JP2013206600A - 空気金属電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属極の脱落を抑制すると共に、金属極の利用率の向上を図った空気金属電池を提供する。
【解決手段】電解液37を介して空気極13に対向配置される金属極15を備え、金属極15は、略矩形状の金属板を備えてなる金属極本体16と、この金属極本体16の上縁部16Aに設けられたタブ部18とを備えてなる空気金属電池10において、金属極15は、空気極13と対向する金属極本体16の対向面16Eの一部に絶縁素材によるマスキングMが施され、マスキングMは、金属極15が空気極13と対向する対向面16Eの面積に対して10%以上40%以下とし、且つ、マスキングMは、少なくともタブ部18側に位置する金属極本体16の側縁部16Cに沿って形成され、且つ、側縁部16Cの長さの50%以上の長さを備えて形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、空気金属電池に係り、特に、金属極の表面にマスキングを施した空気金属電池に関する。
一般に、電解液を介して空気極に対向配置される金属極を備えた空気金属電池が知られている。この種の空気金属電池では、正極として採用される空気極が、カーボンや炭素繊維等の材質にて構成される一方、負極として採用される金属極は、Zn、Al、Mg、Feやその合金(活物質)から構成される。空気金属電池は、使用時に空気(酸素)が供給されることにより、材質的に地殻存在度の高い原料を用いることができるため、安価な電池を実現することができるという特徴を有している。
空気金属電池について、本発明者等が鋭意検討した結果、空気金属電池における放電反応は、電子の移動により進むため、電子の存在確率が高い金属極の中央部より反応が始まることがわかった。これによれば、金属極では、反応の進行に伴って当該金属極に破断が生じ、反応の遅い部分が脱落する事態が生じる。このため、所望の電池性能を得ることが困難であった。
この問題を解消するために、従来、金属極の裏全面、及び、空気極との対向面の接続線取出部を含む対角線領域を電気絶縁性塗料でマスキングし、電池の放電末期に金属極の下部が脱落して、起電反応に寄与できなくなるのを防止した技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭56−15566号公報
しかしながら、従来の構成では、空気極と対向する金属極の対向面の接続線取出部を含む対角線領域をマスキングしているため、このマスキングされた斜めの領域の両側で反応が進行する。このため、マスキングされた領域がほとんど消費されないまま、金属極(活物質)の一部が脱落してしまう恐れがある。また、上記した構成では、金属極の中央部がマスキングされることにより、このマスキングされた領域の反応が遅くなり、電圧降下を生じる恐れがある。
さらに、金属極の裏面(空気極と対向しない側の面)全面がマスキングされるため、反応面が片面のみとなることにより、電流を長期間に亘って安定して取り出すことが難しくなるととともに、マスキング材料が多く必要となる。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、金属極の脱落を抑制すると共に、金属極の利用率を向上させた空気金属電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、電解液を介して空気極に対向配置される金属極を備え、前記金属極は、略矩形状の金属板を備えてなる金属極本体と、この金属極本体の一の縁部に設けられたタブ部とを備えてなる空気金属電池において、前記金属極は、前記空気極と対向する対向面の一部に絶縁素材によるマスキングが施され、前記マスキングは、前記金属極が空気極と対向する面の面積に対して10%以上40%以下とし、且つ、前記マスキングは、少なくとも前記タブ部側に位置する前記金属極本体の側縁部に沿って形成され、且つ、前記側縁部の長さの50%以上の長さを備えて形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記マスキングは、前記金属極の空気極との対向面の面積に対して10%以上40%以下としているため、金属極の反応の遅い部分の脱落を抑制できるとともに、当該金属極の利用率の向上を図ることができる。
さらに、前記マスキングは、少なくとも前記タブ部側に位置する前記金属極本体の側縁部に沿って形成されているため、タブ部に電流が集中することによる当該タブ部付近で金属極本体の脱落や破断を防止できると共に、マスキングにより金属極本体を側縁部に沿って補強することができるため、このマスキングの境界部分で金属極の脱落や破断を抑制できる。
さらに、前記マスキングは、前記側縁部の長さの50%以上の長さに施されることにより、金属極本体の補強を行うことが可能であり、金属極の脱落を抑制することが可能である。
本発明でいう金属極とは、マグネシウム板、亜鉛板、アルミニウム板、鉄板もしくはこれらの合金によって形成された金属板が挙げられる。
ここで、金属極と空気極とが対向する金属極の対向面の表面にマスキングを10%以上40%以下施すことで、反応の遅い部分の金属極の脱落を抑制することが可能である。
しかし、前記金属極と空気極とが対向する金属極の対向面の表面に施すマスキングを10%未満とすると金属極の脱落を抑制することが困難であり、逆に、マスキングを40%超過とすると金属極の利用率が低下し好ましくない。
なお、マスキングを金属極本体の一の縁部に沿った領域(例えば、一の縁部を上縁とした場合に、左縁部から右縁部にかけて延在する領域)にのみ形成した場合には、マスキングを施した金属極の上部と下部とで破断が生じやすく、マスキングを施したときの効果の一つである金属極の補強の役割が殆ど得られない。そのため、マスキングを左縁部から右縁部にかけてのみ形成した場合には、金属極の脱落が顕著に現れ好ましくない。
