JP5841087B2 - 段ボール製構造体の結合構造 - Google Patents
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そして、近年では、物品の収容や運搬だけでなく、椅子や机などを初めとする様々な構造体の製造にも段ボールが利用され始めている。
例えば(特許文献1)には、井桁構造体をカバーで覆ったことを特徴とする段ボール製組立式ベッドが開示されている。
また、(特許文献2)には、脚部分が座面部分及び背凭れ部分を支える一体的な井桁構造体からなり、井桁構造体を外面部材で覆うことにより座面部分と背凭れ部分が形成されることを特徴とする段ボール製組立式椅子が開示されている。
また、(特許文献3)には、天板が、脚部と連結するための差込爪が設けられた差込片を具え、脚部が、脚部材で構成される井桁構造体であり、その側面に、天板と連結するための差込孔が設けられた差込凹部を具え、差込爪を差込孔に嵌込むことにより、天板と脚部が連結されることを特徴とする段ボール製組立式テーブルが開示されている。
(1)(特許文献1)の段ボール製組立式ベッドは、カバーの周辺に設けた切込を井桁構造体の周辺の上下中間位置に設けた切込と噛合わせたり、井桁構造体の切込の入口近傍に設けた突起をカバーに設けた差込孔に嵌込んだりして簡単に組立てることが可能な構造である。
しかし、切込同士を噛合わせたり、突起を差込孔に嵌込んだりするだけの単純な構造であるため、外力などにより簡単に外れ易く、特に引き抜きの力に弱く、形状安定性、堅牢性に欠けるという課題を有している。
また、連結をより強固にするために、上下カバーの連結部に、井桁構造体に噛合わされるロック部材を挿入することも記載されているが、ロック部材は折畳みによる弾性反発力のみを利用しており、井桁構造体に噛合わされるだけなので、外力などが加わるとロック部材が容易に変形してロックが外れ易く、ロックの確実性、形状保持性に欠けるという課題を有している。
(2)(特許文献2)の段ボール製組立式椅子では、各部材は、接着剤による接着、差込片の差込孔への挿入、又は切込部同士の噛合わせのいずれかの方法により、相互に固定されており、容易に比較的短時間で組立てることができる。
しかし、各部材を接着剤によって接着したものは分解及び再利用が困難であり、廃棄にも手間がかかって、省資源性、環境保護性に欠けるという課題を有している。
また、差込片の差込孔への挿入、又は切込部同士の噛合わせにより各部材を相互に固定したものは、外力により簡単に抜け易く、形状安定性、堅牢性に欠けるという課題を有している。
さらに、ロック部材の切込部を、座面部材と背凭れ部材の連結部で、井桁部材の切込部に噛合わせるように挿入することも記載されているが、折畳まれたロック部材の弾性反発力で固定するものであり、井桁部材の切込部に噛合わされるだけなので、外力などが加わるとロック部材が容易に変形してロックが外れ易く、ロックの確実性、形状保持性に欠けるという課題を有している。
(3)(特許文献3)の段ボール製組立式テーブルでは、金具、接着剤、或いは、両面テープ等の紙以外の連結・接合材は一切使用しないため、リサイクルや焼却の際に、環境問題は発生しないが、各部材同士が、すべて差込の嵌合で連結されているだけなので、引き抜きの力に弱く、固定の確実性、形状安定性、堅牢性に欠けるという課題を有している。
本発明の請求項1に記載の段ボール製構造体の結合構造は、(a)複数枚の段ボールを重ねて形成され、凹状の嵌合溝部と、前記嵌合溝部の少なくともいずれか一方の側壁部に前記嵌合溝部の内側に突出して形成された1以上の係止突部と、を有する被結合部材と、(b)前記被結合部材の前記嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された嵌合凹部と、前記被結合部材の前記係止突部と係合する凹状又は孔状の係合部と、を有する1又は複数枚の段ボールで形成された結合部材と、(c)前記被結合部材の前記嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された凹状の切り欠き部を有し、前記結合部材と積層される1又は複数枚の段ボールで形成された挿通部材と、を備え、前記被結合部材の前記嵌合溝部を前記結合部材と前記挿通部材で隙間なく埋めて前記結合部材を所定の位置に固定した構成を有している。
