標[x,y]地点の横ラインの平均濃度値を算出し(T63)、透かし画像前面の平均濃度値を算出し(T64)、補正後透かし画像の各画素の濃度値を算出し(T65)、補正後の透かし画像g[x,y]から相関係数Rを取得する(T66)。これらの一連の処理(T61〜T66)により折れ目を除去する。
この後、真贋判定を行う。即ち、相関係数Rが閾値以上であるか否かを判定し(T67)、相関係数Rが閾値以上であれば(T67:YES)、真札と判定する(T68)。一方、相関係数Rが閾値未満であれば(T67:NO)、偽札と判定する(T69)。
また、透かし画像真贋判定処理(明暗反転)は、図41に示すように、ROM102に格納されている標準画像から、透かし画像s(漉き入れマーク)を取得し(T71)、取得した透過画像から透かし画像f(漉き入れマーク)を取得し(T72)、取得した透過画像の透かし画像fと標準画像の透かし画像sとから、相関係数Rを取得する(S1)。そして、相関係数Rが閾値以上であるか否かを判定する(T74)。これらの一連の処理(T71〜T74)が第一段階の処理であり、取得した透過画像の透かし画像fは、位置補正(i=−4to−4,j=−4to+4)を行ない、最も相関係数の高い数値を比較対象とする。
第一段階の処理において相関係数Rが閾値以上でなければ(T74:NO)、偽札と判定する(T79)。一方、相関係数Rが閾値以上であれば(T74:YES)、続いて、取得した反射画像から透かし画像f(漉き入れマーク)を取得し(T75)、取得した反射画像の透かし画像fと標準画像の透かし画像sとから、相関係数Rを取得する(T76)。そして、相関係数Rが閾値以上であるか否かを判定する(T77)。これらの一連の処理(T75〜T77)が第二段階の処理であり、取得した反射画像の透かし画像fは、位置補正(i=−4to−4,j=−4to+4)を行ない、最も相関係数の高い数値を比較対象とする。
第二段階の処理において相関係数Rが閾値以上でなければ(T77:NO)、偽札と判定する(T79)。一方、相関係数Rが閾値以上であれば(T77:YES)、真札であると判定する(T78)。
(概要)
以上のように、実施形態1の紙幣処理装置1及び実施形態2の紙幣処理装置A1は、図4・5及び図23に示すように、紙幣等の紙葉類が挿入される挿入口2と、挿入口2に挿入された紙葉類が収納される収納部5と、挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5まで搬送可能な搬送機構6とを備えており、搬送機構6は、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2から排出されるまで挿入口2に向かって搬送可能である第1の構成を有している。
第1の構成において、搬送機構6は、挿入口2に1枚ずつ挿入された紙葉類を収納部5まで搬送可能であり、且つ、収納部5に積層収納された複数枚の紙葉類を挿入口2に向かって搬送可能である第2の構成を有している。
第2の構成において、挿入口2は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、収納部5に収納された紙葉類を搬送機構6により挿入口2に向かって搬送する場合に、当該開口幅が拡張する第3の構成を有している。
第2又は第3の構成において、挿入口2と収納部5との間に、紙葉類が通過する搬送路4を備えており、搬送路4は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、収納部5に収納された紙葉類を搬送機構6により挿入口2に向かって搬送する場合に、当該開口幅が拡張する第4の構成を有している。
第1又は第2の構成において、実施形態2の紙幣処理装置A1は、図24及び図25に示すように、収納部5に収納された紙葉類を厚み方向で挟持可能な一対の搬送部材(駆動ローラ33a・ピンチローラA33b)を有し、一方の側の搬送部材(ピンチローラA33b)は、紙葉類と当接すると形状が変形し、変形した形状から元の形状に戻ろうとする弾性力を利用して紙葉類を押圧する第1当接部材A331bを有し、搬送機構6は、搬送部材によって挟持された紙葉類を搬送可能に構成され、搬送機構6によって挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に向かって搬送する際、第1当接部材A331bを紙葉類と当接させるように、一対の搬送部材間の相対距離を変更する第5の構成を有している。
