JP5849246B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転規制機構による自転の規制のもとに円軌道に沿って旋回させたとき圧縮室が容積を変えながら移動することで、作動流体の吸入、吐出を行うスクロール圧縮機に関するものである。
従来、この種のスクロール圧縮機として、旋回スクロールの鏡板と対向する固定スクロールの対向面(スラスト部)に、略環状シール部と、この略環状シール部の外側に位置する略環状凹部と、この略環状凹部と独立した形態で固定スクロールの吸入口に連通する凹部とを形成したものがある(特許文献1)。
特許文献1によれは、凹部には、低圧力の吸入圧力が作用するため、旋回スクロールの背圧力を高め、背圧力が低下する運転条件下(低圧縮比運転下)における旋回スクロールの転覆現象を抑制できる。
また特許文献1は凹部を形成しているため、心要な略環状シール部を確保しつつスラスト部での摺動面積を小さくできるので、摺動損失を低減でき、低圧縮比運転下では圧縮効率向上、高圧縮比運転下では機械効率向上および高信頼性化を実現することができる。
国際公開第2005/038254号
しかしながら、従来の構成では、最も発生頻度が高い通常圧縮比運転下において背圧力が過剰になり、スラスト部での摺動損失を増大させるという課題を有していた。
本発明は、従来の課題を解決するもので、低圧縮比運転下で旋回スクロールの転覆現象を抑制しつつ、通常圧縮比運転下でスラスト部での摺動損失を低減して、高効率なスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール圧縮機は、旋回スクロールのラップの基礎円中心を、旋回スクロールの鏡板中心と異なる位置に形成し、固定スクロールの摺動面に溝部を形成し、溝部の一端を、吸入室に連通させた連通部とし、溝部の他端を、旋回スクロールの鏡板中心より旋回スクロールの基礎円中心側の摺動面に位置させた終端部としたものである。
本発明のスクロール圧縮機によれば、旋回スクロールのラップの基礎円中心を、旋回スクロールの鏡板中心と異なる位置に形成することによって、旋回スクロールが固定スクロールから離脱して転覆現象が発生する箇所を特定することができる。
また、本発明のスクロール圧縮機によれば、溝部を転覆現象が発生する箇所に形成することによって、低圧縮比運転下で旋回スクロールの転覆現象を抑制しつつ、通常圧縮比運転下においてスラスト部での摺動損失を低減して、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
また、本発明のスクロール圧縮機は、特に二酸化炭素冷媒を用いた場合に、高効率・高信頼性を実現することができる。
本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の縦断面図 同スクロール圧縮機の要部拡大断面図 同スクロール圧縮機に用いる固定スクロールの平面図及び側面断面図 同スクロール圧縮機に用いる旋回スクロールの平面図及び側面断面図 旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心との距離に対する、ラップ高さの比率を示す特性図 旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを一致させた場合における、固定スクロールの摺動面に加わる力を説明するための図 旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合における、固定スクロールの摺動面に加わる力を説明するための図 旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合と、両中心を一致させた場合における、固定スクロールの摺動面に加わる力を説明するための図 旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合におけるFT1の大きさを示す図
第1の発明は、固定スクロールのラップをインボリュート曲線で構成し、旋回スクロールのラップをインボリュート曲線で構成し、固定スクロールに、旋回スクロールの鏡板と摺動する摺動面を形成し、旋回スクロールのラップの基礎円中心を、旋回スクロールの鏡板中心と異なる位置に形成し、固定スクロールの摺動面に溝部を形成し、溝部の一端を、吸入室に連通させた連通部とし、溝部の他端を、旋回スクロールの鏡板中心より旋回スクロールの基礎円中心側の摺動面に位置させた終端部としたものである。
第1の発明によれば、旋回スクロールのラップの基礎円中心を、旋回スクロールの鏡板中心と異なる位置に形成することによって、旋回スクロールが固定スクロールから離脱して転覆現象が発生する箇所を特定位置に限ることができる。
また、第1の発明によれば、溝部を転覆現象が発生する箇所に形成することによって、低圧縮比運転下で旋回スクロールの転覆現象を抑制しつつ、通常圧縮比運転下においてスラスト部(固定スクロールの旋回スクロールの鏡板との摺動面)での摺動損失を低減して、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、固定スクロールの鏡板中心と連通部とを通る第1の仮想線と、固定スクロールの鏡板中心と終端部とを通る第2の仮想線との間の角度を、180°以下としたものである。
