JP5737024B2 - 燃料噴射弁及び内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は燃料噴射弁及び内燃機関の制御装置に関する。更に具体的には、ニードルを有する電子制御式の燃料噴射弁及びその燃料噴射弁を有する内燃機関を制御する制御装置に関するものである。
特許文献1に開示された燃料噴射弁は、ニードルと、ニードルが収納されたノズル本体と、ノズル本体のニードル先端に設置する位置に配置された計量プレートとを有している。計量プレートには複数の噴孔が形成されている。噴孔の噴射軸は、噴射された燃料が外側に向かうように、斜めに形成されている。また、噴孔内には、燃料の剥離を促進するための凹部が形成されている。特許文献1の燃料噴射弁によれば、この凹部により噴孔入り口付近の燃料の剥離が促進され、噴射燃料の微細化を図ることができるとしている。
特開2010−065541号公報 特開平05−321789号公報 特開2006−125202号公報 特開2008−050968号公報
噴孔の数が少ない燃料噴射弁を用いる場合、燃料噴射量が多くなると、燃料が最短距離にある噴孔を通過し、逆行流として離れた位置にある噴孔に流入する場合がある。このような逆行流が発生すると、シート部から最短距離で噴孔に到達する燃料の流れと、逆行流とが衝突することとなる。その結果、噴孔の壁面付近で液膜が乱れて噴流化し、噴孔壁面に理想的な薄膜が形成されない場合がある。このように薄膜に乱れが生じる場合、燃料の適正な微細化を図ることが困難となる。この点、燃料噴射弁には改良の余地が残されている。
この発明は、上記課題を解決することを目的とし、噴射燃料の更なる微細化を図ることができるよう改良した燃料噴射弁と、その燃料噴射弁が設置された内燃機関を制御する制御装置を提供するものである。
本発明は、上記の目的を達成するため、ニードルと、前記ニードルを収納するノズルボディと、を備える燃料噴射弁であって、
前記ノズルボディは、
前記ニードルの軸心を中心とする円上に均等に配置された複数の噴孔を有するサック部と、
前記サック部の基端部に形成され、前記ニードルが着座することで前記サック部への燃料の流入を遮断するシート面と、を備え、
前記ニードルは、前記ニードル内部を貫通し、かつ、前記シート面を介して流入する燃料の流れ方向の、前記噴孔より下流側から上流側に、燃料を戻すためのリターン部を備え、
前記リターン部の入口は、前記噴孔が配置された前記円の内側に形成され、
前記リターン部の出口は、前記ニードルの前記シート面に着座する部分の下流であって前記円の外側であり、隣り合う2つの噴孔間の、両噴孔から同距離になる位置に凹状に形成されている。
また、本発明の燃料噴射弁において、前記出口は、前記ニードル中心軸と、前記噴孔を結ぶ線分の延長線上から外れた位置に形成されているものとすることもできる。
本発明の燃料噴射弁は、本発明の燃料噴射弁を備える内燃機関を制御する制御装置であって、
前記内燃機関の負荷状態に応じて、前記ニードルのリフト量を制御する手段を備える。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、前記内燃機関の筒内の圧力に応じて、前記ニードルのリフト量を制御する手段を、更に備えるものとしてもよい。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、前記燃料噴射弁の噴射率に応じて、前記ニードルのリフト量を制御する手段を、更に備えるものとしてもよい。
この発明の燃料噴射弁によれば、ニードルには、燃料を噴孔より下流側から上流側に戻すためのリターン部が備えられている。これにより、シート部を介して流入し、最短距離にある噴孔を通過した燃料を、再び噴孔の上流側に戻すことができる。これにより、噴孔への燃料の逆行流を抑制し、噴孔に流入する燃料の流れを上流から下流に向かう方向に整流することができる。従って、噴孔内に良好な薄膜を形成することができ、燃料の微粒径化を図ることができる。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、ニードルのリフト量を負荷に応じて制御することができる。ここで、例えば、リフト量を小さくすることで、リターン部への燃料戻り量を多くし、燃料の流れを上流から下流に向かう一定方向に整え、噴孔内に良好な薄膜を形成する状態にすることができる。また、リフト量を大きくすることで、リターン部への戻り量を小さくし、燃料の噴流を効果的に活用する状態とすることができる。従って、本発明では、負荷に応じてリフト量を制御することで、負荷に応じて上記の適正な状態に制御することができる。
