JP5854359B2 - ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル) - Google Patents

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Description

本開示は、熱硬化可能な(thermosettable)モノマー、特に、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)に関する。
熱硬化可能なモノマーは、架橋され得る化合物である。架橋は、硬化とも称され、化学反応によって、比較的低い分子量を有する熱硬化可能なモノマーを比較的高い分子量を有する架橋ポリマーに変換することである。これらの架橋ポリマーのいくつかは、熱硬化性(thermoset)であると言うことができ、加熱されたときに軟化し得るが、溶融も流動もしない。
多くの種の熱硬化可能なモノマーおよび架橋ポリマーが利用可能である。熱硬化可能なモノマーは、ペレット、粉末、顆粒、または液体として購入することができる。あるいは、部分的な硬化を受けた熱硬化可能なモノマーは、バー、シート、およびフィルムなどのストック形状で購入することができる。
熱硬化可能なモノマーおよび架橋ポリマーは、種々の化学物質をベースとすることができる。これらの化学物質の例として、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリシアネート、ポリアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリマレイミド、ポリウレア、およびポリウレタンが挙げられる。
特定の適用に関して考慮され得る熱硬化可能なモノマーおよび架橋ポリマーのいくつかの特性として、機械的特性、熱的特性、電気特性、光学特性、加工特性、および物理的特性が挙げられる。機械的特性として、曲げ強度、引裂強度、引張強度、降伏強度、引張係数、伸び、および衝撃靱性を挙げることができる。熱的特性として、最大使用温度、たわみ温度、ガラス転移温度、熱伝導率、および熱膨張係数を挙げることができる。電気および光学特性として、電気抵抗率、誘電強度、誘電率または比誘電率、屈折率、および光透過率を挙げることができる。加工および物理的特性として、かさまたは見掛け密度、吸水率、粘度、プロセス温度、収縮、およびメルトフローインデックスを挙げることができる。
種々の実施形態では、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、以下の式Iによって表され:
Figure 0005854359
式中、各nは、0〜20の値を独立して有し;各mは、0〜3の値を独立して有し;pは、0〜20の値を有し;各Rは、独立して、ハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、またはアルケニルオキシ基であり、ここで前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、およびアルケニルオキシ基は、1〜6個の炭素原子をそれぞれ独立して含有し;各Qは、独立して、水素、または1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基であり;各Xは、水素、HRC=CR−CH、およびHC−CR=HCからなる群から独立して選択され、ここで、各Rが、水素および1〜3個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から独立して選択され、但し、各Xが水素である場合、少なくとも1個のR基が、HRC=CR−CHおよびHC−CR=HCからなる群から選択されることを条件とする。
本開示の実施形態はまた、式Iによって表されるポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物も含む。本開示の実施形態はまた、コモノマーを含む熱硬化可能な組成物も含む。本開示の実施形態はまた、式Iによって表されるポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物を硬化することによって得ることができる生成物も含む。
本開示は、例えば具体的に以下の発明を提供する。
[1] 式Iのポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル):
Figure 0005854359
[式中、各nは、0〜20の値を独立して有し;各mは、0〜3の値を独立して有し;pは、0〜20の値を有し;各Rは、独立して、ハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、またはアルケニルオキシ基であり、ここで、前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、およびアルケニルオキシ基が、1〜6個の炭素原子をそれぞれ独立して含有し;各Qは、独立して、水素または1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基であり;各Xは、水素、HR C=CR −CH 、およびH C−CR =HCからなる群から独立して選択され、ここで、各R が、水素および1〜3個の炭素原子を有する置換アルキル基からなる群から独立して選択され、但し、各Xが水素であるとき、少なくとも1個のR基が、HR C=CR −CH およびH C−CR =HCからなる群から選択されることを条件とする]。
[2] 各Rのハロゲンおよび各R のハロゲンが、フッ素、塩素、および臭素からなる群から独立して選択される、[1]に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[3] 各nが0〜8の値を独立して有する、[1]または[2]に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[4] pが0〜1の値を有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[5] 各アルキル基が、1〜2個の炭素原子を独立して含有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[6] 各アルコキシ基が1〜2個の炭素原子を独立して含有する、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[7] 前記アルキル基が塩素および臭素からなる群から選択されるハロゲンによって置換されている、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[8] 前記アルコキシ基が塩素および臭素からなる群から選択されるハロゲンによって置換されている、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[9] mが0である、[1]に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物。
[11] ポリマレイミド、ポリシアネート、ポリシアナミド、エポキシ化合物、アリル化合物、1個または複数個の重合性のエチレン性不飽和基を含有する化合物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるコモノマーをさらに含む、[10]に記載の熱硬化可能な組成物。
[12] 前記コモノマーが、熱硬化可能な組成物に含まれるモノマーの全重量%の5重量%〜90重量%である、[11]に記載の熱硬化可能な組成物。
[13] [10]〜[12]のいずれか一項に記載の熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物。
[14] Bステージの生成物を含む、[13]に記載の生成物。
[15] 不溶融性ポリマーネットワークを含む、[13]〜[14]のいずれか一項に記載の生成物。
本開示の上記の概要は、開示されている各実施形態または本開示のあらゆる実施を記載することは意図されていない。以下に続く説明は、説明的な実施形態をより詳細に例示する。
本開示の実施形態は、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を提供する。本開示のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、高い官能価、本明細書においては1分子あたり少なくとも4個の官能基を提供することができ、いくつかの適用に望ましい特性を提供するのに役立つことができる。用語ポリ(アリルエーテル)は、本明細書において用いられるとき、ポリ(1−プロペニルエーテル)、すなわち、式I:式中、Xおよび/またはRの少なくとも一方が、HC−CR=HC基である;のかかる組成物を包含することも意図される。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、熱硬化可能な組成物に含まれ得る。本明細書において、組成物は、単一成分または多成分であり得る。1つまたは複数の実施形態では、熱硬化可能な組成物は、硬化してホモポリマーを形成する。1つまたは複数の実施形態では、熱硬化可能な組成物は、硬化してコポリマーを形成する。ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物は、実施例および比較例において見られるように、ある他の熱硬化可能な組成物と比較して、比較的より低い硬化エンタルピーを提供することができる。この比較的より低い硬化エンタルピーは、硬化の間に起こる発熱化学反応を制御するのに役立つことができる。加えて、この比較的より低い硬化エンタルピーは、比較的より大きなピークの硬化エンタルピーによって起こり得る原料の分解、欠陥の形成、および/または製造設備へのダメージを防止するのに役立つことができる。1つまたは複数の実施形態では、開示されている、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物は、実施例および比較例において見られるように、硬化プロファイルについての改善、例えば、無触媒硬化のより迅速な開始を提供することができる。
1つまたは複数の実施形態では、開示されている、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物は、実施例および比較例において見られるように、ある他の熱硬化可能な組成物と比較して、向上した熱安定性を提供することができる。
本明細書に開示されている熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物は、実施例において見られるように、他の組成物を硬化することによって得られる生成物と比較して、より高いガラス転移温度を有することができる。
種々の実施形態では、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、以下の式Iによって表され:
Figure 0005854359
式中、各nは、0〜20の値を独立して有し;各mは、0〜3の値を独立して有し;pは、0〜20の値を有し;各Rは、独立して、ハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、またはアルケニルオキシ基であり、ここで前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、およびアルケニルオキシ基は、1〜6個の炭素原子をそれぞれ独立して含有し;各Qは、独立して、水素、または1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基であり;各Xは、水素、HRC=CR−CH、およびHC−CR=HCからなる群から独立して選択され、ここで、各Rが、水素および1〜3個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から独立して選択され、但し、各Xが水素であるとき、少なくとも1個のR基が、HRC=CR−CHおよびHC−CR=HCからなる群から選択されることを条件とする。
