JP5840738B1 - 表示方法、表示装置及びx線撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の診断効率を向上させる技術を提供すること。【解決手段】表示領域91に表示されたアキシャル断層画像F10上で、曲線状の設定線L20が設定される。そして、設定線L20に直交する複数の直交線L30が設定される。さらに、各直交線L30に対応する断層画像(クロスセクション画像F30)が生成され、それらが表示領域93に表示される。オペレータが関心位置を指定すると、その関心位置に対応したクロスセクション画像F30(7)が、表示領域93の中央に表示され、その両隣には、設定線L20上において両側に位置に対応したクロスセクション画像F30(6),F30(8)が表示される。関心位置の変更指定がなされた場合においても、表示領域93において、その変更後の関心位置に対応するクロスセクション画像F30が中央に表示され、その両隣の画像も新たなクロスセクション画像に更新される。【選択図】図9
Description
この発明は、連続した断層画像を表示する技術に関する。
従来から、CT撮影によって取得した3次元データから、連続した断層画像(スライス画像)を取得することが行われている。
例えば、特許文献1では、顎部をCT撮影して得た3次元データから、歯列弓画像(アキシャル断層画像)に対してパノラマ曲線を設定し、そのパノラマ曲線に垂直に交差する一定間隔で並んだ多数のオブリーク断層の画像を生成している。
また、特許文献2では、患者の腹部をCT撮影した得た3次元データから、体軸沿いに並んだ複数のスライスを切り出し、3つまたは5つの表示領域に断層画像をそれぞれ配置することが開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の技術の場合、表示領域に表示する関心画像を変更する場合、1回押すと1列分移動する関心画像移動スイッチを備える構成である。したがって、表示領域の任意の位置に、関心部位を指定することができない。すると、関心画像の表示される位置がランダムとなるため、オペレータが関心画像の位置を毎回把握し、その画像に視線を向ける必要があった。このため、診断効率等が低下する等、改善の余地があった。
そこで、本発明は、画像の診断効率を向上させる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、CT撮影によって得られる断層画像の表示において、被写体体内の関心部位に設定された設定線に直交し、かつ、前記設定線に沿って規定の間隔をあけて並ぶ複数の断層画像を表示部に複数枚数並べて表示する表示方法であって、(a)前記表示部に前記設定線を表示する工程と、(b)前記表示部に前記断層画像の断面の位置を示すよう前記設定線に直交する複数の直交線を表示する工程と、(c)前記設定線上における、関心位置の指定を受け付ける工程と、(d)前記表示部の表示画面に定義された表示領域の中央に、前記(c)工程で受け付けた指定に応じた前記関心位置に対応する前記断層画像を表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線上において前記関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示する工程と、(e)前記複数の直交線のうち、前記(c)工程で指定された前記関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示する工程と、(f)前記(e)工程の後、前記設定線上における前記関心位置の変更指定を受け付ける工程と、(g)前記(d)工程にて前記表示領域の中央に表示された前記断層画像を、前記(f)工程で受け付けた前記変更指定に応じた変更後の前記関心位置の断面に対応する前記断層画像に変更して表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線上において前記変更後の関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示する工程と、(h)前記複数の直交線のうち、前記(f)工程において変更した前記関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示する工程とを含む。
また、第2の態様は、第1の態様に係る表示方法であって、前記設定線が曲線を含む。
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る表示方法であって、前記(d)工程または前記(g)工程において、前記関心位置の前記断層画像の両隣のそれぞれに表示される前記断層画像の数量が同数である。
また、第4の態様は、第1から第3の態様のいずれか1態様に係る表示方法であって、前記(d)工程または(g)工程において、前記表示領域の中央に表示される前記断層画像が、その両隣に表示される前記断層画像よりも大きく表示される。
また、第5の態様は、第1から第4の態様のいずれか1態様に係る表示方法であって、前記(d)工程または(g)工程において、前記表示領域の中央に表示される前記断層画像が、枠に囲まれて表示される。
また、第6の態様は、第1から第5の態様のいずれか1態様に係る表示方法であって、(i)前記関心部位における前記設定線の位置または形状の変更を受け付ける工程をさらに含む。
また、第7の態様は、第6の態様に係る表示方法であって、前記(i)工程は、前記設定線上に定義される複数の制御点を移動させる操作を受け付ける工程である。
また、第8の態様は、第6または第7の態様に係る表示方法であって、(j)前記(i)工程において、前記設定線のうち、変更された箇所を含む一部分について、前記断層画像の再構成に用いられたX線の投影画像データを新たに再構成することによって、前記設定線の変更された箇所における新たな前記断層画像を生成する工程とを含む。
また、第9の態様は、第1から第8の態様のいずれか1態様に係る表示方法であって、(k)前記規定の間隔の変更を受け付ける工程、をさらに含む。
また、第10の態様は、第1から第9の態様のいずれか1態様に係る表示方法であって、(l)前記被写体内の顎部を前記関心部位とし、前記CT撮影によって得られた前記顎部の三次元データから切り出したスライス画像を前記表示部に表示する工程と、(m)前記(l)工程における前記スライス画像を生成するためのスライス面の変更操作を受け付ける工程と、(n)前記(m)工程にて受け付けた変更操作によって設定された新たなスライス面で、前記三次元データから新たな前記スライス画像を切り出して生成し、前記表示部に表示する工程と、(o)前記(n)工程にて表示された新たな前記スライス画像上において、前記設定線の指定を受け付ける工程と、さらに含む。
また、第11の態様は、第1の態様に係る表示方法であって、前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線を前記他の直交線とは異なる太さまたは色で強調表示する工程である。
また、第12の態様は、第1または第11の態様に係る表示方法であって、前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線及びその両隣の前記直交線を他の前記直交線とは異なる態様で強調表示し、かつ、前記関心位置に対応する前記直交線及びその両隣の前記直交線が、異なる態様で強調表示される。
また、第13の態様は、第11または第12の態様に係る表示方法であって、前記(d)工程及び前記(g)工程にて前記表示領域に表示される前記断層画像が枠に囲まれて表示され、前記枠の色が、前記(e)工程及び前記(h)工程にて強調表示される前記直交線の色と一致する。
また、第14の態様は、第5の態様に係る表示方法であって、前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線を前記他の直交線とは異なる色で強調表示する工程であり、 前記(d)工程及び前記(g)工程にて前記断層画像を囲む前記枠の色が、前記(e)工程及び前記(h)工程にて強調表示される前記直交線の色と一致する。
また、第11の態様は、第1の態様に係る表示方法であって、前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線を前記他の直交線とは異なる太さまたは色で強調表示する工程である。
また、第12の態様は、第1または第11の態様に係る表示方法であって、前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線及びその両隣の前記直交線を他の前記直交線とは異なる態様で強調表示し、かつ、前記関心位置に対応する前記直交線及びその両隣の前記直交線が、異なる態様で強調表示される。
また、第13の態様は、第11または第12の態様に係る表示方法であって、前記(d)工程及び前記(g)工程にて前記表示領域に表示される前記断層画像が枠に囲まれて表示され、前記枠の色が、前記(e)工程及び前記(h)工程にて強調表示される前記直交線の色と一致する。
また、第14の態様は、第5の態様に係る表示方法であって、前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線を前記他の直交線とは異なる色で強調表示する工程であり、 前記(d)工程及び前記(g)工程にて前記断層画像を囲む前記枠の色が、前記(e)工程及び前記(h)工程にて強調表示される前記直交線の色と一致する。
また、第15の態様は、CT撮影によって得られる断層画像の表示において、被写体体内の関心部位に設定された設定線に直交し、かつ、前記設定線に沿って規定の間隔をあけて並ぶ複数の断層画像を表示する表示装置であって、前記設定線上における、前記関心位置の指定を受け付ける位置指定受付部と、表示画面に定義された表示領域の中央に、前記関心位置の前記断層画像を表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線における前記関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示し、前記設定線、及び、前記断層画像の断面の位置を示す前記設定線に直交する複数の直交線を表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記複数の直交線のうち、指定された前記関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示し、前記位置指定受付部は、前記関心位置の変更指定を受け付け、前記表示部は、前記表示領域の中央に表示した前記断層画像を、前記位置指定受付部が受け付けた前記変更指定に応じた変更後の前記関心位置の断面に対応する前記断層画像に変更して表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線上において前記変更後の関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示し、前記複数の直交線のうち、前記変更後の関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示する。
また、第16の態様は、CT撮影を行うX線撮影装置であって、第15の態様に係る表示装置と、X線ビームを発生するX線発生器と、入射するX線ビームの強度に応じた信号を出力する複数の検出素子を備えたX線検出器と、旋回軸に接続されており、前記X線発生器と前記X線検出器とを被写体を挟んで互いに対向させて支持する支持部と、前記支持部を移動させることで前記X線発生器と前記X線検出器とを前記被写体周りに旋回移動させる支持部移動部と、前記支持部移動部の駆動で行われる前記被写体中の関心部位の断層撮影によって、前記関心部位を透過したX線ビームを受けた前記X線検出器から出力される投影画像データを処理する画像処理部とを備える。
