JP5846973B2 - インナーフォーカスレンズ系及びそれを備えた撮像装置 - Google Patents

インナーフォーカスレンズ系及びそれを備えた撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、最も物体側のレンズ群以外のレンズ群の移動により合焦動作を行うインナーフォーカスレンズ系に関するものである。加えて、そのようなインナーフォーカスレンズ系を備えたデジタルカメラやビデオカメラなど撮像装置に関するものである。
より好ましくは、交換レンズシステムに用いられるとともに、動画撮影を可能とする小型な広角レンズに好ましいインナーフォーカスレンズ系及びそれを用いた撮像装置に関するものである。
従来からデジタルカメラ用の交換レンズにおいては、小型化、テレセントリック性の確保、大口径化などが求められている。また近年の電子撮像素子の技術的進歩により、歪曲収差を電気信号によりある程度補正する技術なども提案されており、収差補正においては歪曲収差補正に強い顧慮を払う必要が無くなってきている。
近年では、レンズ交換式のデジタルカメラにおいてもカメラ本体の動画撮影機能に対応した交換レンズの検討が行われている。
従来の静止画撮影用のカメラでは、一瞬の撮影チャンスを切り取る事が目的であったため、構図を決めた後に、撮影の瞬間に狙った被写体へピントが合っていれば良く、そのための機能が求められていた。具体的には、いわゆる位相差方式のオートフォーカス(AF)機能が採用されており、合焦動作の速さと精度を兼ね備えたAF方式であった。
しかしながら、動画撮影において、一部のプロ用ビデオカメラは熟練したカメラマンがマニュアルフォーカス(MF)にて合焦作業を行うが、多くの民生用ビデオカメラでは常時、AFシステムを働かせて被写体距離に応じて合焦状態を保つ必要がある。そのための方法として、撮像素子によるコントラストAF方式(いわゆる山登り方式)が採用されている。
さらに、合焦状態を維持するために、ウォブリングレンズ群を合焦位置の光軸方向前後に、常に微小量動かすこと(ウォブリングと言われる)によって撮影画像のコントラストの変化を測定しておき、合焦状態が変化していると判断された場合には、フォーカスレンズ群を適切に移動させることによって、再度、合焦し直すように動作する。このウォブリング機能は、フレームレートに応じて非常に高速な動作が必要とされるため、ウォブリングに使用するレンズ群には軽量化が求められている。
また、常にウォブリングレンズ群を動かしているが、その移動範囲は焦点深度内となっている。従って、ウォブリング中のピントのズレは認識できないよう制御されているが、像倍率の変化が大きい場合には、画像が常に揺らいでいるように見えてしまい非常に不自然となる。従って、ウォブリング時の倍率変化を小さく抑えることが重要な要求項目となっている。
動画撮影が可能なカメラにおいては、録音機能も有していることが多い。オートフォーカス動作をしたとき、交換レンズ自身から発生する音が大きいとノイズが録音されてしまう。そこで、動画撮影機能に対応したレンズ系においては、オートフォーカス動作の際に発生する音を十分小さくするために、合焦動作中移動する群(フォーカスレンズ群や明るさ絞り)を少なくすることが求められる。
カメラに用いられるF2.1以下、画角が60°以上の結像レンズ系が、特許文献1、2にて提案されている。
また、正の第2レンズ群によるインナーフォーカスタイプのインナーフォーカスレンズ系が、特許文献3、4、6にて提案されている。また、2つのフォーカスレンズ群をそれぞれ異なる動かし方により合焦動作時の光学性能の変動を補正したインナーフォーカスレンズ系が特許文献6にて提案されている。
特許文献3に記載のレンズ系の場合、正屈折力の第2レンズ群によるインナーフォーカスタイプのため、レンズ系全体を繰り出して合焦を行うタイプのレンズ系と比較してフォーカスレンズ群は軽量化されている。特許文献4、5、6に記載のレンズ系の場合、F1.4の大口径とテレセントリック性を確保できている。また、リアフォーカスタイプのインナーフォーカスのため、全体繰り出しタイプの結像レンズ系と比較してフォーカスレンズ群は軽量化されている。
特開2000−321490号公報 特開2004−101880号公報 特開平08−313803号公報 特開平06−308385号公報 特開2009−086221号公報 特開2010−066432号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のレンズ系には合焦動作については記載が見当たらない。特許文献3から6に記載のレンズ系は、合焦動作の際に明るさ絞りがフォーカスレンズ群と共に移動する。合焦動作に際しては、フォーカスレンズ群に明るさ絞りに関わるユニットの重量も加わるため、合焦動作やウォブリングを行うための負荷が大きい。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、明るさや画角を十分に確保しても、球面収差やサジタルコマなどの諸収差が良好に補正され、動画撮影にも配慮されたフォーカスレンズ群を有するインナーフォーカスレンズ系を提供することを目的とするものである。
更には、そのようなレンズ系を備えた撮像装置の提供を目的とするものである。
上述の課題に鑑み、本発明のインナーフォーカスレンズ系の基本構成は、
物体側から像側に順に、
正の屈折力を有する第1レンズ群、
明るさ絞り、
正の屈折力を有する第2レンズ群、
を有し、
光路中にて物体側面と像側面の2つの面のみが空気と接するレンズブロックをレンズ成分とするとき、
前記第1レンズ群は、物体側から像側に順に、負屈折力の第1レンズ成分、正屈折力の第2レンズ成分、正屈折力の第3レンズ成分を有し、
前記第2レンズ成分が負レンズと正レンズを接合した接合レンズ成分であり、前記第2レンズ成分の前記負レンズの屈折率が前記第2レンズ成分の前記正レンズの屈折率よりも低く、
前記第1レンズ群の位置と前記明るさ絞りの位置を固定した状態で前記第2レンズ群を一体で物体側に移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦動作を行うことを基本構成としている。
本発明のインナーフォーカスレンズ系の基本構成は、明るさ絞りよりも前のレンズ系を負屈折力とし、明るさ絞りより後のレンズ系を正屈折力としたレトロフォーカスタイプとは異なり、明るさ絞りより前のレンズ系である第1レンズ群を正屈折力としている。このように構成することで、明るさ絞りより像側の光線高を低く抑えられ、明るさ絞りの後の正屈折力の第2レンズ群の小型化に有利となる。
このため、第2レンズ群を軽量化できるので、この第2レンズ群をウォブリングや合焦動作のためのレンズ群とすることで、動作の高速化に有利となる。
また、第1レンズ群の構成に関して、大口径化することによる球面収差とサジタルコマフレアーを良好に補正しつつ、広画角化を達成するために、第1レンズ群が物体側より順に負屈折力の第1レンズ成分、正屈折力の第2レンズ成分、正屈折力の第3レンズ成分を有する構成としている。物体側に負屈折力の第1レンズ成分を配置することで広画角化してもバックフォーカスを確保しやすくなる。
特に物体側より順に負屈折力のレンズ成分、正屈折力のレンズ成分のみの2つのレンズ成分のみの構成だと、第1レンズ群は正屈折力をもつため、相対的に正屈折力のレンズ成分のパワーが強くなりすぎる。その場合、大口径化した場合の球面収差、広画角化した場合のサジタルコマフレアーの発生が大きくなりやすく、第1レンズ群内でこれらを補正することが困難となる。
そのため本発明では第1レンズ群に、正屈折力の第2レンズ成分、正屈折力の第3レンズ成分の複数の正レンズ成分を配置することで、球面収差、サジタルコマフレアーを良好に補正させることを可能としている。
また、正屈折力の第2レンズ成分と正屈折力の第3レンズ成分の少なくとも一方を接合レンズ成分とすることで、像面湾曲の補正や色収差を良好に補正することが可能となる。
加えて、第1レンズ群の位置と前記明るさ絞りの位置を固定した状態で前記第2レンズ群を物体側に移動させることにより合焦動作時の動作音の低減等に有利となる。
このようなインナーフォーカスレンズ系の基本構成において、第1の側面の本発明は以下の構成を満足する。
前記第2レンズ群は、物体側から像側に順に、負屈折力の第4レンズ成分、正屈折力の第5レンズ成分を有し、
以下の条件式(1)、(2)を満足する。
1.0 ≦ f2/f ≦ 1.7 (1)
|f/EXP| ≦ 0.43 (2)
但し、
fは、無限遠物体合焦時の前記インナーフォーカスレンズ系の全系の焦点距離、
f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、
EXPは、無限遠物体合焦時の前記インナーフォーカスレンズ系の射出瞳位置から近軸像面までの光軸上の距離であり、射出瞳が近軸像面より物体側にある場合の符号をマイナスと定義するもの
である。
第2レンズ群の構成に関して、物体側から順に負屈折力の第4レンズ成分と、正屈折力の第5レンズ成分を有する構成とすることが、球面収差、色収差の補正を行ううえで望ましく、合焦動作に伴う収差変動を少なくするためにも好ましい。
条件式(1)は、レンズ系全系の焦点距離に対する第2レンズ群の焦点距離の好ましい比を特定するものである。レンズ系の全系の大きさと近距離物体合焦時の収差変動を適切にすることが可能となる。
条件式(1)の下限値を下回らないように、第2レンズ群の屈折力を抑えることで、近距離物体合焦時の収差変動、特に像面湾曲とコマ収差の変動の低減に有利となる。
条件式(1)の上限値を上回らないように、第2レンズ群の屈折力を十分に確保することで、近距離物体合焦時の第2レンズ群の移動量を小さくでき、レンズ系の小型化に有利となる。
条件式(2)は、無限遠物体合焦時のインナーフォーカスレンズ系の全系の射出瞳位置から近軸像面までの光軸上の距離に対する全系の焦点距離の好ましい比を規定するものである。