本明細書において議論されているように、各nは、0〜20の値を独立して有し得る。好ましくは、各nは、0〜3の値を独立して有し得、最も好ましくは、各nは、0〜2の値を独立して有し得る。好ましくは、各mは、0または1の値を独立して有する。好ましくは、pは0〜5の値を有し、より好ましくは、pは0〜2の値を有し、最も好ましくは、pは0〜1の値を有する。
用語「アルキル」および「アルケニル」は、本明細書において用いられるとき、対応する脂環式基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニルなどを含む。2個のアルキル基および/またはアルケニル基が脂肪族または芳香族環の2個の炭素原子に結合する場合、これらは、一緒になって、該基に結合する炭素原子と一緒になって好ましくは5員または6員である環構造を生じることができるアルキレン基またはアルケニレン基を形成してもよい。
1つまたは複数の実施形態では、アルキル基(複数可)および/またはアルキルオキシ基(複数可)は、1〜4個の炭素原子、いくつかの好ましい実施形態においては、1または2個の炭素原子を含むことができる。これらの基の例として、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシが挙げられる。アルキル基およびアルコキシ基は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)の置換基によって置換されていてよい。1を超える置換基が存在するとき、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。置換基の例として、限定されないが、ハロゲン原子、例えば、F、Cl、およびBrが挙げられる。置換アルキル基および/または置換アルコキシ基の例として、限定されないが、CF、CFCH、CCl、CClCH、CHCl、CHCl、CHBr、CClO、CHClO、CHClO、およびCHBrOが挙げられる。
1つまたは複数の実施形態では、アルケニル基(複数可)および/またはアルケニルオキシ基(複数可)は、3または4個の炭素原子、いくつかの好ましい実施形態においては、3個の炭素原子を含むことができる。これらの基の例として、限定されないが、アリル、メタリル、および1−プロペニルが挙げられる。アルケニル基およびアルケニルオキシ基は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)の置換基によって置換されていてよい。1を超える置換基が存在するとき、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。置換基の例として、限定されないが、ハロゲン原子、例えば、F、Cl、およびBrが挙げられる。
本明細書において議論されているように、各Qは、独立して、水素または1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基である。1つまたは複数の実施形態では、各Qは、水素である。アルキル基(複数可)は、1〜4個の炭素原子、いくつかの好ましい実施形態では、1または2個の炭素原子を含むことができる。これらの基の例として、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。アルキル基は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)の置換基によって置換されていてよい。1を超える置換基が存在するとき、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。置換基の例として、限定されないが、ハロゲン原子、例えば、F、Cl、およびBrが挙げられる。置換アルキル基の例として、限定されないが、CF、CFCH、CFCF、CCl、CClCH、CHCl、CHCl、CHBr、およびCHCHBrCHBrが挙げられる。
本明細書において議論されているように、各Xは、水素、HRC=CR−CH、およびHC−CR=HCからなる群から独立して選択され、ここで、各Rは、水素および1〜3個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から独立して選択される。アルキル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。1つまたは複数の実施形態では、Xは、置換されていないことが好ましい。1つまたは複数の実施形態では、各Xは、同じであることが好ましい。1つまたは複数の実施形態では、Xは、好ましくはアリルである。アルキル基の例として、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルが挙げられる。1つまたは複数の実施形態では、メチルが好ましい。1つまたは複数の実施形態では、Xは、好ましくはメタリルである。アルキル基は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)の置換基によって置換されていてよい。1を超える置換基が存在するとき、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。置換基の例として、限定されないが、ハロゲン原子、例えば、F、Cl、およびBrが挙げられる。
開示されている、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのアリル化によって得ることができ、ここで、芳香族ヒドロキシル基(複数可)(−OH)が、HRC=CR−CH−O−および/またはHC−CR=HC−O−:式中、Rは、本明細書において記載されている通りである;に変換されている。
本明細書において用いられるとき、接頭語「ポリ」は、化合物が2個以上の特定の部位を有することを意味する。「化合物」は、化学的組み合わせにおいて、2種以上の元素を含む、原子またはイオンから構成される物質を称する。例えば、2個のシクロペンタジエン部位(ジシクロペンタジエン)を有するシクロペンタジエン化合物は、具体的なポリシクロペンタジエンである。式Iによって表される化合物の例として、限定されないが、ジシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(アリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(メタリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドと2−メチルフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(アリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドと2−メチルフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(メタリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドと2,6−ジメチルフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(アリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドと2,6−ジメチルフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(メタリルエーテル);トリシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるトリシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(アリルエーテル);トリシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるトリシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(メタリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンテトラフェノールのポリ(アリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンテトラフェノールのポリ(メタリルエーテル);ジシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(アリルエーテル)の部分的または完全なクライゼン転位生成物;およびジシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンテトラフェノールのポリ(アリルエーテル)の部分的または完全なクライゼン転位生成物が挙げられる。
少なくとも1個の芳香族環上に少なくとも1個のオルト置換基を持つモノマーは、クライゼン転位をブロックするのに用いられてよい。式Iのかかるモノマーの好ましい例は、ジシクロペンタジエンジアルデヒドと2,6−ジメチルフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンポリフェノール(ノボラック)のポリ(アリルエーテル)である。
式Iのモノマーのさらなる非限定例として、式I:式中、X基の少なくとも1個が、HRC=CR−CH−またはHC−CR=HC−であり、ここで、Rは、本明細書において記載されている通りである;の化合物の部分的または完全なクライゼン転位生成物が挙げられる。代表的な例として、ジシクロペンタジエンジアルデヒドとフェノールとの縮合から調製されるジシクロペンタジエンテトラフェノールのテトラ(アリルエーテル)の場合には、かかるクライゼン転位生成物として、部分的な列挙として、式(A)〜(P)の化合物:式中、Xは、HC=CH−CH−である;を挙げることができる。
Figure 0005854359
Figure 0005854359
Figure 0005854359
上記の式Iのモノマーのさらなる非限定例として、クライゼン転位をブロックするための、少なくとも1個の芳香族環上に少なくとも1個の置換基を持つモノマーが挙げられる。かかるモノマーの代表的な例は、式(Q):式中、Xは、HC=CH−CH−である;によって表される。
Figure 0005854359
ポリシクロペンタジエンポリフェノールは、ポリシクロペンタジエンジアルデヒドから生成され得る。ポリシクロペンタジエンジアルデヒドは、例えば、G.Longoniら、J.of Molecular Catalysis 68、7-21 (1991)によって、またはより一般にはKirk-Othmer、ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY、Fifth Edition、Vol.10、347-470頁(2010)に記載されている方法を用いて、合成ガス、ホスフィン配位子、および遷移金属(第3〜10族)触媒を用いて、ポリシクロペンタジエン、例えば、ジシクロペンタジエンのヒドロホルミル化を介して生成され得る。このプロセスには、変形例が存在し得る。例えば、米国特許第6,307,108号に記載の方法は、極性/非極性混合溶媒を用いることで触媒の再利用および生成物の分離の問題を軽減する。得られるポリシクロペンタジエンジアルデヒドは、次いでフェノールと縮合して、ポリシクロペンタジエンポリフェノールを形成することができる。ポリシクロペンタジエンは、Kirk-Othmer、ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY、Fifth Edition、Vol.8、223頁(2010)によって開示されているように、100℃を超える温度にシクロペンタジエンを加熱することによって調製され得る。上記参照文献の全ては、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒドロホルミル化は、1〜250気圧および20℃〜250℃の温度で起こり得る。合成ガスは、種々の量の一酸化炭素および水素を含み得る。合成ガスは、窒素などの1種または複数の不活性ガスを含むことができる。
