JP5845565B2 - プロジェクター、及び、プロジェクターの制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、投射角が変化するような、投射面に対するプロジェクターの相対位置の変化を確実に検出できるプロジェクター、及び、その制御方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、移動検出用の特徴画像を含む画像を投射面に投射した状態で投射面を撮影した撮影画像に基づく参照画像と、特徴画像を含む画像を投射面に投射した状態で上記の撮影とは異なる時点で撮影された撮影画像に基づく比較用画像とを用いることにより、投射面に対するプロジェクターの相対位置の変化を検出する。特徴画像を含む画像を投射面に投射して撮影を行い、撮影画像に基づく参照画像と比較用画像とを比較するので、投射面の状態等に影響されることなく比較を行い、確実に移動を検出できる。これにより、投射面とプロジェクターのどちらが移動した場合であっても、移動方向に関わらず、移動を確実に検出できる。例えば投射角を変化させるようなプロジェクターの位置変化を検出することもできる。従って、自動的に投射面の画像の歪み補正を行う等の処理を行うことができ、利便性の向上が期待できる。
本発明によれば、投射面の状態等に影響されることなく、参照画像と比較用画像との差を確実に検出し、投射面に対するプロジェクターの相対位置の変化を確実に検出できる。
本発明によれば、枠形状の特徴画像を用いることにより、より確実に参照画像と比較用画像との差を検出できる。
本発明によれば、特徴画像を投射画像に重ならないように投射するので、投射中の投射画像の制約を受けることなく特徴画像を投射でき、また、より確実に参照画像と比較用画像との差を検出できる。
本発明によれば、表示部の表示可能領域における非表示部分を利用して、投射画像に重ならないように特徴画像を投射するので、投射中の投射画像の制約を受けることなく特徴画像を投射でき、また、より確実に参照画像と比較用画像との差を検出できる。
本発明によれば、投射面とプロジェクターとの相対位置の変化を検出した場合に、投射される画像の台形歪みを補正するので、投射面に投射される画像を、歪みの少ない良好な状態に保つことができる。
本発明の制御方法を実行することにより、プロジェクターは、移動検出用の特徴画像を含む画像を投射面に投射した状態で投射面を撮影した撮影画像に基づく参照画像と、特徴画像を含む画像を投射面に投射した状態で上記の撮影とは異なる時点で撮影された撮影画像に基づく比較用画像とを用いることにより、投射面に対するプロジェクターの相対位置の変化を検出する。特徴画像を含む画像を投射面に投射して撮影を行い、撮影画像に基づく参照画像と比較用画像とを比較するので、投射面の状態等に影響されることなく比較を行い、確実に移動を検出できる。これにより、投射面とプロジェクターのどちらが移動した場合であっても、移動方向に関わらず、移動を確実に検出できる。例えば投射角を変化させるようなプロジェクターの位置変化を検出することもできる。従って、自動的に投射面の画像の歪み補正を行う等の処理を行うことができ、利便性の向上が期待できる。
本発明によれば、プロジェクターが、投射面とプロジェクターとの相対位置の変化を検出した場合に台形歪みを補正するので、投射面に投射される画像を、歪みの少ない良好な状態に保つことができる。
図1は、実施形態に係るプロジェクター100の全体構成を示すブロック図である。プロジェクター100には、内蔵する記憶装置が記憶する映像ソース(図示略)、または、パーソナルコンピューターや各種映像プレーヤー等の外部の画像供給装置(図示略)から画像信号が入力される。プロジェクター100は、入力される画像信号に基づいて変調された光をスクリーンSCなどの投射面上に投射し、画像(以下「投射画像」と呼ぶ)として表示させる。本実施例では、スクリーンSCはほぼ直立しており、スクリーン面は矩形形状とされている。プロジェクター100に入力される画像は動画像(映像)と静止画像とのどちらでもよく、プロジェクター100は映像をスクリーンSCに投射することも、静止画像をスクリーンSCに投射し続けることも可能である。以下の実施形態では、外部から入力される映像信号に基づいて映像を投射する場合を例に挙げて説明する。
