JP5851250B2 - 環状カーボネート構造を有する新規なホスフィン酸エステル化合物およびその製造方法 - Google Patents
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
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kは0以上の整数、
mは1以上の整数
Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基より選択される一価の基である。
また、本願では、Rを除く残基を環状カーボネート構造(CycCar)と呼ぶ。
CycCarは環状カーボネート構造である。
nは1以上の自然数である。
CycCarは、下記化12の(II)に示される構造である。
R2は、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキル基およびアリール基より選択される一価の基であり、ここで酸素原子にヘテロ原子が直接結合していない限り、アルキル基中およびシクロアルキル基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリール基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
R1、R2の間には結合が存在して、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキレン基およびアリーレン基より選択される二価の基となっていてもよく、ここでアルキレン基中およびシクロアルキレン基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリーレン基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
R3は、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキレン基およびアリーレン基より選択される二価以上の基であり、ここでリン原子に酸素原子が直接結合していない限り、アルキレン基中およびシクロアルキレン基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリーレン基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
物は、ホスフィン酸構造を有するとともに、環状カーボネート構造を有する。よって、樹脂組成物に対して添加されて用いられた場合、加熱時にリン元素のもつ難燃性に加えて、環状カーボネートが分解して炭酸ガスが発生して発泡し、イントメッセント系の難燃剤と同様の難燃化効果による高い難燃性が期待できる。
メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基
フェニル基、ナフチル基、ジフェニル基等のアリール基
ピリジル基等のヘテロアリール基、
ベンジル基等のアラルキル基、
ビニル基、アリル基等のアルケニル基、
アクリル酸エステルなどのアクリロイル基、
ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基、
パラヒドロキシフェニル基等のヒドロキシアリール基
等の一価の基から構成することができ、さらにこれらの基に他の基が結合したものも用いることができる。
メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基
フェニル基、ナフチル基、ジフェニル基等のアリール基
ピリジル基等のヘテロアリール基、
ベンジル基等のアラルキル基、
ビニル基、アリル基等のアルケニル基、
アクリル酸エステルなどのアクリロイル基、
ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基、
パラヒドロキシフェニル基等のヒドロキシアリール基
等の一価の基から構成することができ、さらにこれらの基に他の基が結合したものも用いることができる。
ヘキサメチレン基等のアルキレン基、
シクロヘキシレン等のシクロアルキレン基、
ジフェニレン基等のアリーレン基、
フェニルピリジレン等のヘテロアリーレン基、
エチルフェニレン等のアラルキレン基、
2,3−ブテニレン等のアルケニレン基、
等の二価の基もしくは前記二価の基にさらに置換基部を有する三価以上の基となっていてもよい。
なかでも、R1、R2=ジフェニレンであるホスファフェナントレン骨格は、既存の難燃剤としても用いられており、さらに難燃性の向上された物質として期待できるので好ましい。
直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキレン基およびアリーレン基より選択される二価以上の基が用いられ、ここでリン原子に酸素原子が直接結合していない限り、アルキレン基中およびシクロアルキレン基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリーレン基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよいのであるが、環状カーボネート構造がオキシメチレン基に結合する構造は、R3としてヒドロキシ基を有する化合物にエピクロロヒドリンでグリシジルエーテル化した後、エポキシ基に二酸化炭素ガスを付加する反応で合成でき、合成が容易であるという特徴を有する。また、ヒドロキシ基がフェノール性であれば、特にエピクロロヒドリンの付加反応が進行しやすい。また、上記化14の(IV)の構成では、環状カーボネート構造を2単位備えるので、加熱分解時に1分子あたりの二酸化炭素ガス発生量が多く、好ましいと考えられる。
ただし(I)中、
CycCarは環状カーボネート構造である。
nは1以上の自然数である。
R1は、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキル基およびアリール基より選択される一価の基であり、ここでリン原子に酸素原子が直接結合していない限り、アルキル基中およびシクロアルキル基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリール基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
R2は、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキル基およびアリール基より選択される一価の基であり、ここで酸素原子にヘテロ原子が直接結合していない限り、アルキル基中およびシクロアルキル基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリール基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
