JP5845396B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、炊飯器に関するもので、特に、過熱蒸気発生装置を備えた炊飯器に関するものである。
従来、この種の過熱蒸気発生装置を備えた炊飯器として、種々の構造のものが知られている。例えば、特許文献1に開示された炊飯器では、蓋の内部空間に配置された蒸気管(蒸気経路)の周囲に、過熱蒸気発生装置としてヒータが取り付けられていた。上記特許文献1に記載された炊飯器によれば、ヒータにより蒸気管を加熱することで、蒸気管内を通る蒸気を加熱して、100℃を超える過熱蒸気を生成し、加熱板に設けられ鍋内に蒸気を投入する為の蒸気孔を通じて、鍋内に蒸気を投入することができる。
特許第4203995号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような従来の炊飯器においては、過熱蒸気の勢いが弱く、鍋内に投入された際に、鍋底に届く前に過熱蒸気が広がってしまい、過熱蒸気が鍋内の隅々まで行き渡らないという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、勢いのついた過熱蒸気を複数個の過熱蒸気投入孔を介して、鍋内の調理物の全域に投入して、調理物の食味を向上させることが出来る炊飯器を提供することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体の上部開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋の開口部を覆う内蓋と、前記鍋を加熱する鍋底加熱ユニットと、蒸気を発生させるための蒸気加熱手段と、前記蒸気加熱手段により発生した蒸気を加熱する過熱蒸気発生装置と、前記蒸気加熱手段に連通し前記過熱蒸気発生装置に蒸気を供給する蒸気供給部と、前記過熱蒸気発生装置で生成された過熱蒸気を前記鍋内に投入するための蒸気投入部とを備え、前記蒸気供給部の径よりも蒸気投入部の径を小さくすると共に、前記内蓋の前記蒸気投入部の下方に複数個の過熱蒸気投入孔を設けたもので、蒸気供給部の径よりも蒸気投入部の径が小さいので、過熱蒸気の排出速度が上がり、勢いのついた過熱蒸気を、過熱蒸気投入孔を通して鍋内の調理物の全域に投入して、調理物の食味を向上させることが出来る。
本発明にかかる炊飯器によれば、蒸気供給部の径よりも蒸気投入部の径を小さくすることで、過熱蒸気の排出速度を上げ、過熱蒸気が鍋底まで届くように蒸気の勢いを増すとともに、蒸気投入部の下方の内蓋に複数個の過熱蒸気投入孔を設けることで、勢いのついた過熱蒸気を複数個の過熱蒸気投入孔を介して、鍋内の調理物の全域に投入することができ、食味を向上させた炊飯器を提供することができる。
本発明の実施の形態1における炊飯器の模式断面図 同炊飯器の蓋の一部を切り欠いた状態を模式的に示す上面図 同炊飯器の過熱蒸気発生装置に蒸気供給管及び過熱蒸気投入管が取り付けられた状態を示す斜視図 同過熱蒸気発生装置に蒸気供給管及び過熱蒸気投入管が取り付けられた状態を示す模式断面図 同過熱蒸気発生装置の取付構造を示す斜視図 (a)同炊飯機の蒸気排出部の模式断面図、(b)同蒸気排出部の他の例を示す模式断面図 (a)同炊飯機の蒸気排出部の他の例を示す模式断面図、(b)同蒸気排出部の他の例を示す模式断面図
第1の発明は、上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体の上部開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋の開口部を覆う内蓋と、前記鍋を加熱する鍋底加熱ユニットと、蒸気を発生させるための蒸気加熱手段と、前記蒸気加熱手段により発生した蒸気を加熱する過熱蒸気発生装置と、前記蒸気加熱手段に連通し前記過熱蒸気発生装置に蒸気を供給する蒸気供給部と、前記過熱蒸気発生装置で生成された過熱蒸気を前記鍋内に投入するための蒸気投入部とを備え、前記蒸気供給部の径よりも蒸気投入部の径を小さくすると共に、前記内蓋の前記蒸気投入部の下方に複数個の過熱蒸気投入孔を設けたもので、蒸気供給部の径よりも蒸気投入部の径が小さいので、過熱蒸気の排出速度が上がり、勢いのついた過熱蒸気を、過熱蒸気投入孔を通して鍋内の調理物の全域に投入して、調理物の食味を向上させることが出来る。
