JP5841472B2 - 空気金属電池 - Google Patents
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Description
この問題を解消するために、従来、金属極の裏全面、及び、空気極との対向面の接続線取出部を含む対角線領域を電気絶縁性塗料でマスキングし、電池の放電末期に金属極の下部が脱落して、起電反応に寄与できなくなるのを防止した技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、金属極の裏面(空気極と対向しない側の面)全面がマスキングされるため、反応面が片面のみとなることにより、電流を長期間に亘って安定して取り出すことが難しくなるととともに、マスキング材料が多く必要となる。
さらに、前記マスキングは、少なくとも前記タブ部側に位置する前記金属極本体の側縁部に沿って形成されているため、タブ部に電流が集中することによる当該タブ部付近で金属極本体の脱落や破断を防止できると共に、マスキングにより金属極本体を側縁部に沿って補強することができるため、このマスキングの境界部分で金属極の脱落や破断を抑制できる。
さらに、前記マスキングは、前記側縁部の長さの50%以上の長さに施されることにより、金属極本体の補強を行うことが可能であり、金属極の脱落を抑制することが可能である。
ここで、金属極と空気極とが対向する金属極の対向面の表面にマスキングを10%以上40%以下施すことで、反応の遅い部分の金属極の脱落を抑制することが可能である。
しかし、前記金属極と空気極とが対向する金属極の対向面の表面に施すマスキングを10%未満とすると金属極の脱落を抑制することが困難であり、逆に、マスキングを40%超過とすると金属極の利用率が低下し好ましくない。
なお、マスキングを金属極本体の一の縁部に沿った領域(例えば、一の縁部を上縁とした場合に、左縁部から右縁部にかけて延在する領域)にのみ形成した場合には、マスキングを施した金属極の上部と下部とで破断が生じやすく、マスキングを施したときの効果の一つである金属極の補強の役割が殆ど得られない。そのため、マスキングを左縁部から右縁部にかけてのみ形成した場合には、金属極の脱落が顕著に現れ好ましくない。
また、式(1)に示す利用率が80%以上であり、前記マスキングは、前記金属極本体の周縁に沿って形成されていても良い。利用率(%)=(1A放電させたときに得られた容量/金属極の理論容量)×100・・・式(1)。この構成によれば、金属極を周縁部に設けられたマスキングによって補強することができるため、反応の遅い部分の金属極の脱落を防止でき、当該金属極の利用率の向上を図ることができる。
図1は、本実施形態に係る空気金属電池10の斜視図であり、図2は、空気金属電池10の部分側断面図である。
空気金属電池10は、図1に示すように、合成樹脂材料で形成された扁平な支持枠体11を備え、この支持枠体11の一方の面に開口を通じて露出する空気極13と、当該支持枠体11内に収容される金属極15(図2)とを備える。本構成では、空気極13は正極として作用し、金属極15が負極として作用する。
この支持枠体11は、上面部が開放され、空気極13と対向する側面中央部(不図示)に空気極側パネル23と略同等の大きさの開口部(不図示)を有し、空気極13側に配置される空気極側パネル23を支持枠体11にシリコン接着剤を用いて隙間が完全に無くなる様に接着することにより形成されている。また、支持枠体11と、空気極側パネル23との上部には蓋体27が配置され、この蓋体27の略中央部には、支持枠体11内に電解液を注入するための注液口(不図示)が設けられ、この注液口にガス抜き用の弁体29が設けられている。また、蓋体27の一端部(図1中右端部)には、金属極15のタブ部18(図5参照)に接続された負極端子17が形成され、蓋体27の他端部(図1中左端部)には、空気極13のタブ部31A(図3参照)に接続されて当該蓋体27と空気極側パネル23との隙間から延びる正極端子19が形成されている。
集電体の周囲は予めコイニングされ、その一部に上方に延出して正極端子19が接続されるタブ部31Aが形成されている。
また、触媒としては、酸素の還元・酸化反応を効率よく行うための触媒が好ましく、上記した白金の他に、コバルトや二酸化マンガンなどの金属や酸化物などを使用することができる。
また、バインダーとしては、上記したPTFEの他に、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂や、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム類、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース等を使用することができる。
更に、集電体としては、上記した発泡ニッケルなどの発泡金属の他に、メッシュ状金属などの金属多孔体や、カーボン繊維を用いたカーボンペーパーを使用することができる。
また、本実施形態では、空気極側パネル23の開口部23Aに、網状支持体35を露出するように空気極13を結着材で取り付けているが、この他にも、開口部を持つ2枚の合成樹脂性パネルで空気極13を挟み込む様にして取り付けても良い。
このように、空気と接する面に絶縁性多孔質シート33を介して網状支持体35を配置したので、網状支持体35の材質を腐食などの心配をすることなく選択することができ、設計の自由度を向上させることができると共に、性能向上を図るために空気極13の厚さを薄くしても機械的強度を保持することができる。このため、電解液による加圧や水素ガスによる圧力にも耐えることができ、空気極13の変形や、該変形により電解液の漏れなども無く、長時間使用することができる空気極13を提供できる。
なお、本実施形態では、空気極13は横長に形成されているが、これに限るものではなく、縦長で用いたり、広さを広くしてその面積を増やしたり自由に空気極の形状を設計できる。
金属極15は、図4に示すように、支持枠体11内に保持されている。具体的には、支持枠体11は、内側面に複数の支持部材22を備え、この支持部材22と支持枠体11との間に金属極本体16を狭持することにより、上記金属極15を支持枠体11内に保持している。
本実施形態では、金属極15は、上記した空気極13よりもわずかに大きく、金属極本体16は、縦90mm、横190mm、厚さ1.4mmに形成されている。また、タブ部18は、縦20mm、横10mm、厚さ1.4mmに形成されている。
空気金属電池10における反応は、電子の移動により進むため、電子の存在確率が高い金属極本体16の中央部より反応が始まることがわかった。この場合、金属極本体16をタブ部18が上部となるように立てて配置した場合には、反応の進行に伴って当該金属極本体16の略中央部に幅方向(左右方向)に延びる破断が生じ、反応の遅い周縁部16A〜16D側の部分が脱落する事態が生じる。
上記した絶縁素材のマスキング材料としては、電解液37に対して難溶性の材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂を主成分とした塗料、ポリイミド等からなるシール剤を用いることができる。また、マスキングの形成方法としては、上記した材料を金属極本体16の対向面16Eに塗装、または塗布等を施すことによって可能である。
マスキング材料としては、上記したものの他に、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂ポリウレタン(PUR)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等を用いることができる。
一方で、マスキング材は、上述したように、電解液に難溶性であるため、マスキングが施された領域は電解反応に寄与しないことにより、マスキングを施す領域の面積を大きくすると、空気金属電池10として十分な電力を出力できない恐れがある。
このため、発明者は、電池としての機能を確保しつつ、金属極15の脱落を抑制し、ひいては利用率の向上を実現できるマスキングパターンを考察した。
(実施例1)
金属極は、図4に示すように、金属極本体16とその上縁部16Aの一端(縁部一端)に、一体に設けられたタブ部18とから成る。金属極本体16は、タブ部18と共に、マグネシウム合金の金属板で形成され、空気極13と対向する金属極本体16の対向面16E(表面)にアクリル樹脂を主成分とする塗料を用いて厚さ0.01mmのマスキングを施した。
