JP5848146B2 - 同軸コネクタおよびその取り付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報機器、通信機器等に用いられる同軸コネクタおよびその取り付け方法に関する。
従来から、同軸ケーブルとして、それぞれ管状導管からなる中心導体と外部導体との間にケーブル絶縁体を充填したものがある。このような構成を備えた同軸ケーブルに装着される同軸コネクタでは、シェル、袋ナット、および中心コンタクトを備えており、次のようにして同軸ケーブルに連結される。すなわち、まず、袋ナットが同軸ケーブルの外周に外嵌挿入され、コネクタ絶縁体付きの中心コンタクトが中心導体の先端に嵌着される。この状態でシェルがコネクタ絶縁体に外嵌され、さらにシェルと袋ナットとが管状の外部導体を挟んでネジ結合されることで同軸コネクタが同軸ケーブルに連結される。
特許3342005号公報 特許3527440号公報
上記従来の同軸コネクタにおいては、以下のような課題がある。すなわち、コネクタ絶縁体は中心コンタクトに外嵌圧入され、さらにシェルがコネクタ絶縁体に外嵌圧入される構造上、シェルとコネクタ絶縁体と中心コンタクトとは回転一体となる。そのため、同軸コネクタを同軸ケーブルに取り付ける際にシェルに回転力が加えられると、その回転トルクが中心コンタクトに伝わって中心コンタクトが中心導体に対して摺動し中心導体に損傷を生じさせてしまう。このような中心導体の損傷は、同軸ケーブルを用いた同軸路の電気性能の劣化原因となる。さらには、この損傷により金属粉が同軸ケーブル内に発生する可能性もあるが、このような金属粉の発生も同軸路の電気特性を悪化させる原因となる。
また、袋ナットと同軸ケーブルとの間の隙間や、袋ナットとシェルとの間の隙間にはOリングが装着されており、基本的には、同軸ケーブルと同軸コネクタとの連結部位の内部に水が侵入しない構造になっているが、万が一、連結部位からコネクタ内部に水が侵入した場合、侵入した水が中心コンタクトと中心導体との連結部位から中心導体内に侵入してしまう。このような中心導体への浸水は、同軸ケーブルを用いた同軸路の電気性能の劣化原因となるうえ、同軸路全体の耐久性を悪化させる。
本発明は、このような実状に着目してなされたものであって、電気特性の劣化原因となる中心導体の損傷を防水性能を十分に維持したうえで防止できる同軸コネクタや同軸ケーブルの取り付け方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の同軸コネクタは、
同軸ケーブルの外部導体の径方向外側に配置される袋ナットと、
前記同軸ケーブルのコネクタ連結端の軸方向ケーブル外側から前記外部導体の端部を挟んで前記袋ナットに連結されるシェルと、
前記同軸ケーブルの導管からなる中心導体の端部に嵌着される中心コンタクトと、
前記中心コンタクトと前記シェルとの間に介装されるコネクタ絶縁体と、
を備え、
前記シェルを前記袋ナットに連結させる際に、前記コネクタ絶縁体と前記シェルとの間に生じる第1の摩擦トルクまたは前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトとの間に生じる第2の摩擦トルクが、前記中心コンタクトと前記中心導体との間に生じる第3の摩擦トルクより小さくなるように、前記シェルまたは前記中心コンタクトが表面処理され、もしくは前記コネクタ絶縁体の外形形状が設定されており、
前記中心コンタクトを前記中心導体の端部に嵌着し、前記コネクタ絶縁体を前記中心コンタクトに外嵌し、前記シェルを前記コネクタ絶縁体に外嵌した状態で前記シェルを前記袋ナットに連結させる際に、前記中心導体に対して前記中心コンタクトが相対移動することなく、前記中心コンタクトに対して前記コネクタ絶縁体が相対移動する、または前記コネクタ絶縁体に対して前記シェルが相対移動するように、前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトと接触している、もしくは前記コネクタ絶縁体と前記シェルと接触しており、
前記中心コンタクトと前記中心導体との間に防水体けられている。
以下、上記構成を備えた本発明の同軸コネクタの作用効果を説明する。従来の同軸コネクタでは、コネクタ絶縁体はシェルに、中心コンタクトはコネクタ絶縁体にそれぞれ圧入されており、これにより内部の気密性や防水性が高められている。そのため、シェルにコネクタ絶縁体と中心コンタクトとが組み付けられるとこれらの三つの部材は相対移動時においてほとんど一体になる。一方、同軸コネクタを同軸ケーブルに連結する際には同軸ケーブルのコネクタ連結端の軸方向ケーブル外側から外部導体の端部を挟んでシェルが袋ナットに連結されるが、その際、シェルは、通常、例えば螺着といった手法により、袋ナットに対して回転しながら連結される。そのため、コネクタ取り付け時にシェルが回転しながら軸方向に相対移動すると、コネクタ絶縁体と中心コンタクトも同様に相対移動し、その結果、中心コンタクトは中心導体の外周面で摺動し、その際に中心導体の外周面に傷を付けたり、金属粉を生じさせたりしてしまう。中心導体を伝搬する高周波信号は、信号の特性から主に中心導体の外周面に沿って伝搬するため、中心導体の外周面に傷が付いたり、金属粉が生じたりすると、信号伝搬特性が悪化してしまう。