第1の態様に係る表示方法によると、関心位置を指定した場合、および、関心位置を変更した場合においても、その関心位置についての断層画像を表示領域の中央に表示できると共に、その断層画像の両隣に、関心位置の両側における断層画像を表示できる。このため、操作者が、所望の部位の断層画像を観察でき、その観察に際して不要な断層画像に煩わされることなく、関心部位の画像に集中でき、その両側の部位の様子も観察できることで、迅速かつ正確な診断ができる。
また、第2の態様によると、曲線に沿って複数の断層画像を生成できる。
また、第3の態様によると、オペレータが、設定線上における関心位置の両側の部分について、均一に観察できる。
また、第4及び第5の態様に係る表示方法によると、関心位置の断層画像に注目し易くなる。
また、第6の態様に係る表示方法によると、設定線が不適切であった場合に、設定線を適切な位置または形状に変更できる。これによって、良好な断層画像を得ることができる。
また、第7の態様に係る表示方法によると、設定線が不適切であった場合に、複数の制御点を適切な位置へ移動させることで、設定線の位置および形状を変更することができる。
また、第8の態様に係る表示方法によると、演算の負担が小さくなり、迅速に断層画像を生成できる。
また、第9の態様に係る表示方法によると、間隔を大きくすることによって部位を大まかに観察できるとともに、間隔を小さくすることによって部位を詳しく観察することができる。このように、所望の密度で観察ができる。
また、第10の態様に係る表示方法によると、スライス面の角度が不適切であった場合に、適切に調整できる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
図1は、実施形態に係るX線撮影装置100を示す概略斜視図である。X線撮影装置100は、X線撮影(ここでは、X線CT撮影)を実行して、投影データを収集する本体部1と、本体部1において収集した投影データを処理して、各種画像を生成する情報処理装置8とに大別される。なお、X線撮影装置100は、X線CT撮影(Computed Tomography)だけではなく、パノラマX線断層撮影も実行可能に構成されている。
図1には、左手系のXYZ直交座標系およびxyz直交座標系を付している。ここでは、旋回軸31の軸方向と平行な方向(ここでは、鉛直方向)を「Z軸方向」とし、このZ軸に交差する方向を「X軸方向」とし、さらにX軸方向およびZ軸方向に交差する方向を「Y軸方向」とする。X軸およびY軸方向は任意に定め得るが、ここでは、被写体M1である被検者がX線撮影装置100において位置決めされて支柱50に正対した時の被検者の左右の方向をX軸方向とし、被検者の前後の方向をY軸方向と定義する。また、以下において、Z軸方向を垂直方向、X軸方向とY軸方向の2次元で規定される平面上の方向を水平方向と呼ぶこともある。
xyz直交座標系は、旋回する旋回アーム30上に定義される三次元座標系である。ここでは、X線発生部10とX線検出部20とが対向する方向を「y軸方向」とし、y軸方向に直交する水平方向を「x軸方向」とし、これらxおよびy軸方向に直交する鉛直方向を「z軸方向」とする。本実施形態においては、上記のZ軸方向はz軸方向と共通する同一の方向となっている。また本実施形態の旋回アーム30は、鉛直方向に延びる旋回軸31を軸に回転する。したがって、xyz直交座標系は、XYZ直交座標系に対してZ軸(=z軸)周りに回転することとなる。
また、本実施形態においては、図1に示したように、被検者が支柱50に正対したときの右手方向を(+X)方向、背面方向を(+Y)方向、鉛直方向上向きを(+Z)方向としている。また、X線発生部10、X線検出部20を上から平面視したときにX線発生部10からX線検出部20へ向かう方向を(+y)方向、(+y)側に向いたときの左手方向を(+x)方向、鉛直方向上向きを(+z)方向としている。
さらに、以下において、X、Y、Z、x、y、zを2次元座標や、平面を定義するのに用いることもある。例えば、X座標とY座標からなる2次元座標をXY座標と称したり、X方向とY方向に拡がる2次元平面をXY平面と称したりする場合がある。
本体部1は、被写体M1に向けてX線の束で構成されるX線ビームを出射するX線発生部10と、X線発生部10で出射され、被写体M1を通過したX線を検出するX線検出部20と、X線発生部10とX線検出部20とをそれぞれ支持する支持部300(旋回アーム30)と、支持部300を吊り下げ、支柱50に対して鉛直方向に昇降移動可能な昇降部40と、鉛直方向に延びる支柱50と本体制御部60とを備えている。
X線発生部10およびX線検出部20は、旋回アーム30の両端部にそれぞれ吊り下げ固定されており、互いに対向するように支持されている。旋回アーム30は、鉛直方向に延びる旋回軸31を介して、昇降部40に吊り下げ固定されている。
X線発生部10は、X線源であるX線管を有するX線発生器13を、ハウジングの内部に備えている。X線発生部10のハウジングは、支持部300に対してZ軸周りに回動可能に取り付けられている。この回動機能は、例えばセファロ撮影時等に使用される。
X線検出部20は、被写体M1を透過したX線を検出するX線検出器21を備えている。X線検出器21は、2次元平面(ここでは、xz平面)に広がるように配置された複数のX線検出素子で構成されるイメージセンサを構成している。X線検出素子は、X線の強度に応じた信号を電気信号に変換して外部に出力する。イメージセンサによって、X線検出部20に入射するX線の強度が、所要のフレームレートで、各画素がX線の強度に応じた画素値を持つフレーム画像データ(画像情報)として取得される。
なお、X線検出器21としては、MOSセンサ、CMOSセンサが好適に利用できるが、フレーム画像が得られるのであれば、いずれの電気的撮像センサであっても構わない。具体的には、CCDセンサ等のフラットパネルディテクタ(FPD)、その他の固体撮像素子など、様々なものを用いることができる。
本実施形態では、支持部300が旋回軸31回りに旋回する旋回アーム30で構成され、X線発生部10とX線検出部20とが、略直方体状の旋回アーム30両端のそれぞれに取り付けられているが、X線発生部10とX線検出部20とを支持する支持部300の構成は、これに限られるものではない。例えば円環状部分の中心を回転中心として回転する円環状部材によって、X線発生部10とX線検出部20とを対向させた状態で支持するようにしてもよい。
昇降部40は、鉛直方向に沿って延びるように立設された支柱50に係合している。昇降部40は、上部フレーム41と下部フレーム42とが、支柱50に係合する側の反対側に突出しており、略U字状の構造を有している。
上部フレーム41には、旋回アーム30の上端部分が取り付けられている。このように旋回アーム30は、昇降部40の上部フレーム41に吊り下げされており、昇降部40が支柱50に沿って移動することによって、旋回アーム30が上下に移動する。
下部フレーム42には、被写体M1(ここでは、人体の頭部)を左右から固定するロッドや、顎を固定するチンレスト等で構成される被写体固定部421が設けられている。被検者の頭部は、頭部の前後方向がY軸方向と平行またはほぼ平行となるように固定される。つまり、頭部が固定された状態で、頭部の正中矢状断面がY軸方向とZ軸方向で規定されるYZ面と平行またはほぼ平行である。なお、被写体固定部421は、ロッドやチンレストに限定されるものではなく、例えば、被写体M1が噛むことで頭部を固定するバイトブロックを備えていてもよい。
旋回アーム30は、被写体M1の身長に合わせて昇降部40の昇降に従って昇降されて適当な位置に会わせられ、その状態で被写体M1が被写体固定部421に固定される。被写体固定部421は、図1に示した例では被写体M1の体軸が旋回軸31の軸方向と同じ方向またはほぼ同じ方向となるように被写体M1を固定する。
図1に示すように、X線検出部20の内部には、本体部1の各構成の動作を制御する本体制御部60が備えられている。また、本体部1の各構成は、防X線室70内に収容されている。この防X線室70の壁の外側には、本体制御部60からの制御に基づいて、各種情報を表示する液晶モニタ等で構成された表示部61と、本体制御部60に対して各種の命令入力を実現するためのボタン等で構成された操作パネル62とが取り付けられている。操作パネル62は、生体器官等の撮影領域の位置等を指定すること等にも用いられる。また、X線撮影には各種のモード(パノラマX線断層撮影、CT撮影、セファロ撮影など)があるが、操作パネル62の操作によって、モードの選択を可能にしてよい。
本体部1のX線検出部20のX線検出器21の背面側には操作パネル62と同じまたは類似の機能を有する操作パネル62Aと表示部61と同じまたは類似の機能を有する表示部61Aが設けられ、防X線室70の内外いずれでも操作ができる。
情報処理装置8は、例えばコンピュータやワークステーション等で構成された情報処理本体部80を備えており、通信ケーブルによって本体部1との間で各種データを送受信することができる。ただし、本体部1と情報処理装置8との間で、無線的にデータのやり取りが行われてもよい。
情報処理本体部80には、例えば液晶モニタ等のディスプレイ装置からなる表示部81、および、キーボードやマウス等で構成される操作部82が接続されている。オペレータは、表示部81に表示された文字や画像の上で、マウス等を介したポインタ操作等によって、情報処理本体部80に対して各種指令を与えることができる。なお、表示部81は、タッチパネルで構成することも可能であり、この場合は、表示部81が操作部82の機能の一部または全部を備えることとなる。
図示は一部省略するが、本体部1は、旋回アーム30を旋回軸31周りに旋回駆動する旋回用モータ60R、旋回軸31を移動駆動するX軸モータ60X、Y軸モータ60Yとで構成される駆動部65を備えている。X軸モータ60X、Y軸モータ60Yは、被写体M1に対して相対的に旋回軸31をX軸方向に変位させる機械的要素からなるX方向移動機構と、Y軸方向に変位させる機械的要素からなるY方向移動機構の両者からなるX−Y移動機構を介し、旋回軸31をそれぞれX軸方向、Y軸方向に水平移動させる。また、旋回用モータ60Rは、Z軸周りに旋回アーム30を回転させる機械的要素からなる旋回機構を介してX線発生器11とX線検出器21を被写体周りに回転させる。本実施形態においては、駆動部65及び旋回軸31が、X線発生器11及びX線検出器21を被写体周りに旋回移動させる支持部移動部を構成している。
図2は、情報処理装置8の構成を示すブロック図である。情報処理本体部80は、記憶部83に格納されたプログラム84を実行するCPUを備えている。記憶部83は、投影データ等を含む撮影データ、投影データから逆投影等の処理によって得られた三次元データ、再構成によって得られた断層画像等の画像データが保存される。記憶部83は、ハードディスク等の固定式のものや、USBメモリなど取り外し自在のもの、または、RAMなどの一時的に情報を記憶するものが含まれる。また、ネットワークを介して記憶部83が情報処理本体部80に接続されていてもよい。
全体制御部85は、情報処理本体部80全体の動作を統括する機能を有する。全体制御部85は、位置指定受付部86、画像生成部87及び記憶部83と接続している。なお、全体制御部85、位置指定受付部86及び画像生成部87は、情報処理本体部80が備えるCPUがプログラム84にしたがって動作することによって実現される機能である。ただし、これらの各部は、専用の電子回路で構成することによって、ハードウェア的に実現されてもよい。
