JP2023065295A - 半硬質磁性鋼材および半硬質磁性鋼部品 - Google Patents

半硬質磁性鋼材および半硬質磁性鋼部品 Download PDF

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Norifumi Ikeda
信吾 笠井
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Abstract

【課題】低コストであり、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を有する半硬質磁性鋼材および半硬質磁性鋼部品を提供する。【解決手段】C:0.10質量%以上1.50質量%以下、Si:0質量%超0.75質量%以下、Mn:0質量%超1.00質量%以下、P:0質量%超0.050質量%以下、S:0質量%超0.050質量%以下、Cu:0質量%超0.30質量%以下、Ni:0質量%超0.30質量%以下、Mo:0質量%超1.00質量%以下、Cr:0.50質量%以上2.00質量%以下、Al:0質量%超0.100質量%以下、およびN:0質量%超0.0100質量%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、80面積%以上の焼戻しマルテンサイト相を含み、(211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°以下である、半硬質磁性鋼材。【選択図】なし

Description

本開示は半硬質磁性鋼材および半硬質磁性鋼部品に関する。
近年、励磁時と無励磁時共に優れた磁気特性を必要とする電磁部品が増加している。該部品には、永久磁石と軟磁性材料の中間の保磁力(500~20000A/m)を有する半硬質磁性材料が使用される。
半硬質磁性材料は、素材として通常は軟磁性を示し得るところ、金属組織を制御して磁壁の移動を抑制することにより、保磁力を軟磁性材料よりも高くしている。半硬質磁性材料は、500~20000A/mの保磁力を有しつつ、母材の磁気モーメントの大きさと磁壁の移動しやすさとに依存する角形比が高いことが一般的に要望される。
特許文献1は、Niを5.0質量%以上含む半硬質磁性鋼材を開示している。特許文献2は、Cuを2.0質量%以上含む半硬質磁性鋼材を開示している。非特許文献1は、Fe-Co-V系半硬質磁性鋼材(Co含有量は例えば30質量%以上、V含有量は例えば3質量%以上)を開示している。
国際公開第2013/027665号 特開2008-274399号
木村康夫、"半硬質磁性材料の現状"、日本金属学会会報、1970年、第9巻、第11号、p.703-707
特許文献1~2および非特許文献1に開示されるような従来技術では、半硬質磁性鋼材はいずれも多量の(例えば2.0質量%以上の)Ni、Cu、Coおよび/またはV等の高価な元素を含有している。このような場合、原料コストが極めて高くなり、また、加工性が低下するおそれもある。単純に上記元素の量を減らすと、コスト低減および磁気モーメント増加は可能であるが、上記元素は磁壁の移動を抑制する上で有用な元素でもあり、従来技術においては、上記元素低減によって、磁気モーメントが増大するよりも、磁壁移動抑制効果が低減する方が、半硬質磁気特性に与える影響が大きい。すなわち、従来技術において上記元素の量を減らすと半硬質磁気特性が著しく低下し得る。そのため、特許文献1~2および非特許文献1に開示されるような従来技術では、低コストにした上で、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を有する鋼材を得るのは困難であった。
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、低コストであり、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を有する半硬質磁性鋼材および半硬質磁性鋼部品を提供することである。
本発明の態様1は、
C :0.10質量%以上1.50質量%以下、
Si:0質量%超0.75質量%以下、
Mn:0質量%超1.00質量%以下、
P :0質量%超0.050質量%以下、
S :0質量%超0.050質量%以下、
Cu:0質量%超0.30質量%以下、
Ni:0質量%超0.30質量%以下、
Mo:0質量%超1.00質量%以下、
Cr:0.50質量%以上2.00質量%以下、
Al:0質量%超0.100質量%以下、および
N :0質量%超0.0100質量%以下を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなり、
80面積%以上の焼戻しマルテンサイト相を含み、
(211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°以下である、半硬質磁性鋼材である。
本発明の態様2は、
炭化物の面積率が4.00%以上である、態様1に記載の半硬質磁性鋼材である。
