JP5842590B2 - 画像処理装置、及び画像処理装置の制御プログラム - Google Patents

画像処理装置、及び画像処理装置の制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ページ記述言語を解析することにより生成した画像データに基づく画像を印刷するための印刷用画像データを生成する画像処理装置、及び画像処理装置の制御プログラムに関する。
商業印刷の分野においては、カタログやパンフレット等の冊子を作成する際の製本や断裁等の都合を考慮して、一枚の用紙に対して複数のページ画像を割り付ける処理が行われている。このような処理は一般に「面付け」処理と呼ばれており、従来、面付け処理は専門のデザイナーが各種アプリケーションを用いて手動で行っていた。しかし、近年におけるデジタル印刷機の高速化、高画質化、高性能化に伴い所謂プリント・オン・デマンド(POD)が普及した結果、顧客がPC上で作成した様々な形式の原稿を、プリンタドライバーやプリントコントローラー等を包含するデジタル印刷システムの面付け機能を用いて効率的に印刷・製本する手法が一般化しつつある。
ここで、2ページ分のページ画像からなる見開きページを作成する場合には、両ページ画像の間に不要な余白が生じることがないように高精度な面付け処理を行う必要がある。これに関連して、下記の特許文献1には、面付け後の仕上がりページサイズ及び仕上がりページに対する裁ち落し幅を設定可能な画像形成装置が提案されている。しかし、特許文献1の装置を用いたとしても、隣接するページ画像を隙間なく面付けするためには設定値を細かく調整しなければならずユーザーの負担が増加する。
また、下記の特許文献2には、専用のハードウェア回路を用いて高精度な面付け処理を行う画像形成装置が提案されている。しかし、特許文献2の画像形成装置を用いたとしても、印刷ジョブのラスタライズ処理に伴う印字領域設定の変換誤差等により画像データ内に不要な余白が生じた場合には、そのような余白を手動で除去しなければならずユーザーの負担が増加する(図8参照)。
特開2007−272782号公報 特開2010−134655号公報
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、印刷ジョブのラスタライズ処理に伴う印字領域設定の変換誤差等により画像データ内に生じうる不要な余白を除去しつつ精密な面付け処理を実行することができる画像処理装置、及び画像処理装置の制御プログラムを提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)ページ記述言語で記述された印刷ジョブを解析して画像データを生成するとともに、前記画像データを構成する各画素の属性情報を示すタグビットデータを生成する画像生成部と、前記タグビットデータを参照して、前記画像データを構成する画素のうち前記画像データに基づく画像が描画される画素からなる領域を描画領域として抽出し、前記描画領域内に描画される画像を用紙に印刷するための印刷用画像データを生成する画像処理部と、を有し、前記画像処理部は、前記描画領域内に描画される画像を前記用紙上のユーザー指定の位置に面付けして印刷するための印刷用画像データを生成する画像処理装置。
(2)前記属性情報は、前記画像データを構成する各画素が文字属性、グラフィックス属性、及び写真属性のいずれかの属性を有するかどうかを示す情報であり、前記画像処理部は、前記いずれかの属性を有する画素からなる領域を前記描画領域として抽出することを特徴とする上記(1)に記載の画像処理装置。
)前記画像処理部は、前記描画領域を抽出する際に参照する前記タグビットデータを用いて前記画像データに対して画像処理を実行することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)前記画像処理には、細線化処理、輪郭強調処理、及びスムージング処理の少なくとも1つが含まれることを特徴とする上記(3)に記載の画像処理装置。
)画像処理装置の制御プログラムであって、ページ記述言語で記述された印刷ジョブを解析して画像データを生成するとともに、前記画像データを構成する各画素の属性情報を示すタグビットデータを生成する手順(1)と、前記タグビットデータを参照して、前記画像データを構成する画素のうち前記画像データに基づく画像が描画される画素からなる領域を描画領域として抽出し、前記描画領域内に描画される画像を用紙に印刷するための印刷用画像データを生成する手順(2)と、を前記画像処理装置に実行させ、前記手順(2)では、前記描画領域内に描画される画像を前記用紙上のユーザー指定の位置に面付けして印刷するための印刷用画像データを生成する制御プログラム。
)前記属性情報は、前記画像データを構成する各画素が文字属性、グラフィックス属性、及び写真属性のいずれかの属性を有するかどうかを示す情報であり、前記手順(2)では、前記いずれかの属性を有する画素からなる領域を前記描画領域として抽出することを特徴とする上記()に記載の制御プログラム。