第2の発明は、特に、第1の発明の蒸気投入部下方に凸部を設け、前記凸部の底面と側面に複数個の過熱蒸気投入孔を設けたもので、勢いのついた過熱蒸気が、過熱蒸気投入孔から放射状に放出されるので、加熱蒸気を鍋内の調理物の全域に投入することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の蒸気投入部下方に凸部を設け、前記凸部の側面に複数個の過熱蒸気投入孔を設けたもので、一旦、調理物と内蓋の空間に過熱蒸気を充満させた後に、調理物全域にゆっくりと過熱蒸気を浸透させることができる。
第4の発明は、特に、第1の発明の蒸気投入部下方に凸部を設け、前記凸部の底面に複数個の過熱蒸気投入孔を設けたもので、一旦、過熱蒸気投入孔真下の調理物の下方まで過熱蒸気を浸透させた後、その過熱蒸気浸透部から調理物全域にゆっくりと過熱蒸気を浸透させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における炊飯器について、図1〜6を用いて説明する。図1は、本実施の形態における炊飯器の模式断面図、図2は、同炊飯器の蓋の一部を切り欠いた状態を模式的に示す上面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る炊飯器は、内部に鍋収納部1aが形成された略有底筒状の炊飯器本体1と、鍋収納部1aに収納され、米と水が入れられる鍋2とを備えている。炊飯器本体1の上部には、炊飯器本体1の上部開口部1dを開閉可能な中空構造の蓋3が取り付けられている。蓋3の内側(鍋2の開口部2aを覆う側)には、鍋2の開口部2aを密閉可能な略円盤状の内蓋(加熱板ともいう)4が着脱可能に取り付けられている。
炊飯器本体1の鍋収納部1aは、上枠1bとコイルベース1cとで構成されている。上枠1bは、収納された鍋2の側壁に対して所定の隙間が空くように配置される筒状部分1baと、筒状部分1baの上部から外方に突出し炊飯器本体1の上部開口部1dの内周部に嵌合するフランジ部1bbとを備えている。
また、フランジ部1bbには、水タンク5を収納する水タンク収納部1bcが形成されている。水タンク5は、蒸気を生成するための水を入れる有底筒状の容器である。水タンク収納部1bcの外周面には、水タンク5を加熱(誘導加熱)する水タンク加熱装置の一例である蒸気加熱手段6が取り付けられている。
なお、蒸気加熱手段6に代えて、ヒータにより水タンク5を加熱するように構成してもよい。蒸気加熱手段6が水タンク5を加熱することにより、水タンク5内の水が沸騰して、約100℃の蒸気が生成される。また、水タンク収納部1bcの側部には開口1bdが設けられている。当該開口1bd部分には、水タンク5の温度を測定するための水タンク温度センサ7が、水タンク収納部1bcに収納された水タンク5の側部に当接可能に配置されている。
コイルベース1cは、鍋2の下部の形状に対応して有底筒状に形成され、その上部が、上枠1bの筒状部分1baの下端部に取り付けられている。コイルベース1cの外周面には、鍋2を加熱(誘導加熱)する鍋加熱装置の一例である鍋底加熱ユニット8が取り付けられている。鍋底加熱ユニット8は、底内加熱コイル8aと底外加熱コイル8bとで構成されている。底内加熱コイル8aは、コイルベース1cを介して鍋2の底部の中央部周囲に対向するように配置され、底外加熱コイル8bは、コイルベース1cを介して鍋2の底部のコーナー部に対向するように配置されている。
コイルベース1cの底部の中央部分には開口1caが設けられている。当該開口1ca部分には、鍋2の温度を測定するための鍋温度検知部の一例である鍋温度センサ9が、鍋収納部1aに収納された鍋2の底部に当接可能に配置されている。鍋2の温度は、鍋2内の被炊飯物の温度と略同じであるので、鍋温度センサ9が鍋2の温度を検知することで、鍋2内の被炊飯物の温度を知ることができる。
蓋3は、蓋3の外郭を構成する上外郭部材3aと下外郭部材3bとを備えている。また、蓋3は、ヒンジ軸3Aを備えている。ヒンジ軸3Aは、蓋3の開閉軸であり、ヒンジ軸3Aの両端部は、炊飯器本体1の上枠1bに回動自在に保持されている。
