以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読取部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15を含む。
ゲームプログラム読取部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読取部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、この実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。ただし、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体に記憶されるビデオゲームプログラムが属するジャンルはRPGに限定されず、アクションゲーム等、敵キャラクタの出現と、敵キャラクタとの戦闘(種々の設定の変更によりプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの間で有利不利が調整できるもの)とに対応する処理が実行される種々のジャンルのものに適用できる。
制御部11は、ゲームプログラム読取部10により読み取られたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
特に、本例における制御部11は、プレイヤキャラクタが移動する移動フィールドと、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦闘を行う戦闘フィールドとを、ビデオゲームの進行に応じて表示部13の表示画面に表示することでビデオゲームの進行を制御するための各種処理を実行する機能を有する。特に、制御部11は、移動フィールドにおいて、所定の規則に従いプレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したか否かを判定する遭遇判定処理と、遭遇判定処理にてプレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したと判定したことに応じて、移動フィールドにおける敵キャラクタの存在位置に敵キャラクタの存在を示す存在オブジェクトを表示する存在オブジェクト表示処理と、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したときから所定時間が経過するまでの残存時間を示す残存時間情報を視認可能に表すクロックオブジェクトを表示画面に表示するクロックオブジェクト表示処理と、プレイヤキャラクタと存在オブジェクトとが接触したか否かを確認することで、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが移動フィールド上で接触したか否かを判定する接触判定処理と、所定時間が経過する前に接触判定処理にてプレイヤキャラクタと敵キャラクタとが接触したと判定したことに応じて、戦闘開始時の初期設定としてあらかじめ用意されている複数種類の戦闘開始時設定の中からプレイヤキャラクタが有利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定を選択する戦闘開始時設定選択処理と、戦闘開始時設定選択処理にて選択した戦闘開始時設定を行うことによって、プレイヤキャラクタに関するプレイヤキャラクタ情報と敵キャラクタに関する敵キャラクタ情報とを含む戦闘フィールドにおける戦闘を制御するために用いられる戦闘制御情報を記憶する戦闘制御情報記憶部に記憶された戦闘制御情報を更新する戦闘制御情報更新処理と、戦闘制御情報更新処理にて戦闘制御情報を更新したあと、更新した戦闘制御情報に基づいて、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘フィールドにおける戦闘を開始し、戦闘の進行を制御する戦闘制御処理とに必要な制御を行う。なお、本発明に関わる主な処理については、後で詳しく説明する。
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
本例においては、記憶部12は、戦闘制御情報記憶部12aと、遭遇タイプ割合管理テーブル12bと、クロックオブジェクト管理テーブル12cと、戦闘開始時設定記憶部12dとを含む。
戦闘制御情報記憶部12aは、戦闘フィールドにおける戦闘を制御するために用いられる戦闘制御情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、戦闘制御情報として、プレイヤキャラクタに関するプレイヤキャラクタ情報と、敵キャラクタに関する敵キャラクタ情報とが含まれるものとする。
ここで、プレイヤキャラクタ情報記憶部12a1に記憶されるプレイヤキャラクタ情報は、プレイヤキャラクタの名称、HP、すばやさ、装備品、所持アイテム、及び仲間にしているキャラクタ(サブキャラクタ)など、プレイヤキャラクタに関する各種情報を含む(図示せず)。
また、敵キャラクタ情報記憶部12a2に記憶される敵キャラクタ情報は、敵キャラクタ毎に、プレイヤキャラクタに遭遇したものと判定される距離と、遭遇してから移動を開始するまでの時間を含む移動規則など、敵キャラクタに関する各種情報を含む。
図2は、戦闘制御情報記憶部12aにおける敵キャラクタ情報記憶部12a2に記憶された敵キャラクタ情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、敵キャラクタ情報は、敵キャラクタを一意に特定するための敵キャラクタIDと、敵キャラクタの名称と、出現距離と、離脱距離と、遭遇値とを含む。
ここで、「出現距離」とは、ビデオゲームの進行に応じてプレイヤキャラクタと敵キャラクタ(複数の敵キャラクタにより構成される敵キャラクタ群を含む。)が遭遇したときに(以下、適宜、プレイキャラクタと敵キャラクタとの遭遇を単に「遭遇」という場合がある。)、敵キャラクタが出現する位置を示す距離(移動フィールドにおけるプレイヤキャラクタからの距離)である。本例においては、出現距離は、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの遭遇のタイプ(遭遇タイプ)毎に設定される。なお、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの遭遇判定は、例えば、プレイヤキャラクタが位置する領域に対応付けされた敵キャラクタ(または、複数の敵キャラクタにより構成される敵キャラクタ群)をプレイヤキャラクタの移動に応じて所定の確率で遭遇させるなど、公知の方法を用いる。
本例においては、遭遇タイプとして、通常遭遇、サーチ遭遇、及びアラート遭遇の3タイプがあるものとする。ここで、通常遭遇とは、基本となる遭遇の仕方である。また、サーチ遭遇とは、プレイヤが先に敵キャラクタを発見した場合であり、プレイヤに有利な遭遇の仕方である。また、アラート遭遇とは、敵キャラクタに先に発見された場合であり、プレイヤに不利な遭遇の仕方である。遭遇タイプの決定(選択)方法については、後で詳しく説明する(図11参照)。
