JP5852496B2 - キャニスタの配置構造 - Google Patents
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しかしながら、フロアパネルの下方には、キャニスタや燃料タンクや車体フレーム以外に、特許文献2に記載のようにバッテリユニットや、その他の部品等が多く配置されている。このため、さらに、効率よく配置することができるキャニスタの配置構造が求められていた。
また、キャニスタは、後部が前後のクロスメンバ間に収まるように配置されていることにより、後面衝突時に、クロスメンバによって衝突荷重から保護することができる。
図1に示すように、車両Aは、例えば、客室R(図2参照)の後方に荷室L(図2参照)を有する乗用車タイプの自動車であり、客室Rの前方等に配置されたパワーユニット(図示省略)を動力源として走行する。車両Aは、フロアパネル11等のパネル材やサイドフレーム12等の骨格フレーム材からなる車体1と、車体後部のフロアパネル11の下方に配置され、サイドフレーム12、サブフレーム16等に連結された懸架部材(図示省略)と、フロアパネル11の下方に設けられた燃料タンクTと、この燃料タンクTの後方に配置されたキャニスタ2と、燃料タンクT及びキャニスタ2等に配置される燃料配管Pと、キャニスタ2の下方に配置されたサブフレーム16と、バッテリユニットBと、排気ガスを排気するマフラー4と、マフラー4に接続された排気管41等を備えている。
不図示のパワーユニットは、燃料タンクT内の燃料が供給されて駆動する原動機であればよく、例えば、ハイブリッドエンジンである。パワーユニットは、そのほかガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、エタノールエンジン等であっても構わない。
図1及び図2に示すように、車体1は、パワーユニット(図示省略)、燃料タンクT、キャニスタ2等が固定される車両Aの骨格部材等であり、例えば、フロアパネル11(図1参照)、サイドフレーム12、第1クロスメンバ13、第2クロスメンバ14、第3クロスメンバ15、サブフレーム16等のフレーム部材及びパネル部材からなる。
図2に示すフロアパネル11は、車両Aの床面を形成するための部材であり、鋼板等の金属製平板部材からなる。フロアパネル11には、このフロアパネル11と燃料タンクT及びキャニスタ2の少なくとも一部との間に車幅方向に向けて形成された逆凹部状空間11aと、この逆凹部状空間11aの上面前側に形成された座席設置部11bと、が形成されている。
逆凹部状空間11aは、客室R側に向けて突出形成されたフロアパネル11の下側空間である。座席設置部11bは、後部座席(図示省略)が配置される部位である。
図1に示すように、サイドフレーム12は、車体1の前後方向に延設される左右一対の骨格部材であり、燃料タンクT及びキャニスタ2の左右外側に配置されている。
図2に示すように、第1クロスメンバ13、第2クロスメンバ14及び第3クロスメンバ15は、左右のサイドフレーム12(図1参照)に直交するように架設される複数の骨格部材であり、少なくとも燃料タンクTの上部及び前部と、バッテリユニットBの前後とに設置されている。
図2に示すように、第1クロスメンバ13は、燃料タンクTの上部のフロアパネル11の上面に接合されて、車幅方向に向けて延設された縦断面視してハット形状の鋼材からなる。
第2クロスメンバ14は、燃料タンクTとバッテリユニットBとの間のフロアパネル11の下面に接合されて、車幅方向に向けて延設された縦断面視してハット形状の鋼材からなる。
第3クロスメンバ15は、バッテリユニットBの前側のフロアパネル11の下面に接合されて、車幅方向に延設された鋼材からなる。
図1に示すように、サブフレーム16は、懸架部材(図示省略)を支持するサスペンションメンバとも呼ばれる骨格であり、左右のサイドフレーム12にマウント部材17によって弾性的に支持されている。サブフレーム16は、適宜な所定間隔を介して車幅方向に向けて延設された2本のクロスメンバ部16a,16b(クロスメンバ)と、この2本のクロスメンバ部16a,16bの左右端部に接合され前後方向に向けて延設されたブーメラン形状のサイドメンバ部16c,16d(サイドメンバ)と、前後のクロスメンバ部16a,16bの左右の端部と左右一対のサイドメンバ部16c,16dを略井桁形状(略枠形状)に連結してなる枠状部16eと、を有している。
前記したように、枠状部16eは、車幅方向に平行の延びるクロスメンバ部16a,16bと、前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ部16c,16dと、を連結して略井桁形状に形成したことによって、衝突荷重に対する強度が向上された骨格を形成している。この枠状部16eの上にキャニスタ2の後部2b側の半分が配置されている。
図4に示すように、燃料タンクTは、ガソリン、軽油、アルコール等の液体の自動車用燃料を貯留するための合成樹脂製または金属製の中空状の容器であり、不図示のタンクバンドによって第2クロスメンバ14、クロスメンバ部16b等の車体1に保持されている。燃料タンクTは、側面視して、フロアパネル11の下方の逆凹部状空間11a及び第1クロスメンバ13の下側から座席設置部11b及び第2クロスメンバ14の下方に亘って配置されると共に、前記サブフレーム16のクロスメンバ部16aの前側に配置されている。
後側の傾斜面Tbには、この傾斜面Tbから僅かな空間を介してキャニスタ2の前部2aを浮かした状態に、キャニスタ2の左右両端部を保持するキャニスタ固定ブラケット21,22(図3参照)が設置されている。このため、キャニスタ2は、その傾斜面Tbに沿って斜めの状態に配置されている。
