JP5854117B2 - 照明器具 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、放熱性を向上させることが可能な照明器具を提供することを目的とする。
上述の構成において、前記取付面の外縁部に複数の溝を形成してもよい。
また、本発明の照明器具は、電源を収める箱状の電源収容部と、発光素子を取り付ける取付面とを熱伝導性材料で一体に形成した器具本体と、前記取付面を覆うグローブとを備え、前記取付面を、前記電源収容部の外周を囲むように設け、前記発光素子ごとに前記発光素子からの光を遠方に配光するレンズを有し、前記レンズを介して配光した光を、器具近傍又は器具遠方に配光する光学制御部材を設けたことを特徴とする。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態にかかる防犯灯1を示す斜視図であり、図2は防犯灯1を後方から示す斜視図である。図3は、防犯灯1を示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は側面図、図3(C)は底面図、図3(D)は正面図、図3(E)は背面図である。図4は図3のA−A断面図であり、図5は図3のB−B断面図である。図6は、光源部6を分解した防犯灯1の分解斜視図である。
出願人は、種々の実験を通して、人が認識する、発光部の輝きを均一化するほど、グレアを軽減できる、という知見を得た。また、出願人は、発光部の中央部を発光部の縁部よりも暗くすると、発光部の見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる、という知見を得た。さらに、出願人は、発光素子の光が独立して見えると、グレアを軽減できる、という知見を得た。
防犯灯1は、このような知見に基づいて、グレアを軽減する構成となっている。
防犯灯1は、防犯を目的として街路を既定の明るさで照明するものであり、図1〜図3に示すように、路面に延出して設置される器具本体2を備えている。本実施形態の器具本体2は、路面側の先端2Aから後端2Bに延びた底面視略矩形の薄板状に形成されている。後端2Bには、例えば電柱P等に固定された締結具Qに器具本体2を固定するための固定金具3が設けられている。
器具本体2は、屋外使用に十分に耐え得る耐食性があり、なおかつ、熱伝導性が高い材料(例えばアルミニウムやアルミニウム合金)を用いて形成されている。高熱伝導性の材料を用いることで、LEDモジュール10の発熱が器具本体2から放熱され、LEDモジュール10の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。
グローブ4は、光透過性及び拡散性を有する材料(例えば、樹脂)で形成され、このグローブ4によってLED11の光が拡散されて、グレアが軽減されるようになっている。このグローブ4は、取付面5を下側から覆うように、直下方向に膨出して形成されており、グローブ4の下部は平坦に形成された平坦部4Aとなっている。グローブ4の下部を平坦部4Aにすることで、グローブ4の下方への膨出を軽減して、防犯灯1の高さを抑えることができる。
電源収容部20は、図7に示すように、器具本体2の先端2Aから後端2Bに亘って延在し、後端2Bを収容部開口21として開放する箱状(本実施形態では、角筒状)に形成されている。この電源収容部20の上面20Aは、後端2Bから先端2Aに掛けて高さが小さくなるように、傾斜して設けられている。本実施形態では、器具本体2は鋳造(より、詳細にはアルミダイキャスト)で成型されており、電源収容部20の上面20Aを傾斜させることにより、器具本体2を成型する際に、金型を抜きやすくなるので、器具本体2を容易に形成できる。
なお、本実施形態では、照度センサ7Dを電源収容部20の上面20Aに設けることで、光源部6からの光が照度センサ7Dの検出に影響を与えないようにしていたが、照度センサ7Dの位置はこれに限定されるものではない。照度センサ7Dは、光源部6からの光が照度センサ7Dの検出に影響を与えない位置であれば、例えば、器具本体2の側面等に設けてもよい。
図8は、グローブ4及びLEDモジュール10を取り外した器具本体2を示す図であり、図8(A)は平面図、図8(B)は側面図、図8(C)は底面図、図8(D)は正面図、図8(E)は背面図である。
