JP5845028B2 - 永久磁石の回収方法および回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石の回収方法および回収装置に関するものである。
電動機(モータ)は家電製品や各種産業機器等の種々の製品に利用されており、近年自動車についてもモータとエンジンで走行するハイブリッド自動車やモータのみで走行する電気自動車が普及し始め、その利用用途が益々広がっている。
モータには誘導モータやブラシレスDCモータ等多くの種類があるが、モータのエネルギー効率向上の観点から、近年では、誘導モータで必要となる界磁電流が不要で2次銅損のない、永久磁石を用いた内部磁石埋込型(IPM)モータが広く使われるようになっている。
図1はIPMモータの構造例を示す断面図である。永久磁石1は、酸化物およびバインダからなる磁石固定用のモールド材により固定され、電磁鋼板製のロータ(回転子)3に埋め込まれている。ロータ部3の外側にはステータ部(固定子)2が設けられており、スロットに巻回されたコイル4に電流を流すことによりロータ3を回転させる。IPMモータによれば、強力な希土類磁石を用いることで磁束密度を高くすることができ、モータの出力向上および小型化が可能となる。
IPMモータに用いられる希土類磁石は、サマリウム・コバルト系磁石およびネオジム・鉄・ボロン系磁石(ネオジム磁石)の主に2種類であるが、高い磁気エネルギー積を有し、機械的強度に優れる観点からネオジム磁石が多く用いられており、希土類磁石の90%以上を占めている。
ネオジム磁石に用いられるネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、プラセオジム(Pr)等の希土類元素はその価格が高価であるばかりでなく、産出国も限られることから、資源の安定的な確保の観点からもその効率的なリサイクル処理方法が望まれている。
しかしながら、ネオジム磁石のリサイクルに関して製造工程で発生するスクラップについては再利用が進められているものの、使用済のモータまたは発電機等の機器から取得される希土類磁石のリサイクルについては進んでいないのが現状である。
使用済の機器から取得される磁石のリサイクルを困難にしている一つの大きな原因は、希土類磁石が電磁鋼板やステンレスと磁力により強く結合しており、磁石固定用のモールド材も存在するため、解体しても手作業により効率的にロータから磁石を取り除き、回収することが困難であるためである。
このような事情により、現状ではモータ等の磁石は回収および再利用されていないが、製品を粉砕した後、粉砕物中に磁石が含まれていると磁石が破砕機やコンベア等の鉄製部品に付着し、鉄や銅等の有価金属のリサイクルの障害となる。そのため、銅、アルミおよび鉄等の有価金属を回収するための前処理として永久磁石の脱磁が検討されている。
このような永久磁石の脱磁方法の従来技術としては、永久磁石を含む製品を加熱炉で加熱して脱磁する方法(例えば特許文献1および2参照)や、モータ電圧に高周波電圧を印加し、誘導電流によりモータを発熱させ脱磁させる方法が提案されている(例えば特許文献3、4および5参照)。
しかしながら、上記のような方法で製品を加熱し、磁石の脱磁を行ってしまうと、希土類磁石を空気中で加熱することになってしまい、希土類元素が酸化物を形成してしまうことから、再度磁石として再利用するためには、新たに磁石を還元する処理が必要となる。この場合、磁石成分を分離・回収したとしても、磁石の化学的な再生処理が必要になることからリサイクルの効率が悪くなる。
また、磁石の脱磁の過程では、磁石固定用のモールド材や銅線からなるコイル材をモールドしている樹脂成分も同時に加熱されるため、樹脂成分の加熱分解によりタール分や硫化水素等の有毒ガス成分が生成される。このため、処理後に回収する磁石やコイルに用いられている銅線にタール分が付着することから、後工程で磁石をそのまま再利用するためには、磁石表面に付着したタール分等の有機化合物を除去しなければならないという問題がある。
一方、SmCo永久磁石の脱磁方法として、不活性ガス雰囲気または真空中でSmCoを加熱してその後に冷却する方法が開示されている(例えば特許文献6参照)。当該方法では、永久磁石の使用工程において永久磁石が着磁していると取扱いが困難になる点や永久磁石への金属微粉末の付着(磁性コンタミ)が生じる点を防ぐことが目的とされている。
特開2001−110636号公報 特開2001−313210号公報 特許3835126号公報 特開2006−254699号公報 特開2009−291070号公報 特開2002−158111号公報
