JP2018126356A - 炊飯用容器 - Google Patents

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百合子 荒津
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ちひろ 伊藤
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Abstract

【課題】加熱中の炊飯用容器内に微細な沸騰気泡を発生させ、米や水への熱伝達効率を向上させつつ、炊飯物のこびりつきにくさを向上させた炊飯用容器を得る。
【解決手段】底部及び底部に連なる周壁を有する容器本体と、容器本体の内面のうち少なくとも底部の内面に設けられたコーティング層と、を備え、コーティング層は、親水性材料を含む親水部と撥水性材料を含む撥水部とが混合されて形成されており、コーティング層の表面には、親水部と撥水部の両方が露出しており、コーティング層を構成する材料全体に対する、親水性材料の混合比は、20wt%よりも小さい。
【選択図】図4

Description

本発明は、炊飯用容器に関する。
従来、PFAあるいはPTFEであるフッ素樹脂と、該フッ素樹脂よりも親水性の充填剤とを配合して親水化した塗膜層を設け、この充填剤の配合率を20質量%〜80質量%とした調理用加熱容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−34378号公報(請求項1)
炊飯用容器には、米又はおねば等の炊飯物の容器の表面へのこびりつきにくさが求められるとともに、米をむらなく炊き上げることも求められる。ここで、炊飯用容器の内面のコーティング層に設けられた撥水性のフッ素樹脂は、炊飯物のこびりつきにくさの向上に寄与する。また、炊飯用容器の内面のコーティング層に設けられた親水性の充填剤は、炊飯用容器が加熱されたときに微細な沸騰気泡を発生させることに寄与する。微細な沸騰気泡は、炊飯用容器内の米及び水の対流を促進し、米及び水への熱伝達効率を向上させるため、微細な沸騰気泡を発生させることで米の炊きむらを軽減できる。
特許文献1の記載によれば、親水性の充填剤を20質量%〜80質量%とした調理用加熱容器は、こびりつき防止機能を備えたとされている。しかし、炊飯用容器の表面へのこびりつきにくさについては、さらなる向上が求められている。たとえば昨今、米の柔らかさや粘りの程度などを炊き分ける機能を備えた炊飯器があり、炊きあがった炊飯物の状態によってこびりつきの程度も異なるため、広範にわたる状態の炊飯物がこびりつきにくい炊飯用容器が求められている。
本発明は、上述のような課題を背景としてなされたものであり、加熱中の炊飯用容器内に微細な沸騰気泡を発生させ、米や水への熱伝達効率を向上させつつ、炊飯物のこびりつきにくさを向上させた炊飯用容器を提供するものである。
本発明に係る炊飯用容器は、底部及び前記底部に連なる周壁を有する容器本体と、前記容器本体の内面のうち少なくとも前記底部の内面に設けられたコーティング層と、を備え、前記コーティング層は、親水性材料を含む親水部と撥水性材料を含む撥水部とが混合されて形成されており、前記コーティング層の表面には、前記親水部と前記撥水部の両方が露出しており、前記コーティング層を構成する材料全体に対する、前記親水性材料の混合比は、20wt%よりも小さいものである。
本発明によれば、炊飯用容器のコーティング層の表面には、親水部と撥水部の両方が露出している。このため、親水部において沸騰気泡を微細化することができ、炊飯用容器内の米及び水への熱伝達効率を向上させることができる。また、コーティング層を構成する材料全体に対する親水性材料の混合比は20wt%よりも小さく、撥水部の混合比が相対的に高いことによりコーティング層の表面に露出する撥水部の割合も大きいため、炊飯用容器への炊飯物のこびりつきにくさを向上させることができる。
実施の形態1に係る炊飯器の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。 実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程と、被加熱物温度及び炊飯用容器温度との関係を概略的に示す図である。 実施の形態1に係る炊飯用容器の断面模式図である。 図3のA部分を拡大した模式図である。 実施の形態1に係る加熱中の炊飯用容器の断面模式図である。 図5のB部分を拡大した模式図である。 実施の形態2に係る親水部の断面模式図である。 図7のC部分を拡大した模式図である。