条件式(2)の上限値を上回らないようにして、最大画角の光線において明るさ絞り中心を通り撮像面に至る光線の撮像面への入射角度(つまり、レンズ系からの射出する軸外光束の射出角)を適切にすることが好ましい。
撮像面に至る光線の射出角を抑えると、像側におけるテレセントリック性が良くなる。デジタルカメラ用の撮像素子(例えばCCDやCMOS等)においては周辺光量の低下や色シェーディングを低減でき好ましい。
上述のインナーフォーカスレンズ系の基本構成において、参考例としての第2の側面の本発明は、以下の構成を満足するものである。
物体側から像側に順に、
前記第1レンズ群、前記明るさ絞り、第2レンズ群、第3レンズ群を有し、
総レンズ群数が3であり、
前記第2レンズ群は物体側から像側に順に負屈折力の第4レンズ成分と正屈折力の第5レンズ成分を有し、
前記第1レンズ群と前記明るさ絞りと前記第3レンズ群の位置を固定した状態で前記第2レンズ群を一体で物体側に移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦動作を行う。
位置が固定の第3レンズ群を配置することで、第2レンズ群の合焦動作時の動作音を低減しやすくなる。加えて、第1、第2レンズ群にて補正しきれなかった収差の低減に有利となる。第3レンズ群を正屈折力のレンズ群とすれば、射出瞳を近軸像面から離すことに有利となる。第3レンズ群を負屈折力のレンズ群とすれば、像面湾曲等の軸外収差の補正に有利となる。パワーレスレンズ群とすれば、第3レンズ群の軽量化に有利となる。
上述のインナーフォーカスレンズ系の基本構成において、参考例としての第3の側面の本発明は、以下の構成を満足するものである。
物体側から像側に順に、
前記第1レンズ群、前記明るさ絞り、前記第2レンズ群、第3レンズ群を有し、
総レンズ群数が3であり、
前記第2レンズ成分と前記第3レンズ成分がともに接合レンズ成分であり、
前記第1レンズ群と前記明るさ絞りと前記第3レンズ群の位置を固定した状態で前記第2レンズ群を一体で物体側に移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦動作を行い、
前述の条件式(1)を満足する。
第1レンズ群中に2つの正屈折力の接合レンズ成分を配置することで、各々の接合レンズ成分で収差補正の機能を分担でき、第1レンズ群の諸収差の低減に有利となる。
位置が固定の第3レンズ群を配置することで、合焦動作時の動作音の低減に有利となる。
条件式(1)の技術的意義は前述した通りである。
上述のインナーフォーカスレンズ系の基本構成において、参考例としての第4の側面の本発明は、以下の構成を満足するものである。
物体側から像側に順に、
前記第1レンズ群、前記明るさ絞り、前記第2レンズ群、負屈折力の第3レンズ群を有し、
総レンズ群数が3であり、
前記第2レンズ成分と前記第3レンズ成分がともに接合レンズ成分であり、
前記第1レンズ群と前記明るさ絞りと前記第3レンズ群の位置を固定した状態で前記第2レンズ群を一体で物体側に移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦動作を行い、
以下の条件式(7)を満足するものである。
1.01 < f23/f2 ≦ 2.0 (7)
但し、
f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、
f23は、無限遠物体合焦時の前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との合成焦点距離
である。
この構成により 第1レンズ群の諸収差の低減に有利となる。
負屈折力をもつ固定の第3レンズ群を配置することで、第2レンズ群の十分な正屈折力を確保でき合焦動作のための移動量の低減に有利となる。加えて、合焦動作に伴う収差変動、特に大口径化した際に目立ちやすくなる球面収差と像面湾曲の変動を低減しやすくなる。第2レンズ群のサイズと合焦動作時の移動量を小さくでき、小型化と大口径化の両立に有利となる。
合焦動作時の動作音の低減にも有利となる。
条件式(7)は、第2レンズ群の焦点距離に対する第2レンズ群と第3レンズ群との合成焦点距離の好ましい比を特定するものであり、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時の全系の諸収差を適切に抑える上で好ましい条件式である。
条件式(7)の下限値を下回らないようにして、明るさ絞りより後ろ側のレンズ系の、第2レンズ群の正の屈折力を十分に確保することで、合焦動作時の第2レンズ群の移動量の増大を抑えやすくなり、小型化に有利となる。
条件式(7)の上限値を上回らないようにして、明るさ絞りより後ろ側のレンズ系の第2レンズ群の正の屈折力を適度に抑えるように設定することで、バックフォーカスの確保や、近距離物体合焦時のレンズ系全系の球面収差や像面湾曲の補正、球面収差やコマ収差の補正に有利となる。
上述のインナーフォーカスレンズ系の基本構成において、参考例としての第5の側面の本発明は、以下の構成を満足するものである。
物体側から像側に順に、
前記第1レンズ群、前記明るさ絞り、前記第2レンズ群、第3レンズ群を有し、
総レンズ群数が3であり、
前記第2レンズ成分と前記第3レンズ成分がともに接合レンズ成分であり、
前記第2レンズ群は2枚または3枚のレンズからなり、
前記第1レンズ群と前記明るさ絞りと前記第3レンズ群の位置を固定した状態で前記第2レンズ群を一体で物体側に移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦動作を行うものである。
この構成により、第1レンズ群の諸収差の低減に有利となる。
加えて、合焦動作時に移動する第2レンズ群の軽量化が図れる。
負屈折力をもつ固定の第3レンズ群を配置することで、合焦動作時の動作音の低減や諸収差の低減に有利となる。
上述の各発明は相互に組み合わせて構わない。また、一部の構成要件を他の発明の構成要件にとり入れてもよい。
また、前述の何れかのインナーフォーカスレンズ系が、以下の何れかの1つもしくは複数の構成要件を同時に満足することがより好ましい。
Fナンバーが2以下であり、半画角が30°以上であることが好ましい。
本発明は、収差補正や合焦動作に有利な構成となっており、明るさの確保と画角の確保を行うようにすることが性能を発揮でき好ましい。
以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
2 ≦ TL/f ≦ 4 (5)
但し、
TLは、前記インナーフォーカスレンズ系の最物体側のレンズ面から近軸像面まで光軸上の距離である。
インナーフォーカスレンズ系と像の間に平行平板がある場合は、その平行平板を空気換算光路長(=(平行平板の光軸上の長さ)/(平行平板の屈折率))に置き換えるものとする。
条件式(5)は、インナーフォーカスレンズ系の全系の焦点距離に対する最物体側のレンズ面から近軸像面まで光軸上の好ましい距離を特定するものであり、小型化と、高性能化の両立をいっそう有利とするためのものである。
条件式(5)の下限値を下回らないようにレンズ系の全長を確保することで、第1、第2レンズ群の屈折力を適度に低減でき、レンズ枚数の増加や非球面の増加を抑えつつも、各レンズ群での収差補正を良好に行える。ゆえに、コストの低減やフォーカスレンズ群のレンズ重量の低減によりウォブリング又は合焦動作に有利となる。また、第1、第2レンズ群の偏心時の収差への影響も低減でき好ましい。
条件式(3)の上限値を上回らないようにして使用時における小型化を行うことが好ましい。
以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.3 ≦ CSD1/f ≦ 1.0 (6)
但し、
CSD1は、前記第1レンズ群を構成する全ての接合レンズ成分の光軸上における厚さの総和
である。
条件式(6)は、インナーフォーカスレンズ系の全系の焦点距離に対する第1レンズ群を構成する全ての接合レンズ成分の光軸上における厚さの総和の好ましい比を特定するものであり、レンズ系の全系の小型化と諸収差の補正の両立に有利となる。
条件式(6)の下限値を下回らないようにすることで、入射瞳を物体側よりにしやすくなり、第1レンズ成分の小型化、コスト低減に有利となる。像面湾曲のプラス側への倒れも軽減しやすくなる。
条件式(6)の上限値を上回らないようにして、第1レンズ群を構成する接合レンズ成分の光軸上における距離を適度に抑えることで、接合レンズ成分の重量やレンズ系の全長を抑えられる。像面湾曲のマイナス側への倒れも軽減しやすくなる。
第2レンズ成分を負レンズと正レンズを接合した接合レンズ成分とする場合、接合レンズ成分の負レンズの屈折率をその正レンズの屈折率よりも低くしてペッツバール和をコントロールしやすくすることで主に像面湾曲の補正を行い易くなる。
第3レンズ成分を正レンズと負レンズを接合した接合レンズ成分とする場合、接合レンズ成分の正レンズをその負レンズよりも低分散にすることで主に色収差の補正を行いやすくなる。
第1レンズ群における第2レンズ成分と第3レンズ成分がともに接合レンズ成分であることが好ましい。
各々の接合レンズ成分で収差補正の機能を分担でき、第1レンズ群の諸収差の低減に有利となる。
第1レンズ群は少なくとも1面の非球面を有することが好ましい。
全長を短縮させ小型化を図りつつ画角と明るさを高めようとすると、最も物体側の第1レンズ成分の屈折力が高まり、球面収差や像面湾曲、歪曲収差が発生しやすくなる。上述の構成にすることで小型化と球面収差や像面湾曲等の諸収差の補正を両立することができ好ましい。
第2レンズ群を構成するレンズ枚数は3枚以下であることが好ましい。
フォーカスレンズ群が軽量化される。それにより、例えば、フォーカスレンズ群を移動するためのモーター等の負荷が軽減される。それにより、モーター本体の小型化やフォーカスレンズ群にてウォブリングを行った際の動作音も低減でき、小型で動画撮影に適した機構を備えたインナーフォーカスレンズ系となり好ましい。