また、前記マスキングは、前記金属極本体の両側縁部に沿ってそれぞれ形成されていても良い。この構成によれば、金属極を両側縁部に沿って設けられたマスキングによって補強することができるため、反応の遅い部分の金属極の脱落を防止でき、当該金属極の利用率の向上を図ることができる。
また、前記マスキングは、前記金属極本体の周縁に沿って形成されていても良い。この構成によれば、金属極を周縁部に設けられたマスキングによって補強することができるため、反応の遅い部分の金属極の脱落を防止でき、当該金属極の利用率の向上を図ることができる。
本発明によれば、前記マスキングは、前記金属極の空気極との対向面の面積に対して10%以上40%以下とし、少なくとも前記タブ部側に位置する前記金属極本体の側縁部に沿って形成され、前記側縁部の長さの50%以上の長さを備えて形成しているため、金属極の脱落を抑制できるとともに、当該金属極の利用率の向上を図ることができる。
本実施形態に係る空気金属電池の斜視図である。 空気金属電池の部分側断面図である。 空気極の分解斜視図である。 空気金属電池における金属極の配置構成を示す図である。 金属極に施されたマスキング領域の位置を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る空気金属電池10の斜視図であり、図2は、空気金属電池10の部分側断面図である。
空気金属電池10は、図1に示すように、合成樹脂材料で形成された扁平な支持枠体11を備え、この支持枠体11の一方の面に開口を通じて露出する空気極13と、当該支持枠体11内に収容される金属極15(図2)とを備える。本構成では、空気極13は正極として作用し、金属極15が負極として作用する。
この支持枠体11は、上面部が開放され、空気極13と対向する側面中央部(不図示)に空気極側パネル23と略同等の大きさの開口部(不図示)を有し、空気極13側に配置される空気極側パネル23を支持枠体11にシリコン接着剤を用いて隙間が完全に無くなる様に接着することにより形成されている。また、支持枠体11と、空気極側パネル23との上部には蓋体27が配置され、この蓋体27の略中央部には、支持枠体11内に電解液を注入するための注液口(不図示)が設けられ、この注液口にガス抜き用の弁体29が設けられている。また、蓋体27の一端部(図1中右端部)には、金属極15のタブ部18(図5参照)に接続された負極端子17が形成され、蓋体27の他端部(図1中左端部)には、空気極13のタブ部31A(図3参照)に接続されて当該蓋体27と空気極側パネル23との隙間から延びる正極端子19が形成されている。
図3に示すように、空気極側パネル23には、開口部23Aが形成され、この開口部23Aには金属極15と対向する面に空気極13が配置されている。前記空気極13は、空気極本体31と、絶縁性多孔質シート33と、網状支持体35とを積層して一体に形成されており、この空気極13が空気極側パネル23の開口部23Aの内側に空気極本体31側が金属極15と対向する様に結着材(不図示)により固定される。
空気極本体31は、所定粘度に調整された導電材料スラリーを集電体に塗布した後に焼成して形成される。具体的には、導電材料としてケッチェンブラック粉末を用い、これに触媒として白金を担持させ、水と攪拌混合した後、これらをバインダーとして用いられるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性分散液に投入し、攪拌混合することにより所定の粘度の導電材料スラリーを調合する。そして、このスラリーを厚さ1.1mmの発泡ニッケルからなる集電体に塗布した後、100℃で乾燥し、270℃で焼成する。
集電体の周囲は予めコイニングされ、その一部に上方に延出して正極端子19が接続されるタブ部31Aが形成されている。
導電材料としては、上記したケッチェンブラックの他に、活性炭やカーボンナノチューブなどの炭素材料、銅やアルミニウムなどの金属材料、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料を使用することができる。
また、触媒としては、酸素の還元・酸化反応を効率よく行うための触媒が好ましく、上記した白金の他に、コバルトや二酸化マンガンなどの金属や酸化物などを使用することができる。
また、バインダーとしては、上記したPTFEの他に、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂や、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム類、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース等を使用することができる。
更に、集電体としては、上記した発泡ニッケルなどの発泡金属の他に、メッシュ状金属などの金属多孔体や、カーボン繊維を用いたカーボンペーパーを使用することができる。
絶縁性多孔質シート33は、酸素を透過させ、水分の透過を抑制する撥水性を備える孔径5〜40μmの多孔質膜である。本実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる多孔性のシートが用いられ、この絶縁性多孔質シートを2枚重ねて、焼成した空気極本体31の一方の面に同時に圧着している。絶縁性多孔質シートは、集電体の周囲のコイニングした部分を除く充填塗布面と同じか、それより少し大きめに形成されており、本実施形態での空気極本体31の大きさは、縦100mm、横200mm、厚さ0.5mmに形成されている。