)前記手順(2)では、前記描画領域を抽出する際に参照する前記タグビットデータを用いて前記画像データに対して画像処理を実行することを特徴とする上記(5)または(6)に記載の制御プログラム。
(8)前記画像処理には、細線化処理、輪郭強調処理、及びスムージング処理の少なくとも1つが含まれることを特徴とする上記(7)に記載の制御プログラム。
)上記()〜()のいずれか1つに記載された制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
本発明に係る画像処理装置は、ラスタライズ処理後の画像データを構成する画素ごとの属性情報を示すタグビットデータを参照して、実際に画像データに基づく画像が描画される画素からなる領域を抽出し、その領域内に描画される画像を用紙に印刷するための印刷用画像データを生成する。よって、本発明によると、印刷ジョブのラスタライズ処理に伴う印字領域設定の変換誤差等により画像データ内に生じうる不要な余白を除去しつつ精密な面付け処理を実行することができる。
本発明の一実施形態に係る画像処理装置を含むシステム全体の構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るタグビットデータの一例を示す概念図である。 本発明の一実施形態に画像データとタグビットデータの関係を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る印刷ジョブにおける印字領域設定の一例を示す概略図である。 図5の印刷ジョブに対応する有効印字領域の一例を示す概略図である。 本発明の第一実施形態に係る画像処理部により処理される画像データの一例を示す概念図である。 従来の画像処理装置による図7の画像データの出力イメージを示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置により図7の画像データから抽出された有効描画領域の一例を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る画像処理装置による図7の画像データの出力イメージを示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る印刷用画像データ生成処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像生成処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る面付け処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る描画領域抽出処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置を含むシステムの構成を示す概略図である。図1のように、本実施形態に係る画像処理装置としてのプリンターコントローラー1は、ネットワークNを介してクライアント装置(PC2)に連結されており、ビデオインターフェースVを介して画像形成装置(MFP3)と連結されている。ここで、ネットワークNは、LAN、WAN、インターネット等のコンピューターネットワークである。
図1のように、プリンターコントローラー1は、PC2からネットワークN経由で印刷ジョブを受信し、その印刷ジョブに対して画像展開処理(ラスタライズ処理)を実行することにより画像データを生成する。その後、プリンターコントローラー1は、生成した画像データに対する種々の画像処理を実行し、画像処理後の画像データを印刷用画像データとしてビデオインターフェースV経由でMFP3に転送する。なお、プリンターコントローラー1は、図1のような独立した機器であってもよいし、PC2又はMFP3に内蔵された機器であってもよい。
図2は、本実施形態に係るプリンターコントローラー1の構成を示す概念図である。図2のように、プリンターコントローラー1は、入力部11、画像生成部12、画像記憶部13、画像処理部14を備えており、これらは信号をやり取りするためのバスを介して相互に接続されている。上記各部について以下に詳細に説明する。
入力部11はPC2等の外部機器から印刷ジョブを受信する機能を有しており、NIC(Network Interface Card)やUSB(Universal Serial Bus)等からなる。ここでいう印刷ジョブとはPostScript(登録商標)に代表されるPDL(Printer Description Language)で記述されたデータのことを指す。
画像生成部12は、入力部11で受信した印刷ジョブを解析してビットマップ形式の画像データを生成するためのラスタライズ処理を実行するRIP(Raster Image Processor)12a及びラスタライズ処理により生成した画像データに対して種々の色変換処理を実行する色変換部12bを備えている。さらに、RIP12aは、ラスタライズ処理により生成した画像データを構成する各々の画素に対応する属性情報を示すデータであるタグビットデータを生成する機能を有する。このタグビットデータについてさらに後述する。