第2レンズ群を3枚以下のレンズで構成する場合は、物体側から像側に順に、負レンズ、1枚または2枚の正レンズからなる構成とすることが小型化と収差補正の両立に有利となり好ましい。
第2レンズ群は少なくとも3面の非球面を有することが好ましい。
上述の構成とすることで、第2レンズ群で発生する球面収差や像面湾曲、大口径化により目立ちやすくなるサジタルコマを良好に補正することが可能となる。合焦動作に伴う収差変動も軽減できるので好ましい。
第2レンズ群の像側に負の屈折力を有する第3レンズ群が配置され、
前述の条件式(7)を満足することが好ましい。
技術的意義は前述した通りである。
1枚の負レンズからなる第3レンズ群が前記第2レンズ群の像側に配置され、その第3レンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦動作の際に位置が固定であることが好ましい。
上述の構成とすることで、第2レンズ群の屈折力を確保しつつ、合焦動作時の収差変動、特に大口径化した際に目立ちやすくなる球面収差と像面湾曲の変動を低減しやすくなる。
第2レンズ群のサイズと合焦動作時の移動量を小さくでき、小型化と大口径化の両立に有利となる。
また第3レンズ群はバックフォーカス確保のため1枚の負レンズとすることが望ましい。
動画撮影時の明るさ絞りの動作音やフォーカスレンズ群の動作音などのノイズ発生源と像面近傍にあるカメラ本体の収音部(マイク)との間に、合焦動作時に固定の第3レンズ群が介在することで遮音壁に近い役割も果たすことができるためノイズ低減にも有利であり好ましい。
第2レンズ群を構成するレンズ枚数が2枚であることが好ましい。
フォーカスレンズ群が軽量化される。そのため、例えばフォーカスレンズ群を移動するためのモーターの負荷が軽減し、モーター本体の小型化やウォブリングを行った際の動作音も低減される。小型で動画撮影に適した機構を備えたレンズ系とするために有利となる。
第2レンズ群は少なくとも2面の非球面を有することが好ましい。
第2レンズ群で発生する球面収差や像面湾曲の補正に有利となる。近距離物体へ合焦した際の収差発生の低減に有利となる。
第2レンズ群の像側に正の屈折率をもつ第3レンズ群が配置され、
以下の条件式(8)を満足するように構成してもよい。
0.5 ≦ f23/f2 < 1.0 (8)
但し、
f23は無限遠物体合焦時の前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との合成焦点距離
である。
レンズ系全体の像側のテレセントリック性の確保に有利となる。
条件式(8)は、第2レンズ群の焦点距離に対する第2レンズ群と第3レンズ群との合成焦点距離の好ましい比を特定するものである。
条件式(8)の下限値を下回らないようにして、第2レンズ群の正の屈折力を確保することで、合焦動作時の第2レンズ群の移動量を小さくでき小型化の点で好ましい。
条件式(8)の上限値を上回らないようにして、第2レンズ群の正の屈折力を適度に抑えることで、バックフォーカスの確保に有利となる。レンズ系の全系の近距離物体合焦時の球面収差、像面湾曲の低減にも有利となる。
第2レンズ群の像側に少なくとも1面の非球面を有する1枚の正レンズからなる第3レンズ群が配置され、その第3レンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦動作の際に位置が固定であることが好ましい。
第3レンズ群中の非球面正レンズにより、第1、第2レンズ群にて補正しきれなかった収差の補正を行うことが可能となる。また第3レンズ群に正屈折力をもたせることで、第2レンズ群の正の屈折力を低く抑えることが可能となる。それにより、第2レンズ群中の正レンズの枚数の低減や第2レンズ群の軽量化に繋がる。合焦動作のためのモーターの負荷の軽減に有利となる。
さらには動画撮影時の明るさ絞り動作音やフォーカスレンズ群の動作音などのノイズ発生源と像面近傍にあるカメラ本体の収音部(マイク)との間に、合焦動作時固定の第3レンズ群が介在することで、第3レンズ群に遮音壁の役割をもたせることができる。
無限遠物体合焦状態にて以下の条件式(3)、(4)を満足することが好ましい。
|(100×(y1’−y1)/y1)| < 0.30 (3)
|(100×(y0.7’−y0.7)/y0.7)| < 0.30 (4)
但し、
y1は、撮像面上での最大像高、
y0.7は、前記最大像高y1の0.7倍、
y1’は、無限遠の物体に対して前記第2レンズ群を移動させて無限遠合焦時の像面から△sのデフォーカス量が生じたときの、無限遠合焦時に前記y1の像高に至る撮影画角と
同じ画角の主光線が前記撮像面と交わる位置の光線高、
y0.7’は、無限遠の物体に対して前記第2レンズ群を移動させて無限遠合焦時の像面から△sのデフォーカス量が生じたときの、無限遠合焦時に前記y0.7の像高に至る撮
影画角と同じ画角の主光線が前記撮像面と交わる位置の光線高、
△sは、8*最大像高y1/1000、
であり、y1、y0.7、y1’、y0.7’、△sの単位は何れもmmである。
動画撮影にも適したインナーフォーカスレンズ系においては、フォーカスレンズ群の高速動作(さらには、動画撮影におけるウォブリング)を考慮した合焦方式を実現する必要があり、フォーカスレンズ群の軽量化が求められる。そこで、本発明では、第2レンズ群にて合焦動作(さらには、ウォブリング)を行うようにしている。
このような構成により、本発明のインナーフォーカスレンズ系は、従来のレンズと比べ、合焦動作(さらには動画撮影中のウォブリング)時に、像倍率の変化を小さく成すことが好ましい。像倍率の変化量は、像の高さによっても異なるが、特定の像高のみならず、画面全体で変化量を小さくすることが好ましい。
条件式(3)と(4)は、そのための条件式であり、デフォーカス量に対する像倍率変化量の条件を規定するものである。なお、像面上のデフォーカス量△sの値によっても異
なるが、ここでは許容深度に相当するデフォーカス量で計算している。一般的に、許容深度はFナンバー*許容錯乱円径で表すことができるが、本発明では、実際の使用状況を考慮して、Fナンバー=8、許容錯乱円径=最大像高(y1)/1000とした。
条件式(3)と(4)のどちらか一方を満たすだけではなく、画面全体で変化量を小さくするためには、(3)と(4)の両式を満たすことが好ましい。両式を満足することで、これ以外の像高においても像倍率変化を小さく維持することができる。条件式(3)と(4)式の上限を上回らないようにすることで、見た目の倍率変化を低減でき、好ましい。
本発明の撮像装置は、前述のいずれかのインナーフォーカスレンズ系と、インナーフォーカスレンズ系により形成された像を電気信号に変換する撮像素子とを有するものである。
上述のインナーフォーカスレンズ系の利点を活かした撮像装置を提供することができる。
上述の各構成は複数を同時に満足してもよい。
上述の各条件式(1)、(5)から(8)は下限値または上限値を以下のようにすることで、それぞれの機能をより確実にでき好ましい。
条件式(1)について、
下限値を1.05、更には1.1とすることが好ましい。
上限値を1.65、更には1.6とすることが好ましい。
条件式(5)について、
下限値を2.4、更には2.8とすることが好ましい。
上限値を3.6、更には3.2とすることが好ましい。
条件式(6)について、
下限値を0.32、更には0.4、更には0.5とすることが好ましい。
上限値を0.9、更には0.8とすることが好ましい。
条件式(7)について、
下限値を1.15、更には1.3とすることが好ましい。
上限値を1.85、更には1.7とすることが好ましい。
条件式(8)について、
下限値を0.6、更には0.7とすることが好ましい。
上限値を0.9、更には0.8とすることが好ましい。
上述のインナーフォーカスレンズ系は、複数の構成を同時に満足してもよい。このようにすることが、良好なインナーフォーカスレンズ系、及び撮像装置を得る上で好ましい。
また、好ましい構成の組み合わせは任意である。
本発明によれば、明るさや画角を十分に確保しても、諸収差が良好に補正され、動画撮影にも有利なインナーフォーカスレンズ系を提供できる。
更には、そのようなレンズ系を備えた撮像装置を提供できる。
本発明のインナーフォーカスレンズ系の実施例1の無限遠物体合焦時のレンズ断面図を表す図である。 本発明のインナーフォーカスレンズ系の実施例2の図1と同様の図である。 本発明のインナーフォーカスレンズ系の実施例3の図1と同様の図である。 本発明のインナーフォーカスレンズ系の実施例4の図1と同様の図である。 本発明のインナーフォーカスレンズ系の実施例5の図1と同様の図である。 実施例1の無限遠物体合焦時、−1/30倍時、物像間距離250mm時における収差図である。 実施例2の無限遠物体合焦時、−1/30倍時、物像間距離250mm時における収差図である。 実施例3の無限遠物体合焦時、−1/30倍時、物像間距離250mm時における収差図である。 実施例4の無限遠物体合焦時、−1/30倍時、物像間距離250mm時における収差図である。 実施例5の無限遠物体合焦時、−1/30倍時、物像間距離250mm時における収差図である。 本発明によるインナーフォーカスレンズ系を交換レンズとして用いたレンズ交換式カメラの断面図である。 本発明によるデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。 図12のデジタルカメラの後方斜視図である。 図12のデジタルカメラの主要部の内部回路の構成ブロック図である。
以下に、本発明に係るインナーフォーカスレンズ系、及び撮像装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
