JP2010148676A - X線撮影装置およびパノラマ用画像処理プログラム - Google Patents

X線撮影装置およびパノラマ用画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】利用者が所望する被写体の断層位置で断層画像を再構成することのできる技術を提供する。
【解決手段】第1事前作業S1〜S4として、X線撮影装置によるX線撮影対象である被写体から写し取る印象のカメラ撮影画像を取得する。第2事前作業S5〜S7として、被写体のパノラマ画像を取得する。メイン作業S8〜S11として、ROIの画像とナビゲート表示を生成するための選択操作を行う。X線撮影装置1は、パノラマ用画像処理手段7によって、旋回駆動手段4の回転軸方向から視た被写体の断層位置の軌道をカメラ撮影画像上に重畳して第1出力手段10に出力し、表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を受け付け、選択および変形された軌道の情報に基づいて複数のフレーム画像の重ね合わせ幅を求め、選択および変形された軌道の断層画像を再構成することによりパノラマ断層画像を生成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、X線撮影装置およびパノラマ用画像処理プログラムに係り、特に、一般医療用や歯科用の被写体をパノラマ撮影して記憶された複数のフレーム画像を重畳することで被写体の任意の断層の画像を再構成するX線撮影装置およびパノラマ用画像処理プログラムに関する。
従来、歯科用のX線断層撮影装置として、パノラマ撮影装置が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。特許文献1,2に開示された装置は、水平面(XY平面)で位置合わせされた歯列の位置において、歯列の鉛直面方向(Z方向)の断層画像を取得し、1つの歯列に対して複数の断層画像(多断層画像)を表示可能に構成されている。
特許文献1および特許文献2に開示された技術は、X線源とX線撮像手段とを被検者の周りに旋回させながら被検者の1つの断層に対応した一連の撮影を行うことで複数のフレーム画像(フレームデータ)を取得し、記憶手段から読み出した各フレーム画像を所定距離ずつシフトさせながら加算する画像処理を行うことで、撮影対象の断層に関わらず任意断層のパノラマ画像を形成する。
このうち、特許文献1に開示されたパノラマ画像撮影装置では、利用者が、パノラマ画像を観察しながら、その画像上に、焦点をもっとも合わせたい関心のある局所的な領域を関心領域(ROI:Region of Interest)として設定することができる。このパノラマ画像撮影装置には、チンレストにマウスピースが着脱自在に取り付けられている。パノラマ撮影時に、このマウスピースを被検者に咥えてもらうことで、チンレストおよびマウスピースが被検者の口腔部の固定機能を果たす。なお、これに関して、従来から、歯科用X線断層撮影装置において、歯列位置決めに関する技術が知られている(特許文献3および特許文献4参照)。
特開2007−136163号公報 特開2006−180944号公報 特公平7−114773号公報 特開平10−314165号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、利用者の操作情報に応答して、関心領域で指定された、標準面のパノラマ画像上の関心領域のサイズを持つ断面から手前側又は奥側に位置をずらした断面を診る際に、そのずらした位置は、事前測定に用いたファントムの構造に規定されている。このため、利用者が所望する歯列の断層位置を自由に指定したり、その指定した断層位置を自由に見たりすることができない。したがって、自由に指定した歯列の断層位置において画像再構成を行うこともできない。また、利用者がドクターであれば、臨床上、被写体である歯列位置の再現性が重要となる。