JP5846793B2 - 複合材料及び電磁アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電磁弁やその他電磁アクチュエータ等の磁気回路部分を構成する部品に適用され、強磁性鋼材の非磁性部を有する複合材料、その製造方法、及び、該複合材料を用いた電磁アクチュエータに関するものである。
例えば、電磁弁等の磁気回路部分を構成する部品の中には、磁束が通る経路(磁路)を効率よく設計することで、不要な箇所への磁束の集中を避ける一方で、所望の箇所へは磁束を集中させるような用途に用いられる場合があり、かかる場合には、磁性部分と非磁性部分とを部分ごとに適正位置に配置した構成にすることが望ましい。
さらに、その磁気回路を構成する部品が、例えば油、空気、水等の制御流体を外部と遮断する必要のある箇所に用いられる場合には、気密性が要求されるため、例えば、強磁性部材である炭素鋼製の磁性鋼材と、非磁性材料であるオーステナイト系ステンレス鋼製の非磁性鋼材を別個に製作し、これら別個の鋼材を、ろう付けや溶接等によって適宜接合して一つの部品として一体化することが行なわれている。
一方、これらの異種材料を接合する代わりに、単一材料である強磁性鋼材に非磁性部を部分的に形成した各種複合材料が広く開発されている。
強磁性鋼材に非磁性部を形成するための手段としては、例えば特許文献1では、磁性材にニッケル等のオーステナイト生成元素を溶融添加し、当該部分の磁気特性を変化させる方法が開示されている。また、特許文献2では、加工誘起マルテンサイトを用いることで磁性部を形成し、その加工によりマルテンサイト化した部材の特定部を加熱溶体化することで非磁性にする方法が開示されている。
これらの方法によれば、強磁性部と非磁性部を併せ持つ一体に形成された部品を用いることができるために、気密性の確保ができ信頼性に優れた製品を製造できる。
しかしながら、特許文献1のように、磁性材への溶融添加の場合には、一部分のみを効率的に改質できるが、溶融させるために処理部の変形を避けることは困難で、仕上げ処理するための加工工程がさらに必要になるという欠点を有している。加えて、オーステナイト生成元素として高価なNi等を用いることは、材料コストの高騰を招くため好ましくない。
また、特許文献2のように、加工誘起マルテンサイトを主体とする部材では、十分な磁気特性が得られず、例えばアクチュエータとしての応答性が要求される用途での磁束の立ち上がり特性の不足や不十分な磁束密度により、有効な磁気回路を形成できないという問題がある。加えて、吸引力が要求される用途では、吸引力はその吸引力が必要とされる個所を構成する材料の磁束密度の二乗に比例するために、高磁界での磁束密度の不足により十分な特性を得られないという問題があった。
強磁性鋼材に非磁性部を形成するための他の手段としては、例えば特許文献3〜5に開示されているように、強磁性鋼材に浸炭処理を施すことにより、非磁性部を形成する方法が挙げられる。しかしながら、特許文献3〜5に記載された方法はいずれも、強磁性鋼材の基本組成について示されてなく、また、かかる強磁性鋼材が非磁性部になるときの炭素含有量の具体的な記載もなく、かかる構成では、非磁性部の最大透磁率を、強磁性材料の最大透磁率に対する比にして、所望の値以下(具体的には10分の1以下)にまで安定して低下させることは難しい。
上記課題を解決すべく、特許文献6では、強磁性鋼材の少なくとも表層にCを富化して、C:0.5質量%以上含有した非磁性部を形成し、該非磁性部の最大透磁率が、前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1以下であることを特徴とする複合材料が開示されている。この複合材料を用いれば、非磁性部の最大透磁率を、強磁性材料の最大透磁率に対する比にして、所望の値以下(具体的には10分の1以下)にまで安定して低下させることが可能となる。
特開平6−74124号公報 特開平7−11397号公報 特開2003−278622号公報 特開2004−76640号公報 特開2001−329928号公報 特許第4094583号公報
