JP5851596B2 - ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス原料を熔融してガラス板を製造するガラス板の製造方法及び製造装置に関する。
ガラス板の製造方法では、熔解槽に投入したガラス原料を加熱熔解して熔融ガラスをつくる。熔解槽内では、所定の温度に加熱されて十分にガラス原料が熔解された後、熔解槽に設けられた引き出し穴から熔融ガラスは引き出されて、清澄槽、攪拌槽を経てガラス板の成形装置に供給される。ガラス板の成形装置では、例えばダウンドロー法が用いられる。具体的には、熔融ガラスをセル(成形体)から溢れ出させてセルの両側の側壁を流下させ、流下した熔融ガラスを合流させて1枚の板状ガラスを作製する。板ガラスは、歪みや反りが生じないように徐令され、所定の長さ毎に切断されてガラス板が製造される。
ここで、熔解槽内では、熔融ガラスの素地面(液面)を適正位置に安定して維持することは、熔融ガラスの温度分布及び対流の安定化のために、熔融ガラスの熔解槽の液槽もしくは清澄槽からの吹きこぼれの防止のために、また、攪拌槽での熔融ガラスの液面の確保のために、あるいは、熔解槽からの熔融ガラスの引き出し量を安定化させるために、重要である。このため、熔融ガラスの素地面の位置を精度良く測定する方法が種々提案されている。
例えば、ガラス熔解槽の熔融ガラスの素地面レベルを検出する熔融ガラスの素地面検出装置が知られている(特許文献1)。
当該検出装置では、熔融ガラスに所定量浸漬させて配置されるとともに、熔融ガラスの素地面レベルの変動に追従して上下に浮動する浮動部材と、前記浮動部材の上下浮動量を測定する検出手段と、を備える。検出手段として、例えばレーザー変位計が用いられる。具体的には、2つの熔解槽のうち、下流側の熔解槽中で熔融ガラスの素地面にフロータを浮かせ、熔融ガラスの素地面の変化をフロータの上下移動からフロータの上下移動の移動軸の上下移動に変換し、この移動軸の上下移動をレーザー変位計により計測する。
特開2008−100889号公報
上記方法では、レーザー変位計の設置環境を改善することができるので、レーザー変位計の寿命やメンテナンスには優れているが、下流側の熔解槽にて熔融ガラスの素地面の位置を計測するので、上流側の熔解槽においてガラス原料を投入して熔融ガラスの素地面が上昇するまでのタイムラグが大きいといった問題がある。
さらに、上記方法では、フロータに接続される上下移動軸を熔解槽の外部に通すために、熔解槽の天井壁に開口部を設けるため、ガラスの揮発物や熔解槽を構成している材料の揮発物が、前記開口部近傍で冷やされて前記移動軸に付着し、移動軸の重量を増加させる。この対策として、移動軸への揮発物の付着による熔融ガラスの素地面の計測精度を安定させるために、移動軸の重量を重くすることも考えられるが、移動軸の重量を重くすることにより、熔融ガラスの素地面の計測精度は低下する。
さらに、熔融ガラスの素地面に発生した泡の影響を排除するために、フロータの一部を熔融ガラスに浸漬させている。しかし、このフロータの浸漬した熔解槽では、熔融ガラスの粘度が低く、熔融ガラスの流速が速いので、熔融ガラスの流れによる力を受けて熔融ガラスの素地面の位置の計測の精度は十分に得られない。
そこで、本発明は、熔解槽中の熔融ガラスの素地面の位置を目標の範囲内に精度良く調整することができるガラス板の製造方法及びガラス板製造装置を提供することを目的とする。
本発明の態様は、ガラス原料を熔融してガラス板を製造するガラス板の製造方法及びガラス板製造装置であり、以下の[1]〜[9]の態様を有する。
[1]
当該製造方法は、
ガラス原料を熔解槽に投入して熔融ガラスをつくる工程と、
前記熔解槽からガラス導入部を介して成形体に供給された前記熔融ガラスを用いて、ダウンドロー法によりガラス板を成形する工程と、
前記成形されたガラス板の重量に基づいて、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの引き出し量を算出する工程と、
前記熔解槽中の前記熔融ガラスの液面が目標の範囲内に位置するように、前記引き出し量の算出結果に基づいて、単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量と前記熔融ガラスの前記引き出し量とを一致させる工程と、有し、 前記一致させる工程では、ガラス原料の単位時間当たりの投入量W1を、Wg/(Yd・Ym)(Wg:単位時間当たり前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量、Yd:灼熱歩留り率であり、Yd=熔解後のガラス重量/熔解前のガラス原料重量、Ym:燃焼歩留り率であり、Ym=(投入されたガラス原料がすべて前記熔融ガラスになったときの重量−前記熔解槽を含む熔解装置外に排出される重量)/投入されたガラス原料がすべて前記熔融ガラスになったときの重量)として算出するとき、単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量Wgと前記熔融ガラスの前記引き出し量Wdが一致するようにガラス原料の投入量W1を設定してガラス原料の投入を制御する、
あるいは、
W1・Yd・Ymで求められる量を、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの目標引き出し量に設定して前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出しを制御する
[2]
当該製造装置は、
投入されたガラス原料から熔融ガラスをつくる熔解槽と、
前記熔解槽からガラス導入部を介して供給された熔融ガラスから、ダウンドロー法を用いてガラス板を成形する成形装置と、