この構成により、以下のような作用、効果を有する。
(1)被結合部材が複数枚の段ボールを重ねて形成され、凹状の嵌合溝部と、嵌合溝部の少なくともいずれか一方の側壁部に嵌合溝部の内側に突出して形成された1以上の係止突部と、を有し、1又は複数枚の段ボールで形成された結合部材が被結合部材の嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された嵌合凹部と、被結合部材の係止突部と係合する凹状又は孔状の係合部と、を有するので、被結合部材と結合部材が嵌合溝部と嵌合凹部のみで単純に噛み合うだけでなく、被結合部材の係止突部が結合部材の係合部に係合することにより、被結合部材に結合部材が強固に結合、保持され、被結合部材から結合部材を引き抜くことが困難で、結合の確実性、形状安定性に優れる。
(2)被結合部材の嵌合溝部に結合部材の嵌合凹部を嵌合させると共に、被結合部材の係止突部に結合部材の係合部を係合させるだけで、接着剤などを用いることなく、複数枚の段ボールを重ねた状態の被結合部材を1又は複数枚の段ボールで形成された結合部材でまとめて簡便に結合することができ、組立作業性に優れる。
(3)1又は複数枚の段ボールで形成された挿通部材が被結合部材の嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された凹状の切り欠き部を有し、結合部材と積層されることにより、被結合部材を挿通部材で結合すると共に、被結合部材の嵌合溝部を結合部材と挿通部材で隙間なく埋めて結合部材を所定の位置に固定して、被結合部材の係止突部が結合部材の係合部に係合した状態を維持することができ、形状保持性、耐久性に優れる。
(4)挿通部材が結合部材と積層されているので、先に挿通部材のみを被結合部材から引き抜き、結合部材の位置をずらして被結合部材の係止突部と結合部材の係合部との係合を外した上で、結合部材を被結合部材から引き抜かなければならないので、単純に外力が加わっただけでは結合部材が外れることはなく、形状保持性、堅牢性、結合の安定性に優れる。
(5)被結合部材と結合部材及び挿通部材が嵌合と係合のみで結合されているので、組立及び分解が容易で、繰返し使用することや再利用することができ、量産性、省資源性、環境保護性に優れる。
被結合部材、結合部材及び挿通部材の形状や大きさは適宜、選択することができる。また、1つの被結合部材に形成する嵌合溝部及び係止突部の形状、数、配置も適宜、選択することができる。被結合部材の嵌合溝部の数を増やし、被結合部材の複数の箇所を結合部材及び挿通部材で結合すれば、段ボール製構造体の剛性を高めて耐久性、堅牢性を向上させることができ、段ボール製構造体を容易に大型化することができる。
被結合部材は複数枚の段ボールを重ねて形成するが、段ボールの枚数は適宜、選択することができる。
結合部材の嵌合凹部及び挿通部材の切り欠き部は、被結合部材の嵌合溝部と噛み合うように形成すればよい。また、結合部材の係合部は、被結合部材の係止突部と係合するものであれば、凹状でも孔状でもよい。
結合部材と挿通部材の外形形状は同一である必要はなく、必要に応じて、いずれか一方のみに他の部材と係合させるための係合凸部などを形成してもよい。
この構成により、請求項1の作用、効果に加え、以下のような作用、効果を有する。
(1)被結合部材の嵌合溝部の両側の側壁部に係止突部が形成されて、嵌合溝部の両側部にそれぞれ結合部材が配設されることにより、被結合部材の嵌合溝部の両側で被結合部材の係止突部と結合部材の係合部を係合させて、被結合部材と結合部材を均一かつ安定的に接合することができ、形状安定性に優れる。
(2)被結合部材の嵌合溝部の両側部に配設された結合部材の間に挿通部材が挿通されることにより、結合部材と挿通部材が互いに厚さ方向に圧縮し合い、被結合部材と結合部材及び挿通部材が強固に結合されると共に、両側の結合部材に挟まれた挿通部材は引き抜き難く、結合安定性を向上させることができ、耐久性、堅牢性に優れる。
この構成により、請求項1又は2の作用、効果に加え、以下のような作用、効果を有する。