しかしながら、特許文献6の複合材料については、非磁性部の最大透磁率の低減については要求を満足するものの、実際の製品に用いることを想定すると、耐食性のさらなる向上が望まれていた。
本発明の目的は、軟磁気特性に優れた組織主体からなるCr含有鋼材の組成成分の適正化を図るとともに、該Cr含有鋼材に形成した非磁性部の成分について適正化を図ることで、その最大透磁率が強磁性材料の最大透磁率に対する比にして、所望の値以下(具体的には10分の1以下)にまで低下させるとともに、耐食性に優れた非磁性部を有する複合材料及び該複合材料を用いた電磁アクチュエータを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、室温ではフェライト相主体の組織からなり、かつ高温ではオーステナイト相に変態可能な成分系をもつCr含有鋼において、オーステナイト相への窒素原子の拡散処理を行うことで、前記Cr含有鋼中に、Nが固溶富化された非磁性部を形成することが可能となり、この非磁性部は、その最大透磁率が強磁性材料の最大透磁率に対する比にして、所望の値以下(具体的には10分の1以下)にまで低下されるとともに、耐食性に優れることを見出し、これによって、非磁性部を有する強磁性鋼材の開発に成功し、本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.3%以下、Si:0.04〜3.0%Mn:0.1〜2.2%Cr:10〜26.5%N:0.02%以下及びNi:3.0%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる、強磁性鋼材の少なくとも一部に、Nを固溶富化してN:0.5質量%以上を含有する非磁性部を形成し、該非磁性部の最大透磁率が前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1以下であることを特徴とする複合材料。
(2)前記強磁性鋼材は、さらにCu:1.1質量%以下Mo:2.3%以下、Al:3.0質量%以下及びTi:2.0質量%以下から選択される1種以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の複合材料。
(3)前記強磁性鋼材は快削化元素として、Tiを2.0質量%以下含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の複合材料。

(4)前記強磁性鋼材を、非磁性部と、該非磁性部以外の部分である強磁性部とに分けるとき、前記強磁性部は、磁束密度B25が0.5T以上であり、鋼組織が、フェライト相を主体とする組織であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の複合材料。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の複合材料を用いることを特徴とする電磁アクチュエータ。
(6)前記電磁アクチュエータが、ソレノイド又は電磁弁であることを特徴とする上記(5)に記載の複合材料を用いることを特徴とする電磁アクチュエータ。
本発明によれば、最大透磁率が強磁性材料の最大透磁率に対する比にして、所望の値以下(具体的には10分の1以下)にまで低下されるとともに、耐食性に優れた非磁性部を有する複合材料及び該複合材料を用いた電磁アクチュエータを提供することが可能となる。
具体的には、下記(i)〜(v)に示すような効果がある。
(i)強磁性部の軟磁気特性が優れているために、アクチュエータ用途での磁気回路部品の応答性を向上することができる。
(ii)非磁性部を表層部に形成できるために、磁束を中心部に集中させるといったアクチュエータ用途での磁束の効率的な利用ができる。
(iii)同様に非磁性部を表層部に形成できるために、別工程での表面処理を不要にすることができる。
(iv)強磁性部の軟磁気特性が優れているために、センサ用途での磁気回路の感度を向上することができる。
(v)非磁性部の耐食性が高いため、製品の長寿命化に寄与できる。