全体制御部85は、表示部81の画面に適宜映像を表示する表示制御部としても機能する。具体的に、全体制御部85は、位置指定受付部86が位置の指定を受け付けるためのユーザーインターフェース画面や、画像生成部87が生成した各種画像(アキシャル断層画像、パノラマ断層画像、クロスセクション画像を含む。)を、表示部81の画面における適宜の位置に表示させる。したがって、情報処理装置8は、表示装置と捉えることもできる。
位置指定受付部86は、オペレータからの位置指定を受け付ける機能を有する。具体的には、オペレータが実行する操作部82を介した位置指定操作によって、情報処理本体部80に位置指定操作情報が与えられる。位置指定受付部86は、この位置指定操作情報に基づいて座標計算を行い、三次元データ上の座標系における位置を特定する。そして、特定した座標系上の位置を、表示部81に表示すべき断層画像(クロスセクション画像)の位置に設定する。CPUが位置指定受付部86および画像生成部87として機能することによって、情報処理装置8が画像処理装置として機能することとなる。つまり、情報処理装置8は、X線撮影装置100の中では画像処理部として機能する。
画像生成部87は、X線撮影によって取得されたフレーム画像データから、各種断層画像(パノラマ断層画像、アキシャル断層画像及びクロスセクション画像を含む。)、ボリュームレンダリング画像等を生成する。
図1に戻って、本体制御部60に接続された操作パネル62は、複数の操作ボタン等で構成されている。なお、操作パネル62に代わる、もしくは操作パネル62に併用される入力装置としては、操作ボタンのほか、キーボード、マウス、タッチペン等を採用することができる。また、音声による指令をマイク等で受け付けて認識するようにしてもよい。つまり、操作パネル62は操作手段(操作部)の一例である。したがって、操作手段としては、操作者すなわちオペレータの操作を受け付け可能であれば、どのような構成でもよい。また、表示部61をタッチパネルで構成することも可能であり、この場合、表示部61が操作パネル62の機能の一部または全部を備えることとなる。
表示部61には、本体部1の操作に必要な各種情報が文字や画像等で表示される。ただし、情報処理装置8の表示部81に表示されている表示内容を、表示部61にも表示されるようにしてもよい。また、表示部61に表示される文字や画像の上でマウス等によるポインタ操作等を通して本体部1に、各種の指令ができるようにしてよい。
本体部1は、操作パネル62、あるいは情報処理装置8からの指令に従って、被写体M1の関心部位(生体器官、歯牙を含む骨、関節等)を、X線を用いて撮影する。また、本体部1は、各種指令や座標データ等を情報処理装置8から受信する一方、撮影して取得したX線の投影データを情報処理装置8に送信する。本実施形態では、本体部1において、頭部における顎部を撮影することによって、歯列領域についてのCT撮影を行う。
本実施形態では、オペレータにより、操作パネル62または操作部82を介して、CT撮影領域が指定される。具体的には、生体の一部又は全体を表示する画面(イラストやパノラマ画像等)が表示部61または表示部81に表示され、オペレータが撮影したい領域を操作パネル62または操作部82を介して指定することで、撮影領域が指定される。なお、画面上に領域特定用の画面を表示することなく、操作パネル62もしくは操作部82から部位の名称の入力やコード入力等で直接部位の指定を行うようにしてもよい。
<CT撮影について>
図3は、被写体M1の頭頂側から見た、CT撮影を行うX線撮影装置100の概略平面図である。CT撮影時には、X線発生器13およびX線検出器21が、被写体M1の頭部を挟んで互いに対峙するように配置され、これらが一体的に被写体M1周りに回転するように各種モータ(動力源)が駆動される。被写体M1の頭部をCT撮影する場合、X線発生器13及びX線検出器21は、撮影中、それぞれが同一の高さを維持して被写体M1の周りを旋回する。また、X線発生器13から放射されたX線は、X線規制部16に形成された矩形状の開口部を通過することによって、角錐状のX線コーンビームCB1に成形される。そして、被写体M1を透過したX線コーンビームCB1が、X線検出器21に入射する。X線発生器13及びX線検出器21の回転角度(すなわち、X線コーンビームCB1の回転角度)は、特に限定されるものではないが、例えば180°以上360°以下とされる。図3中、1点鎖線で示される円形の領域は、CT撮影中、回転するX線コーンビームCB1が常に照射される撮影領域17となる。図3に示す例では、撮影領域17が歯列90を含むようにCT撮影が実行されている。
図3は、被写体M1の頭頂側から見た、CT撮影を行うX線撮影装置100の概略平面図である。CT撮影時には、X線発生器13およびX線検出器21が、被写体M1の頭部を挟んで互いに対峙するように配置され、これらが一体的に被写体M1周りに回転するように各種モータ(動力源)が駆動される。被写体M1の頭部をCT撮影する場合、X線発生器13及びX線検出器21は、撮影中、それぞれが同一の高さを維持して被写体M1の周りを旋回する。また、X線発生器13から放射されたX線は、X線規制部16に形成された矩形状の開口部を通過することによって、角錐状のX線コーンビームCB1に成形される。そして、被写体M1を透過したX線コーンビームCB1が、X線検出器21に入射する。X線発生器13及びX線検出器21の回転角度(すなわち、X線コーンビームCB1の回転角度)は、特に限定されるものではないが、例えば180°以上360°以下とされる。図3中、1点鎖線で示される円形の領域は、CT撮影中、回転するX線コーンビームCB1が常に照射される撮影領域17となる。図3に示す例では、撮影領域17が歯列90を含むようにCT撮影が実行されている。
X線検出器21では、所要のフレームレートで、入射するX線の強度に応じた画素値をもつ画像情報がフレーム画像データとして順次収集され、記憶部83に蓄積保存される。このフレーム画像データはX線投影画像データである。
情報処理装置8の画像生成部87は、収集されたフレーム画像データに対して、各種フィルターを用いた逆投影もしくはフィルターを用いない逆投影を行って、三次元データを生成する。この三次元データは、3次元の撮影領域17における各地点のX線吸収度をボクセルデータとして管理したものであり、ボクセル毎にX線吸収度を示すデータが記録されている。また、画像生成部87は、当該三次元データから、レンダリング画像または断層画像(アキシャル断層画像、パノラマ断層画像、クロスセクション画像)を生成する。
なお、フレーム画像データは、必ずしも本体部1で取得したものである必要はなく、他のX線撮影装置で取得したものを用いてもよい。また、画像生成部87が、他の情報処理装置にて生成された三次元データを用いて、各種画像を生成してもよい。
<情報処理装置8の動作について>
次に、情報処理装置8の動作、特に表示部81に各種画像を表示する動作(表示動作)について説明する。なお、以下に説明する各工程は、特に断らない限り、情報処理装置8が全体制御部85の制御の下に実行されるものとする。
次に、情報処理装置8の動作、特に表示部81に各種画像を表示する動作(表示動作)について説明する。なお、以下に説明する各工程は、特に断らない限り、情報処理装置8が全体制御部85の制御の下に実行されるものとする。
図4は、情報処理装置8の表示動作を示す流れ図である。まず、情報処理装置8は、三次元データを取得する(ステップS11)。この三次元データは、上述したように、情報処理装置8の画像生成部87が生成したものでもよいし、他の情報処理装置で生成したものでもよい。
次に、情報処理装置8は、アキシャル断層画像を生成し、これを表示部81に表示する(ステップS12)。アキシャル断層画像とは、後述するように、三次元データが示す被写体M1の撮影領域17を、Z軸方向に垂直なXY平面でスライスした時のスライス画像をいう。ただし、後述するように、アキシャル断層画像の断面は、オペレータの傾動操作に応じて、XY平面に対して傾動する場合もある。したがって、XY平面に対して傾斜した平面に沿って、被写体M1をスライスしたときの画像がアキシャル断層画像となる場合もある。
なお、本願において、「スライスする」とは、三次元データが示す撮影領域17をある平面または曲面に沿って所定の厚みで切断することをいう。また、スライス画像とは、その切り出した一定の厚みを有する撮影領域17の部分を、三次元データが示すX線吸収度に基づいて、2次元の画像(断層画像)に変換したものをいう。スライス画像の生成は、コンピュータまたはワークステーション上で実行される一般的な処理である。
ステップS12において、アキシャル断層画像を生成する用のスライス面の位置(Z軸方向の位置)は、予め規定された位置(初期位置)である。一般的な骨格の被検者群について、XY平面に対して傾斜した平面の方が、観察上都合がよい場合も考えられる。この場合、傾斜した平面を設定すべき位置が予め特定可能であれば、その傾斜した平面をアキシャル断層画像の初期位置のスライス面として設定してもよい。また、被検者群の例としては、全ての人間、成人、子供、成人の性別、子供の性別、年代別、サイズ別(大中小の別、広狭の別)まで様々な対象が考えられる。このため、複数の被検者群を対象とする場合は、被検者群ごとの初期設定を選択可能にしてもよい。
次に、情報処理装置8は、パノラマ断層画像及び複数のクロスセクション画像を生成し、これらを表示部81に表示する(ステップS13)。パノラマ断層画像とは、後述するように、観察対象部位の位置及び形状に応じて設定される線(後述する設定線)に沿って、三次元データが示す撮影領域17をスライスして得られるスライス画像(断層画像)である。また、クロスセクション画像とは、上記設定線に交差し、かつ、Z軸方向に平行なスライス面でスライスして得られるスライス画像(断層画像)である。クロスセクション画像は、横断面断層画像とも表現できる。
図5は、表示部81における表示例を示す図である。図5に示す表示例は、図4に示すステップS13の時点で表示部81に表示される画像の例である。図5に示す表示部81の画面領域には、3つの表示領域が定義されている。具体的に、表示部81の画面領域には、アキシャル断層画像を表示する表示領域91、パノラマ断層画像を表示する表示領域92、及び、クロスセクション画像を表示する表示領域93が定義されている。
図5に示すように、表示領域91に表示されているアキシャル断層画像F10には、パノラマ断層画像の断面(スライス面)の位置を示す設定線L20が定義されている。この設定線L20に沿う断層画像を真っ直ぐにした断層画像が、パノラマ断層画像F20である。
設定線L20には、該設定線L20に直交する複数の直交線L30が定義されている。各直交線L30は、設定線L20に沿って一定の間隔すなわち規定の間隔をあけて均一に配置されている。設定線L20上における各直交線L30の位置は、クロスセクション画像の断面の位置を示している。
クロスセクション画像が切り出されるスライス面をクロスセクション面とすると、本実施形態ではクロスセクション面は平面である。アキシャル断層画像F10のスライス面は、例えば、クロスセクション面の上下の中央に交差するように設定される。
表示領域91は、歯列90を平面視または略平面視するスライス面のアキシャル断層画像F10の表示のために設けられているので、設定線L20、直交線L30が設定できるようになっている。複数の直交線L30が設定線L20に交差する角度は直交であるが、ここにいう直交は必ずしも厳密に90°でなくともよく、略直交を含む。すなわち、例えば図5のアキシャル断層画像F10に向かって設定線L20に対して直交線L30が90°で直交する状態を基準にして、直交する地点を中心に時計回りにどれだけ傾斜するかという見方で考えると、90°から−20°〜+20°以内の範囲で傾斜してもよく、好適には−10°〜+10°以内の範囲、さらに好適には−5°〜+5°以内の範囲、さらに好適には0°の傾斜である。また、部位によって傾斜の度合いを変えてもよい。例えば、右の臼歯領域は+5°以内でその他の領域は0°の傾斜をつけてもよく、左の臼歯領域は+5°以内、右の臼歯領域は−5°以内、その他の領域は0°の傾斜をつけてもよい。
