JP5842728B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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本発明は、内燃機関で燃焼させる燃料を噴射する、燃料噴射弁に関する。
特許文献1等に開示されている従来の燃料噴射弁は、図10に示すように、噴孔24が形成されたボデー20の内部に、ニードル30xを収容して構成されている。そして、ボデー20内部に形成された着座面22にニードル30xのシート面32を着座させると、ニードル30xとボデー20の間にて形成される環状の燃料通路21が遮断され、噴孔24からの燃料噴射が停止される(図10(a)参照)。また、着座面22からシート面32を離座させると、燃料通路21が開通して噴孔24から燃料が噴射される(図10(b)参照)。
また、上記ボデー20の内部にはサック室23が形成されており、燃料通路21にて環状に分布する燃料は、サック室23で集合してから噴孔24へと導かれる。以下、サック室23を設けることによる技術的意義について説明する。
ニードル30xがシート面32から離座する際に、厳密にはニードル30xが傾いた状態で離座するので、環状の燃料通路21が全周に亘って同時に開通するわけではない。そのため、仮に、図中の一点鎖線位置に噴孔24L、24Rを形成してサック室23を廃止した構成にすると、最初に開通した部分の近傍に位置する噴孔24Lから先に噴射を開始し、その後で、他の噴孔24Rから噴射が開始されるようになる。つまり、燃料噴射弁から燃焼室へ噴射される噴霧パターンが、噴射開始時には所望のパターンにならない。しかも、先に噴射される燃料の噴霧特性(例えば噴射長や噴射幅)と、後に噴射される燃料の噴霧特性とが異なることになるため、燃焼状態が悪化する。
これに対し、図中の実線位置に噴孔24を形成してサック室23を備えた図10の構成によれば、環状の燃料通路21から流れ出た燃料は、サック室23に集合した後に噴孔24から噴射されるので、複数の噴孔24から同時に噴射開始されることが促される。よって、噴射開始時に噴霧パターンが崩れたり、噴孔間で噴霧特性にばらつきが生じたりすることが抑制される。
特開平8−144895号公報
しかしながら、サック室23を形成することで以下の問題が新たに生じる、との知見を本発明者らは得た。
すなわち、燃料通路21からサック室23へ流入した燃料は、図10(b)中の矢印F1に示すように最短距離で噴孔24へ流入することが理想的であるが、サック室23へ流入する燃料の一部は、矢印F2に示すようにサック室23の底面23aに回り込んでから噴孔24へ流入する。すると、矢印F3に示すように噴孔24内で旋回流が発生し、それが原因で、噴射された燃料の貫徹力(ペネトレーション)が低下し、スモーク増大等、排気エミッションの悪化を招くことが分かった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、噴射開始時における噴霧パターン崩れおよび噴霧特性ばらつきの抑制と、噴射燃料の貫徹力低下の抑制との両立を図った燃料噴射弁を提供することにある。
上記目的を達成する発明は以下の点を特徴とする。すなわち、内燃機関で燃焼させる燃料を噴射する噴孔が形成されたボデー、及び前記ボデーの内部に収容されたニードルを備え、前記ボデー内部に形成された着座面に前記ニードルのシート面を着座させることにより、前記ニードルと前記ボデーの間にて形成される環状の燃料通路を遮断して、前記噴孔からの燃料噴射を停止させ、前記着座面から前記シート面を離座させることにより、前記燃料通路を開通させて、前記噴孔から燃料を噴射させる燃料噴射弁であることを前提とする。