本発明の態様3は、
ビッカース硬さが570以下である、態様1または2に記載の半硬質磁性鋼材である。
本発明の態様4は、
C :0.10質量%以上1.50質量%以下、
Si:0質量%超0.75質量%以下、
Mn:0質量%超1.00質量%以下、
P :0質量%超0.050質量%以下、
S :0質量%超0.050質量%以下、
Cu:0質量%超0.30質量%以下、
Ni:0質量%超0.30質量%以下、
Mo:0質量%超1.00質量%以下、
Cr:0.50質量%以上2.00質量%以下、
Al:0質量%超0.100質量%以下、および
N :0質量%超0.0100質量%以下を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなり、
80面積%以上の焼戻しマルテンサイト相を含み、
(211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°以下である、半硬質磁性鋼部品である。
本発明の態様5は、
炭化物の面積率が4.00%以上である、態様4に記載の半硬質磁性鋼部品である。
本発明の態様6は、
ビッカース硬さが570以下である、態様4または5に記載の半硬質磁性鋼部品である。
本発明の実施形態によれば、低コストであり、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を有する半硬質磁性鋼材および半硬質磁性鋼部品を提供することが可能である。
本発明者らは、低コストであり、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を有する半硬質磁性鋼材(及び半硬質磁性鋼部品)を実現するべく、様々な角度から検討した。
まず、本発明者らは、低コストを実現するために、Ni、Cu、Coおよび/またはVといった高価な元素の含有量を合計で2.0質量%未満(好ましくは1.0質量%未満)にすることを考えた。
上記成分組成の制約の中で、本発明者らは、十分な半硬質磁気特性を得るために、マルテンサイト相に着目した。マルテンサイト相のブロック(またはパケット)は、例えばフェライト相の結晶粒よりも細かくすることができ、その場合磁壁の移動が抑制され、高い半硬質磁気特性を得ることができる。さらに本発明者らは、十分な加工性を得るために、ひずみが低減された焼戻しマルテンサイト相に着目し、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を得るために、少なくとも焼戻しマルテンサイト相を所定の面積率以上にする必要があることを見出した。
さらに、本発明者らは、X線回折パターンの回折ピークの半価幅が、ひずみの導入度合いを示すことに着目した。本発明者らは、ピーク半価幅が小さいほど、鋼中のひずみが小さくなり、その結果、鋼の硬さが低下し、加工性が向上すると考えた。また、本発明者らは、ピークの半価幅が小さいほど、ひずみが小さくなり、ひずみ場による相互作用が減少するため、母相の磁気モーメントが増加し、半硬質磁気特性が向上すると考えた。
そして、本発明者らは、所定の成分組成範囲に制御し、焼戻しマルテンサイト相を所定の面積率以上にするとともに、(211)面からのX線回折ピークの半価幅を所定値以下にすることで、低コストであり、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を有する鋼材を得られることを見出した。
以下に、本発明の実施形態が規定する各要件の詳細を示す。なお、本明細書における「鋼材」と「鋼部品」の違いについて、「鋼材」とは、部品成型が施されていないものを指し、「鋼部品」とは、部品成型が施されているものを指す。例えば鋼材は、圧延及び/又は伸線の結果、円柱状、直方体状など、一方向に直線的に延在する単純形状であり得る。一方、鋼部品は、圧延及び/又は伸線に加えて、さらに鍛造、切削などの部品成型が施された結果、研削部分、曲げ部分及び/又は開口部分を有するなど、一方向に直線的に延在していない複雑な形状であり得る。
また、本明細書において、「半硬質磁性鋼材」とは、500~20000A/mの保磁力を有する鋼材を意味し「半硬質磁性鋼部品」とは、500~20000A/mの保磁力を有する鋼部品を意味する。
<1.成分組成>
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、成分組成が、C:0.10質量%以上1.50質量%以下、Si:0質量%超0.75質量%以下、Mn:0質量%超1.00質量%以下、P:0質量%超0.050質量%以下、S:0質量%超0.050質量%以下、Cu:0質量%超0.30質量%以下、Ni:0質量%超0.30質量%以下、Mo:0質量%超1.00質量%以下、Cr:0.50質量%以上2.00質量%以下、Al:0質量%超0.100質量%以下、およびN:0質量%超0.0100質量%以下を含有し、さらに、残部が鉄および不可避不純物であることが好ましい。
以下、各元素について詳述する。
(C:0.10質量%以上1.50質量%以下)