R1、R2の間には結合が存在して、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキレン基およびアリーレン基より選択される二価の基となっていてもよく、ここでアルキレン基中およびシクロアルキレン基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリーレン基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
R3は、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキレン基およびアリーレン基より選択される二価の基もしくは前記二価以上の基であり、ここでリン原子に酸素原子が直接結合していない限り、アルキレン基中およびシクロアルキレン基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリーレン基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
CycCar=2−オキソ−1,3−ジオキソリル基
R1=フェニル基
R2=エチル基
R3=メチレン基
であれば、下記化19の反応式(XIX)にしたがって合成することができる。
CycCar=2−オキソ−1,3ージオキソリル基
R1=フェニル基
R2=エチル基
R3=化14に示した基(IV)
である場合、下記化20の反応式(XX)にしたがって合成を行うことができる。またR1=フェニル基に代えて、ヘテロ環、アルキルフェニル、ヒドロキシフェニル等とした場合や、R2=エチル基に代えて、メチル基、プロピル基とした場合であっても同様の反応が行えることは明らかである。なお、出発物質である化合物(A)フェニルホスフィン酸エチル、および、ヒドロキノン、エピクロロヒドリンは、商業的に入手可能な一般物質である。
CycCar=2ーオキソ−1,3−ジオキソリル基
R1−R2=ジフェニレン基
R3=化14に示した基(IV)
である化合物の下記化21の合成例(XXI)について、具体的に詳述する。
なお、以下の合成例において出発原料である化合物(B)については、新日鉄化学よりエポトート FX−305EK70として入手可能である。
フラスコにアンモニウム系イオン性化合物(触媒)としてN,N,N−トリエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロマイドを0.50mmolを入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(溶媒)10.0gを加える。また、この液に上記化合物(B)(10−(2’,5’−ジグリシジルエーテルフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)29.71g(68.1mmol)を加える。
この反応容器を還流管に取り付け、CO2を流しながら20分間反応液中に導入して室温、常圧でバブリングした。次いで玉栓で反応溶器を密閉した後、還流管の頭頂部の三方コックにおいて前記模擬排ガスを流しながら80℃で24時間加熱撹拌した。
得られた環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物の1HNMR(CDCl3)スペクトルは、8.3−6.2,m,(芳香族プロトン),4.94,bs,(環状カーボネート構造のプロトン),4.48,m,(環状カーボネート構造のプロトン),4.2−2.8,m,(環状カーボネート構造のプロトンとオキシメチレン部分のプロトン),1.82,s,(水酸基のプロトン)であった。
また、得られた環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物のC=O伸縮振動(IR)は1793cm-1であった。
これらのデータより、前記化21の反応式(XXI)で得られた化合物は、10−[4−ジ(2−オキソ−1,3−ジオキソリルメチルオキシ)フェニル]−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−カーボネートであることが確認できた。
上記化21の反応式(XXI)にて得られた化合物および、出発原料としての化合物(B)をポリカーボネート樹脂に添加し(添加割合0〜8質量%)、250℃で混練し、得られた組成物を厚さ3mmの板状に成形し、難燃性試験サンプルを得た。
上記合成反応のほかに、上記合成例に従えば、出発原料を異ならせるだけで、下記化22と化23に示した構造を有する新規なホスフィン酸エステル化合物を合成することができる。
Claims (5)
- 下記(I)に示される環状カーボネート構造を有する新規なホスフィン酸エステル化合物。
CycCarは環状カーボネート構造である。
nは1以上の自然数である。
CycCarは、下記化2の(II)に示される構造である。
R2は、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキル基およびアリール基より選択される一価の基であり、ここで酸素原子にヘテロ原子が直接結合していない限り、アルキル基中およびシクロアルキル基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリール基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
R1、R2の間には結合が存在して、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキレン基およびアリーレン基より選択される二価の基となっていてもよく、ここでアルキレン基中およびシクロアルキレン基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリーレン基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
R3は、直鎖もしくは枝分かれ状の、飽和もしくは不飽和のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはメチレン基もしくはエチレン基を介して結合したシクロアルキレン基およびアリーレン基より選択される二価以上の基であり、ここでリン原子に酸素原子が直接結合していない限り、アルキレン基中およびシクロアルキレン基中のメチン基、メチレン基がヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団によって置き換えられても良く、アリーレン基中にヘテロ原子もしくはヘテロ原子を含む原子団があってもよい。
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