取付面5は、前掲図5に示すように、電源収容部20の外周、より詳細には、底面20B及び両側面20C,20Dを囲むように、電源収容部20と一体に形成されている。このように、電源収容部20と取付面5とを熱伝導性材料で一体に形成して器具本体2を構成したため、LEDモジュール10の熱を、電源収容部20を含む器具本体2全体から放熱できるので、防犯灯1の放熱性を向上させることができる。また、電源収容部20と取付面5とを一体に形成して電源収容部20を筐体として用いているため、LEDモジュール10を取り付ける取付金具を必要としないので、防犯灯1を小型化できる。しかも、防犯灯1は、電源収容部20に一体に形成した取付面5をグローブ4で覆っただけの構成であるため、簡略的な構造にできる。
本実施形態では、取付面5の水平面Hからの取付角度θを20°以上、40°以下としている。取付角度θを20°以上にすることで、LEDモジュール10を遠方に向けて配置できるので、遠方を照射できる。また、取付角度θを40°以下にすることで、防犯灯1に不要とされる、上方に向かう上方光束を抑制できる。
2つの取付面は、水平面Hに対し斜めに設けられて谷状に配置され、本実施形態では、2つの取付面5が、下端5Bで連結されて正面視において略V字状に配置されている。2つの取付面5の間の谷部33に、電源収容部20の底面20Bが取付面5の上端5Aよりも低くなるように、電源収容部20が配置されている。このように、2つの取付面5を谷状に配置し、この谷部33に電源収容部20を配置することにより、取付面5の上方に電源収容部20を配置する場合に比べ、器具本体2の高さを抑えることができる。また、取付面5の後方に電源収容部20を配置する場合に比べ、器具本体2の前後方向の長さを抑えることができる。
なお、本実施形態では、電源収容部20の先端20Eが取付面5の先端5Cと同一面上にあるが、電源収容部20の先端20Eは、取付面5の先端5Cと前後方向に一致していなくてもよい。
そこで、本実施形態では、取付面5の外縁部34に、複数の溝35を形成している。これらの溝35は、取付面5の上端5Aから所定の幅に亘って設けられ、複数のLED11の間に配置されている。この溝35により、外縁部34の肉厚を低減させることができるので、器具本体2にひけが生じることを防止できる。また、溝35を形成することにより、器具本体2の空気に接触する面積が大きくなるので、器具本体2の放熱性を向上させることができる。
また、後端5Dは、電源収容部20の後端2Bよりも先端側に位置しているが、後端2Bと一致していてもよい。
このように構成された2つの取付面5には、それぞれLEDモジュール10が配置されている。
図9は光源部6を示す斜視図であり、図10はLEDモジュール10を示す分解斜視図である。図11は、レンズカバー40をLED11とともに示す図であり、図11(A)は平面図、図11(B)は正面図、図11(C)は側面図、図11(D)は底面図である。図12は図11のレンズカバー40を示す断面図であり、図12(A)はC−C断面図、図12(B)はD−D断面図、図12(C)はE−E断面図である。図13は、図12のF−F断面図である。なお、図9では、説明のために、2つのLEDモジュール10を同一平面上に配置している。
本実施形態では、LED11は、左右方向に多列(図示例では、3列)に配置されるとともに、配列方向に位置をずらして千鳥状に配置されている。より詳細には、両外側の列の外側LED11Aは前後の位置が同一となるように配置され、内側の列の内側LED11Bは両外側の列の外側LED11Aと左右方向で重ならないように配置されている。このように、LED11を多列、かつ、千鳥状に配置したため、LED11同士の光の干渉を防止でき、照度ムラを防止できる。さらに、レンズカバー40を例えば樹脂等の材料によって射出成型する場合に、レンズ41が千鳥状に配置することで、材料がレンズ41の部分に流れやすくなり、レンズカバー40を容易に形成できる。
ここで、高効率でないLEDを低効率LED11Dとする。本実施形態では、内側の列において、高効率LED11C間に低効率LED(低効率発光素子)11Dを配置している。
具体的には、レンズ41は、図13に示すように、レンズ内面に凸状(すなわち底面視で凹状)に湾曲する入射面45を有し、この入射面45に対してレンズ外面に凸形状の出射面46を有する。この入射面45によってレンズ41の裏面に凹部が形成され、この凹部にはLED11が入り込む。
低効率LED11Dに対応するレンズ41Bは、高効率LED11Cに対応するレンズ41Aよりも遠方に光を照射するように構成されている。