Cは、炭化物を形成し、炭化物による磁壁移動を抑制する効果(すなわち磁壁移動のピン止め効果)により、半硬質磁性特性の向上に寄与する。上記効果を有効に発揮させるため、C含有量は、0.10質量%以上とする。C含有量は、好ましくは0.15質量%以上であり、より好ましくは0.18質量%以上である。C含有量は、0.25質量%以上、0.32質量%以上、0.39質量%以上、0.46質量%以上、0.53質量%以上、または0.60質量%以上であることが、順に更に好ましい。さらにC含有量が0.25質量%以上で且つ焼入れ処理工程の高温保持温度が780~950℃であると、後述する炭化物の面積率を4.00%以上にでき(但し、焼入れ処理工程の高温保持温度が900℃以上の場合、後述するように焼戻し処理工程の高温保持温度をさらに調整する必要がある)、更なる半硬質磁気特性の向上が可能であり好ましい。
C含有量が過剰であると、焼入れ焼戻し後の硬さが増大し、加工性が低下する。そこで、C含有量は、1.50質量%以下とする。C含有量は、好ましくは1.30質量%以下であり、より好ましくは1.20質量%以下である。
(Si:0質量%超0.75質量%以下)
Siは、脱酸材として有効に作用すると共に、半硬質磁気特性の向上にも寄与する。これらの効果を有効に発揮させるため、Si含有量は0質量%超とする。Si含有量は、好ましくは0.010質量%以上であり、より好ましくは0.050質量%以上であり、更に好ましくは0.10質量%以上である。
Si含有量が過剰であると、磁気モーメントが低下し、半硬質磁気特性が低下する。また、Si含有量が過剰であると、固溶強化等により、焼入れ焼戻し後の硬さが増大し、加工性が低下する。そこで、Si含有量は、0.75質量%以下とする。Si含有量は、好ましくは0.65質量%以下であり、より好ましくは0.55質量%以下であり、更に好ましくは0.35質量%以下である。
(Mn:0質量%超1.00質量%以下)
Mnは、脱酸材として有効に作用すると共に、焼入れ性の向上に寄与する元素である。上記の効果を十分に発揮させるため、Mn含有量は0質量%超とする。Mn含有量は、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.10質量%以上であり、更に好ましくは0.20質量%以上である。
Mn含有量が過剰であると、磁気モーメントが低下し、半硬質磁気特性が低下する。また、Mn含有量が過剰であると、固溶強化等により、焼入れ焼戻し後の硬さが増大し、加工性が低下する。そのため、Mn含有量を1.00質量%以下とする。Mn含有量は、好ましくは0.95質量%以下であり、より好ましくは0.90質量%以下であり、更に好ましくは0.85質量%以下である。
(P:0質量%超0.050質量%以下)
P(リン)は、不可避不純物であり、鋼中で粒界偏析を起こして靱性に悪影響を及ぼす有害元素である。そのため、P含有量は0.050質量%以下とする。P含有量は、好ましくは0.030質量%以下であり、より好ましくは0.020質量%以下である。P含有量は、少ないほど好ましいが、0質量%超含まれ得、さらに0.001質量%以上含まれることもある。
(S:0質量%超0.050質量%以下)
S(硫黄)は、不可避不純物であり、鋼中でMnSを形成し、延性を劣化させるので、加工性に有害な元素である。そのためS含有量は0.050質量%以下とする。S含有量は、好ましくは0.030質量%以下であり、より好ましくは0.020質量%以下であり、更に好ましくは0.010質量%以下である。S含有量は、少ないほど好ましいが、0質量%超含まれ得、さらに0.001質量%以上含まれることもある。
(Cu:0質量%超0.30質量%以下、Ni:0質量%超0.30質量%以下、Mo:0質量%超1.00質量%以下)
Cu、NiおよびMoは、いずれも鋼材(又は鋼部品)の焼入れ性を向上させる元素であり、半硬質磁気特性の向上に寄与する。そのため、Cu、NiおよびMoの含有量は、それぞれ0質量%超とする。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、焼入れ焼戻し後の硬さが増大し、加工性が低下する。さらに磁気モーメントが低下し、半硬質磁気特性も低下し得るため、CuおよびNiはそれぞれ0.30質量%以下とし、Moは1.00質量%以下とする。CuおよびNiの含有量は、好ましくはそれぞれ0.25質量%以下、より好ましくはそれぞれ0.20質量%以下であり、更に好ましくはそれぞれ0.10質量%以下である。また、コストをさらに低減する観点で、Cuは0.05質量%未満であることが更により好ましい。同様に、コストをさらに低減する観点で、Niは0.05質量%未満であることが更により好ましい。Mo含有量は、好ましくは0.50質量%以下、より好ましくは0.30質量%以下であり、更に好ましくは0.30質量%未満であり、更により好ましくは0.20質量%以下である。また、コストをさらに低減する観点で、Moは0.05質量%未満であることが更により好ましい。
(Cr:0.50質量%以上2.00質量%以下)
