JP6248988B2 - 発光素子モジュール及び照明器具 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、グレアを軽減可能な発光素子モジュール及び照明器具を提供することを目的とする。
また、出願人は、同一の器具で同じ光束を得られる器具同士の比較において、人が認識する、発光部の面積(以下、見えがかり上の面積と言う。)が大きいほど発光面輝度が低く、グレアを軽減でき、また、発光部の中央部を発光部の縁部よりも暗くすることにより、発光部の見えがかり上の輝度分布が均一と感じられる面積が増え、グレアを低く感じられる、という知見を得た。
本発明によれば、内側の前記発光素子の光出力を、基板の縁に沿って配置された外側の発光素子の光出力よりも小さくしたため、発光素子モジュールの略中央部が縁部よりも暗くなるので、発光素子モジュールの見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる。また、発光部の略中央部が縁部よりも暗くなるので、グレアゾーンにおける発光部の見えがかり上の輝度分布が均一と感じられる面積が広くなり、グレアを低く感じられる。
図1は、本実施形態にかかる防犯灯1を示す斜視図であり、図2は防犯灯1を後方から示す斜視図である。図3は、防犯灯1を示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は側面図、図3(C)は底面図、図3(D)は正面図、図3(E)は背面図である。図4は図3のA−A断面図であり、図5は図3のB−B断面図である。図6は、光源部6を分解した防犯灯1の分解斜視図である。
出願人は、種々の実験を通して、人が認識する、発光部の輝きを均一化するほど、グレアを軽減できる、という知見を得た。また、出願人は、発光部の中央部を発光部の縁部よりも暗くすると、発光部の見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる、という知見を得た。さらに、出願人は、発光素子の光が独立して見えると、グレアを軽減できる、という知見を得た。
防犯灯1は、このような知見に基づいて、グレアを軽減する構成となっている。
防犯灯1は、防犯を目的として街路を既定の明るさで照明するものであり、図1〜図3に示すように、路面に延出して設置される器具本体2を備えている。本実施形態の器具本体2は、路面側の先端2Aから後端2Bに延びた底面視略矩形の薄板状に形成されている。後端2Bには、例えば電柱P等に固定された締結具Qに器具本体2を固定するための固定金具3が設けられている。
器具本体2は、屋外使用に十分に耐え得る耐食性があり、なおかつ、熱伝導性が高い材料(例えばアルミニウムやアルミニウム合金)を用いて形成されている。高熱伝導性の材料を用いることで、LEDモジュール10の発熱が器具本体2から放熱され、LEDモジュール10の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。
グローブ4は、光透過性及び拡散性を有する材料(例えば、樹脂)で形成され、このグローブ4によってLED11の光が拡散されて、グレアが軽減されるようになっている。このグローブ4は、取付面5を下側から覆うように、直下方向に膨出して形成されており、グローブ4の下部は平坦に形成された平坦部4Aとなっている。グローブ4の下部を平坦部4Aにすることで、グローブ4の下方への膨出を軽減して、防犯灯1の高さを抑えることができる。
電源収容部20は、図7に示すように、器具本体2の先端2Aから後端2Bに亘って延在し、後端2Bを収容部開口21として開放する箱状(本実施形態では、角筒状)に形成されている。この電源収容部20の上面20Aは、後端2Bから先端2Aに掛けて高さが小さくなるように、傾斜して設けられている。本実施形態では、器具本体2は鋳造(より、詳細にはアルミダイキャスト)で成型されており、電源収容部20の上面20Aを傾斜させることにより、器具本体2を成型する際に、金型を抜きやすくなるので、器具本体2を容易に形成できる。
なお、本実施形態では、照度センサ7Dを電源収容部20の上面70Aに設けることで、光源部6からの光が照度センサ7Dの検出に影響を与えないようにしていたが、照度センサ7Dの位置はこれに限定されるものではない。照度センサ7Dは、光源部6からの光が照度センサ7Dの検出に影響を与えない位置であれば、例えば、器具本体2の側面等に設けてもよい。