第2の発明によれば、第1の仮想線と第2の仮想線との間の角度が180°以下となるように終端部を位置させることで、溝部が長くなることによる加工工数を削減できる。また、溝部が長くなると、鏡板端面との距離が狭くなり、加工が困難となるが、第1の仮想線と第2の仮想線との間の角度が180°以下となるように終端部を位置させることで、加工が容易となる。
第3の発明は、特に、第2の発明の溝部の幅を一定としたものである。
これによって、加工工数を削減できるため、より低コストで高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
第4の発明は、特に、第1から第3の発明において、溝部の断面と摺動面となす角度を鈍角としたものである。
これによって、溝部の断面と摺動面との角部の盛り上がりを防ぐことができるため、旋回スクロールが盛り上がりに接触することによる、転覆促進を抑制して、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
第5の発明は、特に、第1から第4の発明において、作動流体として二酸化炭素を用いたものである。
これによって、HFC系冷媒と比べて運転時の圧力が3〜4倍となる二酸化炭素を冷媒として用いた場合は、高負荷運転時においてより大きなスラスト荷重が発生するので、より高信頼性を確保したスクロール圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は本発明の実施の形態におけるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は同スクロール圧縮機の要部拡大断面図、図3は同スクロール圧縮機に用いる固定スクロールの平面図及び側面断面図、図4は同スクロール圧縮機に用いる旋回スクロールの平面図及び側面断面図である。
まず、図1を用いて、本実施の形態におけるスクロール圧縮機の全体構成を説明する。
図1に示すように、本実施の形態によるスクロール圧縮機は、密閉容器1の内部に、圧縮機構部2とモータ部3を備えている。主軸受部材11は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどで固定され、シャフト4を軸支している。この主軸受部材11には、固定スクロール12がボルト止めされている。固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13は、主軸受部材11と固定スクロール12とで挟み込まれている。固定スクロール12と旋回スクロール13とは、圧縮機構部2を構成している。旋回スクロール13と主軸受部材11との間には、オルダムリングなどによる自転拘束機構14を設けている。自転拘束機構14は、旋回スクロール13の自転を防止し、旋回スクロール13が円軌道運動するように案内する。旋回スクロール13は、シャフト4の上端に設けている偏心軸部4aにて偏心駆動される。この偏心駆動により、固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成される圧縮室15は、外周から中央部に向かって移動し、容積を小さくして作動流体(冷媒ガス)の圧縮を行う。
密閉容器1には、吸入管16と吐出管28とが溶接によって固定されている。吸入管16と吐出管28とは密閉容器1の外部に通じ、冷凍サイクルを構成する部材と接続されている。吸入管16は密閉容器1の外部から冷媒ガスを導入し、吐出管28は密閉容器1の外部に冷媒ガスを導出する。
冷媒ガスは、吸入管16から、吸入室17を経て圧縮室15に吸入される。圧縮室15で圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール12の中央部に形成されている吐出口18から密閉容器1内に吐出される。リード弁19は、冷媒ガスが吐出口18から吐出するときに押し開けられる。
シャフト4の下端にはポンプ25が設けられている。ポンプ25の吸い込み口は、密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20内に配置している。ポンプ25は、シャフト4によって駆動される。従って、オイル溜め20にあるオイル6を、圧力条件や運転速度に関係なく、確実に吸い上げることができ、摺動部でのオイル切れは発生しない。ポンプ25で吸い上げたオイル6は、シャフト4内に形成しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構部2に供給される。なお、オイル6をポンプ25で吸い上げる前、又は吸い上げた後に、オイルフィルタを用いてオイル6から異物を除去すると、圧縮機構部2への異物混入が防止でき、更なる信頼性向上を図ることができる。