蓋3には、その中央部付近を蓋3の厚み方向に貫通するように貫通穴3cが設けられ、当該貫通穴3cに、蒸気筒10が着脱可能に取り付けられている。蒸気筒10の上壁及び底壁には、鍋2内の余分な蒸気を炊飯器本体1の外部に排出できるように、蒸気逃がし孔10a、10bが設けられている。蓋3の内蓋4側の貫通穴3cの周囲には、環状のパッキン11が取り付けられている。パッキン11は、内蓋4が蓋3に取り付けられたときに、内蓋4に設けられた蒸気逃がし孔4aの周囲に密着するように設けられている。
また、蓋3には、内蓋4の温度を検知する内蓋温度検知部の一例である内蓋温度センサ12が取り付けられている。蓋3の底壁となる下外郭部材3bの内面(蓋3内側)には、内蓋4を誘導加熱する内蓋加熱装置の一例である内蓋加熱コイル13が取り付けられている。
内蓋4は、誘導加熱が可能なステンレスなどの磁性体金属で構成され、内蓋4の外周部の鍋2側の面には、環状のパッキン14が取り付けられている。パッキン14は、蓋3が閉状態にあるときに鍋2のフランジ部2bに密着するように設けられている。
また、蓋3の内部には、鍋2内に100℃を超える過熱蒸気を投入するための過熱蒸気発生装置15が設けられている。過熱蒸気発生装置15の取付け構造については、後で詳細に説明する。過熱蒸気発生装置15は、水タンク5で発生した約100℃の蒸気を加熱して過熱蒸気を生成可能に構成されている。過熱蒸気発生装置15には、蒸気供給管16と過熱蒸気投入管17とが接続されている。また、過熱蒸気発生装置15には、過熱蒸気発生装置15で生成された過熱蒸気の温度を検知する過熱蒸気温度検知部の一例である過熱蒸気温度センサ18が当接している。
蒸気供給管16は、蓋3が閉状態にあるときに水タンク5内と連通し、水タンク5内で発生した蒸気を過熱蒸気発生装置15へ導くように設けられると共に、蒸気供給部16aを備えている。蒸気供給管16の水タンク5側の端部には、環状のパッキン19が取り付けられている。パッキン19は、蓋3が閉状態にあるときに水タンク5のフランジ部5aに密着するように設けられている。
過熱蒸気投入管17は、蓋3が閉状態にあるときに内蓋4に設けられた過熱蒸気投入孔4cを通じて鍋2内と連通し、過熱蒸気発生装置15で生成された過熱蒸気を鍋2内へ投入するように設けられ、過熱蒸気投入管17の内蓋4側端部には蒸気投入部17aが設けられている。
過熱蒸気投入管17の鍋2側の端部には、環状の接続パッキン20が取り付けられている。接続パッキン20は、蓋3が閉状態にあるときに、内蓋4の過熱蒸気投入孔4cの周囲に密着するように設けられている。ここで、蒸気投入部17aの径は、蒸気供給部16aの径よりも小さくしており、過熱蒸気投入孔4cとは、同一の径もしくは、少し大きくしている。
本実施の形態では、過熱蒸気投入孔4cの径を2.85mmとし、蒸気投入部17aの径を5.0mm、蒸気供給部16aの径を6.9mmとしている。このような寸法関係にすることで、およそ秒速28mの速度の過熱蒸気を、鍋2内に投入することができ、過熱蒸気を隅々まで行き渡らせることができる。
また、過熱蒸気投入管17は、生成した過熱蒸気を鍋2の中心に投入する為に、投入角度を斜めにしている。本来、過熱蒸気を鍋2内の隅々まで行き渡らせるためには、出来る限り鍋中心から投入する方が良いが、鍋中心には蒸気筒10がある為、真上から投入することは難しく、また、真上から投入することで過熱蒸気が1点に集中し、ご飯の乾燥やおこげを発生させてしまう。
過熱蒸気投入管17の投入角度を斜めにすることで、過熱蒸気が1点に集中することを防止すると共に、過熱蒸気投入管17の長さを短くすることができ、過熱蒸気投入管17の冷却を防止することが出来る為、消費電力の削減にもつながる。