ヒドロホルミル化は、米国特許第7,321,068号に議論されているように、配位子を有さないロジウム触媒を用いて、200〜350気圧の合成ガス圧力で行われ得る。好適な配位子として、限定されないが、一酸化炭素、ならびに一般式PRを有する有機ホスフィン配位子:式中、各R、R、およびRは、置換または非置換アルキル基、アリール、アラルキル、アルカリール、ハロゲン化物、またはこれらの組み合わせである;が挙げられる。具体例として、限定されないが、n−ブチルジフェニルホスフィンが挙げられる。好適な触媒の例として、限定されないが、Rh(CO)(アセチルアセトネート)が挙げられる。
ヒドロホルミル化の間、種々の飽和度を有する、ポリシクロペンタジエンモノアルデヒドの全反応生成物のうち、例えば5〜25重量(wt.)パーセント(%)以下の量が、ポリシクロペンタジエンジアルデヒドと併せて生成されてもよい。これらのポリシクロペンタジエンモノアルデヒドの例は、以下の式IIによって表され、式中、nは、本明細書に記載されている通りである:
Figure 0005854359
ポリシクロペンタジエンモノアルデヒドは、ポリシクロペンタジエンジアルデヒドから分離され得る。例えば、蒸留プロセスは、ポリシクロペンタジエンジアルデヒドからポリシクロペンタジエンモノアルデヒドを分離するのに用いられ得る。しかし、ポリシクロペンタジエンモノアルデヒドおよびポリシクロペンタジエンジアルデヒドの混合物を用いることで、官能価のレベルを制御するのに役立つことができる。例えば、ノボラック化学は、ポリシクロペンタジエンジアルデヒドからポリシクロペンタジエンポリフェノールを形成するのに用いられ得る一方で、ノボラック化学は、ポリシクロペンタジエンモノアルデヒドからポリシクロペンタジエンジフェノールを形成するのにも用いられ得る。飽和シクロペンタン環を有するポリシクロペンタジエンジフェノールの例は、以下の式IIIによって表される:
Figure 0005854359
式中、n、m、RおよびQは、本明細書に記載されている通りである。ポリシクロペンタジエンジフェノール中にオリゴマーが存在していてもよい。したがって、ポリシクロペンタジエンジフェノールとポリシクロペンタジエンポリフェノールとの混合物が生成されてよい。
ヒドロホルミル化は、Longoniによって記載されているように、異性体ケトンを生成し得る。これらのケトンは、水素/一酸化炭素圧が低い(約1atm)とき、主要生成物であり得る。これらのケトンは、生成物混合体中に存在する場合、フェノールと縮合されて式IVのポリフェノール:式中、n、m、およびRは、本明細書に記載されている通りである;を形成し得る。
Figure 0005854359
ポリシクロペンタジエンモノアルデヒド、ポリシクロペンタジエンジアルデヒド、およびケトンの混合物を用いることで、所与の熱硬化可能な組成物中の官能価のレベルの制御を助け得る。例えば、本開示の熱硬化可能な組成物の架橋密度は、ジシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)の調製において用いられるポリシクロペンタジエンポリフェノールおよびポリシクロペンタジエンジフェノールの相対量を基準にして調整(例えば、低減または増大)され得る。このように官能価のレベルを調整することで、熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物の特性、例えばガラス転移温度(Tg)を所望のレベルに合わせること、および/または該生成物の他の特性、例えば、靱性との均衡を保つことを可能にし得る。
さらに、ポリシクロペンタジエンジアルデヒド中のジシクロペンタジエンおよび/またはポリシクロペンタジエン部位の量を制御することが可能であり得る。ジシクロペンタジエンおよび/またはポリシクロペンタジエンは、シクロペンタジエンを用いたディールス−アルダー化学を経て形成され得、ここで、本明細書において議論されているように、nについての平均値は0〜20であり得る。そして、例えば、ポリシクロペンタジエンジアルデヒド中のポリシクロペンタジエン部位は、オリゴマーであるときには平均で2〜5のn値の分布を有し得る。他の適用では、nは、0または1の値を有し得る。ポリシクロペンタジエンジアルデヒド中のジシクロペンタジエンおよび/またはポリシクロペンタジエン部位を制御する能力は、硬化生成物のいくつかの特性を保持しつつ、熱硬化可能な組成物の架橋密度を制御および/または適合させる能力も可能にし得る。
ポリシクロペンタジエンモノアルデヒドおよびケトンのいずれかと併せて得られるポリシクロペンタジエンジアルデヒドは、次いでノボラック反応を受けて、ポリシクロペンタジエンポリフェノールを形成することができる。ノボラック反応は、フェノールおよび酸触媒の使用を伴う。例えば、ポリシクロペンタジエンジアルデヒドおよび溶融フェノールは、窒素雰囲気下および酸触媒の存在下に撹拌により65℃〜70℃の温度で反応し得る。いずれかのポリシクロペンタジエンモノアルデヒドと併せて得られるポリシクロペンタジエンジアルデヒドは、次いでノボラック反応を受けて、ポリシクロペンタジエンポリフェノールを形成することができる。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールは、ポリシクロペンタジエンジアルデヒド(およびあらゆるポリシクロペンタジエンモノアルデヒド)対フェノールならびに/または、置換フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、1−ナフトール、および2−ナフトールのモル比が1:20〜1:6、好ましくは1:15〜1:8の縮合反応を介して;使用されるフェノールまたは置換フェノール化合物の量を基準にして好ましくは0.1〜2重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である酸触媒の存在下に調製され得る。1:20より高い、フェノールまたは置換フェノールのモル比が使用されてもよいが、そうすることで、過剰のフェノールおよび/または置換フェノールを回収および再利用するためのさらなるエネルギー、したがって費用が必要となることがある。
大過剰のフェノールおよび/または置換フェノールを使用する縮合反応は、低い多分散性および重量平均分子量を有するポリシクロペンタジエンポリフェノールに有利であることが見出されている。同様に、フェノールおよび/または置換フェノールの量が低下するに従い、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのオリゴマーが増加し得、重量平均分子量を増加させる。オリゴマー含量の増加は、ある一定の最終用途には高度に有益であり得る、1分子あたりのより高いヒドロキシル官能価に有利であるが、より高い粘度を犠牲にする。いくつかの適用では、非常に大過剰のフェノールおよび/または置換フェノールが使用され得る;先に提示されたモル比は、ポリシクロペンタジエンポリフェノールが豊富でオリゴマーが少ない生成物を生成し得る。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールを形成する場合、溶媒を使用することができる。ある他のフェノールよりも比較的高い溶融粘度を有するあるフェノールを用いる場合、1種または複数の溶媒の使用が、好適な反応媒体を維持するのに有益である場合がある。該溶媒は、反応および/または反応生成物に不活性であり得る。該溶媒は、縮合反応からの水の共沸除去のための薬剤として機能してよい。該溶媒の例として、限定されないが、トルエンおよびキシレンが挙げられる。
好適な酸触媒として、プロトン酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸;金属酸化物、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム;有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリシクロペンタジエンポリフェノールの形成において高度に選択性であり、反応生成物から水を共沸除去する必要性を除去し得るため、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸が、好ましい酸触媒または共触媒である。該水は、ノボラック反応をクエンチすることなく、反応器内に残存し得る。
反応温度および時間は変動するが、5分〜48時間であり得、20℃〜175℃の反応温度が使用され得る。好ましくは、反応温度および時間は、15分〜36時間および30℃〜125℃の反応温度であり得る。最も好ましくは、反応温度および時間は、30分〜24時間および35℃〜75℃の反応温度であり得る。
反応の終わりに、酸性触媒は、中和によって、例えば、水での洗浄もしくは抽出などによって除去されてよい。同様に、反応の終わりに、過剰のフェノールが、例えば蒸留または抽出によってノボラック生成物から除去されてよい。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールは、2未満の多分散性指標を有し得る。例えば、ポリシクロペンタジエンポリフェノールの多分散性指数(所与のポリマーサンプルにおける分子量の分布の尺度)は、1.3〜1.4であり得る。これらの種の結果は、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのn値およびp値の両方が、非常に均一であることを示している。ポリシクロペンタジエンポリフェノールについて均一な鎖長を有することで、本開示の熱硬化可能な組成物の粘度においてより望ましい粘度予測性を可能にし得る。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールは、以下の式Vの化合物によって表され得る:
Figure 0005854359
式中、n、m、p、RおよびQは、本明細書に記載されている通りである。ポリシクロペンタジエンポリフェノールは、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、本件と共に出願された、Dow Chemical Companyの事件整理番号68349の「POLYCYCLOPENTADIENE COMPOUNDS」のタイトルの米国実用新案出願において議論されている。
本明細書において議論されているように、開示されている、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのアリル化によって得ることができ、ここで、芳香族ヒドロキシル基(複数可)(−OH)が、HRC=CR−CH−O−および/またはHC−CR=HC−O−:式中、Rは、本明細書において記載されている通りである;に変換されている。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのアリル化は、カーボネート交換(transcarbonation)反応を介して達成され得る。カーボネート交換反応は、触媒作用量のパラジウム炭素およびトリフェニルホスフィンの存在下にポリシクロペンタジエンポリフェノールと反応するアリルメチルカーボネートを含み得る。