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、利用者が所望する被写体の断層位置で断層画像を再構成することのできる技術を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載のX線撮影装置は、X線撮影用の基準位置に位置付けされた被写体にX線を照射するX線源と、前記被写体を透過したX線を受光するX線撮像手段と、前記X線源と前記X線撮像手段とを前記被写体が収まるように所定の間隔を空けて保持するアームを所定の回転中心の周りに回転させる旋回駆動手段と、前記基準位置への被写体の位置付けに対応して当該装置に予め定められた標準断層位置における前記被写体のX線撮影結果である複数のフレーム画像を記憶するフレーム記憶手段と、指定された断層位置のパノラマ断層画像を生成するパノラマ用画像処理手段と、前記パノラマ断層画像を表示する表示手段とを有するX線撮影装置であって、被写体の型を写し取るために位置付け用補助具に付着された印象材により採取された前記被写体の印象を、前記旋回駆動手段の回転軸方向から視た前記標準断層位置を示す標準撮影軌道に位置合わせしてカメラで撮影したカメラ撮影画像を記憶するカメラ撮影画像記憶手段を備え、前記パノラマ用画像処理手段が、前記旋回駆動手段の回転軸方向から視た前記被写体の断層位置の軌道を前記カメラ撮影画像上に重畳して表示手段に出力し、表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を受け付け、選択および変形された軌道の情報に基づいて前記複数のフレーム画像の重ね合わせ幅を求め、前記選択および変形された軌道の断層画像を再構成することにより前記パノラマ断層画像を生成することを特徴とする。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、カメラ撮影画像記憶手段に、被写体の印象を標準撮影軌道に位置合わせした上で撮影したカメラ撮影画像を記憶し、標準断層位置における被写体のX線撮影結果をフレーム記憶手段に記憶している。そして、X線撮影装置は、パノラマ用画像処理手段によって、被写体の印象のカメラ撮影画像上に、被写体の断層位置の軌道を重畳して表示手段に出力する。ここで、被写体の断層位置としては、例えば装置固有の標準撮影軌道を採用できる。この標準撮影軌道は数多くの被写体の基本断層から統計的に求められるものであって、実際のX線撮影対象の個別の被写体の基本断層とは異なるものである。本発明のX線撮影装置は、被写体の印象のカメラ撮影画像上に、被写体の断層位置の軌道を例えば描画することで重畳するので、被写体の断層位置の軌道だけを表示して例えば標準撮影軌道だけに依存して選択する従来技術と比較すると、個別の被写体における所望の断層位置を容易に選択することが可能となる。
そして、本発明のX線撮影装置は、パノラマ用画像処理手段によって、表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を受け付ける。ここで、選択および変形の指示は、例えばGUIにより、表示画面上の入力操作から受け付けることができる。そして、X線撮影装置は、パノラマ用画像処理手段によって、選択および変形された軌道の情報に基づいて複数のフレーム画像の重ね合わせ幅を求め、その断層位置における断層画像を再構成することでパノラマ断層画像を生成する。
また、請求項2に記載のX線撮影装置は、請求項1に記載のX線撮影装置において、前記選択および変形された軌道の情報に基づいて、前記被写体の選択および変形された軌道の位置と、前記標準断層位置とのずれに応じて、前記被写体の選択および変形された軌道の位置において再構成された断層画像を拡大または縮小することで前記ずれが無い場合に想定されている画像の大きさに対応した画像サイズに補正する画像サイズ補正手段を備え、前記表示手段が、前記画像サイズが補正された断層画像を前記パノラマ断層画像として表示することを特徴とする。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、画像サイズ補正手段によって、再構成された断層画像を拡大または縮小し、選択および変形される前の標準撮影軌道に対応して予め設定されている表示画像のサイズと同じサイズで、標準断層位置からずれた位置において再構成された断層画像を表示することができる。そのため、個別の被写体における所望の断層位置の画像を、所望する他の断層位置の断層画像や他の被写体の断層画像と容易に比較することが可能となる。
また、請求項3に記載のX線撮影装置は、請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置において、前記X線撮影用の基準位置および前記標準撮影軌道に位置合わせされた前記カメラを前記アームに備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、被写体の印象を撮影するカメラを、X線撮影用の基準位置および標準撮影軌道に位置合わせさせた状態で備えている。したがって、被写体の印象のカメラ撮影画像を容易に取得し、保存することができる。また、被写体の印象のカメラ撮影画像を取得するための位置合わせ装置等を別に用意する必要が無い。