(vi)強磁性部の軟磁気特性が優れているため、小型化できる。
(vii)一体物として作るため、気密性の信頼性が高い。
(viii)製法の条件により、適宜非磁性の度合を変化できる。
強磁性鋼材の表層にNを富化して、N:0.5質量%以上含有した層を形成したときの複合材料の断面を金属顕微鏡で撮影したときの写真である。 本発明例であるNo.5のサンプル、及び、強磁性部に炭素を固溶富化したこと以外はNo.5と同じ条件である複合材料のサンプルについて、塩水噴霧試験を行った後の状態を示した写真である。
[複合材料]
本発明にかかる複合材料は、軟磁気特性に優れた強磁性部と非磁性部を合わせ持つことのできる複合材料を単一部材で構成したものである。
そして、質量%で、C:0.3%以下、Si:0.04〜3.0%、Mn:0.1〜2.2%、Cr:10〜26.5%、N:0.02%以下及びNi:3.0%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる、強磁性鋼材の少なくとも一部に、Nを固溶富化した非磁性部を形成し、該非磁性部の最大透磁率が前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1以下であることを特徴とする。
(強磁性鋼材)
まず、本発明において、強磁性鋼材(非磁性部は除く。)の鋼組成成分を限定した理由について以下で述べる。なお、後述する「%」については、特段の説明がない限り、「質量%」を意味する。
C:0.3%以下
Cは、鋼材の強磁性特性を劣化させる元素であり、C含有量が0.3%を超えると、通常の焼鈍ではB25で0.5T以上の磁気特性が得られ難くなる。また、組織中のC量が多くなるとNの拡散を妨げる効果がある。このため、C含有量は0.3%以下とし、より好ましくは、0.15%以下とする。また、Cは、Fe−Cr−C系での高温でのオーステナイト相の存在する領域を拡張するオーステナイト形成元素であり、かかるオーステナイト形成元素の添加によって、室温でもオーステナイト相を主体とする組織を保持するのが容易になり、これは、非磁性部の形成には有効である。このため、Cをオーステナイト形成元素として添加する必要がある場合には、上記効果を奏する観点から、Cを0.005%以上含有させることが好ましい。
Si:0.04〜3.0%
Siは、鋼材の脱酸元素としての効果があるとともに、強磁性鋼材の軟磁気特性を向上するのに有効な元素である。また、Siは、鋼材の電気抵抗を大きくして、交流磁界中での用途において渦電流損失を低減する効果がある。しかしながら、Si含有量が0.04%未満では上記効果が小さく、3.0%を超えると、加工が困難になる。そのため、Si含有量は、0.04〜3.0%とし、より好ましくは0.1〜1.0%とする。
Mn:0.1〜2.2%
Mnは、脱酸元素としての効果があるとともに、Cと同様、オーステナイト形成元素である。加えて、Mnは、Sとともに化合物MnSを形成し、かかる化合物MnSが合金中に分散することで被削性を向上させる効果もある。かかる効果を発揮させるため、Mn含有量は0.1%以上とする必要がある。しかしながら、Mn含有量が2.2%を超えると、強磁性鋼材の軟磁気特性を劣化させる。そのため、Mn含有量は0.1〜2.2%とし、より好ましくは0.1〜1.0%とする。
Cr:10.0〜26.5%
Crは、フェライトを安定化させ、強磁性鋼材においては一部は炭化物となり、また一部は鋼材中に固溶して該鋼材の耐食性を向上させる効果を有する元素である。また、Crは、マルテンサイト変態開始温度を低下させ、窒素固溶させた時に安定したオーステナイト単体組織を得る為に重要な元素である。しかしながら、Cr含有量が26.5%を超えると、Nを固溶させたときに、フェライト相とオーステナイト相の2相組織になりやすく、オーステナイト相単体で組織が存在することが難しくなる結果、安定した非磁性部を形成できないおそれがある。そのため、Cr含有量は26.5%以下とする。なお、Cr含有量の下限については、Cr含有量が少なすぎると、Nの固溶富化が困難となるため、Cr含有量の下限値を10.0%とする必要がある。