しかしながら、上記従来の方法では、永久磁石が取り付けられた部品から当該永久磁石を取り外し、そのままの状態でリサイクルすることはできない。また、上記従来の方法では、モールド材で固定された永久磁石を簡易に回収することはできない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、電動機や発電機等から永久磁石を簡易に回収して再利用するための永久磁石の回収方法および回収装置を提供することである。
第1の発明に係る永久磁石の回収方法は、樹脂材料を介して固定部に取り付けられた永久磁石を減圧条件下で加熱する加熱工程と、加熱後の永久磁石から樹脂材料を除去する除去工程と、を備えることを要旨とする。
この回収方法によれば、樹脂材料を介して固定部に取り付けられた永久磁石を減圧条件下で加熱することにより、永久磁石の脱磁が可能になることと併せ、永久磁石の固定用の樹脂材料が減圧下の酸素のない雰囲気で加熱されることにより樹脂材料が脆くなり、永久磁石と樹脂材料とが分離し易くなるという利点がある。これにより、永久磁石を取得する際に永久磁石から樹脂材料を簡易に除去でき、また、取得後の永久磁石の脱酸素や脱炭素処理を行うことなく、そのままの形態で再度着磁を行った後、再利用できる。
また、樹脂材料を構成するエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の加熱により生成される高沸点の有機化合物(タール分等)は、減圧下で加熱することによってその多くが揮発して系外に排出されるので、加熱処理後の永久磁石への付着を防止できる。これにより、永久磁石と樹脂材料との分離が容易になるので永久磁石の回収が容易になるとともに、有機化合物を系外に排出することにより永久磁石表面の有機化合物による汚染を防止した状態で永久磁石のみを回収できる。なお、回収した永久磁石は、そのままの形態で再度着磁を行った後、電動機や発電機等に再利用することができる。
永久磁石は電動機、発電機、エアコンまたは圧縮機等に用いられることが多い。このような電動機等を減圧条件下で加熱することにより、電動機に用いられているコイルを固定部に固定する樹脂材料をも脆くさせることができ、コイルと樹脂材料との分離が容易になるので、コイルをも簡易に回収することができる。また、上記樹脂材料の加熱により発生するタール分等の有機化合物も減圧下の加熱ではその多くが揮発して系外に除かれるので永久磁石を汚染することがなく、またコイルへの汚染も防止される。
本発明に係る永久磁石の回収方法は、サマリウム・コバルト系磁石と比べてキューリー点の低いネオジム・鉄・ボロン系磁石(ネオジム磁石)に対して好適に適用できる。
永久磁石への金属微粉末の付着等を防止するため、永久磁石のキューリー点以上の温度、例えばネオジム磁石の場合には約310℃以上の温度で加熱処理し、永久磁石を十分に脱磁することが望ましい。但し、キューリー点に達しない温度で加熱処理した場合であっても、永久磁石の残留磁束密度が十分低下するならば、永久磁石と樹脂材料との分離は比較的容易である。
加熱工程は、減圧加熱装置内の雰囲気ガスを不活性ガスに置換するガス置換工程と永久磁石を加熱しながら減圧する減圧加熱工程とを含むことが好ましい。
使用される不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等、酸素を含まない不活性なガスを使用できる。減圧加熱装置内を不活性ガスで置換することで、電動機や発電機等を導入した状態で減圧加熱装置内に存在する酸素を含む空気を十分に除去した後、減圧加熱装置内を加熱することができるので、微量に残存する酸素を十分に除去することが可能となる。その結果、永久磁石の酸化を軽減できる。
また、減圧加熱装置内の雰囲気ガスを不活性ガスで置換した後、加熱しながら減圧することにより減圧初期には不活性ガスの加熱により永久磁石を効率的に加熱でき、真空度が上昇した状態では、加熱により発生した有機化合物を効果的に系外に排出できる。
加熱処理において外部加熱ではなく誘導加熱方式を採用することにより、直接かつ迅速に金属製のステータ、ロータおよびコイルを加熱することができるので、電動機または発電機全体を加熱する外部加熱方式と比較して、減圧下においても効率的な加熱処理を行うことができる。さらに、誘導加熱を行った場合には雰囲気温度が高くならないので、永久磁石用・コイル用の樹脂材料から発生する有機化合物の発生量が相対的に低減できるという利点もある。