(1)被結合部材の複数箇所に嵌合溝部及び係止突部が形成され、各々の嵌合溝部に結合部材及び挿通部材が結合されることにより、被結合部材の複数箇所を結合部材及び挿通部材で強固に結合することができ、段ボール製構造体の剛性を高めて耐久性、堅牢性を向上させることができ、段ボール製構造体を容易に大型化すること可能で、汎用性、形状自在性に優れる。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用、効果に加え、以下のような作用、効果を有する。
(1)結合部材の複数箇所に嵌合凹部及び係合部が形成され、挿通部材の複数箇所に切り欠き部が形成されて、結合部材及び挿通部材により複数の被結合部材が結合され連結されることにより、段ボール製構造体をさらに複雑化、大型化して用途を拡大することができ、設計自在性、汎用性、堅牢性に優れる。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体を示す模式斜視図である。
図1中、1は本発明の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体、2は複数枚の段ボール2aを重ねて形成された被結合部材、5はそれぞれ1枚の段ボール5aで形成されて被結合部材2に交差して噛み合わされた2つの結合部材、8は3枚の段ボール8aで形成されて被結合部材2に交差して噛み合わされ2つの結合部材5の間に挟まれた挿通部材である。
段ボール製構造体1を構成する段ボール2a,5a,8aの種類(構造)は、適宜、選択することができる。段ボール2a,5a,8aの中芯は、通常の波形だけでなく、ハニカム構造のもの(ハニカム段ボール)を用いてもよい。また、段ボール2a,5a,8aは紙製に限らず、プラスチック製でもよく、紙製の段ボールとプラスチック製の段ボールを適宜、組合せて、剛性を高めることもできる。
図2は実施の形態1の段ボール製構造体の結合構造に用いる被結合部材及び結合部材を示す模式分解斜視図であり、図3は実施の形態1の段ボール製構造体の結合構造における被結合部材と結合部材の結合状態を示す模式斜視図であり、図4は実施の形態1の段ボール製構造体の結合構造における被結合部材を結合部材で結合した状態を示す模式斜視図であり、図5は実施の形態1の段ボール製構造体の結合構造における挿通部材の挿通前の状態を示す模式斜視図である。
図2乃至図4中、3は被結合部材2に形成された凹状の嵌合溝部、3aは嵌合溝部3の両側に形成された凹状嵌合部(図2,図3)、4は嵌合溝部3の両方の側壁部の上端側に嵌合溝部3の内側に突出して1箇所ずつ形成された被結合部材2の係止突部、5bは被結合部材2の嵌合溝部3と互いに噛み合うように形成された嵌合凹部6と被結合部材2の係止突部4と係合する凹状の係合部7との間に形成された結合部材5の連結部(図2,図3)である。
図5中、9は被結合部材2の嵌合溝部3と互いに噛み合うように形成された挿通部材8の凹状の切り欠き部である。
同様に、もう1枚の結合部材5を被結合部材2の嵌合溝部3に差し込み、嵌合溝部3に嵌合凹部6を嵌合させた後、結合部材5を側方にスライドさせ、被結合部材2の他方の凹状嵌合部3aに結合部材5の連結部5bを嵌合させると共に、被結合部材2の他方の係止突部4に結合部材5の係合部7を係合させて図4の状態になる。
次に、図5において被結合部材2の嵌合溝部3に挿通部材8を差し込み、嵌合溝部3に切り欠き部9を嵌合させて図1に示した段ボール製構造体1が得られる。
被結合部材2と結合部材5が嵌合溝部3と嵌合凹部6のみで単純に噛み合うだけでなく、被結合部材2の係止突部4が結合部材5の係合部7に係合すると共に、結合部材5と積層される挿通部材8により被結合部材2の嵌合溝部3を隙間なく埋めることができるので、単純に外力が加わっただけでは結合部材5や挿通部材8が被結合部材2から外れることがなく、結合安定性、形状保持性、堅牢性に優れる。
尚、被結合部材2、結合部材5及び挿通部材8を形成する段ボール2a,5a,8aの枚数は適宜、選択することができ、その形状や大きさも適宜、選択することができる。