また、「離脱距離」とは、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの遭遇が終了する距離である。すなわち、プレイヤは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと遭遇したとき、プレイヤキャラクタを敵キャラクタから離脱距離以上離れた位置に移動させることにより、遭遇した敵キャラクタとの戦闘を回避することができる。よって、本例においては、離脱距離が短いほど、離脱しやすい。本例においては、離脱距離は、遭遇タイプ毎に設定される。
例えば、動きが遅い敵キャラクタに関しては出現距離と離脱距離の差を小さくしたり、逃げにくい敵キャラクタに関しては出現距離と離脱距離の差を大きくしたり、見つけづらい敵キャラクタに関しては出現距離自体を他と比べて長くしたりするなど、キャラクタ毎に出願距離と離脱距離の組み合わせを変更することにより、色々な遭遇パターンを生むことができるようになる。
なお、同じ敵キャラクタでも、プレイヤキャラクタの移動方法に応じて敵キャラクタの移動規則(例えば、逃走ライン)が移動する構成としてもよい。
また、「遭遇値」とは、各敵キャラクタにプレイヤキャラクタが遭遇したときの遭遇タイプを決定するために用いる値である。本例においては、遭遇タイプ毎に、通常遭遇値、サーチ遭遇値、及びアラート遭遇値が設定される。なお、敵キャラクタに特徴付けが不要であれば、遭遇値の値を全て「0」にしてもよい。また、本例においては、遭遇値に「−1」が設定される場合がある。この場合、「−1」が設定された遭遇タイプが100%選択されることとなる。なお、プレイヤキャラクタが敵キャラクタ群と遭遇した場合に、敵キャラクタ群を構成する複数の敵キャラクタに遭遇値「−1」が設定されている敵キャラクタが含まれる場合、その遭遇タイプが優先的に選択されることとする。また、複数の敵キャラクタに対して異なる遭遇タイプの遭遇値に「−1」が設定されている場合(例えば、1つの敵キャラクタ群を構成する敵キャラクタA,B,Cのうち、敵キャラクタAのアラート遭遇値が「−1」であり、敵キャラクタBの通常遭遇値が「−1」であり、敵キャラクタCのサーチ遭遇値が「−1」である場合)、制御部11は、所定の規則(例えば、遭遇値が同じ場合、アラート遭遇、通常相遭遇、サーチ遭遇の順に優先して選択するなど)に従って遭遇タイプを選択するものとする。
また、図示しないが、本例における敵キャラクタ情報は、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに遭遇したあとに移動フィールドに表示される存在オブジェクトの移動規則(存在オブジェクトが表示されてから移動を開始するまでの時間を含む)を含むものとする。なお、移動フィールドにおける敵キャラクタの存在位置を示す存在オブジェクトについては、後で詳しく説明する(図11参照)。
遭遇タイプ割合管理テーブル12bは、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの遭遇タイプの決定の際に、何れの遭遇タイプが採用されるかを示す情報である遭遇タイプ割合情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、遭遇タイプ割合管理テーブル12bは、制御部11により、ゲームの進行に応じて更新された遭遇タイプ割合情報が記憶される。
図3は、遭遇タイプ割合管理テーブル12bに記憶された遭遇タイプ割合情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、遭遇タイプ割合情報は、通常タイプ毎に、基礎遭遇値と、敵キャラクタの遭遇値と、基礎遭遇値と敵キャラクタの遭遇値との合計値と、全体の遭遇値に対する各合計値の割合とを含む。
ここで、「基礎遭遇値」とは、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが遭遇したときに、あらかじめ設定された規則に従って決定される遭遇値である。なお、本例においては、遭遇タイプ毎の基礎遭遇値が、乱数を用いてランダムに決定されるものとする。
また、「敵キャラクタの遭遇値」は、プレイヤキャラクタが遭遇した敵キャラクタに対応する敵キャラクタ情報から読み出される。
図3に示す場合においては、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの遭遇のタイプは、47%で通常遭遇、6%でサーチ遭遇、47%でアラート遭遇となる。
クロックオブジェクト管理テーブル12cは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したときから所定時間が経過するまでの残存時間を示す残存時間情報を視認可能に表すクロックオブジェクトに関する情報であるクロックオブジェクト情報を記憶する記憶媒体である。
図4は、クロックオブジェクトについて説明するための説明図である。図4に示すように、本例におけるクロックオブジェクトCOは、針CHと、針CHの初期位置IPと、針CHの動作終了位置EP(図4においては、初期位置IPと同じ位置)と、セーフエリアSAと、ノーマルエリアNAとを含むオブジェクトである。本例においては、制御部11が、クロックオブジェクトCOが含む針CHを経過時間に応じて初期位置IPから時計回り(方向D)に移動させ、所定時間が経過するときに針CHが動作終了位置EPを示すように制御することにより、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したときから所定時間が経過するまでの残存時間を示す残存時間情報をプレイヤに提供する。
また、本例においては、制御部11が、クロックオブジェクトが備える各種エリア(本例においては、セーフエリアSAとノーマルエリアNA)を識別可能に表示することにより、経過時間に応じて実行される処理をプレイヤが識別できるようにする。なお、本例においては、制御部11は、針CHがセーフエリアSA内に位置する間は遭遇後の敵キャラクタの位置を固定し、針CHがノーマルエリアNA内に位置する間は、遭遇後の敵キャラクタの位置を例えば敵キャラクタ情報に含まれる移動規則に従って移動させる処理を実行する。
そして、クロックオブジェクトCOは、鉢CHが1周したあとを強制戦闘開始時間(本例においては、遭遇後、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに接触することなく戦闘が開始される時間)として示す。なお、強制戦闘開始時間は、敵キャラクタ情報が含む所定のパラメータや、決定された遭遇タイプによって算出される構成としてもよいし、プレイヤキャラクタ情報が含む所定のパラメータや、移動フィールドにおいてプレイヤキャラクタが位置する領域などに応じて算出される構成としてもよい。
図5は、クロックオブジェクト管理テーブル12cにおけるクロックオブジェクト情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、本例におけるクロックオブジェクト情報は、経過時間と、所定時間と、角速度と、エリア設定と、移動可能範囲とを含む。
ここで、「経過時間」とは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇してから経過した時間である。本例においては、経過時間として、ビデオゲーム処理装置100が備える計時装置(タイマ)により計時される時間が反映される。
また、「所定時間」とは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したときから強制的に戦闘が開始されるまでの時間としてあらかじめ設定された時間である。本例においては、この所定時間が、針CHが1周する時間(すなわち、針CHが、初期位置IPから方向Dに向かって移動し、動作終了位置EPに到着するまでの時間)となる。