また、内燃機関の筒内の圧力に応じて、ニードルのリフト量を制御する手段を有するものにおいては、更に、噴流を活用する場合にも、筒内圧に応じて、噴霧のペネトレーションを適正に制御することができる。
また、燃料噴射弁の噴射率に応じて、ニードルのリフト量を制御する手段を有するものにおいては、デポジットの堆積による燃料噴射率の低下を加味して、ニードルリフト量を制御することで、適正な量の燃料を噴射させることができる。
この発明の実施の形態1の燃料噴射弁の構成を説明するための縦断面図である。 この発明の実施の形態1の燃料噴射弁の構成を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2の燃料噴射弁のニードルのリフト量の制御について説明するための図である。 この発明の実施の形態2の制御における、筒内圧とニードルのリフト量との関係について説明するための図である。 この発明の実施の形態3の制御における、燃料噴射率と筒内圧とニードルのリフト量との関係について説明するための図である。 この発明の実施の形態4の制御における、燃料噴射圧とニードルのリフト量との関係について説明するための図である。 この発明の実施の形態5の燃料制御弁の構成を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の燃料噴射弁10を示す縦断面図である。本実施の形態1による燃料噴射弁10は、例えば、内燃機関の各ポート又は各気筒内に燃料を噴射するガソリン機関において好適に用いることができる。但し、本発明に係る燃料噴射弁10の適用は、ガソリン機関に限るものではない。
図1に示す燃料噴射弁10は、磁性体で構成された固定鉄心12を備えている。固定鉄心12と隣接する位置には、可動鉄心14が配置されている。可動鉄心14は、燃料噴射弁10の内部を、その軸線方向に摺動することができる。この可動鉄心14は、コイルスプリング16によって図1中下向きに付勢されている。固定鉄心12の外周には、電磁コイル18が設けられている。この電磁コイル18が所定の磁力を発することにより、可動鉄心14が固定鉄心12に引き寄せられる。一方、その磁力が消滅すると、コイルスプリング16の付勢力により可動鉄心14が固定鉄心12から離される。
可動鉄心14には、可動鉄心14と共に燃料噴射弁10の内部を変位するニードル20が連結されている。燃料噴射弁10はニードル20を取り囲むように形成されたノズルボディ22を備えている。すなわち、ノズルボディ22は、内部にニードル20を有している。ニードル20とノズルボディ22との間には、空間24が形成されている。この空間24には、図示しない燃料供給源から高圧の燃料が供給される。ノズルボディ22の先端には、ノズルプレート26(以下、単に「プレート26」とも称する)が組み付けられている。詳細は後述するが、このプレート26には、複数の噴孔28が設けられている。
図2は、実施の形態1における燃料噴射弁10の先端部の構成を説明するための拡大図であり、図2(a)は、図1の下側から見たプレート26の表面図、図2(b)は、燃料噴射弁10先端部付近の図2(a)におけるA−A方向の断面、図2(c)は、燃料噴射弁10先端部付近の図2(a)におけるB−B方向の断面を表している。
図2(a)に示されるように、燃料噴射弁10の噴孔28は、ニードル20の変位方向の軸心CNを中心として、プレート26外周部付近に均等に、プレート26を貫通するように形成されている。また、図2(b)に示されるように、各噴孔28は、プレート26のニードル20先端に対向する面側から反対側の面に向かい(即ち、図2(b)において、上から下に向かい)、軸心CNからの距離が遠くなるように外側に向けて形成されている。つまり、噴孔28からの燃料の噴射軸は外側に向けて開くように形成されている。また、噴孔28は、その径が燃料の噴射方向下流に向けて大きくなるように、テーパ形状に形成されている。