圧縮機構部2に導かれたオイル6の圧力は、吐出口18から吐出される冷媒ガスの吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧力ともなる。これにより、旋回スクロール13は、固定スクロール12から離れたり片当たりすることなく、安定して動作する。さらにオイル6の一部は、供給圧力や自重によって、逃げ場を求めるようにして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、及びシャフト4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入して潤滑し、その後に落下し、オイル溜め20へ戻る。
次に、図1及び図2を用いて本実施の形態におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部2の構成を説明する。
旋回スクロール13の背面13eには、高圧領域30と背圧室29が形成されている。高圧領域30は旋回スクロール13の背面13eの中心部に形成され、背圧室29は旋回スクロール13の背面13eの外周部に形成されている。高圧領域30には、吐出口18から吐出される冷媒ガスの吐出圧力に等しい高圧力が加わり、背圧室29には、高圧力と低圧力(吸入圧力)との間にある中間圧力が加わる。旋回スクロール13の背面13eに加わる圧力により、旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押しつけられ、漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
固定スクロール12には溝部90を形成している。溝部90については後述する。
旋回スクロール13には経路54が形成されている。経路54の一方の開口端54aは高圧領域30に開口している。経路54の他方の開口端54bは背圧室29に開口している。
従って、高圧領域30に供給されたオイル6の一部は、経路54を通って、背圧室29に進入する。背圧室29に進入したオイル6は、スラスト摺動部及び自転拘束機構14の摺動部を潤滑し、背圧室29にて旋回スクロール13に背圧力を与えている。
また、旋回スクロール13には、経路55が形成されている。経路55の一方の開口端55aは背圧室29に開口している。経路55の他方の開口端55bは旋回スクロール13の外周部に位置するラップ上面13cに開口している。
また、固定スクロール12のラップ底面12cには、2つの凹部12d、12eが形成されている。2つの凹部12d、12eは、固定スクロール12の外周部に配置される。また、凹部12dは、旋回スクロール13のラップ外側に位置し、凹部12eは、旋回スクロール13のラップ内側に位置する。
そして、旋回スクロール13の旋回動作によって、他方の開口端55bは、2つの凹部12d、12eに周期的に開口する。
他方の開口端55bが凹部12d又は凹部12eに開口したときに、背圧室29から凹部12d又は凹部12eにオイル6が供給される。
従って、経路55から凹部12d、12eへのオイル6の供給は、間欠的に行われる。
そして、凹部12dによって、固定スクロール12の外周部で旋回スクロール13のラップ外側にオイル6が供給される。また、凹部12eによって、固定スクロール12の外周部で旋回スクロール13のラップ内側にオイル6が供給される。
凹部12d、12eからのオイル6の供給によって、固定スクロール12のラップ底面12cと、旋回スクロール13のラップ上面13cとの間は、オイルシールされてガス漏れを防止できる。
また、旋回スクロール13には経路56が形成されている。経路56の一方の開口端56aは高圧領域30に開口している。経路56の他方の開口端56bは旋回スクロール13の外周部に位置するラップ上面13cに開口している。他方の開口端56bは吸入室17に連続的に開口しており、高圧領域30から吸入室17へとオイル6が連続的に供給される。
供給されたオイル6は、旋回スクロール13のラップ外側とラップ内側との双方に、ほぼ均等に冷媒ガスと一緒に吸入される。このオイル6の供給によって、固定スクロール12のラップ底面12cと、旋回スクロール13のラップ上面13cとの間は、オイルシールされてガス漏れを防止できる。
旋回スクロール13の背面13eには、環状のシール部材78を配置している。高圧領域30と背圧室29とは、シール部材78によって仕切られている。このシール部材78により、高圧領域30から背圧室29への圧力の漏れを防止できるので、背圧室29へのオイル流入は経路54のみで制御できる。
なお、背圧室29内を一定の中間圧力に維持する方法として、背圧調整機構(図示せず)を用いることもできる。背圧調整機構は、背圧室29から固定スクロール12の内部を通って吸入口17に連通させる通路に、バルブを設けたものである。このバルブは、背圧室29の圧力が設定圧力より高くなると開き、背圧室29のオイルが吸入口17に供給され、背圧室29内を一定の中間圧力に維持する。
次に、図3を用いて本実施の形態におけるスクロール圧縮機の固定スクロール12の構成を説明する。図3(a)は固定スクロールの平面図、図3(b)は図3(a)におけるA−A線断面図、図3(c)は図3(a)におけるB−B線断面図である。
固定スクロール12の圧縮室15側の面は、鏡板121から渦巻き状のラップ122を立ち上げて構成されている。このラップ122はインボリュート曲線で構成されている。