前記成形されたガラス板の重量に基づいて、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの引き出し量を算出し、前記熔解槽中の前記熔融ガラスの液面が目標の範囲内に位置するように、前記引き出し量の算出した結果に基づいて単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量と前記熔融ガラスの前記引き出し量とを一致させる制御装置と、有し、
前記制御装置は、
ガラス原料の単位時間当たりの投入量W1を、Wg/(Yd・Ym)(Wg:単位時間当たり前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量、Yd:灼熱歩留り率であり、Yd=熔解後のガラス重量/熔解前のガラス原料重量、Ym:燃焼歩留り率であり、Ym=(投入されたガラス原料がすべて熔融ガラスになったときの重量−前記熔解槽を含む熔解装置外に排出される重量)/投入されたガラス原料がすべて熔融ガラスになったときの重量)として算出するとき、単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記熔融ガラスとなるガラス原料の重量Wgと前記熔融ガラスの前記引き出し量Wdが一致するようにガラス原料の投入量W1を設定してガラス原料の投入を制御する、
あるいは、
W1・Yd・Ymで求められる量を、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの目標引き出し量として設定して前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出しを制御するように構成されている
[3]
前記ガラス板を成形した後、さらに、前記引き出し量の算出のために、前記成形されたガラス板の重量を計測する、[1]に記載のガラス板の製造方法、あるいは[2]に記載のガラス板製造装置。
[4]
前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出し量の調整は、前記熔解槽の下流側で、ガラス板を成形する前の前記熔融ガラスの温度の昇降及び前記ガラス導入部の開口面積の調整の少なくともいずれかにより行われる、[1]あるいは[3]に記載のガラス板の製造方法、あるいは、[2]あるいは[3]に記載のガラス板製造装置。
[5]
前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出し量の調整は、前記熔解槽の下流側で、ガラス板を成形する前にガラス導管を流れる前記熔融ガラスの温度の昇降により行われる、[1],[3],あるいは[4]のいずれかに記載のガラス板の製造方法、あるいは、[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス板製造装置。
[6]
前記熔融ガラスの引き出し量は、ガラス板の製造中、オンラインで得られる、[1],[3]〜[5]のいずれかに記載のガラス板の製造方法、あるいは、[2]〜[5]のいずれかに記載のガラス板製造装置。
[7]
前記ガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板である、[1],[3]〜[6] のいずれかに記載のガラス板の製造方法、あるいは、[2]〜[6] のいずれかに記載のガラス板製造装置。
上記態様のガラス板の製造方法及び製造装置では、熔解槽中の熔融ガラスの素地面の位置を目標の範囲内に精度良く調整することができる。
本実施形態のガラス板の製造方法の工程図である。 図1に示す熔解工程〜切断工程を行う装置を模式的に示す図である。 本実施形態の熔解工程においてガラス原料の投入を行う原料投入装置及び熔融ガラス調整システムの一例の概略構成図である。 本実施形態の熔解工程においてガラス原料の投入を行う原料投入装置及び熔融ガラス調整システムの他の例の概略構成図である。 本実施形態で用いるヒータの概略の構成を示す図である。
以下、本実施形態のガガラス板の製造方法及び製造装置について説明する。
(ガラス板の製造方法の全体概要)
図1は、ガラス板の製造方法の工程図である。
ガラス板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、設定工程(ST8)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス板は、納入先の業者に搬送される。
本実施形態のガラス板の製造方法は、ガラス原料を熔解槽に投入して熔融ガラスをつくる工程と、この熔解槽からガラス導入部を介して成形体に供給された熔融ガラスを用いて、ダウンドロー法によりガラス板を成形する工程と、成形されたガラス板の重量に基づいて、熔解槽から引き出される熔融ガラスの単位時間当たりの引き出し量を算出する工程と、熔解槽中の前記熔融ガラスの液面が目標の範囲内に位置するように、引き出し量の算出結果に基づいて、熔解槽へガラス原料を投入するためのガラス原料の単位時間あたりの目標投入量を設定することで、あるいは、熔解槽から引き出される熔融ガラスの単位時間当たりの目標引き出し量を設定することで、ガラス原料の投入量と熔融ガラスの引き出し量とを一致させる工程と、が含まれる。