永久磁石の回収方法は、加熱工程で発生した有機化合物を含む排ガスに酸素を含むガスを混合するガス混合工程と、混合された排ガスを酸化触媒層に流通させる第1流通工程と、をさらに備えることが好ましい。
酸化触媒層の上流側において排ガスに空気等の酸素含有ガスを混合し、この混合ガスを酸化触媒層に流通させることにより、発生した有機化合物を酸化分解でき、浄化された排ガスを排出できる。使用する酸化触媒としては、白金等の貴金属触媒や酸化マンガン系の卑金属触媒等が利用でき、触媒の形態はペレット状やハニカム状のものが利用できるが、圧力損失が小さいハニカム状の触媒が特に好適に利用できる。酸化触媒による有機化合物の分解には高温が必要であり、通常200℃以上程度に排ガスを加熱して触媒層を通過させることにより効果的に有機化合物の酸化分解を行うことが可能である。
加熱工程で発生した有機化合物を含む排ガスをプラズマ発生領域に流通させてもよい。
プラズマのエネルギーによって排ガスを分子量の小さい有機化合物に分解できる。分解された低分子の有機化合物を含むガスは加熱用の原料として有効利用でき、例えば減圧下で永久磁石を加熱するための加熱源として利用できる。
第2の発明に係る永久磁石の回収装置は、樹脂材料を介して固定部に取り付けられた永久磁石を加熱する熱処理炉と、熱処理炉内を減圧する真空ポンプと、熱処理炉と真空ポンプとの間に設けられ、熱処理炉内の高温の排ガスを冷却する冷却器と、熱処理炉内に不活性ガスを導入するガス導入路と、を備えたことを要旨とする。
この回収装置によれば、樹脂材料を介して固定部に取り付けられた永久磁石を減圧下で加熱処理することにより、永久磁石の脱磁が可能になることと併せ、永久磁石の固定用の樹脂材料が減圧下の酸素のない雰囲気で加熱されることにより樹脂材料が脆くなり、永久磁石と樹脂材料とが分離し易くなるという利点がある。これにより、永久磁石を取得する際に永久磁石から樹脂材料を簡易に除去でき、また、取得後の永久磁石の脱酸素や脱炭素処理を行うことなく、そのままの状態で永久磁石を再利用できる。
本発明によれば、電動機や発電機等において樹脂材料を介して固定部に取り付けられた永久磁石と当該樹脂材料とを容易に分離でき、永久磁石を簡易に取得して再利用することができる。
内部磁石埋込型モータの断面図である。 本実施形態に係る永久磁石の回収装置の構成を示す説明図である。 図2の回収装置の加熱処理手段の一例を示す説明図である。 図2の回収装置の排ガス処理手段の一例を示す説明図である。 図2の回収装置の排ガス処理手段の他例を示す説明図である。 本実施形態におけるリサイクルフローを示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る永久磁石の回収方法および回収装置について図面を参照しながら説明する。
図1はリサイクル対象となる永久磁石を備える内部磁石埋込型モータ(以下、IPMモータと呼ぶ)Mの断面図である。
図1に示すように、IPMモータMのロータ部3に希土類元素を複数含んだ永久磁石1が埋め込まれている。なお、各永久磁石1は図示しない挿入溝に埋め込まれ、当該挿入溝と永久磁石との間に樹脂材料からなるモールド材が充填され、このモールド材が硬化することにより永久磁石1が挿入溝に固定される構成となっている。
ステータ部2にはモールド材が付着した銅線からなるコイル4が巻回されている。このようなIPMモータMから永久磁石1を回収するためには、永久磁石1の脱磁を行うとともに永久磁石1を回収するためにモールド材を除去する必要がある。
IPMモータMを構成する材料の中で材料価格が高い金属材料はコイル4に用いられている銅線である。この再利用価値が高い銅線を回収するためには、モールド材をコイル4から除去する必要がある。
図2は本実施形態に係る永久磁石の回収装置100の構成を示す説明図である。なお、この回収装置100の加熱処理手段および排ガス処理手段についてはそれぞれ後述の図3および図4で説明する。
図2に示すように、被処理物としてのIPMモータMが導入された減圧熱処理炉11には、減圧熱処理炉11内の排ガスを排出して減圧するための真空ポンプ12が配管13により接続されている。
配管13において減圧熱処理炉11と真空ポンプ12との間にはガス冷却器14が介挿されており、加熱された排ガスがガス冷却器14により冷却された後、真空ポンプ12に導入されるようになっている。
また、減圧熱処理炉11には不活性ガスを導入するための配管15と導入弁16とが接続されており、加熱処理前に減圧熱処理炉11内の空気を不活性ガスで置換することにより加熱処理時に永久磁石1が酸化することを抑制できる。