設定線L20の形状や演算の方法によっては、直交線L30の中の限られた一部が設定線L20に直交で交差しない場合も想定されるが、大多数の直交線L30が設定線L20に直交していれば本発明の範囲内である。
表示領域93に表示された複数のクロスセクション画像F30は、直交線L30が示す各位置に対応した断層画像である。各クロスセクション画像F30の右上には、数字(「1」−「5」)が付けられている。この数字は、複数の直交線L30のそれぞれに対応するものであり、本例では、図5に向かって設定線L20上の最も左側にある直交線L30が「1」が付されたクロスセクション画像F30に対応する。そして、設定線L20を右側に進むに連れて、その数字が1つずつ増えるように、直交線L30とクロスセクション画像F30とが対応付けされている。例えばクロスセクション画像F30が60枚存在する場合には、「1」−「60」のそれぞれが、各クロスセクション画像F30に付される。
以下の説明では、説明の便宜上、複数のクロスセクション画像F30を個別に識別するために各クロスセクション画像F30に付された数字を、符号の末尾に括弧書きで記載することとする。例えば、「1」が付されたクロスセクション画像F30を識別する場合は、「F30(1)」という符号を用いる。また、特定のクロスセクション画像F30に対応する直交線L30を識別する場合においても、同様とする。例えば、「1」が付されたクロスセクション画像F30に対応する直交線L30を識別する場合は、「L30(1)」という符号を用いる。
図5の例では、クロスセクション画像F30(1)−F30(5)のみが表示されているが、例えばスクロールバーを移動させること等で、他のクロスセクション画像(クロスセクション画像F30(6),F30(7)・・・)も表示領域93に表示可能としてよい。
初期に表示領域93に表示されるクロスセクション画像のクロスセクション面の位置は、図5に示すように、最も左側の表示枚数分の位置(F30(1)−F30(5)の分の位置)であってもよいし、クロスセクション面がk枚であるとして、最も右側の表示枚数分の位置(F30(k−4)−F30(k)の分の位置)であってもよい。正中にあるまたは最も正中に近いクロスセクション面についての画像を中心にしてもよい。つまり、初期表示において、どの位置のクロスセクション面の画像を表示するかは、任意に設定できるようにしてもよい。
ここで、図5に示すように5枚分というように限定的な枚数を表示する表示を限定枚数表示と称し、全てのクロスセクション面のクロスセクション画像を表示する表示を全枚数表示と称する。操作によって限定枚数表示と全枚数表示とを随時切換可能としてもよい。この切換は初期表示においても、後述のステップ22に関する説明のように、設定線の変更操作の間においても可能とすることができる。
全枚数表示においては、表示領域が狭いために同時に全ての枚数を表示すると各クロスセクション画像が表示上小さすぎるようになる場合は、スクロール可能に表示するようにしてもよい。
限定枚数表示の表示枚数は、人間の感覚上、画像診断に集中しやすい枚数とする。例えば、21以下、15以下、9以下、7以下、5以下、3以下など、様々に設定しうるが、7以下がより画像診断に集中しやすく、好適である。任意の枚数が指定できるようにしてもよく、複数の枚数のセットから選べるようにしてもよい。
図4に示すステップS12の時点では、まず、表示領域91に、予め定められた初期位置におけるアキシャル断層画像F10が表示される。そしてステップS13において、パノラマ断層画像F20を生成する位置を示す設定線L20が、アキシャル断層画像F10に対して指定される。設定線L20を指定する態様としては、様々な態様が考えられる。例えば、操作者の操作によって、複数の点を指定し、情報処理装置8の演算によって、それらの点間を直線または曲線で補間するようにしてよい。曲線を補間する場合は、例えば、スプライン曲線またはベジェ曲線等を利用してよい。また、予め用意された仮定線(直線または曲線を含む。)をアキシャル断層画像F10上に配置し、その配置された仮定線を初期位置の設定線L20に設定するようにしてもよい。また、初期の仮定線の形状を任意に変形可能としてよい。
設定線L20が決定されると、その位置に対応したパノラマ断層画像F20が生成され、表示領域92に表示される。また、表示領域91では、設定線L20に沿って、予め定められた一定間隔をあけて複数の直交線L30が定義され、設定線L20上に表示される。また、各直交線L30の位置に対応したクロスセクション画像F30が生成され、それらが表示領域93に表示される。
また、情報処理装置8が、直交線L30の間隔の変更を受け付ける工程を実行するようにしてもよい。具体的には、間隔を数値で指定可能としてもよいし、マウス操作で間隔を調整可能としてもよい。直交線L30の間隔を大きくすることによって部位を大まかに観察できる。また間隔を小さくすることによって部位を詳しく観察することができる。このように、間隔を変更可能とすることによって、所望の密度で観察ができる。
なお、設定線L20が予め定義されており、これによって複数の直交線L30が決定されてもよい。この場合、ステップS13では、自動的に初期設定の設定線L20に応じたパノラマ断層画像F20が生成され、表示領域92に表示される。また、当該初期設定された設定線L20上に複数の直交線L30が自動設定される。そして、それらに応じたクロスセクション画像F30が生成され、表示領域93に表示される。初期に表示されるクロスセクション画像のクロスセクション面の間隔は変更できるようにしてもよい。
設定線L20を予め定義しておく場合には、観察対象である撮影対象部位の標準的な形状及び大きさを示す標準モデルを想定し、当該標準モデルを用いて初期の設定線を定義しておいてもよい。例えば、歯科の分野においては、顎部の標準モデルを用いて歯列に沿った設定線を予め定義しておくことが考えられる。図1に示すように、被写体M1の頭部は、被写体固定部421によって位置決めされるため、被写体M1における歯列の位置は、おおよそ特定可能である。そこで、この歯列の位置に定義した設定線を適用してやることで、おおよそ正しい位置に設定線L20を設定できる。複数の被検者群を前提にしてもよいことは、前述と同様である。
図4に戻って、ステップS13が完了すると、情報処理装置8は、パノラマ断層位置の変更を受け付けたかどうか判定する(ステップS14)。変更を受け付けたと判定した場合、情報処理装置8は、パノラマ断層画像を更新する(ステップS15)。受け付けていないと判定した場合は、情報処理装置8は、ステップS15及びステップS16に係る処理をスキップしてステップS17に係る処理を実行する。
具体的に、ステップS14の判定は、設定線L20の位置に変更があったか否かに基づいて行われる。ここで、設定線L20の位置を変更する操作には、設定線L20の形状を変更する形状変更操作、設定線L20全体を平行移動させる移動操作が含まれる。
図示は省略するが、アキシャル断層画像のほかに、アキシャル断層画像を切り出すスライス面と直交するスライス面の断層画像を表示するようにしてもよい。ここで、アキシャル断層画像のスライス面をZ面と称し、Z面に直交するスライス面をX面と称し、Z面とX面の双方に直交するスライス面をY面と称する。これらのX面、Y面、Z面の断層画像を1つの画面に表示し、X面、Y面、Z面の断層画像のそれぞれに、他のスライス面を示すカーソルを表示して、このカーソルまたは表示している断層画像に平行移動や回動などの操作を加えて表示スライス面を変更するようにしてもよい。
例えば、Y面の断層画像に表示されるZ面を示すカーソルに操作を加えてZ面が所望のスライス面となるように調整してから、調整後のアキシャル断層画像を図5に示すアキシャル断層画像F10として用いることもできる。また、図5の表示とX面、Y面、Z面の断層画像の同時表示の間で画面の表示切換可能としておいて、X面、Y面、Z面の調整がいつでも可能なようにしてもよい。
図6は、設定線L20の形状を変更する様子を説明するための図である。図6の例では、設定線L20上に定義された1点以上の点(制御点P2)を移動させることによって、新たな設定線L21が設定されている。制御点P2は、設定線L20を指定する際に指定した点であってもよいし、設定線L20の位置の変更操作の際に新たに指定できるようにしてもよい。設定線L21は制御点P2に追随するように定まったり移動したりするので、制御点P2が設定線L21を定義していると考えることもできる。
また、設定線L20全体を平行移動させる操作は、例えば、設定線L20を掴んでドラッグ操作することによってXY平面内で移動させ、所望の位置でドロップ操作することによって新たな位置に設定線L20を移動するようにしてもよい。
また、ステップS14においては、ステップS13で設定された設定線L20をアキシャル断層画像F10上から消去し、全く新たな設定線L21が一から設定されるようにしてもよい。
次のステップS15では、新たに設定された設定線L21に対応するパノラマ断層画像F21が生成され、その画像が表示領域92に表示される。さらに、次のステップS16では、表示領域93に表示するクロスセクション画像を変更するルーチンが実行される。
<クロスセクション画像の変更ルーチン>
図7は、クロスセクション画像を変更するルーチンの詳細を示す流れ図である。このルーチンでは、まず、変更後の設定線L21に対して、新たな複数の直交線L31が設定される。これによって、アキシャル断層画像F10における、新たなクロスセクション画像の位置が設定される(ステップS21)。
図7は、クロスセクション画像を変更するルーチンの詳細を示す流れ図である。このルーチンでは、まず、変更後の設定線L21に対して、新たな複数の直交線L31が設定される。これによって、アキシャル断層画像F10における、新たなクロスセクション画像の位置が設定される(ステップS21)。
ステップS22では、全クロスセクション画像を表示するかどうかが判定される。全クロスセクション画像を表示する場合は、ステップS21において新たな直交線L31の位置に対応する複数のクロスセクション画像が生成され、それらが表示領域93に表示される(ステップS23)。全クロスセクション画像を表示しない場合は、ステップS23がスキップされる。
なお、設定線L20の位置の変更操作が、図6に示すように、設定線L20の一部を変形させるものであった場合、この変更された部分上に設定される新たな直交線L31のみに対応するクロスセクション画像のみを生成するようにしてよい。そして、変更されなかった部分については、元の直交線L30に対応するクロスセクション画像を再表示するようにしてよい。これによると、画像生成による演算の負担が小さくなり、迅速にクロスセクション画像を生成できる。無論、新たな直交線L31の位置に対応する複数のクロスセクション画像の全てを生成してもよい。
ステップS16に係るクロスセクション画像の変更ルーチンが完了すると、図4に示すように、特定のクロスセクションの位置指定を受け付けたかどうか判定する(ステップS17)。位置指定を受け付けた場合、特定のクロスセクション画像の表示ルーチン(ステップS18)が実行される。位置指定を受け付けていない場合は、ステップS18はスキップされる。
<特定のクロスセクション画像の表示ルーチン>