そこで、本発明では、前記シェルを前記袋ナットに連結させる際に、前記コネクタ絶縁体と前記シェルとの間に生じる第1の摩擦トルクまたは前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトとの間に生じる第2の摩擦トルクが、前記中心コンタクトと前記中心導体との間に生じる第3の摩擦トルクより小さくなるように、前記シェルまたは前記中心コンタクトが表面処理され、もしくは前記シェルまたは前記中心コンタクトに相対する前記コネクタ絶縁体の外形形状が設定されており、前記中心コンタクトを前記中心導体の端部に嵌着し、前記コネクタ絶縁体を前記中心コンタクトに外嵌し、前記シェルを前記コネクタ絶縁体に外嵌した状態で前記シェルを前記袋ナットに螺着させる際に、前記中心導体に対して前記中心コンタクトが相対移動することなく、前記中心コンタクトに対して前記コネクタ絶縁体が相対移動する、または前記コネクタ絶縁体に対して前記シェルが相対移動するように、前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトと接触している、もしくは前記コネクタ絶縁体と前記シェルと接触しており、これにより、コネクタ絶縁体は、シェル連結時において、中心導体に対して中心コンタクトが相対移動するよりも先に、中心コンタクトに対してコネクタ絶縁体が、またはコネクタ絶縁体に対してシェルが相対移動するようになる。そのため、コネクタ取り付け時にシェルを回転させながら軸方向に相対移動させても、コネクタ絶縁体または中心コンタクトが同様に相対移動することはなくなる。その結果、中心コンタクトは中心導体に対して相対移動せず、したがって中心導体の外周面で中心コンタクトが摺動しなくなって中心導体の外周面に傷が付いたり、金属粉が発生することがなくなる。
なお、本発明の構成では、シェル螺着時において、中心導体に対して中心コンタクトが相対移動するよりも先に、中心コンタクトに対してコネクタ絶縁体が、またはコネクタ絶縁体に対してシェルが相対移動するように、コネクタ絶縁体を設けることで、コネクタ絶縁体とシェルとの間、またはコネクタ絶縁体と中心コンタクトとの間の密封性(以下、これらの箇所の密封性を内部密封性と称する)が低下してコネクタ連結部における防水性を劣化させる可能性がある。内部密封性の低下は、特に導管からなる中心導体内部の防水に悪影響を与える。すなわち、内部密封性が低下して中心導体内部への漏水が増加する可能性がある。本発明では、そのことを考慮して中心コンタクトと中心導体との間に防水体を設けており、これにより中心導体内部への漏水を防止している。
本発明には、
前記外部導体は導管からなり、
前記シェルは、袋ナット側端部外周面に袋ナット側端部ほど径が狭まるテーパを有し、
前記袋ナットは、内周面の内奥に周方向に沿った突起を有し、
前記シェルは、前記袋ナットに内嵌連結されており、前記テーパと前記突起とで前記外部導体の先端拡開挟持されている、という態様がある。この態様によれば、外部導体と同軸コネクタとを強固に連結することが可能となる。
本発明には、前記中心コンタクトは、前記中心導体に外嵌される有底の筒状接続端を有し、
前記防水体は、前記筒状接続端の内底と前記中心導体の先端との間に介装されている、
という態様がある。この態様によれば、防水体により中心導体の内部を確実に防水することができる。
本発明の同軸コネクタ取り付け方法は、導管からなる中心導体の外周側に導管からなる外部導体を設けるとともに前記中心導体と前記外部導体との間にケーブル絶縁体を介装してなる同軸ケーブルに同軸コネクタを取り付ける同軸コネクタ取り付け方法であって、
前記同軸コネクタとして、袋ナットと、前記袋ナットに内嵌螺着可能なシェルと、前記シェルに内嵌される環状のコネクタ絶縁体と、前記中心導体に外嵌される有底の筒状接続端を備えて前記コネクタ絶縁体に内嵌される中心コンタクトとを有する同軸コネクタを準備する第1のステップと、
前記同軸ケーブルのコネクタ連結端において前記ケーブル絶縁体と前記外部導体とを除去して前記中心導体を露出させるとともに、前記ケーブル絶縁体を外部導体端面からケーブル内奥中途部まで除去して前記外部導体を前記コネクタ連結端で露出させる第2のステップと、
前記袋ナットを前記コネクタ連結端に外嵌挿入する第3のステップと、
前記コネクタ絶縁体を前記中心コンタクトに外嵌しかつ前記シェルをコネクタ絶縁体に外嵌した状態で前記中心コンタクトの前記筒状接続端を前記中心導体の露出端に外嵌する第4のステップと、
前記シェルを前記袋ナットに内嵌しさらに前記シェルと前記袋ナットとの間で前記外部導体の露出端を挟んだ状態で、前記シェルを前記袋ナットに連結する第5のステップと、
を含み、
前記第4のステップでは、前記筒状接続端の内底と前記中心導体の先端との間に防水体を介装させた状態で、前記中心コンタクトを前記中心導体に外嵌し、
前記第5のステップでは、前記コネクタ絶縁体と前記シェルとの間に生じる第1の摩擦トルクまたは前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトとの間に生じる第2の摩擦トルクが、前記中心コンタクトと前記中心導体との間に生じる第3の摩擦トルクより小さくなるように、前記シェルまたは前記中心コンタクトを表面処理する、もしくは前記シェルまたは前記中心コンタクトに相対する前記コネクタ絶縁体の外形形状を設定したうえで、前記中心導体に対して前記中心コンタクトが相対移動することなく、前記中心コンタクトに対して前記コネクタ絶縁体が相対移動する、または前記コネクタ絶縁体に対して前記シェルが相対移動する状態で、前記シェルを前記袋ナットに連結する。
本発明の同軸コネクタ取り付け方法では、第5のステップにおけるシェル連結時において、前記コネクタ絶縁体と前記シェルとの間に生じる第1の摩擦トルクまたは前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトとの間に生じる第2の摩擦トルクが、前記中心コンタクトと前記中心導体との間に生じる第3の摩擦トルクより小さくなるように、前記シェルまたは前記中心コンタクトを表面処理する、もしくは前記シェルまたは前記中心コンタクトに相対する前記コネクタ絶縁体の外形形状を設定したうえで、中心導体に対して中心コンタクトが相対移動するよりも先に、中心コンタクトに対してコネクタ絶縁体が、またはコネクタ絶縁体に対してシェルが相対移動する状態で、シェルを袋ナットに連結することで、コネクタ取り付け時にシェルを袋ナットに対して相対移動させても、コネクタ絶縁体または中心コンタクトはシェルと一体に移動しなくなる。その結果、中心コンタクトは中心導体に対して相対移動せず、したがって中心導体の外周面で中心コンタクトが摺動しなくなって中心導体の外周面に傷が付かなくなる。