画像記憶部13は、RIP12a等の作業領域として一時的にデータを保持するRAM13a(Random Access Memory)、及び補助記憶装置としてRIP12aで生成した画像データやタグビットデータ等を保存するHDD13b(Hard Disk Drive)を備えている。
画像処理部14は、HDD13b内のタグビットデータを用いて、HDD13b内の画像データに対する細線化処理、輪郭強調細線化、スムージング処理、スクリーニング処理、トラッピング処理等の各種画像処理を実行する機能を有する画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)からなる。さらに、画像処理部14は、印刷ジョブにおける面付け設定に従って画像処理後の画像データの面付け処理を実行する機能を有する。ここでいう面付け処理とは、ユーザーによる面付け設定に従って複数のページ画像を用紙上の指定位置に配置するための処理のことを指す。また、ユーザーによる面付け設定には、各ページ画像を2in1や4in1や2Repeat等の割り付け方法を用いて用紙上に印刷するための設定のみならず、印刷済みの用紙に対する製本処理により小冊子を生成するための設定が含まれる。
なお、以下では画像処理部14による処理後の画像データのことを特に「印刷用画像データ」と称する。画像処理部14により生成された印刷用画像データは印刷処理のためにMFP3に転送される。なお、プリンターコントローラー1からMFP3に印刷用画像データを転送する際のフォーマットは両装置間で定義されたビデオインターフェースVに準拠したものであり、その一例としてCMYK面順次形式や圧縮形式等が挙げられる。ただし、上記フォーマットはこれらの例に限定されない。
次に、本実施形態に係るRIP12aにより生成されるタグビットデータについて説明する。上述のようにタグビットデータとは、印刷ジョブに対するラスタライズ処理により生成された画像データ(ビットマップデータ)の画素ごとの属性情報を示すデータであり、1ページ分の画像データに対して1プレーンのタグビットデータが生成される。図3は、タグビットデータの一例を示す概念図である。図3のようなCMYKの合計4プレーンからなるカラー画像データに対しては、ページごとに1プレーンのタグビットデータが生成される。
図4は、画像データとタグビットデータの関係を示す概念図である。図中(A)は、写真オブジェクト、グラフィックスオブジェクト、及び文字オブジェクトを含む画像データの一例を示している。また、図中(B)は、図中(A)に例示された画像データに対応するタグビットデータを示している。本例によるタグビットデータは画像データを構成する各画素のオブジェクト属性(写真/グラフィックス/文字)に応じて割り振られたタグビットからなるデータであり、写真オブジェクト、グラフィックスオブジェクト、及び文字オブジェクトにはそれぞれ「1」、「2」、「4」のタグビットが割り振られている。なお、必要な画像処理の種類に応じて、上述したオブジェクト属性の他にも元の色空間情報やオーバープリント領域情報等の属性情報をタグビットとして定義することができる。
本実施形態に係る画像処理部14は、図3、4のようなタグビットデータに基づいて画像データに対する最適な画像処理(細線化処理、輪郭強調処理、スムージング処理等)を実行する。さらに、画像処理部14は、図3、4のようなタグビットデータを参照することにより、MFP3等の出力デバイスの有効印字領域において実際にページ画像が描画される領域と、ページ画像が描画されない不要な余白からなる領域とを判別する機能を有する。ここでいう不要な余白とは、印刷ジョブにおける印字領域設定を出力デバイスの有効印字領域に合わせて変換する際の計算誤差により生じるものである。このような変換誤差についてPDF(Portable Document Format)形式の印刷ジョブを例に挙げて説明する。
図5は、A4サイズのPDF原稿からなる印刷ジョブにおける印字領域設定の一例を示す概略図である。図5のように、PDFにおいては原稿サイズ及び用紙サイズがポイント数(pt)で定義されている。そのため、アプリケーションによりPDFファイルを生成する際には、元々mmやinch等で定義されていた用紙サイズ及び原稿サイズをポイント数に変換する必要がある。例えば、PDFファイルのポイント密度が72[dpi]である場合、A4サイズ(210mm×297mm)の原稿の幅は小数点以下の切り捨てにより210×72/25.4=595[pt]とされる。同様にA4サイズ(210mm×297mm)の原稿の長さは小数点以下の切り捨てにより297×72/25.4=841[pt]とされる。