また、請求項4に記載のパノラマ用画像処理プログラムは、被写体の指定された断層位置のパノラマ断層画像を生成するために、X線撮影装置により被写体の撮影対象の断層をパノラマ撮影することで取得された複数のフレーム画像を記憶したフレーム画像記憶手段と、被写体の型を写し取るために位置付け用補助具に付着された印象材により採取された前記被写体の印象を、前記X線撮影装置の標準撮影軌道に位置合わせしてカメラで撮影したカメラ撮影画像を記憶するカメラ撮影画像記憶手段とを備えたコンピュータを、前記被写体の断層位置の軌道を描画する描画手段、前記描画された被写体の断層位置の軌道と前記カメラ撮影画像とを合成して表示手段に出力する合成手段、表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を受け付けて前記選択および変形された軌道の描画を前記描画手段に指示する変更受付手段、前記選択および変形された軌道の情報に基づいて前記複数のフレーム画像の重ね合わせ幅を求め、前記選択および変形された軌道の断層画像を再構成する画像再構成手段として機能させることを特徴とする。このように構成されることにより、このプログラムをインストールされたコンピュータは、このプログラムに基づいた各機能を実現することができる。
本発明によれば、X線撮影装置は、被写体の印象のカメラ撮影画像上に、被写体の断層位置の軌道を重畳して表示し、表示された断層位置の軌道の選択および変形により断層位置の指定を受け付け、その断層位置における断層画像を再構成することができる。したがって、利用者が所望する被写体の断層位置で断層画像を再構成することができる。その結果、その表示を視る利用者にとって使い易い画像を生成することができる。
以下、図面を参照して本発明のX線撮影装置を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について詳細に説明する。
[X線撮影装置の全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るX線撮影装置を模式的に示す構成図である。X線撮影装置1は、パノラマ撮影(パノラマX線断層撮影法)によって、被写体(人物)の上顎/下顎における歯列に沿った所定の断層におけるX線像を撮影して歯科用の断層画像を生成するものである。このX線撮影装置1は、図1に示すように、X線源2と、X線撮像手段3と、旋回駆動手段4と、A/D変換手段5と、画像記憶手段6と、パノラマ用画像処理手段7と、処理画像記憶手段8と、全画像表示記憶手段9と、第1出力手段10と、カメラ11と、補助具(位置付け用補助具)12と、画像記憶手段13と、カメラ画像用処理手段14と、処理画像記憶手段15と、全画像表示記憶手段16と、第2出力手段17と、第1入力手段18と、第2入力手段19とを備えている。
[X線撮影装置の概要]
<パノラマ断層画像>
X線撮影装置1により生成表示されるパノラマ断層画像(以下、単に断層画像ともいう)について図2を参照して説明する。図2は、被写体としての歯列に対応するように割り当てられた複数の断層を示す説明図である。図2に示す状態では、X線源2は、被写体である人物の歯列の臼歯部d側からX線を照射し、当該歯列の前歯部c側において、X線撮像手段3が受光しているが、撮影中には、X線源2およびX線撮像手段3は回転し、回転中心Oの位置はスライドする。図2では、歯列の前後の奥行き方向の中央に基本断層b0をとり、歯列の奥行き方向の後側(内側)に舌側断層bm、前側(外側)に頬側断層bnを例示した。ここで、mは舌側方向の断層の識別情報(m=−1,−2,−3,…)、nは頬側方向の断層の識別情報(n=1,2,3,…)をそれぞれ示す。ただし、図2では、舌側方向断層、頬側方向断層とも1つずつ例示した。断層は、頬側ほど回転中心Oから遠いので、パノラマ断層画像の横幅はその分長くなる。なお、被写体が人体の歯列である場合には、基本断層b0は、回転中心Oから前歯部c側の1番の中切歯までの距離が例えば50mm程度、舌側方向断層、頬側方向断層は、基本断層b0から例えば±30mm程度までの領域に設定することが好ましい。
<関心領域(ROI)>
