JP5846484B2 - 物品洗浄装置 - Google Patents
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Description
他方、洗浄液内に浸漬させた物品に向けて洗浄液を噴射する方式では、洗浄対象となる物品の形状や大きさの違いによって噴射ノズルからの噴流が物品に当たらないことがあり、均一で十分な物品の洗浄が行われにくい。そのため、十分な洗浄効果を得るために、洗浄槽内における物品の配置を変更したり、あるいは洗浄時間を長くする必要があった。
さらに、洗浄液を噴射する噴射ノズルの向きを変更可能にしたり、噴射ノズルを揺動可能に構成することも提案されている(特許文献1の段落0081参照)。しかしながら、そのような構成を追加すると物品洗浄装置の構成が複雑になるとともに製造コストが高くなり、しかもメンテナンスの手間が増えるという欠点があった。
上記洗浄槽内に浸漬された洗浄カゴ内の物品を挟んで相互に対向する位置に上記複数の噴射ノズルを配置し、また、上記各噴射ノズルから噴射される洗浄液の噴射圧力を調整する調整手段を設けて、
上記対向する各噴射ノズルから噴射される洗浄液を上記洗浄カゴ内の物品に直接噴射させ、かつ、上記対向する各噴射ノズルから噴射される洗浄液を相互に衝突させて、この衝突位置に洗浄液による乱流を生じさせるとともに、上記調整手段によって上記相互に対向する各噴射ノズルの洗浄液の噴射圧力を調整して上記洗浄液の衝突位置を洗浄槽内の上記相互に対向する噴射ノズル間で移動させて、撹拌された洗浄液と直接噴射された洗浄液とによって物品を洗浄するようにしたものである。
物品洗浄装置1は、枠状の固定フレーム2内に一直線上に配置された洗浄槽3、リンス槽4および防錆槽5と、上記洗浄槽3の隣接上流側に配置された供給コンベヤ6と、防錆槽5の隣接下流側に配置された排出コンベヤ7と、さらに、固定フレーム2上にその長手方向に沿って走行可能に配置されるとともに、洗浄カゴBを保持して昇降可能な走行台車11とを備えている。
洗浄カゴBにおける移動方向の前部と後部には上方へ伸びる一対の取っ手B1、B1がついており、走行台車11の一対のアーム12、12によって洗浄カゴBの取っ手B1,B1を引っ掛けて保持するようになっている。
図2ないし図3に示すように、洗浄槽3内の相互に対向する壁面3A、3Bに同じ高さで7対の噴射ノズル21が固定されている。隣り合う各噴射ノズル21は、同一間隔を維持して水平方向に向けて壁面3A,3Bに固定されている。そして、左方の壁面3Aの7個の噴射ノズル21と右方の壁面3Bの7個の噴射ノズル21とは金属部品Wを挟んで相互に対向して配置されている。また、各噴射ノズル21は、洗浄槽3内に洗浄カゴBが浸漬された際における、該洗浄カゴB内の金属部品Wと同じ高さとなる位置に設けられている。
そのため、左右各7対の噴射ノズル21から同時に洗浄液13が噴射されると、各噴射ノズル21から噴射された洗浄液13が金属部品Wに直接噴射されるとともに、対向位置となる左右各対の噴射ノズル21から噴射された洗浄液13が洗浄槽3の洗浄液13内で相互に衝突し、その衝突位置Xに乱流が生じるようになっている。
前述したように、左右各対の噴射ノズル21は相互に対向させて配置されているので、左右各7対の噴射ノズル21から洗浄液13が噴射されると、それら各対の噴射ノズル21から噴射された洗浄液13が洗浄槽3内で衝突し、該衝突位置Xで乱流が発生する(図4(a)参照)。
この図4(a)の状態においては、噴射ノズル21から噴射された洗浄液13が金属部品Wにも直接噴射されており、かつ、左右各対の噴射ノズル21から噴射された洗浄液13は上記衝突位置Xで衝突し、そこに乱流が生じている。
このように、本実施例の調整手段22によれば、左右各対の噴射ノズル21から噴射された洗浄液13が相互に衝突している衝突位置Xを、洗浄槽3内において左方の壁面3A側から右方の壁面3B側へ移動させることができる。それによって、洗浄槽3内の洗浄液13を攪拌させるようになっている。このように、洗浄槽3内の洗浄液13が攪拌されることで、洗浄カゴB内の金属部品Wが満遍なく洗浄液13により洗浄されるようになっている。