液晶パネル130(表示部)は、後述する画像処理系からの信号を受けて、パネル面に画像を形成する。液晶パネル130は、カラーの投影を行うため、RGBの三原色に対応した3枚の液晶パネルを備えて構成される。照明光学系140からの光はRGBの3色の色光に分離され、各色の光は対応する各液晶パネルに入射する。各液晶パネルを通過して変調された色光はクロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系150に射出される。
また、映像用プロセッサー134は、上記の台形歪み補正における特定の歪み検出用画像の表示を制御する。映像用プロセッサー134は、台形歪み補正用のDSP(デジタルシグナルプロセッサー)として販売されている汎用のプロセッサーを用いて構成することも、専用のASICとして構成することも可能である。
さらに、映像用プロセッサー134は、CPU120から後述する計測パターンがコマンドとともに入力された場合に、この計測パターンの画像を、A/D変換部110から入力されている画像に重ねて、液晶パネル駆動部132により表示させる。映像用プロセッサー134は、CPU120の制御に従い、A/D変換部110から入力される画像の表示を停止して計測パターンのみを表示させることも可能である。
ズーム比算出部123、焦点距離算出部124、三次元測量部125、及び投射角算出部126の各処理部は、プロジェクター100とスクリーンSCとの相対距離(以下、投射距離と言う)や、プロジェクター100から投射した投射光の光軸に対するスクリーンSCの傾きである投射角(以下、投影投射角と言う)を算出するために必要な処理を行う。
画像処理部127は、撮像部180により撮影され撮影画像メモリー182に格納された撮影画像を取得し、この撮影画像に対して、Y成分の抽出、輪郭強調、ノイズ除去、頂点算出等の処理を行って、参照画像を生成する。また、画像処理部127は、撮像部180により撮影され撮影画像メモリー182に格納された撮影画像を取得し、この撮影画像に対して、参照画像と同様にY成分の抽出、輪郭強調、ノイズ除去、頂点算出等の処理を行って、比較用画像を生成する。参照画像のもととなった撮影画像と、比較用画像のもととなった撮影画像は異なる時に撮影された画像である。画像処理部127は、予め設定された周期で撮影画像を取得して比較用画像を生成する。画像処理部127が生成した参照画像は、RAM160が備える参照画像記憶部161に記憶される。また、画像処理部127が生成した比較用画像は、RAM160が備える比較用画像記憶部162に格納される。
具体的には、CPU120が備えるパターン投射制御部129の機能により、計測パターン記憶部172に記憶された計測パターン(特徴画像)が読み出され、映像用プロセッサー134にコマンドとともに出力される。映像用プロセッサー134は、入力されたコマンドに従って、入力された計測パターンを投射画像に重畳して液晶パネル駆動部132によって表示させる。このようにスクリーンSCに計測パターンが投射された状態で、撮像部180が撮影を行う。計測パターンの投射は、参照画像を生成するための撮影時、及び、比較用画像を生成するための撮影時のどちらの時も行われる。
動き検出部128は、後述するように、画像処理部127が生成した参照画像と比較用画像とを比較することによって、スクリーンSCに対するプロジェクター100の相対位置の変化を検出する。
また、ROM170は、上述した各処理部を実現するためにCPU120が実行するプログラムや、当該プログラムに係るデータ等を記憶する。また、ROM170は、後述する台形歪み補正処理でスクリーンSCに投射する調整用画像のデータを、調整用画像記憶部171に記憶している。
操作部195は操作子(図示略)を備え、操作子に対する操作に応じた操作信号をCPU120に出力する。この操作子としては、電源ON/OFFを指示するスイッチ、台形歪み補正開始を指示するスイッチ、後述する再補正処理の開始を指示するスイッチ等がある。