X線撮影装置1が、第1入力手段18によって受け付ける操作入力情報としての関心領域(ROI)について説明する。図3は、入力された関心領域(ROI)の一例を示す図であって、(a)は画面表示されたパノラマ断層画像上で指定されたROI、(b)は指定されたROIに対応した奥行き方向の各断層をそれぞれ示している。関心領域(ROI)301は、利用者が断層画像を得たい領域(表示したい領域)として指定するものであり、図3(a)に破線で示すように、基本断層に対して再構成処理されたパノラマ断層画像上で例えば矩形の領域で示される。関心領域の範囲は、2次元座標値で指定される。利用者が、例えばマウスのクリック・アンド・ドラッグ操作で関心領域301を選択すると、パノラマ用画像処理手段7は選択された領域の座標値を検出する。
この関心領域(ROI)301を選択することは、歯列において、図3(b)の扇状の範囲を指定したことになる。つまり、図3(a)の関心領域301の左境界線302や右境界線303は、図3(b)では、基本断層上の点で表される。そして、図3(b)において基本断層上の点で表された左境界線302や右境界線303を指定したということは、図3(b)において、直線304,305を指定したことになる。なお、関心領域(ROI)301としてパノラマ断層画像全体を指定することも可能であるが、以下では、関心領域の指定があるときにはパノラマ断層画像の一部に関心領域が設定され、関心領域の指定がないときにはパノラマ断層画像全体に関心領域が設定されることとする。
図4は、本発明の実施形態に係るX線撮影装置のパノラマ用画像処理手段がROIからフレーム画像を抽出する処理を示す説明図である。ここで、標準撮影軌道の位置のパノラマ断層画像をB0と表記した。図4に示すように、パノラマ断層像画像B0上で矩形の関心領域の左上点およびその対角である右下点の2次元座標値がそれぞれ(x,y)、(x1,y1)として検出された場合には、パノラマ用画像処理手段7は、パノラマ断層画像B0の全体を構成しているすべてのフレーム画像gのうち、パノラマ断層画像B0において水平方向の座標xの地点から図中右側に幅(x1−x)の領域の部分を構成している複数のフレーム画像gを、抽出すべきフレーム画像gとして特定する。
利用者が図3(a)の関心領域301を選択すると、図4に示したように基本断層の位置(標準撮影軌道の位置)で撮影された全フレーム画像gのうち再構成処理に用いるべき複数のフレーム画像gが指定されたことになる。ただし、利用者が基本断層以外の断層位置の断層画像の表示を希望する場合には、関心領域301の選択だけでは足りない。
ここで、仮に、図3(b)に示したような基本断層の位置を含む歯列の平面図を画面表示により利用者に提示し、利用者から、例えば基本断層より1本内側の断層位置等を指定する情報を受け付けるといったことが考えられる。しかしながら、図3(b)に示した歯列の平面図は、その基本断層の位置と、X線撮影装置1の装置で標準的に予め決められている標準撮影軌道の位置に対応したものである。つまり、図3(b)に示した歯列の平面図の基本断層の位置は、数多くの被検者の協力で統計的に求められた理論的な歯列位置に対応しているものである。そのため、X線撮影対象の患者(被写体)をX線撮影装置1に位置づけしたときに、実際の歯列が、図5に示すように、理論的な歯列よりも例えば内側に位置する場合には、そのX線撮影対象の患者(被写体)の歯列の中央の断層位置と、理論的な歯列の基本断層の位置(標準撮影軌道の位置)との間にずれが生じる。そのため、X線撮影装置1の利用者(ドクター)が、X線撮影対象の患者(被写体)の歯列から実際に観察したい断層位置を、図3(b)に示した歯列の平面図から選択することは難しい。
そこで、本発明では、実際のパノラマ断層画像の再構成処理対象である、X線撮影対象の患者(被写体)の歯列の印象を事前に採取し、この印象のカメラ撮影画像を、X線撮影装置1の利用者(ドクター)が、所望の断層位置を選択するための画面表示に用いることとしたものである。
[X線撮影装置の各部の構成]
図1に戻って、X線撮影装置1の各部の構成を説明する。
X線源2は、図示しないスリットを有しており、このスリットを介して、X線撮影装置1のX線撮影用の基準位置に位置付けされた被写体にX線を照射することにより生成されるスリット状のビーム(X線ビーム)を所定のタイミングで被写体に照射するものである。ここで、被写体が位置付けされるX線撮影用の基準位置とは、例えば、撮影される人物が顎を載置する台であるチンレストの所定位置を示す。このX線撮影用の基準位置への被写体の位置付けに対応して、X線撮影装置1には標準断層位置が予め定められている。X線撮影装置1の旋回駆動手段4の回転軸方向から標準断層位置を視たときの軌道は、標準撮影軌道である。