Crは、鋼の焼入れ性を向上させるとともに、炭化物および/または窒化物を形成し、析出物による磁壁移動を抑制する効果(すなわち磁壁移動のピン止め効果)により、磁気モーメントを顕著に低下させることなく、半硬質磁性特性の向上に寄与する。これらの効果を有効に発揮させるために、Cr含有量は、0.50質量%以上とし、好ましくは0.70質量%以上であり、より好ましくは0.85質量%以上であり、更に好ましくは0.90質量%以上であり、更により好ましくは0.95質量%以上である。
Cr含有量が過剰であると、磁気モーメントが低下し、半硬質磁気特性が低下する。また、Cr含有量が過剰であると、固溶強化等により、焼入れ焼戻し後の硬さが増大し、加工性が低下する。そのため、Cr含有量は、2.00質量%以下とする。Cr含有量は、好ましくは1.75質量%以下であり、より好ましくは1.60質量%以下である。
(Al:0質量%超0.100質量%以下)
Alは脱酸材として有効に作用する元素であり、脱酸に伴って不純物を低減する効果がある。この効果を有効に発揮させるため、Al含有量は0質量%超とする。Al含有量は、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.010質量%以上である。
Al含有量が過剰であると、非金属介在物が増加し、靱性および加工性が低下する。そのため、Al含有量は、0.100質量%以下とする。Al含有量は、好ましくは0.080質量%以下であり、より好ましくは0.050質量%以下であり、更に好ましくは0.040質量%以下である。
(N:0質量%超0.0100質量%以下)
Nは、鋼に不可避的に含まれる不純物であるが、鋼中に固溶Nが多く含まれていると、ひずみ時効による硬度上昇、延性低下を招き、加工性が低下する。したがって、N含有量は、0.0100質量%以下とし、好ましくは0.0090質量%以下、より好ましくは0.0080質量%以下、更に好ましくは0.0070質量%以下である。
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、上記の成分組成を含み、本発明の1つの実施形態では、残部は鉄および不可避不純物であることが好ましい。不可避不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる微量元素(例えば、As、Sb、Snなど)の混入が許容される。なお、例えば、P、SおよびNのように、通常、含有量が少ないほど好ましく、従って不可避不純物であるが、その組成範囲について上記のように別途規定している元素がある。このため、本明細書において、「不可避不純物」という場合は、別途その組成範囲が規定されている元素を除いた概念である。
<2.金属組織>
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、80面積%以上の焼戻しマルテンサイト相を含み、(211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°以下である。なお、本明細書における「焼戻しマルテンサイト相」とは、一般的な焼戻しマルテンサイト相に加え、焼戻しベイナイト相および/またはマルテンサイト相から、C(炭素)が抜けてフェライト相に分解したものも含むものとする。
焼戻しマルテンサイト相の面積率が80面積%未満であると、加工性が低下するおそれがあり、また半硬質磁気特性が低下するおそれがある。焼戻しマルテンサイト相の面積率は、好ましくは85面積%以上、より好ましくは90面積%以上である。なお、本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)の金属組織は、焼戻しマルテンサイト以外に、残留オーステナイトを含み得る。また、本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、炭化物、硫化物、窒化物および酸化物等を含み得る。これらの金属組織および化合物(以下「金属組織等」と称することがある)に基づいて上記焼戻しマルテンサイト相の面積率を算出することが考えられる。しかし、本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)の成分組成を考慮すると、硫化物、窒化物および酸化物の合計面積率は非常に少ない(例えば、合計面積率は3%未満であり得る)と想定される。そのため、本発明の実施形態において、焼戻しマルテンサイト相の面積率の計算には、下記式(1)を用いることとする。

=100-fγ-fθ・・・(1)

上記式(1)において、fは焼戻しマルテンサイト相の面積率(%)であり、fγは残留オーステナイト層の面積率(%)であり、fθは炭化物の面積率(%)である。
上記式(1)において、fθは以下のようにして求めることができる。