そして、前記燃料通路と前記噴孔との間に位置し、前記燃料通路にて環状に分布する燃料を集合させて前記噴孔へと導くサック室が、前記ボデーの内部に形成されており、前記ニードルのうち前記シート面よりも下流側の部分には、前記サック室へ向けて先細りしながら前記軸方向に延びる円錐部が形成されており、前記円錐部の先端には、前記先細りの度合いを小さく(テーパ角度を小さく)した形状で前記軸方向に延びる突出部が形成されており、前記ニードルを最大限にリフトアップさせた状態下、半球状の前記サック室内において前記噴孔の中心線よりも前記サック室の底面側に、当該底面から離間して前記突出部の先端が位置し、前記ニードルを着座させた状態において、前記噴孔の入口から前記ニードルまでの距離が、前記サック室の直径の35%以下となるように構成されていることを特徴とする。
上記発明では要するに、ニードルの先端部分には、サック室へ向けて先細りする形状の円錐部が形成され、さらにその円錐部の先端には、先細りの度合いを小さく(テーパ角度を小さく)した形状の突出部が形成される。そのため、燃料通路から円錐部の壁面に沿ってサック室へ流入する燃料は、先細り度合いを小さくした形状の突出部の壁面により、噴孔へ向かう流れへと曲げられる(図2および図7〜図9中の矢印F4、F5、F6、F7参照)。よって、サック室の底面に回り込んでから噴孔へ向かう流れが抑制され、その結果、噴孔内で発生する旋回流を低減できる。よって、サック室を形成することによる噴射燃料の貫徹力低下を抑制できる。
また、サック室が形成されているので、燃料通路にて環状に分布する燃料はサック室で集合してから噴孔へ流入する。よって、複数の噴孔から同時に噴射開始されることが促進される。よって、噴射開始時に噴霧パターンが崩れたり、噴孔間で噴霧特性にばらつきが生じたりすることが抑制される。
以上により、上記発明によれば、サック室を形成することで、噴射開始時における噴霧パターン崩れおよび噴霧特性ばらつきを抑制でき、しかも、突出部を形成することで、噴射燃料の貫徹力低下も抑制できる。
本発明の第1実施形態にかかる燃料噴射弁が搭載される、エンジンのレイアウト図。 第1実施形態にかかる燃料噴射弁の断面図。 燃料噴射弁から噴射される燃料の、噴霧長の時間変化を示す試験結果。 噴孔の入口からニードルまでの距離と、噴霧長との関係を示す試験結果。 燃料噴射弁から噴射される燃料の、噴霧幅の時間変化を示す試験結果。 噴孔の入口からニードルまでの距離と、噴霧幅との関係を示す試験結果。 本発明の第2実施形態にかかる燃料噴射弁の断面図。 本発明の第3実施形態にかかる燃料噴射弁の断面図。 本発明の第4実施形態にかかる燃料噴射弁の断面図。 従来の燃料噴射弁の構造を説明する断面図。
以下、本発明にかかる燃料噴射弁を、車両に搭載された内燃機関に適用した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1に示す内燃機関10は圧縮時着火式であり、燃焼室11へ直接燃料を噴射する位置に燃料噴射弁12が搭載されている。燃料噴射弁12から噴射される燃料は、燃料ポンプ14から圧送されてコモンレール13で蓄圧された高圧(例えば数百MPa)の燃料である。
図2は、燃料噴射弁12の先端部分を示す断面図であり、燃料噴射弁12は、複数の噴孔24が形成されたボデー20と、ボデー20の内部に収容されたニードル30と、を備えて構成されている。ボデー20のうち噴孔24が形成された先端部分は、燃焼室11に露出するように配置されており、噴孔24から噴射された燃料は燃焼室11で燃焼する。
燃料噴射弁12に搭載された電動アクチュエータ(例えば電磁コイルやピエゾ素子等)の作動を、図1に示す電子制御装置(ECU15)で制御することにより、ニードル30をボデー20内でリフトアップさせて開弁作動させると、噴孔24から燃料が噴射される。一方、ニードル30をボデー20内でリフトダウンさせて閉弁作動させると、噴孔24からの燃料噴射が停止される。
より詳細に説明すると、ボデー20は円筒形状に形成され、ニードル30は図2の上下方向(軸方向)に延びる円柱形状に形成されている。そして、図2(a)の如くニードル30を軸方向にリフトダウンさせると、ボデー20の内周面に形成された着座面22に、ニードル30の外周面に形成されたシート面32が着座する。これにより、ニードル30とボデー20の間にて形成される環状の燃料通路21が遮断され、噴孔24からの燃料噴射が停止される。一方、図2(b)の如くニードル30を軸方向にリフトアップさせると、着座面22からシート面32が離座することにより燃料通路21が開通して、噴孔24から燃料が噴射される。