アリルメチルカーボネートは、アリルアルコールとジメチルカーボネートとの反応から調製され得る。この反応は、アリルメチルカーボネートとジアリルカーボネートとの混合物を提供することができる。この混合物および/または純粋なアリルメチルカーボネートは、カーボネート交換反応において使用され得る。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのアリル化は、ハロゲン化物、アルカリ剤、および場合により触媒、例えば相間移動触媒を含み得る直接アリル化反応によって達成され得る。ハロゲン化物の例として、限定されないが、ハロゲン化アリルおよびハロゲン化メタリルが挙げられる。ハロゲン化アリルの例として、限定されないが、塩化アリルおよび臭化アリルが挙げられる。ハロゲン化メタリルの例として、限定されないが、塩化メタリルおよび臭化メタリルが挙げられる。アルカリ剤の例として、限定されないが、アルカリ金属水酸化物の水溶液が挙げられる。アルカリ金属水酸化物の例として、限定されないが、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられる。触媒の例として、限定されないが、ハロゲン化ベンジルトリアルキルアンモニウムおよびハロゲン化テトラアルキルアンモニウムが挙げられる。アリル化は、ポリシクロペンタジエンポリフェノールと併せて、アリルメチルカーボネート、ジアリルカーボネート、ハロゲン化物、アルカリ剤、触媒、およびこれらの組み合わせを含み得る。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールの直接アリル化は、25℃〜150℃の温度で起こり得る。いくつかの適用では、アリル化には、50℃〜100℃の温度が好ましい。ポリシクロペンタジエンポリフェノールのアリル化は、15分〜8時間の反応時間を有し得る。いくつかの適用では、2時間〜6時間の反応時間が好ましい。ポリシクロペンタジエンポリフェノールのアリル化は、溶媒を含み得る。溶媒の例として、限定されないが、1,4−ジオキサンが挙げられる。
直接アリル化反応において、ハロゲン化アリルは、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのヒドロキシ基と化学量論的に反応してよい。種々の反応条件について、可変量のクライゼン転位生成物が該反応において観察されてよく、OおよびCアリル化生成物の混合物を生じ得る。
1対1のモル比の、ハロゲン化アリルとポリシクロペンタジエンポリフェノールのヒドロキシ基との反応は、アリル化ビスフェノールを提供することができ、多量(約80%以上)の、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのヒドロキシ基が、−O−CH−CH=CH基に変換されている。加えて、少量(約20%以下)のアリル基が、熱的に誘導されるクライゼン転位を受けていてもよく、また、該アリル基は、該転位が起こったヒドロキシ基に対して芳香族環のオルトおよび/またはパラに存在していてよい。1対1未満のモル比の、カーボネート交換反応におけるアリルメチルカーボネートまたは直接アリル化反応におけるハロゲン化アリルと、ヒドロキシ基との反応は、部分的アリル化をもたらす可能性があり、いくつかの遊離ヒドロキシ基が残存する。部分的アリル化化合物は、いくつかの適用では、あまり好ましくない場合があるが、本開示の範囲内である。
好ましいプロセスは、カーボネート交換反応を用いており、該反応において、アリルメチルカーボネートがポリシクロペンタジエンポリフェノールと化学量論的に反応して、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのヒドロキシ基の本質的に全てのアリル化を提供し、対応するアリルエーテル(アリルオキシ)基を提供する。
存在する場合のアリルオキシ基およびアリル基の、より反応性の1−プロペニル基への異性化は、T.W.GreenおよびP.G.M.WutsによってProtective Groups in Organic Synthesis,Wiley-Interscience,New York,67-74,708-711(1999)において報告されている方法を用いて塩基の存在下に、またはJournal of Molecular Catalysis A:Chemical volume 219、issue 1、29〜40頁(2004年9月1日)に記載されている触媒作用量のルテニウム錯体の存在下に実施されてよい。上記参照文献は、いずれも、全体が本明細書に組み込まれる。
開示されている、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、熱硬化可能な組成物に含まれ得る。熱硬化可能な組成物は、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む固相、例えば粉末、または液相、例えば溶液であり得る。ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、本明細書に記載されているように、種々のn値および種々のp値を有し得る。かかる混合物では、nおよびpの値は、平均オリゴマー化度(average extent of oligomerization)に関する数値として記載され得る。
1つまたは複数の実施形態では、熱硬化可能な組成物は、硬化して、ホモポリマーである生成物を形成する。ホモポリマーは、1種類のモノマーから誘導されるポリマーである。本明細書において、開示されている、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、1種類のモノマーであるとみなされる。
1つまたは複数の実施形態では、熱硬化可能な組成物は、硬化して、コポリマーである生成物を形成する。コポリマーは、2種類以上のモノマーから誘導されるポリマーである。2種類以上のモノマーは、コモノマーと称することもできる。本明細書において、コモノマーの1種である2種類以上のモノマーの一方は、開示されている、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)である。1つまたは複数の実施形態では、コモノマーは、ポリマレイミド、ポリシアネート、ポリシアナミド、エポキシ化合物、アリル化合物、1個または複数個の重合性のエチレン性不飽和基を含有する化合物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書において記載されているように、コモノマーは、プレポリマーを含む。プレポリマーは、オリゴマーまたはマクロマなどの化合物であり、かかる化合物の分子は、反応性基を通してさらなる重合に参加することが可能である。プレポリマーは、本明細書において記載されているように、コモノマーから形成され得る。
1つまたは複数の実施形態では、コモノマーを含む熱硬化可能な組成物は、最小活性レベルの、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を有する。この最小活性レベルは、特定の適用に応じて種々の値を有し得る。例えば、より低い硬化エンタルピーが望ましい適用は、増加したガラス転移温度が望ましい別の適用とは異なる最小活性レベルの、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を有してよい。1つまたは複数の実施形態では、ポリマレイミド、ポリシアネート、ポリシアナミド、エポキシ化合物、1個または複数個の重合性のエチレン性不飽和基を含有する化合物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるコモノマーは、コポリマーが誘導される、熱硬化可能な組成物に含まれるモノマーの5重量%〜90重量%であり得る。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)は、コポリマーが誘導されるモノマーの10重量%〜95重量%である。
本明細書において、ポリマレイミドは、2個以上のマレイミド部位を有する化合物である。ポリマレイミドの例として、限定されないが1,2−ビスマレイミドエタン;1,4−ビスマレイミドブタン;1,6−ビスマレイミドヘキサン;1,12−ビスマレイミドドデカン;1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン;1,3−ビスマレイミドベンゼン;1,4−ビスマレイミドベンゼン;4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン;4,4’−ビスマレイミドジフェニルエーテル;4,4’−ビスマレイミドジフェニルスルフィド;4,4’−ビスマレイミドジフェニルスルホン;4,4’−ビスマレイミドジシクロヘキシルメタン;2,4−ビスマレイミドトルエン;および2,6−ビスマレイミドトルエンが挙げられる。
本明細書において、ポリシアネートは、2個以上のシアネート部位を有する化合物である。ポリシアネートの例として、限定されないが、ビスフェノールAジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、テトラメチルビスフェノールFジシアネート、ジシクロペンタジエンポリフェノールのポリシアネート;2−tert−ブチル−1,4−ジシアナトベンゼン;2,4,6−トリメチル−1,3−ジシアナトベンゼン;4−クロロ−1,3−ジシアナトベンゼン;1,3,5−トリシアナトベンゼン;4,4’−ジシアナトジフェニル;2,2’−ジシアナト−1,1’−ビナフチル;4,4’−ジシアナトジフェニルエーテル;3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジシアナトジフェニルエーテル;3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジシアナトジフェニルエーテル;4,4’−ビス−[p−シアナトフェノキシ]ジフェニルエーテル;4,4’−ビス−[p−シアナトフェニルイソプロピル]ジフェニルエーテル;4,4’−ビス−[p−シアナトフェノキシ]ベンゼン;4,4’−ビス−[m−シアナトフェノキシ]ジフェニルエーテル;4,4’−ビス−[4−(4−シアナトフェノキシ)−フェニルスルホン]ジフェニルエーテル;4,4’−ジシアナトジフェニルスルホン;3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジシアナトジフェニルスルホン;3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジシアナトジフェニルスルホン;4,4’−ビス−[p−シアナトフェニルイソプロピル]ジフェニルスルホン;4,4’−ビス−[(4−シアナト)フェノキシ]−ジフェニルスルホン;4,4’−ビス−[(3−シアナト)−フェノキシ]ジフェニルスルホン;4,4’−ビス−[4−(4−シアナトフェニルイソプロピル)−フェノキシ]ジフェニルスルホン;4,4’−ビス−[4−(4−シアナトフェニルスルホン)フェノキシ]ジフェニルスルホン;および4,4’−ビス−[4−(4−シアナト)ジフェノキシ]ジフェニルスルホンが挙げられる。
本明細書において、ポリシアナミドは、2個以上のシアナミド部位を有する化合物である。ポリシアナミドの例として、限定されないが4,4’−ジミノジフェニルメタン;4,4’−スルホニルジアニリン;4,4’−ジアミノジフェニルオキシド;3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル;4,4’−ジアミノスチルベン;4,4’−ジアミノフェニルベンゾエート;4,4’−ジアミノ−α−メチルスチルベン;トリス(アミノフェニル)メタン;アニリン−ホルムアルデヒド縮合生成物のジシアナミド;4−アミノ−4’−ヒドロキシベンズアニリド;4−アミノ−4’−ヒドロキシスチルベン;およびp−アミノフェノールのシアナミドが挙げられる。