図8は、特定のクロスセクション画像の表示ルーチンの詳細を示す流れ図である。まず、全てのクロスセクション画像の位置の読み出しが行われ、その中から、オペレータが指定した位置が特定される(ステップS31)。なお、以下の説明では、各クロスセクション画像F30に対応する直交線L30の位置を、クロスセクション位置と称する場合がある。
図8は、特定のクロスセクション画像の表示ルーチンの詳細を示す流れ図である。まず、全てのクロスセクション画像の位置の読み出しが行われ、その中から、オペレータが指定した位置が特定される(ステップS31)。なお、以下の説明では、各クロスセクション画像F30に対応する直交線L30の位置を、クロスセクション位置と称する場合がある。
オペレータによる特定のクロスセクション位置すなわち関心位置の指定は、例えば表示領域93に表示された全クロスセクション画像の中から、オペレータが特定のクロスセクション画像を選択することによって行われる。全枚数表示の中から選択できるようにしてもよい。また、パノラマ断層画像F20は、設定線L20に沿った断層画像である。したがって、パノラマ断層画像F20上でオペレータが観察したい位置を指定するようにしてもよい。この場合、情報処理装置8は、指定された位置について、その横方向の位置を特定すれば、これに対応する、当該特定位置の、またはその特定位置に最も近い位置のクロスセクション位置を把握できる。また、設定線L20上に表示された複数の直交線L30のうちから、オペレータが特定の直交線L30を選択し、これに基づいて、特定のクロスセクション位置が選択されるようにしてもよい。
アキシャル断層画像F10上で関心位置の指定をする場合、設定線L20に対する特定位置の点を指定するようにしてもよいし、クロスセクション位置の線を指定するようにしてもよい。直交線L30については、その設定線L20に沿う方向の幅(厚み)と直交方向の長さ(クロスセクション面の横幅)との少なくとも一方の変更操作が加えられるようにして、その変更がクロスセクション画像の表示の変更に反映されるようにしてもよい。この場合、直交線L30のいずれかに変更操作を加えれば、全ての直交線L30が変更されるようにしてよい。また、直交線L30の幅または長さは、数値で指定されるようにしてもよい。
次に、アキシャル断層画像F10上で、オペレータが指定した位置に対応するクロスセクション位置を強調表示する(ステップS32)。
図9は、特定のクロスセクション位置が指定された際の表示画面の一例を示す図である。ステップS31において指定された特定のクロスセクション位置が、直交線L30(7)であったとする。すると、図9に示すように、アキシャル断層画像F10上に表示されている直交線L30(7)が、他の直交線L30よりも太く表示される。このように強調表示することによって、指定されたクロスセクション位置を容易に把握することが可能となっている。なお、この強調表示は、このような態様に限定されるものではない。例えば、指定された直交線L30(7)を、他の直交線L30とは異なる色で表示するようにすることも考えられる。
また、図9に示すように、指定されたクロスセクション位置をパノラマ断層画像F20上に表示するようにしてもよい。図9に示す例では、縦方向に延びる線L11によって、指定されたクロスセクション位置が示されている。
図8に戻って、ステップS32が完了すると、指定のされたクロスセクション画像の表示、および、その両側のクロスセクション画像の表示が実行される(ステップS33)。このステップでは、ステップS31で受け付けた指定に応じたクロスセクション位置のクロスセクション画像を表示領域93の中央に表示する。そして、該表示領域93における指定のクロスセクション画像の横方向両隣に、設定線L20上において指定のクロスセクション位置の両側に位置する1以上のクロスセクション位置に対応するクロスセクション画像を表示する。
具体的には、図9に示すように、表示領域93の中央に、オペレータの指定に係るクロスセクション画像F30(7)が表示される。そして、その両隣のうち、一方側(ここでは左側)にはクロスセクション画像F30(6)が表示され、他方側(ここでは右側)にクロスセクション画像F30(8)が表示される。設定線L20上では、クロスセクション画像F30(6)は、クロスセクション画像F30(7)の位置の左隣に位置する断層画像であり、クロスセクション画像F30(8)は、クロスセクション画像F30(7)の位置の右隣に位置する断層画像である。
なお、オペレータの指定に係るクロスセクション画像F30(7)の両隣に表示するクロスセクション画像は、必ずしも、設定線L20上で隣接するクロスセクション画像F30(6),F30(8)である必要はない。すなわち、指定のクロスセクション画像F30(7)からいくつか離れた位置のクロスセクション画像F30が表示されるようにしてよい。すなわち、中央に表示されるオペレータの指定に係る画像をクロスセクション画像をF30(N)とすると、その両側に表示する画像は、クロスセクション画像F30(N−m),F30(N+m)(ただし、mは自然数)としてよい。また、クロスセクション画像F30(N)を中央に表示し、その両隣にクロスセクション画像F30(N−m),F30(N+n)(ただし、m及びnは、相異する自然数)としてもよい。
また、図9に示されるように、表示領域93の中央に表示されるクロスセクション画像F30(7)が、枠94に囲まれて表示されるようにしてもよい。クロスセクション画像F30(7)を枠94で囲んで表示することによって、オペレータの注意を引くことができる。なお、このような枠94は、周囲から明瞭に識別可能な色彩を有していることがより好ましい。なお、「クロスセクション画像が枠に囲まれる」とは、クロスセクション画像F30の外側に枠94を配置する態様の他、クロスセクション画像F30に重ねて枠94を表示する態様も含む。後者の態様には、クロスセクション画像F30の内側に枠94を表示する態様も含まれる。
また、アキシャル断層画像F10上に、直交線L30(7)の強調表示のほか、表示領域93に表示されたクロスセクション画像F30(6)、F30(8)のクロスセクション位置にある直交線L30(6)、L30(8)も強調表示するようにしてもよい。この場合、直交線L30(6)、L30(8)の強調表示の態様を直交線L30(7)の強調表示の態様と区別できるようにすることが好ましい。例えば、クロスセクション画像F30(N)を囲む枠94を、枠94(N)とすると、枠94(7)をある特定の色CL1で表示し、図示しない枠94(6)、94(8)を色CL1とは異なる別の色CL2で表示することが考えられる。さらに、直交線L30(7)を、枠94(7)と同色の色CL1で強調表示し、直交線L30(6)、(8)を、枠94(6)、(8)と同色の色CL2で強調表示することも考えられる。
表示領域92中のパノラマ断層画像F20上にクロスセクション画像F30(7)のクロスセクション位置を示す線L11のほか、クロスセクション画像F30(6)、F30(8)のクロスセクション位置を示すようにしてもよい。例えば、クロスセクション画像F30(N)のクロスセクション位置を示す線L11を、線L11(N)とする。すると、クロスセクション画像F30(7)のクロスセクション位置を色CL1の線L11(7)で表示してもよい。また、クロスセクション画像F30(6)のクロスセクション位置を示す色CL2の線L11(6)を、線L11(7)の左隣に表示してもよい。さらに、クロスセクション画像F30(8)のクロスセクション位置を示す色CL2の線L11(8)を、線L11(7)の右隣に表示してもよい。
また、設定線L20中の、表示領域93にクロスセクション画像F30(6)−F30(8)が表示されるクロスセクション位置の範囲を他の部分と違う態様で、例えば異なる色で表示するようにしてもよい。
上述のように、表示領域93のクロスセクション画像F30の枠94による強調表示を、他の表示領域91の強調表示と表示領域92の強調表示のうち少なくとも一方にも反映させることが考えられる。
図4に戻って、ステップS18が完了すると、情報処理装置8は、終了の指令を受け付けたかどうかを判定する(ステップS19)。受け付けた場合、情報処理装置8は、動作を終了する。一方、受け付けていない場合は、ステップS14に戻って、以降の動作を再び実行することとなる。
図10は、クロスセクション位置が変更された際の、表示画面の一例を示す図である。図10は、再びステップS18が実行された際に、オペレータが先に指定したクロスセクション位置(関心位置)とは異なるクロスセクション位置(変更後の関心位置)を変更指定した場合に表示部81に表示される画面を示している。図示の例は、クロスセクション画像F30(40)に対応する位置が新たな関心位置として変更指定されたものであり、当該クロスセクション画像F30(40)画像が表示領域93の中央に表示されている。また、表示領域93におけるクロスセクション画像F30(40)の両隣には、設定線L20上における直交線L30(40)の両隣の直交線L30(39)及び直交線L30(41)に対応した断層画像(クロスセクション画像F30(39),F39(41))が表示されている。さらに、設定線L20の直交線L30(40)が強調表示されている。また、パノラマ断層画像F20上に重ねて縦方向に延びる線L11が表示されている。この線L11の位置は、設定線L20上における直交線L30(40)の位置に対応している。
以上のように、オペレータが指定した位置のクロスセクション画像を表示部81の画面上に定義された表示領域93の中央に表示することによって、オペレータの注意を引きやすくなる。その結果、オペレータが関心のある画像に集中しやすくなり、画像診断を迅速かつ正確に行うことができる。また、オペレータが関心のある位置の両側のクロスセクション画像を、関心のあるクロスセクション画像の両隣に表示することによって、関心部分とその周囲部分とを対比して観察できる。特に、図9に示すように、指定されたクロスセクション位置の両隣のクロスセクション画像を、指定のクロスセクション画像の両隣に表示することで、オペレータが関心位置近傍の状況を的確に把握できる。
また、変更指定があった場合においても、そのオペレータが指定した位置の断層画像(例えば、図10に示すクロスセクション画像F30(40))が中央に表示される。このため、変更後においてもオペレータの注意を引くことができる。
なお、図9及び図10に示す例では、情報処理装置8が、オペレータの指定(最初の指定及び変更指定を含む。)に係るクロスセクション画像F30を含めて、3枚のクロスセクション画像F30が表示領域93に表示するように構成されている。しかしながら、表示領域93に表示する画像の枚数はこれに限定されるものではない。
図11は、表示領域93における複数のクロスセクション画像F30の表示例を示す図である。図11に示す例では、オペレータが指定したクロスセクション位置に対応するクロスセクション画像F30(9)が表示領域93の中央に表示されている。なお、当該クロスセクション画像F30(9)は、それを強調表示するための枠94に囲まれている。そして、その横方向両隣には、クロスセクション画像F30(9)の両側のクロスセクション画像F30(7),F30(8)及びクロスセクション画像F30(10),F30(11)が2枚ずつ表示されている。
クロスセクション画像F30(8)がクロスセクション画像F30(9)の左隣に、クロスセクション画像F30(7)がクロスセクション画像F30(8)のさらに左隣に、アキシャル断層画像F10上の直交線L30の並ぶ方向に合わせて表示される。クロスセクション画像F30(10)、F30(11)については反対方向になるだけなので、説明は省略する。
すなわち、図11に示す例では、合計5枚のクロスセクション画像F30が表示されている。このように、オペレータが関心のあるクロスセクション画像F30を中央に表示し、その両隣のクロスセクション画像F30を複数枚ずつ両側に並べて表示することで、より多くの情報を一度に得ることができる。したがって、よりオペレータが迅速かつ正確に画像診断を行うことができる。