また、絶縁性多孔質シートは、上記したPTFEの他に、例えば、クロロプレン、シリコーン樹脂、ポリトリメチルシリルプロピン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、シリコンポリカーボネート共重合体、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステルなどを使用することができる。
網状支持体35は、ステンレススチール製のエキスパンドメタルで形成されている。本実施形態では、網状支持体35は、鉄を主原料としてクロムやニッケルを混ぜた合金であり、幅0.6mmのストランドで、縦1.7mm、横2.2mmの網目を持つ目の細かいものである。網状支持体35は、圧着した絶縁性多孔質シート33の外側の面に配置され、空気極本体31の周囲と共にその周囲を結着材で結着される。これにより、空気極本体31と、絶縁性多孔質シート33と、網状支持体35とは一体に積層されて空気極13が形成される。
網状支持体35としては、上記したステンレススチール製のエキスパンドメタルの他に、例えば、金属や合金から成る金網や、ポリテトラフルオロエチレンなどの比較的厚手の合成樹脂から成るパンチングシートなどを使用することができる。
また、本実施形態では、空気極側パネル23の開口部23Aに、網状支持体35を露出するように空気極13を結着材で取り付けているが、この他にも、開口部を持つ2枚の合成樹脂性パネルで空気極13を挟み込む様にして取り付けても良い。
このように、空気と接する面に絶縁性多孔質シート33を介して網状支持体35を配置したので、網状支持体35の材質を腐食などの心配をすることなく選択することができ、設計の自由度を向上させることができると共に、性能向上を図るために空気極13の厚さを薄くしても機械的強度を保持することができる。このため、電解液による加圧や水素ガスによる圧力にも耐えることができ、空気極13の変形や、該変形により電解液の漏れなども無く、長時間使用することができる空気極13を提供できる。
なお、本実施形態では、空気極13は横長に形成されているが、これに限るものではなく、縦長で用いたり、広さを広くしてその面積を増やしたり自由に空気極の形状を設計できる。
一方、金属極15は、図2に示すように、空気極13と所定距離離間して対向配置され、支持枠体11に密接して設けられている。前記空気極13と金属極15との間には、電解液37として塩化ナトリウム水溶液が充填されている。この電解液37は、アニオンとカチオンがイオン結合した塩を用いることが可能であり、特に、安全性の高い塩化ナトリウム水溶液(濃度10%程度)を用いることが好ましい。その他の電解液としては、酢酸ナトリウム水溶液(濃度1%程度)等が挙げられる。
金属極15は、例えば、マグネシウム合金の金属板により矩形状に形成された金属極本体16と、この金属極本体16の上縁部(一の縁部)16Aの一端(図4中右端)に設けられたタブ部18とを備える。このタブ部18は、上記した負極端子17(図1)に接続されるための部位であり、金属極本体16の上縁部16Aから上方に延出して当該金属極本体16と一体に形成されている。このタブ部18を金属極本体16と別体で形成し、これらを溶接等の固定手段で固定する構成としても良い。
金属極15は、図4に示すように、支持枠体11内に保持されている。具体的には、支持枠体11は、内側面に複数の支持部材22を備え、この支持部材22と支持枠体11との間に金属極本体16を狭持することにより、上記金属極15を支持枠体11内に保持している。
本実施形態では、金属極15は、上記した空気極13よりもわずかに大きく、金属極本体16は、縦90mm、横190mm、厚さ1.4mmに形成されている。また、タブ部18は、縦20mm、横10mm、厚さ1.4mmに形成されている。
このように構成される空気金属電池10は、空気極13においては絶縁性多孔質シート33を通して供給される酸素と電解液37に空気極本体31が接触することにより、正極反応(O2+2H2O+4e-→4OH-)が進行し、金属極15においては負極反応(Mg→Mg2++2e-)が進行し、放電が行われる。空気金属電池10における全反応は、Mg+1/2O2+H2O→Mg(OH)2となる。
ところで、この種の空気金属電池10は、支持枠体11内に電解液37を介して空気極13と金属極15とが対向して配置されているため、この金属極15の金属極本体16における空気極13との対向面16E(図5)が主たる反応面となる。
空気金属電池10における反応は、電子の移動により進むため、電子の存在確率が高い金属極本体16の中央部より反応が始まることがわかった。この場合、金属極本体16をタブ部18が上部となるように立てて配置した場合には、反応の進行に伴って当該金属極本体16の略中央部に幅方向(左右方向)に延びる破断が生じ、反応の遅い周縁部16A〜16D側の部分が脱落する事態が生じる。
このため、本構成では、空気極13と対向する金属極本体16の対向面16Eに、アクリル樹脂等の絶縁素材によるマスキングを所定範囲施すことで、金属極本体16の部分的な脱落を抑制している。
上記した絶縁素材のマスキング材料としては、電解液37に対して難溶性の材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂を主成分とした塗料、ポリイミド等からなるシール剤を用いることができる。また、マスキングの形成方法としては、上記した材料を金属極本体16の対向面16Eに塗装、または塗布等を施すことによって可能である。