以下に示す実施例は、画角が60°以上、Fナンバーが2以下の明るいインナーフォーカスレンズ系となっている。また、このインナーフォーカスレンズ系は、デジタルスチルカメラ等のカメラの撮影レンズに好適に用いられるものとなっている。
以下、本発明のインナーフォーカスレンズ系の実施例1〜5について説明する。実施例1〜5の無限遠物体合焦時のレンズ断面図を、それぞれ図1〜図5に示す。図1〜図5中、第1レンズ群はG1、明るさ絞りはS、第2レンズ群はG2、第3レンズ群はG3、平行平板はC、像面はIで示してある。なお、図1〜図5では、フィルター類(ダスト除去フィルター、赤外カットフィルター、ローパスフィルター)と撮像面を保護するカバーガラスを、光学的に等価な1つの平行平板Cとして図示している。
実施例1のインナーフォーカスレンズ系は、図1に示すように、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、明るさ絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3とで構成されている。
無限遠物体から近距離物体への合焦動作に際して、第1レンズ群G1は静止し、明るさ絞りSは静止し、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は静止している。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹負レンズL2と、両凸正レンズL3と、両凸正レンズL4と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL5とから構成されている。ここで、両凹負レンズL2と両凸正レンズL3とが接合され、両凸正レンズL4と負メニスカスレンズL5とが接合されている。
第2レンズ群G2は、両凹負レンズL6と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7と、両凸正レンズL8とから構成されている。
第3レンズ群G3は、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9から構成されている。
非球面は、負メニスカスレンズL1の両面と、正メニスカスレンズL7の両面と、両凸正レンズL8の両面との合計6面に用いている。
実施例2のインナーフォーカスレンズ系は、図2に示すように、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、明るさ絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3とで構成されている。
無限遠物体から近距離物体への合焦動作に際して、第1レンズ群G1は静止し、明るさ絞りSは静止し、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は静止している。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3と、両凸正レンズL4と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL5とから構成されている。ここで、負メニスカスレンズL2と正メニスカスレンズL3とが接合され、両凸正レンズL4と負メニスカスレンズL5とが接合されている。
第2レンズ群G2は、両凹負レンズL6と、両凸正レンズL7と、両凸正レンズL8とから構成されている。
第3レンズ群G3は、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9から構成されている。
非球面は、負メニスカスレンズL1の両面と、両凸正レンズL7の両面と、両凸正レンズL8の両面との合計6面に用いている。
実施例3のインナーフォーカスレンズ系は、図3に示すように、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、明るさ絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3とで構成されている。
無限遠物体から近距離物体への合焦動作に際して、第1レンズ群G1は静止し、明るさ絞りSは静止し、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は静止している。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹負レンズL2と、両凸正レンズL3と、両凸正レンズL4と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL5とから構成されている。ここで、両凹負レンズL2と両凸正レンズL3とが接合され、両凸正レンズL4と負メニスカスレンズL5とが接合されている。
第2レンズ群G2は、両凹負レンズL6と、両凸正レンズL7と、両凸正レンズL8とから構成されている。ここで、両凹負レンズL6と両凸正レンズL7とが接合されている。
第3レンズ群G3は、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9から構成されている。
非球面は、負メニスカスレンズL1の両面と、両凸正レンズL7の像側面と、両凸正レンズL8の両面との合計5面に用いている。
実施例4のインナーフォーカスレンズ系は、図4に示すように、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、明るさ絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2と、正の屈折力の第3レンズ群G3とで構成されている。
無限遠物体から近距離物体への合焦動作に際して、第1レンズ群G1は静止し、明るさ絞りSは静止し、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第3レンズ群G3は静止している。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹負レンズL2と、両凸正レンズL3と、両凸正レンズL4と、両凹負レンズL5とから構成されている。ここで、両凹負レンズL2と両凸正レンズL3とが接合され、両凸正レンズL4と両凹負レンズL5とが接合されている。
第2レンズ群G2は、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7とから構成されている。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8から構成されている。
非球面は、負メニスカスレンズL1の両面と、正メニスカスレンズL7の両面と、正メニスカスレンズL8の両面との合計6面に用いている。
実施例5のインナーフォーカスレンズ系は、図5に示すように、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、明るさ絞りSと、正の屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
無限遠物体から近距離物体への合焦動作に際して、第1レンズ群G1は静止し、明るさ絞りSは静止し、第2レンズ群G2は物体側へ移動する。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹負レンズL2と、両凸正レンズL3と、両凸正レンズL4と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL5とから構成されている。ここで、両凹負レンズL2と両凸正レンズL3とが接合され、両凸正レンズL4と負メニスカスレンズL5とが接合されている。
第2レンズ群G2は、両凹負レンズL6と、両凸正レンズL7と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8から構成されている。
非球面は、負メニスカスレンズL1の両面と、両凸正レンズL7の両面と、正メニスカスレンズL8の両面との合計6面に用いている。
以下に、上記各実施例の数値データを示す。記号は上記の外、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、ndは各レンズのd線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数である。また、焦点距離は全系の焦点距離、FNO.はFナンバー、ωは半画角、f1、f2…は各レンズ群の焦点距離である。なお、全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。バックフォーカスは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算したものである。
また、合焦状態については、無限遠時は無限遠物体に合焦した時、倍率−1/30倍時は、倍率が−1/30倍となるときの物体に合焦した時、物像間距離250mm時は、物像間距離が250mmとなるときの物体に合焦した時のことを表している。なお、近距離物体へ合焦した状態としては、例えば、物像間距離250mm時の状態がある。
また、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
x=(y2/R)/[1+{1−(K+1)(y/R)21/2
+A4y4 +A6y6+A8y8+A10y10 +A12y12
ただし、Rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12はそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。また、非球面係数において、「e−n」(nは整数)は、「10-n 」を示している。
数値実施例1
単位mm