ボデー20内部のうち燃料通路21の下流側部分には、燃料通路21にて環状に分布する燃料を集合させて噴孔24へと導くサック室23が形成されている。サック室23は半球体の形状であり、ボデー20のうちサック室23を形成する部分に、複数の噴孔24が等ピッチで形成されている。
ニードル30は、ボデー20との間で燃料通路21を形成する本体部31を有する。本体部31の下流側にはシート面32を形成する部分が連なっている。さらに、シート面32の下流側には円錐部33が連なっており、円錐部33の下流側には突出部34が連なっている。
ニードル30のうちシート面32を形成する部分および円錐部33は、下流側へ向けて先細りする円錐形状である。以下、円錐の頂角、つまり先細りする角度をテーパ角度と呼び、テーパ角度が小さいほど先細りする度合いが小さいと定義する。そして、円錐部33のテーパ角度はシート面32のテーパ角度より大きく設定されている。突出部34は円柱形状であるため、先細りも先太りもしていない形状であるが、円錐部33に比べて先細り度合いが小さい形状であると言える。
着座面22にニードル30が着座した図2(a)の状態では、シート面32と円錐部33との境界(円錐部33の上端)はサック室23よりも上流に位置する。ここで、このような位置関係による技術的意義を以下に説明する。
ボデー20の着座面22にはニードル30が繰り返し衝突するため、着座面22は僅かではあるが凹状に変形する。すると、その変形した分、ボデー20のうち着座面22の下流側部分が凸状に変形する(図2(b)中の点線20a参照)。そのため、円錐部33の上端が下流側部分20aよりも下流に位置していると、シート面32が凸状部分20aに着座してしまい、着座面22には着座しなくなる。すると、ニードル30とボデー20とのシール性が悪くなり、燃料通路21を完全に遮断できなくなる、との不具合が生じる。
この点を鑑みた本実施形態では、テーパ角度の大きい円錐部33の上端が、着座時においてサック室23よりも上流に位置するように構成されているので、シート面32が凸状部分20aに着座することを回避できる。よって、燃料通路21を完全遮断できなくなる不具合を解消できる。
ニードル30を着座面22から離座させて最大限にリフトアップさせた図2(b)の状態、および着座状態のいずれにおいても、円錐部33と突出部34との境界(円錐部33の下端)はサック室23に位置する。また、突出部34の先端、つまりニードル30の下端30bは、最大リフトアップの状態において、噴孔24の中心線Cよりもサック室23の底面23a側に位置する。また、円錐部33と突出部34との境界は、最大リフトアップ状態では、噴孔24の中心線Cに対して底面23aの反対側に位置し、着座状態では中心線Cよりも底面23a側に位置する。
以上により、本実施形態によれば、先細り形状の円錐部33の先端に、円柱形状(先細り度合いを小さくした形状)の突出部34を設けている。そのため、燃料通路21から円錐部33の壁面に沿ってサック室23へ流入した燃料は、突出部34の外周壁面により、噴孔24の入口へ向けて曲げられる(図2(b)中の矢印F4参照)。よって、サック室23の底面23aに回り込んでから噴孔24の入口へ向かう流れ(図10(b)中の矢印F2参照)が抑制され、その結果、噴孔24内で発生する旋回流(図10(b)中の矢印F3参照)を低減できる。よって、噴孔24内での圧力損失が低減されて、噴射燃料の貫徹力が向上し、排気中に含まれるスモークの低減等、排気エミッションを良好にできる。
特に、噴射開始初期の貫徹力も向上できるので、噴射開始後直ぐに閉弁させるような少量の燃料を噴射させる場合(例えばパイロット噴射の場合)の燃焼状態を良好にできる、といった効果が発揮される。そのため、排気エミッションの向上が促進される。