オートアイリスによる明るさの調整がなされた画像は、撮像部180から撮影画像メモリー182に出力され、撮影画像メモリー182の所定の領域に繰り返し書き込まれる。撮影画像メモリー182は、1画面分の画像の書き込みが完了すると、所定の領域のフラグを順次反転するので、CPU120は、このフラグを参照することにより、撮像部180を用いた撮像が完了したか否かを知ることができる。CPU120は、このフラグを参照しつつ、撮影画像メモリー182にアクセスして、必要な撮影画像を取得する。
図2及び図3は、プロジェクター100の動作を示すフローチャートであり、図2は全体的な動作を示し、図3は図2のステップS13に示す台形歪み補正処理を詳細に示す。
プロジェクター100は、電源がオンにされると外部から入力される映像信号に基づいて投射画像の投射を開始し(ステップS11)、リモコン191または操作部195の操作子の操作によってセットアップの実行が指示されると(ステップS12)、台形歪み補正処理を実行する(ステップS13)。この台形歪み補正処理により、スクリーンSCに投射される投射画像は、プロジェクター100の投影投射角による変形が補正され、ほぼ本来の形状となる。
図3に示すように、プロジェクター100のCPU120は、映像用プロセッサー134を制御して、A/D変換部110から映像用プロセッサー134に入力されている映像信号の表示を停止させる。さらに、CPU120は、調整用画像記憶部171に記憶された調整用画像を読み出し、この調整用画像を映像用プロセッサー134にコマンドとともに出力して、液晶パネル130に表示させ、スクリーンSCに投射させる(ステップS21)。
次に、CPU120は、スクリーンSCに調整用画像が投射された状態で投射画像を撮像部180により撮影させる(ステップS22)。この撮影画像は、CPU120の制御により、撮影画像メモリー182に保存される。
このステップS23で、CPU120は、三次元測量部125の機能により、三次元測量処理を実行する。この三次元測量処理は、プロジェクター100のズームレンズ152の主点を原点とする三次元座標系(以下「レンズ座標系」とも呼ぶ)における、スクリーンSCを含む平面の三次元状態を検出する処理である。すなわち、プロジェクター100における投射光学系150の光軸に対するスクリーンSCの三次元的な傾きを検出する。この処理では、撮影画像メモリー182から取得した撮影画像を離散化し、撮影画像に含まれる16個の四角形の中心を測定点として求める。続いてCPU120は、測定点から平面の定義が可能な3点を選択し、選択した3つの測定点のレンズ座標系における三次元座標を検出する。CPU120は、検出した3つの測定点の三次元座標に基づいて、スクリーンSCを含む平面に近似する近似平面を算出する。続いて、CPU120は、投射角算出部126の機能により、三次元測量処理で検出したスクリーン平面の近似平面とプロジェクター100から投射した投射光の光軸との角度である投影投射角を算出する。次いで、CPU120は、算出された投影投射角を基に、液晶パネル130の表示可能領域131における補正後の画像の形状を求める。そして、CPU120は、液晶パネル130の表示可能領域131における補正前の画像の形状を、補正後の画像の形状に変換する変換係数(パラメーター)を算出する。
この台形歪み補正処理を開始した後、CPU120は、映像用プロセッサー134による映像の投射を再開させ(ステップS25)、この台形歪み補正処理を終了する。
図4(A)には、プロジェクター100の投影投射角によりスクリーンSC上の投射画像に歪みを生じた例を示す。この例はプロジェクター100をスクリーンSCの正面に設置し、上向きに投射した場合の典型的な例であり、矩形で表示されるべき投射画像300が、歪みのために略台形となっている。この図4(A)に示す状態では、液晶パネル130においては、図4(B)に示すように、矩形の表示可能領域131の全面に画像137が表示されている。
後述する動き検出処理では、所定の時間間隔で撮像部180により撮影を行い、撮影画像から生成した参照画像と比較用画像とを比較して、プロジェクター100の動きを検出する。参照画像と比較用画像とを比較する際に、参照画像と比較用画像の両方に共通の特徴的な物の画像が含まれていると比較が行いやすい。具体的な例としてはスクリーンSCの枠が挙げられる。そこで、ステップS15では画像の比較に利用可能な特徴的な物として、スクリーンSCの枠が撮影画像に写る状態か否かを判別する。黒色の枠を有するスクリーンSCを使用している場合や、ホワイトボードをスクリーンSCとして使用している場合には、撮像部180の撮影画像にスクリーンSCの枠が視認可能に写るが、壁面をスクリーンSCとして使っている場合等は、撮影画像にスクリーンSCの枠は写らない。