面テ゛ータ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 78.023 1.200 1.58313 59.38
2* 12.292 5.003
3 -18.812 1.100 1.53172 48.84
4 58.171 2.930 1.91082 35.25
5 -43.861 0.180
6 24.158 5.129 1.81600 46.62
7 -14.317 1.000 1.74077 27.79
8 -38.509 1.980
9(絞り)∞ 可変
10 -12.438 0.800 1.75211 25.05
11 213.210 0.982
12* -22.884 1.946 1.53071 55.69
13* -22.293 0.180
14* 21.690 5.867 1.74320 49.34
15* -13.755 可変
16 -35.647 1.100 1.78472 25.68
17 -133.991 10.773
18 ∞ 4.082 1.51633 64.14
19 ∞ 0.745
像面(撮像面)∞

非球面データ
第1面
K=10.2000
A4=-2.1010e-05, A6=-3.8353e-08,A8=-5.9837e-10,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第2面
K=-0.7352
A4= 5.2811e-05, A6= 2.2610e-07,A8= 3.1098e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第12面
K= 7.9739
A4= 4.3114e-04, A6=-1.4535e-05,A8= 3.3449e-07,A10=-3.1459e-09,A12= 0.0000e+00
第13面
K= 1.8512
A4=-7.5849e-06, A6=-4.3260e-06,A8= 1.6146e-07,A10=-1.9473e-09,A12= 0.0000e+00
第14面
K=-9.0536
A4=-1.6030e-04, A6= 3.6904e-06,A8=-3.3598e-08,A10= 1.2306e-10,A12= 0.0000e+00
第15面
K=-1.3862
A4= 4.6338e-07, A6=-5.9155e-07,A8= 1.2569E-08,A10=-4.7985e-11,A12= 0.0000e+00

