JP5845950B2 - パーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン、表面処理剤組成物及び該表面処理剤組成物で処理された物品 - Google Patents
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Description
Rf−(OC3F6)n−O−(CF2)m−(CH2)l−O−(CH2)s−Si(OR)3
(但し、Rfは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、nは1〜50の整数、mは0〜3の整数、lは0〜3の整数、sは0〜6の整数、但し、6≧m+l>0、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で示されるシランカップリング剤を防汚層に用いた反射防止フィルム(特許文献2:特開2001−188102号公報)が開示されている。しかし、該シランカップリング剤は、1分子中の加水分解性基の量が十分とは言えず、硬化までに時間を要することや、基材への密着性が劣るなどの問題があった。
〔1〕
下記式(1)で示されるパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
で表される3〜8価のオルガノポリシロキサン残基、Rはそれぞれ独立に炭素数8〜40のアルキル基又はエステル基、nは独立に1〜6の整数、Aはそれぞれ独立に下記式(2)で示される基であり、kは独立に1〜6の整数、但し、Zに結合するそれぞれのn+kは(Zの価数−1)である。
〔2〕
式(1)において、Rがテトラデシル基、ヘキサデシル基又はウンデセン酸エチル基であり、nが1〜3の整数である、〔1〕記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
〔3〕
式(1)において、Rfが下記式(3)で示される基であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
−CcF2c− (3)
(式中、cは1〜6の整数である。)
〔4〕
式(1)において、Zが下記のいずれかの式で表される基である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
〔5〕
式(2)において、加水分解性基Xがメトキシ基又はエトキシ基であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン及び/又はその部分加水分解縮合物を含む表面処理剤組成物。
〔7〕
〔6〕記載の表面処理剤組成物の硬化被膜を表面に有する物品。
Zに結合するそれぞれのnとkの和は(Zの価数−1)である。
−CcF2c− (3)
(式中、cは1〜6の整数である。)
式(3)中のcは、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは4〜6の整数である。
Q’RfQ’
で示される、2価のパーフルオロアルキレン基(Rf)の両側に不飽和基を有する化合物を、式(1)中のZを誘導するためのオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、Q、A及びRを結合させたい箇所にSiH結合を備えるハイドロジェンポリシロキサン(Z’)と付加反応させる。ここで、Q’としては、上記式(1)のQにおいて、片末端が不飽和基で封鎖された1価の基が例示でき、例えば下記の基が挙げられる。
で表されるパーフルオロアルキレン基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン等を出発原料として用いてもよい。
で表される、末端に不飽和基を有する化合物と、Rを誘導するための末端が不飽和結合になっている化合物、例えばウンデセン酸エチルとを、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの残りのSiH結合と付加反応させる。
付加反応は、常法に従い、付加反応触媒、例えば白金化合物の存在下で行うことができる。
該組成物には、必要に応じて、加水分解縮合触媒、例えば、有機チタン化合物(テトラn−ブチルチタネートなど)、有機錫化合物(ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫など)、有機酸(酢酸、メタンスルホン酸、カルボン酸など)、無機酸(塩酸、硫酸など)を添加してもよく、それらの水素原子がフッ素原子で置換されていると、溶解性の点でなお好ましい。これらの中では、特に酢酸、テトラn−ブチルチタネート、パーフロロカルボン酸などが望ましい。
加水分解縮合触媒の添加量は触媒量であり、通常、パーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン及び/又はその部分加水分解縮合物100質量部に対して0.01〜5質量部、特に0.1〜1質量部である。
上記溶剤は1種単独でも2種以上を混合してもよい。溶剤の使用量は、式(1)のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン及び/又はその部分加水分解縮合物の濃度が表面処理剤組成物中0.01〜50質量%、特に0.05〜20質量%となるような量であることが好ましい。
[合成例1]
反応容器に、下記式(I)
合成例1で用いたウンデセン酸エチルの代わりに、表1のオレフィンをそれぞれ等モル量用いて、合成例1と同様にして、化合物2〜7を得た。得られた化合物2〜7の主成分の構造は、上記式(II)において、R1が表2で示されるものであった。
合成例1で用いた両末端にSiH結合を有するパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサンの代わりに、下記式(III)で示される構造のオルガノポリシロキサン及び、表3のオレフィンをそれぞれ等モル量用いて、合成例1と同様にして、化合物8〜14を得た。得られた化合物8〜14の主成分の構造は、下記式(IV)において、R3が表4で示されるものであった。
[実施例1〜14]
上記合成例で得られた化合物1〜14を、夫々、トルエンに溶解させて、20質量%溶液の表面処理剤を調製した。最表面にSiO2を15nm処理したガラス(コーニング社製、Gorilla)に、各表面処理剤5μLを真空蒸着し(処理条件は、圧力:2.0×10-2Pa、加熱温度:300℃)、80℃、湿度80%の雰囲気下で1時間硬化後、更に150℃のオーブンで1時間硬化させて硬化被膜(膜厚:約10nm)を形成し、試験体を作製した。
下記に示す方法により、撥水撥油性、汚れの目立ち難さ、皮脂汚れ拭き取り性、耐摩耗性を評価した。結果を表5に示す。
実施例で用いた化合物1〜14に代えて、下記化合物15、16、17を用いた他は実施例と同様の方法で試験体を作製して、評価した。結果を表5に示す。
オクタデシルトリメトキシシラン
オクタデシルトリクロロシラン
表面処理をしないガラスを用いて実施例と同様の方法で評価した。結果を表5に示す。
接触角計(協和界面科学社製、DropMaster)を用いて、硬化被膜の水接触角及びオレイン酸に対する接触角を測定した。
額の皮脂を指に付着させ、各表面処理剤組成物で処理した基材の処理面上を、指で円弧を描くようにして皮脂を付着させた後、目視により汚れが目立っているか下記基準により評価した。
○:汚れが目立たない。
△:汚れが目立つが気にならない。
×:汚れが目立つ。
ティッシュペーパーを用い、上記皮脂汚れを拭き取り、拭き取り後の表面を目視により観察して、下記基準により評価した。
○:汚れが完全に拭き取れた。
△:汚れが目立たなくなるが、光を斜めから入射させた場合に、汚れが視認できる。
×:汚れが目立つ、又は汚れは目立たないが、明らかに付着したままである。
ラビングテスター(新東科学社製)を用いて、下記条件で擦った後の硬化被膜の水接触角を評価した。試験環境条件は25℃、湿度50%である。
布:ベンコット(旭化成社製)
移動距離(片道):30mm
移動速度:1,800mm/分
荷重:500gfcm2
擦り回数:5,000回
Claims (7)
- 下記式(1)で示されるパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
で表される3〜8価のオルガノポリシロキサン残基、Rはそれぞれ独立に炭素数8〜40のアルキル基又はエステル基、nは独立に1〜6の整数、Aはそれぞれ独立に下記式(2)で示される基であり、kは独立に1〜6の整数、但し、Zに結合するそれぞれのn+kは(Zの価数−1)である。
- 式(1)において、Rがテトラデシル基、ヘキサデシル基又はウンデセン酸エチル基であり、nが1〜3の整数である、請求項1記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
- 式(1)において、Rfが下記式(3)で示される基であることを特徴とする請求項1又は2記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
−CcF2c− (3)
(式中、cは1〜6の整数である。) - 式(2)において、加水分解性基Xがメトキシ基又はエトキシ基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパーフルオロアルキレン基含有オルガノポリシロキサン及び/又はその部分加水分解縮合物を含む表面処理剤組成物。
- 請求項6記載の表面処理剤組成物の硬化被膜を表面に有する物品。
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