また、「角速度」とは、クロックオブジェクトCOにおける針CHの角速度であり、針CHの移動可能範囲(初期位置IPから動作終了位置EPまでの移動距離に対応する範囲。本例においては、360度)を所定時間(例えば、60秒)で除算した値が入力される。
また、「エリア設定」とは、クロックオブジェクトCOを構成するエリアの割合を示す情報である。本例においては、クロックオブジェクトCOは、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが遭遇してから所定時間(すなわち、クロックオブジェクトCOにおける針CHが初期位置IPから動作終了位置EPまで移動するのに要する時間)が経過する前に設定された期限である第1種期限が経過するまでの第1種残存時間を示すエリア(セーフエリアSA)と、第1種残存時間が無くなってから所定時間が経過するまでの第2種残存時間(すなわち、クロックオブジェクトCOにおける針CHが初期位置IPから動作終了位置EPまで移動するのに要する時間から、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが遭遇してから第1種期限が経過するまでに要した時間を除いた時間)を示すエリア(ノーマルエリアNA)とを示す残存時間情報を視認可能に表す。
なお、クロックオブジェクトCOの構成は、いわゆる時計に限定されず、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したときから所定時間が経過するまでの残存時間を示す残存時間情報をプレイヤが視認可能となるように表す構成であればよい。
図6は、クロックオブジェクトCOの他の例について説明するための説明図である。
図6(A)は、クロックオブジェクトをメータ形式にする場合の例である。クロックオブジェクトをメータ形式とする場合、針CHが、時間の経過に応じて初期位置IPから、初期位置IPとは異なる位置にある動作終了位置EPまで移動する構成とすることにより、クロックオブジェクトとしての機能を実現することができる。
図6(B)は、クロックオブジェクトをゲージ形式にする場合の例である。クロックオブジェクトをゲージ形式とする場合、時間の経過に応じてゲージGが減少し、最終的には「0」になる構成とすることにより、クロックオブジェクトとしての機能を実現することができる。
図6(C)は、クロックオブジェクトを弧状のメータ形式にする場合の例である。クロックオブジェクトを弧状のメータ形式にする場合、弧の中心に針CHを配置し、針CHが示す位置が時間の経過に応じて弧の一端から他端に移動する構成とすることにより、クロックオブジェクトとしての機能を実現することができる。
なお、図6(A),6(B),6(C)においては、クロックオブジェクトCOが2種類のエリア(セーフエリアSAとノーマルエリアNA)を示す場合について説明したが、エリアの数は2種類に限定されず、エリアに応じた処理内容が3つ以上存在する場合には、クロックオブジェクトCOが3種類以上のエリアを含む構成としても良い。
図7は、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCが遭遇したあと、敵キャラクタNPCとプレイヤキャラクタPCとの位置関係に基づいて制御部11が実行する処理について説明するための説明図である。本例においては、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したと判定するすると、制御部11は、図7に示すように、移動フィールドにおけるプレイヤキャラクタPCに対して、出現距離に応じた位置(すなわち、敵キャラクタNPCの存在位置)に、敵キャラクタの存在を示す存在オブジェクトPOを配置する。そして、図7に示すように、制御部11は、移動フィールドにおける存在オブジェクトPOの位置を基準とする出現範囲A1(例えば、存在オブジェクトの位置を中心とし、敵キャラクタNPCの出現距離を半径とする円状の範囲内)と、離脱範囲A2(例えば、存在オブジェクトの位置を中心とし、敵キャラクタNPCの離脱距離を半径とする円状の範囲外)を特定する。
そして、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが出願範囲A1内に位置するときに、遭遇タイプに応じたクロックオブジェクトCOを表示する。一方、プレイヤキャラクタPCが離脱範囲A2に移動したと判定すると、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCとの戦闘を回避したものと判定し、遭遇後の計時を終了し、クロックオブジェクトを表示画面から消去する。なお、プレイヤキャラクタPCが、出現範囲A1と離脱範囲A2の間に位置する場合、制御部11は、遭遇後の計時を中断し、再度プレイヤキャラクタPCが出現範囲A1に移動したときに計時を再開する。
なお、本例においては、遭遇後接触前の段階では、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの戦闘は開始していない。すなわち、制御部11は、移動フィールドにけるプレイキャラクタPCの動作によって敵キャラクタのHPなどに影響を与える処理を行わない。
また、存在オブジェクトの表示数を敵キャラクタの数と同じにする必要はない。すなわち、本例においては、プレイヤキャラクタPCと複数の敵キャラクタ(すなわち、複数の敵キャラクタにより構成される敵キャラクタ群)とが遭遇したと判定した場合、制御部11は、複数の敵キャラクタではなく、敵キャラクタ群の位置(例えば、敵キャラクタ群を代表する敵キャラクタの位置など)に、敵キャラクタ群を示す存在オブジェクトPOを表示する。
また、例えば敵キャラクタの出現距離によっては、制御部11は、表示画面外に、遭遇した敵キャラクタNPCの位置を設定する場合(すなわち、移動フィールドにおいて表示範囲に含まれていない位置に敵キャラクタを出現させ、表示画面に存在オブジェクトPOを表示しない場合)があってもよい。なお、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタ群に遭遇した場合には、制御部11が、敵キャラクタ群を構成する複数の敵キャラクタの敵キャラクタ情報(すなわち、各敵キャラクタに対応する敵キャラクタ情報)の中から、それぞれ最長の出現距離と離脱距離を採用する構成としてもよいし、平均値を採用する構成としてもよい。
戦闘開始時設定記憶部12dは、遭遇したプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが戦闘を開始する時の初期設定(戦闘開始時設定)を複数種類記憶する記憶媒体である。本例においては、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇してから所定時間が経過するまでのプレイヤキャラクタの動作等に応じて、複数の戦闘開始時設定の中から1つの設定(または、複数の設定の組み合わせ)を選択し、選択した戦闘開始時設定を行うことによって戦闘制御情報記憶部12aに記憶された戦闘制御情報を更新し、更新した戦闘制御情報に基づいて、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの戦闘フィールドにおける戦闘を開始し、戦闘の進行を制御する。