なお、上記洗浄槽3に設けたものと同様の複数の噴射ノズル21と調整手段22がリンス槽4および防錆槽5にも配置されており、これらの各調整手段22も上述した洗浄槽3用のものと同様の処理を行うようになっている。
走行台車11には、上記アーム12、12が昇降可能、かつ開閉可能に設けられている。より詳細には、各アーム12、12にわたってエアシリンダ32が取り付けられており、また、両アーム12,12は、それらの上端に連結した図示しないチェーンと昇降用のモータ33、33によって昇降可能となっている。上記エアシリンダ32および昇降用モータ33、33の作動は上記制御手段29によって制御されるようになっている。制御手段29は、エアシリンダ32を伸縮させることでアーム12,12を開閉させるとともに、昇降用モータ33、33を所要量正逆に回転させることでアーム12、12全体を昇降させるようになっている。
この状態において、走行中の供給コンベヤ6上に複数の金属部品Wを収容した洗浄カゴBが載置されると、該洗浄カゴBは供給コンベヤ6により供給位置Aへ供給されて停止する。すると、制御手段29は、走行台車11のアーム12,12を所要量下降させてから拡開させる。これにより、洗浄カゴBの取っ手B1、B1がアーム12、12によって保持される。
この後、制御手段29は、前述したようにインバータ28によって第1ポンプP1の吐出圧力を徐々に高くするとともに第2ポンプP2の吐出圧力を徐々に低下させる。そのため、前述したように左方の噴射ノズル21からの洗浄液13の噴射圧力が徐々に高くなり、それと併行して右方の噴射ノズル21の洗浄液13の噴射圧力が徐々に低くなる。したがって、上記洗浄液13の衝突位置Xは左方側から中間位置Cへさらに右方の壁面3Bに近い位置まで移動される(図4(a)〜図4(c)参照)。また、この過程においても、各噴射ノズル21からの噴射された洗浄液13は金属部品Wに噴射されている。
この後、制御手段29は、両ポンプP1、P2の作動を停止させるとともに、電磁開閉弁27,27を閉鎖させる。これにより、各噴射ノズル21からの洗浄液13の噴射が停止される。
このようにして、洗浄槽3内の攪拌された洗浄液13と直接噴射された洗浄液13とによって洗浄カゴB内の金属部品Wが洗浄されるようになっている。これにより、洗浄槽3内の洗浄液13による金属部品Wの洗浄が終了する。
この後、制御手段29は、上記洗浄槽3のものと同一構成のリンス槽4用の噴射ノズル21と調整手段22によってリンス槽内4の温水14を撹拌させる。これにより、洗浄カゴB内の金属部品Wは流動する温水14によって洗浄液3を洗い流されるようになっている。
その後、制御手段29は、走行台車11を防錆槽5の上方位置まで移動させてから停止させ、その後、制御手段29は、走行台車11のアーム12,12を所要量だけ下降させる。それにより、洗浄カゴBおよびその内部の金属部品Wが防錆槽5内の錆び止め液15内に浸漬される。次に、制御手段29は、上記洗浄槽3のものと同一構成の防錆槽5用の噴射ノズル21と調整手段22により錆び止め液15が撹拌されるので、洗浄カゴB内の金属部品Wの表面に満遍なく錆び止め液15が付着する。
この後、制御手段29は、噴射ノズル21からの錆び止め液15の噴射を停止させてから走行台車11のアーム12、12を所要量だけ上昇させる。これにより、洗浄カゴBおよびその内部に収容された金属部品Wが防錆槽5内から取り出されて、その上方に支持される。