(1)被結合部材が複数枚の段ボールを重ねて形成され、凹状の嵌合溝部と、嵌合溝部の少なくともいずれか一方の側壁部に嵌合溝部の内側に突出して形成された1以上の係止突部と、を有し、1又は複数枚の段ボールで形成された結合部材が被結合部材の嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された嵌合凹部と、被結合部材の係止突部と係合する凹状の係合部と、を有するので、被結合部材と結合部材が嵌合溝部と嵌合凹部のみで単純に噛み合うだけでなく、被結合部材の係止突部が結合部材の係合部に係合することにより、被結合部材に結合部材が強固に結合、保持され、被結合部材から結合部材を引き抜くことが困難で、結合の確実性、形状安定性に優れる。
(2)被結合部材の嵌合溝部に結合部材の嵌合凹部を嵌合させ、被結合部材の凹状嵌合部に結合部材の連結部を嵌合させると共に、被結合部材の係止突部に結合部材の係合部を係合させるだけで、接着剤などを用いることなく、複数枚の段ボールを重ねた状態の被結合部材を1又は複数枚の段ボールで形成された結合部材でまとめて簡便かつ強固に結合することができ、組立作業性に優れる。
(3)1又は複数枚の段ボールで形成された挿通部材が被結合部材の嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された凹状の切り欠き部を有し、結合部材と積層されることにより、被結合部材を挿通部材で結合すると共に、被結合部材の嵌合溝部を結合部材と挿通部材で隙間なく埋めて結合部材を所定の位置に固定して、被結合部材の係止突部が結合部材の係合部に係合した状態を維持することができ、形状保持性、耐久性に優れる。
(4)挿通部材が結合部材と積層されているので、先に挿通部材のみを被結合部材から引き抜き、結合部材の位置をずらして被結合部材の係止突部と結合部材の係合部との係合を外した上で、結合部材を被結合部材から引き抜かなければならないので、単純に外力が加わっただけでは結合部材が外れることはなく、形状保持性、堅牢性、結合の安定性に優れる。
(5)被結合部材と結合部材及び挿通部材が嵌合と係合のみで結合されているので、組立及び分解が容易で、繰返し使用することや再利用することができ、量産性、省資源性、環境保護性に優れる。
(6)被結合部材の嵌合溝部の両側の側壁部に係止突部が形成されて、嵌合溝部の両側部にそれぞれ結合部材が配設されることにより、被結合部材の嵌合溝部の両側で被結合部材の係止突部と結合部材の係合部を係合させて、被結合部材と結合部材を均一かつ安定的に接合することができ、形状安定性に優れる。
(7)被結合部材の嵌合溝部の両側部に配設された結合部材の間に挿通部材が挿通されることにより、結合部材と挿通部材が互いに厚さ方向に圧縮し合い、被結合部材と結合部材及び挿通部材が強固に結合されると共に、両側の結合部材に挟まれた挿通部材は引き抜き難く、結合安定性を向上させることができ、耐久性、堅牢性に優れる。
図6は実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体を示す模式斜視図であり、図7は実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造に用いる被結合部材及び結合部材を示す模式分解斜視図であり、図8は実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造における被結合部材と結合部材の結合状態を示す模式斜視図であり、図9は実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造における被結合部材を結合部材で結合した状態を示す模式斜視図であり、図10は実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造における挿通部材の挿通前の状態を示す模式斜視図である。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図6において、実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体1Aが、実施の形態1と異なる主な点は、被結合部材2Aの上端側に係止突部4が露出していない点である。