本発明の同軸コネクタ取り付け方法には、
前記中心導体は円筒形状を有しており、
前記第2のステップでは、前記中心導体に内嵌可能な円柱形状を有する第1のガイド柱と、前記第1のガイド柱に連結されて前記第1のガイド柱が前記中心導体に内嵌された状態で前記ケーブル絶縁体の端面と前記外部導体の端面とに選択的に接する第1の回転刃とを有する第1の加工具を準備したうえで、前記コネクタ連結端において前記第1のガイド柱を前記中心導体に内嵌し前記第1の回転刃を前記ケーブル絶縁体の端面と前記外部導体の端面とに当接させた状態で前記第1の加工具を前記同軸ケーブルの軸方向内側に予圧を与えながら前記中心導体を軸心にして回転させることで前記ケーブル絶縁体と前記外部導体とを除去し、
さらに前記第2のステップでは、前記中心導体に内嵌可能な円柱形状を有する第2のガイド柱と、前記第2のガイド柱に連結されて前記第2のガイド柱が前記中心導体に内嵌された状態で前記ケーブル絶縁体に選択的に接する第2の回転刃とを有する第2の加工具を準備したうえで、前記コネクタ連結端において前記第2のガイド柱を前記中心導体に内嵌し前記第2の回転刃を前記ケーブル絶縁体の端面に当接させた状態で前記第2の加工具を前記同軸ケーブルの軸方向内側に予圧を与えながら前記中心導体を軸心にして回転させることで前記ケーブル絶縁体を除去する、という態様がある。
この態様によれば、第1、第2の加工具を用いることで、同軸ケーブルのコネクタ連結端を精度高く加工することができる。
本発明の同軸コネクタによれば、同軸ケーブルのコネクタ連結端における防水性能を劣化させることなく、コネクタ連結時における中心導体の外周面の傷や金属粉の発生を防止することができる。
本発明の同軸コネクタ取り付け方法によれば、同軸ケーブルのコネクタ連結端における防水性能を劣化させることなく、コネクタ連結時に中心導体の外周面に傷がつくことを防止することができる。さらには、同軸ケーブルのコネクタ連結端の形状を容易かつ精度高く加工することができる。
本発明の一実施形態の同軸コネクタの構成を示す一部切欠正面図である。 実施形態の同軸コネクタを接続する同軸ケーブルのコネクタ連結端を加工する際に用いる同軸ケーブル加工具の構成を示す一部切欠正面図である。 実施形態の同軸コネクタを接続する同軸ケーブルのコネクタ連結端を加工する際に用いる同軸ケーブル加工具の構成を示す裏面図である。 実施形態の同軸ケーブル加工具の構成を示す一部を分解した斜視図である。 実施形態の同軸コネクタを接続する同軸ケーブルのコネクタ連結端の加工方法の第1段階における各ステップをそれぞれ示す要部抜き出し正面図である。 実施形態の同軸コネクタを接続する同軸ケーブルのコネクタ連結端の加工方法の第2段階における各ステップをそれぞれ示す要部抜き出し正面図である。 実施形態の同軸コネクタを同軸ケーブルに連結する方法における各ステップをそれぞれ示す断面図である。
図1は、本発明の一実施の形態の同軸コネクタ1の構造を示す一部切欠側面図である。この同軸コネクタ1は同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaに連結される。同軸ケーブルAは、中心導体Bと、中心導体Bの周囲に同軸に配置された外部導体Cと、中心導体Bと外部導体Cとの間の隙間αに充填されたケーブル絶縁体Dと、外部導体Cを覆う外被Eとを備える。中心導体Bと外部導体Cとは、共に銅等の導体からなる直管形状を有している。ケーブル絶縁体Dは発泡ポリエチレン等の絶縁樹脂からなる。外被Eはポリエチレン等の樹脂からなる。
同軸コネクタ1は、外部導体Cの径方向外側に配置される袋ナット2と、同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaの軸方向ケーブル外側から外部導体Cの端部を挟んで袋ナット2に内嵌螺着されるシェル3と、中心導体Bの端部に嵌着される中心コンタクト4と、中心コンタクト4とシェル3との間に介装されるコネクタ絶縁体5とを備える。
袋ナット2は、同軸ケーブルAに外嵌可能な内径を有する円筒状をしており、その一端側内周面には第1のOリング6が収納配置されている。また、袋ナット2の一端側内周面には雌ねじ部2aが形成されている。袋ナット2の軸方向中央の内周面には周方向に沿った突起2bが形成されている。突起2bは、ナット径方向内側に突出しており、突起2bの先端径は外部導体Cより若干大径に設定されている。突起2bの雌ねじ部側側面には雌ねじ部側になるほど拡径する凸曲面状の第1のテーパ面2cが形成され、突起2bの第1のOリング側側面には径方向に沿って直面状となった受け座2dが形成されている。突起2bと第1のOリング6との間の袋ナット2の内径は、外被Eの外径より若干大径に設定されている。第1のOリング6の内径は外被Eの外径より若干小径に設定されている。
シェル3の一端外周面には第1の雄ねじ部3aが設けられている。第1の雄ねじ部3aは、袋ナット2の雌ねじ部2aに螺着可能な形状を有しており、シェル外周面の第1の雄ねじ部3aの内奥には、第2のOリング7が外嵌装着されている。シェル3の一端外周面の先端(第1の雄ねじ部3aの先端)には、先端になるほど縮径する平面状の第2のテーパ面3dが設けられている。
第2のOリング7は袋ナット2の雌ねじ部形成内周面の径より若干大径となっている。なお、シェル3の他端外周面に第2の雄ねじ部3bが設けられている。第2の雄ねじ部3bはもう一つの同軸コネクタ(図示省略)との連結用に設けられている。