また、蓋3には、炊飯コース、炊飯時間などの各種情報を表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部21と、白米コースや玄米コース、白米(柔らかめ)コースなどの複数の炊飯コースの中から特定の炊飯コースを選択可能な炊飯コース選択部の一例である操作部22とが設けられている。操作部22は、炊飯コースの選択の他、炊飯の開始、取り消し、予約などの実行を指示できるように、炊飯開始ボタンなどの複数のボタン(図示せず)で構成されている。使用者は、表示部21の表示内容を参照しつつ、操作部22にて特定の炊飯コースを選択し、炊飯開始を指示することができる。
炊飯器本体1の内部には、炊飯制御部23が搭載されている。炊飯制御部23は、米を炊飯するための炊飯シーケンスを複数記憶する記憶部を備えている。ここで、「炊飯シーケンス」とは、主に、予熱、昇温、沸騰維持、蒸らしの4つの工程からなり、各工程を順に行うにあたって、各工程において通電時間、加熱温度、加熱時間、加熱出力等が予め決められている炊飯の手順をいう。
各炊飯シーケンスは、複数の炊飯コースのいずれかにそれぞれ対応している。炊飯制御部23は、操作部22にて選択された炊飯コース及び、水タンク温度センサ7、鍋温度センサ9、内蓋温度センサ12それぞれの検知温度に基づいて、各部及び各装置の駆動を制御し、炊飯工程を実行する。また、炊飯制御部23は、操作部22にて選択された炊飯コース及び過熱蒸気温度センサ18の検知温度に基づいて、過熱蒸気を過熱蒸気発生装置15に生成させる。
次に、図3〜図5を参照しつつ、過熱蒸気発生装置15の取付構造及び内部構造について、更に詳細に説明する。
図3は、同炊飯器の過熱蒸気発生装置に蒸気供給管及び過熱蒸気投入管が取り付けられた状態を示す斜視図、図4は、同過熱蒸気発生装置に蒸気供給管及び過熱蒸気投入管が取り付けられた状態を示す模式断面図、図5は、同過熱蒸気発生装置の取付構造を示す斜視図である。
図3及び図4に示すように、過熱蒸気発生装置15は、例えばゴムなどの弾性を有する断熱部材31、32を介して蒸気供給管16、過熱蒸気投入管17と接続されている。この構成により、過熱蒸気発生装置15内で発生した熱が蒸気供給管16及び過熱蒸気投入管17に伝達されないようになっている。
過熱蒸気発生装置15は、円筒形のケース41と、棒状のヒータ42とを備えている。ヒータ42は、ケース41内において、ケース41の中心軸A1と同軸に配置されている。過熱蒸気発生装置15は、ケース41内に供給された蒸気をヒータ42により加熱して、過熱蒸気を生成する。
ヒータ42は、発熱部42Bがケース41内に配置されるようにケース41の一方の側壁41aを貫通し、先端部42Aがケース41の他方の側壁41bと接触(嵌合)するように設けられている。ケース41には、蒸気供給管16を通じて供給される蒸気を取り込む蒸気取込口41cと、過熱蒸気を過熱蒸気投入管17へ排出する過熱蒸気排出口41dとが設けられている。
蒸気取込口41cと過熱蒸気排出口41dは、ヒータ42の発熱部42B近傍に配置されている。より具体的には、蒸気取込口41cと過熱蒸気排出口41dとは、ヒータ42の発熱部42Bと対向するように配置されている。また、ヒータ42の発熱部42Bの周囲には、金属板などで構成されるフィン43が螺旋状に設けられている。ここで、過熱蒸気排出口41dの径は、蒸気投入部17aの径と同等、もしくは、蒸気投入部17aの径よりも大きくしている。蒸気取込口41cの径は、過熱蒸気排出口41dと同等、もしくは、過熱蒸気排出口41dの径よりも大きくしている。
図5に示すように、ケース41の外周面には、係合部の一例である係合爪44が形成されている。係合爪44は、固定部材33に設けられた被係合部の一例である係合孔33aに係合している。固定部材33は、平面視においてケース41の略全体を覆うように形成された金属製(好ましくは無機物)の板状部材である。
固定部材33は、蓋3の下外郭部材3bに立設された複数のボス3dにネジなどの締結部材34により固定されている。すなわち、過熱蒸気発生装置15は、上外郭部材3aと下外郭部材3bとに直接接しないように固定部材33を介して蓋3の下外郭部材3bに取り付けられている。また、過熱蒸気発生装置15は、係合爪44でのみ固定部材33と接触し、固定部材33により懸架されている。
本実施の形態によれば、過熱蒸気発生装置15と蒸気供給管16及び前記過熱蒸気発生装置15と過熱蒸気投入管17とが、弾性を有する断熱部材31、32を介して接続されているので、過熱蒸気発生装置15で発生した熱が蒸気供給管16及び過熱蒸気投入管17の全体に拡散することを抑えることができる。