ここで、上述の熔解工程ST1には、ガラス原料を熔解槽に投入して熔融ガラスをつくる工程が含まれる。成形工程ST5には、熔融ガラスを用いて板状ガラスを成形する工程が含まれる。設定工程ST8には、熔解槽へガラス原料を投入するためのガラス原料の単位時間あたりの目標投入量を設定する工程が含まれ、また、熔解槽から熔融ガラスを引き出すための熔融ガラスの単位時間あたりの目標引き出し量を設定する工程が含まれる。設定工程ST8で設定されたガラス原料の単位時間あたりの目標投入量に対して、実際の投入量は、図1に示すように、熔解工程ST1にフィードバック制御される。ガラス原料が間欠投入される場合は、投入1回当りの投入量、もしくは、投入間隔を変更することで調整される。他方、連続投入の場合は、スクリューフィーダ等の連続投入機の例えば回転数を変更することで調整される。あるいは、図1に点線で示すように、設定工程ST8で設定された熔融ガラスの単位時間あたりの目標引き出し量に対して、実際の単位時間あたりの引き出し量は、供給工程ST4にフィードバック制御されて、熔融ガラスの単位時間あたりの引き出し量が調整される。
図2は、熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス板製造装置を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄槽102と、攪拌槽103と、ガラス導管104,105,106と、を有する。
熔解工程(ST1)では、熔解槽101内に供給されたガラス原料を、図示されない火焔および電極のいずれかを用いて加熱して熔解することで熔融ガラスをつくる。エネルギー効率の観点からは、少なくとも電極を用いた通電加熱により、ガラス原料を熔解することが好ましい。
熔解工程では、例えば、ガラス原料がバケットを用いて熔解槽101に供給される。ガラス原料の供給は、設定されたガラス原料の単位時間当たりの投入量にしたがって、例えばバケットに入れられるガラス原料の1回当たりの重量や、フィーダの作動時間等が制御されて行われる。ガラス原料の熔解槽101への供給は、バケットに限定されず、フィーダにより直接ガラス原料が熔解槽101へ供給されてもよい。
清澄工程(ST2)は、清澄槽102及びその上流側あるいは下流側のガラス導管104およびガラス導管105において主に行われる。清澄槽102内の熔融ガラスMGを加熱することにより、熔融ガラスMG中に含まれる気泡が、清澄剤の酸化還元反応により成長し液面に浮上して放出される、あるいは、気泡中のガス成分が熔融ガラス中に吸収されて、気泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、ガラス導管105を通って供給された攪拌槽103内の熔融ガラスMGを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化が行われる。
供給工程(ST4)では、ガラス導管106及びガラス導管106と成形体の接続箇所であるガラス導入部(図示せず)を介して熔融ガラスMGの成形装置200への供給量を調整して成形装置200に供給される。熔融ガラスMGの供給量とは、成形装置200に供給される熔融ガラスMGの単位時時間当たりの重量である。
熔解槽101からガラス導管106までを構成する熔解装置100は、熔融ガラスMGが重力に従ってガラス導管106に向かって自然に流れるように流路が形成されているので、成形装置200と接続されるガラス導管106における熔融ガラスMGの単位時間当たりの流量を調整することにより、熔解槽101から引き出される熔融ガラスMGの単位時間当たりの実際の引き出し量が調整される。すなわち、ガラス導管106における熔融ガラスMGの単位時間当たりの流量を調整することにより、熔解槽101から引き出される熔融ガラスMGの単位時間当たりの実際の引き出し量が調整される。ここで、ガラス導管106における熔融ガラスMGの単位時間当たりの流量は、ガラス導管106を通過する熔融ガラスMGの温度を調整すること(温度の昇降)により上記流量を調整することができる。すなわち、熔融ガラスMGの実際の引き出し量の調整は、熔解槽101の下流側に位置し、ガラス板を製造する前のガラス導管106を流れる熔融ガラスMGの温度の昇降により行われる。具体的には、熔解槽101からの引き出し量を多くするには、ガラス導管106周りに設けられているヒータ106aの加熱量を高めて(電流を多く流して)ガラス導管106を流れる熔融ガラスMGの温度を高め、これにより熔融ガラスMGの粘度を低くし、熔融ガラスMGの流速を上昇させる。したがって、粘度の低くなった熔融ガラスMGの成形装置200への供給量は増加する。一方、熔解槽101からの引き出し量を抑えるには、ヒータ106aの加熱量を低くして(電流を少なく流して)熔融ガラスMGの温度を低くし、これにより熔融ガラスMGの粘度を高め、熔融ガラスMGの流速を低下させる。したがって、粘度の高くなった熔融ガラスMGの成形装置200への供給量は低下する。このような熔融ガラスMGの温度の調整は、成形工程ST5における成形が適切に行われ、最終製品であるガラス板の品質に影響を与えない範囲内で行われる。
なお、ヒータ106aを用いてガラス導管106を加熱し、この時の加熱量により熔融ガラスMGの温度を調整する形態の他に、ガラス導管106自体を通電加熱し、このときの加熱量により熔融ガラスMGの温度を調整する形態を用いることもできる。
また、熔解槽101から引き出される熔融ガラスMGの単位時間当たりの実際の引き出し量の調整は、例えば、ガラス導管106と成形体の接続箇所に設けられたガラス導入部の開口面積の制御により調整してもよい。
成形装置200では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスMGを板状ガラスSGに成形し、板状ガラスSGの流れを作る。本実施形態では、図示されない成形体を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、成形されて下方に牽引される板状ガラスSGが所望の厚さになり、内部歪が生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置300において、成形装置200から供給された板状ガラスSGを所定の長さに切断することで、ガラス板を得る。