撮影画像においてスクリーンSCの枠の画像が検出できると判別した場合(ステップS15;Yes)、CPU120は、枠検出による動き検出処理を実行する(ステップS16)。また、撮影画像においてスクリーンSCの枠の画像が検出できないと判別した場合(ステップS15;No)、CPU120は、計測パターンを用いた動き検出処理を実行する(ステップS17)。
CPU120は、まず、撮像部180により撮影を行わせて、撮影画像(第1の撮影画像)を撮影画像メモリー182から取得する(ステップS31)。続いて、CPU120は、画像処理部127の機能により、撮影画像においてスクリーンSCの枠が強調されるように画像処理を行う。すなわち、CPU120は、取得した撮影画像からY成分の画像を抽出し(ステップS32)、輝度成分(Y)のみを取りだしたグレースケール画像を得る。続いて、CPU120は、撮影画像から抽出したグレースケール画像に対し、輪郭強調処理(ステップS33)およびノイズ除去フィルターによる処理(ステップS34)を施す。これらの処理により、撮影画像の輪郭を強調したモノクロ2値またはグレースケールの画像が得られる。撮影画像にスクリーンSCの枠が写っている場合、上記の画像処理により、スクリーンSCの枠は四角形の枠線の画像として強調される。
また、CPU120は、ステップS32〜S34の処理により得られた画像を参照画像とし、参照画像記憶部161(図1)に記憶させる(ステップS37)。
その後、CPU120は、画像処理部127の機能により、ステップS36で記憶させた参照画像において、ステップS35で検出した枠の内側と、枠から所定距離だけ離れた領域とをマスクするマスク画像を生成し、参照画像記憶部161に記憶させる(ステップS38)。
マスク画像は、参照画像の一部がマスクされた画像であり、マスクされた部分は比較用画像と比較する処理の対象外となる。参照画像を比較用画像と比較するのではなく、参照画像の一部をマスクしたマスク画像を、比較用画像と比較することにより、動きを検出する際の処理負荷を軽減し、かつ正確に動きを検出できるという利点がある。
待機後、CPU120は、撮像部180により撮影を実行させ、撮影画像を撮影画像メモリー182から取得する(ステップS40)。続いて、CPU120は、画像処理部127の機能により、取得した撮影画像(第2の撮影画像)に対してステップS32〜S34で実行した画像処理と同様の処理を画像処理部127によって行い、比較用画像を生成して、比較用画像記憶部162に記憶させる(ステップS41)。ここで生成される比較用画像は、ステップS37で生成された参照画像と同様の画像である。
そして、CPU120は、動き検出部128の機能により、参照画像記憶部161に記憶された参照画像(マスク画像)とステップS42でマスク領域を設定した比較用画像との差分を検出する(ステップS43)。このステップS43では、例えば、比較する2つの画像について、マスクされた領域を除く部分の各画素の画素データに基づき差分絶対値和または差分二乗和が算出される。
ここで、CPU120は、動き検出部128の機能により、求めた差分がしきい値を超えたか否かを判別し(ステップS44)、しきい値を超えている場合には、スクリーンSCに対するプロジェクター100の相対位置が変化したことになるので、図3に示した処理と同様の台形歪み補正を実行する(ステップS45)。台形歪み補正を行った後、CPU120は、ステップS31に戻って、再び参照画像を生成する。なお、ステップS37で生成される参照画像と、ステップS41で生成される比較用画像は同様の画像であるから、ステップS45の台形歪み補正処理を行った後に、比較用画像記憶部162に記憶されている比較用画像を参照画像として参照画像記憶部161に記憶してもよい。この場合、ステップS31〜S36の処理を省略できるという利点がある。