合焦状態
無限遠時 倍率-1/30倍時 物像間距離250mm時
d9 6.1845 5.6476 4.8998
d15 2.3539 2.8908 3.6386

各種データ
焦点距離 17.27
FNO. 1.716
半画角ω 34.47
像高 10.82
全長(in air) 52.15
射出瞳位置EXP -45.28

各群焦点距離
f1 f2 f3
24.56 19.98 -62.20
数値実施例2
単位mm

面テ゛ータ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 672.764 1.200 1.58313 59.38
2* 16.711 4.714
3 -12.947 1.100 1.54814 45.79
4 -432.247 4.334 1.91082 35.25
5 -21.509 0.186
6 24.129 4.649 1.81600 46.62
7 -18.446 1.000 1.75211 25.05
8 -78.574 1.800
9(絞り)∞ 可変
10 -12.323 0.800 1.69895 30.13
11 28.592 0.189
12* 28.656 3.102 1.58313 59.38
13* -31.177 0.191
14* 65.852 4.544 1.74320 49.34
15* -13.653 可変
16 -41.556 1.100 1.59270 35.31
17 -128.726 10.777
18 ∞ 4.082 1.51633 64.14
19 ∞ 0.745
像面(撮像面)∞

非球面データ
第1面
K= 8.8093
A4= 1.8357e-06, A6=-1.1413e-07,A8= 7.5561e-10,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第2面
K= 1.5404
A4=-2.0055e-05, A6=-3.9708e-07,A8= 1.2835e-10,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第12面
K=-0.3143
A4=-3.3034e-06, A6= 1.0907e-07,A8= 4.3753e-09,A10=-9.3945e-11,A12= 0.0000e+00
第13面
K= 5.3634
A4=-2.4805e-05, A6= 1.6341e-06,A8= 6.4643e-09,A10=-2.7691e-10,A12= 0.0000e+00
第14面
K=-1.2397
A4=-7.8775e-05, A6= 1.2639e-06,A8=-8.1684e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第15面
K=-0.4603
A4= 3.1115e-05, A6=-3.5940e-07,A8= 4.6142e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00

合焦状態
無限遠時 倍率-1/30倍時 物像間距離250mm時
d9 7.2228 6.5331 5.5776
d15 1.9178 2.6075 3.5630

各種データ
焦点距離 17.31
FNO. 1.716
半画角ω 35.21
像高 10.82
全長(in air) 52.26
射出瞳位置EXP -46.03

各群焦点距離
f1 f2 f3
24.46 24.07 -104.03
数値実施例3
単位mm

面テ゛ータ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 670.392 1.200 1.58313 59.38
2* 14.739 4.985
3 -13.171 1.100 1.56732 42.82
4 701.582 3.031 1.91082 35.25
5 -21.642 0.187
6 22.931 4.752 1.81600 46.62
7 -19.343 1.000 1.75211 25.05
8 -67.331 1.782
9(絞り)∞ 可変
10 -12.518 0.800 1.68893 31.07
11 19.337 3.286 1.58313 59.38
12* -35.600 0.239
13* 48.560 5.252 1.74320 49.34
14* -13.158 可変
15 -44.201 1.100 1.59270 35.31
16 -717.676 10.832
17 ∞ 4.082 1.51633 64.14
18 ∞ 0.745
像面(撮像面)∞

非球面データ
第1面
K=10.0016
A4= 9.8615e-06, A6=-2.3574e-07,A8= 1.1769e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第2面
K= 1.1120
A4=-2.1754e-05, A6=-4.8981e-07,A8=-1.9711e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第12面
K= 4.5711
A4=-2.1910e-05, A6= 1.9461e-06,A8= 6.5052e-09,A10=-1.7209e-10,A12= 0.0000e+00
第13面
K=-10.0646
A4=-8.4836e-05, A6= 1.2594e-06,A8=-5.7141e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第14面
K=-0.4054
A4= 2.8349E-05, A6=-4.6349E-07,A8= 3.2328e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00

合焦状態
無限遠時 倍率-1/30倍時 物像間距離250mm時
d9 7.1972 6.6121 5.7877
d14 2.0857 2.6708 3.4951

各種データ
焦点距離 17.30
FNO. 1.716
半画角ω 34.61
像高 10.82
全長(in air) 52.27
射出瞳位置EXP -47.32

各群焦点距離
f1 f2 f3
25.82 21.87 -79.52
数値実施例4
単位mm

面テ゛ータ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 95.024 1.200 1.58313 59.38
2* 13.513 5.068
3 -71.965 1.200 1.48749 70.23
4 21.803 7.006 1.81600 46.62
5 -33.442 0.100
6 14.535 4.862 1.88300 40.76
7 -177.157 1.000 1.75211 25.05
8 12.147 3.440
9(絞り) ∞ 可変
10 -8.735 0.800 1.80810 22.76
11 -15.311 0.100
12* -290.634 4.451 1.69350 53.21
13* -10.555 可変
14* 30.203 1.980 1.69350 53.21
15* 52.211 10.247
16 ∞ 4.082 1.51633 64.14
17 ∞ 0.745
像面(撮像面)∞

非球面データ
第1面
K= 0.0000
A4=-5.2502e-05, A6= 2.7523e-07,A8=-1.4442e-09,A10= 3.1965e-12,A12= 0.0000e+00
第2面
K= 0.0000
A4=-5.8074e-05, A6= 1.0050e-07,A8=-1.4253e-09,A10=-4.3917e-12,A12= 0.0000e+00
第12面
K= 0.0000
A4=-1.2958e-05, A6=-2.1446e-07,A8= 4.8507e-09,A10=-5.1657e-11,A12= 0.0000e+00
第13面
K= 0.0000
A4= 9.8165e-05, A6=-7.0310e-08,A8= 8.0196e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第14面
K= 0.0000
A4=-6.9535e-05, A6=-3.9837e-07,A8= 2.1679e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第15面
K= 0.0000
A4=-9.7490e-05, A6=-2.4776e-07,A8= 1.5980e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00