切断されたガラス板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス板が作製される。この後、ガラス端面の研削、研磨、及びガラス主面の洗浄が行われ、さらに、気泡等の異常欠陥の有無が検査された後、検査合格品のガラス板が最終製品として梱包される。なお、熔融ガラスの実際の引き出し量は、切断装置の下流に設置されたガラス板重要計測装置404(図3参照)によりガラス板全数を重量測定することで算出される。
以下、本実施形態として、ガラス原料を熔解槽101に投入して熔融ガラスMGをつくる工程と、この熔解槽101から熔融ガラスMGを取り出してガラス板を製造する工程と、熔解槽101中の熔融ガラスMGの素地面が目標の範囲内に位置するように、熔解槽101へ投入するためのガラス原料の単位時間あたりの目標投入量を設定する工程と、を含む方法について説明する。
(ガラス原料の投入量の調整)
図3は、熔解工程ST1においてガラス原料の投入を行う原料投入装置110の概略の構成図である。本実施形態では、間欠投入の場合を例に挙げて説明する。
原料投入装置110は、ガラス原料をバケットに入れ、このバケットを熔解槽101内に移動して反転することにより、熔解槽110中の熔融ガラスMGに投入する装置である。原料投入装置110は、バッチホッパ110aと、カレットホッパ110bと、スクリューフィーダ110cと、振動フィーダ110dと、バッチビン110eと、ロードセル110fと、カバー110gと、バケット110hと、を有する。図3には、原料投入装置110の他に、熔融ガラス調整システム400の構成も示されている。熔融ガラス調整システム400は、ガラス原料計測装置402、ガラス板重量計測装置404、及び制御装置406を有する。
バッチホッパ110aは、ガラス原料となる珪石や石灰等の原料を貯留する。カレットホッパ110bは、ガラス板等を砕いて形成されたガラス粉体等のガラス原料となるカレットを貯留する。スクリューフィーダ110cは、バッチホッパ110aからガラス原料を供給する図示されないスクリュー体を有し、このスクリュー体を回転させることにより、ガラス原料をバッチビン110eに供給する。振動フィーダ110dは、カレットホッパ110bからガラス原料を供給する振動機構を有し、振動機構の振動により、振動フィーダ110dからガラス原料がバッチビン110eに供給される。
スクリューフィーダ110cと振動フィーダ110dの動作は、制御装置406の制御信号により制御される。
バッチビン110eは、ガラス原料を集めてバケット110hに供給する部分である。
バッチビン110eの上方には、ガラス原料が飛散しないようにカバー110gが設けられている。バッチビン110eの底面には、ガラス原料の重量を測るためのロードセル110fが設けられている。ロードセル110fで計測されるガラス原料の重量の情報は、計測装置400に送られる。
計測装置400は、各ロードセル110fから送られたガラス原料の重量の情報から、バッチピン110eに供給され、さらに、バケット110hに供給されようとするガラス原料の重量を取得する。取得したガラス原料の重量は、制御装置406に送られる。
また、図2に示すように、切断装置300で切断され最終製品となったガラス板及びガラス板の切断除去ガラス片(以降、まとめて製造されたガラス板という)は、ガラス板重量計測装置404により重量が計測される。製造されたガラス板の計測された重量は、制御装置406に送られる。製造されたガラス板(最終製品のガラス板及び切断除去ガラス片)の計測された重量は、熔融ガラスの引き出し量に略相当する。制御装置406は、この計測された重量を用いて単位時間当たりの熔融ガラスの実際の引き出し量の情報を求める。このように、本実施形態では、ガラス板重量計測装置404を用いて熔融ガラスの実際の引き出し量の情報を、ガラス板の製造中、オンラインで求めることができる。
制御装置406は、求めた単位時間当たりの熔融ガラスの実際の引き出し量の情報を用いて、熔解槽101中の熔融ガラスの液面が目標の範囲内に位置するように、熔解槽101へガラス原料を投入するためのガラス原料の単位時間あたりの目標投入量を設定する。制御装置406は、設定したガラス原料の単位時間あたりの目標投入量から、バケット110hに入れる1回当たりのガラス原料の投入量(重量)を定め、この量のガラス原料をバッチビン110eに供給するように、スクリューフィーダ110c、振動フィーダ110dの動作を制御する。バッチビン110fに入れられたガラス原料は、バケット110hに提供される。
制御装置406は、例えば、単位時間当たり製造されるガラス板の重量Wdと一致するようにガラス原料の単位時間あたりの目標投入量を定め、この単位時間あたりの目標投入量からバケット110hに入れるガラス原料の投入量(重量)を設定する。制御装置406は、設定した重量の情報から制御信号を生成し、制御装置406は、この制御信号をスクリューフィーダ110c、振動フィーダ110dの図示されない駆動装置に送り、スクリューフィーダ110c、振動フィーダ110dの動作を制御することにより、バケット110hに入れられるガラス原料の重量を制御する。制御装置406では、例えば、単位時間当たり製造されるガラス板の重量Wdを一定として、この重量Wdに応じて、ガラス原料の単位時間あたりの目標投入量が設定される。