以下、本発明に係る炊飯用容器を、家庭用IH(induction heating)式炊飯器に適用した場合の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、図面に示す炊飯器は、炊飯用容器が用いられる機器の一例を示すものであり、図面に示された炊飯器によって本発明の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る炊飯器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。以下、図1に基づいて、炊飯器100について説明する。炊飯器100は、被加熱物(本実施の形態では米200及び水201)を入れた鍋状の炊飯用容器5を加熱コイル3で加熱することで被加熱物を炊き上げるものである。図1に示すように、炊飯器100は、例えば外観が有底筒状の本体1と、本体1に取り付けられ、本体1の上部開口部を開閉する蓋体10とを備えている。
本体1は、容器カバー2と、加熱コイル3と、鍋底温度センサー4と、蓋体10を開閉自在に支持するヒンジ部6と、時間計測手段7と、各部及び各装置を駆動制御して炊飯工程を実行する制御手段8とを備えている。
容器カバー2は、有底筒状に形成され、その内部に炊飯用容器5が着脱自在に収容される。容器カバー2の底部中央には、鍋底温度センサー4が挿入される孔部2aが設けられている。
加熱コイル3は、制御手段8により通電制御され、炊飯用容器5を誘導加熱する加熱部である。なお、加熱部として、加熱コイル3に代えてシーズヒーター等の電気ヒーターを設けてもよい。加熱コイル3の配置は図示のものに限定されず、例えば炊飯用容器5の底面近傍に加えて炊飯用容器5の側面に沿って加熱コイル3を設けてもよい。
鍋底温度センサー4は、例えばサーミスタで構成され、炊飯用容器5の温度を検知する。本実施の形態の鍋底温度センサー4は、バネ等の弾性手段によって上方に付勢されており、容器カバー2に収容された炊飯用容器5の底面に接する。鍋底温度センサー4が検知した炊飯用容器5の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。なお、鍋底温度センサー4の具体的構成はサーミスタに限定されず、炊飯用容器5に接触して温度を検知する接触式温度センサーのほか、例えば赤外線センサー等の炊飯用容器5の温度を非接触で検知する非接触式温度センサーを採用してもよい。
炊飯用容器5は、誘導加熱により発熱する磁性体を含む材料により構成され、上側が開口した有底円筒形状を有している。ヒンジ部6は、本体1の上部の一端側(図1の紙面左側)に設けられ、蓋体10を開閉自在に支持する。
時間計測手段7は、制御手段8からの指示信号に基づいて経過時間をカウントする。時間計測手段7がカウントした経過時間は、制御手段8に出力される。制御手段8は、時間計測手段7、鍋底温度センサー4、並びに蓋体10に設けられた操作表示部15及び内部温度センサー16からの出力に基づいて、加熱コイル3に通電する高周波電流を制御する。そのほか、制御手段8は、炊飯器100の動作全般を制御する。制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェア、又はマイコン又はCPU(中央処理装置)のような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成される。
蓋体10は、外蓋11と、内蓋12とを有している。外蓋11は、蓋体10の上部及び側部を構成し、外蓋11の下面、すなわち炊飯用容器5に対向する面には、内蓋12が着脱自在に取り付けられている。内蓋12は、外蓋11の本体1側の面に係止材13を介して取り付けられている。内蓋12の周縁部には、炊飯用容器5との密閉性を確保する環状の蓋パッキン9が取り付けられている。また、内蓋12には、内部温度センサー16が挿入される第1孔部12aが設けられ、外蓋11には、内蓋12の第1孔部12aに挿入された内部温度センサー16の外周の隙間を塞ぐパッキン12bが取り付けられている。
外蓋11には、炊飯用容器5内にて生じた蒸気を本体1の外へ排出するカートリッジ14が着脱自在に設けられている。カートリッジ14には、蒸気流入口14aと、蒸気流出口14bとが形成され、カートリッジ14の内部には蒸気が通過する流路が形成されている。内蓋12には、カートリッジ14の蒸気流入口14aと連通する第2孔部12cが形成されている。カートリッジ14が外蓋11に取り付けられた状態において、炊飯用容器5内の蒸気は、第2孔部12c及び蒸気流入口14aを介してカートリッジ14内に流入し、蒸気流出口14bから外部へ流出する。