N:0.02%以下
Nは、鋼材の強度や耐食性を向上させるとともに、オーステナイト形成元素である。しかしながら、0.02%を超えると、強磁性鋼材の軟磁気特性を劣化させる。そのため、含有量を0.02%以下とし、より好ましくは0.005%以下とする。
Ni:3.0%以下
Niは、鋼材の耐食性を向上させるとともに、オーステナイト形成元素である。しかしながら、Ni含有量が3.0%を超えると、強磁性鋼材の軟磁気特性を劣化させる。このため、Ni含有量は3.0%以下とし、より好ましくは1.0%以下とする。なお、Ni含有量の下限値は特に限定はしないが、窒素富化後のオーステナイト相を安定にする点から、Ni含有量の下限値は0.05%とすることがより好適である。
また、本発明では、上記鋼組成を基本組成とするものであるが、Al、Ti、Cu、Mo等の他の成分や、種々の快削化元素について、本発明の効果を害さない範囲で必要に応じて添加することができる。
Al:3.0%以下
Alは、Siと同様、脱酸元素としての効果があるとともに、強磁性鋼材の軟磁気特性を向上させ、また、鋼材の電気抵抗を大きくする効果を有する元素である。しかしながら、Al含有量が3.0%を超えると、表層に酸化物が形成しやすくなり、かかるAl酸化物の存在によって、前記窒素の富化が行い難くなるとともに、加工性も劣化する傾向がある。そのため、Al含有量は、3.0%以下とすることが望ましい。なお、Alは、Siと同様の効果を奏する元素であるものの、熱間加工性の劣化の程度がSiよりは小さいことなどを考慮して、AlとSiを複合添加する場合には、それらの合計で4.0%未満とすること(Si+Al<4.0%)が好ましい。なお、Al含有量の下限については特に限定はしないが、高い電気抵抗が要求される用途では、より高抵抗にするという点から、0.2%以上とすることがより好適である。
Ti:2.0%以下
Tiは、Alと同様、脱酸元素としての効果があるとともに、強磁性部の軟磁気特性を向上する効果がある。しかしながら、Ti含有量が2.0%を超えると、化合物を形成しないで鋼材中に固溶するTiの量が多くなり、Alと同様、表層に酸化物が形成しやすくなり、かかる酸化物の存在によって窒素を固溶させる時における窒素の富化が行い難くなる傾向がある。このため、Ti含有量は、2.0%以下とすることが望ましく、より好適には、1.0%以下とする。なお、Ti含有量の下限については特に限定はしないが、強磁性部の軟磁気特性を向上させる観点から、0.05%とすることが好ましい。
Cu:1.1%以下
Cuは、鋼材の耐食性を向上させる効果がある元素である。しかしながら、Cu含有量が1.1%を超えると、鋼材の軟磁気特性が低下するおそれがあることから、1.1%以下とする。なお、耐食性向上の点からは、前記Cu含有量の下限値は0.1%とすることが好ましい。
Mo:2.3%以下
Moは、鋼材の耐食性を向上させるとともに、結晶粒の粗大化温度を上昇させる効果がある元素である。しかしながら、Mo含有量が2.3%を超えると鋼材の軟磁気特性が低下する傾向があるため、Mo含有量は2.3%以下とする。なお、上記効果を発揮させるため、Mo含有量の下限値は0.1%とすることがより好適である。
快削化元素:合計2.5%以下
快削化元素とは、鋼材の切削性を向上させるために添加される元素である。例えば、S、P、Pb、C、Ti、Ca、Se、B、Bi等が挙げられる。快削化元素は、1種でも良いし、複数種を含んでも良い。ここで、前記快削化元素の合計含有量を2.5%以下としたのは、2.5%を超えると、鋼材中に含まれる介在物の量が多くなり、鋼材の軟磁気特性が低下する。また、鋼材の製造が難しくなるからである。
(非磁性部)
本発明による複合材料は、上述した組成をもつ強磁性鋼材の少なくとも一部に、Nを固溶富化してN:0.5質量%以上を含有する非磁性部を形成し、該非磁性部の最大透磁率が前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1以下であることを特徴とする。