前側の傾斜面Tbは、側面視して隆起部Tdを間に介して後側の傾斜面Tbの前後対称位置に形成されている。
隆起部Tdは、燃料タンクTの上面Taに配置されるキャニスタ2の前端部2cの直前部位から車幅方向に延びるように形成されている。
図4に示すように、キャニスタ2は、燃料タンクT内で蒸発した燃料を吸着することにより、蒸発燃料が大気中に放出されるのを抑止すると共に、パージ時に、その貯えた蒸発燃料をパワーユニットの吸気負圧で吸入した大気によって脱離させて、インテークマニホールド(図示省略)に供給するための装置である。キャニスタ2は、前部2aが、フロアパネル11の下方の逆凹部状空間11aと傾斜面Tbとの間に、隆起部Tdの後側側面及び傾斜面Tbに沿って配置され、後部2bが、前後のクロスメンバ部16a,16b間に収まるように配置されている。つまり、図3に示すように、キャニスタ2の後部2bは、矩形の略井桁形状に形成された頑丈なサブフレーム16の枠状部16eに入り込んだ状態に配置されている。
図1に示すように、燃料配管Pは、燃料タンクT及びキャニスタ2等に配置されるパイプであり、液体燃料を燃料タンクTに供給する燃料供給配管P1と、燃料タンクTから液体燃料を原動機に送るための液体燃料配管P2と、キャニスタ2から蒸発燃料を原動機に送るための蒸発燃料配管(図示省略)と、を備えて構成されている。
燃料供給配管P1は、給油口から液体燃料を燃料タンクTの供給するための配管であって、フィラパイプ及びフィラネックチューブからなる。
液体燃料配管P2は、液体燃料を送るための配管であり、一端がポンプモジュールMに接続され、他端が不図示のインジェクタを介在してパワーユニットに接続されている。
蒸発燃料配管(図示省略)は、液体燃料が気化された蒸気状の燃料蒸気を送るための配管であり、一端がキャニスタ2に接続され、他端が不図示のインテークマニホールド等を介してパワーユニットに接続されている。
図1及び図2に示すように、バッテリユニットBは、不図示のパワーユニット等に電力を供給する蓄電池であり、フロアパネル11下の燃料タンクTの前方にブラケット(図示省略)等によって設置されている。このバッテリユニットBは、燃料タンクTに沿って配置された横長形状のものからなる。
図1に示すように、マフラー4及び排気管41は、パワーユニットから排気された排気ガスを車体後方へ送ると共に、エンジン音を消音するための部材である。排気管41は、前方から後方に亘って燃料タンクT及びサブフレーム16のサイドメンバ部16dを避けるように左右に湾曲させて配置されている。
次に、図1〜図4を参照しながら本発明の実施形態に係るキャニスタの配置構造の作用を説明する。
図2に示すように、キャニスタ2は、前部2aが、燃料タンクTの傾斜面Tb上に沿うようにして配置されてキャニスタ固定ブラケット21,22(図3参照)で燃料タンクTに固定されると共に、フロアパネル11下の逆凹部状空間11a内に配置され、後部2bが、前後のクロスメンバ部16a,16b間に収まるように配置されている。
このように配置されたキャニスタ2は、燃料タンクTの前方に、バッテリユニットBが配置されているような種々の部品が配置される狭いフロアパネル11下の場所であっても、キャニスタ2の配置が規制されることなくレイアウトすることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の実施形態に係るキャニスタの配置構造の変形例を示す図であり、キャニスタの配置状態を示す要部縦断面図である。
この場合、クリップ6は、燃料配管Pを保持する側面視してU字形状の弾性部材に、その燃料配管Pを係止する係止爪6aを有する樹脂製部材からなり、凹部TAe内に固定されている。
例えば、キャニスタ固定ブラケット21,22は、キャニスタ2を燃料タンクTの後側に固定するものであればよく、サブフレーム16にボルト締めして固定するものであっても構わない。
2 キャニスタ
2a 前部
2b 後部
2c 前端部
6 クリップ
11 フロアパネル
11a 逆凹部状空間
12 サイドフレーム
13 第1クロスメンバ
14 第2クロスメンバ
15 第3クロスメンバ
16 サブフレーム
16a,16b クロスメンバ部(クロスメンバ)
16c,16d サイドメンバ部(サイドメンバ)
16e 枠状部
A 車両
B バッテリユニット
T,TA 燃料タンク
Ta 上面
TAe 凹部
Tb,TAb 傾斜面
Td,TAd 隆起部
Claims (3)
- フロアパネルの下方に配置され、燃料タンク内で蒸発した燃料を吸着するキャニスタの配置構造であって、
車幅方向に延びる前後のクロスメンバと、
前記前後のクロスメンバの左右の端部に前後方向に向けて配置された左右一対のサイドメンバと、を略井桁形状に連結してなるサブフレームを有し、
前記フロアパネルの下方には、当該フロアパネルと、前記燃料タンク及び前記キャニスタの少なくとも一部と間に車幅方向に向けて逆凹部状空間が形成され、
前記燃料タンクの上面には、車両後方側に向かって傾斜した傾斜面が形成され、
前記キャニスタは、前部が、前記傾斜面に沿って配置され、後部が、前記前後のクロスメンバ間に収まるように配置されていることを特徴とするキャニスタの配置構造。 - 前記燃料タンクの上面の前記キャニスタの前端部の直前には、車幅方向に延びる隆起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャニスタの配置構造。
- 前記燃料タンクの前方には、バッテリユニットが配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキャニスタの配置構造。
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