図3は図2の回収装置100の加熱処理手段の一例を示す説明図である。
図3に示すように、IPMモータMは減圧熱処理炉11内に設けられた断熱壁21の外側に設置され、減圧熱処理炉11の外部に設けられた変流器23および高周波電源24に接続された加熱コイル22により加熱される。
図4は図2の回収装置100の排ガス処理手段の一例を示す説明図である。
図4に示すように、配管13においてガス冷却器14の上流側に空気供給管31、加熱ヒータ32、ガードベッド33および酸化触媒層34がこの順で介挿されている。
このような構成において、減圧熱処理炉11内で発生したタール分等の有機化合物を含む排ガスに対して空気供給管31により空気が供給され、当該排ガスは加熱ヒータ32により加熱される。その後、排ガスは、有機化合物に含まれる硫黄等の被毒成分を除去するためのガードベッド33を通過し、酸化触媒層34を通過することにより酸化される。酸化触媒層34で処理した後の排ガスは、その有機化合物が酸化分解されているので浄化されており、ガス冷却器14で冷却された後、真空ポンプ12によって外部に排出される。
なお、回収装置100の排ガス処理手段の他例として以下の構成を採用してもよい。図5は図2の回収装置100の排ガス処理手段の他例を示す説明図である。
図5に示すように、配管13においてガス冷却器14の上流側にプラズマ発生装置41が介挿される。
減圧熱処理炉11内で発生したタール分等の有機化合物を含む排ガスがプラズマ発生装置41により発生するプラズマの中を通過することにより、タール分等の高分子の有機化合物が低分子の有機化合物に分解処理される。プラズマ処理後の排ガスは、ガス冷却器14および真空ポンプ12を介して配管42により減圧熱処理炉11内に戻され、加熱処理用の原料ガスとして利用される。
図6は本実施形態におけるリサイクルフローを示す説明図である。
図6に示すように、永久磁石を有する電動機や発電機等を減圧下で加熱処理する(ステップS1)。加熱温度はキューリー点以上が望ましく、具体的にはネオジム磁石の場合は約310℃である。キューリー点は、ネオジム磁石中のジスプロシウム(Dy)含有量が増加すると高くなるが、含有量に合わせて加熱温度を変化させることが望ましい。但し、加熱温度がキューリー点温度以下であっても磁束密度が減少する減磁効果があり、処理後のモータから磁石を回収することが容易になる。脱磁が不完全であっても、減磁が起こる温度域で処理した後に磁石の回収を行うことも実質的に可能であり、この場合は200℃以上程度の温度で加熱処理する必要がある。
また、減圧熱処理炉11における加熱処理時の減圧圧力は、モールド材として用いられるエポキシ樹脂やフェノール樹脂等が分解されて生じる有機化合物が揮発して減圧熱処理炉11から排出される減圧条件に設定されることが必要である。具体的には、減圧圧力は絶対圧で10〜1000Pa(約0.000099〜0.009869気圧)程度に設定されることが望ましく、10〜200Pa(約0.000099〜0.001974気圧)程度に設定されることがより望ましい。
本実施形態に係る永久磁石の回収装置100によれば、IPMモータMを減圧下で加熱処理することにより永久磁石1の脱磁およびモールド材の脆化を実現できるので、永久磁石1とモールド材との分離を簡易に行うことができる(ステップS2)。これにより、回収した永久磁石1に樹脂分解成分(タール分や硫化水素等の有毒ガス成分)が付着することが防止されるので、永久磁石1の回収後に樹脂分解成分を除去する必要がなく、回収した永久磁石1をそのままの状態で再利用することができる(ステップS3)。併せて、コイル銅線も永久磁石1の回収と同時に簡易に行えるようになることからその経済的効果は非常に大きい。
また、減圧下での加熱処理により処理されたコイル銅線のモールド材が永久磁石1のモールド材と同様に加熱により脆化し、銅線と容易に分離することができるので、樹脂分解成分の付着なく銅線を簡易に回収できる。なお、永久磁石1およびコイル銅線以外のその他の材料(電磁鋼板やアルミニウム等)については、粉砕した後、磁力選別等の分離手法を用いてリサイクルできる(ステップS4)。
なお、回収した永久磁石1は、再度着磁することにより再利用することが可能であり、再度粉砕、成形または加工等の処理を必要としない。着磁方法の例としては、電磁石を用いて静磁場により着磁する方法や、コンデンサ式着磁電源装置を使用し、コイルに大電流を流して強力なパルス磁場を発生させ着磁させる方法等が好適例として挙げられる。また、パルス磁場による着磁法は、短時間で着磁を行うことができるので単位時間当たりの生産性が高いことから特に好ましい。パルス磁場により着磁を行う場合は、ネオジム磁石に対してコンデンサ式電源の電圧を1500V以上、静電容量2000μF以上の条件とし、パルス幅を1/1000〜1/100秒に設定して着磁することで十分な着磁を行うことができ、ネオジム磁石を脱磁前の磁力と同レベルに戻すことが可能となる。