アリル化合物の例として、限定されないが、アリル−s−トリアジン、アリルエーテル、アリルエステル、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、アリルフェノール、およびリン含有アリルモノマーが挙げられる。これらのアリル化合物、および開示されている熱硬化可能な組成物に含まれ得る他のコモノマーは、例えば、John Wiley and Sons,Inc.によって発行されたEncyclopedia of Polymer Science and Technology、第1巻、第750〜807頁(1964)に記載されており、その全開示内容が参照により本明細書に明確に組み込まれる。いくつかの具体的なアリルモノマーは、トリアリルイソシアヌレート;2,4,6−トリス(アリルオキシ)−s−トリアジン;ヘキサアリルメラミン;ヘキサ(アリルオキシメチル)メラミン;トリメチロールプロパンジアリルエーテル;1,2,3−メタリルオキシプロパン;o−ジアリルビスフェノールA;ヘキサメタリルジペンタエリスリトール;ジアリルフタレート;ジアリルイソフタレート;ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート);およびアリルジフェニルホスフェートである。
エポキシ化合物は、酸素原子が炭素鎖または環系の2個の隣接または非隣接炭素原子に直接付着してエポキシドまたはオキシラン環を形成する化合物である。エポキシ化合物は、芳香族エポキシ化合物、脂環式(alicyclic)エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
芳香族エポキシ化合物の例として、限定されないが、ポリフェノール、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、トリスフェノール(トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンおよび1,6−ジヒドロキシナフタレンのグリシジルエーテル化合物が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物の例として、限定されないが、少なくとも1個の脂環式環を有するポリオールのポリグリシジルエーテル、またはシクロヘキセン環もしくはシクロペンテン環を含む化合物を酸化剤とエポキシド化することによって得られるシクロヘキセンオキシドもしくはシクロペンテンオキシドを含む化合物が挙げられる。いくつかの特定の例として、限定されないが、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート;3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート;6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート;メチレン−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン);2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン;ジシクロペンタジエンジエポキシド;エチレン−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート);ジオクチルエポキシヘキサヒドロフタレート;およびジ−2−エチルヘキシルエポキシヘキサヒドロフタレートが挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物の例として、限定されないが、脂肪族ポリオールまたはそのアルキレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートをビニル重合することにより合成されるホモポリマー、およびグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと他のビニルモノマーとをビニル重合することにより合成されるコポリマーが挙げられる。いくつかの特定の例として、限定されないが、ポリオールのグリシジルエーテル、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ソルビトールのテトラグリシジルエーテル;ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;およびポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル;1種の、または2種以上のアルキレンオキシドを、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびグリセリンなどの脂肪族ポリオールに付加することによって得られる、ポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル;ならびに脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。
1個または複数個の重合性のエチレン性不飽和基を含有する化合物は、(モノ)エチレン性不飽和モノマーまたは(ポリ)エチレン性不飽和モノマーであり得る。1個または複数個の重合性のエチレン性不飽和基を含有する化合物の例として、限定されないが、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,428,125号に記載されているものが挙げられる。
1つまたは複数の実施形態では、熱硬化可能な組成物は溶媒を含む。溶媒の例として、限定されないが、ケトン、アミド、アルコール、およびエステルが挙げられる。ケトンの例として、限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、およびシクロヘキサノンが挙げられる。アミドの例として、限定されないが、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリジノンが挙げられる。アルコールの例として、限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびDowanol(商標)PMが挙げられる。エステルの例として、限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、およびDowanol(商標)PMAが挙げられる。溶媒は、熱硬化可能な組成物の合計重量の10重量%〜75重量%であり得、ここで、合計重量は、熱硬化可能な組成物を構成するモノマーおよび溶媒を基準とする。
1つまたは複数の実施形態では、熱硬化可能な組成物は添加剤を含む。添加剤の例として、限定されないが、重合触媒、共硬化薬剤、難燃剤、難燃剤用共力剤、溶媒、充填剤、接着促進剤、湿潤助剤、分散助剤、表面改質剤、熱可塑性樹脂、および離型剤、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
重合触媒の例として、限定されないが、遷移金属錯体、イミダゾール、ホスホニウム塩、ホスホニウム錯体、三級アミン、ヒドラジド、「潜在性触媒」、例えばAncamine2441およびK61B(Air Products and Chemicals、Inc.から入手可能な変性脂肪族アミン)、Ajinomoto Fine−Techno Co.,Inc.のAjicure PN−23またはMY−24、変性ウレア、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
共硬化薬剤の例として、限定されないが、ジシアンジアミド、置換グアニジン、フェノール樹脂、アミノ化合物、ベンゾオキサジン、無水物、アミドアミン、ポリアミド、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
難燃剤および/または難燃剤用共力剤の例として、限定されないが、リン含有分子、例えばH−DOP(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド)反応生成物、抱水マグネシウム、ホウ酸亜鉛、メタロセン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
充填剤の例として、限定されないが、シリカ、アルミナ三水和物、酸化アルミニウム、金属酸化物、カーボンナノチューブ、銀フレークまたは粉末、カーボンブラック、グラファイト、およびこれらの組み合わせが挙げられる。充填剤は、機能性および/または非機能性であり得る。種々の適用では、充填剤は、0.5nm〜100μmの粒径範囲を有し得る。
接着促進剤の例として、限定されないが、変性オルガノシラン(エポキシド化、メタクリル、アミノ、アリルなど)、アセチルアセトネート、硫黄含有分子、チタネート、ジルコネート、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
湿潤助剤および/または分散助剤の例として、限定されないが、変性オルガノシラン、例えば、BYK(登録商標)W900シリーズおよびW9000シリーズ(BYK Additives & Instruments)など、ならびに変性フルオロカーボンが挙げられる。
表面改質剤の例として、限定されないが、スリップ添加剤および光沢添加剤、例えば、BYK Additives & Instrumentsから入手可能なものが挙げられる。
熱可塑性樹脂の例として、限定されないが、ポリフェニルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルイミド、ポリフタルイミド、ポリベンズイミダゾール、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。熱可塑性樹脂は、反応性および/または非反応性であり得る。
離型剤の例として、限定されないが、ワックス、例えばカルナバワックスなどが挙げられる。
1つまたは複数の実施形態では、本開示は、熱硬化可能な組成物を硬化することによって得ることができるBステージの生成物を提供する。Bステージの生成物は、強化成分およびマトリクス成分を接触させることを含むプロセスによって形成され得る。マトリクス成分は、強化成分を包囲および/または支持する。マトリクス成分および強化成分は、相乗作用を提供する。この相乗作用では、Bステージの生成物を硬化することによって得られる生成物が、個々の成分のみによっては達成不可能である機械的および/または物理的特性を有することとなる。1つまたは複数の実施形態では、熱硬化可能な組成物は、本明細書に開示されているように、マトリクス成分として有用である。
強化成分は、繊維であり得る。繊維の例として、限定されないが、ガラス、アラミド、炭素、ポリエステル、ポリエチレン、石英、金属、セラミック、バイオマス、およびこれらの組み合わせが挙げられる。繊維は、コーティングされていてよい。繊維コーティングの例として、限定されないが、ホウ素が挙げられる。
ガラス繊維の例として、限定されないが、Aガラス繊維、Eガラス繊維、Cガラス繊維、Rガラス繊維、Sガラス繊維、およびTガラス繊維が挙げられる。アラミドは、有機ポリマーであり、その例として、限定されないが、Kevlar(登録商標)およびTwaron(登録商標)が挙げられる。炭素繊維の例として、限定されないが、ポリアクリロニトリル、ピッチ、レーヨン、およびセルロースから形成される繊維が挙げられる。金属繊維の例として、限定されないが、ステンレススチール、クロム、ニッケル、白金、チタン、銅、アルミニウム、ベリリウム、およびタングステンが挙げられる。セラミック繊維の例として、限定されないが、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、およびホウ化ケイ素から形成される繊維が挙げられる。バイオマス繊維の例として、限定されないが、木材および非木材から形成される繊維が挙げられる。
強化成分は織物であり得る。織物は、本明細書において議論されているように、繊維から形成され得る。織物の例として、限定されないが、縫合布および織布が挙げられる。織物は、単向性または多軸型であり得る。強化成分は、繊維および織物の組み合わせであり得る。