図12は、表示領域93における複数のクロスセクション画像F30の他の表示例を示す図である。図12に示す表示例は、5枚のクロスセクション画像F30(7)−(11)が表示され、オペレータの指定に係るクロスセクション画像F30(9)が表示領域93の中央に表示されている点で、図11に示す表示例と共通する。しかしながら、中央に表示されているクロスセクション画像F30(9)は、他のクロスセクション画像F30よりも大きく拡大されて表示されている。このようにオペレータが関心のある断層画像を拡大表示することによって、他の断層画像と同一の大きさで表示する場合よりもオペレータの注意を引くことができる。
前述の、表示領域93のクロスセクション画像F30の枠94による強調表示を、他の表示領域91の強調表示と表示領域92の強調表示の少なくとも一方に反映する構成と同様、表示領域93のクロスセクション画像F30の拡大表示による強調表示を、他の表示領域91の強調表示と表示領域92の強調表示の少なくとも一方に反映するようにしてもよい。例えば、拡大表示しているクロスセクションについて、直交線L30を色CL1で表示する構成を採用してもよい。
なお、中央のクロスセクション画像F30(9)を、図12に示すように拡大表示するとともに、図11に示すように枠94で囲んで表示するように、情報処理装置8を構成することも考えられる。
また、図示の例では、オペレータの指定に係るクロスセクション画像F30の左側及び右側に他のクロスセクション画像F30を表示している。しかしながら、これら他のクロスセクション画像F30を、オペレータの指定に係るクロスセクション画像F30の上側及び下側に表示するようにしてもよい。
また、図示の例では、オペレータの指定に係るクロスセクション画像の左側及び右側に表示される数量が同数とされている。すなわち、奇数枚のクロスセクション画像の表示である。しかしながら、これらの数量が異なっていてもよい。すなわち、オペレータの指定に係るクロスセクション画像が、表示領域93の中央に表示されておれば、左右のクロスセクション画像の数量は異なっていてもよい。
ただし、左右のクロスセクション画像の枚数を一致させることによって、複数のクロスセクション画像をバランスよく配列できる。したがって、オペレータの注意を中央のクロスセクション画像に引きつけることができる。
上述の図9の例において、クロスセクション画像F30(7)は表示領域93の中央に表示され、図10の例において、クロスセクション画像F30(40)は表示領域93の中央に表示されるが、ここにいう中央は厳密に中央でなくとも、略中央を含む。すなわち、例えば、図9の例のクロスセクション画像F30(7)の左端から表示領域93の左端までの距離とクロスセクション画像F30(7)の右端から表示領域93の右端までの距離が厳密に同じでなくとも、人間の視覚上、概ね中央にあると知覚できる範囲で中央からの偏りがあってもかまわない。つまり、クロスセクション画像F30(7)の左端から表示領域93の左端までの距離とクロスセクション画像F30(7)の右端から表示領域93の右端までの距離は略同一である。
例えば、表示領域93の左右方向の中央に、クロスセクション画像F30(7)を表示する場合、クロスセクション画像F30(7)の中心が、表示領域93の左右方向の中心から、クロスセクション画像F30(7)の幅50%以内の範囲で、左右にずれていてもよい。また、例えば、表示領域93の左右方向の中央にクロスセクション画像F30(7)を表示する場合、クロスセクション画像F30(7)が表示領域93の左右方向における中心線CTL(図9参照)と少なくとも重なっておれば、中央表示とされる。
前述のように、クロスセクション画像F30(6)〜F30(8)を上下にならべて表示してもよく、その場合は、クロスセクション画像F30(7)の上端から表示領域93の上端までの距離とクロスセクション画像F30(7)の下端から表示領域93の下端までの距離が略同一であればよい。
図9、図10の例においては、表示領域93を矩形の枠で囲んだ領域として示しているが、枠の形状は楕円でも他の任意の形状でもよい。また、枠の表示は必ずしも必要ではなく、例えば、表示部81の画面領域のいずれかの、枠で囲まない領域にクロスセクション画像F30(6)〜F30(8)を並べて表示するとすれば、クロスセクション画像F30(6)〜F30(8)が占めるように定める領域がクロスセクション画像の表示領域となるのであり、クロスセクション画像F30(7)を中央に表示する。
<アキシャル断層画像の変更ルーチン>
図13は、アキシャル断層画像の変更ルーチンを示す流れ図である。情報処理装置8は、この図13に示すアキシャル断層画像の変更ルーチンを、図4に示す表示動作のうち、アキシャル断層画像の生成及び表示工程(ステップS12)以降であれば、任意のタイミングで実行可能とされている。
図13は、アキシャル断層画像の変更ルーチンを示す流れ図である。情報処理装置8は、この図13に示すアキシャル断層画像の変更ルーチンを、図4に示す表示動作のうち、アキシャル断層画像の生成及び表示工程(ステップS12)以降であれば、任意のタイミングで実行可能とされている。
図13に示す例では、まず、傾動操作を受け付けたかどうかを判定する(ステップS41)。情報処理装置8は、傾動操作を受け付けたと判定した場合は、次のステップS42を実行する。情報処理装置8は、傾動操作を受け付けていないと判定した場合、ステップS42−S45をスキップして、ステップS46を実行する。ここで、傾動操作とは、アキシャル断層画像を生成するための、撮影領域17のスライス面を傾動させる操作をいう。この傾動操作について、図14、図15及び図16を参照しつつ説明する。
<傾動操作例1>
図14は、傾動操作の一例を示す図である。図14に示す操作例は、アキシャル断層画像上で傾動操作を行うものである。具体的には、アキシャル断層画像F10上に傾動用カーソルC10が配置され、この状態でオペレータが操作部82のマウスをクリックしながら、マウスの操作をアキシャル断層画像のF10の傾動に変換する。さらに具体的な例として、マウスを操作者に近づける操作で傾動用カーソルC10が指している箇所を+Z方向に傾け、マウスを操作者から離す操作で傾動用カーソルC10が指している箇所を−Z方向に傾ける。マウスの操作によって、図示の矢印C10Dの方向に傾動用カーソルC10がアキシャル断層画像のF10に対して上下に移動しているように表示してもよい。これによって、アキシャル断層画像用のスライス面を、X軸またはX軸方向と平行に伸びる軸を回転軸として、傾動させることができる。このX軸方向と平行に延びる回転軸は、アキシャル断層画像F10のスライス面を傾動させるための傾動用基準軸の例であり、任意に設定しうるが、例えば、アキシャル断層画像F10の図示しない中心CP1を通るように設定すればよい。
図14は、傾動操作の一例を示す図である。図14に示す操作例は、アキシャル断層画像上で傾動操作を行うものである。具体的には、アキシャル断層画像F10上に傾動用カーソルC10が配置され、この状態でオペレータが操作部82のマウスをクリックしながら、マウスの操作をアキシャル断層画像のF10の傾動に変換する。さらに具体的な例として、マウスを操作者に近づける操作で傾動用カーソルC10が指している箇所を+Z方向に傾け、マウスを操作者から離す操作で傾動用カーソルC10が指している箇所を−Z方向に傾ける。マウスの操作によって、図示の矢印C10Dの方向に傾動用カーソルC10がアキシャル断層画像のF10に対して上下に移動しているように表示してもよい。これによって、アキシャル断層画像用のスライス面を、X軸またはX軸方向と平行に伸びる軸を回転軸として、傾動させることができる。このX軸方向と平行に延びる回転軸は、アキシャル断層画像F10のスライス面を傾動させるための傾動用基準軸の例であり、任意に設定しうるが、例えば、アキシャル断層画像F10の図示しない中心CP1を通るように設定すればよい。
設定線L20、直交線L30などは、被写体を撮影して得た三次元データに対して設定されるスライス面の位置を示す。傾動操作は、図14に示すように、設定されているスライス面を固定して、三次元データの方を移動させてもよいし、三次元データの方を固定してスライス面の位置の方を移動させてもよい。
図14の例では、傾動操作のための基準点P10が設定されている。この基準点P10は、アキシャル断層画像F10のスライス面を傾動させるための傾動用基準点の例であり、例えば、現在表示されているアキシャル断層画像F10のスライス面の中央である。スライス面の中央は、例えば、図14のアキシャル断層画像F10に正対したときの上下左右の中央である。この基準点P10を前述のアキシャル断層画像F10の中心CP1とするようにしてもよい。
上述の例では、傾動用基準軸の例として、X軸方向と平行に延びる回転軸の例を挙げたが、現在表示されているアキシャル断層画像F10に正対したときの基準点P10を通って左右に延びる軸を傾動用基準軸としてもよい。
また、スライス面の傾動は必ずしも傾動用基準軸を軸中心とした回動でなくともよい。例えば、基準点P10を中心に傾動するようにしてもよい。つまり、スライス面を、基準点P10を中心に、全方位に傾動可能とし、基準点P10を対称点として3次元的に点対称に傾動可能としてもよい。
具体的には、図14のアキシャル断層画像F10に正対したときの傾動操作の例として、例えば、傾動用カーソルC10でスライス面に傾動操作を加えて、スライス面の上の箇所を指して+Z側に傾動させると、スライス面の下の箇所が−Z側に傾動する。また、傾動用カーソルC10でスライス面の左の箇所を指し、+Z側に傾動させると、スライス面の右の箇所が−Z側に傾動する。さらに、傾動用カーソルC10でスライス面の左上の箇所を指し、+Z側に傾動させると、スライス面の右下の箇所が−Z側に傾動する。つまり、ある箇所に+Z側への操作を加えると対称の箇所が−Z側に変位し、−Z側への操作を加えると対称の箇所が+Z側に変位するようにする。このように、傾動操作とスライス面の傾動とが関連するように設定することが考えられる。
傾動用カーソルC10の表示例として、傾動用カーソルC10を手の形状にデザインし、クリックしない状態では図示のように掌を広げた形態とし、クリックした状態では拳のように物を握持した形態とするようにしてもよい。
例えば、傾動用カーソルC10が指している箇所を+Z方向に移動させることで、その移動量に応じた分、スライス面の−Y側を+Z側へ傾ける。また、傾動用カーソルC10が指している箇所を+Z方向に移動させることで、その移動量に応じた分、スライス面の−Y側を−Z側へ傾ける。このように傾動用カーソルC10の移動とスライス面の傾動とを関連づけることによって、オペレータが直感的にスライス面の傾動操作を行うことができる。
ここで、図13に示した回転軸を設定する工程(ステップS42)は、上述の中心CP1を通るX軸を設定する工程に相当する。また、図13に示した回転角度を特定する工程(ステップS43)は、上述の傾動用カーソルC10の移動方向及び移動量から、スライス面をその移動に対応する回転方向および回転量を決定する工程に相当する。
情報処理装置8は、ステップS42にて設定した回転軸及びステップS43にて特定したスライス面の回転角度に基づき、変更後のアキシャル断層画像用のスライス面の位置を特定する(ステップS44)。そして、新たなアキシャル断層画像を生成し、それを表示部81に表示する(ステップS45)。
<傾動操作例2>