操作表示部15は、外蓋11の上面に設けられている。操作表示部15は、使用者からの操作入力を受け付けるとともに、操作入力に関する情報及び炊飯器100の動作状態を表示する。操作表示部15に対して設定可能な項目としては、例えば、炊飯の開始、取り消し、炊飯予約、炊飯メニューがある。操作表示部15が表示する項目としては、例えば、炊飯中又は予約待機中等の炊飯器100の状態、設定されている炊飯メニューの内容、炊き上がりの予定時刻、現在時刻、炊飯する米の量等が挙げられる。
内部温度センサー16は、炊飯用容器5内の温度を検知する温度検知手段であり、外蓋11に取り付けられている。内部温度センサー16の先端は内蓋12の第1孔部12aに挿入されており、炊飯用容器5内の空間温度を検知する。内部温度センサー16は、例えばサーミスタで構成することができる。内部温度センサー16が検知した炊飯用容器5内の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。
次に、本実施の形態における炊飯器100の炊飯工程について図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程と、被加熱物温度及び炊飯用容器温度との関係を概略的に示す図である。本実施の形態では、被加熱物温度、すなわち炊飯用容器5の内部温度を内部温度センサー16の検出値に基づいて検出する。また、炊飯用容器温度、すなわち炊飯用容器5の温度を、鍋底温度センサー4の検出値に基づいて検出する。
図2に示すように、炊飯工程は、吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程及び蒸らし工程を含む。吸水工程は、炊飯用容器5内の米200の内部にまで吸水を促す工程である。次の昇温工程は、吸水工程終了後から炊飯用容器5内の水201が沸騰するまでの工程である。炊飯用容器5内の水201が沸騰すると、制御手段8は、次の沸騰維持工程に移行する。この沸騰維持工程では、炊飯用容器5内の温度が沸騰温度を保持するように加熱し、米200のデンプンの糊化を促進する。最後の蒸らし工程は、炊飯用容器5内の米200を蒸らすことにより米粒中心部まで糊化を進行させ、且つ、米粒内の水分の分布を均一にする工程である。炊飯工程が終了すると、炊飯用容器5内を予め定められた温度に保持する保温工程に移行する。
次に、本実施の形態の炊飯用容器5について図3及び図4を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係る炊飯用容器5の断面模式図である。図3に示すように炊飯用容器5は、容器本体20の内面の少なくとも一部にコーティング層30が設けられて構成されている。容器本体20は、容器本体20の底を構成する底部21を有し、この底部21の内面にコーティング層30が設けられている。底部21には、内面及び外面が湾曲した湾曲部22と、湾曲部22に連なる側部23とを有する周壁が連なっている。側部23の上端部には、径方向外側に向かって延びるフランジ部24が設けられている。容器本体20の基材は、加熱源である加熱コイル3による誘導加熱によって発熱する材料、例えば、磁性材である炭素材料又は磁性金属を用いることもできるし、アルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス等の非磁性材料の外面に磁性材料を組み合わせて用いることもできる。
図4は、図3のA部分を拡大した模式図である。容器本体20の底部21の内面に設けられたコーティング層30は、撥水部31と、親水部32とを有する。撥水部31は、水との接触角が90°よりも大きい撥水性を有し、親水部32は、水との接触角が90°よりも小さい親水性を有する。ここで、接触角とは、固体、液体及び気体の3層が接触する境界線において、液体と気体との界面が固体面に対して成す角度をいう。本実施の形態で接触角というときには、特に断らない限り、固体であるコーティング層30の水に対する接触角をいうものとする。コーティング層30の表面、すなわち被加熱物と接する側の面においては、撥水部31と親水部32の両方が露出している。
コーティング層30の撥水部31を構成する撥水性材料の例として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)又はPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)などのフッ素樹脂が挙げられる。
コーティング層30の親水部32を構成する親水性材料は、シリカ等の親水性を有する物質を含む。親水性を有する物質とは、該物質の表面に親水性官能基、すなわちアミノ基(−NH)やヒドロキシ基(−OH)等が結合しているものである。上述のように、一般的に水との接触角が90°より小さい性質を親水性といい、本実施の形態においても親水部32の水との接触角は90°より小さいが、親水部32の水との接触角は40°以下であることがより好ましい。また、親水部32の最大径L1は、10mm以下とすることが好ましい。