実施例1では、マスキングMは、図5に示すように、金属極本体16の対向面16Eにおけるタブ部18が設けられた側の側縁部16Cに沿って延びる領域40Aに設けられている。具体的には、マスキングMは、上記した側縁部16Cから幅方向に30mmの幅Wを有し、金属極本体16の上縁部(一の側縁部)16Aから下縁部(他の側縁部)16Bに連続して形成されている。
本構成では、金属極本体16の大きさは、縦90mm、横190mmであるため、マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し16%であった。
空気極13をはじめ、空気金属電池10のその他の構成については、上記したものと同一であるため、説明を省略する。
実施例2では、マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に10mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し11%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
実施例3では、金属極本体16をアルミニウム合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例1と同様である。
実施例4では、金属極本体16を亜鉛合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例2と同様である。
実施例5では、金属極本体16を鉄合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例2と同様である。
実施例6では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し21%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
実施例7では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に30mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し32%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
実施例8では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける上縁部16A、下縁部16B及び両側縁部16C,16Dからなる周縁部に沿って延びる領域40A,40B,40C,40Dに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の各縁部16A〜16Dからそれぞれ10mmずつ形成した。さらに、本実施例7では、金属極本体16の周縁を囲むように、各マスキングMは、上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されるとともに、一方の側縁部16Cから他方の側縁部16Dに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し33%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
実施例9では、金属極本体16をアルミニウム合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例8と同様である。
実施例10では、金属極本体16を亜鉛合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例8と同様である。
実施例11では、金属極本体16を鉄合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例8と同様である。
実施例12では、マスキング材料をエポキシ樹脂としている。
その他の構成については、実施例8と同様である。
実施例13では、マスキング材料をウレタン樹脂としている。
その他の構成については、実施例8と同様である。
実施例14では、マスキング材料をエポキシ樹脂としている。
その他の構成については、実施例9と同様である。
実施例15では、マスキング材料をエポキシ樹脂としている。
その他の構成については、実施例10と同様である。
実施例16では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成した。
また、本実施例17では、上記した実施例6と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し19%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の89%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
実施例17は、実施例16とほとんど同一の構成であるが、実施例16と異なり、マスキングMが施されていない領域が、金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mmの領域ではなく、金属極本体16の上縁部16Aから下方に10mmの領域となっている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し19%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の89%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
実施例18は、実施例16とほとんど同一の構成であるが、金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mmの領域に加えて、金属極本体16の上縁部16Aから下方に10mmの領域にもマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し16%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の78%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
実施例19では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成した。
また、本実施例19では、上記した実施例5と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に36mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に36mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し11%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の60%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
実施例20では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成した。
また、本実施例20では、上記した実施例5と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に45mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に45mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し11%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の50%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
比較例1は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を小さくした場合を観察するものである。
比較例1では、マスキングMは、実施例1と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16Cに沿って延びる領域40Aに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16Cから幅方向に10mm形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し5%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