マスキング材料としては、上記したものの他に、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂ポリウレタン(PUR)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等を用いることができる。
金属極本体16の対向面16Eの一部に上記したマスキング材によるマスキングを施すことにより、金属極15の反応が進行した場合であっても、該マスキングによって金属極15(金属極本体16)が補強されるため、反応の遅い部分の脱落が抑制され、ひいては、金属極15の利用率の向上を図ることができる。
一方で、マスキング材は、上述したように、電解液に難溶性であるため、マスキングが施された領域は電解反応に寄与しないことにより、マスキングを施す領域の面積を大きくすると、空気金属電池10として十分な電力を出力できない恐れがある。
このため、発明者は、電池としての機能を確保しつつ、金属極15の脱落を抑制し、ひいては利用率の向上を実現できるマスキングパターンを考察した。
続いて、実施例について説明する。
(実施例1)
金属極は、図4に示すように、金属極本体16とその上縁部16Aの一端(縁部一端)に、一体に設けられたタブ部18とから成る。金属極本体16は、タブ部18と共に、マグネシウム合金の金属板で形成され、空気極13と対向する金属極本体16の対向面16E(表面)にアクリル樹脂を主成分とする塗料を用いて厚さ0.01mmのマスキングを施した。
実施例1では、マスキングMは、図5に示すように、金属極本体16の対向面16Eにおけるタブ部18が設けられた側の側縁部16Cに沿って延びる領域40Aに設けられている。具体的には、マスキングMは、上記した側縁部16Cから幅方向に30mmの幅Wを有し、金属極本体16の上縁部(一の側縁部)16Aから下縁部(他の側縁部)16Bに連続して形成されている。
本構成では、金属極本体16の大きさは、縦90mm、横190mmであるため、マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し16%であった。
空気極13をはじめ、空気金属電池10のその他の構成については、上記したものと同一であるため、説明を省略する。
(実施例2)
実施例2では、マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に10mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し11%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3では、金属極本体16をアルミニウム合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例4では、金属極本体16を亜鉛合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例2と同様である。
(実施例5)
実施例5では、金属極本体16を鉄合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例2と同様である。
(実施例6)
実施例6では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し21%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例7では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に30mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し32%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(実施例8)
実施例8では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける上縁部16A、下縁部16B及び両側縁部16C,16Dからなる周縁部に沿って延びる領域40A,40B,40C,40Dに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の各縁部16A〜16Dからそれぞれ10mmずつ形成した。さらに、本実施例7では、金属極本体16の周縁を囲むように、各マスキングMは、上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されるとともに、一方の側縁部16Cから他方の側縁部16Dに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し33%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(実施例9)
実施例9では、金属極本体16をアルミニウム合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例8と同様である。
(実施例10)
実施例10では、金属極本体16を亜鉛合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例8と同様である。
(実施例11)
実施例11では、金属極本体16を鉄合金の金属板で形成している。
その他の構成については、実施例8と同様である。
(実施例12)
実施例12では、マスキング材料をエポキシ樹脂としている。
その他の構成については、実施例8と同様である。
(実施例13)
実施例13では、マスキング材料をウレタン樹脂としている。
その他の構成については、実施例8と同様である。
(実施例14)
実施例14では、マスキング材料をエポキシ樹脂としている。
その他の構成については、実施例9と同様である。