また、動き検出部128の機能により、ステップS43〜S44の処理を行う場合、ステップS13(図2)またはステップS45で台形歪み補正を行った直後の撮影画像に基づく参照画像(マスク画像)と、ステップS42でマスク処理された比較用画像とが比較される。このため、CPU120は、最後の(直近の)台形歪み補正を行ってからの相対位置の変化を検出するので、プロジェクター100とスクリーンSCの相対位置の変化により投射画像の歪みの補正が必要になったか否かを、正確に判別できる。
CPU120は、パターン投射制御部129の機能により、計測パターン記憶部172に記憶された計測パターンの画像データを読み出して、コマンドとともに映像用プロセッサー134に出力し、この計測パターンを表示中の画像に重ねて投射させる(ステップS51)。続いて、CPU120は、計測パターンが投射された状態で撮像部180により撮影を行わせて、撮影画像を撮影画像メモリー182から取得する(ステップS52)。
さらに、CPU120は、画像処理部127の機能により、ステップS54で記憶させた参照画像において、計測パターンが抽出された領域から所定距離だけ離れた外側の領域をマスクするマスク画像を生成し、参照画像記憶部161に記憶させる(ステップS55)。このステップS55では参照画像において計測パターンに影響しない部分がマスクされる。マスクされる領域は、ステップS53で抽出した計測パターンの位置に合わせて決定してもよいし、予め設定された位置としてもよい。また、計測パターン記憶部172に複数の計測パターンが記憶されている場合は各計測パターンに対応してマスクする領域を設定し、ROM170に記憶させてもよい。
また、CPU120は、画像処理部127の機能により、比較用画像記憶部162に記憶させた比較用画像にマスク領域を設定する(ステップS61)。ここで設定されるマスク領域は、ステップS55で生成したマスク画像においてマスクされる領域と、同じ位置である。
ここで、CPU120は、動き検出部128の機能により、求めた差分がしきい値を超えたか否かを判別し(ステップS63)、しきい値を超えている場合には、スクリーンSCに対するプロジェクター100の相対位置が変化したことになるので、図3に示した処理と同様の台形歪み補正を実行する(ステップS64)。台形歪み補正を行った後、CPU120は、ステップS51に戻って、再び参照画像を生成する。なお、ステップS54で生成される参照画像と、ステップS60で生成される比較用画像は同様の画像であるから、ステップS64の台形歪み補正処理を行った後に、ステップS51〜S53の処理を省略し、比較用画像記憶部162に記憶されている比較用画像を参照画像として参照画像記憶部161に記憶してもよい。
また、動き検出部128の機能により、ステップS13(図2)またはステップS64で台形歪み補正を行った直後の撮影画像に基づく参照画像(マスク画像)と、ステップS61でマスク処理された比較用画像とが比較される。このため、CPU120は、最後の(直近の)台形歪み補正を行ってからの相対位置の変化を検出するので、プロジェクター100とスクリーンSCの相対位置の変化により投射画像の歪みの補正が必要になったか否かを、正確に判別できる。
この図7には、投射画像に重なる位置に表示される計測パターンを例として示す。図7(A)に示すようにスクリーンSCの略中央に矩形の投射画像300が表示(投射)されている場合に、図7(B)に示すように、投射画像300とほぼ同じ大きさ、同じ位置に表示される計測パターンを重畳すると、図7(C)に示すように投射される。計測パターン321は、液晶パネル130の表示可能領域において、投射画像311と同じ領域に表示される。この計測パターン321のように、投射画像311が表示(投射)される領域に重なる計測パターンを用いることにより、液晶パネル130の表示可能領域が狭い場合や、投射可能なスクリーンSCのサイズが小さい場合であっても、計測パターンをできるだけ広い範囲に大きく表示でき、参照画像と比較用画像との差を正確に検出できる。
図7(C)の重畳画像312は、同じ範囲に投射画像300と計測パターン321とが重なっているが、計測パターン321が上に重なっているため、この計測パターン321を撮像部180で撮影した場合に、撮影画像から計測パターン321を容易に抽出できる。