ニードル20の変位により、ニードル20のシート部30が、ノズルボディ22のシート面32に着座又は離座する。これにより、噴孔28側に流入する燃料が遮断又は許容された状態となる。なお、ノズルボディ22のシート面32より先端側の部分とプレート26とによりサック部が構成される。
ニードル20の先端には、ニードル20の一部を貫通するリターン部40が形成されている。リターン部40の入口402は、ニードル20の軸心CNを中心とする中央部付近に形成された凹部である。また、入口402は、プレート26に形成された4つの噴孔28に囲まれるように、ニードル20の噴孔28に対向する部分よりも内側に形成されている。言い換えると、入口402は、シート面32側から各噴孔28に最短距離で燃料が流入する場合に、その流通方向において、その最短距離の噴孔28より下流側に位置するように形成されている。
一方、リターン部40の出口404は、ニードル20のシート部30のすぐ下流に形成された凹部である。出口404は、隣り合う2つの噴孔28間の、両噴孔28から同距離になる位置に形成されている。すなわち、出口404は、ニードルの軸心CNと噴孔28を結ぶ線分の延長線上から外れた位置に形成されている。
このような燃料噴射弁10において、電磁コイル18に励磁電流が供給されていないときは、ニードル20のシート部30はノズルボディ22のシート面32に着座する。その結果、ニードル20の周囲の空間24に蓄えられていた高圧の燃料の、サック部側への流入は遮断される。即ち、噴孔28から燃料は噴射されない状態となる。
一方、電磁コイル18に励磁電流が供給されると、可動鉄心14は固定鉄心12に引き寄せられることにより、ニードル20のシート部30が、ノズルボディ22のシート面32から離座する。その結果、空間24に蓄えられていた高圧の燃料が、シート部30からサック部に流れ込む。流れ込んだ燃料は、複数の噴孔28から噴射される。
本実施の形態1では、以上の構成を有する燃料噴射弁10を用い、内燃機関の運転中の負荷が低負荷領域にある場合と高負荷領域にある場合とによって、リフト量を変化させる制御を行う。具体的に、内燃機関の負荷が低負荷領域にある場合は、ニードル20のリフト量が小さくなるように制御される。シート部30から絞り出された燃料の一部は、最短距離にある噴孔28へ流入し噴射される。このとき、燃料の一部は、最短距離にある噴孔28を通過する。
ここで、シート部30から絞り出される燃料の高速流により、リターン部40の出口404である凹部に剥離渦が発生し、出口404内の燃料はシート部30からの燃料と共に、サック部に流入する。これによりリターン部40の出口404側付近が減圧される。この負圧により、最短距離の噴孔28を通過した一部の燃料が、入口402からリターン部40に回収される。
以上のように、シート部30を通過した燃料は、最短距離の噴孔28から噴射されるか、あるいは、リターン部40から再び、シート部30の直後部に戻され、再び、シート部30側から最短距離の噴孔28側に流される。この構成により、ある噴孔28を通過した燃料が、他の噴孔28に逆行流となって流れ込むのを抑制することができる。即ち、各噴孔28へは、横流れ方向に整流された流れで燃料が供給される。従って、低負荷領域にある場合、噴孔28のテーパ形状を効果的に利用して、噴孔28内に良好な薄膜を形成することができる。従って、低負荷領域において燃料の微細化を図ることができる。
一方、本実施の形態1において、内燃機関の運転の負荷が高負荷領域にある場合、ニードル20のリフト量が、低負荷領域の場合に比べて、大きくなるように制御される。ニードル20のリフト量が大きくなると、シート部30とシート面32とが大きく開く。従って、シート部30の燃料の通過によりリターン部40出口404付近に生じる負圧は小さくなり、リターン部40へ戻る燃料量は少なくなる。従って、シート面32から最短距離にある噴孔28を通過し他の噴孔28に流入する燃料の逆行流が発生する。高負荷領域では、燃料の横流れと逆行流とにより生じる強い燃料の噴流が活用され、燃料噴射が行われる。