上記の構成によれば、紙葉類を収納部5に向かって搬送する紙葉類収納時は、第1当接部材A331bをその弾性変形で生じる力を利用して積層された紙葉類に当接させることで、積層された紙葉類の状態に依存せずに、搬送する紙葉類と搬送部材(ピンチローラA33bの第1当接部材A331b)との間に一定の摩擦力が加えられるようになる。これにより、安定して紙葉類収納時の動作を行うことが可能となる。
第5の構成において、一方の側の搬送部材(ピンチローラA33b)は、第1当接部材A331bよりも直径が小さく、第1当接部材A331bよりも硬質に形成された第2当接部材332bと、第1当接部材A331bと第2当接部材332bとが配置される支軸36を有し、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって搬送する際、第2当接部材332bを紙葉類と当接させるように、一対の搬送部材間の相対距離を変更する第6の構成を有している。
上記の構成によれば、紙葉類を挿入口2に向かって搬送する紙葉類回収時は紙葉類と第2当接部材332bを当接させる。第2当接部材332bは、第1当接部材A331bよりも硬質なため、第1当接部材A331bが潰れる結果、第2当接部材332bが紙葉類と当接する。これにより、搬送部材の移動量を変更するだけで、2種類の当接部在(第1当接部材A331b及び第2当接部材332b)を使い分けることが可能となり、無用な構成、制御が不要となりコストダウンに繋がる。
第1の構成において、搬送機構6は、収納部5に収納された紙葉類の表面に対して、紙葉類の厚み方向で当接する当接部材(ピンチローラA33b)を有している。この当接部在の当接部表面は、互いに硬度の異なる2種類の弾性部材(第1当接部材A331b・第2当接部材332b)を交互に配置した凹凸状に形成されている。挿入口2に1枚ずつ挿入された紙葉類を収納部5まで搬送する場合には、凸状の弾性部材(第1当接部材A331b)の表面が紙葉類表面に当接し、収納部5に積層収納された複数枚の紙葉類を挿入口2に向かって搬送する場合には、凸状が弾性変形して凹状の弾性部材(第2当接部材332b)の表面が紙葉表面に当接するように、紙葉の表面に当接する当接力を変化させるように第7の構成を有している。
上記構成によれば、搬送機構6は、挿入口2から一枚ずつ搬送させる場合と、収納部5に収納した紙葉を挿入口2に向かって搬送させる場合とで、紙葉に対する当接力を当接部材(第1当接部材A331b・第2当接部材332b)の硬度の違いを利用して容易に当接力を変化させることが可能となる。その結果、挿入口2からの紙葉の挿入時には、当接力を弱くしてジャミング等の発生を防止し、逆に、収納部5に紙葉が積層された状態で挿入口2へ搬送する場合には、当接力を大きくすることによって、積層状態の紙葉の束を挿入口2へ安定して搬送することが可能となる。
実施形態1の紙幣処理装置1及び実施形態2の紙幣処理装置A1は、図4・5及び図23に示すように、紙葉類が挿入される挿入口2と、挿入口2に挿入された紙葉類を厚み方向に複数枚重ねて収納可能な収納部5と、収納部5に収納された紙葉類を厚み方向で挟持可能な搬送部材(搬送ローラ対33・A33)と、搬送部材によって挟持された紙葉類を挿入口2から排出されるまで挿入口2に向かって搬送可能な搬送機構6とを備えた第8の構成を有している。
第8の構成において、搬送部材は、収納部5に収納された紙葉類の厚み方向両側に配置される一対の部材(駆動ローラ33a・ピンチローラ33b・A33b)で構成され、搬送部材に接続され、一対の部材間を紙葉類を挟持する方向に可動する駆動源(カム用モータ94)と、駆動源を制御する制御部(制御回路基板100)とを備えており、制御部は、搬送部材と紙葉類との間の摩擦力が紙葉類同士の間の摩擦力よりも小さくなるように駆動源を制御する第9の構成を有している。
第8又は第9の構成において、挿入口2と収納部5との間に、紙葉類が通過する搬送路4を備えており、搬送路4は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって搬送する際、当該開口幅が拡張する第10の構成を有している。