中心コンタクト4の一端には有底の筒状接続端4aが設けられている。筒状接続端4aは中心導体Bの外径より若干大きい内径を有しており、筒状接続端4aの周壁4bには複数のすり割り溝4cが形成されている。すり割り溝4cは、周壁4bを貫通する切欠を軸方向に沿って直線状に延出させた形状を有しており、筒状接続端4aの先端部から軸方向途中部にかけて形成されている。すり割り溝4cの一端は筒状接続端4aの端部において開放されている。筒状接続端4aは、すり割り溝4cを有することで弾性変形による拡開が可能となっている。中心コンタクト4は、筒状接続端4aを若干拡開した状態で中心導体Bに外嵌圧入されることで中心導体Bのコネクタ連結端Baに連結される。なお、中心コンタクト4の他端にはもう一つの筒状接続端4dが設けられている。もう一つの筒状接続端4dは、筒状接続端4aと同様の構造を有しているが、もう一つの筒状接続端4dは、この同軸コネクタ1が連結されるもう一つの同軸コネクタ(図示省略)の中心コンタクトに接続されるものである。
コネクタ絶縁体5は、短い軸長の円筒形状を有しており、シェル3の内径より若干大きい外径と中心コンタクト4の外径より若干小さい内径とを有している。コネクタ絶縁体5は中心コンタクト4に外嵌圧入されるととともにシェル3に内嵌圧入されており、これによりコネクタ絶縁体5はシェル3の内部において中心コンタクト4を同軸に支持している。
以上は、同軸コネクタ1の基本構造の説明である。次に同軸コネクタ1において特徴となる構成を説明する。筒状接続端4aの内底にはシリコンゴム等の弾性変形可能な材料からなる防水体8が設けられている。中心コンタクト4は、筒状接続端4aを若干拡開した状態で中心導体Bに外嵌圧入されることで中心導体Bのコネクタ連結端Baに連結されるが、その際に中心コンタクト4の内底と中心導体Bの先端との間に圧縮変形させた防水体8を全周にわたって介在させることで管状の中心導体Bの内部を密封して防水している。
また、コネクタ絶縁体5の取り付け状態を次のように設定している。すなわち、中心コンタクト4を中心導体Bの端部に嵌着しコネクタ絶縁体5を中心コンタクト4に外嵌しシェル3をコネクタ絶縁体5に外嵌した状態でシェル3を袋ナット2に連結させるために回転させる際において、以下の二つの状態(イ)、(ロ)のうちで少なくとも一つの状態となるように、中心コンタクト4とコネクタ絶縁体5とを取り付けている。
(イ)中心導体Bに対して中心コンタクト4が相対移動することなく、中心コンタクト4に対してコネクタ絶縁体5が相対移動する。
(ロ)中心導体Bに対して中心コンタクト4が相対移動することなく、コネクタ絶縁体5に対してシェル3が相対移動する。
なお、上述した(イ)、(ロ)の状態における相対移動とは、軸方向に沿った直線移動が主たるものとなる。
中心コンタクト4とコネクタ絶縁体5とをこのような取り付け状態とするためには、以下の処理のうちの少なくとも一つがシェル3やコネクタ絶縁体5や中心コンタクト4に実施される。
・シェル3を袋ナット2に連結させるために回転させる際において、シェル3の内周面3cとコネクタ絶縁体5との間に生じる摩擦トルクが、中心コンタクト4と中心導体Bとの間に生じる摩擦トルクより小さくなるように、シェル3の内周面3c(特にコネクタ絶縁体当接部位)に研磨等の処理を加える。
・シェル3を袋ナット2に連結させるために回転させる際において、シェル3の内周面3cとコネクタ絶縁体5との間に生じる摩擦トルクが、中心コンタクト4と中心導体Bとの間に生じる摩擦トルクより小さくなるように、コネクタ絶縁体5の外周径を若干小さくする。
・シェル3を袋ナット2に連結させるために回転させる際において、コネクタ絶縁体5の内周面5bと中心コンタクト4との間に生じる摩擦トルクが、中心コンタクト4と中心導体Bとの間に生じる摩擦トルクより小さくなるように、中心コンタクト4の外周面4e(特にコネクタ絶縁体当接部位)に研磨等の処理を加える。
・シェル3を袋ナット2に連結させるために回転させる際において、コネクタ絶縁体5の内周面5bと中心コンタクト4との間に生じる摩擦トルクが、中心コンタクト4と中心導体Bとの間に生じる摩擦トルクより小さくなるように、コネクタ絶縁体5の内周径を若干大きくする。
なお、コネクタ絶縁体5をシェル3に内嵌圧入して保持するためにコネクタ絶縁体5の外周径はシェル3内周面径より若干大きく設定されるが、上記摩擦トルクの調整は、このようなコネクタ絶縁体5の外径設定条件を維持しながら実施される。また、中心コンタクト4をコネクタ絶縁体5に内嵌圧入して保持するためにコネクタ絶縁体5の内周径は中心コンタクト4の外周面径より若干小さく設定されるが、上記摩擦トルクの調整は、このようなコネクタ絶縁体5の内径設定条件を維持しながら実施される。
上述した摩擦トルクの調整を行うことで、シェル3とコネクタ絶縁体5との間の密封性やコネクタ絶縁体5と中心コンタクト4との間の密封性が若干低下して、中心導体Bの内部の防水性が劣化することが危惧される。しかしながら、同軸コネクタ1では、中心導体Bの先端と中心コンタクト4の筒状接続端4aの内底との間に防水体8を設けており、これによって中心導体Bの内部の防水性能を格段に向上させている。そのため、中心導体Bの内部に漏水が生じることはない。
次に、同軸ケーブルAに同軸コネクタ1を装着する方法を説明する。まず、同軸ケーブル1のコネクタ連結端の処理方法を説明する。同軸ケーブル1のコネクタ連結端の処理には、図2、図3、図4、図5(a)〜(d)に示す同軸ケーブル加工具10を用いる。なお、本実施形態の同軸ケーブル加工具10は、本発明の第1の加工具と第2の加工具とを兼用しているが、これは、本発明の実施例の一例であって、第1の加工具と第2の加工具とを別途設けてもよいのはいうまでもない。
同軸ケーブル加工具10は、一端に第1の開口11aを、他端に第2の開口11bをそれぞれ有する筒状の本体11を備える。第1、第2の開口11a、11bは同軸配置されており、それぞれ同軸ケーブルAが挿入可能となるように、同軸ケーブルAの最外径より若干大径となっている。以下、第1、第2の開口11a、11bの径方向を開口径方向といい、軸方向を開口軸方向という。