X線撮像手段3は、X線源2から照射されて被写体を透過したX線を受光して、被写体のX線が透過した部分を所定のフレームレートで撮像するものである。X線撮像手段3は、X線イメージセンサやX線検出器、またはそれらの組合せである。ここで、イメージセンサは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOSイメージセンサ、TFT(Thin Film Transistor)センサ、CdTeセンサ等である。また、X線検出器は、X線イメージインテンシファイア(Image Intensifier:I.I.)、フラットパネル検出器(Flat Panel Detector:FPD)等である。本実施形態では、X線撮像手段3は、CMOSイメージセンサであるものとして説明する。この場合、1画素サイズを、例えば100μmとすることができる。
旋回駆動手段4は、アーム4aにX線源2とX線撮像手段3とを所定の間隔を空けて保持し、モータやアクチュエータ等の駆動により、アーム4aを所定の角速度で回転するように旋回させる。この間隔は、X線源2とX線撮像手段3との間に被写体Kが収まるように、例えば、30cm〜1mに設定される。なお、X線源2の照射部とX線撮像手段3の受光面とは対向して配置される。また、アーム4aは、回転中心Oの周りに回転可能に構成され、さらに回転中心Oを移動させるスライド動作が可能に構成されている。これにより、X線源2とX線撮像手段3とが所定の間隔を維持したまま、X線撮像手段3は、被写体の周囲の任意の方向の断層画像を撮影することができる。
この旋回駆動手段4と、X線源2と、X線撮像手段3とは、図示しないコントローラにより制御され、旋回駆動手段4がアーム4aを旋回しながらX線源2がX線を照射して撮影を繰り返し、X線の照射タイミングに同期してX線撮像手段3が被写体のX線像としてのフレーム画像(単純X線撮影像)を連続的に撮像してA/D変換手段5に出力する。
A/D変換手段5は、X線撮像手段3の出力信号(フレーム画像)を取得し、A/D変換(analog to digital translation)し、A/D変換したX線撮像手段3の出力信号(フレーム画像)を、画像記憶手段6に格納する。パノラマ用画像処理手段7は、画像記憶手段6から、そのフレーム画像を読み出して、これを用いて画像再構成処理した結果を、処理画像として処理画像記憶手段8に保存する。つまり、パノラマ用画像処理手段7は、A/D変換手段5が変換して出力したフレーム画像を取得してそれを処理する。
画像記憶手段6と、パノラマ用画像処理手段7と、処理画像記憶手段8と、全画像表示記憶手段9とは、例えば、一般的なコンピュータ(計算機)で実現することができ、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)と、入力/出力インタフェースとを含んで構成されている。
画像記憶手段(フレーム画像記憶手段)6は、X線撮像手段3で撮像されてA/D変換された被写体のX線像としてのフレーム画像を記憶するものであり、一般的な画像メモリやハードディスク等から構成される。このフレーム画像は、X線撮影用の基準位置への被写体の位置付けに対応して予め定められた標準断層位置における被写体のX線撮影結果である。
処理画像記憶手段8は、パノラマ用画像処理手段7で再構成処理結果として生成された複数枚の処理画像を記憶するものであり、一般的な画像メモリやハードディスク等から構成される。この処理画像記憶手段8は、パノラマ用画像処理手段7による画像の合成等の処理のために使用される。
全画像表示記憶手段9は、パノラマ用画像処理手段7で再構成処理結果として生成され第1出力手段10に表示すべき断層画像(指定された断層に対応した断層画像)を記憶するものであり、一般的な画像メモリ等から構成される。この断層画像は、例えば、輝度値で表される。
第1出力手段(表示手段)10は、パノラマ断層画像を表示するモニタであって、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electronic Luminescence)等から構成される。第1出力手段10は、第1入力手段18により指定されて生成表示される断層画像に対応した断層ごとに、パノラマ用画像処理手段7で処理された断層画像を連続的に出力することができる。
第1入力手段18は、例えば、マウス、キーボード、ディスクドライブ装置などから構成される。本実施形態では、第1入力手段18は、生成表示される断層画像を指定するためにパノラマ用画像処理手段7に入力される情報として、基本断層b0に対して再構成処理されたパノラマ断層画像上において関心領域(ROI:Region of Interest)の範囲を示す2次元座標値や、関心領域に含まれる断層(断層域)を指定するための操作入力情報の入力を受け付ける。