図8は、戦闘開始時設定記憶部12dに記憶された戦闘開始時設定の格納状態の例を示す説明図である。図8に示すように、戦闘開始時設定は、戦闘開始時設定の名称と、設定内容とを含む。
本例においては、図8に示すように、戦闘開始時設定には、プレイヤキャラクタが敵キャラクタよりも有利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(図8に示す場合においては、名称「先制バトルイン」に関する戦闘開始時設定。)と、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが公平な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(図8に示す場合においては、名称「通常バトルイン」に関する戦闘開始時設定。)と、プレイヤキャラクタが不利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(図8に示す場合においては、名称「不意打ちバトルイン」に関する戦闘開始時設定。)とが含まれる。なお、本例においては「バトルイン」とは、表示画面に表示するゲーム画面を、プレイヤキャラクタの移動フィールドから、敵キャラクタとの戦闘フィールドに遷移させることを意味するものとする。
表示部13は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。
プレイヤ操作受付部15は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。本例においては、プレイヤ操作受付部15は、タッチパネルによって構成されるものとする。
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
図9は、ビデオゲーム処理装置100が実行するエンカウント処理の例を示すフローチャートである。エンカウント処理では、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したときに、移動フィールドに敵キャラクタの位置を表示し、表示した敵キャラクタの位置に基づいてプレイヤキャラクタと敵キャラクタの接触判定を行い、戦闘フィールドに移行するための処理が実行される。すなわち、本例においては、「エンカウント」が、「遭遇」、「接触」、「戦闘場面への移行(バトルイン)」の3段階の処理を含む。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
本例におけるゲーム処理は、例えば、プレイヤキャラクタPCの位置が、所定の確率で敵キャラクタNPCに遭遇する範囲に位置したときに開始される。
図10は、移動フィールドを示すゲーム画面(以下、適宜、「移動画面」という。)の例を示す説明図である。図10に示すように、本例においては、移動画面には、プレイヤキャラクタPCと、プレイヤキャラクタPCの仲間であるサブキャラクタSCと、不意打ち防止キャラクタMとが表示される。なお、不意打ち防止キャラクタMは、ゲームの進行に応じて、プレイヤキャラクタPCの仲間から外れている場合があるキャラクタである。
エンカウント処理において、制御部11は、先ず、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPC(複数の敵キャラクタNPCにより構成される敵キャラクタ群を含む。)に遭遇したか否かを判定する(ステップS101)。なお、本例においては、制御部11が、記憶部12に記憶された遭遇条件(図示せず。)に基づいて遭遇判定を行う。ここで、敵キャラクタNPCに遭遇していないと判定すると(ステップS101のN)、制御部11は、例えばプレイヤAの操作に応じてプレイヤキャラクタPCの位置を移動し、再度遭遇判定を行う。
一方、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したと判定すると(ステップS101のY)、制御部11は、プレイヤキャラクタPCの仲間に、不意打ち防止キャラクタがいるか否かを判定する(ステップS102)。なお、本例においては、制御部11は、プレイヤキャラクタPCから所定の距離以内に不意打ち防止キャラクタが位置する場合(すなわち、不意打ち防止キャラクタMが所定の状態にある場合)に、不意打ち防止キャラクタMがいると判定するものとする。
ステップS102の処理において、不意打ち防止キャラクタMがいないと判定すると(ステップS102のN)、制御部11は、後述するバトルイン処理におけるステップS205の処理に移行する(図13参照)。
一方、不意打ち防止キャラクタMがいると判定すると(ステップS102のY)、制御部11は、遭遇した敵キャラクタNPCの敵キャラクタ情報における遭遇値に基づいて、遭遇タイプ割合管理テーブル12dを更新する(ステップS103)。なお、本例においては、制御部11が、プレイヤキャラクタPCの状況(位置や状態など)に応じて、遭遇タイプ割合管理テーブル12dにおける基礎遭遇値を変更するものとする(図3参照)。
遭遇タイプ割合管理テーブル12dを更新すると、制御部11は、遭遇タイプ割合管理テーブル12dに記憶された各遭遇タイプの割合に基づいて(図3参照)、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタPCとの遭遇に対応する遭遇タイプを決定する(ステップS104)。
遭遇タイプを決定すると、制御部11は、遭遇した敵キャラクタNPCと、決定した遭遇タイプとに応じて、クロックオブジェクト管理テーブル12cを更新する(ステップS105)。本例においては、制御部11は、遭遇タイプ割合管理テーブル12bを更新する場合と同様の処理を行う。すなわち、制御部11は、決定した遭遇タイプに応じた基礎値に、遭遇した敵キャラクタの敵キャラクタ情報に設定された各種情報を加味して、クロックオブジェクト情報を構成する所定時間(所定時間に関連して角速度)やエリア設定などを決定し、決定した内容に従ってクロックオブジェクト管理テーブル12cを更新する。なお、所定時間の決定に関しては、例えば、プレイヤキャラクタPCのレベルに対して敵キャラクタのレベルが低いほど所定時間を短くするというように、同一の敵キャラクタであっても、所定のパラメータの値によって、設定される所定時間が変更する構成としてもよい。
なお、本例においては、制御部11がクロックオブジェクト管理テーブル12cを更新する場合に、必ずしも敵キャラクタ情報を反映させる必要はなく、特定の条件が満たされた場合に、満たされた条件にあらかじめ対応付けされた内容でクロックオブジェクト情報を更新する構成としてもよい。すなわち、例えば、決定した遭遇タイプが「アラート遭遇」の場合、制御部11が、他の要素に関係なく、エリア設定を「セーフエリア=0、ノーマルエリア=100」とする構成としてもよい。
クロックオブジェクト管理テーブル12cを更新すると、制御部11は、敵キャラクタ情報記憶部12a2を参照して、遭遇タイプに応じた存在オブジェクトPOの表示位置(すなわち、移動フィールドにおける、敵キャラクタNPCの存在位置)を決定する(ステップS106)。本例においては、制御部11は、移動フィールドにおけるプレイヤキャラクタPCから敵キャラクタNPCの出現距離だけ離れた範囲内において、敵キャラクタNPCの出現条件を満たす位置(複数の位置が出現条件を満たす場合には、複数の位置からランダムに選択した位置)を、存在オブジェクトPOの表示位置に決定する。