以下、本発明者らが実施した試験結果に基づき、上述した貫徹力向上の効果について説明する。
図3の横軸は経過時間、縦軸は噴孔24出口からの噴霧長を示し、噴射を開始してから噴霧長が伸びていく様子を表す。また、図5の横軸は経過時間、縦軸は最大噴霧幅を示し、噴射を開始してから噴霧幅が広がっていく様子を表す。図3および図5中の実線は図10に示す従来構造の場合、一点鎖線は本実施形態の場合、点線は後述する第2実施形態の場合の試験結果である。この試験結果は、突出部34を備えた本実施形態によると、突出部34を備えていない従来構造に比べて噴霧長が長くなり、かつ、噴霧幅が小さくなることを表しており、このことは、貫徹力が向上したことを意味する。
図3および図5中の点線P1、P2部分は、先述したパイロット噴射時の最大噴霧長および最大噴霧幅に相当し、t1、t2時点における噴霧長および噴霧幅を図4および図6に示す。図4および図6の横軸は後述するサック径比率、縦軸は噴孔24出口からの噴霧長を示す。「サック径比率」とは、サック室23の直径D(図2(b)参照)に対する、ニードル30から噴孔24入口までの距離L1(図2(a)参照)の比率である。「距離L1」とは、着座状態において、噴孔24の中心線C上のうち、噴孔入口24からニードル表面30aまでの距離である。本実施形態の場合、中心線Cがニードル表面30aに交わる位置は円錐部33である。
図4および図6中の三角印は従来構造の場合、丸印は本実施形態の場合、四角印は第2実施形態の場合の試験結果であり、本実施形態の距離L1は、従来構造の距離Lx(図10(a)参照)に比べて短く、第2実施形態の距離L2は、本実施形態の距離L1よりも短い。そして、本実施形態のサック径比率は35%であり、従来構造のサック径比率39%に比べて小さく、第2実施形態のサック径比率(約21%)は本実施形態のサック径比率よりも小さい。
したがって、図4および図6の試験結果は、噴孔入口からニードル表面までの距離を短くしてサック径比率を小さくすることにより噴霧長が長くなり、かつ、噴霧幅が小さくなることを表している。具体的には、パイロット噴射域において、本実施形態では従来構造に比べて噴霧長が18%長くなり、噴霧幅が10%短くなることを示す。このことは、貫徹力が向上したことを意味する。
また、図4および図6の試験結果は、サック径比率に対する噴霧長および噴霧幅の傾きが、サック径比率35%を境に大きく変化し、サック径比率が35%よりも大きくなると噴霧長が急激に短くなり、かつ、噴霧幅が大きくなることを表している。よって、サック径比率が35%以下となるように構成することが、貫徹力向上の点で望ましい。
次に、サック室23を備えることによる効果を説明する。燃料通路21にて環状に分布する燃料はサック室23で集合してから、複数の噴孔24へ分配される。よって、複数の噴孔24から同時に噴射開始されることが促進される。よって、噴射開始時に噴霧パターンが崩れたり、噴孔24間で噴霧特性にばらつきが生じたりすることが抑制される。
以上により、本実施形態によれば、サック室23を形成することで、噴射開始時における噴霧パターン崩れおよび噴霧特性ばらつきを抑制でき、しかも、突出部34を形成することで、噴射燃料の貫徹力低下も抑制できるようになる。また、本実施形態では突出部34を円柱形状に形成しているので、図7に示す如く突出部35を円錐形状に形成する場合に比べて、突出部34の加工が簡単になる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態にかかるニードル30では、突出部34を円柱形状に形成している。これに対し、図7に示す本実施形態のニードル30Aでは、突出部35を、円錐部32の先端からニードル30Aの軸方向に先細りしながら延びる円錐形状に形成している。そして、円錐部33のテーパ角度はシート面32のテーパ角度より大きく設定されており、突出部35のテーパ角度は円錐部33のテーパ角度より小さく(先細り度合いが小さく)設定されている。なお、円錐の先端は軸方向に対して垂直な平坦面に形成されている。