第8乃至第9の何れかの構成において、紙幣処理装置1・A1は、挿入口2と搬送部材との離間距離が、紙葉類の搬送方向長さよりも短い第11の構成を有している。
第9の構成において、実施形態2の紙幣処理装置A1は、一方の側の部材(ピンチローラA33b)は、紙葉類と当接すると形状が変形し、変形した形状から元の形状に戻ろうとする弾性力を利用して紙葉類を押圧する第1当接部材A331bを有し、搬送機構6は、挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に向かって搬送可能であり、制御部は、搬送機構6によって挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に向かって搬送する際、第1当接部材A331bを紙葉類に当接させるように、一対の部材間の相対距離を変更する制御を行う第12の構成を有している。
上記の構成によれば、紙葉類を収納部5に向かって搬送する紙葉類収納時は、第1当接部材A331bをその弾性変形で生じる力を利用して積層された紙葉類に当接させることで、積層された紙葉類の状態に依存せず搬送する紙葉類と搬送部材との間に一定の摩擦力が加えられるようになる。これにより、安定して紙葉類収納時の動作を行うことが可能となる。
第12の構成において、一方の側の搬送部材は、第1当接部材A331bよりも直径が小さく、第1当接部材A331bよりも硬質に形成された第2当接部材332bと、第1当接部材A331bと第2当接部材332bとが配置される軸(支軸36)を有し、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって搬送する際、第2当接部材332bを紙葉類と当接させるように、一対の搬送部材(搬送ローラ対A33)間の相対距離を変更する第13の構成を有している。
上記の構成によれば、紙葉類を挿入口2に向かって搬送する紙葉類回収時は紙葉類と第2当接部材332bを当接させる。第2当接部材332bは第1当接部材A331bよりも硬質なため、第1当接部材A331bは潰れて第2当接部材332bが紙葉類と当接する。これにより、搬送部材の移動量を変更するだけで、2種類の当接部材(第1当接部材A331b・第2当接部材332b)を使い分けることが可能となり、無用な構成、制御が不要となりコストダウンに繋がる。
第8の構成の紙幣処理装置A1において、搬送機構6は、収納部5に収納された紙葉類の表面に対して、該紙葉類の厚み方向で当接する当接部材(ピンチローラA33b)を有し、この当接部材の当接部表面は、互いに硬度の異なる2種類の弾性部材を交互に配置した凹凸状とし、挿入口2に1枚ずつ挿入された紙葉類を収納部5まで搬送する場合には、凸状の弾性部材の表面が紙葉類表面に当接し、収納部5に積層収納された複数枚の紙葉類を挿入口2に向かって搬送する場合には、凸状が弾性変形して凹状の弾性部材の表面が紙葉表面に当接するように、紙葉の表面に当接する当接力を変化させるように構成された第14の構成を有している。
上記の構成によれば、搬送機構6は、挿入口2から一枚ずつ搬送させる場合と、収納部5に収納した紙葉を挿入口2に向かって搬送させる場合とで、紙葉に対する当接力を当接部材の硬度の違いを利用して容易に当接力を変化させることが可能となる。その結果、挿入口2からの紙葉の挿入時には、当接力を弱くしてジャミング等の発生を防止し、逆に、収納部5に紙葉が積層された状態で挿入口2へ搬送する場合には、当接力を大きくすることによって、積層状態の紙葉の束を挿入口2へ安定して搬送することが可能となる。
実施形態1の紙幣処理装置1及び実施形態2の紙幣処理装置A1は、図4・5及び図23に示すように、紙葉類が積層収納される収納空間を形成する収納部5と、収納部5に紙葉類を搬送する搬送機構6と、搬送機構6によって搬送される紙葉類の搬送方向と直交する方向に設けられ、収納空間に対して出没可能な可動片(スタック部37)とを備え、搬送機構6によって収納部5に搬送される紙葉類の搬送方向後端部が可動片と対向する位置で搬送を停止した後、可動片を出没動作させることによって、可動片と対向する位置にある紙葉類の後端部を収納空間側へ移動させ、紙葉類を収納空間に積層収納する第15の構成を有している。