存在オブジェクトPOの表示位置を決定すると、制御部11は、クロックオブジェクトを含む戦闘開始状況決定画面(または、バトルイン画面)を表示部13の表示画面に表示する(ステップS107)。
図11は、戦闘開始状況決定画面の例を示す説明図である。図11に示すように、本例においては、プレイヤキャラクタPCに対して敵キャラクタNPCの出現距離に対応する位置に存在オブジェクトPOが表示される。なお、存在オブジェクトPOは、プレイヤキャラクタPCが遭遇した敵キャラクタNPCの位置が識別可能であればよく、例えば、敵キャラクタNPCの外観を用いる構成としてもよいし、敵キャラクタNPCの外観の略図を用いる構成としてもよい。また、プレイヤキャラクタPCが複数の敵キャラクタNPCにより構成された敵キャラクタ群に遭遇した場合に、敵キャラクタ群の中から1つの敵キャラクタNPC(例えば、群の代表としてあらかじめ設定された敵キャラクタ)を選択し、選択した敵キャラクタNPCの外観を存在オブジェクトPOとして表示する構成としてもよい。
また、戦闘開始状況決定画面においては、クロックオブジェクト情報に基づくクロックオブジェクトCOが表示される。本例においては、図11に示すように、クロックオブジェクトCOが、ノーマルエリアNAとセーフエリアSAとを識別可能に表示し、針CHにより、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したときから所定時間が経過するまでの残存時間を示す残存時間情報を視認可能に表す場合を例にして説明する。
また、本例においては、制御部11は、戦闘開始状況画面に、プレイヤキャラクタPCが所有するアイテム(以下、プレイヤキャラクタが装備している武器Wを例にして説明を行う。)を表示する。
戦闘開始状況決定画面を表示すると、制御部11は、クロックオブジェクトを起動する(ステップS108)。すなわち、制御部11は、計時を開始して、経過時間に応じた分だけ針CHを動かすための処理を開始する。
クロックオブジェクトを起動すると、制御部11は、戦闘開始時設定記憶部12dに記憶された複数の戦闘開始時設定の中から1つを選択して(または、複数の組み合わせを選択して)、選択した戦闘開始時設定を行うことによって戦闘制御情報を更新するために、バトルイン処理を実行する(ステップS109)。なお、バトルイン処理については、後で詳しく説明する(図13参照)。
バトルイン処理を実行して戦闘制御情報を更新すると、制御部11は、更新した戦闘制御情報に基づいて、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの戦闘フィールドにおける戦闘を開始し、戦闘の進行を制御して(ステップS110)、ここでの処理を終了する。
図12は、戦闘フィールドを示すゲーム画面(以下、適宜、「戦闘画面」という。)の例を示す説明図である。図12に示すように、本例においては、戦闘画面には、戦闘対象である敵キャラクタNPC(本例においては、複数の敵キャラクタNPC1,NPC2)と、プレイキャラクタNPCとサブキャラクタSCのステータス(例えば、HPなど)を表示するステータス表示領域110とが表示される。
本例においては、戦闘場面における各種処理(戦闘制御処理)については、ATBシステムなどを用いる従来の方法を採用するため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、移動フィールドから、後述するバトルイン処理(図13参照)を介して移行する戦闘フィールドの構成は特に限定されず、例えば、プレイヤキャラクタPCと、プレイヤAとは異なるプレイヤBにより操作されるプレイヤキャラクタPC1とが戦闘フィールドに配置される場合があってもよい。
次に、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトルイン処理(図9のステップS109)について説明する。
図13は、ビデオゲーム処理装置100が実行するバトルイン処理の例を示すフローチャートである。ここでは、戦闘開始時設定の選択とそれに応じた処理が実行される。
バトルイン処理において、先ず、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに接触したか否かを判定する(ステップS201)。本例においては、制御部11は、プレイヤキャラクタPCと存在オブジェクトPOとが接触したか否かを確認することで、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが移動フィールド上で接触したか否かを判定する。なお、プレイヤキャラクタPC(より具体的には、移動フィールドにおけるプレイヤキャラクタの存在を示すプレイヤキャラクタオブジェクト)と存在オブジェクトPOとの接触判定の方法としては、戦闘開始状況決定画面(図11参照)における各オブジェクト(プレイヤキャラクタPC、プレイヤキャラクタPCが装備した武器W、及び存在オブジェクトPO)の描画情報を用いた従来の判定方法(いわゆる、当たり判定)を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
ここで、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに接触していないと判定すると(ステップS201のN)、制御部11は、クロックオブジェクトCOが示す残存時間(針CHが1周するまでの時間から経過時間を除いた時間)が「0」になったか否かを判定する(ステップS202)。
ここで、クロックオブジェクトCOが示す残存時間が「0」になっていないと判定すると(ステップS202のN)、制御部11は、プレイヤキャラクタPCの位置が敵キャラクタNPCの離脱範囲内(本例においては、存在オブジェクトPOから敵キャラクタNPCの離脱距離以上離れた位置)にあるか否かを判定する(ステップS203)。そして、プレイヤキャラクタPCの位置が敵キャラクタNPCの離脱範囲内にないと判定すると(ステップS203のN)、制御部11は、ステップS201の処理に移行する。
一方、プレイヤキャラクタPCの位置が敵キャラクタNPCの離脱範囲内にあると判定すると(ステップS203のY)、制御部11は、戦闘開始状況決定画面を消去して(ステップS204)、エンカウント処理におけるステップS101の処理に移行する。すなわち、制御部11は、プレイヤキャラクタPCが、敵キャラクタNPCとの戦闘を回避して、移動フィールドにおける移動を再開するための処理を行う。
一方、ステップS202の処理において、クロックオブジェクトCOが示す残存時間が「0」であると判定すると(ステップS202のY)、制御部11は、戦闘開始時設定記憶部12dを参照して、複数種類の戦闘開始時設定の中からプレイヤキャラクタが不利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(本例においては、不意打ちバトルイン。図8参照。)を選択する(ステップS205)。
戦闘開始時設定を選択すると、制御部11は、選択した戦闘開始時設定を行うことによって戦闘制御情報を更新して(ステップS206)、エンカウント処理におけるステップS110の処理に移行する(図9参照)。