より好ましくは、単位時間当たり製造されるガラス板の重量に対して一定の比率で割り算した値を、ガラス原料の単位時間あたりの目標投入量として定める。この場合、一定の比率は、ガラス原料がガラス板になる歩留まり率であることが好ましい。投入されたガラス原料がすべて製造されるガラス板になるわけでなく、一部は揮発等をする。このため、ガラス原料の投入量は、以下に示す歩留まり率(灼熱歩留まり率Yd、燃焼歩留まりYm)を用いて補正された量であることが好ましい。
単位時間当たり製造されるガラス板の重量Wdは、単位時間当たり熔解槽101から引き出される熔融ガラスMGの引き出し量に一致し、ガラス板重量計測装置404により測定される。重量Wdは、一定期間に、1回以上の回数、製造したガラス板(最終製品のガラス板及び切断除去ガラス片)の重量を測定し、その平均値として算出してもよいが、製造されるガラス板の重量が、経時的に変動する工程においては、製造されたガラス板の全数の重量を測定して、その合計として重量Wdを算出することが好ましい。なお、単位時間当たり引き出す熔融ガラスMGの引き出し量(重量)、すなわち単位時間当たり製造されるガラス板の重量を、人為的に変更しようとする場合は、製造したガラス板の計測した重量の平均値を用いるのではなく、直近に製造したガラス板の重量の計測値に単位時間当りのガラス板の製造枚数を乗算して算出することが好ましい。勿論、単位時間当たりのガラス原料の投入量は設定された値に維持されるように、ロードセル110fにより計測されたガラス原料の投入量に基いてフィードバック制御される。
以下、ガラス原料の投入量の設定について具体的に説明する。
バケット110hによるガラス原料の1回当たりの投入量は、単位時間あたりガラス原料を投入する重量をWl(kg重/時)とすると、バケット110hを用いた1回当たりのガラス原料の投入量(kg重)は、Wl/投入回数(回/時)となる。
ここで、ガラス原料は、熔けて熔融しても重量の変わらない珪砂のような成分だけでなく、炭酸塩や硝酸塩、或いは、水和物のような、高温で分解し、熔融ガラスがつくられる時に、ガスを放出することで、重量の変わる成分も含まれている。そのため、元のガラス原料が溶けて、どれだけのガラス板になるかを計算するには、実際に投入したガラス原料の灼熱歩留まり率Ydを掛けることが好ましい。灼熱歩留まりYdは、熔解後のガラス重量/熔解前の元のガラス原料の重量で定められる。この灼熱歩留まり率Ydは、ガラス原料の種類(成分量)、および配合割合を変えなければ一定である。また、灼熱歩留まり率Ydは、使用するガラス原料の種類、組成、および、配合割合から計算により取得することは可能であり、また、予め実験室でテスト熔融して実測して取得することも可能である。
さらに、熔解槽101では、投入されたガラス原料から作られる熔融ガラスが全てガラス板として得られる訳では無く、熔解槽101で、燃焼ガスの排ガスに混じって、粉塵として、或いは、揮発成分として、窯外に排出される成分が生じる。この比率を、燃焼歩留まり率Ymという。燃焼歩留まり率Ymは、以下のように定められる。
燃焼歩留まり率Ym=(投入されたガラス原料がすべて熔融ガラスになったときの重量−熔解装置外に排出される重量)/(投入されたガラス原料がすべて熔融ガラスになったときの重量)
燃焼歩留まり率Ymは、燃焼方法やガラス熔融温度や排ガスの吸引圧力等で、若干変化するが、これらの条件を、通常の燃焼管理の範囲内に維持すれば、一定と見なすことができる。燃焼歩留まり率Ymの算出は、一定期間の投入されたガラス原料の重量と、引き出された熔融ガラスの重量(製造されたガラス板の重量)と、その間の素地面変化の情報と、から計算により算出される。
このため、単位時間当たり熔解槽101に投入されてガラス板となるガラス原料の重量Wgは、以下の式に従って計算される。
Wg(kg重/時) = Wl・Yd・Ym
したがって、重量Wlは、Wg/(Yd・Ym)により算出される。Yd・Ymは1未満であるので、重量Wlは重量Wdよりも大きい。重量Wgは、例えば、単位時間当たり製造されるガラス板の重量Wdと一致するように定められる。こうして求められる重量Wlが目標投入量である。
以上が、熔解槽101中の熔融ガラスの素地面が目標の範囲内に位置するように、熔解槽101へ投入するためのガラス原料の単位時間あたりの目標投入量を設定する形態の説明である。なお、灼熱歩留り率は、コンピュータシミュレーションを用いて求めてもよい。また、燃焼歩留り率は、コンピュータシミュレーションを用いて求めてもよい。コンピュータシミュレーションでは、ガラス及び装置の構造等を含む3次元モデルを作成し、これを解析領域として灼熱歩留り率又は燃焼歩留り率を求めることができる。
次に、ガラス原料を熔解槽101に投入して熔融ガラスMGをつくる工程と、この熔解槽101から熔融ガラスMGを取り出してガラス板を製造する工程と、熔解槽101中の熔融ガラスMGの素地面が目標の範囲内に位置するように、熔解槽101から引き出される熔融ガラスMGの単位時間あたりの目標引き出し量を設定する工程と、を含む方法について説明する。
(熔融ガラスMGの引き出し量の調整)
図4は、熔融ガラスMGの引き出し量の調整を行うための装置構成を示す図である。図5は、ガラス導管106の周りに用いるヒータ106aの概略の構成を示す図である。図4に示す装置構成の、図3に示す装置構成との差異は、引き出し調整装置408が設けられている点である。これ以外は、同じ構成であるので、説明は省略する。引き出し調整装置408は、制御装置406から送られる単位時間の熔融ガラスの引き出し量に基いて、ヒータ106aの加熱を制御する調整装置である。