(実施例15)
実施例15では、マスキング材料をエポキシ樹脂としている。
その他の構成については、実施例10と同様である。
(実施例16)
実施例16では、マスキングMの幅Wを金属極本体16の各縁部16A〜16Dからそれぞれ約1.2mmずつ形成している。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し40%であった。その他の構成については、実施例8と同様である。
(実施例17)
実施例17では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成した。
また、本実施例17では、上記した実施例6と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し19%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の89%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
(実施例18)
実施例18は、実施例17とほとんど同一の構成であるが、実施例17と異なり、マスキングMが施されていない領域が、金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mmの領域ではなく、金属極本体16の上縁部16Aから下方に10mmの領域となっている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し19%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の89%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
(実施例19)
実施例19は、実施例17とほとんど同一の構成であるが、金属極本体16の下縁部16Bから上方に10mmの領域に加えて、金属極本体16の上縁部16Aから下方に10mmの領域にもマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し16%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の78%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
(実施例20)
実施例20では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成した。
また、本実施例19では、上記した実施例5と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に36mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に36mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し11%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の60%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
(実施例21)
実施例21では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に20mmずつ形成した。
また、本実施例20では、上記した実施例5と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に45mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に45mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し11%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の50%となっている。その他の構成については、実施例6と同様である。
(比較例1)
比較例1は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を小さくした場合を観察するものである。
比較例1では、マスキングMは、実施例1と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16Cに沿って延びる領域40Aに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16Cから幅方向に10mm形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し5%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(比較例2)
比較例2は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を大きくした場合を観察するものである。
比較例2では、マスキングMは、実施例1と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16Cに沿って延びる領域40Aに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16Cから幅方向に80mm形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し42%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(比較例3)