この図8(A)に示す計測パターン322は、スクリーンSCに投射される画像の枠となる形状である。計測パターン322を投射画像に重畳した場合には、図8(B)に示すように、投射画像に枠が付加された重畳画像313となる。この計測パターン322は、投射画像の視認性にほとんど影響を及ぼすことなく、投射画像に重畳して投射できるので、図6で説明した動き検出処理に使用すれば、画像の投射を中断することなく、動き検出処理を実行できる。図8(B)に示すように枠形状の計測パターン322を投射画像に重畳する場合に、CPU120が映像用プロセッサー134を制御して、投射画像を縮小させてもよい。投射画像を、計測パターン322の枠の太さの分だけ縮小すれば、投射画像が計測パターンによって隠れないため、投射画像の視認性に対する影響をほぼ無くすことができる。
さらに、計測パターン322のように、投射画像の外側に表示される計測パターンは、液晶パネル130の非表示可能領域を利用して表示してもよい。すなわち、図4(D)に示したように、台形歪み補正を行うと液晶パネル130の表示可能領域131において画像を表示しない非使用領域139が生じるので、この非使用領域139に、計測パターン322のような計測パターンを表示してもよい。この場合、投射画像を縮小しなくても、投射画像の視認性に影響を与えることなく計測パターンを重畳させることができる。
この図9に示すように、投射画像311の表示位置より外側に位置する計測パターン323を用いれば、投射画像の視認性に影響を与えることなく計測パターンを重畳させることができる。この計測パターン323は、投射画像311の外側において、ごく一部に表示されるので、台形歪み補正によって表示可能領域131に生じた非使用領域139に表示できる。プロジェクター100の投影投射角によっては非使用領域139が小さいことがあるが、図9に例示する計測パターン323のように、投射画像311の外側の一部にのみ表示される計測パターンであれば問題なく表示できる。
図9に示す計測パターン323は現在時刻を表示するものであるから、投射画像とともにSCに投射しても、投射画像を見ている人に違和感を与えることがない。なお、この計測パターン323のように可変的な画像を表示する場合、画像データ作成用のプログラムをROM170に記憶しておき、このプログラムをCPU120が実行して、計測パターンの画像データを随時作成して映像用プロセッサー134に出力すればよい。
これにより、参照画像と比較用画像とを比較することで、スクリーンSCの状態等に影響されることなく、スクリーンSCとプロジェクター100のどちらが移動しても、移動方向に関わらず移動を確実に検出できる。従って、投射角を変化させるようなプロジェクター100の位置変化を確実に検出できる。
さらに、パターン投射制御部129の機能により、スクリーンSCに投射される画像を縮小させ、この縮小した画像の周囲に、計測パターン322のような枠形状の計測パターンを投射させてもよく、この場合には、投射中の投射画像の制約を受けることなく、かつ、投射中の投射画像の視認性に影響を与えることなく、計測パターンを投射できる。
また、上記実施形態では、光源が発した光を変調する表示部として、RGBの各色に対応した3枚の透過型または反射型の液晶パネル130を用いた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、1枚の液晶パネルとカラーホイールを組み合わせた方式、3枚のデジタルミラーデバイス(DMD)を用いた方式、1枚のデジタルミラーデバイスとカラーホイールを組み合わせたDMD方式等により構成してもよい。ここで、表示部として1枚のみの液晶パネルまたはDMDを用いる場合には、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系に相当する部材は不要である。また、液晶パネル及びDMD以外にも、光源が発した光を変調可能な構成であれば問題なく採用できる。
また、図1に示した各機能部は、プロジェクター100の機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
Claims (9)
