JP5856738B2 - サーマルヘッド - Google Patents

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発熱抵抗体層に拡散防止物質を含有させ、抵抗値のバラつきを防止したサーマルヘッドに関する。
プリンタなどに用いられるサーマルヘッドの絶縁性基板には、一般的にセラミックやアルミナ等が用いられている。ところが、セラミックやアルミナ等は、価格が高いため、これらの代替材としてガラス基板を用いることが検討されている。
しかし、絶縁性基板として用いられているアルミナ基板の耐熱温度が1000℃程度であったのに対して、ガラス基板は700℃付近にガラス転移点があり、絶縁性基板上に形成される発熱抵抗体層の焼成温度である800℃に耐えられないという問題を有していた。
また、ガラス基板として用いられる無アルカリガラスは、熱膨張係数が小さいために、例えば、発熱抵抗体やオーバーコートなどの熱膨張係数の大きい素材からなるものを隣接させて配設すると、加熱した際に界面に生じた歪みによって破損が発生してしまう。
特許文献1には、抵抗体ペーストにガラス転移点が高いガラスを含有させる方法が記載されており、導電物質としての酸化ルテニウムにガラス粉末、印刷用の樹脂および溶剤を混練し抵抗体ペーストとしたものを電極上に塗布し、焼成することにより発熱抵抗体層を形成している。
特許文献1のように、発熱抵抗体層をガラスおよび導電物質などで構成することにより、発熱抵抗体とガラス基板との熱膨張係数の差を小さくすることができ、加熱した際の界面における歪みの発生を少なくしてガラス基板が破損することを防止できる。
しかし、特許文献1の抵抗体ペーストの焼成温度は810℃であり、絶縁性基板にガラス基板を用いる際には、軟化点よりも焼成温度が高いために用いることができない。したがって、絶縁性基板としてガラス基板を用いるために、ガラスの軟化点以下すなわち700℃未満の焼成温度において焼成可能な抵抗体ペーストの開発が求められている。
また、絶縁性基板上に配設された電極層および発熱抵抗体層の上面には、保護膜としてのオーバーコート層が配設されており、ガラスを主成分としたガラスペーストを塗布して焼成することにより形成されている。
このとき、抵抗体ペーストにガラスを含有させると、発熱抵抗体層と保護膜層との界面において双方のガラスが混ざり合ってしまい、導電物質などが拡散して、発熱抵抗体層の抵抗値にバラつきが発生するという問題を有していた。
特許文献2には、界面における物質の拡散による抵抗値のバラつきを防止するために、発熱抵抗体層とオーバーコート層との間にシリコン層をスパッタリングまたは気相化学成長技術(CVD)によって形成し、物質の拡散を防止して抵抗値のバラつきを防止することが開示されている。
特開2001−113740号公報 特開平5−318792号公報
しかし、スパッタリングまたはCVDによるシリコン層の形成は、作業工程の増加やコストの増加を招き実用的ではない。
そこで、本発明では、このような従来技術に鑑みて、発熱抵抗体層を、酸化亜鉛を主成分とするガラスからなり、導電物質および拡散防止物質を含有したペーストを焼成して形成することにより、発熱抵抗体の抵抗値のバラつきを防止して製品の品質を向上させ、また、コストパフォーマンスおよび製造時の作業性に優れたサーマルヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明のサーマルヘッドは、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に所定パターンで形成された電極層と、前記電極層上に形成された発熱抵抗体層と、前記電極層と前記発熱抵抗体層とを覆う保護層とを備えたサーマルヘッドであって、前記発熱抵抗体層は、酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分として導電物質および拡散防止物質である酸化鉛を含有するペーストの焼成体からなり、前記保護層は、前記電極層および前記発熱抵抗体層を覆うように積層され、酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とするガラスペーストの焼成体からなり、前記保護層内において、前記発熱抵抗体層内の前記拡散防止物質である酸化鉛が拡散している鉛拡散層を設けることにより、前記保護層のガラス成分が前記発熱抵抗体層のガラス成分と混ざることを防いで形成されていることを特徴とするものである。