第1の開口11aの内奥には、外被除去刃12と外部導体除去刃13と第1のガイド円柱14とが設けられている。外被除去刃12は第1の切除刃12aと第1のガイド刃12bとを備えている。第1の切除刃12aは、その刃先となる刃線12aが開口径方向に沿う向きに配置されている。第1のガイド刃12bは、その刃先となる刃線12bが開口軸方向に沿う向きに配置されている。さらに第1のガイド刃12bの刃線12bは、第1の切除刃12aの刃線12aの開口径方向内端に連結されており、刃線12bと刃線12aとはL型に配置されている。刃線12bと第1の開口11aの軸心oとの間の離間間隔w1(図5(d)参照)は、同軸ケーブルAの外部導体Cの外径(半径)と同等になっている。
同様に、外部導体除去刃13は第2の切除刃13aと第2のガイド刃13bとを備えている。第2の切除刃13aは、その刃先となる刃線13aが開口径方向に沿う向きに配置されている。第2の切除刃13aは、その刃先となる刃線13aが第1の開口11aの径方向に沿う向きに配置されている。第2のガイド刃13bは、その刃線13bが開口軸方向に沿う向きに配置されている。さらに第2のガイド刃13bの刃線13bは、第2の切除刃13aの刃線13aの径方向内端に連結されており、刃線13bと刃線13aとはL型に配置されている。刃線13bと第1の開口11aの軸心oとの間の離間間隔w2(図5(d)参照)は、同軸ケーブルAの中心導体Bの外径(半径)と同等になっている。刃線13aと刃線12aとの間の離間間隔w3(図5(a)〜(c)参照)は、コネクタ連結端Caにおける外部導体Cの、ケーブル軸方向における露出長さw4と同等に設定されている。
第1のガイド円柱14は第1の開口11aの内部で軸心oと同軸に配置されており、第1の開口11aの内奥から開口先端に向けて突出した状態で第1の開口11aの内部に固定配置されている。第1のガイド円柱14は、基端部14aと先端部14bとを備えている。先端部14bは基端部14aより小径であって、同軸ケーブルAの中心導体Bの内径と同等の外径を備えている。基端部14aと先端部14bとの間には、段部14cが形成されている。段部14cと第2の切除刃13aの刃線13aとの間の離間間隔w5(図5(c)参照)は、コネクタ連結端Baにおける内部導体Bの、ケーブル軸方向における露出長さw6(図5(c)参照)と同等に設定されている。
第2の開口11bの内奥には、ケーブル絶縁体除去刃15と第2のガイド円柱16とが設けられている。ケーブル絶縁体除去刃15は、外部導体Cの内径と同等の外径を有する円柱体からなる刃基部15aと、刃基部15aの先端端面15aに設けられた切除刃本体15bとを備えている。刃基部15aは、第2の開口11bと同軸に開口内部に固定配置されている。切除刃本体15bは、開口径方向に沿った刃線を有して軸心oを中心にして径方向に対向配置された第3の切除刃15b1、15b1と、開口径方向に沿った刃線を有して軸心oを中心にして径方向に対向配置された第4の切除刃15b2、15b2とを有している。第3の切除刃15b1、15b1と第4の切除刃15b2、15b2とは直交配置されている。第3の切除刃15b1、15b1の刃線一端15b1と軸心oとの間の離間距離は、ケーブル絶縁体Dの径方向内端とケーブル軸心との間の離間距離と同等に設定されている。第3の切除刃15b1、15b1の刃線他端15b1と軸心oとの間の離間距離は、ケーブル絶縁体Dの径方向外端とケーブル軸心との間の離間距離より若干短く設定されている。第4の切除刃15b2、15b2の刃線一端15b2と軸心oとの間の離間距離は、ケーブル絶縁体Dの径方向内端とケーブル軸心との間の離間距離より若干長く設定されている。第4の切除刃15b2、15b2の刃線他端15b2と軸心oとの間の離間距離は、ケーブル絶縁体Dの径方向外端とケーブル軸心との間の離間距離より若干長く設定されている。刃基部15aの先端端面15aを起点とした第3の切除刃15b1、15b1の刃面の最高高さ位置と第4の切除刃15b2、15b2の刃面の最高高さ位置とは同等に設定されている。
第2のガイド円柱16は第2の開口11bの内部で軸心oと同軸に配置されており、第2の開口11bの内奥から開口先端に向けて突出した状態で第2の開口11bの内部に固定配置されている。第2のガイド円柱16は、基端部16aと先端部16bとを備えている。先端部16bは基端部16aより小径であって、同軸ケーブルAの中心導体Bの内径と同等の外径を備えている。基端部16aと先端部16bとの間には、段部16cが形成されている。段部16cと第3、第4の除去刃15b1、15b2の刃線との間の離間距離w7(図6(a)、(b)参照)は、同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaにおけるケーブル絶縁体Dの除去深さに対応した値に設定されている。
なお、同軸ケーブル加工具10には、第1、第2の開口11a、11bの側壁に複数の窓17が形成されている。窓17は、加工途中の同軸ケーブルAの状態を目視確認するために設けられており、さらには、特に、第1の開口11a側の窓17においては、外被切除刃12や外部導体切除刃13によって切除された外被Eや外部導体Cや中心導体Bの切屑を、切除と同時に同軸ケーブル加工具10の外部に放出可能となっている。
なお、本実施の形態では、外被除去刃12と外部導体除去刃13とから回転刃(第1の回転刃)が構成され、ケーブル絶縁体除去刃15からもう一つの回転刃(第2の回転刃)が構成されている。
次にこの同軸ケーブル加工具10を用いた同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaの加工工程を説明する。コネクタ連結端Aaの加工工程には、第1の加工工程と第2の加工工程とがある。まず、第1の加工工程を説明する。
(第1の加工工程)
同軸ケーブルAのケーブル連結端Aaをケーブル軸方向に対して直角方向(すなわち径方向)に沿って切断加工し、さらに切断面における中心導体Bや外部導体Cの内面の切断バリをナイフ等で除去する。