図8は、グローブ4及びLEDモジュール10を取り外した器具本体2を示す図であり、図8(A)は平面図、図8(B)は側面図、図8(C)は底面図、図8(D)は正面図、図8(E)は背面図である。
取付面5は、前掲図5に示すように、電源収容部20の外周、より詳細には、底面20B及び両側面20C,20Dを囲むように、電源収容部20と一体に形成されている。このように、電源収容部20と取付面5とを熱伝導性材料で一体に形成して器具本体2を構成したため、LEDモジュール10の熱を、電源収容部20を含む器具本体2全体から放熱できるので、防犯灯1の放熱性を向上させることができる。また、電源収容部20と取付面5とを一体に形成して電源収容部20を筐体として用いているため、LEDモジュール10を取り付ける取付金具を必要としないので、防犯灯1を小型化できる。しかも、防犯灯1は、電源収容部20に一体に形成した取付面5をグローブ4で覆っただけの構成であるため、簡略的な構造にできる。
本実施形態では、取付面5の水平面Hからの取付角度θを20°以上、40°以下としている。取付角度θを20°以上にすることで、LEDモジュール10を遠方に向けて配置できるので、遠方を照射できる。また、取付角度θを40°以下にすることで、防犯灯1に不要とされる、上方に向かう上方光束を抑制できる。
2つの取付面は、水平面Hに対し斜めに設けられて谷状に配置され、本実施形態では、2つの取付面5が、下端5Bで連結されて正面視において略V字状に配置されている。2つの取付面5の間の谷部33に、電源収容部20の底面20Bが取付面5の上端5Aよりも低くなるように、電源収容部20が配置されている。このように、2つの取付面5を谷状に配置し、この谷部33に電源収容部20を配置することにより、取付面5の上方に電源収容部20を配置する場合に比べ、器具本体2の高さを抑えることができる。また、取付面5の後方に電源収容部20を配置する場合に比べ、器具本体2の前後方向の長さを抑えることができる。
なお、本実施形態では、電源収容部20の先端20Eが取付面5の先端5Cと同一面上にあるが、電源収容部20の先端20Eは、取付面5の先端5Cと前後方向に一致していなくてもよい。
そこで、本実施形態では、取付面5の外縁部34に、複数の溝35を形成している。これらの溝35は、取付面5の上端5Aから所定の幅に亘って設けられ、複数のLED11の間に配置されている。この溝35により、外縁部34の肉厚を低減させることができるので、器具本体2にひけが生じることを防止できる。また、溝35を形成することにより、器具本体2の空気に接触する面積が大きくなるので、器具本体2の放熱性を向上させることができる。
また、後端5Dは、電源収容部20の後端2Bよりも先端側に位置しているが、後端2Bと一致していてもよい。
このように構成された2つの取付面5には、それぞれLEDモジュール10が配置されている。
図9は光源部6を示す斜視図であり、図10はLEDモジュール10を示す分解斜視図である。図11は、レンズカバー40をLED11とともに示す図であり、図11(A)は平面図、図11(B)は正面図、図11(C)は側面図、図11(D)は底面図である。図12は図11のレンズカバー40を示す断面図であり、図12(A)はC−C断面図、図12(B)はD−D断面図、図12(C)はE−E断面図である。図13は、図12のF−F断面図である。なお、図9では、説明のために、2つのLEDモジュール10を同一平面上に配置している。
本実施形態では、LED11は、左右方向に多列(図示例では、3列)に配置されるとともに、配列方向に位置をずらして千鳥状に配置されている。より詳細には、両外側の列の外側LED11Aは前後の位置が同一となるように配置され、内側の列の内側LED11Bは両外側の列の外側LED11Aと左右方向で重ならないように配置されている。このように、LED11を多列、かつ、千鳥状に配置したため、LED11同士の光の干渉を防止でき、照度ムラを防止できる。さらに、レンズカバー40を例えば樹脂等の材料によって射出成型する場合に、レンズ41が千鳥状に配置することで、材料がレンズ41の部分に流れやすくなり、レンズカバー40を容易に形成できる。
ここで、高効率でないLEDを低効率LED11Dとする。本実施形態では、内側の列において、高効率LED11C間に低効率LED(低効率発光素子)11Dを配置している。
具体的には、レンズ41は、図13に示すように、レンズ内面に凸状(すなわち底面視で凹状)に湾曲する入射面45を有し、この入射面45に対してレンズ外面に凸形状の出射面46を有する。この入射面45によってレンズ41の裏面に凹部が形成され、この凹部にはLED11が入り込む。