図7乃至図9において、実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造に用いられる被結合部材2Aが、実施の形態1と異なる主な点は、係止突部4aが嵌合溝部3の深さ方向の途中に形成されている点であり、実施の形態2の段ボール製構造体の結合構造に用いられる結合部材5Aが、実施の形態1と異なる主な点は、係合部7aが孔状に形成されている点である。
まず、図7の状態から被結合部材2Aの嵌合溝部3に結合部材5Aを差し込み、嵌合溝部3に嵌合凹部6を嵌合させた後、結合部材5Aを側方にスライドさせ、被結合部材2Aの一方の凹状嵌合部3aに結合部材5Aの連結部5bを嵌合させると共に、被結合部材2Aの一方の係止突部4aに結合部材5Aの係合部7aを係合させて図8の状態になる。
同様に、もう1枚の結合部材5Aを被結合部材2Aの嵌合溝部3に差し込み、嵌合溝部3に嵌合凹部6を嵌合させた後、結合部材5Aを側方にスライドさせ、被結合部材2Aの他方の凹状嵌合部3aに結合部材5Aの連結部5bを嵌合させると共に、被結合部材2Aの他方の係止突部4aに結合部材5Aの係合部7aを係合させて図9の状態になる。
次に、図10において被結合部材2Aの嵌合溝部3に挿通部材8を差し込み、嵌合溝部3に切り欠き部9を嵌合させて図6に示した段ボール製構造体1Aが得られる。
被結合部材2Aの係止突部4aの外周が結合部材5Aに囲まれており、係止突部4aが段ボール製構造体1Aの表面に露出しないので、外力による係止突部4aの変形や破損などを防止することができ、耐久性、形状安定性を向上させることができる。
(1)被結合部材が複数枚の段ボールを重ねて形成され、凹状の嵌合溝部と、嵌合溝部の少なくともいずれか一方の側壁部に嵌合溝部の内側に突出して形成された1以上の係止突部と、を有し、1又は複数枚の段ボールで形成された結合部材が被結合部材の嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された嵌合凹部と、被結合部材の係止突部と係合する孔状の係合部と、を有するので、被結合部材と結合部材が嵌合溝部と嵌合凹部のみで単純に噛み合うだけでなく、被結合部材の係止突部が結合部材の係合部に係合することにより、被結合部材に結合部材が強固に結合、保持され、被結合部材から結合部材を引き抜くことが困難で、結合の確実性、形状安定性に優れる。
(2)被結合部材の係止突部と係合する結合部材の係合部が孔状に形成されていることにより、係止突部の外周を結合部材で囲むことができ、結合後に係止突部が段ボール製構造体の表面に露出することがなく、外力による係止突部の変形や破損などを確実に防止することができ、耐久性、形状安定性に優れる。
図11は実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体を示す模式斜視図であり、図12は実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造に用いる被結合部材及び結合部材を示す模式分解斜視図であり、図13は実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造における被結合部材を結合部材で結合した状態を示す模式斜視図であり、図14は実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造における挿通部材の挿通前の状態を示す模式斜視図である。尚、実施の形態1又は2と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図11において、実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体1Bが、実施の形態1と異なる主な点は、被結合部材2Bの2箇所が結合部材5B及び挿通部材8Bで結合されている点と、段ボール製構造体1Bの中央部上端側に被結合部材2Aや結合部材5Bの一部を利用して形成された突起部10を有する点である。