以上のコネクタ連結端の前処理を行ったうえで、図5(a)に示すように、同軸ケーブル加工具10を第1の開口11aから同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaに外嵌挿入し、さらに第1のガイド円柱14を中心導体Bに挿入する。この状態で、同軸ケーブル加工具10をケーブル軸方向に沿ってケーブル内側に向けて若干押圧しながら(予圧をかけながら)時計方向に回転させる。この回転処理は通常手作業で行われる。すると、まず、外被切除刃12の第1の切除刃12aの刃線12aが外被Eだけに当接する。さらにこの状態で外被切除刃12が微少ピッチの螺旋状にケーブル軸心に沿って移動することで、外被Eだけが徐々に切除されていく。このとき、外部導体切除刃13も微少ピッチの螺旋状にケーブル軸心に沿って移動するが、外部導体切除刃13は、外部導体Cやケーブル絶縁体Dに接していないので、外部導体Cやケーブル絶縁体Dが切除されることはない。
第1の切除刃12aによって外被Eだけが徐々に切除されていくと、次に第1のガイド刃12bの刃線12bが外部導体Cの外周面に当接し、この状態でさらに外被切除刃12が微少ピッチの螺旋状にケーブル軸心に沿ってケーブル内側に移動することで、上述した第1の切除刃12aの切除処理を受けても外部導体Cの外表面に残っている外被Eの残渣が第1のガイド刃12bによって切除される。
外被切除刃12による外被Eの切除が進行して外被切除刃12がケーブル軸方向に沿ってケーブル内側に移動していき、その結果、外被切除刃12が、外被Eに当接してから距離w3だけケーブル軸方向に移動すると、図5(b)に示すように、外部導体切除刃13の第2の切除刃13aが外部導体Cとケーブル絶縁体Dとにだけ当接する。具体的には、ケーブル径方向に沿って配置されている刃線13aが外部導体Cとケーブル絶縁体Dとに当接する。
この状態でさらに同軸ケーブル加工具10の押圧回転操作を継続すると、外被切除刃12による外被Eの切除が継続されるとともに、さらに外部導体除去刃13によって外部導体Cとケーブル絶縁体Dとが選択的に切除されていく。外被切除刃12による外被Eの切除は上述した通りであるので、以下、外部導体除去刃13による外部導体Cとケーブル絶縁体Dの切除を説明する。
同軸ケーブル加工具10の押圧回転操作を継続すると、外部導体切除刃13の第2の切除刃13a(具体的には刃線13a)が外部導体Cとケーブル絶縁体Dとに選択的に当接する。この状態で外部導体切除刃13が微少ピッチの螺旋状にケーブル軸心に沿って移動すると、外部導体Cとケーブル絶縁体Dとが選択的に徐々に切除されていく。すると、第2のガイド刃13bの刃線13bが中心導体Bの外周面に当接するようになる。この状態でさらに外部導体切除刃13が微少ピッチの螺旋状にケーブル軸心に沿って移動すると、上述した第2の切除刃13aの切除処理を受けても中心導体Bの外表面に残っているケーブル絶縁体Dの残渣が第2のガイド刃13bによって切除される。
外被切除刃12による外被Eの切除と、外部導体切除刃13による外部導体Cおよびケーブル絶縁体Dの切除とが進行すると外被切除刃12と外部導体切除刃13とがケーブル軸方向に沿ってケーブル内側に移動していき、その結果、外部導体切除刃13が、外部導体Cとケーブル絶縁体Dとに当接してから距離w5だけケーブル軸方向に移動すると、図5(c)に示すように、第1のガイド円柱14の段部14cが中心導体Bのコネクタ連結端Baに当接して、同軸ケーブル加工具10は、これ以上ケーブル軸方向内側に移動できなくなる。こうなると、外部導体C、ケーブル絶縁体D、および外被Eの切除は終了する。このようにして切除が終了した状態では、同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaにおいて、外被Eはw4(=w3)だけケーブル軸方向に露出し、中心導体Bはw6(=w5)だけケーブル軸方向に露出する。以上で第1の加工工程が終了する。
(第2の加工工程)
第1の加工工程が終了すると、コネクタ連結端Aaに第1の開口11aを外嵌していた同軸ケーブル加工具10を同軸ケーブルAから引き抜き、同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaに、袋ナット2を外嵌挿入したうえで、図6(a)、(b)に示すように、第1の開口11aに替わって第2の開口11bから同軸ケーブル加工具10を同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaに外嵌挿入し、さらに第2のガイド円柱16を中心導体Bに挿入する。なお、図6(a)、(b)では、作業要部のみを図示しており、袋ナット2は図示省略している。
次にこの状態で、同軸ケーブル加工具10をケーブル軸方向に沿ってケーブル内側に向けて若干押圧しながら(予圧をかけながら)時計方向に回転させる。この回転処理は通常手作業で行われる。すると、ケーブル絶縁体切除刃15の第3の切除刃15b1がケーブル絶縁体Dだけに当接する。さらにこの状態で第3の切除刃15b1が微少ピッチの螺旋状にケーブル軸心に沿って移動することで、ケーブル絶縁体Dだけが徐々に切除されていく。第3の切除刃15b1は、ケーブル連結端Aaにおいてケーブル絶縁体Dをえぐり取るように切除する。
第3の切除刃15b1によるケーブル絶縁体Dの切除が進行して第3の切除刃15b1がケーブル軸方向に沿ってケーブル内側に移動していくと、第4の除去刃15b2が徐々に外部導体Cの内周端に当接して、外部導体Cのコネクタ接続端Caを押し開いて拡開させる。第3の切除刃15b1によるケーブル絶縁体Dの切除が進行して第3の切除刃15b1がケーブル軸方向に沿ってケーブル内側に移動していき、第3の切除刃15b1が、ケーブル絶縁体Dに当接してから距離w7だけケーブル軸方向に移動すると、図6(b)に示すように、第2のガイド柱16の段部16cが中心導体Bのコネクタ連結端Baに当接してしまい、同軸ケーブル加工具10は、これ以上ケーブル軸方向内側に移動できなくなる。こうなると、ケーブル絶縁体Dの切除と外部導体Cの拡開とは終了する。このようにして外部導体Cの切除と拡開とが終了した状態では、同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaにおいて、ケーブル絶縁体Dは距離w8だけケーブル軸方向内側に穿たれた状態となる。距離w8は、段部16cと第3、第4の除去刃15b1、15b2の刃線との間の離間距離w7から中心導体Bの露出長さw6を減算した値(w8=w7−w6)に設定される。以上で第2の加工工程が終了する。なお、上述した第1の加工工程で発生する、外被E、外部導体C、およびケーブル絶縁体Dの削りカスは、本体11に形成した窓17から本体11外部に排出される。さらには、第1、第2の加工工程の工程途中における外被E、外部導体C、およびケーブル絶縁体Dの切除状態は、窓17を介して外部から観察することができる。