なお、以上の制御において、リフト量を変化させる低負荷領域と高負荷領域との境界、及び低負荷領域と高負荷領域とのそれぞれの場合のリフト量は、燃料噴射弁や、内燃機関ごとに、適宜設定される。また、本実施の形態1では、低負荷領域と高負荷領域との2段階でリフト量を変化させる場合について説明した。しかし、この発明においては、2段階でリフト量を変化させるものに限るものではなく、例えば、3段階あるいはそれより多くの負荷領域を設定し、それぞれに応じてリフト量を変化させるものであってもよい。
また、本実施の形態1では、低負荷領域ではニードル20のリフト量を小さくすることでリターン部40に負圧を生じさせて燃料の逆行流を効果的に抑制し、一方、高負荷領域では、ニードル20のリフト量を大きくすることで、噴流を利用する場合について説明した。しかし、この発明の燃料噴射弁10の制御方法は、これに限るものではなく、負荷に関わらずリフト量を一定にするものであってもよい。この場合にもリターン部40に生じる負圧により、逆行流を抑制することができ、噴霧の微細化を図ることができる。
また、本実施の形態1では、プレート26が4つの噴孔28を有し、リターン部40は、その噴孔28間に出口404を有する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、噴孔の数やリターン部の出口の配置は、適宜調整することができる。但し、リターン部は出口側の負圧により燃料をシート部側に戻すものである。従って、リターン部出口は、隣り合う噴孔間に1つずつ形成され、即ち、噴孔と同じ数又は噴孔数の半数、出口を有するリターン部が形成されていることが望ましい。これは、以下の実施の形態についても同様である。
また、本実施の形態1では、ニードル20の軸心CNを中心とする部分に凹部が形成され、この部分がリターン部40の入口402となる場合について説明した。しかし、この発明においてリターン部の入口の形状はこれに限るものではない。リターン部入口は、全噴孔に対し、シート部から最短距離で流入する燃料の流れの下流側に形成され、最短距離の噴孔28を通過した燃料を回収することができる形状であればよい。これは、以下の実施の形態についても同様である。
実施の形態2.
実施の形態2の燃料噴射弁10は、実施の形態1の燃料噴射弁10と同様の構成を有する。実施の形態2では、実施の形態1の燃料噴射弁10を用いる場合に、内燃機関の高負荷領域において、ニードル20のリフト量を筒内圧に応じて変化させる制御を行う点を除き、実施の形態1と同様の制御を行う。
図3は本実施の形態2のニードル20のリフト量の制御について説明するための図である。図3は、(a)、(b)、(c)の順にニードル20のリフト量が大きくなった状態を示している。図4は、本実施の形態2のニードル20のリフト量Lと、筒内圧Pとの関係について説明するための図である。図4において、横軸は筒内圧P、縦軸はニードル20のリフト量Lを表している。
本実施の形態2においても、低負荷領域では、実施の形態1と同様に、ニードル20のリフト量Lを小さくする(図3(a)参照)。つまり、この領域は噴流不活用の領域であり、リターン部40への燃料の戻し量が大きくなる。これにより逆行流が抑制され、テーパ形状の噴孔28内に良好な状態の薄膜を形成することができ、噴霧の微粒径化が促進される。
一方、高負荷領域では、ニードル20のリフト量Lを大きくとって、噴流を活用する。更に、高負荷領域では、ニードル20のリフト量Lを筒内圧Pに応じた大きさとする。即ち、高負荷領域であって筒内圧Pが低い場合、ニードル20のリフト量Lが小さく設定され(図3(b)参照)、噴流のペネトレーションを小さなものとする。一方、高負荷領域において、筒内圧Pが高い場合、ニードル20のリフト量Lは大きくなるように設定され、噴流を大きくする(図3(c)参照)。
より具体的に、本実施の形態2においては、高負荷領域では、図4に示されるように、ニードル20のリフト量Lが、筒内圧Pに対して比例関係を有するように設定され、筒内圧Pが大きくなるほど、リフト量Lも大きくなるように制御される。このような筒内圧Pとリフト量Lとの最適な関係は、予め実験等により求められる。この関係は、制御装置に関係式やマップ等として記憶され、実際の制御では、検出又は推定された筒内圧Pをパラメータとして、関係式等に従って、リフト量Lが決定される。