比較例3は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を小さくした場合を観察するものである。
比較例3では、マスキングMは、実施例2と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に5mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し5%であった。その他の構成については、実施例2と同様である。
(比較例4)
比較例4は、マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し9%であった。その他の構成については、比較例3と同様である。
(比較例5)
比較例5は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対するマスキングMを施した領域の面積を大きくした場合を観察するものである。
比較例5では、マスキングMは、実施例2と同様に、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられている。マスキングMの幅Wは、金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に40mmずつ形成され、金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し42%であった。その他の構成については、実施例2と同様である。
(比較例6)
比較例6では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける上縁部16Aに沿って延びる領域40Cに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の上縁部16Aから20mm形成した。さらに、比較例6では、マスキングMは、一方の側縁部16Cから他方の側縁部16Dに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し22%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(比較例7)
比較例7では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける下縁部16Bに沿って延びる領域40Dに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の下縁部16Bから10mm形成した。さらに、比較例7では、マスキングMは、一方の側縁部16Cから他方の側縁部16Dに連続して形成されている。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し22%であった。その他の構成については、実施例1と同様である。
(比較例8)
比較例8では、金属極本体16は、マグネシウム合金の金属板で形成されている。
マスキングMは、金属極本体16の対向面16Eにおける両側縁部16C,16Dに沿って延びる領域40A,40Bに設けられ、マスキングMの幅Wを金属極本体16の両側縁部16C,16Dからそれぞれ幅方向に30mmずつ形成した。
また、比較例8では、上記した実施例5と異なり、マスキングMを金属極本体16の上縁部16Aから下縁部16Bにかけて連続して形成するのではなく、マスキングMの下端を金属極本体16の下縁部16Bから上方に54mm移動した位置としている。すなわち、金属極本体16の下縁部16Bから上方に54mmの領域にはマスキングMが施されていない。
マスキングMを施した領域の面積は、金属極本体16の対向面16Eの面積(タブ部18を除く)に対し13%であり、このマスキングMの長さは、金属極本体16の側縁部16Cの長さ(上縁部16Aから下縁部16Bまでの長さ)の40%となっている。その他の構成については、実施例5と同様である。
以上のように、作製した実施例1〜21及び比較例1〜8にかかる空気金属電池10の電池性能を確認するため、この空気金属電池10を1Aの電流値で、カットオフ(cutoff)電圧(0V)になるまで放電を行い、この放電動作における金属極15の脱落の有無、及び、金属極15の利用率を算出した。その結果を表1に示す。
表1には、空気極と対向する金属極本体の対向面積、マスキングM部分の面積、空気極と対向する金属極本体の対向面積に対するマスキングMの割合、マスキングMの位置及び幅、側縁部の長さの割合、マスキング材料、金属極本体の材料、金属極本体の脱落の有無、及び利用率をそれぞれ併記した。
マスキングMの位置及び幅の表記については、金属極本体16の各縁部に沿って延びる領域を左、右(タブが形成されている側)、上、下の順番で幅を記載している。例えば、実施例1では、金属極本体16の右側の側縁部16Cに沿って延びる領域40Aにのみ、3cmのマスキングMが形成されているため、[0、3、0、0]と表記した。
また、金属極本体16の脱落の有無は、マスキングMを施した部分を除き、金属極本体16に残存する未反応部分の金属(マグネシウム)重量を、空気金属電池10の使用前後でそれぞれ測定し、この使用前の重量に対する比率が50%以上のものは、脱落が有ったものとして×と記載し、20%以上50%未満のものは△、20%未満のものは、脱落が無かったものとして○と記載した。
また、利用率は、以下の計算式によって算出した。
利用率(%)=(1A放電させたときに得られた容量/マグネシウム極の理論容量(2200mAh/g))×100。
Figure 2013206600