制御装置406は、例えば、単位時間当たり投入したガラス原料の投入量(重量)、あるいは、好ましくは上述の歩留まり率を考慮して単位時間当たり投入したガラス原料の補正した投入量である重量Wgと一致するように熔融ガラスMGの単位時間当たりの引き出し量を定め、この引き出し量に応じて、図2に示すヒータ106aの加熱温度の制御を行う。この加熱温度により、熔融ガラスMGの粘度は変化するので、熔解槽101からガラス導管106に通じる一連の管を流れる単位時間の熔融ガラスMGの流量を制御することができ、ダウンドロー法で製造されるガラス板の単位時間当たり重量を制御することができる。すなわち、熔解槽101からガラス板を製造するための熔融ガラスMGの引き出し量を制御することができる。
図5に示すように、ガラス導管106の周りにヒータ106aが覆われており、ガラス導管106を流れる熔融ガラスMGの温度を、引き出し調整装置408を用いて変化させ、この温度変化に応じて熔融ガラスMGの引き出し量を調整することができる。このような引き出し量の調整は、制御装置406が、設定した引き出し量に応じた設定信号を生成し、この設定信号を引き出し調整装置408に送る。引き出し調整装置408は、この設定信号に応じてヒータ106aの加熱温度を調整する。
なお、熔解槽101から引き出される熔融ガラスMGの単位時間当たりの引き出し量の調整は、上記加熱温度の調整に限定されない。ガラス導入部の開口面積を、プランジャー方式やガラス導入部に設けられた堰き止め板の上下動により調整してもよい。さらに、上記引き出し量の調整は、ガラス導入部の開口面積の調整と、熔融ガラス温度の調整とを組み合わせても行うことができる。なお、熔融ガラス温度の調整は、攪拌工程の後、かつ成形工程前に行われることが好ましい。
上述のガラス原料の供給量の調整、及び熔融ガラスMGの引き出し量の調整は、図3,4の装置構成を1つに纏めて、同時に行うこともできる。すなわち、ガラス原料の投入量の調整をある目標値に設定して維持するようにフィードバック制御しながら、熔融ガラスMGの引き出し量の調整を行うことができる。また、熔融ガラスMGの引き出し量の調整をある目標値に維持するようにフィードバック制御しながら、ガラス原料の投入量の調整を行うことができる。また、同時に、現在の単位時間当たりのガラス原料の供給量をある目標値に移動させつつ、現在の単位時間当たりの熔融ガラスの引き出し量をある目標値に移動させることもできる。
熔解槽101内の熔融ガラスMGの素地面を一定に保つには、重量Wg=重量Wd となるように、投入するガラス原料の単位時間あたりの投入量を、熔融ガラスMGの単位時間あたりの引き出し量に応じて設定するか、熔融ガラスの単位時間当たりの引き出し量を、投入するガラス原料の単位時間当たりの投入量に応じて設定するとよい。
また、熔解槽101の液槽内の液面1mmの変化量に対応する熔融ガラスの重量Wgl(kg重/mm)は、熔解槽101の設計図から、容易に算出できる。このため、熔解槽101中の熔融ガラスMGの液面をXmmだけ、Y時間をかけて上昇させたい場合は、
制御装置406は、Wg−Wd = Wgl・X/Y を満足するように、重量Wgを固定して重量Wdを変更し、あるいは、重量Wdを固定して重量Wgを変更し、あるいは、重量Wd及び重量Wgを同時に変更するように制御する。
なお、熔解槽101では、単位時間当たり投入されるガラス原料の重量Wgを一定にして、単位時間当たりの熔融ガラスMGの引き出し量を調整することが、安定した熔融ガラスMGを生成する点から好ましい。投入されるガラス原料を変化させた場合、熔解槽101の加熱量(燃焼ガス量、電力)も変化させなければならず、さらに加熱量を調整しても、熔解槽101内の熔融ガラスMGの流れが安定するまでの間、ガラス板の品質への悪影響を及ぼし、効率よくガラス板を製造することができない。
なお、成形工程、徐冷工程において、品質の厳しいガラス板を製造中、重量Wdを変更する場合、成形装置200に供給する熔融ガラスMGの粘度を変更することになるので、成形工程、徐冷工程でガラス板の品質が低下する可能性がある。このような場合、重量Wdは変えずに、重量Wgを変更するとよい。
変更する対象が重量Wg、重量Wdのいずれの場合でも、重量Wg、重量Wdを急激に変化させると、ガラス板の品質の悪化による歩留まりの低下、あるいは、ガラス板の品質が規格から外れることにより、一時的に切断工程ST7の採板が停止する場合がある。このため、重量Wg、重量Wdのそれぞれに対して、上限を定めて運用することが好ましい。
本実施形態では、熔解槽101中の熔融ガラスMGの液面をXmmだけ、Y時間をかけて上昇させたい場合は、制御装置406は、Wg−Wd = Wgl・X/Y を満足するように、重量Wgあるいは重量Wdの調整を、比例制御(P制御)方式で行ってもよいし、PID制御方式で行ってもよい。
(ガラス原料、ガラス組成)
本実施形態のガラス板の製造方法では、あらゆるガラス板の製造に適用可能であるが、特に液晶表示装置、有機EL表示装置やプラズマディスプレイ装置などのフラットパネルディスプレイ用ガラス基板に好適である。あるいは、表示部を覆うカバーガラスの製造にも適用できる。
本実施形態のガラス板の製造方法に従ってガラス板を製造するには、所望のガラス組成となるようにガラス原料を調合する。例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板を製造する場合は、以下の組成を有するように原料を混合するのが好適である。
(a)SiO2:50〜70質量%、
(b)B23:5〜18質量%、
(c)Al23:10〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(o)BaO:0〜10質量%、
(p)RO:5〜20質量%(但し、Rは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス板に含有される成分)、
(q)R’2O:0.10質量%を超え2.0質量%以下(但し、R’は、Li、Na、およびKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス板に含有されるアルカリ金属成分)、