Bステージの生成物では、強化成分は、圧延、浸漬、噴霧、または、ある他の手順を介してマトリクス成分に暴露され得る。強化成分は、マトリクス成分に暴露された後、熱硬化可能な組成物中に存在する溶媒の一部が加熱による揮発を介して除去され得る。加熱は、90℃〜200℃の温度であり得るが、いくつかの適用では、加熱が別の温度で起こり得る。溶媒が除去される間および/または後に、マトリクス成分が部分的に硬化され得る。この部分的な硬化は、Bステージと称され得る。Bステージの生成物は、プリプレグと称され得る。Bステージは、90℃〜200℃の温度で起こり得る;しかし、いくつかの適用では、Bステージが別の温度で起こり得る。
Bステージの生成物は、層状であり得るか、または、ある形状に形成され得る。電気積層体が製造されているいくつかの適用では、Bステージの生成物の層は、導電材料の層と交互であり得る。導電材料の例として、限定されないが、銅箔が挙げられる。Bステージの生成物の層は、次いで、マトリクス成分がより十分に硬化している状態になるような条件に暴露され得る。例えば、Bステージの生成物の層は、90℃〜230℃の温度に10分〜500分にわたって暴露され得る。加えて、Bステージの生成物は、50N/cm〜500N/cmの圧力に暴露され得る。この硬化プロセスでは、強化成分上のマトリクス成分が流動して隣接する層上のマトリクス成分と混合することにより、層を一緒に融合することができる。
開示されている熱硬化可能な組成物および/または開示されているBステージの生成物は、硬化して、とりわけ、限定されないが、保護コーティング、電気積層体、構造積層体、複合体材料、フィラメントワインディング、成形体、鋳物、カプセル封入物、パッケージング、および接着剤を含む生成物を提供することができる。これらの生成物の特性は、所望のガラス転移温度、耐溶媒性、耐湿性、耐摩耗性、および靱性を含むことができる。
材料
KBr、FT−IRグレード、微量金属基準で≧99%、Sigma−Aldrichから入手可能。
3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸、ナトリウム塩、90%純度、Sigma−Aldrichから入手可能。
塩酸、A.C.S.試薬グレード、酸塩基滴定により37.5%、Mallinckrodt Baker,Incから入手可能。
フェノール、>99%、Dow Chemical Companyから入手可能。
アリルアルコール、99+%、Sigma−Aldrichから入手可能。
ジメチルカーボネート、無水物、99+%、Sigma−Aldrichから入手可能。
ナトリウムメトキシド、試薬グレード、95%、粉末、Sigma−Aldrichから入手可能。
トリフェニルホスフィン、99%、Sigma−Aldrichから入手可能。
パラジウム炭素、活性炭上5重量%、Sigma−Aldrichから入手可能。
ジクロロメタン、99.8%、Sigma−Aldrichから入手可能。
4,4’−イソプロピリデンジフェノール(PARABIS(商標))、Dow Chemical Companyから入手可能。4,4’−イソプロピリデンジフェノールは、HPLC分析を介して99.72面積%であると評価され、残りが、2の少量成分(それぞれ0.09および0.19面積%)からなった。(PARABIS(商標)は、Dow Chemical Company(「Dow」)またはDowの関連会社の商標である)。
4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネートを、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(PARABIS(商標))を用いて通常の方法で合成した。HPLC分析により、アセトンから再結晶された該ジシアネートについて100%の純度であることが明らかになった。ビスフェノールAジシアネートもHuntsman International LLCからAroCy B−10モノマー性ビスフェノールAジシアネートとして入手可能である。
珪藻土、Celite CorporationからCelite(登録商標)545として入手可能。
ジシクロペンタジエンポリフェノールの調製。
ジシクロペンタジエンポリフェノールを、フェノールと、より高い分子量の副生成物に起因する非常に少量のあるシグナルと一緒に1.2面積%(GC)のモノアルデヒド異性体を含有する異性体ジシクロペンタジエンジアルデヒド(97.3面積%、GC)との縮合を介して調製した。20:1のモル比のフェノール:ジシクロペンタジエンジアルデヒドを、ジシクロペンタジエンジアルデヒド反応体に対して0.05モル%の3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸触媒と併せて使用した。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)
アリルアルコール(50.79g、0.875モル)、ジメチルカーボネート(78.78g、0.875モル)およびナトリウムメトキシド触媒(0.09g、0.065重量%)を500mLの三ツ口のガラス製丸底反応器に添加し、窒素雰囲気下に撹拌しながら20℃で維持した。反応器は、両方ともClaisenアダプタを介して反応器に装着された周囲温度(22℃)冷却器および温度計、ならびに頂部の窒素入口、変速モータに接続されたTeflon製撹拌翼を備えたガラス製撹拌軸、およびサーモスタット制御の加熱マントルを含んでいた。アリルメチルカーボネート、ジアリルカーボネートおよびメタノールの平衡混合物を、反応器の内容物を15.3℃まで冷却すると同時に迅速に形成した。18分後、上記のジシクロペンタジエンポリフェノール(13.32g、名目上0.10のヒドロキシル当量)を反応器の内容物に添加し、これらを4分間撹拌して溶液を形成した。トリフェニルホスフィン(0.28g、0.204重量%)、続いて5%パラジウム炭素(0.19g、0.127重量%)を反応器の内容物に添加した。加熱を開始し、次の138分で反応温度が78℃に達した。反応器の内容物を77.0℃〜79.5℃の温度で8時間維持し、次いで23.5℃に冷却した。反応器の内容物を、粗フリットガラス漏斗に充填された珪藻土床を通して真空濾過した。ジクロロメタンを用いて、珪藻土に保持された生成物を除去した。生成物を100℃の最大油浴温度において4.1mmHgの圧力まで回転蒸発して、実施例1(15.70g)の、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を生じ、これは、透明な淡琥珀色に着色した液体であることが観察され、22℃で粘着性固体となった。
HPLC分析により、個々の全成分の保持時間が実質的に変化したことによって示されているように、ジシクロペンタジエンポリフェノールが実施例1のジシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)に完全に変換したことが示された。具体的には、HPLC分析の条件下では、ジシクロペンタジエンポリフェノール反応体の複数の成分が2.45〜5.57分の保持時間の間に包含されていた一方で、生成物である、ジシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)の保持時間は10.22〜14.84分の保持時間の間に包含されていた。実施例1の、ジシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)の、KBrプレート上のフィルムサンプルのフーリエ変換赤外(FTIR)分光光度分析により、ヒドロキシル基の吸収が全て存在しないことと併せて、不飽和C−H伸縮(3029、3055、3078cm−1)、飽和C−H伸縮(2870、2946cm−1)、C=C伸縮(1582、1608cm−1)、C−O伸縮(1024cm−1)、およびCH=CH分解(925、998cm−1)に関して予測した範囲内のピークが提供され、これにより、フェノール性ヒドロキシル基がアリルエーテル基に完全に変換したことが確認された。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物
上記で調製した、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を、実施例2の、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)の熱硬化可能な組成物として用いた。実施例2の一部分(10.2および10.7mg)の示差走査熱量(DSC)分析を、窒素ストリーム(35立方センチメートル/分[cc/m])下に25℃から400℃まで5℃/分の加熱速度を用いて実施した。アリル基の単独重合に起因する1対の発熱が観察され、初期の発熱では、260.2ジュール/gのエンタルピーを伴って、開始点が211.1℃、最大値が241.9℃、終点が285.5℃であり、第2発熱では、73.6ジュール/gのエンタルピーを伴って、開始点が288.6℃、最大値が320.1℃、終点が368.7℃であった。表1Aは、実施例2の熱硬化可能な組成物の合計の硬化エンタルピーを示す。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物
DSC分析から回収した、実施例2のジシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を硬化することによって得られた実施例3のホモポリマーは、透明な琥珀色に着色した剛性固体であることが観察された。
4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)の合成
アリルアルコール(101.58g、1.75モル)、ジメチルカーボネート(157.55g、1.75モル)およびナトリウムメトキシド触媒(0.18g、0.065重量%)を500mLの三ツ口のガラス製丸底反応器に添加し、窒素雰囲気下に撹拌しながら23℃で維持した。反応器は、低温(chilled temperature)(0℃)冷却器、温度計、磁気撹拌、およびサーモスタット制御の加熱マントルを含んでいた。アリルメチルカーボネート、ジアリルカーボネートおよびメタノールの平衡混合物を、反応器の内容物を15.5℃まで冷却すると同時に迅速に形成した。13分後、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(18.33g、0.1606当量のヒドロキシ基)を反応器の内容物に添加した。トリフェニルホスフィン(0.56g、0.204重量%)、続いて5%パラジウム炭素(0.38g、0.127重量%)を反応器の内容物に添加した。反応器の内容物を78℃まで101分かけて加熱し、次いで該温度で8時間維持し、次いで22℃に冷却した。反応器の内容物を中度フリットガラス漏斗に充填された珪藻土床を通して真空濾過した。回収した濾液を100℃の最大油浴温度において2.9mmHgの圧力まで回転蒸発して生成物(25.21g)を生じ、これは、22℃において、透明な琥珀色に着色した液体であることが観察された。
HPLC分析により、4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(95.25面積%)および12の少量成分(0.05〜2.13面積%の範囲)の存在が示された。該少量成分を、生成物をジクロロメタン(75mL)に溶解し、得られた溶液を、中度フリットガラス漏斗に支持された直径1.75インチのシリカゲル床(230〜400のメッシュ粒径、60Åの平均孔径、550m/gの表面寸法)による2インチの深さに通過させることによって除去した。追加のジクロロメタンによる、シリカゲル床からの溶離後、黄色の帯状物が元の領域に残存した。回転蒸発により4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(23.32g、94.17%の単離収率)を生じ、これは、淡黄色に着色した液体であることが観察された。