なお、表1において、実施例17は、下部を10mm空けたもの、実施例18は上部を10mm空けたもの、実施例19は上部・下部をそれぞれ10mm空けたもの、実施例20は下部を36mm空けたもの、実施例21は下部を45mm空けたもの、比較例7は下部を54mm空けたものである。
表1に示すように、実施例1〜21は、いずれも金属極本体16の脱落も無く、金属極本体16の利用率も80%以上であった。また、実施例3〜5、実施例9〜15においては、マスキング材料または金属負極を夫々変化させてものであるが、マスキング材料等を変化させても同様の結果が得られることが確認された。
また、実施例17〜21は、タブ部18側に位置する金属極本体16の側縁部に沿ってマスキングMを施し、マスキングMは側縁部の長さの50%以上の長さを有するもの(金属極本体16の上縁部(一の側縁部)16Aから下縁部(他の側縁部)16Bに連続して形成していないもの)であるが、夫々長さを変化させても50%以上の長さを有するものであれば同様の結果が得られることが確認された。
これに対して、比較例1、比較例3、4では、マスキングMの割合が少なく、比較例6、7では、タブ部18側に位置する金属極本体16の側縁部16Cに沿ってマスキングMを施していないため、金属極15の補強効果が見られず、それぞれ金属極本体16の脱落が見られる結果となった。
また、比較例2、5では、マスキングMの割合を大きくしたもので、金属極15の補強効果は見られるものの、空気極13と対向する金属極15の反応面積が小さくなるため電流密度が大きくなり、空気極13および金属極(マグネシウム極)15の分極が大きくなるため、利用率が実施例1〜21に比べ劣るものであった。
以上、説明したように、本実施形態によれば、電解液37を介して空気極13に対向配置される金属極15を備え、金属極15は、略矩形状の金属板を備えてなる金属極本体16と、この金属極本体16の上縁部16Aに設けられたタブ部18とを備えてなる空気金属電池10において、金属極15は、空気極13と対向する金属極本体16の対向面16Eの一部に絶縁素材によるマスキングMが施され、マスキングMは、金属極15が空気極13と対向する対向面16Eの面積に対して10%以上40%以下としたため、金属極15の反応の遅い部分の脱落を抑制できるとともに、当該金属極15の利用率の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、マスキングMは、少なくともタブ部18側に位置する金属極本体16の側縁部16Cに沿って形成されているため、タブ部18に電流が集中することによる、当該タブ部18付近で金属極15の脱落や破断を防止できると共に、マスキングMにより金属極本体16を側縁部16Cに沿って補強することができ、このマスキングMの境界部分で金属極15の脱落や破断を抑制できる。
さらに、本実施形態によれば、マスキングMは、側縁部16C,16Dの長さの50%以上の長さを備えているため、金属極本体16の補強を行うことが可能であり、金属極15の脱落を抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、マスキングMは、金属極本体16の両側縁部16C,16Dに沿ってそれぞれ形成されているため、金属極本体16を両側縁部16C,16Dに沿って設けられたマスキングMによって補強することができ、反応の遅い部分の金属極15の脱落を防止でき、当該金属極15の利用率の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、マスキングMは、金属極本体16の周縁部に沿って形成されているため、金属極本体16の周縁部をマスキングによって補強することができ、反応の遅い部分の金属極15の脱落を防止でき、当該金属極15の利用率の向上を図ることができる。
以上、本実施形態では、空気極13と対向する金属極15として主にマグネシウム合金を用いて、マスキング材料として主にアクリル樹脂を用いた例を示したが、これに限定されることなく、例えば、マスキング材料、金属負極を夫々変化させた場合にも同様の結果を得られる。
また、本実施形態によれば、マスキングMは、金属極本体16にのみ形成した例を示したが、タブ部18に形成しても良い。マスキングMを金属極本体16及びタブ部18に施すことにより、金属極15の補強を行うことが可能である。
10 空気金属電池
11 支持枠体
13 空気極
15 金属極
16 金属極本体
16A 上縁部(一の縁部)
16B 下縁部
16C 側縁部
16D 側縁部
16E 対向面
17 負極端子
18 タブ部
23A 開口部
37 電解液
M マスキング
W 幅

Claims (3)

  1. 電解液を介して空気極に対向配置される金属極を備え、前記金属極は、略矩形状の金属板を備えてなる金属極本体と、この金属極本体の一の縁部に設けられたタブ部とを備えてなる空気金属電池において、前記金属極は、前記空気極と対向する対向面の一部に絶縁素材によるマスキングが施され、前記マスキングは、前記金属極が空気極と対向する面の面積に対して10%以上40%以下とし、且つ、前記マスキングは、少なくとも前記タブ部側に位置する前記金属極本体の側縁部に沿って形成され、且つ、前記側縁部の長さの50%以上の長さを備えて形成されていることを特徴とする空気金属電池。
  2. 前記マスキングは、前記金属極本体の両側縁部に沿ってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気金属電池。
  3. 前記マスキングは、前記金属極本体の周縁に沿って形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気金属電池。
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