一方、ステップS201の処理において、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに接触したと判定すると(ステップS201のY)、制御部11は、接触が、武器Wを用いた接触であるか否かを判定する(ステップS207)。
ここで、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの接触が武器Wを用いた接触であると判定すると(すなわち、武器Wと存在オブジェクトPOとが接触したことを確認することにより、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが移動フィールド上で接触したと判定すると)(ステップS207のY)、制御部11は、戦闘開始時設定記憶部12dを参照して、複数種類の戦闘開始時設定の中からプレイヤキャラクタが有利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(本例においては、先制バトルイン。図8参照。)を選択して(ステップS208)、ステップS206の処理に移行する。
一方、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの接触が武器Wを用いた接触でないと判定すると(本例においては、プレイヤキャラクタPCと存在オブジェクトPOとが接触したことを確認することにより、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが移動フィールド上で接触したと判定すると)(ステップS207のN)、制御部11は、戦闘開始時設定記憶部12dを参照して、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが公平な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(本例においては、通常バトルイン。図8参照。)を選択して(ステップS209)、ステップS206の処理に移行する。
なお、上述した実施の形態では、敵キャラクタNPCに遭遇したことに応じてクロックオブジェクトCOを表示し、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが接触したときのクロックオブジェクトCOが示す残存時間等に応じて、戦闘開始時の設定の種類を異ならせる構成としていたが、他のイベントによって戦闘開始時の設定の種類を異ならせるようにしてもよい。この場合、例えば、敵キャラクタNPCに遭遇したことに応じてミニゲーム(例えば、アクションゲーム、パズルゲームなど)を提供し、そのミニゲームにおけるプレイヤの操作内容に基づくゲーム結果に応じて戦闘開始時の設定の種類を異ならせるようにしたりすることが考えられる。
以上に説明したように、上述した実施の形態では、プレイヤキャラクタPCが移動する移動フィールドと、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが戦闘を行う戦闘フィールドとを、ビデオゲームの進行に応じて表示装置(例えば、表示部13)の表示画面に表示することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタに関するプレイヤキャラクタ情報と敵キャラクタに関する敵キャラクタ情報とを含む戦闘フィールドにおける戦闘を制御するために用いられる戦闘制御情報を記憶する戦闘制御情報記憶部12aを備え、移動フィールドにおいて、所定の規則(例えば、プレイヤキャラクタPCの位置などに対応付けされた確率)に従いプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したか否かを判定し、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したと判定したことに応じて、プレイヤの操作内容に基づきあらかじめ用意されている複数種類の判定結果のうちいずれかが決定される所定のイベントゲームを提供し、イベントゲームにおいて特定の判定結果とすることに決定されたことに応じて、戦闘開始時の初期設定としてあらかじめ用意されている複数種類の戦闘開始時設定(例えば、戦闘開始時設定記憶部12dに記憶された複数の戦闘開始時設定)の中からプレイヤキャラクタPCが有利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、先制バトルイン)を選択し、選択した戦闘開始時設定を行うことによって戦闘制御情報を更新し、戦闘制御情報を更新したあと、更新した戦闘制御情報に基づいて、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの戦闘フィールドにおける戦闘を開始し、戦闘の進行を制御する構成としているので、移動フィールドから戦闘フィールドに移行する際のプレイヤの操作に基き各キャラクタの戦闘開始時の状況にバリエーションを持たせることが可能な制御を行うことができるようになる。
また、上述した実施の形態では、プレイヤキャラクタPCが移動する移動フィールドと、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが戦闘を行う戦闘フィールドとを、ビデオゲームの進行に応じて表示装置(例えば、表示部13)の表示画面に表示することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタに関するプレイヤキャラクタ情報と敵キャラクタに関する敵キャラクタ情報とを含む戦闘フィールドにおける戦闘を制御するために用いられる戦闘制御情報を記憶する戦闘制御情報記憶部12aを備え、移動フィールドにおいて、所定の規則(例えば、プレイヤキャラクタPCの位置などに対応付けされた確率)に従いプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したか否かを判定し、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したと判定したことに応じて、移動フィールドにおける敵キャラクタNPCの存在位置に敵キャラクタNPCの存在を示す存在オブジェクトPOを表示し、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したときから所定時間が経過するまでの残存時間を示す残存時間情報を視認可能に表すクロックオブジェクトCOを表示画面に表示し、プレイヤキャラクタPCと存在オブジェクトPOとが接触したか否かを確認することで、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが移動フィールド上で接触したか否かを判定し、所定時間が経過する前にプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが接触したと判定したことに応じて、戦闘開始時の初期設定としてあらかじめ用意されている複数種類の戦闘開始時設定(例えば、戦闘開始時設定記憶部12dに記憶された複数の戦闘開始時設定)の中からプレイヤキャラクタPCが有利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、先制バトルイン)を選択し、選択した戦闘開始時設定を行うことによって戦闘制御情報を更新し、戦闘制御情報を更新したあと、更新した戦闘制御情報に基づいて、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの戦闘フィールドにおける戦闘を開始し、戦闘の進行を制御する構成としているので、移動フィールドから戦闘フィールドに移行する際のプレイヤの操作に基き各キャラクタの戦闘開始時の状況にバリエーションを持たせることが可能な制御を行うことができるようになる。また、戦闘フィールドに移行する前に、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとのどちらが有利な状況で戦闘が開始されるかを認識可能な情報をプレイヤに対して提供することができるようになる。