クロマトグラフィにより精製された生成物のHPLC分析により、4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(99.51面積%)および3の少量成分(0.13、0.05、および0.31面積%)の存在が示された。4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)の、KBrプレート上のフィルムサンプルのFTIR分光光度分析により、不飽和C−H伸縮(3039、3061、3083cm−1)、飽和C−H伸縮(2870、2931[ショルダーが存在]、2966cm−1)、C=C伸縮(1581、1608cm−1)、C−O伸縮(1025cm−1)、およびCH=CH分解(926、998cm−1)に関して予測した範囲内のピーク、ならびにヒドロキシル基の吸収が完全に存在しないことが提供され、フェノール性ヒドロキシル基がアリルエーテル基に完全に変換したことが示された。
比較例A:4,4’,−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)の熱硬化可能な組成物
上記で調製した、4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(11.20mg)を、比較例Aの、4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)の熱硬化可能な組成物として用いた。比較例AのDSC分析を、窒素ストリーム(35cc/m)下に25℃から400℃まで5℃/分の加熱速度を用いて実施した。アリル基の単独重合に起因する1対の発熱が観察され、初期の発熱では、267.1ジュール/gのエンタルピーを伴って、開始点が201.4℃、最大値が253.4℃、終点が278.6℃であり、第2発熱では、212.2ジュール/gのエンタルピーを伴って、開始点が278.6℃、最大値が351.2℃、終点が387.2℃であった。表1Aは、比較例Aの硬化エンタルピーを示す。
ジシクロペンタジエンポリシアネートの合成
上記のジシクロペンタジエンポリフェノール(26.63g、名目上0.20のヒドロキシル当量)および無水アセトン(250mL、9.39mL/gのジシクロペンタジエンポリフェノール)を、冷却された冷却器(0℃)、温度計、頂部の窒素入口(1L/分のNガスを用いた)、および磁気撹拌を備えた500mLの三ツ口のガラス製丸底反応器に添加した。臭化シアン(22.67g、0.0214モル、1.07:1の臭化シアン:ヒドロキシル当量比)を撹拌し続けながら反応器中の溶液に添加した。ドライアイス−アセトン浴を反応器の下に置き、撹拌された、反応器中の溶液を、−6℃に冷却した。トリエチルアミン(20.64g、0.0204モル、1.02のトリエチルアミン:ヒドロキシル当量比)を−8℃〜−3℃の温度を維持するアリコートでシリンジを用いて22分かけて反応器の内容物に添加した。5分後、観察された、反応器内の淡琥珀色に着色した透明な溶液は、トリエチルアミン臭化水素酸塩共生成物の形成を示す淡黄色に着色したスラリーとなった。−7℃〜−2℃での後反応の7分後、反応生成物のサンプルのHPLC分析により、24の成分が明らかになり、存在する各成分が、ジシクロペンタジエンポリフェノール反応体のHPLC分析において観察されたものとは異なる保持時間を有した。トリエチルアミン添加の27分後に、この間、反応器の内容物を−7℃〜−2℃の温度に維持して、反応器の内容物を、磁気的に撹拌された脱イオン水(400mL)およびジクロロメタン(250mL)を含有するビーカーに添加した。ビーカーの内容物を2分間撹拌し、次いで分離漏斗に添加して分離させた。ジクロロメタン層を回収し、水層を廃棄した。ジクロロメタン層を分離漏斗に戻して添加し、新たな脱イオン水(最初に400mL、その後250mL)でさらに3回抽出して、濁ったジクロロメタン溶液を生じた。濁ったジクロロメタン溶液を顆粒状の無水硫酸ナトリウム(25g)上で乾燥して澄んだ溶液を付与し、次いで、これを、サイドアーム付き真空フラスコに取り付けられた400mLの中度フリットガラス漏斗上に支持された無水硫酸ナトリウム床(100g)に通過させた。こうして得られた、澄んだ淡黄色に着色した濾液を、55℃の最大油浴温度を用いて回転蒸発し、揮発性物質のバルクを除去した。さらなる回転蒸発を0.4mmHgの真空に達するまで75℃で実施して、固体粉末を生じた。次いで、固体粉末を75℃に加熱した真空オーブンに16時間置いて23.14gのジシクロペンタジエンポリシアネートを生じ、これが淡黄色固体であることが観察された。ジシクロペンタジエンポリシアネートの臭化カリウムペレットのFTIR分光光度分析により、ヒドロキシル基の吸収が存在しなかった一方で、2265.2および2235.4cm−1に強いシアネート基の吸収が観察されたことが実証された。HPLC分析により、16成分が示され、主要な3成分がそれぞれ27.9、24.0および31.8面積%を含んでいた。
比較例B:ジシクロペンタジエンポリシアネートの熱硬化可能な組成物
上記のジシクロペンタジエンポリシアネート(6.6mg)を、比較例Bの、ジシクロペンタジエンポリシアネートの熱硬化可能な組成物として用いた。比較例Bの示差走査熱量(DSC)分析を、窒素ストリーム(35cc/m)下に25℃から350℃まで7℃/分の加熱速度を用いて実施した。溶融吸熱は検出されなかった。環化三量化に起因する単一の発熱が検出され、164.4ジュール/gのエンタルピーを伴って、開始点が162.6℃、中間点が262.3℃、終点が304.6℃であった。表1Bは、比較例Bの熱硬化可能な組成物の硬化エンタルピーを示す。結果として得られた、ジシクロペンタジエンポリシアネートのホモポリトリアジンのDSC分析により、少しのさらなる発熱が271.1℃で開始していることが示された。その後のDSC分析により、少しの発熱の開始点が307.1℃にシフトした。
比較例C:ジシクロペンタジエンポリシアネートの熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物
比較例Bの熱硬化可能な組成物(0.5g)をアルミニウム皿に添加し、100℃のオーブン内に1時間、次いで150℃のオーブン内に1時間置いた。150℃で23分後、ジシクロペンタジエンポリシアネートは均質な液体であった。次いで、生成物を200℃のオーブンに1時間、250℃のオーブンに1時間、300℃のオーブンに1時間保持し、続いて22℃に冷却して、比較例Cを付与した。比較例Cは、透明な琥珀色に着色した剛性固体であることが観察された。比較例Cの一部(18.9mg)のDSC分析により、表2Aに示されるように、295.7℃の弱いガラス転移温度が示された。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)(50.0重量%)およびコモノマー(ジシクロペンタジエンポリシアネート、50.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物
ジシクロペンタジエンジフェノールのポリ(アリルエーテル)(0.2064g)およびジシクロペンタジエンポリシアネート(0.2064g)(両方とも上記)をガラスバイアルに添加して、実施例4の、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)およびコモノマー(ジシクロペンタジエンポリシアネート)を含む熱硬化可能な組成物を付与した。実施例4の熱硬化可能な組成物を撹拌しながら75℃に加熱して溶液を生じた。
熱硬化可能な組成物の2つの部分(それぞれ10.0および10.1mg)のDSC分析を、窒素ストリーム(35cc/m)下に25℃から400℃まで5℃/分の加熱速度を用いて実施した。アリルおよびシアネート基の共重合ならびにいずれかの単独重合に起因した発熱が観察され、平均で、開始点が171.77℃(165.84℃および177.69℃)、最大値が229.08℃(228.46℃および229.69℃)、終点が292.62℃(289.54℃および295.70℃)であり、エンタルピーが253.1ジュール/g(243.0および263.1ジュール/g)であった。主要でない第2発熱が観察され、平均で、開始点が292.62℃(289.54℃および295.70℃)、最大値が322.98℃(322.78℃および323.18℃)、終点が367.98℃(367.74℃および368.22℃)であり、エンタルピーが20.83ジュール/g(16.32および25.34ジュール/g)であった。表1Bは、実施例4の熱硬化可能な組成物の合計硬化エンタルピーを示す。386.23℃(386.23℃および386.23℃)の平均温度で開始する発熱分解が検出された。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)(50.0重量%)およびコモノマー(ジシクロペンタジエンポリシアネート、50.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物
実施例4の熱硬化可能な組成物の一部分を150℃のオーブンに1時間、200℃のオーブンに1時間、次いで250℃のオーブンに1時間置き、実施例4の熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる実施例5の生成物を生じた。実施例5の一部分(31.00mg)のDSC分析を、窒素ストリーム(35cc/m)下に25℃から375℃まで5℃/分の加熱速度を用いて実施し、硬化の完了に関連する、>250℃における残存発熱性(residual exothermicity)(54.97ジュール/g)を生じた。実施例5の生成物の最初のDSC走査により、残存発熱性を伴うことなく、300.54℃の弱いガラス転移温度が示された。同サンプルの追加の走査により、302.42℃の弱いガラス転移温度が示された。表2Aは、両方ともDSC分析に関する、実施例5のガラス転移温度を示す。375℃までのDSC分析温度では、いずれのDSC分析においても発熱分解の示唆は観察されなかった。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)(25.0重量%)およびコモノマー(4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート、75.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物
4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート(0.5228g、75重量%)およびジシクロペンタジエンジフェノールのポリ(アリルエーテル)(0.1743g、25重量%)(両方とも上記)をガラスバイアルに添加して、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)およびコモノマー(4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート)を含む実施例6の熱硬化可能な組成物を付与した。実施例6の熱硬化可能な組成物を撹拌しながら75℃に加熱して溶液を付与した。
実施例6の熱硬化可能な組成物の2つの部分(10.40および10.90mg)のDSC分析を、窒素ストリーム(35cc/m)下に25℃から400℃まで5℃/分の加熱速度を用いて実施した。吸熱が観察され、平均で、開始点が57.07℃、最小値が80.63℃、終点が87.40℃であり、エンタルピーが55.52ジュール/gであった。アリルおよびシアネート基の共重合ならびにいずれかの単独重合に起因する発熱が観察され、平均で、開始点が178.64℃(174.85℃および182.43℃)、最大値が242.96℃(242.62℃および243.29℃)、終点が287.65℃(284.80℃および290.49℃)であり、エンタルピーが517.8ジュール/g(509.4および526.2ジュール/g)であった。DSC分析から回収したコポリマーは、透明な琥珀色に着色した剛性固体であることが観察された。
ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)(25.0重量%)およびコモノマー(4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート、75.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物
実施例6の熱硬化可能な組成物の一部分を150℃のオーブンに1時間、200℃のオーブンに1時間、次いで250℃のオーブンに1時間置くことによって硬化して、実施例6の熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる実施例7の生成物を生じた。実施例7の硬化生成物の一部分(27.90mg)のDSC分析を、窒素ストリーム(35cc/m)下に25℃から375℃まで5℃/分の加熱速度を用いて実施した。DCS分析により、留意された残存発熱性を伴わず、247.94℃のガラス転移温度が示された。375℃までのDSC分析温度では、発熱分解の示唆は観察されなかった。表2Bは、実施例7の硬化生成物、ガラス転移温度、および発熱分解開始点を示す。
上記の、DSC分析した硬化生成物(27.49mg)の熱重量分析(TGA)を、動的窒素雰囲気(dynamic nitrogen atmosphere)下に25℃から600℃まで10℃/分の加熱速度で行った。418.90℃の開始温度および455.74℃の終了温度を有する段階転移(step transition)が観察された。示した温度において、以下の重量%の残余が記録された:100%−100℃、100%−200℃、99.99%−300℃、99.96%−325℃、99.88%−350℃、99.61%−375℃、98.85%−400℃、90.63%−425℃。表3Aおよび3BにTGAデータをまとめる。
比較例D:4.4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(25.0重量%)および4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート(75.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物
4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート(2.5518g、75重量%)および4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(0.8506g、25重量%)(両方とも上記)をガラスバイアルに添加して、比較例Dの熱硬化可能な組成物を付与した。熱硬化可能な組成物を撹拌しながら75℃に加熱して溶液を生じた。熱硬化可能な組成物の2つの部分(それぞれ11.40および12.80mg)のDSC分析を、窒素ストリーム(35cc/m)下に25℃から400℃まで5℃/分の加熱速度を用いて実施した。吸熱が観察され、平均で、開始点が31.00℃(30.29℃および31.71℃)、最小値が71.48℃(71.35℃および71.61℃)、終点が79.82℃(78.63℃および81.00℃)であり、エンタルピーが64.6ジュール/g(62.10および67.01ジュール/g)であった。アリル基およびシアネート基の共重合ならびにいずれかの単独重合に起因する発熱が観察され、平均で、開始点が195.70℃(194.75℃および196.65℃)、最大値が256.11℃(255.56℃および256.65℃)、終点が286.94℃(285.75℃および288.12℃)であり、エンタルピーが769.3ジュール/g(757.9および780.7ジュール/g)であった。表1Cは、比較例Dの熱硬化可能な組成物の硬化エンタルピーを示す。DSC分析から回収したコポリマーは、透明な琥珀色に着色した剛性固体であることが観察された。
比較例E:4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(25.0重量%)および4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート(75.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物
比較例Dの熱硬化可能な組成物の一部分を、150℃のオーブンに1時間、200℃のオーブンに1時間、次いで250℃のオーブンに1時間置くことによって硬化して、比較例Dの熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる比較例Eの生成物を生じた。比較例Eの硬化生成物の2つの部分(30.4および30.8mg)のDSC分析により、>200℃の残存発熱性が示された。第2走査後、162.47℃の平均ガラス転移温度(158.70℃および166.23℃)が残存発熱性を伴って測定され、続いて、発熱分解が平均温度354.2℃(351.6℃および356.8℃)(丸括弧内の個々の値)で開始した。表2Bは、比較例Eの硬化生成物、ガラス転移温度、および発熱分解開始点を示す。
上記の、DSC分析した硬化生成物(28.60mg)のTGAを、動的窒素雰囲気下に25℃から600℃まで10℃/分の加熱速度で行った。386.65℃の開始温度および428.52℃の終了温度を有する段階転移が観察された。示した温度において、以下の重量%の残余が記録された:100%−100℃、100.0%−200℃、99.91%−300℃、99.64%−325℃、98.97%−350℃、97.05%−375℃、82.23%−400℃、56.46%−425℃。表3Aおよび3BにTGAデータをまとめる。
Figure 0005854359
表1Aにおけるデータは、実施例2の、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物が、比較例Aの、4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)を含む組成物よりも低い硬化エンタルピーを有することを示す。
Figure 0005854359
表1Bにおけるデータは、実施例4の、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)(50.0重量%)およびコモノマーであるジシクロペンタジエンポリシアネート(50.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物が、比較例Bの、ジシクロペンタジエンポリシアネートのみを含む組成物よりも高い硬化エンタルピーを有することを示す。しかし、硬化に関連する持続性の残存発熱性が比較例Bの熱硬化可能な組成物において観察され、したがって、164ジュール/gの硬化エンタルピーは不自然に低く、完全な硬化に関連するエネルギーの全量を含んでいない。対照的に、実施例4の熱硬化可能な組成物の硬化に関連する残存発熱性は存在しなかった。
Figure 0005854359
表1Cにおけるデータは、実施例6の、ポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)(25.0重量%)、およびコモノマーである、4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート(75.0重量%)を含む熱硬化可能な組成物が、比較例Dの、4,4’−イソプロピリデンジフェノールのビス(アリルエーテル)(25.0重量%)および4,4’−イソプロピリデンジフェノールのジシアネート(75.0重量%)を含む組成物よりも低い硬化エンタルピーを有することを示す。
Figure 0005854359
表2Aにおけるデータは、第1回目の走査および第2回目の走査の、実施例4の熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる実施例5の硬化生成物が、比較例Bの熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる比較例Cの生成物よりも高いガラス転移温度を有することを示す。加えて、実施例5の硬化生成物では、ガラス転移温度が何ら低下することなく第2回目のDSC走査を受ける能力によって、高い熱安定性が示されている。
Figure 0005854359
表2Bにおけるデータは、実施例7の硬化生成物である、実施例6の熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物が、比較例Eの硬化生成物である、比較例Dの熱硬化可能な組成物を硬化することによって得られる生成物よりも高いガラス転移温度を有することを示す。加えて、比較例Eの硬化生成物と比較して、実施例7の硬化生成物の、より高い熱安定性が示されている。
Figure 0005854359
表3Aおよび3Bのデータは、比較例E(熱重量分析)の硬化生成物と比較して、実施例7(熱重量分析)の硬化生成物のより高い熱安定性を示している。

Claims (10)

  1. 式Iのポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル):
    Figure 0005854359
    [式中、各nは、0〜20の値を独立して有し;各mは、0〜3の値を独立して有し;pは、0〜20の値を有し;各Rは、独立して、ハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、またはアルケニルオキシ基であり、ここで、前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、およびアルケニルオキシ基が、1〜6個の炭素原子をそれぞれ独立して含有し;各Qは、独立して、水素または1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基であり;各Xは、水素、HRC=CR−CH、およびHC−CR=HCからなる群から独立して選択され、ここで、各Rが、水素および1〜3個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から独立して選択され、但し、各Xが水素であるとき、少なくとも1個のR基が、HRC=CR−CHおよびHC−CR=HCからなる群から選択されることを条件とする]。
  2. 各Rがフッ素、塩素、および臭素からなる群から独立して選択されるハロゲンである、請求項1に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  3. 各nが0〜8の値を独立して有する、請求項1または2に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  4. pが0〜1の値を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  5. 各アルキル基が、1〜2個の炭素原子を独立して含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  6. 各アルコキシ基が1〜2個の炭素原子を独立して含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  7. 前記アルキル基が塩素および臭素からなる群から選択されるハロゲンによって置換されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  8. 前記アルコキシ基が塩素および臭素からなる群から選択されるハロゲンによって置換されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  9. mが0である、請求項1に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリシクロペンタジエンポリフェノールのポリ(アリルエーテル)を含む熱硬化可能な組成物。

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