他方、RIP12aのような画像形成手段においては、個々の印刷デバイスの解像度等に応じたドット単位の有効印字領域が予め定義されている。このような有効印字領域は用紙サイズごとに定義されている。図6は、図5に例示されたPDF原稿に対応する有効印字領域の一例を示す概略図である。図中(A)のように、A4サイズ(210mm×297mm)の原稿に対応する有効印字領域として9921[dot]×14031[dot]の矩形領域が定義されている。
ここで、RIP12aのような画像形成手段は、ラスタライズ処理により画像データを生成する際に、用紙ごとに定義された有効印字領域の左上頂点を原点として各ページ画像を描画している。そして、上述のように用紙サイズごとの有効印字領域はドット数[dot]で定義されているため、PDF原稿に対するラスタライズ処理により画像データを生成する際には、元々ポイント数[pt]で定義されていた印字領域設定をドット数[dot]に変換する必要がある。
例えば、出力デバイスの解像度が1200[dpi]である場合、A4サイズの原稿の幅は小数点以下の切り捨てにより595×1200/72=9916[dot]とされる。同様にA4サイズの原稿の長さは小数点以下の切り捨てにより841×1200/72=14016[dot]とされる。図6(B)では、A4サイズ原稿に対応する有効印字領域と、ドット数に変換されたA4サイズ原稿とを対比して示している。
図6の例において、9921[dot]×14031[dot]からなる有効印字領域のうち、実際にページ画像が描画されるのはドット数への変換後の原稿サイズに相当する9916[dot]×14016[dot]からなる矩形領域のみである。そして、残りの部分(すなわち、有効印字領域の右側端から5ドット分の外縁部分、及び有効印字領域の下端から15ドット分の外縁部分)にはページ画像が描画されないので、この部分は印刷物において不要な余白を形成することになる。
次に、本実施形態に係る画像処理部14による画像データの面付け処理について説明する。図7は、画像処理部14により処理すべき画像データの一例を示す概念図である。本例による画像データは、各ページにグラフィックス領域及び写真領域を含む2つのページ画像から構成されている。図7のように、各ページの有効印字領域R1の外縁部分には、上述のようなラスタライズ処理に伴う印字領域設定の変換誤差等に起因する不要な余白が含まれているものとする。
図8は、従来の画像処理装置(上記特許文献2等を参照)により、図7中の各ページ画像に対して左右中央揃えで2in1の面付け処理を実行した場合の出力イメージを示す概略図である。図8のように、従来の画像処理装置によると、左右中央揃えにされて単一の見開き画像を形成する両ページ画像が、有効印字領域R1に含まれる余白により分断されてしまう。これは従来の画像処理装置が各ページ画像の有効印字領域R1を用紙に割り付けることにより面付けを行っているからである。
そこで、本実施形態に係る画像処理部14は、RIP12aにより生成されたタグビットデータを参照することで、各ページ画像の有効印字領域R1内に存在する全てのオブジェクトを包含する最少の矩形領域を抽出し、その矩形領域を用紙に割り付けることにより面付けを行う。ここでいうオブジェクトとは、写真属性、グラフィックス属性、及び文字属性のうちのいずれかの属性を有するオブジェクトのことを指す(図4参照)。以下では画像処理部14により抽出された矩形領域のことを「描画領域R2」と称する。
図9は、図7中の各ページ画像から抽出された描画領域R2を示す概略図である。図9の例において、各ページの描画領域R2は、有効印字領域R1の左上頂点を原点(0,0)とし、印刷デバイスの主走査方向(X方向)及び副走査方向(Y方向)を両座標軸とする平面座標系におけるA、B点により定められる矩形領域である。タグビットデータを用いた描画領域R2の抽出方法についてはさらに後述する。
図10は、本実施形態に係る画像処理部14により、図7中の各ページ画像に対して左右中央揃えで2in1の面付け処理を実行した場合の出力イメージを示す概略図である。図10のように、本実施形態に係る画像処理装置14によると、左右中央揃えにされて単一の見開き画像を形成する両ページ画像が、有効印字領域R1に含まれる余白により分断されることはない。これは本実施形態に係る画像処理装置14が各ページ画像の有効印字領域R1ではなく描画領域R2を用紙に割り付けることにより面付けを行うからである。
次に、本実施形態に係るシステムの動作の概要について説明する。図11は、本実施形態に係るプリンターコントローラー1が印刷ジョブに基づき印刷用画像データを生成し、それをMFP3等の出力デバイスに転送する処理の手順を示すフローチャートである。以下では本処理のことを単に「印刷用画像データ生成処理」と称する。
先ず、プリンターコントローラー1は、入力部11においてPC2等から印刷ジョブを受信する(S101)。そして、プリンターコントローラー1は、S101で受信した印刷ジョブに対するラスタライズ処理により画像データを生成し(S102)、さらに、S102で生成した画像データに対する種々の画像処理により印刷用画像データを生成する(S103)。