以上のようにして、洗浄カゴB内の金属部品Wを洗浄液13で洗浄し、次に温水14ですすぎ、最後に錆び止め液15を付着させるようになっている。そして、このような洗浄工程とその後の処理がなされたら、制御手段29は、走行台車11を排出コンベヤ7上まで移動させて停止させる。その後、制御手段29は、アーム12,12を下降させてからアーム12、12の開放量を縮小させ、さらにその後でアーム12、12を上昇させる。これにより、アーム12、12による洗浄カゴBの保持状態が解放されるので、金属部品Wを収容した洗浄カゴBは排出コンベヤ7上に排出されて、該排出コンベヤ7によって図示しない下流位置へ排出されるようになっている。
また、本実施例においては、洗浄カゴBを揺動させる揺動機構を備えていないので、洗浄カゴBを揺動させる方式の従来のものと比較して故障の可能性が少なくなっている。また、洗浄槽3の内部には、洗浄液13を攪拌するための可動部材は存在しないので、そのような可動部材を備えた従来品と比較して本実施例の方がメンテナンスも容易である。
このように配置された各噴射ノズル21から洗浄液13が噴射されると、3対の噴射ノズル21から噴射された洗浄液13の衝突位置X1は左方の壁面3Aに近い位置となり、他方、4対の噴射ノズル21の洗浄液13の衝突位置X2は右方の壁面3Bに近い位置となる。この状態から制御手段29が電磁開閉弁27を開放させるとともにインバータ28により各ポンプP1、P2の吐出圧力を変化させる。すると、左方から右方への洗浄液13の衝突位置X1の移動と、右方から左方への洗浄液13の衝突位置X2の移動とが同時に行われる。そのため、洗浄槽3内の洗浄液13を効率的に攪拌することができる。なお、この図5に示す実施例においては、上記第1実施例と対応する各部材に同一の部材番号を付している。このような実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
さらに、各槽3〜5にエアノズル等の水切り手段を設けて、洗浄後やすすぎ後の洗浄カゴBおよび金属部品Wに付着した液体をできるだけ除去するようにして、次の工程への液体の持ち出しを防ぐようにしても良い。また、必要に応じて洗浄槽3およびリンス槽4内にヒータを設けて各槽3,4内の液体を加熱するようにしても良い。さらに上記リンス槽4や防錆槽5は必ずしも必要ではなく、それらを省略しても良い。
3A、3B‥壁面 13‥洗浄液
21‥噴射ノズル 22‥調整手段
W‥金属部品(物品)
Claims (3)
- 洗浄液を貯溜する洗浄槽と、この洗浄槽内に配置されて洗浄液を噴射する複数の噴射ノズルとを備えて、洗浄対象となる物品を洗浄カゴに収容した状態で洗浄槽の洗浄液内に浸漬させるとともに上記噴射ノズルから洗浄液を噴射させて洗浄槽内の洗浄液を攪拌させて、上記物品の洗浄を行う物品洗浄装置において、
上記洗浄槽内に浸漬された洗浄カゴ内の物品を挟んで相互に対向する位置に上記複数の噴射ノズルを配置し、また、上記各噴射ノズルから噴射される洗浄液の噴射圧力を調整する調整手段を設けて、
上記対向する各噴射ノズルから噴射される洗浄液を上記洗浄カゴ内の物品に直接噴射させ、かつ、上記対向する各噴射ノズルから噴射される洗浄液を相互に衝突させて、この衝突位置に洗浄液による乱流を生じさせるとともに、上記調整手段によって上記相互に対向する各噴射ノズルの洗浄液の噴射圧力を調整して上記洗浄液の衝突位置を洗浄槽内の上記相互に対向する噴射ノズル間で移動させて、撹拌された洗浄液と直接噴射された洗浄液とによって物品を洗浄することを特徴とする物品洗浄装置。 - 上記調整手段は、洗浄液を噴射ノズルへ給送するポンプと、該ポンプによる洗浄液の吐出圧力を変化させるインバータと、上記ポンプおよびインバータの作動を制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の物品洗浄装置。
- 上記調整手段は、上記洗浄液の衝突位置を一方の側の噴射ノズルに近い位置から他方の側の噴射ノズルに近い位置まで徐々に移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物品洗浄装置。
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