なお、固定スクロール12の鏡板121の中心位置を鏡板中心12Xと、固定スクロール12のラップ122のインボリュート曲線の基礎円の中心位置を基礎円中心12Yとし、旋回スクロール13の鏡板131の中心位置を鏡板中心13Xと、旋回スクロール13のラップ132のインボリュート曲線の基礎円の中心位置を基礎円中心13Yとして説明する。
固定スクロール12には、圧縮室15につながる吸入室17を形成している。また、固定スクロール12には、旋回スクロール13の鏡板131と摺動する摺動面123を形成している。
固定スクロール12の摺動面123には溝部90を形成している。溝部90は、一端が連通部91で、他端が終端部92となる。
連通部91は、吸入室17に連通している。終端部92は、旋回スクロール13の鏡板中心13Xより旋回スクロール13の基礎円中心13Y側の摺動面123に位置する。すなわち、終端部92は、図3における終端範囲S1の摺動面123に位置する。
ここで、旋回スクロール13の鏡板中心13Xから旋回スクロール13の基礎円中心13Yを通る線を仮想線T1とし、この仮想線T1と直交して旋回スクロール13の鏡板中心13Xを通る線を仮想線T2とすると、終端範囲S1は、仮想線T2に対して旋回スクロール13の基礎円中心13Yが位置する側の摺動面123である。
また、終端部92は、固定スクロール12の鏡板中心12Xと連通部91とを通る仮想線(第1の仮想線)T3と、固定スクロールの鏡板中心12Xと終端部92とを通る仮想線(第2の仮想線)T4との間の角度αが45°以上で180°以下となる位置とする。
また、溝部90は、一定幅で形成するとともに、溝部90の断面と摺動面123となす角度βを鈍角としている。
次に、図4を用いて本実施の形態におけるスクロール圧縮機の旋回スクロール13の構成を説明する。図4(a)は旋回スクロールの平面図、図4(b)は旋回スクロールの断面図である。
旋回スクロール13の圧縮室15側の面は、鏡板131から渦巻き状のラップ132を立ち上げて構成されている。このラップ132はインボリュート曲線で構成されている。
旋回スクロール13のラップ132の基礎円中心13Yは、旋回スクロール13の鏡板中心13Xと異なる位置に形成している。
次に、図5を用いて、旋回スクロール13の鏡板中心13Xと、旋回スクロール13の基礎円中心13Yとの関係について説明する。
図5は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心との距離に対する、ラップ高さの比率を示す特性図である。
ここで、鏡板131の直径を一定、圧縮室15の閉じ込み容積を一定とし、ラップ高さ比については、ラップ高さが最小になる場合を1とした比率を示している。また、ラップ高さ比とは、ラップ高さが最小になる位置でのラップ高さを1とした場合に、ずらす位置の違いによって行程容積を確保するために必要となるラップ高さである。なお、図5では、基礎円半径を2mmとしている。
旋回スクロール13のラップ132は、インボリュート曲線で構成しているため、ラップ132の形状は軸対称形状でない。このようなインボリュート曲線でラップ132を構成した場合には、基礎円中心13Yと鏡板中心13Xとの距離を、所定範囲に設定することによって、圧縮室15の閉じ込み容積を最大化できることが知られている。
図5に示すように、旋回スクロール13の鏡板中心13Xと、旋回スクロール13の基礎円中心13Yとの距離が、図中の矢印範囲内である場合、両者の中心位置が一致する場合に比較して、ラップ高さを低くできる。このように、ラップ高さに比例して漏れ隙間が減少し、より高効率な圧縮機を提供できることが知られている(例えば、特開昭58−172404号参照)。
図6は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを一致させた場合における、固定スクロールの摺動面に加わる力を説明するための図である。
旋回スクロール13のラップ132の高さを、固定スクロール12のラップ122の高さより小さく形成することによって、固定スクロール12のラップ122の先端と旋回スクロール13の鏡板131とが接触する。
圧縮室15内で発生する圧力の合力F2は、固定スクロール12の基礎円中心12Yと旋回スクロール13の基礎円中心13Yの中点Xに作用する。ここで、旋回スクロール13の鏡板中心13Xは、基礎円中心13Yと一致している。
旋回スクロール13には、高圧領域30及び背圧室29からの圧力によって固定スクロール12に押し付ける軸方向の力F1に加えて、旋回スクロール13自身が傾こうとする転覆モーメントM1が発生する。
固定スクロール12には、合力F2によって、鏡板中心12Xに対して反時計周りのモーメント(転覆モーメント)M2が発生する。このとき、転覆モーメントM2が発生する方向に対して±90°の位置の摺動面123に、力が小さい箇所FT1と、力が大きい箇所FT2が発生する。
ここで、転覆現象とは、摺動面123における力が小さい箇所FT1において、旋回スクロール13から固定スクロール12に対する押し付け力がゼロになる場合を指し、結果として、旋回スクロール13が固定スクロール12から離脱して転覆現象が発生する。
図7は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合における、固定スクロールの摺動面に加わる力を説明するための図である。