なお、以下ではS102のことを単に画像データ生成処理を称し、S103のことを単に画像処理と称する。画像データ生成処理(S102)は画像データ生成部12により実行され、画像処理(S103)は画像処理部14により実行される。その後、プリンターコントローラー1は、画像処理(S103)で生成した印刷用画像データをMFP3に転送してから印刷用画像データ生成処理を終了する(エンド)。
図12は、本実施形態に係る画像生成部12による画像生成処理(S102)の手順を示すフローチャートである。図12のように、先ず、画像生成部12は、S101で受信した印刷ジョブ(PDL)内の各オブジェクトの描画コマンドを解析し(S201)、その描画コマンドがイメージ描画コマンドであるかどうかを判断する(S202)。そして、各々の描画コマンドがイメージ描画コマンドである場合は(S202のYES)、その描画コマンドに対するラスタライズ処理により当該オブジェクトの画像データを生成するとともに当該オブジェクトのタグビットデータを生成する(S205)。
S205において、各オブジェクトの画像データは、メモリ13a内の画像データ用メモリ上の当該オブジェクトに対応する位置にドットを描画することにより生成される。また、各オブジェクトのタグビットデータは、メモリ13a内のタグビットデータ用メモリ上の当該オブジェクトに対応する位置に写真属性を表すタグビット(図4中の「1」)をセットすることにより生成される。
他方、各々の描画コマンドがイメージ描画コマンドでない場合は(S202のNO)、その描画コマンドがグラフィックス描画コマンドであるかどうかをさらに判断する(S203)。そして、各々の描画コマンドがグラフィックス描画コマンドである場合は(S203のYES)、その描画コマンドに対するラスタライズ処理により当該オブジェクトの画像データを生成するとともに当該オブジェクトのタグビットデータを生成する(S206)。
S206において、各オブジェクトの画像データは、メモリ13a内の画像データ用メモリ上の当該オブジェクトに対応する位置にドットを描画することにより生成される。また、各オブジェクトのタグビットデータは、メモリ13a内のタグビットデータ用メモリ上の当該オブジェクトに対応する位置にグラフィックス属性を表すタグビット(図4中の「2」)をセットすることにより生成される。
他方、各々の描画コマンドがグラフィックス描画コマンドでない場合は(S203のNO)、その描画コマンドがテキスト描画コマンドであるかどうかをさらに判断する(S204)。そして、各々の描画コマンドがテキスト描画コマンドである場合は(S204のYES)、その描画コマンドに対するラスタライズ処理により当該オブジェクトの画像データを生成するとともに当該オブジェクトのタグビットデータを生成する(S207)。
S207において、各オブジェクトの画像データは、メモリ13a内の画像データ用メモリ上の当該オブジェクトに対応する位置にドットを描画することにより生成される。また、各オブジェクトのタグビットデータは、メモリ13a内のタグビットデータ用メモリ上の当該オブジェクトに対応する位置に文字属性を表すタグビット(図4中の「4」)をセットすることにより生成される。
続いて、画像生成部12は、1ページ分のオブジェクトの画像データ及びタグビットデータが生成済みであるかどうかを判断する(S208)。そして、1ページ分のオブジェクトの画像データ及びタグビットデータが生成済みである場合は(S208のYES)、それらのデータをHDD13bに保存する(S209)。他方、1ページ分のオブジェクトの画像データ及びタグビットデータが生成済みでない場合は(S208のNO)、S201に戻り、同一ページ内の残りのオブジェクトについてS201〜S207の手順を繰り返す。
続いて、画像生成部12は、S101で受信した印刷ジョブ内の全てのページについてS209が実行済みであるかどうかを判断する(S210)。そして、全てのページについてS209が実行済みである場合は(S210のYES)、そのまま画像生成処理を終了する(リターン)。他方、全てのページについてS209が実行済みでない場合は(S210のNO)、S201に戻り、残りのページについてS201〜S208の手順を繰り返す。
図13は、本実施形態に係る画像処理部14による画像処理(S103)の手順を示すフローチャートである。図13のように、先ず、画像処理部14は、S209で保存された画像データ及びタグビットデータをHDD13bから取得する(S301)。そして、画像処理部14は、タグビットデータを参照しながら、画像データに対して種々の画像処理を実行する(S302)。ここでいう画像処理には、細線化処理や輪郭強調処理やスムージング処理等が含まれる。例えば、画像処理部14は、画像データ中の文字属性を有するオブジェクトに対して細線化処理を実行し、写真属性を有するオブジェクトに対してスムージング処理を実行する。