また、過熱蒸気発生装置15が、上外郭部材3aと下外郭部材3bとに直接接しないように固定部材33を介して下外郭部材3bに取り付けられているので、過熱蒸気発生装置15で発生した熱の一部を、固定部材33で拡散して、下外郭部材3bに伝達される熱量を減少させることができる。従って、蓋3の上・下外郭部材3a、3bの変形等を抑えて、過熱蒸気の温度を一層高く(例えば200℃以上に)することができる。
また、本実施の形態によれば、過熱蒸気発生装置15が、係合爪44でのみ固定部材33と接触するようにしているので、固定部材33と過熱蒸気発生装置15との接触面積を減らすことができる。また、固定部材33により過熱蒸気発生装置15を懸架するように構成しているので、ケース41の外周面からも熱を拡散させることができる。これにより、固定部材33が過剰に温度上昇することを抑え、蓋3の上・下外郭部材3a、3bの変形等を一層抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、平面視においてケース41の略全体を覆うように固定部材33を形成しているので、過熱蒸気発生装置15で発生した熱が上外郭部材3aに伝達されるのを抑える遮蔽板として固定部材33を機能させることができる。これにより、炊飯中であっても使用者が触れることができる上外郭部材3aが高温になることを抑えることができる。従って、火傷の危険性を一層抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、100℃の蒸気の生成を過熱蒸気発生装置15とは別の装置で行うようにしているので、ヒータ42の出力を低くすることができ、過熱蒸気発生装置15の小型化を実現することができる。また、過熱蒸気発生装置15のケース41内には、水を供給する必要がないので、ケース41内に水垢が付着して熱効率が低下することも抑えることができる。
ここで、過熱蒸気温度センサ18を、ヒータ42の根元部42aに設置している。ヒータ42の根元部42aに設置することで、ヒータ42との温度差を少なく制御することができ、また、蒸気温度も安定して200℃付近を供給することが出来る。
また、本実施の形態によれば、図4に示すように、ヒータ42の先端部42Aがケース41の側壁41bと接触するように設けているので、ヒータ42の熱がケース41に直接伝達され、ケース41内の蒸気を、ヒータ42とケース41の内面の両方から効率良く加熱することができる。これにより、過熱蒸気の温度を一層高くするとともに装置の小型化を実現することができる。
なお、ヒータ42の先端部42Aとケース41の側壁41bとを接触させた場合、それらを接触させない場合と比べて、例えば70〜80℃程度、ケース41の温度を上昇させることができる。
なお、ヒータ42とケース41とは、互いに形状が異なるので、熱が冷えたときの熱応力による膨張又は収縮により、ヒータ42とケース41との接続部分が壊れることが起こり得る。このため、ヒータ42の先端部42Aは、ケース41の側壁41bに一体的に固定するのではなく嵌合又は当接させることが好ましい。これにより、ヒータ42とケース41との接続部分が壊れることを抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、蒸気取込口41cがヒータ42の発熱部42Bの近傍に配置されているので、蒸気取込口41cから取り込まれた蒸気と発熱部42Bとの温度差が大きいことによって効率良く熱交換がなされる。これにより、蒸気の温度を素早く上昇させることができ、蒸気の加熱効率を向上させることができる。また、ヒータ42を小型化することも可能になる。
また、本実施の形態によれば、ヒータ42の周囲にフィン43を螺旋状に設けているので、フィン43に沿って螺旋状に蒸気を移動させて、蒸気の移動経路を長くすることができる。また、蒸気は、ヒータ42の熱が伝達されたフィン43からも加熱されることになるので、蒸気と熱源(ヒータ42及びフィン43)との接触面積が大きくなる。従って、ヒータ42の熱を効率良く蒸気に与えることができ、蒸気の加熱効率を一層向上させることができる。また、ヒータ42を小型化することも可能になる。