また、図7(b)に示す最大リフトアップ状態では、円錐部33と突出部35との境界(円錐部33の下端)はサック室23よりも上流側に位置する。一方、図7(a)に示す着座状態では、円錐部33と突出部35との境界はサック室23に位置する。また、突出部35の先端、つまりニードル30Aの下端30bは、最大リフトアップの状態において、噴孔24の中心線Cよりもサック室23の底面23a側に位置する。また、円錐部33と突出部34との境界は、最大リフトアップ状態および着座状態のいずれにおいても、噴孔24の中心線Cに対して底面23aの反対側に位置する。
以上により、本実施形態によれば、先細り形状の円錐部33の先端に、先細り度合いを小さくした円錐形状の突出部35を設けている。そのため、燃料通路21から円錐部33の壁面に沿ってサック室23へ流入した燃料は、突出部35の外周壁面により、噴孔24の入口へ向けて曲げられる(図7(b)中の矢印F5参照)。よって、サック室23の底面23aに回り込んでから噴孔24の入口へ向かう流れが抑制され、その結果、噴孔24内で発生する旋回流を低減できる。よって、噴孔24内での圧力損失が低減されて、噴射燃料の貫徹力を向上できる。
ここで、突出部34を円柱形状にした第1実施形態では、突出部34の円柱径を大きくすれば、距離L1が短くなるので貫徹力向上が気体できる。しかし、前記円柱径を過大にすると、着座状態においてニードル下端30bの角がサック室底面23aに接触するため、円柱径を大きくするには限界がある。これに対し、突出部35を円錐形状にした本実施形態では、突出部35の円錐径を大きくして距離L2を短くする限界が円柱形状の場合に比べて緩いので、距離L2を大きくする上で有利である。
よって、突出部35を円錐形状にした本実施形態では、突出部35の円錐径を大きくして距離L2短縮を促進でき、サック径比率の縮小を促進できるので、図3〜図6の試験結果からも明らかなように、第1実施形態に比べて貫徹力を向上できる。
(第3実施形態)
図8に示す本実施形態のニードル30Bでは、第1実施形態にかかる突出部34と同様の円柱形状の突出部36を形成し、その突出部36の先端に、先太りしながらニードル軸方向に延びるフレア部36aが形成されている。換言すれば、フレア部36aのテーパ角度はマイナスであると言える。フレア部36aは、外周面の稜線が直線上に延びる円錐形状であっても良いし、図8に示すように噴孔入口に向けて外周面を湾曲させた形状であっても良い。
本実施形態によれば、先細り形状の円錐部33の先端に、先細り度合いを小さくした円錐形状の突出部36を設け、さらにその突出部36の先端に、先太りするフレア部36aを形成している。そのため、燃料通路21から円錐部33の壁面に沿ってサック室23へ流入した燃料は、突出部36の外周壁面に沿って、噴孔入口へ向けて曲げられた後、さらにフレア部36aによって噴孔入口へ向けて曲げられる(図8(b)中の矢印F6参照)。よって、サック室23の底面23aに回り込んでから噴孔24の入口へ向かう流れが抑制され、その結果、噴孔24内で発生する旋回流を低減できる。よって、噴孔24内での圧力損失が低減されて、噴射燃料の貫徹力を向上できる。
(第4実施形態)
上記各実施形態では、シート面32の下流側に形成された円錐部33のテーパ角度を、シート面32のテーパ角度よりも大きくしている。これに対し、図9に示す本実施形態のニードル30Cでは、円錐部33のテーパ角度をシート面32のテーパ角度を同一にしている。つまり、シート面32を下流側へ延長して円錐部33を形成している。そして、その円錐部33の先端に突出部34を形成している。
本実施形態によっても、燃料通路21から円錐部33の壁面に沿ってサック室23へ流入した燃料は、突出部34の外周壁面により、噴孔24の入口へ向けて曲げられる(図9(b)中の矢印F7参照)。よって、サック室23の底面23aに回り込んでから噴孔24の入口へ向かう流れが抑制され、その結果、噴孔24内で発生する旋回流を低減できる。よって、噴孔24内での圧力損失が低減されて、噴射燃料の貫徹力を向上できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記各実施形態の円錐部33は、外周面が直線上に延びる形状であるが、噴孔24へ向かう流れF4〜F7に沿って湾曲する形状であってもよい。