半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)の断面を観察できるよう、サンプルを採取する。次にサンプルを樹脂埋めした上で、観察面に粗研磨としてエミリー研磨および仕上げ研磨としてダイヤモンドバフ研磨を施す。さらに、炭化物を溶解させるため、観察面に電界研磨(腐食液:ピクリン酸ナトリウム水溶液)を施す。そして、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて、当該観察面から、倍率5000~10000倍にて画像を取得する。画像解析ソフトを用いて、当該画像を2値化した後、黒い部分を炭化物の面積としてfθを算出する。
なお、本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、観察位置によって顕著にfθの算出結果が変わるものではない。ただし、焼入れの仕方によっては、例えば鋼表面の焼入れの程度が、他の位置の焼入れの程度と比較して変化する可能性もゼロではないため、鋼表面から、鋼内部に向かって鋼表面に垂直な方向にある程度(例えば2.0mmまたはそれ以上)離れた位置の近傍(例えば当該離れた位置を中心として1.0mmの範囲内)を観察することが好ましい。鋼内部に向かって鋼表面に垂直な方向に2.0mm以上離れた位置を測定中心とできないような小さいサンプルでは、鋼表面に垂直な方向に最も離れた位置の近傍を観察するのが好ましい。
上記式(1)において、fγは以下のようにして求めることができる。
まず、半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)の断面を測定できるよう、サンプルを採取する。次にサンプルを樹脂埋めした上で、測定面に粗研磨としてエミリー研磨および仕上げ研磨としてダイヤモンドバフ研磨を施す。そして、当該測定面から、PSPC(Position Sensitive Propotional Counter)微小部X線応力測定装置((株)リガク製)を用いてX線回折パターンを取得する。なお、測定条件としては、ターゲット:Cr、加速電圧:40kV、加速電流:40mA、コリメータ:φ1.0mm、測定時間:100秒とする。そして、下記式(2)によりfγを求める。

γ/100=Iγ/(RIα+Iγ)・・・(2)

上記式(2)において、IγはX線回折パターンにおける119°~138°に存在するピークの積分強度であり、IαはX線回折パターンにおける148~165°に存在するピークの積分強度であり、Rは回折角、回折面および物質の種類に依存する定数であり、上記装置および条件で測定する限りにおいては、R=0.36746としてよい。
なお、本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、測定位置によって顕著に上記測定結果が変わるものではない。ただし、焼入れの仕方によっては、例えば鋼表面の焼入れの程度が、他の位置の焼入れの程度と比較して変化する可能性もゼロではないため、鋼表面から、鋼内部に向かって鋼表面に垂直な方向にある程度(例えば2.0mmまたはそれ以上)離れた位置を測定中心とすることが好ましい。鋼内部に向かって鋼表面に垂直な方向に2.0mm以上離れた位置を測定中心とできないような小さいサンプルでは、鋼表面に垂直な方向に最も離れた位置を測定中心とするのが好ましい。
(211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°超であると、鋼が硬くなり加工性が低下する、および/または、母相の磁気モーメントが低下して半硬質磁気特性が低下する。当該ピーク半価幅は、好ましくは2.8°以下であり、より好ましくは2.6°以下、更に好ましくは2.4°以下、更により好ましくは2.1°以下である。ピーク半価幅の下限は、特に限定されないが、本発明の実施形態に係る成分組成および製造条件を考慮すれば、おおむね0.1°程度である。
なお、上記に関して、焼戻しマルテンサイト相などのbcc相のいずれの結晶方位を測定してもほぼ同じ傾向を示すが、本発明の実施形態では、傾向を明確に把握できるbcc相の(211)面のピーク半価幅を代表的に規定することとした。
(211)面からのX線回折ピークの半価幅は以下のように求める。
まず、半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)の断面を測定できるよう、サンプルを採取する。次に当該サンプルを樹脂埋めした上で、測定面にエミリー研磨および/またはダイヤモンドバフ研磨を施す。そして、当該測定面から、PSPC微小部X線応力測定装置((株)リガク製)を用いてX線回折パターンを取得し、148°~165°に存在するピークの半価幅を、(211)面からのX線回折ピークの半価幅とする。なお、測定条件としては、ターゲット:Cr、加速電圧:40kV、加速電流:40mA、コリメータ:φ1.0mm、測定時間:100秒とする。
なお、本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、上記測定につき、測定位置によって顕著に測定結果が変わるものではない。ただし、焼入れの仕方によっては、例えば鋼表面の焼入れの程度が、他の位置の焼入れの程度と比較して変化する可能性もゼロではないため、鋼表面から、鋼内部に向かって鋼表面に垂直な方向にある程度(例えば2.0mmまたはそれ以上)離れた位置を測定中心とすることが好ましい。鋼内部に向かって鋼表面に垂直な方向に2.0mm以上離れた位置を測定中心とできないような小さいサンプルでは、鋼表面に垂直な方向に最も離れた位置を測定中心とするのが好ましい。