以上説明したように、本実施の形態2では、筒内圧Pに応じてリフト量Lが制御される。ここで、ニードル20のリフト量Lを大きく制御する場合噴流が積極的に活用されるため、噴霧のペネトレーションが大きくなる。このとき筒内圧Pと比較して、ペネトレーションが大きくなりすぎると、ボアアタックやオイル希釈増大といった事態が生じる場合がある。この点、本実施の形態2のように、筒内圧Pに応じてニードル20のリフト量Lを制御することにより、筒内圧Pに応じて逆行流の量を制御することができ、適正な状態に噴流のペネトレーションを制御することができる。
なお、本実施の形態2では、低負荷領域は噴流不活用領域としてリフト量Lを小さな一定値とし、それ以上の高負荷領域において、筒内圧Pに応じてリフト量Lを変化させる場合について説明した。しかし、この発明においてリフト量Lの制御はこれに限られるものではない。例えば、負荷にかかわらず、筒内圧Pのみに応じてリフト量Lを制御するようにしたものであってもよい。このようにしても筒内圧Pに応じて、噴流のペネトレーションを制御し有効に噴流を活用することができる。
また、本実施の形態2では、高負荷領域において筒内圧Pに対しリフト量Lを比例的に大きくするように制御する場合について説明した。しかし、この発明において、リフト量Lの制御は、これに限るものではなく、例えば、筒内圧Pをある程度の範囲ごとに区切り、その筒内圧Pの範囲ごとに、段階的にリフト量Lが大きくなるように設定し、制御するものであってもよい。
実施の形態3.
実施の形態3の燃料噴射弁は、実施の形態1の燃料噴射弁10と同様の構成を有している。実施の形態3では、実施の形態2と同様に、高負荷領域において筒内圧Pに応じたニードルのリフト量Lの制御を実行すると共に、燃料噴射率(以下、単に「噴射率」とも称する)に応じてリフト量Lを変化させる制御を実行する。
本実施の形態3のような構成の燃料噴射弁10は、その先端が気筒内や吸気ポート等に露出するように配置され、高温度に晒される。従って、噴孔28の内側や、噴孔28周囲に付着した残留燃料がデポジット化し、堆積する場合がある。その結果、噴孔28が狭まり、リターン部40へ流れ込む量が増加して噴射率が低下する場合がある。本実施の形態3では、このような噴射率の低下に対し、適正な量の燃料を噴射させるべく、以下に説明するように、噴射率を考慮したリフト量Lの制御を行う。
図5は、本発明の実施の形態3の制御における筒内圧Pとリフト量Lの噴射率ごとの関係について説明するための図である。図5において、横軸は筒内圧P、縦軸はリフト量Lを表している。
具体的に、まず、図5に実線で示されるように、燃料噴射率が通常通りであり、噴射率の低下が認められない場合のニードル20のリフト量L0は、実施の形態2と同様に設定される。即ち、噴流不活用の低負荷領域では、小リフト量(固定値)に設定され、高負荷領域では筒内圧Pが大きくなるに従って、リフト量Lも次第に大きくなるように設定され、制御される。
また、燃料噴射率が低下し、x%以下となった場合のリフト量Lxは、図5に破線で示されるように、通常の噴射率の場合のリフト量L0に対し、一律に、補正量kx(固定値)を加算した値に設定され、制御される。
更に、図5に一点鎖線で示されるように、噴射率がx%より小さいy%以下となった場合のリフト量Lyは、通常の噴射率の場合のリフト量L0に、一律に、補正量ky(固定値)を加算した値に設定される。図5に示されるように、ここでの補正量kyは、噴射率x%以下の場合の補正量kxより大きい値となっている。つまり、噴射率がより小さいy%の場合には、噴射率x%の場合のリフト量Lxよりも、更に大きなリフト量Lyに設定され、制御されることとなる。
この制御において、噴射率x%、y%や、これに応じた補正量kx、kyの、具体的な値は、その燃料噴射弁ごとに、予め実験等により求められ、設定される。設定された値は制御装置に、例えばマップ等として記憶される。実際の制御では、燃料噴射率が求められ、求められた噴射率に応じて補正量が設定され、リフト量が補正される。
このように本実施の形態3では、ニードル20のリフト量Lが、噴射率が低下した場合ほど大きく設定され制御される。これにより、デポジット等により噴孔28入口付近が狭くなっている場合に、燃料のリターン部40への戻り量が大きくなるのを抑制することができ、適正な量の燃料を噴射することができる。