第15の構成において、可動片は、収納部5の収納空間側に位置するとき、搬送機構6によって搬送される紙葉類を収納部5へ搬入させるための搬入空間を形成する第16の構成を有している。
第16の構成において、収納部5の壁部に形成され、可動片が出没するための出没穴12aと、可動片と対向し、当該可動片と一体的に移動するガイド片(ガイド部38)と、可動片を出没動作させる駆動源(スタックゲート用モータ64)と、駆動源を制御する制御部(制御回路基板100)とを更に備え、制御部は、駆動源を制御することにより、可動片を収納空間側に移動させた位置で、ガイド片によって出没穴12aを閉塞し、搬送機構6によって紙葉類の後端部が可動片と対向する位置で搬送を停止した後、可動片を収納空間側から搬入空間側に移動させて、当該可動片を出没穴12aに没する状態とし、その後、可動片を出没穴12aに没した状態から、収納空間側に位置するように戻す出没動作を実行する第17の構成を有している。
第15乃至第17の何れかの構成において、収納空間に積層収納された紙葉類を挟持する一対の当接部材(搬送ローラ対33・A33)を備えた第18の構成を有している。
第15の構成における紙幣処理装置A1において、紙葉類が挿入される挿入口2を有し、収納部5は、可動片に対して対向する位置に配置され、可動片との間で積層収納された紙葉類を挟持する押圧板A32を備え、押圧板A32は、積層収納された紙葉類との接触面に、紙葉類の挿入口2方向への移動より収納部5方向へ移動した際の摩擦力が大きい第1の規制部A32aを有した第19の構成を有している。
上記の構成によれば、挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に搬送する際、収納部5に積層収納されている紙葉類の積層状態が乱れることを防止することができる。
第15の構成における紙幣処理装置A1において、可動片は、積層収納された紙葉類同士の間の摩擦力よりも、積層収納された紙葉類との接触面における可動片と積層収納された紙葉類との間の摩擦力が大きくなる第2の規制部を備えた第20の構成を有している。
上記の構成によれば、搬入空間に対して可動片が出没するときの衝撃で収納部5に積層収納された紙葉類がずれてしまうことによる紙葉類の収納時の不安定化を防止することができる。
実施形態1の紙幣処理装置1及び実施形態2の紙幣処理装置A1は、図4・5及び図23に示すように、紙葉類が挿入される挿入口2と、挿入口2に挿入された紙葉類を厚み方向に複数枚重ねて収納可能な収納部5と、収納部5に収納された紙葉類を厚み方向の一方の側と他方の側とで挟持可能な搬送部材(搬送ローラ対33・A33)と、搬送部材によって挟持された紙葉類を収納部5から挿入口2へ搬送可能な搬送機構6と、一方の側と他方の側との搬送部材の相対距離を変更し、搬送部材と紙葉類との間の摩擦力と紙葉類同士の間の摩擦力とを変更可能とする可変部(可変機構7)とを備えた第21の構成を有している。
第21の構成において、可変部に接続され、搬送部材の一方の側と他方の側との間を紙葉類を挟持する方向に可動する駆動源(カム用モータ94)と、駆動源を制御する制御部(制御回路基板100)と、収納部5に収納されている紙葉類の枚数を記憶する記憶部とを備えており、搬送機構6は、挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に向かって搬送可能であり、制御部は、記憶部に記憶された紙葉類の枚数に応じて相対距離を変更する第22の構成を有している。
第21又は第22の構成において、挿入口2と収納部5との間に、紙葉類が通過する搬送路4を備えており、搬送路4は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって搬送する場合に、当該開口幅が拡張する第23の構成を有している。