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、fθが4.00%以上であることが好ましい。fθを4.00%以上とすることで、母相中のC等の固溶元素量を低減させることができ、それにより、固溶強化による硬さの増大を抑制し、加工性を向上させることができる。更に、炭化物が磁壁の移動を抑制し、半硬質磁気特性の向上に寄与し得る。fθは、好ましくは4.05%以上であり、より好ましくは4.10%以上である。一方で、靭性を維持するためには、fθは20%以下であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、fγが10.0%以下であることが好ましい。fγを10.0%以下とすることで、高い磁気モーメントを得ることができ、半硬質磁気特性が向上し得る。fγは、好ましくは8.0%以下であり、より好ましくは6.0%以下である。
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を示すことができる。具体的には、十分な加工性としてビッカース硬さ:570以下を示すことができ、十分な半硬質磁気特性として角形比(Br/B10k):0.760以上を示すことができる。好ましいビッカース硬さは470以下であり、より好ましいビッカース硬さは450以下であり、好ましい角形比(Br/B10k)は0.835以上である。なお、「Br」は残留磁束密度(単位:T)であり、「B10k」は、磁場10kA/mのときの磁束密度(単位:T)である。
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼材(又は半硬質磁性鋼部品)は、上述の成分組成を有する鋼材(又は鋼部品)に、焼入れ焼戻し処理を施すことにより製造することができる。上述の成分組成を有する鋼材は、例えば、上述の成分組成を満たすように通常の溶製法に従って溶製し、鋳造、熱間圧延、二次加工(伸線、焼鈍)を適宜実施することで得ることができる。上述の成分組成を有する鋼部品は、例えば、上述の成分組成を満たすように通常の溶製法に従って溶製し、鋳造、熱間圧延、二次加工(伸線、焼鈍)を適宜実施することに加え、鍛造、切削などの部品成型を施すことで得ることができる。なお、部品成型後に焼入れ焼戻し処理をする場合は、焼入れ処理によって金属組織等がリセットされるため、焼入れ焼戻し処理前の部品成型は、本発明の実施形態で規定する金属組織等の要件に影響を与えるものではない。本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼部品は、上述の成分組成を有する鋼部品に、焼入れ焼戻し処理を施すことにより製造してもよいし、上述の成分組成を満たすように通常の溶製法に従って溶製し、鋳造、熱間圧延、二次加工(伸線、焼鈍)を適宜実施し、焼入れ焼戻し処理を施した後に、鍛造、切削などの部品成型を施して製造してもよい。部品成型は、種々の部品の要求特性によって、適宜、所望の条件を設定すればよい。なお、80面積%以上の焼戻しマルテンサイト相を含み、(211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°以下である金属組織にするために、上述の成分組成に調整するとともに、焼入れ処理時の高温保持温度を780℃~1030℃とし、焼戻し処理工程の高温保持温度を480℃~680℃とする必要がある。なお、焼入れ処理時の高温保持温度は、780~950℃であることが好ましい。但し、焼入れ処理時の高温保持温度が900℃以上の場合、当該温度で高温保持中に、焼入れ処理前から鋼材(又は鋼部品)中に存在する炭化物の溶解が促進されるため、焼戻し処理工程の高温保持温度を550℃以上にし、焼戻し処理工程中に半硬質磁気特性の向上に寄与する炭化物を多く析出させることが好ましい。また、ビッカース硬さをより低減する観点で、焼戻し処理工程の高温保持温度は570℃以上であることがより好ましい。
焼入れ処理工程の高温保持時間および高温保持後の冷却、ならびに焼戻し処理工程の高温保持時間および高温保持後の冷却は、任意でよい。例えば、焼入れ処理工程において、高温保持時間は10~90分とし、高温保持後の冷却は油急冷としてもよく、焼戻し処理工程において、高温保持時間は30~150分とし、高温保持後の冷却は急水冷または空冷としてもよい。熱処理中の雰囲気は組織に顕著な変化を及ぼさないため、いずれの雰囲気で実施してもよい。