すなわち、ビデオゲーム処理装置100が、敵キャラクタNPCに遭遇したと判定したときに、すぐに戦闘フィールドに移行せず、時間経過と接触判定とにより戦闘開始時の設定を決定する構成とすることにより、プレイヤが戦闘開始時設定の決定に関わることができるようになるため、プレイヤが戦闘開始時の状況を容易に把握することができるようになる。
また、プレイヤキャラクタの戦闘状況を容易に把握することができるため、プレイヤキャラクタにどのような行動をとらせるかの判断を行うことが可能となり、より趣向性を向上させることができるようになる。すなわち、クロックオブジェクトCOの表示形態によりプレイヤキャラクタPCが有利な状況で戦闘を開始することができそうか否かを判断できるようになるため、プレイヤは、敵キャラクタとの戦闘を開始するか、または戦闘を回避するかを、クロックオブジェクトにより提供される情報に基づいて判断することができるようになり、敵キャラクタに遭遇した後の選択肢が増えるため、ゲームの趣向性を向上させることができる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したときから所定時間が経過する前にプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが接触したと判定しなかったことに応じて、複数種類の戦闘開始時設定(例えば、先制バトルイン、通常バトルイン、及び不意打ちバトルイン)の中からプレイヤキャラクタPCが不利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、不意打ちバトルイン)を選択する構成としているので、戦闘フィールドに移行する前にプレイヤキャラクタが敵キャラクタに接触しなければプレイヤキャラクタが不利な状況で戦闘が開始されることを明示することができるようになり、プレイヤに対して容易に戦闘開始時の状況についての情報を提供することができるようになる。
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、複数のエリア(例えば、セーフエリアSAとノーマルエリアNA)を含むクロックオブジェクトCOを表示することにより、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したときから所定時間経過するまでの間に、存在オブジェクトPOが停止している期間と、存在オブジェクトPOが移動する期間とをプレイヤに認識させることができるようにした場合を例にして説明をしたが、クロックオブジェクトにおける複数のエリアが示す情報は敵キャラクタの移動の有無に限定されない。すなわち、クロックオブジェクトにより示されるエリアは、プレイヤに対して何らかの情報を提供するものであればよい。
よって、例えば、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが遭遇してから所定時間が経過する前に設定された期限である第1種期限が経過するまでの第1種残存時間と、第1種残存時間が無くなってから所定時間が経過するまでの第2種残存時間とを示す残存時間情報を視認可能に表すクロックオブジェクト(例えば、セーフエリアSAとノーマルエリアNAとを示すクロックオブジェクトCO)を表示画面に表示し、第1種残存時間が無くなるまでにプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが接触したと判定したことに応じて、プレイヤキャラクタPCが有利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、先制バトルイン)を選択し、第1種残存時間が無くなったあと第2種残存時間が無くなるまでにプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタPCとが接触したと判定したことに応じて、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが公平な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、通常バトルイン)を選択する構成としてもよい。このような構成とすることにより、戦闘開始時の設定のバリエーションを持たせることができるようになる。また、所定時間が経過するまでの残存時間の種類を3つ以上にするだけで、容易に戦闘開始時の設定のバリエーションを増やすことができるようになる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤAによる操作に応じて、移動フィールドにおけるプレイヤキャラクタPCの動作を制御し、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCに遭遇したと判定したことに応じて、プレイヤキャラクタPCの表示形態を所定のアイテム(例えば、プレイヤキャラクタPCが装備している武器W)を備えた状態に変更し、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが接触したと判定した場合に、接触が、所定のアイテムの使用による接触であるか否かを判定し、判定結果が、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの接触が所定のアイテムの使用による接触であることを示す場合に、プレイヤキャラクタPCが有利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、先制バトルイン)を選択し、判定結果が、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの接触が所定のアイテムの使用による接触でないことを示す場合に、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが公平な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、通常バトルイン)を選択する構成としているので、プレイヤによる操作内容に応じて、戦闘開始時にプレイヤキャラクタと敵キャラクタのどちらが有利な状況にするかを決定することができるようになる。