このような、第1の本発明のサーマルヘッドによれば、発熱抵抗体層と保護膜層とを共に酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とし、発熱抵抗体層が拡散防止物質である酸化鉛を含有したペーストの焼成体からなることにより、発熱抵抗体層と保護膜層との間にガラス拡散を防止する鉛拡散層を設けて、発熱抵抗体層と保護膜層とのガラス成分が混ざり合うことを防ぐことができるので、サーマルヘッドの抵抗値のバラつきの発生を防止して、高品質な製品を提供することを可能とする。
また、第2の本発明のサーマルヘッドは、前記拡散防止物質である酸化鉛は、前記発熱抵抗体層に対して1〜10wt%含有されていることを特徴とするものである。
このような、第2の本発明のサーマルヘッドによれば、発熱抵抗体層と保護膜層との間にガラス拡散を防止する鉛拡散層を確実に形成して、発熱抵抗体層と保護膜層のガラスとが混ざり合うことを防ぐことができるので、サーマルヘッドの抵抗値のバラつきの発生を防止して、高品質な製品を提供することを可能とする。
また、第3の本発明のサーマルヘッドは、前記絶縁性基板が、板ガラスからなることを特徴とするものである。
このような、第3の発明のサーマルヘッドによれば、コストパフォーマンスに優れたサーマルヘッドとすることができる。
第1の本発明のサーマルヘッドの製造方法は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に所定パターンで形成された電極層と、前記電極層上に形成された発熱抵抗体層と、前記電極層と前記発熱抵抗体層とを覆う保護層とを備えたサーマルヘッドの製造方法であって、酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とし、導電物質および拡散防止物質である酸化鉛を含有するペーストを焼成して前記発熱抵抗体層を形成し、酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とするガラスペーストを前記電極体層および前記発熱抵抗体層を覆うように塗布し、その後焼成して前記保護層を形成することによって、前記発熱抵抗体層内の前記拡散防止物質である酸化鉛を前記保護層内に拡散させて、前記保護層のガラス成分が前記発熱抵抗体層のガラス成分と混ざることを防ぐ鉛拡散層を形成することを特徴とするものである。
このような、第1の本発明のサーマルヘッドの製造方法によれば、発熱抵抗体層と保護膜層とを共に酸化亜鉛を主成分とするガラスとし、発熱抵抗体層を拡散防止物質である酸化鉛を含有したペーストを焼成して形成することにより、発熱抵抗体層と保護膜層との間にガラス拡散を防止する鉛拡散層を形成して、発熱抵抗体層と保護膜層とのガラス成分が混ざり合うことを防止し、抵抗値のバラツキの少ない高品質なサーマルヘッドを製造することを可能とする。
また、第2の本発明のサーマルヘッドの製造方法は、前記発熱抵抗体層を形成する前記ペースト中のガラスが、平均粒径が2μm以下の粉末を用いることを特徴とするものである。このような、第2の本発明のサーマルヘッドの製造方法によれば、発熱抵抗体層を緻密で均質な構造とすることができる。
また、第3の本発明のサーマルヘッドの製造方法は、前記発熱抵抗体層を形成する前記ペースト中のガラスのガラス軟化点が、600℃〜650℃であることを特徴とするものである。このような、第3の本発明のサーマルヘッドの製造方法によれば、発熱抵抗体層と保護膜層との間にガラスの拡散を防止するための鉛拡散層を効果的に形成することができる。
本発明のサーマルヘッドによれば、発熱抵抗体層を、酸化亜鉛を主成分とするガラスからなり、導電物質および拡散防止物質を含有したペーストを焼成して形成するので、絶縁性基板にガラス基板を用いることを可能としてサーマルヘッドのコストパフォーマンスを良好にすると共に、作業工程を増加させることなく保護層への鉛の拡散を防止することができるので、高品質なサーマルヘッドを提供することを可能とする。
本発明に係るサーマルヘッドの断面図 図1における要部拡大断面図 本発明に係るサーマルヘッドの断面SEM写真 本発明に係る保護膜層の焼成温度検討結果の断面SEM写真 保護膜層焼成後の試験片の表面粗さ測定結果(a)焼成温度610℃における測定結果(b)焼成温度650℃における測定結果(c)焼成温度800℃における測定結果