なお、ケース41とフィン43とが接触するように構成した場合、量産時において、特にケース41とフィン43との接触部分に寸法バラツキが生じやすい。この場合、過熱蒸気排出口41dから排出される過熱蒸気の温度にバラツキが生じる。このため、ケース41とフィン43とは非接触であることが好ましい。但し、ケース41とフィン43との隙間を大きくすると、フィン43に沿って流れずに当該隙間を通じて流れる蒸気の量が多くなり、蒸気の加熱効率が低下する。このため、ケース41とフィン43との隙間は、出来る限り小さく(例えば1.5mm以下に)することが好ましい。
また、蒸気に塩化カルシウムや塩化マグネシウムなどの成分が含まれている場合、それらの成分が、ケース41やフィン43に付着して堆積すると、蒸気が流れ難く(あるいは流れなく)なる。このため、蒸気に触れる部分であるフィン43及びケース41の材質としては、蒸気による酸化、腐蝕、応力腐蝕割れ等が発生しないように、オールステナイト系の高耐食の材質を選定することが好ましい。
また、ケース41内で過熱蒸気を生成した場合、ケース41内は、高圧(1.02気圧程度)になる。このため、ケース41とヒータ42との接続部分などの各接続部分をシールする部材は、一般に使用されるシリコンやフッ素などのゴム部材ではなく、ニッケル蝋などを用いて蝋付けすることが好ましい。
過熱蒸気温度センサ18の形状は、ヒータ42の根元に線で接触するようにしている。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記では、過熱蒸気発生装置15に供給する蒸気を、水タンク5内の水を加熱することにより生成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、炊飯中に鍋2内で発生した蒸気を過熱蒸気発生装置15に供給するようにしてもよい。
また、前記では、ケース41と下外郭部材3bとの間を空気層としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ケース41と下外郭部材3bとの間に、空気よりも熱伝導率が低いシート状(好ましくは無機物性)の断熱部材(図示せず)、例えば、シリカ性断熱部材を設けてもよい。
また、ケース41及び固定部材33の全体を覆うようにシート状の断熱部材(図示せず)を設けてもよい。この場合、ケース41と上外郭部材3a、及びケース41と下外郭部材3bの間に断熱部材が配置されるので、上外郭部材3a及び下外郭部材3bの変形等を一層抑えることができる。従って、過熱蒸気の温度を一層高くすることができる。また、過熱蒸気発生装置15は、固定部材33に懸架されているので、断熱部材には過熱蒸気発生装置15の自重がかからない。従って、断熱部材が過熱蒸気発生装置15の自重により圧縮されて断熱性能が低下するようなことがない。
また、前記では、固定部材33を上外郭部材3aと下外郭部材3bとの間にのみ配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、過熱蒸気発生装置15の外周面を覆う略筒状部分を有するように固定部材33を構成してもよい。この場合、過熱蒸気発生装置15から上外郭部材3a及び下外郭部材3bに伝達される熱の一部を、略筒状部分で遮蔽することができるので、上外郭部材3a及び下外郭部材3bの変形等を一層抑えることができる。
また、前記では、小型化の為、固定部材33をケース41の形状に沿わせるように形成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定部材33は、平板状であってもよい。
ここで、蒸気排出部の模式断面図である図6に示すように、過熱蒸気投入管17の蒸気投入部17aは、蒸気供給管16の蒸気供給部16aよりも径を小さくしており、接続パッキン20で蒸気接続部20aに連通している。蒸気接続部20aの径は、蒸気投入部17aの径と同等、もしくはそれより小さくしている。
内蓋4の蒸気投入部17aの下方には、鍋2の内部方向に突出する凸部4bを設け、その凸部4bに複数個の過熱蒸気投入孔4cを設けている。