また、プレイヤにとっては、自己の操作内容が戦闘開始時の設定に反映されることとなるので、戦闘開始時の状況を容易に把握できるようになる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、所定時間を含むクロックオブジェクトに関する情報であるクロックオブジェクト情報を記憶するクロックオブジェクト管理テーブル12cを備え、移動フィールドに関する情報と、プレイヤキャラクタ情報と、敵キャラクタ情報とのうち少なくとも1つの情報に基づいて所定時間を更新し(例えば、敵キャラクタ情報に応じて決定される遭遇タイプと敵キャラクタ情報とに応じてクロックオブジェクト情報における所定時間を更新し)、クロックオブジェクト管理テーブル12cに記憶されたクロックオブジェクト情報に基づいてクロックオブジェクトCOを表示画面に表示する構成としているので、敵キャラクタ情報などクロックオブジェクト情報の内容に関係のあるパラメータを変更するだけで、様々な敵キャラクタの出現パターンを提供することができるようになる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、移動フィールドにおけるプレイヤキャラクタPCと存在オブジェクトPOとの距離を特定し、特定した距離が所定距離(例えば、敵キャラクタ情報における離脱距離)以上であるかを判定し、プレイヤキャラクタPCと存在オブジェクトPOとの距離が所定距離以上であると判定したことに応じて、存在オブジェクトPOを移動フィールドから消去し、クロックオブジェクトCOの表示を終了する(例えば、戦闘開始状況決定画面を消去する)構成としているので、敵キャラクタとの遭遇後、戦闘開始前に、敵キャラクタに対する動作を考慮する機会をプレイヤに提供することができるようになるため、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとが遭遇したと判定したことに応じて、存在オブジェクトPOを表示する前に、プレイヤキャラクタ情報が所定の条件(例えば、仲間に不意打ち防止キャラクタがいること)を満たすか否かを判定し、プレイヤキャラクタ情報が所定の条件を満たしていると判定したことに応じて(例えば、仲間に不意打ち防止キャラクタMがいると判定したことに応じて)にプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの遭遇判定を行い、プレイヤキャラクタ情報が所定の条件を満たさないと判定したことに応じて、プレイヤキャラクタPCが不利な状況で戦闘が開始されるように設定された戦闘開始時設定(例えば、不意打ちバトルイン)を選択する構成としているので、敵キャラクタと遭遇する前のプレイヤキャラクタの状況に応じて戦闘開始時に実行する処理にバリエーションを持たせることができるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、複数の敵キャラクタにより構成される敵キャラクタ群とプレイヤキャラクタPCとの遭遇判定を行い、複数の敵キャラクタの数に基づいて所定時間を更新する(例えば、敵キャラクタの数だけ所定時間を長くする)構成としてもよい。このような構成とすることにより、敵キャラクタ群の構成に応じて、プレイヤが戦闘を行うか否かの判断をする時間を調節することができるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、1回の遭遇で、複数の存在オブジェクトと、複数の存在オブジェクトそれぞれに対応するクロックオブジェクトとを表示画面に表示する構成としてもよい。この場合、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤ操作受付部15を介して、複数の存在オブジェクトと、複数の存在オブジェクトに対応する複数のクロックオブジェクトとをそれぞれ1つの存在オブジェクトとクロックオブジェクトとにまとめる処理の実行要求を受け付ける構成としてもよい。このような構成とすることにより、複数の存在オブジェクトに対応する敵キャラクタと戦闘することになる代わりに、有利な状況で戦闘を開始しやすくするというような判断をプレイヤに行わせることができるようになるため、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、針CHと、針CHの初期位置IPと、針CHの動作終了位置EPとを有し、所定時間が経過するまでの残量時間に応じて動作し、残量時間が無くなる時に針CHが針CHの動作終了位置EPに位置するように動作するオブジェクトをクロックオブジェクトPOとして表示画面に表示する構成としているので、プレイヤに対して時間の経過に関する情報(例えば、強制的に戦闘が開始するまでの残り時間など)を直感的に把握させることができるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、選択した戦闘開始時設定の内容に応じて、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタNPCとの戦闘に敗れたあとの処理を決定する構成としてもよい。すなわち、例えば、戦闘開始時の初期設定としてあらかじめ用意されている複数種類の戦闘開始時設定の中から少なくとも1つ以上の戦闘開始時設定(例えば、先制バトルイン)を選択し、選択した戦闘開始時設定の種類を所定の記憶装置の記憶領域に保存し、選択した戦闘開始時設定を行うことによって戦闘制御情報を更新し、戦闘制御情報を更新したあと、更新した戦闘制御情報に基づいて、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCとの戦闘フィールドにおける戦闘を開始し、戦闘の進行を制御し、戦闘が終了したか判定し、戦闘が終了したと判定したことに応じて戦闘をやり直すか否かを判定し、戦闘をやり直すと判定した場合に、保存した戦闘開始時設定の種類に応じてあらかじめ設定された制限を設定したあと、移動フィールドにプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCに対応する存在オブジェクトPOとを表示(または、配置)する構成としてもよい。
すなわち、例えば、通常バトルインで戦闘が開始された場合、戦闘をやり直す(以下、適宜、「リスタートする」という。)場合、制御部11が、移動フィールド上にプレイヤキャラクタPCと存在オブジェクトPOとを配置し、経過時間「0」の状態のクロックオブジェクトCOと移動フィールドとを表示する戦闘開始状況決定画面を表示し(図11参照)、プレイヤキャラクタPCの動作に関して所定のアイテム(例えば武器W)の使用以外の操作(例えば、プレイヤキャラクタPCの移動操作)を受け付ける構成としてもよい。このような構成とすることにより、例えば、最初にとれた優位の可能性を保証し、かつ、より優位に巻き戻すことができないようにするといったビデオゲームの設計を容易に行うことができるようになる。
なお、リスタート時の制限はプレイヤキャラクタの動作に関する制限に限定されず、例えば、戦闘開始前に選択した戦闘開始時設定が「先制バトルイン」であった場合にリスタートするときは、「クロックオブジェクトが戻り通常通りにプレイヤキャラクタが所定のアイテムを使用して接触可能」な構成とし、戦闘開始時設定が「不意打ちバトルイン」であった場合にリスタートするときは、「クロックオブジェクトに対応する所定時間を短くして表示する」構成としてもよい。また、例えば、戦闘開始前に選択した戦闘開始時設定が「不意打ちバトルイン」であった場合には、制御部11が、リスタートをロックする(すなわち、リスタートすることを許容しない)構成としてもよい。
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ゲームサーバからインターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。