次にコネクタ連結端Aaの加工を終えた同軸ケーブルAに、同軸コネクタ1を連結する工程を図7(a)、(b)を参照して説明する。上述した第2の加工工程において既に同軸ケーブルAに外嵌挿入された状態になっている袋ナット2では、図7(a)に示すように、突起2bに形成された受け座2dが外被Eのコネクタ連結端Eaに当接し、突起2bが外部導体Cの拡開したコネクタ連結端Caに当接した状態となる。この状態では、外部導体Cのコネクタ連結端Caは、受け座2dの配置位置(外被Eのコネクタ連結端Ea)からケーブル軸方向に沿ってケーブル外側に突出した位置にある。さらには、ケーブル絶縁体Dのコネクタ連結端Daに切除処理が施されていることにより、ケーブル外側に突出する外部導体Cの内周面は露出している。
次に、図7(b)に示すように、防水体8が装着された中心コンタクト4にコネクタ絶縁体5を外嵌挿入しさらにコネクタ絶縁体5にシェル3を外嵌挿入した状態で、中心導体Bのコネクタ連結端Baに中心コンタクト4の筒状接続端4aを外嵌挿入しさらにシェル3を袋ナット2に内嵌挿入し、さらにシェル3の第1の雄ねじ部3aを袋ナット2の雌ねじ部2aに螺合させる。
シェル3の第1の雄ねじ部3aを袋ナット2の雌ねじ部2aに螺合させる処理が進行すると、第1の雄ねじ部3aの先端にある第2のテーパ面3dが外部導体Cの内部に入り込んで外部導体Cをさらに拡径させながらさらにケーブル軸方向に沿ってケーブル内側に移動し、最後には、第2のテーパ面3dは、拡径された外部導体Cを挟持した状態で、袋ナット2の突起2bに形成された第1のテーパ面2cに圧接し、これにより、外部導体Cのコネクタ連結端Caが径方向外側に拡径された状態で、同軸コネクタ1が同軸ケーブルAのコネクタ連結端Aaに連結される。
以上説明したコネクタのケーブル連結操作中、シェル3は、袋ナット2に対して相対移動する。しかしながら、コネクタ絶縁体5の取り付け状態が、前述した(イ)、(ロ)のうちの少なくとも一つを満足するように設定されているので、中心導体Bに対して中心コンタクト4が相対移動することなく、シェル3がコネクタ絶縁体5に対して相対移動する、もしくはコネクタ絶縁体5が中心コンタクト4に対して相対移動する。したがって、中心コンタクト4が中心導体Bに対して相対移動することがなくなる。中心コンタクト4が中心導体Bに対して相対移動(摺動)すると、中心導体Bの外表面に傷が付いてしまううえ、金属粉が発生してしまう。中心導体Bの外表面の傷や金属粉は、高周波伝送特性を劣化させる原因となり、同軸コネクタ1を同軸ケーブルAに連結する際にはできる限り防止する必要があるが、同軸コネクタ1では、このような傷や金属粉が中心導体Bで発生しないため、高周波伝送特性は劣化しない。
また、コネクタ絶縁体5の取り付け状態を、前述した(イ)、(ロ)にしているので、同軸コネクタ1の内部の防水特性を十分に維持しにくくなっている。しかしながら、同軸コネクタ1では、中心コンタクト4と中心導体Bとの間に防水体8を設けているので、最も防水しなければならない中心導体Bの内部は、防水体8によって確実に防水される。
1 同軸コネクタ 2 袋ナット 2a 雌ねじ部
2b 突起 2c 第1のテーパ面 2d 受け座
3 シェル 3a 第1の雄ねじ部 3b 第2の雄ねじ部
3c 内周面 3d 第2のテーパ面 4 中心コンタクト
4a 筒状接続端 4b 周壁 4c すり割り溝
4d もう一つの筒状接続端 4e 外周面
5 コネクタ絶縁体 5a 外周面 5b 内周面
6 第1のOリング 7 第2のOリング 8 防水体
10 同軸ケーブル加工具 11 本体 11a 第1の開口
11b 第2の開口 12 外被除去刃 12a 第1の切除刃
12a 刃線 12b 第1のガイド刃 12b 刃線
13 外部導体除去刃 13a 第2の切除刃 13a 刃線
13b 第2のガイド刃 13b刃線 14 第1のガイド円柱
14a 基端部 14b 先端部 14c 段部
15 ケーブル絶縁体除去刃 15a 刃基部
15a 先端端面 15b 切除刃本体 15b1 第3の切除刃
15b1 刃線一端 15b1 刃線他端 15b2 第4の切除刃
15b2 刃線一端 15b2 刃線他端 16 第2のガイド円柱
16a 基端部14a 16b 先端部 16c 段部
17 窓
w1 刃線12bと軸心oとの間の離間間隔
w2 刃線13bと軸心oとの間の離間間隔
w3 刃線13aと刃線12aとの間の離間間隔
w4 外部導体Cのケーブル軸方向における露出長さ
w5 段部14cと刃線13aとの間の離間間隔
w6 内部導体Bのケーブル軸方向における露出長さ
w7 段部16cと第3、第4の除去刃15b、15cの刃線との間の離間距離
A 同軸ケーブル Aa コネクタ連結端 B 中心導体
Ba コネクタ連結端 C 外部導体 Ca コネクタ連結端
D ケーブル絶縁体 Da コネクタ連結端 E 外被
Ea コネクタ連結端 o 軸心 α 隙間

Claims (5)

  1. 同軸ケーブルの外部導体の径方向外側に配置される袋ナットと、
    前記同軸ケーブルのコネクタ連結端の軸方向ケーブル外側から前記外部導体の端部を挟んで前記袋ナットに連結されるシェルと、
    前記同軸ケーブルの導管からなる中心導体の端部に嵌着される中心コンタクトと、
    前記中心コンタクトと前記シェルとの間に介装されるコネクタ絶縁体と、
    を備え、