なお、本実施の形態3では、噴射率を、通常、x%、y%の3段階の領域に区分けして、これに応じた補正量(0、kx、ky)を設定して、リフト量Lを算出する場合について説明した。しかし、この発明において、噴射率は3段階に限らず、適宜必要に応じて区分けして、それに応じた補正量を設定すればよい。
また、本実施の形態3では、噴射率に応じた補正量kx、kyをそれぞれ固定値とし、通常の噴射率の場合のリフト量L0に一律に加算することで、噴射率に応じたリフト量を算出する場合について説明した。しかし、この発明において噴射率に応じたリフト量Lの算出方法はこれに限るものではない。例えば、リフト量Lの算出方法としては、通常の噴射率のリフト量L0に、噴射率に応じた補正係数を乗じるものや、リフト量L0に、燃料噴射率ごとの筒内圧Pに応じた変数を加算又は乗算するもの等が考えられる。
実施の形態4.
実施の形態4の燃料噴射弁10は、実施の形態1の燃料噴射弁10と同様の構成を有している。一般に内燃機関の制御において、低負荷時には燃料噴射量を減らすため、燃料供給源(図示せず)から供給する燃料の圧力を低下させることで、燃料噴射圧(以下、単に「噴射圧」とも称する)を低下させる場合がある。しかし、噴射圧が低下すると、十分な横流れ流速が確保できないため、噴孔28内で燃料が薄膜化されず、噴霧の粒径が大きくなることが考えられる。
本実施の形態4では、このような事態を抑制するため、噴射圧に応じてニードル20のリフト量Lを制御する。図6は、本実施の形態4における噴射圧と、ニードル20のリフト量Lとの関係を説明するための図である。図6において横軸は噴射圧、縦軸はリフト量Lを表している。
図6に示されるように、ニードル20のリフト量Lは、噴射圧が低い場合に小さく設定され、噴射圧が高くなるにつれて大きくなるように設定され制御される。これにより、噴射圧が低い場合ほど、リターン部40から戻される燃料の量が増加する。従って、噴孔28に向かう燃料の横流れの流速を確保することができ、噴孔28内での薄膜化を促進し、噴霧の微粒径化を図ることができる。
なお、図6に示されるような、噴射圧とリフト量Lとの最適な関係は、予め実験等により求められる。この関係に基づき、噴射圧とリフト量との関係を、マップ、演算式等として定め、制御装置に記憶し、これに基づきニードル20のリフト量が制御される。
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5の燃料噴射弁について説明するための模式図である。図7において(a)は、ニードル50がシート面から離座している状態を表し、(b)は、ニードル50がシート面に着座している状態を表している。図7の燃料噴射弁は、ニードル50の形状と、ノズルプレート60(以下、単に「プレート60」とも称する)の先端部の形状とが異なる点を除き、図1の燃料噴射弁と同様の構成を有している。
図7に示されるように、燃料噴射弁のプレート60は、サック部内に、第2のサック部602を有している。プレート60のニードル50に当接する面とは反対側(図7の下側)から見た場合に、第2のサック部602が、4つの噴孔604に囲まれて中心に位置するように配置されている。なお、噴孔604は、実施の形態1の燃料噴射弁10と同様の形状に形成されている。
ニードル50は、先端の第2のサック部602に係合する位置に、凸部502を有している。凸部502の先端から、ニードル20の軸心CNに重なる中心部分に、軸方向に伸びる通路504が形成されている。通路504の一端は、第2のサック部602に向けて開口されている。通路504の他端は、通路506に連通している。通路506は、軸方向に垂直に、放射線上に形成され、端部は空間24に向けて開口されている。
この燃料噴射弁において、燃料噴射開始時には、図7(a)に示すように、ニードル50が上方に移動する。これにより第2のサック部602内に負圧が生じ、シート部508側から流入する燃料の流速が加速される。
燃料噴射終了時には、図7(b)に示されるように、ニードル50の下方への移動により、第2のサック部602内に残る燃料が、通路504及び506を通って、シート部508の上流側の空間24内に戻される。これにより空間24部が加圧され、燃料の流速が加速させる。