このコーティング層30は、撥水性材料を含む撥水性の塗料と親水性材料を含む親水性の塗料とが混合された混合塗料が、容器本体20の内面に塗布されて、形成される。混合塗料が塗布された容器本体20を焼成して、混合塗料を容器本体20に固着させてもよい。より詳しくは、たとえば、親水性材料で構成された基材及びバインダーを含むコロイド状の親水性塗料と撥水性塗料とを混合して、この混合塗料を容器本体20の底部21の内面に塗布し、混合塗料が塗布された容器本体20を焼結する。このようにすると、撥水性塗料が焼成されて撥水部31が形成され、親水性塗料が焼成されて親水部32が形成される。本実施の形態では、コーティング層30の容器本体20への密着性を向上させるため、容器本体20とコーティング層30との間にプライマー層40が設けられている。
コーティング層30を構成する材料全体に対する親水部32の混合比は、20wt%よりも小さい。たとえば上述の方法でコーティング層30を形成する場合、親水性の塗料を20wt%よりも小さい割合で混合した混合塗料を用いて、コーティング層30を形成することができる。
次に、本実施の形態の炊飯用容器5が炊飯用容器5内の気泡に与える作用を、図5及び図6を参照して説明する。図5は、実施の形態1に係る加熱中の炊飯用容器5の断面模式図である。図5では、説明のため、炊飯用容器5内に生じる気泡を符号202で概念的に示し、米200の図示を省略している。
炊飯用容器5内に被加熱物が入れられた状態で加熱されると、図5に示すように、底部21で気泡の発生が始まる。ここで、底部21の内面には、コーティング層30が形成されている。コーティング層30の表面には、親水部32が露出している。この親水部32が表面に設けられていることにより、水201の沸騰時に生じる気泡が微細化する。
図6を参照してより詳しく説明する。図6は、図5のB部分を拡大した模式図である。親水部32における水201との接触角θは、90°よりも小さい。言い替えると、親水部32における気泡202との接触角(180°−θ)は90°よりも大きい。このため、気泡202の親水部32への接触面積が小さくなり、気泡は小さな浮力で親水部32から離脱できる。したがって、親水部32に発生した気泡202は、発生した場所から離脱してそのまま上昇する。このような作用により、微細な気泡202が、被加熱物中を通過することになる。本実施の形態では容器本体20の底部21に、親水部32が露出したコーティング層30が設けられているため、炊飯用容器5の底全体から均一に微細気泡が離脱して被加熱物中を通過し、被加熱物である米200及び水201へ効率良く熱を伝達することができる。
なお、コーティング層30の撥水部31は水に対する接触角が大きいため、撥水部31への気泡の接触面積が大きくなる。したがって、気泡が撥水部31から離脱するためには相対的に大きな浮力が必要となる。ここで、仮に、コーティング層30全体が撥水性であると、発生した気泡はコーティング層30の表面で移動と合体を繰り返しながら巨大化し、巨大化した気泡は炊飯用容器5の側面に沿って上昇していくという現象が生じやすい。この場合、被加熱物中を通過する気泡の数が相対的に減るので、被加熱物への熱の伝達効率が低下してしまう。しかし本実施の形態では、コーティング層30の表面に撥水部31と親水部32の両方が露出しているため、撥水部31に発生した気泡は、成長の過程において親水部32に接触している水201に押しのけられるような形で離脱することができる。
また、親水部32は、上述のように水201の沸騰の際の気泡を微細化し、被加熱物への熱伝達効率の向上に寄与するが、仮にコーティング層30全体が親水性であると、炊飯用容器5への飯及びおねばのこびり付きが問題となる。しかし本実施の形態では、コーティング層30の表面には親水部32に加えて撥水部31が露出しているため、飯及びおねばのこびりつきを抑制することができる。これにより、炊飯用容器5から飯を取り出しやすくすることができ、また炊飯用容器5の清掃性を向上させることができる。また、コーティング層30の材料全体に対する親水部32の混合比が20wt%よりも小さく、撥水部31の混合比は相対的に大きいため、こびり付きやすい米粒及びおねばのこびり付きを抑制することができる。
また、親水部32の最大径L1を10mm以下とすることで、炊き上がり後に長径10mm程度となる米粒が複数で塊となって親水部32に付着するのを抑制することができる。例えば親水部32の最大径L1が10mmを超えていると、複数の米粒が塊となって親水部32に付着し、飯が取り出しにくくなるとともに飯がこびり付きやすくなるが、親水部32の最大径L1が10mm以下であれば、米粒が塊で親水部32に付着しにくい。
実施の形態2.