第22の構成の紙幣処理装置A1において、一方の側の部材(ピンチローラA33b)は、紙葉類と当接すると形状が変形し、変形した形状から元の形状に戻ろうとする弾性力を利用して紙葉類を押圧する第1当接部材A331bを有し、搬送機構6は、挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に向かって搬送可能であり、制御部は、搬送機構6によって挿入口2に挿入された紙葉類を収納部5に向かって搬送する際、第1当接部材A331bを紙葉類に当接させるように、一対の部材間の相対距離を変更する制御を行う第24の構成を有している。
上記の構成によれば、紙葉類を収納部5に向かって搬送する紙葉類収納時は、第1当接部材A331bをその弾性変形で生じる力を利用して積層された紙葉類に当接させることで、積層された紙葉類の状態に依存せず搬送する紙葉類と搬送部材との間に一定の摩擦力が加えられるようになる。これにより、安定して紙葉類収納時の動作を行うことが可能となる。
第24の構成において、一方の側の搬送部材は、第1当接部材A331bよりも直径が小さく、第1当接部材A331bよりも硬質に形成された第2当接部材332bと、第1当接部材A331bと第2当接部材332bとが配置される軸(支軸36)を有し、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって搬送する際、第2当接部材332bを紙葉類と当接させるように、一対の搬送部材間の相対距離を変更する第25の構成を有している。
上記の構成によれば、紙葉類を挿入口2に向かって搬送する紙葉類回収時は紙葉類と第2当接部材332bを当接させる。第2当接部材332bは第1当接部材A331bよりも硬質なため、第1当接部材A331bは潰れて第2当接部材332bが紙葉類と当接する。これにより、搬送部材の移動量を変更するだけで、2種類の当接部材を使い分けることが可能となり、無用な構成、制御が不要となりコストダウンに繋がる。
第21の構成の紙幣処理装置A1において、搬送機構6は、収納部5に収納された紙葉類の表面に対して、該紙葉類の厚み方向で当接する当接部材(ピンチローラA33b)を有し、この当接部材の当接部表面は、互いに硬度の異なる2種類の弾性部材を交互に配置した凹凸状とし、挿入口2に1枚ずつ挿入された紙葉類を収納部5まで搬送する場合には、凸状の弾性部材の表面が紙葉類表面に当接し、収納部5に積層収納された複数枚の紙葉類を挿入口2に向かって搬送する場合には、凸状が弾性変形して凹状の弾性部材の表面が紙葉表面に当接するように、紙葉の表面に当接する当接力を変化させるように構成された第26の構成を有している。
上記構成によれば、搬送機構6は、挿入口2から一枚ずつ搬送させる場合と、収納部5に収納した紙葉を挿入口2に向かって搬送させる場合とで、紙葉に対する当接力を当接部材の硬度の違いを利用して容易に当接力を変化させることが可能となる。その結果、挿入口2からの紙葉の挿入時には、当接力を弱くしてジャミング等の発生を防止し、逆に、収納部5に紙葉が積層された状態で挿入口2へ搬送する場合には、当接力を大きくすることによって、積層状態の紙葉の束を挿入口2へ安定して搬送することが可能となる。
実施形態1の紙幣処理装置1及び実施形態2の紙幣処理装置A1は、図4・5及び図23に示すように、紙葉類が挿入される挿入口2と、挿入口2に挿入された紙葉類を厚み方向に複数枚重ねて収納可能な収納部5と、収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって排出搬送可能な搬送機構6と、搬送機構6によって収納部5に収納された紙葉類を挿入口2に向かって搬送する際、挿入口2の開口幅を、厚み方向に拡張する方向に変更する拡張機構8・A8とを備えた第25の構成を有している。
第25の構成において、収納部5に収納された紙葉類を厚み方向で挟持可能な一対の搬送部材(搬送ローラ対33・A33)と、一対の搬送部材の一方の搬送部材(ピンチローラ33b・A33b)を他方の搬送部材(駆動ローラ33a)に向けて移動させる可変部(可変機構7)と、拡張機構8・A8と可変部とを動作させるカム(カムプーリA90)と、カムを駆動する駆動源(カム用モータ94)と、駆動源を制御する制御部(制御回路基板100)とを備え、一対の搬送部材は、搬送機構6によって紙葉類を搬送するように駆動され、制御部は、収納部5に収納された紙葉類を一対の搬送部材によって挿入口2に向かって搬送する際、駆動源を駆動して、収納部5に収納された紙葉類を挟持するように可変部を制御し、挿入口2の開口幅を、厚み方向に拡張する方向に変更するように拡張機構8・A8を制御する第26の構成を有している。