合焦状態
無限遠時 倍率-1/30倍時 物像間距離250mm時
d9 7.3155 6.2141 4.4824
d13 0.9417 2.0430 3.7747

各種データ
焦点距離 18.26
FNO. 1.75
半画角ω 31.59
像高 10.82
全長(in air) 53.15
射出瞳位置EXP -44.29

各群焦点距離
f1 f2 f3
45.84 28.17 99.65
数値実施例5
単位mm
面テ゛ータ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 142.191 1.200 1.58313 59.38
2* 15.032 5.733
3 -15.778 1.100 1.56732 42.82
4 58.325 3.994 1.91082 35.25
5 -25.921 0.184
6 24.363 5.011 1.81600 46.62
7 -21.082 1.000 1.75211 25.05
8 -159.512 1.941
9(絞り) ∞ 可変
10 -10.169 0.800 1.72825 28.46
11 102.914 0.175
12* 36.885 5.590 1.69350 53.21
13* -10.274 0.177
14* 19.178 1.475 1.74320 49.34
15* 24.283 可変
16 ∞ 4.082 1.51633 64.14
17 ∞ 0.745
像面(撮像面)∞

非球面データ
第1面
K=10.0030
A4=-1.6787e-05, A6= 4.5076e-08,A8=-1.5736e-10,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第2面
K= 0.4209
A4=-2.4817e-05, A6=-1.5085e-07,A8= 2.2831e-10,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第12面
K= 6.7117
A4= 2.0816e-06, A6=-7.3508e-07,A8=-3.8039e-10,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第13面
K=-0.3163
A4= 5.9359e-05, A6= 5.8371e-07,A8=-9.8457e-09,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第14面
K=-8.4854
A4=-6.6200e-05, A6= 1.6437e-06,A8=-2.1208e-08,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00
第15面
K=-9.6526
A4=-1.4229e-04, A6= 2.7594e-06,A8=-2.4235e-08,A10= 0.0000e+00,A12= 0.0000e+00

合焦状態
無限遠時 倍率-1/30倍時 物像間距離250mm時
d9 7.9116 7.0837 6.0134
d15 12.4816 13.3094 14.3797

各種データ
焦点距離 16.51
FNO. 1.716
半画角ω 35.49
像高 10.82
全長(in air) 52.21
射出瞳位置EXP -48.88

各群焦点距離
f1 f2
27.79 27.33
以上の実施例1〜5の収差図をそれぞれ図6〜図10に示す。
これらの収差図において、(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、無限遠時における球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
また、(e)、(f)、(g)、(h)は、それぞれ、倍率−1/30倍時における球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
また、(i)、(j)、(k)、(l)は、それぞれ、物像間距離250mm時における球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
球面収差と倍率色収差は、587.56nm(d線:実線)、435.84nm(g線:二点鎖線)、486.13nm(F線:一点鎖線)、656.27nm(C線:点線)の各波長における数値を示している。また非点収差は,実線がサジタル像面、点線がメリジオナル像面を示している。また各図中、“FNO”はFナンバー、“IH”は最大像高を示しており,横軸の単位は、歪曲収差のみパーセント(%)、それ以外はmmである。
各実施例における各条件式対応値を以下に示す。
条件式 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
(1) 1.16 1.39 1.26 1.54 1.65
(2) 0.38 0.38 0.37 0.41 0.34
(3) 0.27 0.27 0.24 0.14 0.27
(4) 0.21 0.21 0.19 0.05 0.20
(5) 3.02 3.02 3.02 2.91 3.16
(6) 0.59 0.64 0.57 0.77 0.67
(7) 1.60 1.37 1.46 0.75 ──
(8) 1.60 1.37 1.46 0.75 ──
図11は、電子撮像装置としての一眼ミラーレスカメラの断面図である。図11において、1は一眼ミラーレスカメラ、2は鏡筒内に配置された撮影レンズ系、3は撮影レンズ系2を一眼ミラーレスカメラ1に着脱可能とする鏡筒のマウント部である。マウント部3としては、スクリュータイプのマウントやバヨネットタイプのマウント等が用いられる。
この例では、バヨネットタイプのマウントを用いている。また、4は撮像素子面、5はバックモニタである。なお、撮像素子としては、小型のCCD又はCMOS等が用いられている。
そして、一眼ミラーレスカメラ1の撮影レンズ系2として、例えば上記実施例1〜5に示した本発明のインナーフォーカスレンズ系が用いられる。
図12、図13は、本発明に係る撮像装置の構成の概念図を示す。図12は撮像装置としてのデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図13は同後方斜視図である。このデジタルカメラ40の撮影光学系41に、本発明のインナーフォーカスレンズ系が用いられている。
この実施形態のデジタルカメラ40は、撮影用光路42上に位置する撮影光学系41、シャッターボタン45、液晶表示モニター47等を含み、デジタルカメラ40の上部に配置されたシャッターボタン45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1のインナーフォーカスレンズ系を通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、結像面近傍に設けられた撮像素子(光電変換面)上に形成される。
この撮像素子で受光された物体像は、処理手段によって電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、撮影された電子画像は記録手段に記録することができる。
図14は、デジタルカメラ40の主要部の内部回路を示すブロック図である。なお、以下の説明では、前述した処理手段は、例えばCDS/ADC部24、一時記憶メモリ17、画像処理部18等で構成され、記憶手段は、記憶媒体部19等で構成される。
図14に示すように、デジタルカメラ40は、操作部12と、この操作部12に接続された制御部13と、この制御部13の制御信号出力ポートにバス14及び15を介して接続された撮像駆動回路16並びに一時記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21を備えている。
上記の一時記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21は、バス22を介して相互にデータの入力、出力が可能とされている。また、撮像駆動回路16には、CCD49とCDS/ADC部24が接続されている。
操作部12は、各種の入力ボタンやスイッチを備え、これらを介して外部(カメラ使用者)から入力されるイベント情報を制御部に通知する。制御部13は、例えばCPUなどからなる中央演算処理装置であって、不図示のプログラムメモリを内蔵し、プログラムメモリに格納されているプログラムにしたがって、デジタルカメラ40全体を制御する。
CCD49は、撮像駆動回路16により駆動制御され、撮像光学系41を介して形成された物体像の画素ごとの光量を電気信号に変換し、CDS/ADC部24に出力する撮像素子である。
CDS/ADC部24は、CCD49から入力する電気信号を増幅し、かつ、アナログ/デジタル変換を行って、この増幅とデジタル変換を行っただけの映像生データ(ベイヤーデータ、以下RAWデータという。)を一時記憶メモリ17に出力する回路である。
一時記憶メモリ17は、例えばSDRAM等からなるバッファであり、CDS/ADC部24から出力されるRAWデータを一時的に記憶するメモリ装置である。画像処理部18は、一時記憶メモリ17に記憶されたRAWデータ又は記憶媒体部19に記憶されているRAWデータを読み出して、制御部13にて指定された画質パラメータに基づいて歪曲収差補正を含む各種画像処理を電気的に行う回路である。
記憶媒体部19は、例えばフラッシュメモリ等からなるカード型又はスティック型の記録媒体を着脱自在に装着して、これらのフラッシュメモリに、一時記憶メモリ17から転送されるRAWデータや画像処理部18で画像処理された画像データを記録して保持する。
表示部20は、液晶表示モニター47などにて構成され、撮影したRAWデータ、画像データや操作メニューなどを表示する。設定情報記憶メモリ部21には、予め各種の画質パラメータが格納されているROM部と、操作部12の入力操作によってROM部から読み出された画質パラメータを記憶するRAM部が備えられている。
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41として本発明のインナーフォーカスレンズ系を採用することで、広画角、小型でありながら、画質を劣化させずに高解像の画像を得るのに有利な撮像装置とすることが可能となる。
以上のように、本発明に係るインナーフォーカスレンズ系及び撮像装置は、明るさや画角を十分に確保した良好な画像、特に動画を得る場合に有用である。
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
S…明るさ絞り
C…平行平板
I…像面
1…一眼ミラーレスカメラ
2…撮影レンズ系
3…鏡筒のマウント部
4…撮像素子面
5…バックモニタ
12…操作部
13…制御部
14、15…バス
16…撮像駆動回路
17…一時記憶メモリ
18…画像処理部
19…記憶媒体部
20…表示部
21…設定情報記憶メモリ部
22…バス
24…CDS/ADC部
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
45…シャッターボタン
47…液晶表示モニター
49…CCD