(r)酸化スズ、酸化鉄、および、酸化セリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
なお、(q)R’2Oは必須ではないため、含有させなくてもよい。この場合、R’2Oを実質的に含まない無アルカリガラスとなり、ガラス板からR’2Oが流出して液晶表示装置の液晶パネル等のガラス基板上に形成されるTFT(Thin Film Transistor)の特性の劣化を低減することができる。他方、あえて(q)R’2Oを、0.10質量%を超え2.0質量%以下含有させることによって、TFT特性の劣化やガラスの熱膨張を一定範囲内に抑制しつつ、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性を高めることができる。さらに、ガラスの比抵抗を低下させることができるので、熔解槽101にて電気熔融を行うためには好適となる。
また、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用ガラス基板は、泡に対する要求が特に厳しいので、(r)金属酸化物としては、少なくとも清澄剤として機能する酸化スズを含有することが好ましい。
上記のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板は、As23を実質的に含まないことが好ましく、As23およびSb23を実質的に含まないことがより好ましい。すなわち、これらの物質を含むとしても、それは不純物としてであり、具体的には、これらの物質は、As23、および、Sb23という酸化物のものも含め、0.1質量%以下であることが好ましい。
上述した成分に加え、本実施形態で用いるガラスは、ガラスの様々な物理的、熔融、清澄、および、成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、TiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、Y23、および、La23が挙げられる。
本実施形態では、制御装置406が、熔解槽101中の熔融ガラスMGの液面が目標の範囲内に位置するように、熔解槽101へガラス原料を投入するためのガラス原料の単位時間あたりの目標投入量を設定する。あるいは、制御装置406は、熔解槽101から引き出される熔融ガラスMGの単位時間あたりの目標引き出し量を設定する。これにより、実際の投入量と実際の引き出し量を一致させる。
このため、熔解槽101中の熔融ガラスMGの素地面の位置を、常時目標の範囲内の位置に精度良く調整することができる。このため、熔融ガラスMGの素地面が変化して、新たな熔解槽101の壁面と接触して素地面から炉材の成分が流出することを抑制することができる。また、素地面の変化が抑制されるので、熔解槽101中の熔融ガラスMGの対流が安定し、均質な熔融ガラスMGが生成されやすい。
ガラス原料の投入量と熔融ガラスMGの引き出し量とが一致するように、熔融ガラスMGの目標引き出し量あるいはガラス原料の目標投入量が設定されるので、熔解槽101中の熔融ガラスMGの素地面の位置を一定に維持することができる。
本実施形態では、ガラス原料の目標投入量は、ガラス原料がガラス板になる歩留まり率(灼熱歩留まり率、燃焼歩留まりYm)を用いて補正された量であるので、熔融ガラスMGの素地面の位置をより精度良く制御することができる。
[実施例、比較例]
(実施例)
図3及び図4に示す装置構成を1つに纏めて、ガラス原料の単位時間あたりの投入量と、歩留まり率(灼熱歩留まり率Yd=0.918、燃焼歩留まりYm=0.995)を用いて得られる重量Wgが重量Wdに一致するように、重量Wg及び重量Wlを定めてガラス原料を投入した。このとき、熔融ガラスMGの引き出し量が一定になるようにヒータ106aの加熱温度のフィードバック制御をした。フィードバック制御では、2時間に1回の頻度で、直近の1時間当たりの熔融ガラスMGの平均引き出し量と、目標引き出し量との差を比較し、この比較結果に応じて、ヒータ106aの加熱温度のフィードバック制御をした。
この結果、熔解槽101の熔融ガラスMGの素地面の位置は、目標素地面の位置に対して±1mmの範囲内に維持することができた。なお、素地面の高さは、電気炉に設置したレーザー光反射式素地面計によって連続自動計測した。
(比較例)
電気炉に設置したレーザー光反射式素地面計によって連続自動計測された熔解槽101の熔融ガラスMGの素地面の位置を基に、素地面の位置が目標素地面の位置からずれていた場合、このずれを修正するために、ガラス原料の単位時間あたりの投入量をオペレータが調整して、図2に示すガラス板製造装置にてガラス板を製造した。その結果、熔融ガラスMGの素地面の位置は、熔融ガラスMGの目標素地面の位置に対して±3mm以内で変動した。
熔融ガラスMGの引き出し量を調整する場合においても、図2に示す装置構成を用いてガラス板を製造した場合、熔融ガラスMGの素地面の位置は、熔融ガラスMGの目標素地面の位置に対して±3mm以内で変動した。
以上より、本実施形態の効果は明らかである。
以上、本発明のガラス板の製造方法及び製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄槽
103 攪拌槽
103a スターラ
104,105,106 ガラス導管
106a ヒータ
110 原料投入装置
110a バッチホッパ
110b カレットホッパ
110c スクリューフィーダ
110d 振動フィーダ
110e バッチビン
110f ロードセル
110g カバー
110h バケット