第26の構成において、カムは、拡張機構8・A8および可変部の一方が動作中に、他方の動作を停止させる形状を有する第27の構成を有している。
第25乃至第27の何れかの構成において、挿入口2と収納部5との間に配置され、挿入口2に挿入された紙葉類を厚み方向に挟持し、搬送機構6によって紙葉類を収納部5に向かって搬送するように駆動可能な一対の挿入搬送部材を備えており、拡張機構8・A8は、挿入口2の開口幅を拡張変更し、一対の挿入搬送部材の相対距離を変更可能である第28の構成を有している。
第25乃至第28の何れかの構成において、挿入口2と収納部5との間を通過する紙葉類の厚み方向の一方側に配置され、紙葉類に対して光を照射する発光部(透過用発光部21b)と、挿入口2と収納部5との間を通過する紙葉類の厚み方向の他方側に配置され、発光部の光を受光する受光部(受発光ユニット21a)とを有する読取部21を備えており、拡張機構8・A8は、挿入口2の開口幅を拡張変更し、発光部と受光部との相対距離を拡張変更可能である第29の構成を有している。
第29の構成において、読取部21が、イメージセンサである第30の構成を有している。
第30の構成において、制御部は、収納部5に重ねて収納された複数枚の紙葉類を一対の搬送部材によって挿入口2に向かって搬送する際、駆動源(カム用モータ94)を駆動して可変部(可変機構7)を制御することにより、搬送部材と紙葉類との間の摩擦力が紙葉類同士の間の摩擦力よりも小さくなるように一対の搬送部材の相対距離を設定する第31の構成を有している。
第25乃至第31の何れかの構成において、制御部は、収納部5に収納されている紙葉類の枚数を記憶する記憶部と接続されており、当該記憶部に記憶された紙葉類の枚数に応じて、制御部は、可変部を制御して一対の搬送部材の相対距離を設定する第32の構成を有している。
第26の構成の紙幣処理装置A1において、挿入口2と収納部5との間で紙葉類が通過する搬送路4と、搬送路4に対して出没可能であり、搬送路4へ突出させることにより紙葉類の挿入口2方向への搬送を防止するシャッタ部A1121と、を備え、シャッタ部A1121は、カム(カムプーリA90)により動作可能に構成される第33の構成を有している。
上記の構成によれば、シャッタ部A1121を駆動するための駆動源を別途設ける必要がなく、コストダウンに繋がる。
第33の構成において、制御部は、挿入口2に挿入された紙葉類が収納部5に収納されてから、次の紙葉類が挿入口2に挿入されるまでの間、収納部5に収納された紙葉類を挟持するように可変部を制御し、シャッタ部A1121を搬送路4へ突出させるように制御する第34の構成を有している。
上記の構成によれば、シャッタ部A1121による引き抜き防止と共に、一対の搬送部材により収納部5の紙葉類を挟持することで、紙葉類の引き抜き行為を困難にすることができる。
第26の構成の紙幣処理装置A1において、収納部5に収納された紙葉類に対向して配置される押圧板A32と、押圧板A32を厚み方向であり収納部5に収納された紙葉類に向けて付勢することにより、収納部5に収納された複数枚の紙葉類の積層状態を維持させる付勢部(ねじりコイルバネ41)と、押圧板A32と収納された紙葉類との相対距離を、厚み方向に拡張する方向に変更する第2の可変部(第2アームA85)と、を備え、
第2の可変部は、カム(カムプーリA90)により動作可能に構成され、制御部は、拡張機構A8によって挿入口2の開口幅を拡張変更すると共に、押圧板と収納部5に収納された紙葉類との相対距離を拡張変更するように第2の可変部を制御する第35の構成を有している。
上記の構成によれば、押圧板は付勢部の付勢力により紙葉類を押し付け可能にされている一方、挿入口2の開口幅を拡張変更する第2の可変部はカムにより動作可能にされている。これにより、押圧板と第2の可変部とが独立して動作することによって、搬送空間を拡張させる際の動作不良を防止することができる。
1 紙幣処理装置(紙葉類紙幣処理装置)
A1 紙幣処理装置(紙葉類紙幣処理装置)
2 挿入口
4 搬送路
5 収納部
6 搬送機構