    前記シェルを前記袋ナットに連結させる際に、前記コネクタ絶縁体と前記シェルとの間に生じる第1の摩擦トルクまたは前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトとの間に生じる第2の摩擦トルクが、前記中心コンタクトと前記中心導体との間に生じる第3の摩擦トルクより小さくなるように、前記シェルまたは前記中心コンタクトが表面処理され、もしくは前記シェルまたは前記中心コンタクトに相対する前記コネクタ絶縁体の外形形状が設定されており、
    前記中心コンタクトを前記中心導体の端部に嵌着し前記コネクタ絶縁体を前記中心コンタクトに外嵌し前記シェルを前記コネクタ絶縁体に外嵌した状態で前記シェルを前記袋ナットに連結させる際に、前記中心導体に対して前記中心コンタクトが相対移動することなく、前記中心コンタクトに対して前記コネクタ絶縁体が相対移動するまたは前記コネクタ絶縁体に対して前記シェルが相対移動するように、前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトと接触している、もしくは前記コネクタ絶縁体と前記シェルと接触しており、
    前記中心コンタクトと前記中心導体との間に防水体けられている、
    ことを特徴とする同軸コネクタ。
  2. 前記外部導体は導管からなり、
    前記シェルは、袋ナット側端部外周面に袋ナット側端部ほど径が狭まるテーパを有し、
    前記袋ナットは、内周面の内奥に周方向に沿った突起を有し、
    前記シェルは、前記袋ナットに内嵌連結されており、前記テーパと前記突起とで前記外部導体の先端が拡開挟持されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の同軸コネクタ。
  3. 前記中心コンタクトは、前記中心導体に外嵌される有底の筒状接続端を有し、
    前記防水体は、前記筒状接続端の内底と前記中心導体の先端との間に介装されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の同軸コネクタ。
  4. 導管からなる中心導体の外周側に導管からなる外部導体を設けるとともに前記中心導体と前記外部導体との間にケーブル絶縁体を介装してなる同軸ケーブルに同軸コネクタを取り付ける同軸コネクタ取り付け方法であって、
    前記同軸コネクタとして、袋ナットと、前記袋ナットに内嵌連結可能なシェルと、前記シェルに内嵌される環状のコネクタ絶縁体と、前記中心導体に外嵌される有底の筒状接続端を備えて前記コネクタ絶縁体に内嵌される中心コンタクトとを有する同軸コネクタを準備する第1のステップと、
    前記同軸ケーブルのコネクタ連結端において前記ケーブル絶縁体と前記外部導体とを除去して前記中心導体を露出させるとともに、前記ケーブル絶縁体を外部導体端面からケーブル内奥中途部まで除去して前記外部導体を前記コネクタ連結端で露出させる第2のステップと、
    前記袋ナットを前記コネクタ連結端に外嵌挿入する第3のステップと、
    前記コネクタ絶縁体を前記中心コンタクトに外嵌しかつ前記シェルをコネクタ絶縁体に外嵌した状態で前記中心コンタクトの前記筒状接続端を前記中心導体の露出端に外嵌する第4のステップと、
    前記シェルを前記袋ナットに内嵌しさらに前記シェルと前記袋ナットとの間で前記外部導体の露出端を挟んだ状態で、前記シェルを前記袋ナットに連結する第5のステップと、
    を含み、
    前記第4のステップでは、前記筒状接続端の内底と前記中心導体の先端との間に防水体を介装させた状態で、前記中心コンタクトを前記中心導体に外嵌し、
    前記第5のステップでは、前記コネクタ絶縁体と前記シェルとの間に生じる第1の摩擦トルクまたは前記コネクタ絶縁体と前記中心コンタクトとの間に生じる第2の摩擦トルクが、前記中心コンタクトと前記中心導体との間に生じる第3の摩擦トルクより小さくなるように、前記シェルまたは前記中心コンタクトを表面処理する、もしくは前記シェルまたは前記中心コンタクトに相対する前記コネクタ絶縁体の外形形状を設定したうえで、前記中心導体に対して前記中心コンタクトが相対移動することなく、前記中心コンタクトに対して前記コネクタ絶縁体が相対移動する、または前記コネクタ絶縁体に対して前記シェルが相対移動する状態で、前記シェルを前記袋ナットに連結する、
    ことを特徴とする同軸コネクタ取り付け方法。
  5. 前記中心導体は円筒形状を有しており、
    前記第2のステップでは、前記中心導体に内嵌可能な円柱形状を有する第1のガイド柱と、前記第1のガイド柱に連結されて前記第1のガイド柱が前記中心導体に内嵌された状態で前記ケーブル絶縁体の端面と前記外部導体の端面とに選択的に接する第1の回転刃とを有する第1の加工具を準備したうえで、前記コネクタ連結端において前記第1のガイド柱を前記中心導体に内嵌し前記第1の回転刃を前記ケーブル絶縁体の端面と前記外部導体の端面とに当接させた状態で前記第1の加工具を前記同軸ケーブルの軸方向内側に予圧を与えながら前記中心導体を軸心にして回転させることで前記ケーブル絶縁体と前記外部導体とを除去し、
    さらに前記第2のステップでは、前記中心導体に内嵌可能な円柱形状を有する第2のガイド柱と、前記第2のガイド柱に連結されて前記第2のガイド柱が前記中心導体に内嵌された状態で前記ケーブル絶縁体に選択的に接する第2の回転刃とを有する第2の加工具を準備したうえで、前記コネクタ連結端において前記第2のガイド柱を前記中心導体に内嵌し前記第2の回転刃を前記ケーブル絶縁体の端面に当接させた状態で前記第2の加工具を前記同軸ケーブルの軸方向内側に予圧を与えながら前記中心導体を軸心にして回転させることで前記ケーブル絶縁体を除去する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の同軸コネクタ取り付け方法。
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