200 成形装置
300 切断装置
400 熔融ガラス調整システム
402 ガラス原料計測装置
404 ガラス板重量計測装置
406 制御装置
408 引き出し調整装置

Claims (7)

  1. ガラス原料を熔融してガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解槽に投入して熔融ガラスをつくる工程と、
    前記熔解槽からガラス導入部を介して成形体に供給された前記熔融ガラスを用いて、ダウンドロー法によりガラス板を成形する工程と、
    前記成形されたガラス板の重量に基づいて、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの引き出し量を算出する工程と、
    前記熔解槽中の前記熔融ガラスの液面が目標の範囲内に位置するように、前記引き出し量の算出結果に基づいて、単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量と前記熔融ガラスの前記引き出し量とを一致させる工程と、有し、 前記一致させる工程では、ガラス原料の単位時間当たりの投入量W1を、Wg/(Yd・Ym)(Wg:単位時間当たり前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量、Yd:灼熱歩留り率であり、Yd=熔解後のガラス重量/熔解前のガラス原料重量、Ym:燃焼歩留り率であり、Ym=(投入されたガラス原料がすべて前記熔融ガラスになったときの重量−前記熔解槽を含む熔解装置外に排出される重量)/投入されたガラス原料がすべて前記熔融ガラスになったときの重量)として算出するとき、単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量Wgと前記熔融ガラスの前記引き出し量Wdが一致するようにガラス原料の投入量W1を設定してガラス原料の投入を制御する、
    あるいは、
    W1・Yd・Ymで求められる量を、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの目標引き出し量に設定して前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出しを制御する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記ガラス板を成形する工程後、さらに、前記引き出し量の算出のために、前記成形されたガラス板の重量を計測する工程を含む、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出し量の調整は、前記熔解槽の下流側で、ガラス板を成形する前の前記熔融ガラスの温度の昇降及び前記ガラス導入部の開口面積の調整の少なくともいずれかにより行われる、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出し量の調整は、前記熔解槽の下流側で、ガラス板を成形する前にガラス導管を流れる前記熔融ガラスの温度の昇降により行われる、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記ガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. ガラス原料を熔融してガラス板を製造するガラス板製造装置であって、
    投入されたガラス原料から熔融ガラスをつくる熔解槽と、
    前記熔解槽からガラス導入部を介して供給された熔融ガラスから、ダウンドロー法を用いてガラス板を成形する成形装置と、
    前記成形されたガラス板の重量に基づいて、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの引き出し量を算出し、前記熔解槽中の前記熔融ガラスの液面が目標の範囲内に位置するように、前記引き出し量の算出した結果に基づいて単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量と前記熔融ガラスの前記引き出し量とを一致させる制御装置と、有し、
    前記制御装置は、
    ガラス原料の単位時間当たりの投入量W1を、Wg/(Yd・Ym)(Wg:単位時間当たり前記熔解槽に投入されて前記ガラス板となるガラス原料の重量、Yd:灼熱歩留り率であり、Yd=熔解後のガラス重量/熔解前のガラス原料重量、Ym:燃焼歩留り率であり、Ym=(投入されたガラス原料がすべて熔融ガラスになったときの重量−前記熔解槽を含む熔解装置外に排出される重量)/投入されたガラス原料がすべて熔融ガラスになったときの重量)として算出するとき、単位時間当たりの前記熔解槽に投入されて前記熔融ガラスとなるガラス原料の重量Wgと前記熔融ガラスの前記引き出し量Wdが一致するようにガラス原料の投入量W1を設定してガラス原料の投入を制御する、
    あるいは、
    W1・Yd・Ymで求められる量を、前記熔解槽から引き出される前記熔融ガラスの単位時間当たりの目標引き出し量として設定して前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出しを制御するように構成されている、ことを特徴とするガラス板製造装置。
  7. 前記熔融ガラスの前記熔解槽からの引き出し量の調整は、前記熔解槽の下流側で、ガラス板を成形する前の前記熔融ガラスの温度の昇降及び前記ガラス導入部の開口面積の調整の少なくともいずれかにより行われる、請求項6に記載のガラス板製造装置。
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