露出開口47は、LED基板13の縁13Aに近い側に配置されている。これにより、LEDモジュール10の外側が明るくなるので、LEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる。また、LEDモジュール10の略中央部が縁部よりも暗くなるので、グレアゾーンφにおけるLEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一と感じられる面積が増え、グレアを低く感じられる。さらに、レンズカバー40を例えば樹脂等の材料によって射出成型する場合に、LED基板13の縁13Aに近い側に露出開口47を設けることで、材料がレンズ41の部分に流れやすくなり、レンズカバー40を容易に形成できる。本実施形態では、内側の列において、LED基板13の縁13Aに近い内側LED11Bに高効率LED11Cを用いており、露出開口47は、その高効率の内側LED11Bの位置に設けられている。
このようにLEDモジュール10を回転対称に構成したため、2つの取付面5に対してLEDモジュール10を共通化できるので、部品種類を削減し、製造工程を簡素化できる。また、LEDモジュール10を片側配光に構成し、LEDモジュール10を背中合わせに設けた2つの取付面5に回転対称に配置することで、路面の交通方向の両方向のそれぞれの遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。
以上のように構成された防犯灯1は、グレアを軽減しつつ、防犯灯推奨基準「クラスB」(公益社団法人 日本防犯設備協会 技術標準SES E1901-3)を、防犯灯1の設置間隔38mで達成できる。すなわち、防犯灯1は、図14に示すように、5メートル幅の街路の路面Rから高さTが4.5メートルの位置に配置され、1つのLEDモジュール10により、直下から路面Rの交通方向Sの一方向に沿って19m先に亘る路面全体のエリアを照射できる。
また、防犯灯1は、グレアゾーンφにおいて、眼前照度が8lx以下、等価光幕輝度が0.2cd/m2以下、灯具の最大輝度が170,000cd/m2以下、灯具の平均輝度が53,000cd/m2以下となるので、上述したように、グレアを低減できる。
例えば、上述の実施形態では、グローブ4全体を拡散性を有する材料で形成したが、これに限定されるものではない。
グローブ4は、LED11に近接する縁部4C(図6)において、拡散によって上方光束を比較的多く生じさせてしまう。そこで、例えば、図15及び図16に示すグローブ104のように、拡散によって水平より上方に光束を比較的多く生じさせる上方光束拡散部分(部分)104Cの拡散性を他の部分よりも低くしてもよい。これにより、防犯灯1に不要とされる、上方に向かう上方光束を抑制できる。
図16の例では、上方光束拡散部分104Cは、グローブ104に最も近接するレンズ41よりも上方に位置する縁104Dまでの部分としているが、グレアゾーンφの上方であれば、上方光束拡散部分104Cの範囲はこれに限定されるものではない。例えば、グローブ104に最も近接するレンズ41よりも上方全体を上方光束拡散部分104Cとする必要はなく、上方光束拡散部分104Cは、縁104Dを含まないグローブ104の縁部(一部)としてもよい。
図18に示すように、取付面5に形成した溝35を省略できる。
ところで、使用環境によっては、光を上方又は遠方に放射することが制限される場合がある。そこで、第2実施形態の防犯灯400では、光の上方への放射を抑制する光学制御部材450を設けている。
光学制御部材450は、図21及び図22に示すように、交通方向の2方向のそれぞれに設けられ、具体的には、レンズカバー40とグローブ4との間に配置されている。この光学制御部材450は、少なくとも、レンズカバー40から上方又は遠方に向かう光が通る部分に設けられる。本実施形態では、図22に示すように、複数列(3列)のうち最外列のLED11に対向するLED11から最外(最上方)に向かう光Mが通る箇所から、最内列のLED11の光軸Kまでの間に設けられている。
なお、以下の説明では、正面視において、外側(取付面5の上端5A側)を器具外側、内側(取付面5の下端5B側)を器具内側と言う。
ここで、器具外側の2列のLED11には3つの出射面452A〜452Cが形成されるが、光学制御部材450は最内列のLED11の光軸Kまでしか設けられていないため、最内列LED11には1つの出射面452Aのみ設けられている。