- 投射面に画像を投射するプロジェクターであって、
前記画像を投射する投射部と、
移動検出用の特徴画像を含む画像を前記投射部によって投射させる投射制御部と、
前記投射面を撮影する撮像部と、
前記投射部により前記特徴画像の投射中に前記撮像部により撮影され取得された第1の撮影画像に基づいて参照画像を生成し、前記特徴画像の投射中であって前記第1の撮影画像が撮影された時点とは異なる時点で前記撮像部によって撮影され取得された第2の撮影画像に基づいて比較用画像を生成する画像処理部と、
前記画像処理部により生成された前記参照画像と前記比較用画像とを用いて、前記投射面に対する前記プロジェクターの相対位置の変化を検出する移動検出部と、
を備え、
前記移動検出部は、前記参照画像及び前記比較用画像について前記特徴画像の位置の変化に起因する画像の差を検出することにより、前記投射面に対する前記プロジェクターの相対位置の変化を検出することを特徴とするプロジェクター。 - 前記投射制御部は、前記投射面に投射される画像の周囲を囲む枠形状の前記特徴画像を前記投射部によって投射させることを特徴とする請求項1記載のプロジェクター。
- 前記投射制御部は、前記投射部により前記投射面に投射される画像を縮小させ、この縮小した画像の周囲に枠形状の前記特徴画像を投射させることを特徴とする請求項2記載のプロジェクター。
- 前記投射部は、所定の表示可能領域に画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された画像を前記投射面に投射する投射光学系とを備え、
前記投射制御部は、前記表示部の表示可能領域に表示される画像を変形させることにより前記投射面に投射される画像の変形を補正する歪み補正機能を有し、この歪み補正機能により前記表示部の表示可能領域内に発生する非表示部分に、前記特徴画像を表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプロジェクター。 - 前記投射部により投射される画像を変形させて歪み補正を行う台形歪み補正部を備え、
前記台形歪み補正部は、前記移動検出部により前記プロジェクターの相対位置の変化が検出された場合に歪み補正を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロジェクター。 - 前記移動検出部は、前記参照画像及び前記比較用画像について、前記特徴画像から所定距離以上離れた部分を除く範囲の画像を比較して、前記特徴画像の位置の変化に起因する画像の差を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプロジェクター。
- 前記画像処理部は、前記第1の撮影画像における前記特徴画像から所定距離以上離れた部分をマスクして前記参照画像を生成し、前記第2の撮影画像における前記特徴画像から所定距離以上離れた部分をマスクして前記比較用画像を生成することを特徴とする請求項6記載のプロジェクター。
- 投射面に画像を投射する投射部を備えたプロジェクターの制御方法であって、
移動検出用の特徴画像を含む画像を前記投射部によって投射させ、前記特徴画像の投射中に前記投射面を撮影する撮像部により撮影され取得された第1の撮影画像に基づいて参照画像を生成し、
前記特徴画像の投射中であって前記第1の撮影画像が撮影された時点とは異なる時点で前記撮像部によって撮影され取得された第2の撮影画像に基づいて比較用画像を生成し、
生成した前記参照画像と前記比較用画像とを用いて、前記投射面に対する前記プロジェクターの相対位置の変化を検出すること、
を含み、
前記参照画像及び前記比較用画像について前記特徴画像の位置の変化に起因する画像の差を検出することにより、前記投射面に対する前記プロジェクターの相対位置の変化を検出することを特徴とするプロジェクターの制御方法。 - 前記プロジェクターは前記投射部により投射される画像を変形させて歪み補正を行う台形歪み補正機能を有し、
前記プロジェクターの相対位置の変化が検出された場合に台形歪み補正機能により歪み補正を行うことを特徴とする請求項8記載のプロジェクターの制御方法。
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