図15は、傾動操作の他の例を示す図である。図15に示す操作例は、ボリュームレンダリング画像上でスライス面SL1の傾動操作を行うものである。具体的には、ボリュームレンダリング画像F40上に傾動用カーソルC20が配置され、この状態でオペレータが操作部82のマウスをクリックしながら、傾動用カーソルC20を上下左右に移動させると、三次元データが示す撮影領域17に対する視線方向が、傾動用カーソルC20の移動方向及び移動量に応じて変更される。視線方向は、例えば、観察者の視点から撮影領域17の中心である基準点P20に向かう方向と定義される。ただし、基準点P20は、必ずしも撮影領域17の中心である必要はなく、任意に定め得る。
図15は、傾動操作の他の例を示す図である。図15に示す操作例は、ボリュームレンダリング画像上でスライス面SL1の傾動操作を行うものである。具体的には、ボリュームレンダリング画像F40上に傾動用カーソルC20が配置され、この状態でオペレータが操作部82のマウスをクリックしながら、傾動用カーソルC20を上下左右に移動させると、三次元データが示す撮影領域17に対する視線方向が、傾動用カーソルC20の移動方向及び移動量に応じて変更される。視線方向は、例えば、観察者の視点から撮影領域17の中心である基準点P20に向かう方向と定義される。ただし、基準点P20は、必ずしも撮影領域17の中心である必要はなく、任意に定め得る。
例えば、傾動用カーソルC20を上側または下側に動かした場合は、観察者の視点を、基準点P20を通るXY平面に平行な軸、例えばX軸またはX軸と平行に伸びる軸を回転軸として、+Z側または−Z側に回転移動させるようにしてよい。また、傾動用カーソルC20を左側または右側に動かした場合は、基準点P20を中心に観察者の視点を、基準点P20を通るZ軸に平行な軸を回転軸として、右回りまたは左回りに移動させるようにしてよい。
視線方向を変更する一方で、アキシャル断層画像用のスライス面SL1については、定位置に固定されている。ここで、視線方向を変更することは、三次元データが示す撮影領域17の像を回転させることと等価である。すると、撮影領域17の像を回転させることは、撮影領域17側から見れば、撮影領域17の像に対してスライス面SL1を回転させる(傾動する)ことと等価である。このように、傾動用カーソルC20の移動に応じて、撮影領域17の像を回転させることによって、スライス面SL1を傾動させることができる。
なお、図15に示すボリュームレンダリング画像F40において、三次元データが示す撮影領域17の像を固定しておき、傾動用カーソルC20の移動操作に応じて、スライス面SL1が直接傾動するようにしてもよい。
視線方向の定め方の例として、観察者の視界を、演算上、前述のXYZ直交座標系とは別の図示しないX´Y´Z´直交座標系の三次元立体空間であるX´Y´Z´空間と定めることが考えられる。表示上はボリュームレンダリング画像F40に示される三次元データがX´Y´Z´空間中にあり、観察者がX´Y´Z´空間中の図示しないある視点PS1から上述の基準点P20を見ているように演算される。つまり、表示部81の画面に表示されるボリュームレンダリング画像F40は、視点PS1から見た像となる。傾動用カーソルC20の操作により、X´Y´Z´空間の中でボリュームレンダリング画像F40に示される三次元データがX´Y´Z´空間に対して回転する。X´Y´Z´空間の中で、スライス面SL1は定位置に固定されている。
<傾動操作例3>
図16は、傾動操作の他の例を示す図である。図16に示す操作例は、クロスセクション画像上で傾動操作を行うものである。具体的には、表示領域93に表示されたクロスセクション画像F30(7)に対してマウスの操作が加えられ、この操作の操作量に応じて、スライス面が傾動するようにしてもよい。例えば、クロスセクション画像F30(7)上の所望の箇所を傾動用カーソルC30が指すようにマウスを操作し、傾動用カーソルC30が指している箇所を前述の傾動用カーソルC10が指す箇所に対するのと同様に操作する。マウスの操作によって、図示の矢印C30Dの方向に傾動用カーソルC30がクロスセクション画像F30(7)に対して上下に移動しているように表示してもよい。
図16は、傾動操作の他の例を示す図である。図16に示す操作例は、クロスセクション画像上で傾動操作を行うものである。具体的には、表示領域93に表示されたクロスセクション画像F30(7)に対してマウスの操作が加えられ、この操作の操作量に応じて、スライス面が傾動するようにしてもよい。例えば、クロスセクション画像F30(7)上の所望の箇所を傾動用カーソルC30が指すようにマウスを操作し、傾動用カーソルC30が指している箇所を前述の傾動用カーソルC10が指す箇所に対するのと同様に操作する。マウスの操作によって、図示の矢印C30Dの方向に傾動用カーソルC30がクロスセクション画像F30(7)に対して上下に移動しているように表示してもよい。
図14に示す基準点P10と、操作したクロスセクション画像F30(7)の直交線L30(7)が設定線L20と交差する点とを結ぶ軸を回転軸とし、傾動用カーソルC30の上下方向の移動量に対応した角度分、スライス面が回転するようにしてよい。
クロスセクション画像F30(7)の傾動のための傾動用基準点や傾動用基準軸は様々な定め方が考えられるので、図14において説明した傾動用基準点や傾動用基準軸をクロスセクション画像F30(7)の傾動のための傾動用基準点や傾動用基準軸としてもよい。
具体的に、図14において表示領域92に現在表示されているアキシャル断層画像F10に正対したときの、基準点P10を通って左右に延びる軸を傾動用基準軸としたとする。この場合において、クロスセクション画像F30(7)のいずれかの箇所を傾動用カーソルC10によって指し、これを移動させる操作を加える。これによって、アキシャル断層画像F10のスライス面及び、アキシャル断層画像F10のスライス面と一体となったクロスセクション画像F30(7)及び他のクロスセクション画像F30のスライス面が傾動用基準軸を中心に回動して、新たな位置のスライス面のアキシャル断層画像F10、クロスセクション画像F30が生成されるようにしてもよい。無論、傾動用基準点を中心にスライス面の傾動が行われるようにしてもよい。
また、クロスセクション画像F30(7)に傾動操作を加えたとき、アキシャル断層画像F10のスライス面は動かさず、他のアキシャル断層画像のスライス面も、一斉にクロスセクション画像F30(7)のスライス面の傾動と同量の傾動をするようにしてもよい。例えば、ある時点において、各クロスセクション画像F30のスライス面はアキシャル断層画像F10のスライス面と直交線L30の箇所で直交していたとする。そして、直交線L30で示される、アキシャル断層画像F10のスライス面とクロスセクション画像F30のスライス面の交差箇所に傾動用基準軸を設定し、クロスセクション画像F30(7)に傾動の操作を加える。これによって、全てのクロスセクション画像F30のクロスセクション面が、それぞれ、傾動用基準軸を回動軸として、各軸周りに同じ量だけ傾動するようにしてもよい。この場合、各直交線L30の位置に定まる回動軸は、特殊形態の傾動用基準軸である。
図13に戻り、ステップS46では、情報処理装置8は、アキシャル断層画像について、スライス面の高さ方向の変更操作を受け付けたかどうか判定する。情報処理装置8は、変更操作を受け付けたと判定した場合、次のステップS47を実行する。情報処理装置8は、変更指定を受け付けていないと判定した場合、ステップS47,S48をスキップする。
スライス面の高さの変更操作は、例えば次のようにして行われる。すなわち、図14に示す表示領域92におけるパノラマ断層画像F20上に表示されている線L10は、パノラマ断層画像F20における表示領域91に表示されたアキシャル断層画像用のスライス面の高さ(Z軸方向の位置)を示している。マウスの操作などによってこの線L10を上下に移動させることによって、アキシャル断層画像用のスライス面の高さを指定できるようにすることが考えられる。
また、図15に示すボリュームレンダリング画像F40上において、マウスの操作などによって、撮影領域17の像をZ軸方向に上下移動させ、これに応じてアキシャル断層画像用のスライス面SL1の高さを指定できるようにすることも考えられる。ボリュームレンダリング画像F40に対してスライス面SL1の高さを変更操作できるようにしてもよい。
なお、上記説明では、スライス面の傾動操作及びスライス面の高さ変更操作は、傾動用カーソルC10−C30の移動または線L10の移動によって行うとしている。傾動用カーソルC10−C30及び線L10の移動は、マウスを前後等に移動させる移動操作に対応づけてもよいが、例えば周知のマウスのホイール操作に対応づけることも考えられる。また、キーボードの特定キーの操作に対応づけてもよい。さらに、キーボードの特定キーの操作とマウスの移動操作の組み合わせ、または、キーボードの特定キーとマウスのホイール操作との組み合わせに対応づけてもよい。また、画面上に各種ボタンを表示し、当該ボタンをクリックする操作によって、傾動用カーソルC10−C30または線L10の移動を実現してもよい。
例えば、アキシャル断層画像上において、操作部82のキーボードの特定キーの操作と、マウスのホイール操作等を組み合わせることによって、スライス面の高さを指定できるようにしてもよい。具体的に、特定キーを押しながらホイールを前転させた場合は、スライス面の位置を高くし、特定キーを押しながらホイールを後転させた場合は、スライス面の位置を低くする等が考えられる。
情報処理装置8は、以上の変更操作に基づいて、変更後のスライス面の位置(高さ)を特定する(ステップS47)。そして、情報処理装置8は、新たなスライス面のアキシャル断層画像を生成し、これを表示部81に表示する(ステップS48)。
以上の工程(ステップS41−S48)が、情報処理装置8によるアキシャル断層画像の変更ルーチンの一連の流れである。
なお、スライス面の傾動処理(ステップS41−S45)及び高さ方向変更処理(S46−S48)の優先順位は特にない。オペレータがどちらか一方の操作を実行した際に、対応する処理がそれぞれ実行されればよい。
<デュアル表示>
上記説明に係る情報処理装置8は、各アキシャル断層画像に対して1つの設定線のみが設定され、この1つの設定線に直交するクロスセクション画像のみを表示部81に表示している。しかしながら、設定線が複数設定され、それぞれの設定線に直交するクロスセクション画像が同時に表示部81に表示されるようにしてよい。
上記説明に係る情報処理装置8は、各アキシャル断層画像に対して1つの設定線のみが設定され、この1つの設定線に直交するクロスセクション画像のみを表示部81に表示している。しかしながら、設定線が複数設定され、それぞれの設定線に直交するクロスセクション画像が同時に表示部81に表示されるようにしてよい。
図17は、複数のクロスセクション画像の表示例を示す図である。図17に示す例では、アキシャル断層画像F10を表示するための矩形の表示領域91Aが上段中央に定義されている。アキシャル断層画像F10上には、2つの設定線L20A,L20Bが設定可能となっている。この設定線L20A,20Bの設定は、図4に示すステップS13またはステップS14で実行される。
また、表示領域91Aの両隣のそれぞれには、矩形の表示領域92A、92Bが定義されている。表示領域92A,92Bには、設定線L20A,20Bに対応するパノラマ断層画像F20A,F20Bが表示される。パノラマ断層画像F20Aは左に、パノラマ断層画像F20Bは右に、アキシャル断層画像F10上の設定線L20A、L20Bの配置に合わせて表示される。
そして、表示領域91A,92A,92Bの下部には、2つの矩形の表示領域93A,93Bが定義されている。また、設定線L20A及びL20Bには、それぞれ、複数の直交線L30A及び複数の直交線L30Bが設定される。表示領域93Aには、複数の直交線L30Aのいずれかに対応したクロスセクション画像F30Aが表示され、表示領域93Bには、複数の直交線L30Bのいずれかに対応したクロスセクション画像F30Bが表示される。