続いて、画像処理部14は、印刷ジョブにユーザーによる面付け設定が含まれているかどうかを判断する(S303)。そして、面付け設定が含まれている場合は(S303のYES)、その面付け設定に従って各ページ画像を用紙上の指定位置に割り付けてから(S304)画像処理を終了する(リターン)。以下ではS304のことを単に「面付け処理」と称する。他方、面付け設定が含まれていない場合は(S303のNO)、面付け処理(S304)を実行することなく画像処理を終了する(リターン)。
図14は、本実施形態に係る画像処理部14による面付け処理(S304)の手順を示すフローチャートである。図14のように、先ず、画像処理部14は、MFP3等の印刷デバイスの有効印字領域R1から実際に各ページ画像が描画される矩形領域(すなわち、上述の描画領域R2)を抽出する(S401)。S401のことを以下では単に「描画領域抽出処理」と称する。描画領域抽出処理(S401)の具体的な手順については後述する。
続いて、画像処理部14は、全ページ分の画像データについての描画領域抽出処理(S401)が完了したかどうかを判断する(S402)。そして、全ページ分の描画領域抽出処理が完了した場合は(S402のYES)、S401で抽出した各ページの描画領域R2を用紙に割り付けてから(S403)、面付け処理を終了する(リターン)。他方、全ページ分の領域抽出処理(S401)が完了していない場合は(S402のNO)、S401に戻り、残りのページについて描画領域抽出処理(S401)を繰り返す。
S403のように、本実施形態においては有効印字領域R1のうち実際にページ画像が描画される描画領域R2を用紙に割り付けることにより面付け処理が実行される。よって、図7のように有効印字領域R1内に不要な余白が含まれるページ画像を面付けする場合であっても、その余白により実際の印刷画像が分断されることはない(図10参照)。
図15は、本実施形態に係る描画領域抽出処理(S401)の手順を示すフローチャートである。図15のように、先ず、画像処理部14は、S301で取得したタグビットデータを水平方向のライン単位で読み出す(S501)。そして、各ラインを構成する画素に文字/写真/グラフィクスのいずれかの属性を表すタグビット(図4中の「1」、「2」又は「4」)がセットされている場合は、タグビットがセットされている画素のうちの左端に位置する画素(すなわち、図9中のX座標が最も小さい画素)、及び右端に位置する画素(すなわち、図9中のX座標が最も大きい画素)を抽出し、それらの座標値を算出する(S502)。
続いて、画像処理部14は、全ラインについてS502が実行済みであるかどうかを判断する(S503)。そして、全ラインについてS502が実行済みである場合は(S503のYES)、S502で算出した各点の座標値に基づき各ページ画像の描画領域R2を抽出する(S504)。その後、画像処理部14は描画領域抽出処理を終了する(リターン)。他方、全ラインについてS502が実行済みでない場合は(S503のNO)、S501に戻り、残りのラインについてS501〜S502の手順を繰り返す。
より具体的に、S504では、S502で算出したX座標のうち最も小さいものを描画領域R2の左上頂点AのX座標として抽出し、S502で算出したY座標のうち最も小さいもの左上頂点AのY座標として抽出する。同様に、S502で算出したX座標のうち最も大きいものを画像領域R2の右下頂点BのX座標として抽出し、S502で算出したY座標のうち最も大きいものを右下頂点BのY座標として特定する。このようにして抽出された左上頂点A及び右下頂点Bにより定まる矩形領域が各ページ画像の描画領域R2として抽出される(図9参照)。
以上のように、本実施形態に係るプリンターコントローラー1は、ラスタライズ処理後の画像データを構成する画素ごとの属性情報を示すタグビットデータを参照して、実際に画像データに基づく画像が描画される画素からなる領域を描画領域R2として抽出し、その描画領域R2内に描画される画像を用紙に印刷するための印刷用画像データを生成する。よって、本実施形態によると、印刷ジョブのラスタライズ処理に伴う印字領域設定の変換誤差等により画像データ内に生じうる不要な余白を除去しつつ精密な面付け処理を実行することができる。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲において種々改変することができる。例えば、上記実施形態では、画像処理装置の例としてプリンターコントローラー1を挙げたが、本発明に係る画像処理装置はクライアント装置又は画像形成装置に内蔵されていてもよい。また、上記実施形態では、ページ単位で画像生成処理(S102)、画像処理(S103)、及び面付け処理(S304)が実行されているが、これらの処理はページを複数の単位に分割した所謂バンド単位で実行されてもよい。さらに、図10の例では、面付け処理の結果、同一のオブジェクト属性(すなわち、写真属性)を有するページ画像により見開き画像が形成されているが、互いに異なるオブジェクト属性を有するページ画像により見開き画像が形成される場合もある。