本発明に係るサーマルヘッド1の具体的な実施形態を図1乃至図5を用いて説明する。
本発明のサーマルヘッド1は、図1に示すように、無アルカリガラス系の板ガラスからなる絶縁性基板2の上面にフォトエッチングによってAu電極層3が積層して配設されている。さらに、Au電極層3の上面には、Au電極層3の一部を露出させた状態で、発熱抵抗体層4およびコモン電極層5が配設され、発熱抵抗体層4およびコモン電極層5とを覆うように保護膜層6が積層し配設されている。
また、サーマルヘッド1は、図2に示すように、サーマルヘッド取付台7に配設され、サーマルヘッド1に隣接して配設されたIC搭載部8の上面に配設されたIC9とAu電極層3の表面に露出した部分とがワイヤー10によって接続され、絶縁のための封止材11によって封止されている。
発熱抵抗体層4は、酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とし、導電物質としての酸化ルテニウム、拡散防止物質としての酸化鉛等を有する抵抗体ペーストを塗布した後、650℃以下の温度で焼成することにより形成される。
なお、拡散防止物質としては、酸化鉛を用いることが好ましく、抵抗体ペースト全体の質量に対して1〜10wt%の割合で含有させるとよい。
抵抗体ペーストに用いられる酸化亜鉛を主成分とするガラスには、ガラスの軟化点が600〜650℃であり、平均粒径が2μm以下のガラス粉末を用いることが好ましく、2μm以下の粒径のガラス粉末とすることにより、絶縁性基板2としての板ガラスのガラス転移点以下の温度すなわち650℃程度の温度において焼成を行っても、緻密で均質な発熱抵抗体層4を形成することができる。
このように、抵抗体ペーストに拡散防止物質としての酸化鉛を含有させることにより、発熱抵抗体層4に積層させて保護膜層6を焼成する際に、保護膜層6内に鉛の拡散が生じて、図3に示すように、鉛拡散層12を形成することにより、発熱抵抗体層4のガラス成分と保護膜層6のガラス成分とが混ざり合って抵抗値にバラつきが発生するのを防止することができる。
また、保護膜層6は、酸化亜鉛を主成分とするガラス粉末に全体の質量に対して15〜25wt%の熱膨張係数が小さい低膨張結晶化ガラスの粉末を混合し、ガラスペーストとしたものを発熱抵抗体層4およびコモン電極層5を覆うように塗布し、650℃以下の温度で焼成することにより形成される。
なお、保護膜層6には、ガラスの軟化点が600〜650℃であり、ガラスの結晶化温度が680℃以上のガラス粉末を用いることにより、焼成による製膜時においてガラスが結晶化することがなく、表面への凹凸の発生を防止することができる。
<実施例1>
次に、発熱抵抗体層4および保護膜層6とにそれぞれ用いるガラスについて検討を行った。
実験には、酸化亜鉛を主成分とし、酸化鉛を含有しないガラス1、酸化鉛を1〜10wt%含有させたガラス2および酸化鉛を60wt%含有させたガラス3を用いた。なお、ガラス1は650℃の軟化点を有し、ガラス2は635℃の軟化点を有し、ガラス3は550℃の軟化点を有している。
試験片は、ガラス基板に対して、ガラス1を含有させた抵抗体ペーストを印刷によって塗布し、640℃で焼成して発熱抵抗体層4を形成し、さらに、発熱抵抗体層4に積層させてガラス1乃至ガラス3からなるガラスペーストを印刷により塗布し、640℃で焼成することにより保護膜層6を形成して作成した。なお、保護膜層6にガラス3を用いる場合には、600℃で焼成を行った。
また、抵抗体ペーストにガラス2およびガラス3を含有させたものについても、上記と同じ手順でそれぞれ試験片を作成した。
作成した試験片に対し、それぞれ抵抗値を測定して所定の抵抗値からの抵抗値上昇率および抵抗値上昇率のバラつきを求め、表1にまとめた。
表1内の数値は、所定の抵抗値からの抵抗値上昇値と、抵抗値上昇値のバラつき(括弧内に示される数値)である。
表1に示すように、いずれのガラスにおいても、発熱抵抗体層4と保護膜層6とに同じガラスを用いると、抵抗値上昇率が大きくなっていることがわかる。
また、発熱抵抗体層4にガラス1を用い、保護膜層6に対してガラス2を用いると抵抗値上昇率が35.8%となり、大きな抵抗値の上昇が見られた。保護膜層6に対してガラス3を用いると抵抗値上昇率は−5.4%と小さかったものの、抵抗値上昇率のバラつきが12.8%と大きく、安定した抵抗値が得られていない。