また、低負荷時には噴射期間が短くなるよう制御される。従って、第2のサック部602に燃料が満たされずに燃料噴射が完了する。従って、低負荷時の燃料噴射では、燃料の横流れが促進され、噴孔604に良好な薄膜が形成される。これにより、低負荷時にも燃料の微粒径化を図ることができる。また、高負荷時には噴射期間が長くなる。このとき、第2のサック部602内部まで燃料で満たされる。これにより逆行流が発生し、噴流効果を得ることができる。
以上説明したように、実施の形態5では、高負荷時の余剰の燃料は、第2のサック部602に溜められ、通路504、506からシート部508の上流側に戻される。また、低負荷時には第2のサック部602には燃料が到達せず、横流れにより燃料が噴孔604内で薄膜化されて噴射される。従って、本実施の形態5によれば、ニードル50のリフト量を制御することなく、燃料の微粒径化や効率的な噴流の利用を図ることができる。
なお、実施の形態5では、プレート60は、4つの噴孔604と、これに囲まれる中心部に形成された第2のサック部602とを有する場合について説明した。しかし、本実施の形態においてプレート60の構成は、これに限るものでなく、噴孔数やその形状、第2のサック部602位置やその形状は、他の形状であってもよい。但し、第2のサック部602はノズルボディのサック部内に形成される必要がある。
また、ニードル50は、その先端部に凸部502を有し、内部に通路504、506を有する場合について説明した。しかし、この発明においてニードルの構成はこれに限るものではなく、第2のサック部と係合する位置に凸部を有し、内部に第2のサック部とシート部上流側とをつなぐ通路を有するものであればよい。
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
10 燃料噴射弁
20 ニードル
22 ノズルボディ
24 空間
26 プレート
28 噴孔
30 シート部
32 シート面
40 リターン部
402 入口
404 出口
50 ニードル
502 凸部
504、506 通路
508 シート部
60 プレート
602 サック部
604 噴孔

Claims (5)

  1. ニードルと、前記ニードルを収納するノズルボディと、を備える燃料噴射弁であって、
    前記ノズルボディは、
    前記ニードルの軸心を中心とする円上に均等に配置された複数の噴孔を有するサック部と、
    前記サック部の基端部に形成され、前記ニードルが着座することで前記サック部への燃料の流入を遮断するシート面と、を備え、
    前記ニードルは、前記ニードル内部を貫通し、かつ、前記シート面を介して流入する燃料の流れ方向の、前記噴孔より下流側から上流側に、燃料を戻すためのリターン部を備え、
    前記リターン部の入口は、前記噴孔が配置された前記円の内側に形成され、
    前記リターン部の出口は、前記ニードルの前記シート面に着座する部分の下流であって前記円の外側であり、隣り合う2つの噴孔間の、両噴孔から同距離になる位置に凹状に形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記出口は、前記ニードル中心軸と、前記噴孔を結ぶ線分の延長線上から外れた位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料噴射弁を備える内燃機関を制御する制御装置であって、
    前記内燃機関の負荷状態に応じて、前記ニードルのリフト量を制御する手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関の筒内の圧力に応じて、前記ニードルのリフト量を制御する手段を、更に備えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃料噴射弁の噴射率に応じて、前記ニードルのリフト量を制御する手段を、更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置。
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