図12及び図13において、実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造に用いられる被結合部材2Bが、実施の形態1と異なる主な点は、2箇所の嵌合溝部3を有する点と、各々の嵌合溝部3の両側壁部の内、外方の側壁部の高さが低く形成されている点と、凹状嵌合部3a及び係止突部4bが各々の嵌合溝部3の両側壁部の内、中央側の側壁部の一部のみに形成されている点であり、実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造に用いられる結合部材5Bが、実施の形態1と異なるのは、結合部材5Bが2枚の段ボール5aを重ねて形成されている点と、上端側両側部(両角部)に切り欠き7bが形成されている点である。
尚、結合部材5Bは独立した2枚の段ボール5aを重ねて形成する代わりに、1枚の段ボールを側部や底部で2つ折りにして形成してもよい。
図14において、実施の形態3の段ボール製構造体の結合構造に用いられる挿通部材8Bが、実施の形態1と異なる主な点は、各々の挿通部材8Bを形成する3枚の段ボール8a,8bの内、内側の段ボール8bに突起8cが形成されている点である。
尚、挿通部材8Bを形成する3枚の段ボールは独立していてもよいし、隣接する段ボール同士を側部や底部で連結していてもよい。
まず、図12の状態から被結合部材2Bの各々の嵌合溝部3に結合部材5Bをそれぞれ差し込み、嵌合溝部3に嵌合凹部6を嵌合させた後、結合部材5Bを側方にスライドさせ、被結合部材2Bの各々の凹状嵌合部3aに結合部材5Bの連結部5bを嵌合させると共に、被結合部材2Bの各々の係止突部4bに結合部材5Bの係合部7を係合させて図13の状態になる。
次に、図14において被結合部材2Bの各々の嵌合溝部3に挿通部材8Bを差し込み、嵌合溝部3に切り欠き部9を嵌合させて図11に示した段ボール製構造体1Bが得られる。
被結合部材2Bの複数箇所を結合部材5B及び挿通部材8Bで結合することにより、段ボール製構造体1Bの剛性を高めて耐久性、堅牢性を向上させることができる。また、突起部10を利用して他の部材に連結することもできる。
尚、被結合部材2Bの係止突部4bの形状や配置を工夫したり、必要に応じて、結合部材5Bや挿通部材8Bに切り欠き7bや突起8cなどを形成したりして段ボール製構造体1Bの構造を多様化することができ、汎用性、設計自在性に優れる。
(1)被結合部材の複数箇所に嵌合溝部及び係止突部が形成され、各々の嵌合溝部に結合部材及び挿通部材が結合されることにより、被結合部材の複数箇所を結合部材及び挿通部材で強固に結合することができ、段ボール製構造体の剛性を高めて耐久性、堅牢性を向上させることができ、段ボール製構造体を容易に大型化すること可能で、汎用性、形状自在性に優れる。
図15は実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体を示す模式斜視図であり、図16は実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造に用いる被結合部材及び結合部材を示す模式分解斜視図であり、図17は実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造における被結合部材と結合部材の結合状態を示す模式斜視図であり、図18は実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造における被結合部材を結合部材で結合した状態を示す模式斜視図であり、図19は実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造における挿通部材の挿通前の状態を示す模式斜視図である。尚、実施の形態1乃至3と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図15において、実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造を用いて結合された段ボール製構造体1Cが、実施の形態1と異なる主な点は、2組の被結合部材2が1組の結合部材5C及び挿通部材8Cによって結合されている点である。
図16乃至図18において、実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造に用いられる結合部材5Cが、実施の形態1と異なる主な点は、連結部5b、嵌合凹部6及び係合部7が2箇所ずつ形成されている点である。