図6で説明したように、圧縮室15内で発生する圧力の合力F2は、固定スクロール12の基礎円中心12Yと旋回スクロール13の基礎円中心13Yの中点Xに作用する。
図7では、旋回スクロール13の鏡板中心13Xと旋回スクロール13の基礎円中心13Yとが異なるため、圧縮室15内で発生する圧力の合力F2が作用する点と、旋回スクロール13の鏡板中心13Xとの距離からモーメントを改めて計算する必要がある。
図7に、旋回スクロール13の鏡板中心13Xと旋回スクロール13の基礎円中心13Yが異なる場合の転覆モーメントM3の方向を示す。この転覆モーメントM3を用いると、力が小さい箇所FT1は、旋回スクロール13の鏡板中心13X位置から見て、旋回スクロール13の基礎円中心13Y側に位置する。
従って、固定スクロール12の旋回スクロール13の鏡板131との摺動面123の、力が小さい箇所FT1が存在する範囲に溝部90を形成して吸入圧力(低圧力)である作動流体を導入する。その結果、旋回スクロール13の鏡板131を引き付けて、旋回スクロール13が固定スクロール12から離脱することを効果的に防ぐことができる。
一方、旋回スクロール13が固定スクロール12から離脱すること防ぐ方法として、背圧室29の圧力を高める方法がある。この方法でも、低圧縮比運転下で旋回スクロール13の転覆現象を抑制することができても、通常の圧縮比運転下において旋回スクロール13が固定スクロール12に押し付けられる力が過多となり、スラスト部での摺動損失を増大してしまうという問題が生じる。
図8は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合と、両中心を一致させた場合における、固定スクロールの摺動面に加わる力を説明するための図である。
図8(a)は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合において、固定スクロールの摺動面に加わる力が小さい箇所FT1の方向を示し、図8(b)は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合において、固定スクロールの摺動面に加わる力が大きい箇所FT2の方向を示す。
また、図8(c)は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを一致させた場合において、固定スクロールの摺動面に加わる力が小さい箇所FT1の方向を示し、図8(d)は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを一致させた場合において、固定スクロールの摺動面に加わる力が大きい箇所FT2の方向を示す。
図8に示すように、旋回スクロール13の基礎円中心13Yと旋回スクロール13の鏡板中心13Xを一致させた場合では、力の大きい箇所FT2、及び力が小さい箇所FT1の軌跡は、どちらも円であり、クランク軸4の回転に伴って一回転している。
これに対して、旋回スクロール13の基礎円中心13Yと旋回スクロール13の鏡板中心13Xを異ならせた場合では、力の大きい箇所FT2、及び力が小さい箇所FT1の軌跡は、どちらも円ではなく、特定位置に偏っていることが分かる。これは、圧縮室15内で発生する圧力の合力F2によるモーメントの他に、高圧領域30によるモーメント、ラップ面に作用する圧力の合力によるモーメント、旋回スクロール13や自転規制機構14の慣性力によるモーメントが、旋回スクロール13に作用する転覆モーメントとして発生するためである。
図9は、旋回スクロールの鏡板中心と旋回スクロールの基礎円中心とを異ならせた場合におけるFT1の位置と大きさを示す図である。円の大きさが力の大きさを示しており、円が小さいほど小さな力であることを表している。
力が小さい箇所FT1は、固定スクロール12の鏡板中心12Xを通る仮想線T5に対して、片側の摺動面123に位置している。
そして、力が小さい箇所FT1は、旋回スクロール13の鏡板中心13Xより旋回スクロール13の基礎円中心13Y側に位置する。すなわち、力が小さい箇所FT1は、仮想線T2に対して旋回スクロール13の基礎円中心13Yが位置する側に位置する。従って、力が小さい箇所FT1は、終端範囲S1の範囲で生じている。
従って、図3で示したように、溝部90の終端部92は、終端範囲S1の摺動面123に位置させることが好ましい。
また、力が小さい箇所FT1は、第1の仮想線T3から第2の仮想線T4までの角度αが45°以下ではほとんど発生していない。また、力が小さい箇所FT1は、第1の仮想線T3から第2の仮想線T4までの角度αが180°以上でもほとんど発生していない。
従って、図3で示したように、溝部90の終端部92は、第1の仮想線T3から第2の仮想線T4までの角度αが180°以下となる位置とし、更には角度αが45°以上となる位置とすることが好ましい。
以上のように本実施の形態によれば、旋回スクロール13のラップ132の基礎円中心13Yを、旋回スクロール13の鏡板中心13Xと異なる位置に形成することによって、旋回スクロール13が固定スクロール12から離脱して転覆現象が発生する箇所を特定位置に限ることができる。