低効率LED11Dに対応するレンズ41Bは、高効率LED11Cに対応するレンズ41Aよりも遠方に光を照射するように構成されている。
露出開口47は、LED基板13の縁13Aに近い側に配置されている。これにより、LEDモジュール10の外側が明るくなるので、LEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一になり、グレアを軽減できる。また、LEDモジュール10の略中央部が縁部よりも暗くなるので、グレアゾーンφにおけるLEDモジュール10の見えがかり上の輝度分布が均一と感じられる面積が増え、グレアを低く感じられる。さらに、レンズカバー40を例えば樹脂等の材料によって射出成型する場合に、LED基板13の縁13Aに近い側に露出開口47を設けることで、材料がレンズ41の部分に流れやすくなり、レンズカバー40を容易に形成できる。本実施形態では、内側の列において、LED基板13の縁13Aに近い内側LED11Bに高効率LED11Cを用いており、露出開口47は、その高効率の内側LED11Bの位置に設けられている。
このようにLEDモジュール10を回転対称に構成したため、2つの取付面5に対してLEDモジュール10を共通化できるので、部品種類を削減し、製造工程を簡素化できる。また、LEDモジュール10を片側配光に構成し、LEDモジュール10を背中合わせに設けた2つの取付面5に回転対称に配置することで、路面の交通方向の両方向のそれぞれの遠方まで照射できるので、比較的広範囲に照射できる。
以上のように構成された防犯灯1は、グレアを軽減しつつ、防犯灯推奨基準「クラスB」(公益社団法人 日本防犯設備協会 技術標準SES E1901-3)を、防犯灯1の設置間隔38mで達成できる。すなわち、防犯灯1は、図14に示すように、5メートル幅の街路の路面Rから高さTが4.5メートルの位置に配置され、1つのLEDモジュール10により、直下から路面Rの交通方向Sの一方向に沿って19m先に亘る路面全体のエリアを照射できる。
また、防犯灯1は、グレアゾーンφにおいて、眼前照度が8lx以下、等価光幕輝度が0.2cd/m2以下、灯具の最大輝度が170,000cd/m2以下、灯具の平均輝度が53,000cd/m2以下となるので、上述したように、グレアを低減できる。
例えば、上述の実施形態では、グローブ4全体を拡散性を有する材料で形成したが、これに限定されるものではない。
グローブ4は、LED11に近接する縁部4C(図6)において、拡散によって上方光束を比較的多く生じさせてしまう。そこで、例えば、図15及び図16に示すグローブ104のように、拡散によって水平より上方に光束を比較的多く生じさせる上方光束拡散部分(部分)104Cの拡散性を他の部分よりも低くしてもよい。これにより、防犯灯1に不要とされる、上方に向かう上方光束を抑制できる。
図16の例では、上方光束拡散部分104Cは、グローブ104に最も近接するレンズ41よりも上方に位置する縁104Dまでの部分としているが、グレアゾーンφの上方であれば、上方光束拡散部分104Cの範囲はこれに限定されるものではない。例えば、グローブ104に最も近接するレンズ41よりも上方全体を上方光束拡散部分104Cとする必要はなく、上方光束拡散部分104Cは、縁104Dを含まないグローブ104の縁部(一部)としてもよい。
13,313 LED基板(基板)
13A 縁部
11 LED(発光素子)
10 LEDモジュール(発光素子モジュール)
40 レンズカバー
41レンズ
47 露出開口
Claims (3)
- 略長方形状に形成された基板に複数の発光素子を配置した発光素子モジュールであって、
前記複数の発光素子が前記基板の短手方向に複数列に配置され、
前記発光素子ごとにレンズを有し、前記基板を覆うレンズカバーを備え、
前記基板の長辺に最も近い発光素子の列の発光素子の個数よりも内側に配置された発光素子の列の発光素子の個数の方が少なく、
前記レンズカバーに、内側に配置された発光素子の列の少なくとも一部の発光素子を露出するように露出開口を形成したことを特徴とする発光素子モジュール。 - 前記レンズは、発光素子からの光を前記基板の一方の長辺側に配光することを特徴とする請求項1記載の発光素子モジュール。
- 請求項1または2に記載の発光素子モジュールを備えたことを特徴とする照明器具。
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