図19において、実施の形態4の段ボール製構造体の結合構造に用いられる挿通部材8Cが、実施の形態1と異なる主な点は、切り欠き部9が2箇所に形成されている点である。
まず、図16の状態から2組の被結合部材2の嵌合溝部3に結合部材5Cを差し込み、各々の嵌合溝部3に嵌合凹部6をそれぞれ嵌合させた後、結合部材5Cを側方にスライドさせ、各々の被結合部材2の一方の凹状嵌合部3aに結合部材5Cの2箇所の連結部5bをそれぞれ嵌合させると共に、各々の被結合部材2の一方の係止突部4に結合部材5Cの係合部7をそれぞれ係合させて図17の状態になる。
同様に、もう1枚の結合部材5Cを2組の被結合部材2の嵌合溝部3に差し込み、各々の嵌合溝部3に嵌合凹部6をそれぞれ嵌合させた後、結合部材5Cを側方にスライドさせ、各々の被結合部材2の他方の凹状嵌合部3aに結合部材5Cの2箇所の連結部5bをそれぞれ嵌合させると共に、各々の被結合部材2の他方の係止突部4に結合部材5Cの係合部7をそれぞれ係合させて図18の状態になる。
次に、図19において2組の被結合部材2の嵌合溝部3に挿通部材8Cを差し込み、各々の嵌合溝部3に切り欠き部9をそれぞれ嵌合させて図15に示した段ボール製構造体1Cが得られる。
尚、被結合部材の嵌合溝部や係止突部の数及び結合部材の嵌合凹部や係合部の数を増やすことにより、格子状やさらに複雑な形状の段ボール製構造体を形成することができ、設計自在性、汎用性に優れる。
(1)結合部材の複数箇所に嵌合凹部及び係合部が形成され、挿通部材の複数箇所に切り欠き部が形成されて、結合部材及び挿通部材により複数の被結合部材が結合され連結されることにより、段ボール製構造体をさらに複雑化、大型化して用途を拡大することができ、設計自在性、汎用性、堅牢性に優れる。
2,2A,2B 被結合部材
2a,5a,8a,8b 段ボール
3 嵌合溝部
4,4a,4b 係止突部
5,5A,5B,5C 結合部材
6 嵌合凹部
7,7a 係合部
7b 切り欠き
8,8B,8C 挿通部材
8c 突起
9 切り欠き部
10 突起部
Claims (4)
- (a)複数枚の段ボールを重ねて形成され、凹状の嵌合溝部と、前記嵌合溝部の少なくともいずれか一方の側壁部に前記嵌合溝部の内側に突出して形成された1以上の係止突部と、を有する被結合部材と、
(b)前記被結合部材の前記嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された嵌合凹部と、前記被結合部材の前記係止突部と係合する凹状又は孔状の係合部と、を有する1又は複数枚の段ボールで形成された結合部材と、
(c)前記被結合部材の前記嵌合溝部と互いに噛み合うように形成された凹状の切り欠き部を有し、前記結合部材と積層される1又は複数枚の段ボールで形成された挿通部材と、を備え、
前記被結合部材の前記嵌合溝部を前記結合部材と前記挿通部材で隙間なく埋めて前記結合部材を所定の位置に固定したことを特徴とする段ボール製構造体の結合構造。 - 前記被結合部材の前記嵌合溝部の両側の前記側壁部に前記係止突部が形成されて、前記嵌合溝部の両側部にそれぞれ前記結合部材が配設され、両側部の前記結合部材の間に前記挿通部材が挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の段ボール製構造体の結合構造。
- 前記被結合部材の複数箇所に前記嵌合溝部及び前記係止突部が形成され、各々の前記嵌合溝部に前記結合部材及び前記挿通部材が結合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の段ボール製構造体の結合構造。
- 前記結合部材の複数箇所に前記嵌合凹部及び前記係合部が形成され、前記挿通部材の複数箇所に前記切り欠き部が形成されて、前記結合部材及び前記挿通部材により複数の前記被結合部材が結合され連結されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の段ボール製構造体の結合構造。
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