本発明の実施形態の目的を逸脱しない限り、例えば、焼入れ焼戻し処理後に他の工程を含んでもよい。本発明の実施形態において、焼戻し処理工程の高温保持温度未満であれば、本発明の実施形態で規定する金属組織等に顕著な影響を及ぼさないため、例えば他の工程として、480℃未満の熱処理を含んでいてもよい。また、窒化処理及び/又はメッキ処理等の表面処理をしても、鋼内部の金属組織等は変化しないため、例えば他の工程としてそれらの表面処理を含んでいてもよい。また、本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼部品の製造方法において、本発明の実施形態の規定を満足する限りにおいては、他の工程として部品成型を含んでいてもよい。
本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼部品は、適切な部品成型が施されていることにより、リレー(ラッチングリレー、フェリード)、リードスイッチ、メモリー、モーター(外部回転子、内部回転子)、電磁クラッチ(可動子、固定子)、電磁ブレーキ等の複合磁性部品(複数の部材からなり、少なくとも一部が磁性を有する部品)として好適に使用され得る。本発明の実施形態に係る半硬質磁性鋼部品を含む複合磁性部品は、十分な半硬質磁気特性を有する鋼部品を含むため、産業上有用である。
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態をより具体的に説明する。本発明の実施形態は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前述および後述する趣旨に合致し得る範囲で、適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の実施形態の技術的範囲に包含される。なお、以下の実施例では、焼入れ焼戻し処理前に鋼材(棒材)をリング状に成型した上で特性評価しており、すなわち「鋼部品」の評価結果を示すものであるが、上述したように焼入れ焼戻し処理前の部品成型の有無は当該評価結果に影響を及ぼすものではないため、「鋼材」と「鋼部品」の両方の評価結果を示すものとして位置づけられる。
表1に示す成分組成の鋼No.I~VIIIを、転炉溶製した後鋳造または実験炉で鋳造して得られた鋼片に、熱間圧延または熱間鍛伸を施し、直径40~65mmの棒材を作製した。その後、試験片の円周方向と棒材の円周方向が平行、かつ試験片の中心と棒材の中心とが一致するように外径38mm×内径30mm×厚さ4mmのリング状試験片を採取し、ラボ炉を用いて、表2に示す温度で焼入れ焼戻し処理を実施して、試験No.1~24の試験片を得た。なお、表2において、「焼入れ保持温度」および「焼戻し保持温度」欄の「-」は、焼入れおよび焼戻しを実施していないことを示す。
Figure 2023065295000001
Figure 2023065295000002
試験No.1~24の試験片につき、f、fγ、fθ、(211)面からのX線回折ピークの半価幅、保磁力、角形比およびビッカース硬さを、下記の方法によって求めた。
[fおよびfγ
リング状試験片の円周方向に垂直な断面(4mm×4mm)を測定できるよう、サンプルを採取した。次に当該サンプルを樹脂埋めした上で、測定面に粗研磨としてエミリー研磨および仕上げ研磨としてダイヤモンドバフ研磨を施した。そして、当該測定面から、PSPC微小部X線応力測定装置((株)リガク製)を用いてX線回折パターンを取得した。なお、測定条件としては、ターゲット:Cr、加速電圧:40kV、加速電流:40mA、コリメータ:φ1.0mm、測定時間:100秒、測定位置:上記測定面の中心近傍2点とした。
2点の測定位置につき、上記式(1)および(2)、ならびに後述のfθを用いて、fおよびfγを求め、2点の平均値を後述する表3に記載した。なお、上記式(2)において、R=0.36746とした。
[fθ
リング状試験片の円周方向に垂直な断面(4mm×4mm)を観察できるよう、サンプルを採取した。次にサンプルを樹脂埋めした上で、観察面に粗研磨としてエミリー研磨および仕上げ研磨としてダイヤモンドバフ研磨を施した。さらに、炭化物を溶解させるため、観察面に電界研磨(腐食液:ピクリン酸ナトリウム水溶液)を施した。そして、走査型電子顕微鏡を用いて、当該観察面の中心近傍(当該中心から1.0mmの範囲内)から、倍率:5000倍(視野面積217μm)または10000倍(視野面積108.5μm)として3視野から画像を取得した。画像解析ソフトを用いて、当該画像を2値化した後、黒い部分を炭化物の面積としてfθを算出した。
[(211)面からのX線回折ピークの半価幅]
リング状試験片の円周方向に垂直な断面(4mm×4mm)を測定できるよう、サンプルを採取した。次に当該サンプルを樹脂埋めした上で、測定面に粗研磨としてエミリー研磨または仕上げ研磨としてダイヤモンドバフ研磨を施した。そして、当該測定面から、PSPC微小部X線応力測定装置((株)リガク製)を用いてX線回折パターンを取得し、148°~165°に存在するピークの半価幅を、(211)面からのX線回折ピークの半価幅とした。なお、測定条件としては、ターゲット:Cr、加速電圧:40kV、加速電流:40mA、コリメータ:φ1.0mm、測定時間:100秒、測定位置:上記測定面の中心近傍2点とした。2点の測定位置につき、上記半価幅を求め、2点の平均値を後述する表3に記載した。