なお、本発明でいう「非磁性部」とは、前記強磁性鋼材の10分の1以下の最大透磁率をもつ部分をいい、完全に非磁性である場合の他、弱い磁性を有する場合も含まれる。また、非磁性部は、強磁性鋼材の一部の厚さ全体にわたってNを富化(固溶)することによって形成する場合だけでなく、強磁性鋼材の一部の表層のみにNを富化することによって形成する場合も含まれる。また、後者の場合には、強磁性鋼材のNが富化された部分は表層だけで、残りの厚さ方向中心側は、Nが富化されない強磁性部となるが、本発明では、Nを富化した表層と、厚さ方向下側部分である強磁性部とを一体として非磁性部とする。
また、本発明において前記非磁性部中のNを富化させることを、あえて「固溶富化」と表記としたのは、前記非磁性部中のNの含有量が窒素化合物を形成した状態で、含有率が高くなるという意味ではなく、前記非磁性部のオーステナイト相に固溶することで含有量が高くなることを意味するためである。
なお、非磁性部の鋼組成については、N含有量が高いことを除いて、上記強磁性鋼材の鋼組成と実質的に同じ組成を有する。前記非磁性部中のNについては、強磁性鋼材の一部を非磁性部に変化させるのに必要な元素である。具体的には、強磁性鋼材の鋼組織がフェライト相を主体とする組織であるとき、この強磁性鋼材の一部に、Nを固溶富化させることによって、室温でもオーステナイト相を主体とする組織をもち、前記強磁性鋼材の10分の1以下の最大透磁率をもつ非磁性部を形成することができる。また、同時に前記非磁性部はオーステナイト化する事で一般的な耐食性を向上する効果がある。
ここで、前記非磁性部中のN含有量の適正範囲については、前記強磁性鋼材中のN含有量、Cr含有量によっても異なってくる。N含有量が0.5質量%より少なすぎると冷却中に組織の一部がマルテンサイト化し、安定して強磁性鋼材の10分の1以下にすることができないからである。本発明のように、強磁性鋼材中のN含有量がN:0.02質量%以下、Cr:10.0〜26.5質量%であれば、非磁性部中のN含有量を0.5質量%以上とすることで、非磁性部の最大透磁率を、安定して強磁性鋼材の10分の1以下にすることができる。
また、非磁性部中のN含有量が多すぎると、オーステナイト域で鋼中に全てのNを固溶させることができずに、磁性を持った窒化物が析出する結果、非磁性部の最大透磁率を強磁性鋼材の10分の1以下にすることが難しくなるおそれがあるため、前記非磁性部中のN含有量の上限は、2.0質量%とすることが好ましい。ただし、Crの含有量によってNの適正範囲も異なってくるため、N含有量は適宜調整することがこのましい。
また、本発明による複合材料は、非磁性部と、該非磁性部以外の部分である強磁性部とに分けるとき、前記強磁性部は、磁束密度B25が0.5T以上であり、鋼組織が、フェライト相を主体とする組織であることが好ましい。前記強磁性部の磁束密度B25が0.5T未満だと、磁気回路部品として応答性を要求される用途や、吸引力を要求される用途に適用する強磁性鋼材としては適さないからである。なお、強磁性部の磁束密度B25は、より望ましくは、0.8T以上とする。
また、前記強磁性部の鋼組織は、フェライト相を主体とする組織であることが、強磁性を確保する上で好ましい。なお、ここでいう「フェライト相を主体とする組織」には、具体的には、フェライト単相組織の他、フェライト相と、組織全体に対する面積率で最大50%の、マルテンサイト相、ベイナイト相、パーライト相等の第2相および炭化物等とが混在する複合組織の場合も含まれる。
前記非磁性部は、最大透磁率μが100以下であり、鋼組織が、オーステナイト相を主体とする組織であることが好ましい。磁気回路に用いられる強磁性鋼材の非磁性部は、必ずしも厳密な非磁性である必要がない場合が多い。すなわち、強磁性部の最大透磁率に対して十分に小さな最大透磁率μ(すなわち10分の1以下の最大透磁率)を有する非磁性部、あるいは強磁性部の磁束密度B25に対して十分に小さな磁束密度B25を有する非磁性部であれば良い場合が多い。
非磁性部の最大透磁率μが100以下の場合には、強磁性部の磁気特性を有効に発揮させることができ、磁気回路に用いるのに適しているからである。なお、非磁性部の最大透磁率μは、より望ましくは10以下である。