図17に示す実施形態の場合、ステップS17における特定のクロスセクション画像の位置指定が、設定線L20A,L20Bの双方について個別に行われる。そして、設定線L20Aに関してオペレータの指定に係るクロスセクション画像F30A(N)が、表示領域93Aの中央に表示される。そして、当該クロスセクション画像F30A(N)の両隣には、設定線L20Aにおいて両側に位置する他のクロスセクション画像F30A(N−m)、F30A(N+m)がそれぞれ表示される。同じ要領で、設定線L20Bに関してオペレータが指定したクロスセクション画像F30B(N)が、表示領域93Bの中央に、両側にクロスセクション画像F30B(N−m)、F30B(N+m)がそれぞれ表示される。
このように複数の設定線のそれぞれについて、指定した位置のクロスセクション画像を同時に表示できるようにすることで、オペレータの関心がある異なる位置のクロスセクション画像を同時に把握することができる。
また、図示は省略するが、図17に示すように、複数の設定線L20A、L20Bを設定する代わりに、単一の設定線L20上で複数の関心位置の指定が受付けられるようにしてよい。図17の複数の表示領域92A、92Bと同様の表示領域に、それぞれの関心位置の近傍のパノラマ断層画像が表示され、表示領域93A、93Bと同様の表示領域にそれぞれのクロスセクション画像が表示されて、図17と同様の画像表示がなされてもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
100 X線撮影装置
1 本体部
8 情報処理装置(表示装置)
13 X線発生器
17 撮影領域
21 X線検出器
30 旋回アーム
31 旋回軸
60 本体制御部
80 情報処理本体部
81 表示部
82 操作部
83 記憶部
84 プログラム
85 全体制御部
86 位置指定受付部
87 画像生成部
90 歯列
91,91A,92,92A,92B,93,93A,93B 表示領域
94 枠
C10,C20,C30 傾動用カーソル
CB1 X線コーンビーム
CP1 中心
F10 アキシャル断層画像
F20,F20A,F20B,F21 パノラマ断層画像
F30,F30A,F30B クロスセクション画像(断層画像)
F40 ボリュームレンダリング画像
L10,L11 線
L20,L21 設定線
L30,L31 直交線
M1 被写体
P10,P20 基準点
P2 制御点
1 本体部
8 情報処理装置(表示装置)
13 X線発生器
17 撮影領域
21 X線検出器
30 旋回アーム
31 旋回軸
60 本体制御部
80 情報処理本体部
81 表示部
82 操作部
83 記憶部
84 プログラム
85 全体制御部
86 位置指定受付部
87 画像生成部
90 歯列
91,91A,92,92A,92B,93,93A,93B 表示領域
94 枠
C10,C20,C30 傾動用カーソル
CB1 X線コーンビーム
CP1 中心
F10 アキシャル断層画像
F20,F20A,F20B,F21 パノラマ断層画像
F30,F30A,F30B クロスセクション画像(断層画像)
F40 ボリュームレンダリング画像
L10,L11 線
L20,L21 設定線
L30,L31 直交線
M1 被写体
P10,P20 基準点
P2 制御点
Claims (16)
- CT撮影によって得られる断層画像の表示において、被写体体内の関心部位に設定された設定線に直交し、かつ、前記設定線に沿って規定の間隔をあけて並ぶ複数の断層画像を表示部に複数枚数並べて表示する表示方法であって、
(a) 前記表示部に前記設定線を表示する工程と、
(b) 前記表示部に前記断層画像の断面の位置を示すよう前記設定線に直交する複数の直交線を表示する工程と、
(c) 前記設定線上における、関心位置の指定を受け付ける工程と、
(d) 前記表示部の表示画面に定義された表示領域の中央に、前記(c)工程で受け付けた指定に応じた前記関心位置に対応する前記断層画像を表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線上において前記関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示する工程と、
(e) 前記複数の直交線のうち、前記(c)工程で指定された前記関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示する工程と、
(f) 前記(e)工程の後、前記設定線上における前記関心位置の変更指定を受け付ける工程と、
(g) 前記(d)工程にて前記表示領域の中央に表示された前記断層画像を、前記(f)工程で受け付けた前記変更指定に応じた変更後の前記関心位置の断面に対応する前記断層画像に変更して表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線上において前記変更後の関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示する工程と、
(h) 前記複数の直交線のうち、前記(f)工程において変更した前記関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示する工程と、
を含む、表示方法。 - 請求項1に記載の表示方法であって、
前記設定線が曲線を含む、表示方法。 - 請求項1または請求項2に記載の表示方法であって、
前記(d)工程または前記(g)工程において、前記関心位置の前記断層画像の両隣のそれぞれに表示される前記断層画像の数量が同数である、表示方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示方法であって、
前記(d)工程または(g)工程において、前記表示領域の中央に表示される前記断層画像が、その両隣に表示される前記断層画像よりも大きく表示される、表示方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示方法であって、
前記(d)工程または(g)工程において、前記表示領域の中央に表示される前記断層画像が、枠に囲まれて表示される、表示方法。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示方法であって、
(i) 前記関心部位における前記設定線の位置または形状の変更を受け付ける工程、
をさらに含む、表示方法。 - 請求項6に記載の表示方法であって、
前記(i)工程は、前記設定線上に定義される複数の制御点を移動させる操作を受け付ける工程である、表示方法。 - 請求項6または請求項7に記載の表示方法であって、
(j) 前記(i)工程において、前記設定線のうち、変更された箇所を含む一部分について、前記断層画像の再構成に用いられたX線の投影画像データを新たに再構成することによって、前記設定線の変更された箇所における新たな前記断層画像を生成する工程と、
を含む、表示方法。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示方法であって、
(k) 前記規定の間隔の変更を受け付ける工程、
をさらに含む、表示方法。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の表示方法であって、
(l) 前記被写体内の顎部を前記関心部位とし、前記CT撮影によって得られた前記顎部の三次元データから切り出したスライス画像を前記表示部に表示する工程と、
(m) 前記(l)工程における前記スライス画像を生成するためのスライス面の変更操作を受け付ける工程と、
(n) 前記(m)工程にて受け付けた変更操作によって設定された新たなスライス面で、前記三次元データから新たな前記スライス画像を切り出して生成し、前記表示部に表示する工程と、
(o) 前記(n)工程にて表示された新たな前記スライス画像上において、前記設定線の指定を受け付ける工程と、
さらに含む、表示方法。 - 請求項1に記載の表示方法であって、
前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線を前記他の直交線とは異なる太さまたは色で強調表示する工程である、表示方法。 - 請求項1または請求項11に記載の表示方法であって、
前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線及びその両隣の前記直交線を他の前記直交線とは異なる態様で強調表示し、かつ、前記関心位置に対応する前記直交線及びその両隣の前記直交線が、異なる態様で強調表示される、表示方法。 - 請求項11または12に記載の表示方法であって、
前記(d)工程及び前記(g)工程にて前記表示領域に表示される前記断層画像が枠に囲まれて表示され、前記枠の色が、前記(e)工程及び前記(h)工程にて強調表示される前記直交線の色と一致する、表示方法。 - 請求項5に記載の表示方法であって、
前記(e)工程及び前記(h)工程は、前記関心位置に対応する前記直交線を前記他の直交線とは異なる色で強調表示する工程であり、
前記(d)工程及び前記(g)工程にて前記断層画像を囲む前記枠の色が、前記(e)工程及び前記(h)工程にて強調表示される前記直交線の色と一致する、表示方法。 - CT撮影によって得られる断層画像の表示において、被写体体内の関心部位に設定された設定線に直交し、かつ、前記設定線に沿って規定の間隔をあけて並ぶ複数の断層画像を表示する表示装置であって、
前記設定線上における、前記関心位置の指定を受け付ける位置指定受付部と、
表示画面に定義された表示領域の中央に、前記関心位置の前記断層画像を表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線における前記関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示し、前記設定線、及び、前記断層画像の断面の位置を示す前記設定線に直交する複数の直交線を表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記複数の直交線のうち、指定された前記関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示し、
前記位置指定受付部は、前記関心位置の変更指定を受け付け、
前記表示部は、
前記表示領域の中央に表示した前記断層画像を、前記位置指定受付部が受け付けた前記変更指定に応じた変更後の前記関心位置の断面に対応する前記断層画像に変更して表示するとともに、前記表示領域における当該断層画像の両隣に、前記設定線上において前記変更後の関心位置の両側に位置する1以上の前記断層画像を表示し、前記複数の直交線のうち、前記変更後の関心位置に対応する直交線を他の直交線とは異なる態様で強調表示する、表示装置。 - CT撮影を行うX線撮影装置であって、
請求項15に記載の表示装置と、
X線ビームを発生するX線発生器と、
入射するX線ビームの強度に応じた信号を出力する複数の検出素子を備えたX線検出器と、
旋回軸に接続されており、前記X線発生器と前記X線検出器とを被写体を挟んで互いに対向させて支持する支持部と、
前記支持部を移動させることで前記X線発生器と前記X線検出器とを前記被写体周りに旋回移動させる支持部移動部と、
前記支持部移動部の駆動で行われる前記被写体中の関心部位の断層撮影によって、前記関心部位を透過したX線ビームを受けた前記X線検出器から出力される投影画像データを処理する画像処理部と、
を備える、X線撮影装置。
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