[保磁力および角形比]
リング状試験片を磁化印加用コイルと磁束検出コイルに巻き線した後、自動磁化測定装置(理研電子(株)製、直流磁気測定装置、BHS-40CD)を用い、室温および最大磁場10kA/mの条件でB-H曲線を測定し、保磁力(Hc)と、角形比(Br/B10k)とを求めた。
[ビッカース硬さ]
リング状試験片の円周方向に垂直な断面(4mm×4mm)を測定できるよう、サンプルを採取した。次に当該サンプルを樹脂埋めし、仕上げ研磨としてダイヤモンドバフ研磨した後、上記断面の中心近傍3点について荷重10kgfでビッカース硬さを測定し、その平均値を採用した。
上記測定結果を表3にまとめる。なお、表3における「半価幅」とは、「(211)面からのX線回折ピークの半価幅」を指す。
Figure 2023065295000003
表3の結果より、次のように考察できる。表3の試験No.1~9および19~24は、いずれも本発明の実施形態で規定する要件を満足しており、低コストであり、十分な加工性(ビッカース硬さ:570以下)および十分な半硬質磁気特性(角形比(Br/B10k):0.760以上)を有していた。さらに、試験No.1~4および19~24は、炭素含有量が0.25質量%以上、且つ焼入れ保持温度が780~950℃であったため、fθが4.00%以上という好ましい要件を満たし、好ましいビッカース硬さ(470以下)および好ましい角形比(Br/B10k):0.835以上を示した。さらに、試験No.1~3および19~24は、焼戻し保持温度が570~680℃であったため、より好ましいビッカース硬さ(450以下)を示した。なお、試験No.9は、炭素含有量が0.25質量%以上、且つ焼入れ保持温度が900℃で780~950℃の範囲内であるものの、焼戻し保持温度が500℃であり、焼入れ保持温度が900℃以上の場合の焼戻し保持温度が550℃未満であったため、fθが4.00%以上という好ましい要件を満たさなかった。
一方、表3の試験No.10~17は、焼戻し処理時の保持温度が480℃未満であり、(211)面からのX線回折ピークの半価幅3.1°以下という要件を満たしておらず、十分な加工性または十分な半硬質磁気特性を示さなかった。
試験No.18は、焼入れ焼戻しを実施していない例であり、半硬質磁気特性(角形比(Br/B10k))が不十分である。ただし、試験No.1~9および19~24と同様に、高温保持温度を780℃~1030℃として焼入れし、且つ高温保持温度を480℃~680℃として焼戻しすることにより、本発明の実施形態で規定する要件を満足するようになり、十分な加工性および十分な半硬質磁気特性を示すと考えられる。

Claims (6)

  1. C :0.10質量%以上1.50質量%以下、
    Si:0質量%超0.75質量%以下、
    Mn:0質量%超1.00質量%以下、
    P :0質量%超0.050質量%以下、
    S :0質量%超0.050質量%以下、
    Cu:0質量%超0.30質量%以下、
    Ni:0質量%超0.30質量%以下、
    Mo:0質量%超1.00質量%以下、
    Cr:0.50質量%以上2.00質量%以下、
    Al:0質量%超0.100質量%以下、および
    N :0質量%超0.0100質量%以下を含有し、
    残部が鉄および不可避不純物からなり、
    80面積%以上の焼戻しマルテンサイト相を含み、
    (211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°以下である、半硬質磁性鋼材。
  2. 炭化物の面積率が4.00%以上である、請求項1に記載の半硬質磁性鋼材。
  3. ビッカース硬さが570以下である、請求項1または2に記載の半硬質磁性鋼材。
  4. C :0.10質量%以上1.50質量%以下、
    Si:0質量%超0.75質量%以下、
    Mn:0質量%超1.00質量%以下、
    P :0質量%超0.050質量%以下、
    S :0質量%超0.050質量%以下、
    Cu:0質量%超0.30質量%以下、
    Ni:0質量%超0.30質量%以下、
    Mo:0質量%超1.00質量%以下、
    Cr:0.50質量%以上2.00質量%以下、
    Al:0質量%超0.100質量%以下、および
    N :0質量%超0.0100質量%以下を含有し、
    残部が鉄および不可避不純物からなり、
    80面積%以上の焼戻しマルテンサイト相を含み、
    (211)面からのX線回折ピークの半価幅が3.1°以下である、半硬質磁性鋼部品。
  5. 炭化物の面積率が4.00%以上である、請求項4に記載の半硬質磁性鋼部品。
  6. ビッカース硬さが570以下である、請求項4または5に記載の半硬質磁性鋼部品。
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