なお、ここでいう「オーステナイト相を主体とする組織」とは、オーステナイト単一層からなる組織の他、オーステナイト粒内および/または粒界に、微量の窒化物や、組織全体に対する面積率で最大50%のマルテンサイト相等の第2相が混在する組織も含まれる。
ここで、図1は、強磁性鋼材の表層にNを富化して、N:0.5質量%以上含有した非磁性部の層が形成されたた複合材料の断面を、金属顕微鏡で撮影した写真である。図1からわかるように、前記非磁性部の鋼組織は、オーステナイト相を主体とする組織であることがわかる。
[電磁アクチュエータ]
本発明による電磁アクチュエータは、上述した本発明による複合材料を用いることを特徴とする。
上記構成を採用することで、強磁性部の軟磁気特性が優れているために、磁気回路部品としての応答性を向上することができるとともに、磁束の効率的な利用ができる。また、前記非磁性部が複合材料の表層部に形成されているために、別工程での表面処理を不要にすることができ、さらに、非磁性部の耐食性が高いため、製品の長寿命化に寄与できる。
また、前記電磁アクチュエータの具体的な種類については、特に限定はされないが、例えば、四輪や二輪の燃料噴射装置(インジェクタ)や、油、空圧、水圧の電磁弁等が挙げられる。
[複合材料の製造方法]
次に、本発明に従う強磁性鋼材の少なくとも一部に非磁性部を有する複合材料の製造方法を限定した理由を述べる。
本発明の製造方法の主な特徴は、上記鋼組成を有する強磁性鋼材の少なくとも一部に、オーステナイト相への窒素原子の拡散処理を行うことで、Nが固溶富化された非磁性部を形成し、該非磁性部の最大透磁率が、前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1以下であるにある。
本発明で用いる強磁性鋼材は、焼鈍により良好な軟磁気特性を得ることができるものの、この強磁性鋼材の一部に、単なる加熱による溶体化処理を施しても、最大透磁率が強磁性鋼材の10分の1に低下させた非磁性部を得ることはできず、かかる非磁性部を得るには、室温でオーステナイト相を主体とする組織とする必要がある。
そこで、本発明では、強磁性鋼材を加熱してオーステナイト相とし、その一部に、オーステナイト相への窒素原子の拡散処理を施すことで、オーステナイト形成元素である窒素を富化(固溶)させたのち、冷却処理を行うことによって、前記強磁性鋼材の10分の1以下に低下させた最大透磁率をもつ非磁性部を形成することができる。
前記窒素原子の拡散処理については、前記非磁性部にNを固溶富化できる処理であれば特に限定はされないが、確実かつ比較的容易に行える点から、固相窒素吸収法であることが好ましい。前記固相窒素吸収法とは、1000℃以上の高温窒素ガス中に、前記強磁性鋼材を保持することで、前記強磁性鋼材のオーステナイト相に窒素原子を固溶拡散させる方法である。この方法は、変態点以下で材料表面に窒化物を析出させる窒化処理とは大きく異なる方法である。
前記固相窒素吸収法の処理温度については、変態温度によってことなるため、材料ごとに種々の処理温度とすることができる。例えば、Fe−25Cr合金の場合、1200℃前後で処理を行うことが好ましい。1100℃以下の場合には窒化物が析出しやすく、一方、1300℃以上の場合には、平衡窒素濃度が低下するため、フェライトが未変態で残存するおそれがあるからである。
なお、前記窒素原子の固溶を促進する点から、処理時の圧力についても材料ごとに適宜変更することが好ましい。
上述したところは、この発明の実施形態の例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
鋼素材として、表1に示す種々の組成の合金を真空溶解により溶製し、インゴットを製造した。これらのインゴットを、1100℃に加熱して、熱間鍛造と熱間圧延を行い、直径12mmの丸棒とし、これを外径10mm、内径8mmのパイプ(肉厚1mm)に加工した後、強磁性化を目的として830℃で3時間の焼鈍を施した後、150℃/hの冷却速度で冷却して、リング状の強磁性鋼材を作製した。