このために、第1入力手段18は、コンピュータに対してマウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いてデータを入力するGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を含み、このポインティングデバイスの操作位置座標をパノラマ用画像処理手段7に入力する。これにより、パノラマ用画像処理手段7は、第1入力手段18から入力された操作位置座標に基づいて、断層位置の軌道を描画して第1出力手段10に出力する。
パノラマ用画像処理手段7は、A/D変換手段5の出力信号としてフレーム画像を取得し、画像記憶手段6に格納する。このパノラマ用画像処理手段7は、画像再構成処理の機能と、利用者が断層位置を選択するための画像を表示する機能とを有している。パノラマ用画像処理手段7は、画像再構成処理の機能として、画像記憶手段6に記憶された複数のフレーム画像を処理画像記憶手段8に展開して水平方向に重ね合わせることにより、任意の指定された断層位置のパノラマ断層画像を再構成する。再構成された断層画像は、全画像表示記憶手段9を介して第1出力手段10に出力される。
また、パノラマ用画像処理手段7は、画像再構成処理の前処理として、第1入力手段18で入力されたパノラマ断層画像B0の2次元座標値の水平方向の値に基づいて、関心領域(ROI)の選択を受け付け、さらに、後記する断層域選択画面で指定される断層位置に基づいて、パノラマ断層画像B0を構成する全フレーム画像のうち関心領域を構成するフレーム画像を抽出する。なお、パノラマ用画像処理手段7の処理の詳細は後記する。
補助具(位置付け用補助具)12には、被写体の型を写し取るための印象材が付着される。補助具12は、X線撮影装置1に対して着脱自在なものである。補助具12としては、例えば、X線撮影の対象である被写体をX線撮影装置1に対して位置づけするための補助的な市販器具を用いることができる。
カメラ11は、補助具12に付着された印象材に写し取られた印象を撮影するものであり、デジタル出力を持つ汎用的なカメラで構成される。カメラ11は、被写体の印象を、旋回駆動手段4の回転軸方向から視た標準断層位置を示す標準撮影軌道に位置合わせして真上から撮影する。このために、カメラ11は、アーム4aの所定位置に、X線撮影用の基準位置および標準撮影軌道に位置合わせされた状態で固定されている。この撮影により取得された画像を、単に、カメラ撮影画像という。
画像記憶手段13、カメラ画像用処理手段14、処理画像記憶手段15、全画像表示記憶手段16、第2出力手段17および第2入力手段19は、印象のカメラ撮影画像のための構成であって、それぞれ、前記したX線撮影画像のための構成である画像記憶手段6、パノラマ用画像処理手段7、処理画像記憶手段8、全画像表示記憶手段9、第1出力手段10および第1入力手段18と同様なものである。したがって、説明を適宜省略し、異なる機能を説明する。なお、これら印象のカメラ撮影画像のための構成と、X線撮影画像のための構成とを分けることなく共通な構成で共用することもできる。
画像記憶手段13は、カメラ11で撮影された印象のカメラ撮影画像を記憶する。
カメラ画像用処理手段14は、パノラマ用画像処理手段7を介して第1入力手段18から入力されるコマンドに基づいて、指定された印象のカメラ撮影画像を画像記憶手段13から読み出す。そして、読み出したカメラ撮影画像を処理画像記憶手段15に展開して、コマンドに基づいて、例えば、移動、回転、拡大/縮小等の処理を行う。なお、例えば、第2入力手段19から入力されるコマンドに基づいて同様の処理を行うように構成することもできる。
全画像表示記憶手段16は、カメラ画像用処理手段14の処理結果として生成されたカメラ撮影画像(指定された印象のカメラ撮影画像)を記憶するものであり、このカメラ撮影画像を、カメラ画像用処理手段14と同様にコマンドに基づいて、第2出力手段17に出力する。なお、カメラ撮影画像を第1出力手段10に出力してもよい。
第2出力手段17は、印象のカメラ撮影画像を表示する。なお、第2出力手段17は、第1出力手段10と独立なデバイスである必要はなく、第1出力手段10の表示画面を用いて別の表示モードを表示するようにしても良いし、第1出力手段10の表示する全画面のうちの一部の領域に小画面で表示するようにしてもよい。