7 可変機構(可変部)
8 拡張機構
12a 出没穴
21 読取部
21a受発光ユニット(受光部)
21b 透過用発光部
22、23 挿入搬送ローラ対(一対の挿入搬送部材)
31 スタックゲート
33 搬送ローラ対(一対の搬送部材)
37 スタック部(可動片)
38 ガイド部(ガイド片)
31a 搬入空間
64 スタックゲート用モータ(駆動源)
90 カム板(カム)
94 カム用モータ(駆動源)
100 制御回路基板
101 CPU(制御部)
102 ROM
103 RAM(記憶部)

Claims (7)

  1. 紙葉類が挿入される挿入口と、
    前記挿入口に挿入された紙葉類が収納される収納部と、
    前記挿入口に挿入された紙葉類を前記収納部まで搬送可能な搬送機構とを備え、
    前記搬送機構は、前記収納部に収納された紙葉類を前記挿入口から排出されるまで前記挿入口に向かって搬送可能であり、
    前記搬送機構は、前記収納部に収納された紙葉類の表面に対して、該紙葉類の厚み方向で当接する当接部材を有し、
    この当接部材の当接部表面は、互いに硬度の異なる2種類の弾性部材を交互に配置した凹凸状とし、前記挿入口に1枚ずつ挿入された紙葉類を前記収納部まで搬送する場合には、凸状の弾性部材の表面が前記紙葉類表面に当接し、前記収納部に積層収納された複数枚の紙葉類を前記挿入口に向かって搬送する場合には、前記凸状が弾性変形して前記凹状の弾性部材の表面が前記紙葉表面に当接するように、前記紙葉の表面に当接する当接力を変化させるように構成されていることを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 前記搬送機構は、前記挿入口に1枚ずつ挿入された紙葉類を前記収納部まで搬送可能であり、且つ、前記収納部に積層収納された複数枚の紙葉類を前記挿入口に向かって搬送可能であることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
  3. 前記挿入口は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、前記収納部に収納された紙葉類を前記搬送機構により前記挿入口に向かって搬送する場合に、当該開口幅が拡張することを特徴とする請求項2に記載の紙葉類処理装置。
  4. 前記挿入口と前記収納部との間に、紙葉類が通過する搬送路を備えており、
    前記搬送路は、紙葉類の厚み方向の開口幅を変更可能であって、前記収納部に収納された紙葉類を前記搬送機構により前記挿入口に向かって搬送する場合に、当該開口幅が拡張することを特徴とする請求項2又は3に記載の紙葉類処理装置。
  5. 前記収納部に収納された紙葉類を厚み方向で挟持可能な一対の搬送部材を有し、
    一方の側の前記搬送部材は、紙葉類と当接すると形状が変形し、変形した形状から元の形状に戻ろうとする弾性力を利用して紙葉類を押圧する第1の当接部材を有し、
    前記搬送機構は、前記搬送部材によって挟持された紙葉類を搬送可能に構成され、前記搬送機構によって前記挿入口に挿入された紙葉類を前記収納部に向かって搬送する際、前記第1の当接部材を紙葉類と当接させるように、前記一対の搬送部材間の相対距離を変更する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類処理装置。
  6. 一方の側の前記搬送部材は、前記第1の当接部材よりも直径が小さく、前記第1の当接部材よりも硬質に形成された第2の当接部材と、
    前記第1の当接部材と前記第2の当接部材とが配置される軸を有し、
    前記収納部に収納された紙葉類を前記挿入口に向かって搬送する際、前記第2の当接部材を紙葉類と当接させるように、前記一対の搬送部材間の相対距離を変更する、ことを特徴とする請求項5に記載の紙葉類処理装置。
  7. 遊技機同士の間に設置される遊技媒体貸出装置であって、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の紙葉類処理装置を備えたことを特徴とする遊技媒体貸出装置。
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