本実施の形態2は、親水部32Aの構造に特徴を有し、その他の構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図7は、実施の形態2に係る親水部32Aの断面模式図である。図8は、図7のC部分を拡大した模式図である。本実施の形態の親水部32Aは、その表面に、複数の凹部33を有する。図8では、断面形状が略V字状の凹部33を一例として図示しているが、凹部33の断面形状はU字状、矩形、あるいは角丸矩形であってもよく、形状は限定されない。
凹部33の最大径L2は、好ましくは、1μm〜20μmである。また、このような凹部33が複数形成された親水部32Aの最大径L1は、好ましくは、20μm〜10mmである。
次に、本実施の形態の親水部32Aの作用を説明する。炊飯用容器5内に被加熱物が入れられた状態で加熱されると、親水部32Aに形成された複数の凹部33内には、被加熱物が沸騰する際に微細気泡が発生する沸騰核が生成される。
ここで、沸騰核の生成について説明する。炊飯用容器5に液体が入れられた状態において、凹部33の中に気体が残存していると、凹部33内の気体は、加熱されることにより沸騰核となる。他方、凹部33が大きすぎる場合は、炊飯用容器5に液体が入れられたときに凹部33内が液体で満たされて気体が残存せず、凹部33は沸騰核の生成に寄与しない。このように、沸騰核を生成するためには、炊飯用容器5に液体が入れられた際に凹部33内に気体を残存させる必要があり、そのためには凹部33の最大径が20μm以下であることが好ましい。
また、凹部33の中に気体が残存している場合、凹部33の径が大きい程、低い温度で凹部33内の気体が沸騰核としてアクティブになる。逆にいうと、凹部33の径が小さい場合には、大きい場合よりも高温で凹部33内の気体が沸騰核としてアクティブになる。炊飯用容器5を用いた炊飯の際の沸騰工程では、炊飯用容器5の底面温度は100℃よりも数℃高い状態に保持される。この温度域で凹部33内の気泡が沸騰核としてアクティブになるためには、凹部33の最大径L2は、1μm以上であることが好ましい。
凹部33に沸騰核が生成されると、この沸騰核が成長して気泡202(図5、図6参照)となる。すなわち、沸騰時の気泡は、主に凹部33から発生する。このため、凹部33の数が多い程、多数の気泡を発生させることができる。本実施の形態では、親水部32Aに複数の凹部33を設けたことで、凹部33を設けない場合よりも多くの微細気泡を発生させることができる。多くの微細気泡を発生させることで、被加熱物の対流が促進され、被加熱物への熱伝達率を向上させることができる。
なお、実施の形態1及び2では、炊飯専用の加熱調理器である炊飯器100に炊飯用容器5を適用した例を示したが、炊飯専用のものに限らず炊飯が可能で炊飯用容器5を加熱することのできる加熱調理器に対し、本実施の形態の炊飯用容器5を適用することができる。また、実施の形態1及び2では、容器本体20の底部21にコーティング層30を設けた例を示したが、底部21に連なる湾曲部22の一部又は全部に、同様のコーティング層30を設けてもよい。このようにすることで、湾曲部22からの微細な沸騰核の生成を促進することができる。また、側部23の一部又は全部に、同様のコーティング層30を設けることもできる。
1 本体、2 容器カバー、2a 孔部、3 加熱コイル、4 鍋底温度センサー、5 炊飯用容器、6 ヒンジ部、7 時間計測手段、8 制御手段、9 蓋パッキン、10 蓋体、11 外蓋、12 内蓋、12a 第1孔部、12b パッキン、12c 第2孔部、13 係止材、14 カートリッジ、14a 蒸気流入口、14b 蒸気流出口、15 操作表示部、16 内部温度センサー、20 容器本体、21 底部、22 湾曲部、23 側部、24 フランジ部、30 コーティング層、31 撥水部、32 親水部、32A 親水部、33 凹部、40 プライマー層、100 炊飯器、200 米、201 水、202 気泡。

Claims (4)

  1. 底部及び前記底部に連なる周壁を有する容器本体と、
    前記容器本体の内面のうち少なくとも前記底部の内面に設けられたコーティング層と、を備え、
    前記コーティング層は、親水性材料を含む親水部と撥水性材料を含む撥水部とが混合されて形成されており、
    前記コーティング層の表面には、前記親水部と前記撥水部の両方が露出しており、
    前記コーティング層を構成する材料全体に対する、前記親水性材料の混合比は、20wt%よりも小さい
    ことを特徴とする炊飯用容器。
  2. 前記親水部の水に対する接触角は、40°以下であることを特徴とする請求項1記載の炊飯用容器。
  3. 前記親水部は、最大径が1μm〜20μmである凹部を複数備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯用容器。
  4. 前記親水部の最大径は、20μm〜10mmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の炊飯用容器。
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