また、発熱抵抗体層4に対してガラス2を用いた場合は、保護膜層6に対してガラス2以外を用いることで、抵抗値上昇率が小さく良好な抵抗値を示し、保護膜層6に対してガラス1を用いることで、抵抗値上昇率が小さく、さらに、抵抗値上昇率のバラつきも少ない値が得られた。
また、発熱抵抗体層4に対してガラス3を用いた場合は、保護膜層6に対していずれのガラスを用いても、抵抗値上昇率が高く、所定の抵抗値のほぼ2倍程度まで上昇していることが分かる。
これらの結果から、発熱抵抗体層4にガラス2を用い、保護膜層6にガラス1を用いる組み合わせが最も抵抗値上昇率および抵抗値上昇率のバラつきに優れた組み合わせであった。
これは、ガラスに対して酸化鉛の含有量を増加させると、ガラスの軟化点が引き下げられるため、発熱抵抗体層4に積層させてガラスペーストを塗布して焼成する際に、焼成温度で発熱抵抗体層4のガラスが軟化して、発熱抵抗体層4に含まれる鉛成分が保護膜層6中に拡散して鉛拡散層12を形成し、保護膜層6の酸化亜鉛が移動するのを防止するためである。
しかし、ガラス3のように多量の酸化鉛を含有させると、形成された発熱抵抗体層4の軟化点が低くなり熱耐性が低くなるために、保護膜層6を焼成する際に発熱抵抗体層4が液状となり鉛成分が大量に保護膜層6に拡散して抵抗値を上昇させてしまい、さらに、保護膜層6の軟化点が下がりサーマルヘッドとしての耐熱要求を満たすことができなくなる。
<実施例2>
また、保護膜層6の焼成温度について検討を行った。
ガラス基板上に発熱抵抗体層4を形成し、発熱抵抗体層4に積層させてガラスペーストを印刷により塗布し、それぞれ610℃、650℃および800℃で焼成し、得られた試験片の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、得られたSEM像を図4に示す。
なお、図4の(a)および(b)は、保護膜層6を610℃で焼成した断面をSEMを用いて3000倍および5000倍で観察した写真、(c)および(d)は、保護膜層6を650℃で焼成した断面をSEMを用いて3000倍および5000倍で観察した写真、(e)および(f)は、保護膜層6を800℃で焼成した断面をSEMを用いて3000倍および5000倍で観察した写真である。
610℃で焼成した試験片は、図4(a)および(b)に示すように、発熱抵抗体層4および保護膜層6が均一であり、鉛が保護膜層6の4分の1程度の厚さまで拡散して鉛拡散層12を形成しているのが分かる。
また、650℃で焼成した試験片は、図4(c)および(d)に示すように、保護膜層6に若干の気泡が認めれた。また、明確な鉛拡散層12の界面が認められず、保護膜層6の9割以上の厚さにまで鉛が拡散していることが分かる。
また、800℃で焼成した試験片は、図4(e)および(f)に示すように、保護膜層6に大きな気泡が認められるとともに、多数の粒界が認められることから、ガラスが結晶化し析出していることが分かる。
また、各試験片の表面粗さを測定した結果を図5に示す。
なお、図5(a)は焼成温度610℃、(b)は焼成温度650℃および(c)は焼成温度800℃のときの試験片の表面粗さ測定結果である。
測定結果から、焼成温度650℃のときの表面が最もなめらかとなっていることが分かる。
また、焼成温度610℃において認められた凹凸は、焼成温度が不十分であるためにガラス粉末の粒子が完全に融解せずに残ったためであると考えられる。
また、焼成温度800℃における表面の乱れは、焼成温度が高すぎるために、ガラスの結晶化が生じたためである。
以上の結果から、保護膜層6は、610℃から650℃の間の温度で焼成されて形成されるのが好ましく、この間の焼成温度とすることにより、緻密で均質な保護膜層6とすることができる。
<実施例3>
保護膜層6のガラスペーストに混合させる低膨張結晶化ガラスの混合量を検討する。
ガラスペーストの全質量に対して、低膨張結晶化ガラスを0〜30wt%の割合で10wt%おきに添加量を増加させて混合したガラスペーストを印刷により塗布した後、640℃で焼成して試験片を得た。
サーマルヘッドを用いて印刷時または紙送り時において、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に異物が通過することによる、保護膜層6へのクラックの発生を検討するために、それぞれの試験片に対して異物通過の試験を行った、試験結果を表2に示す。
表2に示すように、ガラスペーストに対して低膨張結晶化ガラスを0wt%および10wt%混合した試験片は、異物通過試験によってクラックが発生してしまった。