Claims (17)

  1. 物体側から像側に順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群、
    明るさ絞り、
    正の屈折力を有する第2レンズ群、
    を有し、
    光路中にて物体側面と像側面の2つの面のみが空気と接するレンズブロックをレンズ成分とするとき、
    前記第1レンズ群は、物体側から像側に順に、負屈折力の第1レンズ成分、正屈折力の第2レンズ成分、正屈折力の第3レンズ成分を有し、
    前記第2レンズ成分が負レンズと正レンズを接合した接合レンズ成分であり、前記第2レンズ成分の前記負レンズの屈折率が前記第2レンズ成分の前記正レンズの屈折率よりも低く、
    前記第1レンズ群の位置と前記明るさ絞りの位置を固定した状態で前記第2レンズ群を一体で物体側に移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦動作を行い、
    前記第2レンズ群は、物体側から像側に順に、負屈折力の第4レンズ成分、正屈折力の第5レンズ成分を有し、
    以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とするインナーフォーカスレンズ系。
    1.0 ≦ f2/f ≦ 1.7 (1)
    |f/EXP| ≦ 0.43 (2)
    但し、
    fは、無限遠物体合焦時の前記結像レンズ系全系の焦点距離、
    f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、
    EXPは、無限遠物体合焦時の前記結像レンズ系の射出瞳位置から近軸像面までの光軸上の距離であり、射出瞳が近軸像面より物体側にある場合の符号をマイナスと定義する。
  2. Fナンバーが2以下であり、半画角が30°以上であることを特徴とする請求項1に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  3. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のインナーフォーカスレンズ系。
    2 ≦ TL/f ≦ 4 (5)
    但し、
    TLは、前記インナーフォーカスレンズ系の最物体側のレンズ面から近軸像面までの光軸上の距離、
    fは、無限遠物体合焦時の前記インナーフォーカスレンズ系の全系の焦点距離、
    である。
  4. 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
    0.3 ≦ CSD1/f ≦ 1.0 (6)
    但し、
    CSD1は、前記第1レンズ群を構成する全ての接合レンズ成分の光軸上における厚さの総和、
    fは、無限遠物体合焦時の前記インナーフォーカスレンズ系の全系の焦点距離、
    である。
  5. 前記第3レンズ成分が正レンズと負レンズを接合した接合レンズ成分であり、前記第3レンズ群の前記正レンズの分散が前記第3レンズ成分の前記負レンズの分散よりも低いことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  6. 前記第1レンズ群における前記第2レンズ成分と前記第3レンズ成分がともに接合レンズ成分であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  7. 前記第1レンズ群が少なくとも1面の非球面を有することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  8. 前記第2レンズ群を構成するレンズ枚数が3枚以下であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  9. 前記第2レンズ群が少なくとも3面の非球面を有することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  10. 前記第2レンズ群の像側に負の屈折力を有する第3レンズ群が配置され、
    以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
    1.01 < f23/f2 ≦ 2.0 (7)
    但し、
    f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、
    f23は、無限遠物体合焦時の前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との合成焦点距離
    である。
  11. 1枚の負レンズからなる第3レンズ群が前記第2レンズ群の像側に配置され、前記第3レンズ群が、無限遠物体から近距離物体への合焦動作の際に位置が固定であることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  12. 前記第2レンズ群を構成するレンズ枚数が2枚であることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  13. 前記第2レンズ群が少なくとも2面の非球面を有することを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  14. 前記第2レンズ群の像側に正の屈折率をもつ第3レンズ群が配置され、
    以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1に記載のインナーフォーカスレンズ系。
    0.5 ≦ f23/f2 < 1.0 (8)
    但し、
    f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、
    f23は、無限遠物体合焦時の前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との合成焦点距離
    である。
  15. 前記第2レンズ群の像側に少なくとも1面の非球面を有する1枚の正レンズからなる第3レンズ群が配置され、
    前記第3レンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦動作の際に位置が固定であることを特徴とする請求項1又は14に記載のインナーフォーカスレンズ系。
  16. 無限遠物体合焦状態にて以下の条件式(3)、(4)を満足することを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系。
    |(100×(y1’−y1)/y1)| < 0.30 (3)
    |(100×(y0.7’−y0.7)/y0.7)| < 0.30 (4)
    但し、
    y1は、撮像面上での最大像高、
    y0.7は、前記最大像高y1の0.7倍、
    y1’は、無限遠の物体に対して前記第2レンズ群を移動させて無限遠合焦時の像面から△sのデフォーカス量が生じたときの、無限遠合焦時に前記y1の像高に至る撮影画角と同じ画角の主光線が前記撮像面と交わる位置の光線高、
    y0.7’は、無限遠の物体に対して前記第2レンズ群を移動させて無限遠合焦時の像面から△sのデフォーカス量が生じたときの、無限遠合焦時に前記y0.7の像高に至る撮影画角と同じ画角の主光線が前記撮像面と交わる位置の光線高、
    △sは、8*最大像高y1/1000、
    であり、y1、y0.7、y1’、y0.7’、△sの単位は何れもmmである。
  17. 請求項1から16の何れか1項に記載のインナーフォーカスレンズ系と、前記インナーフォーカスレンズ系により形成された像を電気信号に変換する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
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