(上記実施形態の各部と請求項の各構成要素との対応関係)
上記実施形態においては、IPMモータMが電動機に相当し、減圧熱処理炉11が減圧加熱装置および熱処理炉に相当し、モールド材が樹脂材料に相当し、ステータ部2がステータに相当し、ロータ部3がロータに相当し、ガス冷却器14が冷却器に相当し、配管15がガス導入路に相当する。
なお、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の主旨から逸脱しない範囲で異なる変形、追加、修飾を行うことができる。さらに、本実施形態において本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は一例であり本発明を限定するものではない。
1 永久磁石
2 ステータ部
3 ロータ部
4 コイル
11 減圧熱処理炉
12 真空ポンプ
13 配管
14 ガス冷却器
15 配管
22 加熱コイル
33 ガードベッド
34 酸化触媒層
41 プラズマ発生装置
100 永久磁石の回収装置
M IPMモータ

Claims (11)

  1. 永久磁石が取り付けられた部品から当該永久磁石を取り外し、そのままの状態でリサイクルする永久磁石の回収方法であって、
    樹脂材料を介して固定部に取り付けられた永久磁石を減圧条件下で加熱する加熱工程と、
    加熱後の前記永久磁石から前記樹脂材料を除去する除去工程と、
    を備えることを特徴とする永久磁石の回収方法。
  2. 前記永久磁石は電動機または発電機に用いられている請求項1に記載の永久磁石の回収方法。
  3. 前記永久磁石はネオジム磁石である請求項1または請求項2に記載の永久磁石の回収方法。
  4. 前記加熱工程における加熱温度は、前記永久磁石のキューリー点以上の温度である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石の回収方法。
  5. 前記電動機および前記発電機はコイルを含み、
    前記加熱工程では、前記電動機または前記発電機が減圧条件下で加熱され、
    前記除去工程では、前記永久磁石および前記コイルを取得する請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石の回収方法。
  6. 前記永久磁石は前記固定用の樹脂材料によりロータまたはステータに固定されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の永久磁石の回収方法。
  7. 前記加熱工程は、減圧加熱装置内の雰囲気ガスを不活性ガスに置換するガス置換工程と、前記永久磁石を加熱しながら減圧する減圧加熱工程と、を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石の回収方法。
  8. 前記加熱工程では誘導加熱が用いられる請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の永久磁石の回収方法。
  9. 前記加熱工程で発生した有機化合物を含む排ガスに酸素を含むガスを混合するガス混合工程と、混合された排ガスを酸化触媒層に流通させる第1流通工程と、をさらに備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の永久磁石の回収方法。
  10. 前記加熱工程で発生した有機化合物を含む排ガスをプラズマ発生領域に流通させる第2流通工程をさらに備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の永久磁石の回収方法。
  11. 樹脂材料を介して固定部に取り付けられた永久磁石を加熱する熱処理炉と、
    前記熱処理炉内を減圧する真空ポンプと、
    前記熱処理炉と前記真空ポンプとの間に設けられ、前記熱処理炉内の高温の排ガスを冷却する冷却器と、
    前記熱処理炉内に不活性ガスを導入するガス導入路と、を備えた永久磁石の回収装置。
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