凸部4bは略円形で形成されている。この構成により、勢いのついた過熱蒸気を過熱蒸気投入孔4cを介して、鍋2内の調理物の全域に投入することができる。
特に図6(a)に示すように、内蓋4の凸部4bの側面部と底面部のそれぞれに過熱蒸気投入孔4cを設けると、過熱蒸気投入孔4cから放射状に鍋2内の調理物に勢いよく過熱蒸気を広範囲に投入することができる。
また、図6(b)に示すように、内蓋4の凸部4bの側面部のみに過熱蒸気投入孔4cを設けると、一旦、調理物と内蓋4の空間に過熱蒸気を充満させた後に、調理物全域にゆっくりと過熱蒸気を浸透させることができる。
また、図7(a)に示すように、内蓋4の凸部4bの底部のみに過熱蒸気投入孔4cを設けると、一旦、過熱蒸気投入孔4c真下の調理物の下方まで過熱蒸気を浸透させた後、その過熱蒸気浸透部から調理物全域にゆっくりと過熱蒸気を浸透させることができる。
また、図7(b)のように、蒸気投入部17aの内蓋4の対向部との隙間を0〜1mmになるように、内蓋4を局所的に鍋2の内部方向に対して凹部4dとなるように形成すると、蒸気投入部17aと内蓋4と接続パッキン20の空間を少なくすることができ、過熱蒸気が空間内で渦巻くことで速度が落ちることを抑制できる。
上記の過熱蒸気投入孔4cの位置、内蓋4の凸部4b、凹部4dの形成角度等は求める食味により臨機応変に変更してよい。
なお、過熱蒸気が通る蒸気供給管16と過熱蒸気投入管17の曲げRはできる限り大きくしている。(本実施の形態では、R15以上としている。)。
これにより、絞り性の良化と蒸気が当たることによる磨耗などの耐久性を増すことができる。
本発明にかかる炊飯器は、過熱蒸気を鍋内の隅々まで供給することができるので、家庭用及び業務用炊飯器等として有用である。
1 炊飯器本体
1a 鍋収納部
2 鍋
3 蓋
3A ヒンジ軸
4 内蓋(加熱板)
4a、10a、10b 蒸気逃がし孔
4b 凸部
4c 過熱蒸気投入孔
4d 凹部
5 水タンク
6 蒸気加熱手段(水タンク加熱装置)
7 水タンク温度センサ
8 鍋底加熱ユニット(鍋加熱装置)
9 鍋温度センサ(鍋温度検知部)
10 蒸気筒
11、14、19 パッキン
12 内蓋温度センサ(内蓋温度検知部)
13 内蓋加熱コイル(内蓋加熱装置)
15 過熱蒸気発生装置
16 蒸気供給管
16a 蒸気供給部
17 過熱蒸気投入管
17a 蒸気投入部
18 過熱蒸気温度センサ(過熱蒸気温度検知部)
20 接続パッキン
20a 蒸気接続部
21 表示部
22 操作部
23 炊飯制御部
31、32 断熱部材
33 固定部材
33a 係合孔(被係合部)
34 締結部材
41 ケース
41a、41b 側壁
41c 蒸気取込口
41d 過熱蒸気排出口
42 ヒータ
42a 根元部
42A 先端部
42B 発熱部
43 フィン
44 係合爪(係合部)

Claims (4)

  1. 上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体の上部開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋の開口部を覆う内蓋と、前記鍋を加熱する鍋底加熱ユニットと、蒸気を発生させるための蒸気加熱手段と、前記蒸気加熱手段により発生した蒸気を加熱する過熱蒸気発生装置と、前記蒸気加熱手段に連通し前記過熱蒸気発生装置に蒸気を供給する蒸気供給部と、前記過熱蒸気発生装置で生成された過熱蒸気を前記鍋内に投入するための蒸気投入部とを備え、前記蒸気供給部の径よりも蒸気投入部の径を小さくすると共に、前記内蓋の前記蒸気投入部の下方に複数個の過熱蒸気投入孔を設けた炊飯器。
  2. 蒸気投入部下方に凸部を設け、前記凸部の底面と側面に複数個の過熱蒸気投入孔を設けた請求項1に記載の炊飯器。
  3. 蒸気投入部下方に凸部を設け、前記凸部の側面に複数個の過熱蒸気投入孔を設けた請求項1に記載の炊飯器。
  4. 蒸気投入部下方に凸部を設け、前記凸部の底面に複数個の過熱蒸気投入孔を設けた請求項1に記載の炊飯器。
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