出射面452Bは器具内側に向けて放射するので、出射面452Bと出射面452Cとのつなぎ目に光が集中する部分が生じてしまう。したがって、傾斜面としての出射面452Aと出射面452Bとの間だけでなく、出射面452Bと出射面452Cとの間にも段部451を設けるのが望ましい。出射面452Bと出射面452Cとの間の段部451により、出射面452Bと出射面452Cとの間に光が集中することを防止でき、ひいては、照度むらを防止できる。なお、出射面452Bと出射面452Cとの間の段部451は必ずしも必要なものではなく、出射面452B,452Cの傾斜角度に応じて適宜設けられ、不要な場合には、出射面452Bに連続して出射面452Cを形成してもよい。
このように、光学制御部材450は、回転対称に構成したレンズカバー40に固定可能に構成したため、取付面5に対して回転対称に配置可能である。これにより、2つの取付面5に対して光学制御部材450を共通化できるので、部品種類を削減し、製造工程を簡素化できる。
光学制御部材450を設けない場合、図25(A)に示すように、LED11から器具外側に向かう光J1が上方や遠方に放射されている。光J1よりも器具内側に向かう光J2は比較的近傍に放射されている。
これに対し、光学制御部材450を設けた場合、図25(B)に示すように、LED11から器具外側に向かう光J1及び光J2が近傍に向けて屈折されて光J1’及び光J2’として放射されている。なお、図25(B)には、光学制御部材450を設けない場合の光を二点鎖線で示す。
また、本実施形態では、光学制御部材450によって器具近傍に配光したが、使用目的によっては、出射面の傾斜の向きを逆にして、器具遠方に配光してもよい。
2,202 器具本体
4,104 グローブ
5 取付面
7 電源部(電源)
11 LED(発光素子)
13,113,313 LED基板
20 電源収容部
20B 底面(外周)
20C,20D 側面(外周)
20E 先端
28 配線引出孔
33 谷部
40 レンズカバー
41 レンズ 104C 上方光束拡散部分(部分)
450 光学制御部材
452A,452B 出射面(傾斜面)
Claims (8)
- 電源を収める箱状の電源収容部と、発光素子を取り付ける取付面を有する器具本体とを熱伝導性材料で一体に形成し、前記取付面を覆うグローブを備え、
前記取付面を、前記電源収容部の外周を囲むように設け、
前記取付面の上方に位置する前記器具本体の上面を水平面に対して傾斜する平面状に形成し、前記電源収容部を前記器具本体の上面から突出させ前記器具本体の上面に対し傾斜させ形成したことを特徴とする照明器具。 - 前記取付面の外縁部に複数の溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
- 前記電源収容部の先端に前記電源の配線を引き出す配線引出孔を形成し、前記電源収容部の先端で結線したことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
- 前記器具本体は傾斜する2つの取付面を谷状に有し、谷部に前記電源収容部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照明器具。
- 前記発光素子ごとに前記発光素子からの光を遠方に配光するレンズを有し、
前記レンズを介して配光した光を、器具近傍又は器具遠方に配光する光学制御部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の照明器具。 - 前記光学制御部材は、角度の異なる複数の傾斜面を有することを特徴とする請求項5に記載の照明器具。
- 前記光学制御部材は回転対称に配置可能に構成されたことを特徴とする請求項5又は6に記載の照明器具。
- 電源を収める箱状の電源収容部と、発光素子を取り付ける取付面とを熱伝導性材料で一体に形成した器具本体と、前記取付面を覆うグローブとを備え、
前記取付面を、前記電源収容部の外周を囲むように設け、
前記発光素子ごとに前記発光素子からの光を遠方に配光するレンズを有し、
前記レンズを介して配光した光を、器具近傍又は器具遠方に配光する光学制御部材を設
けたことを特徴とする照明器具。
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