また、本実施の形態によれば、第1の仮想線T3と第2の仮想線T4との間の角度が180°以下となるように終端部92を位置させることで、溝部90が長くなることによる加工工数を削減でき、また加工が容易となる。
また、本実施の形態によれば、溝部90の幅を一定としたことで、加工工数を削減できる。
また、本実施の形態によれば、溝部90の断面と摺動面123との角部の盛り上がりを防ぐことができるため、旋回スクロール13が盛り上がりに接触することによる、転覆促進を抑制できる。
また、本実施の形態によれば、固定スクロール12の旋回スクロール13の鏡板131との摺動面123の、力が小さい箇所FT1が存在する範囲に溝部90を形成して吸入圧力にある作動流体を導入する。その結果、旋回スクロール13の鏡板131を引き付けて、旋回スクロール13が固定スクロール12から離脱することを効果的に防ぐことができる。
従って、転覆モーメントを効果的に低減するために、低圧縮比運転下で旋回スクロール13の転覆現象を抑制しつつ、通常の圧縮比運転下において摺動面(スラスト部)123での摺動損失を低減して、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
なお、作動流体としての冷媒を、二酸化炭素とする。HFC系冷媒と比べて運転時の圧力が3〜4倍となる二酸化炭素を冷媒として用いた場合は、高負荷運転時においてより大きなスラスト荷重が発生するので、より高信頼性を確保したスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明にかかるスクロール圧縮機は、低圧縮比運転下で旋回スクロールの転覆現象を抑制しつつ、通常圧縮比運転下においてスラスト部での摺動損失を低減して、高効率なスクロール圧縮機を提供することができるので、高負荷から低負荷運転まで、広い運転範囲にわたって、高信頼性を確保しながら高効率を両立できるスクロール圧縮機を提供することができる。よって、作動流体を冷媒と限ることなく、空気、ヘリウムを作動流体とするスクロール圧縮機や、膨張機も含むスクロール流体機械の用途にも適用できる。
12 固定スクロール
12X 鏡板中心(固定スクロールの鏡板の中心位置)
12Y 基礎円中心(固定スクロールのラップのインボリュート曲線の基礎円の中心位置)
13 旋回スクロール
13X 鏡板中心(旋回スクロールの鏡板の中心位置)
13Y 基礎円中心(旋回スクロールのラップのインボリュート曲線の基礎円の中心位置)
15 圧縮室
30 高圧領域
29 背圧室
90 溝部
91 連通部
92 終端部
121 鏡板(固定スクロールの鏡板)
122 ラップ(固定スクロールのラップ)
123 摺動面
131 鏡板(旋回スクロールの鏡板)
132 ラップ(旋回スクロールのラップ)

Claims (5)

  1. 鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロールと、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる旋回スクロールとで圧縮室を形成し、
    前記固定スクロールには、前記圧縮室につながる吸入室を形成し、
    前記旋回スクロールの背面には、高圧領域と背圧室とが配置され、
    自転規制機構により前記旋回スクロールを円軌道に沿って旋回させ、作動流体を前記吸入室から吸入して前記圧縮室にて圧縮するスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロールの前記ラップをインボリュート曲線で構成し、
    前記旋回スクロールの前記ラップをインボリュート曲線で構成し、
    前記固定スクロールに、前記旋回スクロールの前記鏡板と摺動する摺動面を形成し、
    前記旋回スクロールの前記ラップの基礎円中心を、前記旋回スクロールの鏡板中心と異なる位置に形成し、
    前記固定スクロールの前記摺動面に溝部を形成し、
    前記溝部の一端を、前記吸入室に連通させた連通部とし、
    前記溝部の他端を、前記旋回スクロールの前記鏡板中心より前記旋回スクロールの前記基礎円中心側の前記摺動面に位置させた終端部としたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記固定スクロールの鏡板中心と前記連通部とを通る第1の仮想線と、前記固定スクロールの前記鏡板中心と前記終端部とを通る第2の仮想線との間の角度を、180°以下としたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記溝部の幅を一定としたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記溝部の断面と前記摺動面となす角度を鈍角としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記作動流体として、二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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