また、低膨張結晶化ガラスを30wt%混合した試験片では、凹凸が大きくサーマルヘッドとプラテンローラとの間に記録用紙を通過させることができなかった。
よって、異物通過試験においては、ガラスペーストに対して30wt%の低膨張結晶化ガラスを混合したものが最もよく、異物が通過しても保護膜層6にクラックの発生は認められなかった。
これは、ガラスペーストに低膨張結晶化ガラスを混合して焼成することにより、粒子状の低膨張結晶化ガラスの間に融解したガラスが間を埋めるように侵入してネットワーク構造を形成するとともに、ガラス相と低膨張結晶化ガラスとの界面に析出硬化が起こるので、表面に微細なクラックが発生した場合においても、クラックが深さ方向に進行してサーマルヘッドが破損することを防止していると考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々に変更することができるものである。
1 サーマルヘッド
2 絶縁性基板
3 Au電極層
4 発熱抵抗体層
5 コモン電極層
6 保護膜層
7 サーマルヘッド取付台
8 IC搭載部
9 IC
10 ワイヤー
11 封止材
12 鉛拡散層

Claims (6)

  1. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に所定パターンで形成された電極層と、前記電極層上に形成された発熱抵抗体層と、前記電極層と前記発熱抵抗体層とを覆う保護層とを備えたサーマルヘッドであって、
    前記発熱抵抗体層は、酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分として導電物質および拡散防止物質である酸化鉛を含有するペーストの焼成体からなり、
    前記保護層は、前記電極層および前記発熱抵抗体層を覆うように積層され、酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とするガラスペーストの焼成体からなり、
    前記保護層内において、前記発熱抵抗体層内の前記拡散防止物質である酸化鉛が拡散している鉛拡散層を設けることにより、前記保護層のガラス成分が前記発熱抵抗体層のガラス成分と混ざることを防いで形成されている
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記拡散防止物質である酸化鉛は、前記発熱抵抗体層に対して1〜10wt%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記絶縁性基板は、板ガラスからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッド。
  4. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に所定パターンで形成された電極層と、前記電極層上に形成された発熱抵抗体層と、前記電極層と前記発熱抵抗体層とを覆う保護層とを備えたサーマルヘッドの製造方法であって、
    酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とし、導電物質および拡散防止物質である酸化鉛を含有するペーストを焼成して前記発熱抵抗体層を形成し、
    酸化亜鉛を主成分とするガラスを主な成分とするガラスペーストを前記電極体層および前記発熱抵抗体層を覆うように塗布し、その後焼成して前記保護層を形成することによって、前記発熱抵抗体層内の前記拡散防止物質である酸化鉛を前記保護層内に拡散させて、前記保護層のガラス成分が前記発熱抵抗体層のガラス成分と混ざることを防ぐ鉛拡散層を形成することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  5. 前記発熱抵抗体層を形成する前記ペースト中のガラスは、平均粒径2μm以下の粉末を用いることを特徴とする請求項4に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  6. 前記発熱抵抗体層を形成する前記ペースト中のガラスのガラス軟化点は、600℃〜650℃であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のサーマルヘッドの製造方法。
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