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記手順を実行するための専用のハードウェア回路によっても、上記手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現可能である。後者により本発明を実現する場合、画像処理装置を作動させるプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピューター読取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。ここで、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやハードディスク等に転送され記録される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像処理装置の一機能として同装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
1 画像処理装置(プリンターコントローラー)、
11 入力部、
12 画像生成部、
12a RIP、
12b 色変換部、
13 画像記憶部、
13a RAM、
13b HDD、
14 画像処理部、
2 クライアント装置(PC)、
3 画像形成装置(MFP)、
N ネットワーク、
V ビデオインターフェース、
R1 有効印字領域、
R2 描画領域。

Claims (9)

  1. ページ記述言語で記述された印刷ジョブを解析して画像データを生成するとともに、前記画像データを構成する各画素の属性情報を示すタグビットデータを生成する画像生成部と、
    前記タグビットデータを参照して、前記画像データを構成する画素のうち前記画像データに基づく画像が描画される画素からなる領域を描画領域として抽出し、前記描画領域内に描画される画像を用紙に印刷するための印刷用画像データを生成する画像処理部と、を有し、
    前記画像処理部は、前記描画領域内に描画される画像を前記用紙上のユーザー指定の位置に面付けして印刷するための印刷用画像データを生成する画像処理装置。
  2. 前記属性情報は、前記画像データを構成する各画素が文字属性、グラフィックス属性、及び写真属性のいずれかの属性を有するかどうかを示す情報であり、
    前記画像処理部は、前記いずれかの属性を有する画素からなる領域を前記描画領域として抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像処理部は、前記描画領域を抽出する際に参照する前記タグビットデータを用いて前記画像データに対して画像処理を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像処理には、細線化処理、輪郭強調処理、及びスムージング処理の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  5. 画像処理装置の制御プログラムであって、
    ページ記述言語で記述された印刷ジョブを解析して画像データを生成するとともに、前記画像データを構成する各画素の属性情報を示すタグビットデータを生成する手順(1)と、
    前記タグビットデータを参照して、前記画像データを構成する画素のうち前記画像データに基づく画像が描画される画素からなる領域を描画領域として抽出し、前記描画領域内に描画される画像を用紙に印刷するための印刷用画像データを生成する手順(2)と、を前記画像処理装置に実行させ、
    前記手順(2)では、前記描画領域内に描画される画像を前記用紙上のユーザー指定の位置に面付けして印刷するための印刷用画像データを生成するための制御プログラム。
  6. 前記属性情報は、前記画像データを構成する各画素が文字属性、グラフィックス属性、及び写真属性のいずれかの属性を有するかどうかを示す情報であり、
    前記手順(2)では、前記いずれかの属性を有する画素からなる領域を前記描画領域として抽出することを特徴とする請求項5に記載の制御プログラム。
  7. 前記手順(2)では、前記描画領域を抽出する際に参照する前記タグビットデータを用いて前記画像データに対して画像処理を実行することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の制御プログラム。
  8. 前記画像処理には、細線化処理、輪郭強調処理、及びスムージング処理の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項に記載の制御プログラム。
  9. 請求項5〜8のいずれか1つに記載された制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
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