比較例2は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を大きくした場合を観察するものである。
比較例2では、マスキングMは、実施例1と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16Cに沿って延びる領域40Aに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16Cから幅方向に80mm形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し42%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
比較例3は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を小さくした場合を観察するものである。
比較例3では、マスキングMは、実施例2と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に5mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し5%であった。その他の構成については、実施例2と同様である。
比較例4は、マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し9%であった。その他の構成については、比較例3と同様である。
比較例5は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を大きくした場合を観察するものである。
比較例5では、マスキングMは、実施例2と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に40mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し42%であった。その他の構成については、実施例2と同様である。
比較例6では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける上縁部16Aに沿って延びる領域40Cに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の上縁部16Aから20mm形成した。さらに、比較例6では、マスキングMは、一方の側縁部16Cから他方の側縁部16Dに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し22%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
比較例7では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける下縁部16Bに沿って延びる領域40Dに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の下縁部16Bから10mm形成した。さらに、比較例7では、マスキングMは、一方の側縁部16Cから他方の側縁部16Dに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し11%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
比較例8では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に30mmずつ形成した。
また、比較例8では、上記した実施例5と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に54mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に54mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し13%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の40%となっている。その他の構成については、実施例5と同様である。
また、金属極本体16の脱落の有無は、マスキングMを施した部分を除き、金属極本体16に残存する未反応部分の金属(マグネシウム)重量を、空気金属電池10の使用前後でそれぞれ測定し、この使用前の重量に対する比率が50%以上のものは、脱落が有ったものとして×と記載し、20%以上50%未満のものは△、20%未満のものは、脱落が無かったものとして○と記載した。
また、利用率は、以下の計算式によって算出した。
利用率(%)=(1A放電させたときに得られた容量/マグネシウム極の理論容量(2200mAh/g))×100。
また、実施例16〜20は、タブ部18側に位置する金属極本体16の側縁部に沿ってマスキングMを施し、マスキングMは側縁部の長さの50%以上の長さを有するもの(金属極本体16の上縁部(一の側縁部)16Aから下縁部(他の側縁部)16Bに連続して形成していないもの)であるが、夫々長さを変化させても50%以上の長さを有するものであれば同様の結果が得られることが確認された。
これに対して、比較例1、比較例3、4では、マスキングMの割合が少なく、比較例6、7では、タブ部18側に位置する金属極本体16の側縁部16Cに沿ってマスキングMを施していないため、金属極15の補強効果が見られず、それぞれ金属極本体16の脱落が見られる結果となった。
また、比較例2、5では、マスキングMの割合を大きくしたもので、金属極15の補強効果は見られるものの、空気極13と対向する金属極15の反応面積が小さくなるため電流密度が大きくなり、空気極13および金属極(マグネシウム極)15の分極が大きくなるため、利用率が実施例1〜20に比べ劣るものであった。
また、本実施形態によれば、マスキングMは、少なくともタブ部18側に位置する金属極本体16の側縁部16Cに沿って形成されているため、タブ部18に電流が集中することによる、当該タブ部18付近で金属極15の脱落や破断を防止できると共に、マスキングMにより金属極本体16を側縁部16Cに沿って補強することができ、このマスキングMの境界部分で金属極15の脱落や破断を抑制できる。
さらに、本実施形態によれば、マスキングMは、側縁部16C,16Dの長さの50%以上の長さを備えているため、金属極本体16の補強を行うことが可能であり、金属極15の脱落を抑制することが可能である。
11 支持枠体
13 空気極
15 金属極
16 金属極本体
16A 上縁部(一の縁部)
16B 下縁部
16C 側縁部
16D 側縁部
16E 対向面
17 負極端子
18 タブ部
23A 開口部
37 電解液
M マスキング
W 幅
Claims (4)
- 電解液を介して空気極に対向配置される金属極を備え、前記金属極は、略矩形状の金属板を備えてなる金属極本体と、この金属極本体の上縁部における幅方向の一端に設けられたタブ部とを備えてなる空気金属電池において、前記金属極は、前記空気極と対向する対向面の一部に絶縁素材によるマスキングが施され、前記マスキングは、前記金属極が空気極と対向する面の面積に対して10%以上33%以下とし、且つ、前記マスキングは、前記金属極本体の幅方向における両側縁部のうち、少なくとも前記タブ部側に位置する側縁部に沿って形成され、且つ、前記側縁部の長さの50%以上の長さを備えて形成されていることを特徴とする空気金属電池。
- 前記マスキングは、前記金属極本体の両側縁部に沿ってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気金属電池。
- 前記マスキングは、前記金属極本体の上縁部から下縁部に連続して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気金属電池。
- 式(1)に示す利用率が80%以上であり、前記マスキングは、前記金属極本体の周縁に沿って形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空気金属電池。
利用率(%)=(1A放電させたときに得られた容量/金属極の理論容量)×100・・・式(1)
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