上記の工程により作製した強磁性鋼材の一部に対して、たて形真空加圧焼結急速冷却炉(島津メクテム(株)社製)によって、前記鋼材の1mmの厚さ全てについて窒素固溶を行い、非磁性部を形成した。窒素固溶を行った箇所及び窒素固溶を行っていない箇所のそれぞれから長さ12mmのリングを切り出した。
その後、一次巻線15回、2次巻線15回を行った後、300A/mの直流磁場を印加してB−H特性を測定し、強磁性部及び非磁性部のいずれについても、磁束密度B25、最大透磁率μの測定を行った。さらに、非磁性部についてはN含有量(質量%)の測定も行った。
(評価)
表2に示す結果から、本発明例はいずれも、非磁性部の最大透磁率が、前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1以下の値になっていることがわかる。
一方、鋼組成および窒素富化度の少なくともいずれか一つが、本発明の適正範囲外である比較例はいずれも、非磁性部の最大透磁率が、前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1よりも大きい値になっている。
さらに、本発明例であるNo.5のサンプル、及び、強磁性部に窒素でなく炭素を固溶富化したこと以外はNo.5と同じ条件である複合材料のサンプルについて、JIS Z 2371に準拠して、塩水噴霧試験を行った(5%NaCl 35℃、24時間)。試験後の各サンプルの状態を図2に示す。
図2の結果から、本発明のサンプルである複合材料(No.5)は、炭素を固溶富化したサンプルと比較すると、錆が少なく、より良好な耐食性を示すことがわかった。したがって、本発明にかかる複合材料は、炭素を富化した複合材料と比べて大きく耐食性が向上していることがわかる。
本発明によれば、最大透磁率が強磁性材料の最大透磁率に対する比にして、所望の値以下(具体的には10分の1以下)にまで低下されるとともに、耐食性に優れた非磁性部を有する複合材料及び該複合材料を用いた電磁アクチュエータを提供することが可能となる。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.3%以下、Si:0.04〜3.0%Mn:0.1〜2.2%Cr:10〜26.5%N:0.02%以下及びNi:3.0%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる、強磁性鋼材の少なくとも一部に、Nを固溶富化してN:0.5質量%以上を含有する非磁性部を形成し、該非磁性部の最大透磁率が前記強磁性鋼材の最大透磁率の10分の1以下であることを特徴とする複合材料。
  2. 前記強磁性鋼材は、さらにCu:1.1質量%以下、Mo:2.3%以下、Al:3.0質量%以下及びTi:2.0質量%以下から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
  3. 前記強磁性鋼材は快削化元素として、Tiを2.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合材料。
  4. 前記強磁性鋼材を、非磁性部と、該非磁性部以外の部分である強磁性部とに分けるとき、前記強磁性部は、磁束密度B25が0.5T以上であり、鋼組織が、フェライト相を主体とする組織であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料。
  5. 前記非磁性部は、最大透磁率が4π×10 -5 (H/m)以下であり、鋼組織が、オーステナイト相を主体とする組織である請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料を用いることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  7. 前記電磁アクチュエータが、ソレノイド又は電磁弁であることを特徴とする請求項6に記載の複合材料を用いることを特徴とする電磁アクチュエータ。
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