・上記第3実施形態では、円柱形状の突出部36にフレア部36aを形成しているが、図7に示す円錐形状の突出部35にフレア部36aを形成してもよい。
・上記各実施形態では、最大リフトアップ状態において、ニードル30の下端30bが噴孔24の中心線Cよりもサック室23の底面23a側に位置するように構成している。これに対し、最大リフトアップ状態において、ニードル30の下端30bの一部が、中心線Cに対して底面23aの反対側に位置するように構成してもよい。
・上記第1実施形態において、円錐部33と突出部34との境界位置が、着座状態でサック室23の上流側に位置するように構成してもよい。また、上記第2実施形態において、円錐部33と突出部35との境界位置が、着座状態でサック室23に位置するように構成してもよい。
・上記各実施形態では、突出部34、35、36を円柱または円錐の形状に形成しており、テーパ角度をゼロまたはプラスにしているが、テーパ角度がマイナスとなるように突出部を先太りの形状にしてもよい。換言すれば、上記第3実施形態において突出部36を廃止し、円錐部33の下端にフレア部36aを形成して、フレア部36aを突出部として機能させてもよい。
10…内燃機関、21…燃料通路、22…着座面、23…サック室、24…噴孔、30、30A、30B、30C…ニードル、32…シート面、33…円錐部、34、35、36…突出部。

Claims (4)

  1. 内燃機関(10)で燃焼させる燃料を噴射する噴孔(24)が形成されたボデー(20)、及び前記ボデーの内部に収容されたニードル(30、30A、30B、30C)を備え、
    前記ボデー内部に形成された着座面(22)に前記ニードルのシート面(32)を着座させることにより、前記ニードルと前記ボデーの間にて形成される環状の燃料通路(21)を遮断して、前記噴孔からの燃料噴射を停止させ、
    前記着座面から前記シート面を離座させることにより、前記燃料通路を開通させて、前記噴孔から燃料を噴射させる燃料噴射弁において、
    前記燃料通路と前記噴孔との間に位置し、前記燃料通路にて環状に分布する燃料を集合させて前記噴孔へと導くサック室(23)が、前記ボデーの内部に形成されており、
    前記ニードルのうち前記シート面よりも下流側の部分には、前記サック室へ向けて先細りしながら当該ニードルの軸方向に延びる円錐部(33)が形成されており、
    前記円錐部の先端には、前記先細りの度合いを小さくした形状で前記軸方向に延びる突出部(34、35、36)が形成されており、
    前記ニードルを最大限にリフトアップさせた状態下、半球状の前記サック室内において前記噴孔の中心線(C)よりも前記サック室の底面側に、当該底面から離間して前記突出部の先端(30b)が位置し、
    前記ニードルを着座させた状態において、前記噴孔の入口から前記ニードルまでの距離(L1、L2)が、前記サック室の直径の35%以下となるように構成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記突出部(35)は、前記円錐部の先端から前記軸方向に先細りしながら延びる円錐形状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記突出部(34)は、前記円錐部の先端から前記軸方向に先細りすることなく延びる円柱形状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記突出部(36)の先端には、先太りしながら前記軸方向に延びるフレア部(36a)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
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