第2入力手段19は、印象のカメラ撮影画像を取得、保存するためにカメラ11の動作を操作するためのコマンドや画像のファイル名といった必要な情報を入力するためのものである。本実施形態では、一例として、第2出力手段17のモニタに「印象撮影」ボタンを表示し、これをマウス等でクリックすることでカメラ撮影を行うものとする。
このX線撮影装置1において、前記したパノラマ用画像処理手段7は、旋回駆動手段4の回転軸方向から視た被写体の断層位置の軌道をカメラ撮影画像上に重畳して第1出力手段10に出力し、表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を受け付け、選択および変形された軌道の情報に基づいて複数のフレーム画像gの重ね合わせ幅を求め、選択および変形された軌道の断層画像を再構成することによりパノラマ断層画像を生成する。
[X線撮影装置の作業の流れと処理の流れ]
次に、X線撮影装置1における作業の流れと処理の流れについて図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施形態に係るX線撮影装置を用いた作業の流れと処理の流れを示すフローチャートである。X線撮影装置1の利用者が行う作業の流れは、大きく3つのフェーズに分けることができる。第1フェーズは、X線撮影装置1によるX線撮影対象である被写体(患者)から写し取る印象の撮影画像を取得する第1事前作業である。第2フェーズは、X線撮影対象である被写体(患者)のパノラマ画像を取得する第2事前作業である。第3フェーズは、X線撮影装置1によって、ROIの画像とナビゲート表示を生成するための選択操作を行うメイン作業である。
<第1フェーズ>
まず、利用者は、印象材付補助具により被写体(患者)の歯列の印象を採取し(ステップS1)、印象を採取した印象材付補助具をX線撮影装置1に取り付ける(ステップS2)。そして、利用者は、採取した印象を真上からカメラ11で撮影し(ステップS3)、カメラ撮影画像をX線撮影装置1に取り込む(ステップS4)。
<第2フェーズ>
次に、利用者は、被写体(患者)を導入し、X線撮影装置1に位置付ける(ステップS5)。そして、利用者は、X線撮影装置1によって、歯列のパノラマ画像をX線撮影し(ステップS6)。撮影した標準断層位置のパノラマ画像をモニタ(第1出力手段10)に表示させる(ステップS7)。前記したステップS5において、被写体(患者)をX線撮影装置1に位置付ける方法は、例えば、印象材付補助具を取り外して患者をチンレスト26に固定することにより行う。なお、患者に印象材付補助具を咬んでもらうことで位置付けすることもできる。
<第3フェーズ>
X線撮影装置1は、パノラマ画像をモニタ(第1出力手段10)に表示すると共に、第2出力手段17では、印象のカメラ撮影画像を表示する断層域選択画面において、現在選択されている断層位置を表す軌道を重畳してナビゲート表示する(ステップS7)。なお、現在選択されている断層位置を表す軌道の初期状態は、図17(a)に示すように、X線撮影装置1で予め決まっている基本断層の軌道(標準撮影軌道)である。
ここで、利用者は、モニタ上でROIを選択し、第2出力手段17の画面上で所望の断層位置を選択することができる。X線撮影装置1は、ROIの断層が新たに選択されたか否かを判別する(ステップS9)。ROIの断層が新たに選択された場合(ステップS9:Yes)、X線撮影装置1は、新たに選択された断層位置の断層画像を再構成し(ステップS10)、図17(b)に示すように、再構成されたパノラマ画像をモニタ(第1出力手段10)にあらためて表示し(ステップS11)、ステップS8に戻る。なお、断層が新たに選択されずに、終了コマンドが実行された場合(ステップS9:No)、X線撮影装置1は処理を終了する。
(補助具の構成例)
図7は、本発明の実施形態に係るX線撮影装置に装着される補助具の一例を示す平面図である。補助具12は、例えば透明な樹脂で構成され、歯列に対応してU字状に形成され、このU字部には、図8に示すように印象材21が付着される。なお、図8では、印象22が既に写し取られた状態を図示している。補助具12には、印象材が固着し易いようにU字部の適所に穴が設けられている。また、U字部の正中線601の位置に鉄球602が埋め込まれている。なお、図7に示すように、補助具12には、印象材を付着させない位置に、ねじ止め可能な穴を有する係止部が設けられている。
(補助具の位置合わせ)
補助具12が、X線撮影装置1に装着される位置は、次のように位置合わせされる位置である。すなわち、補助具12の正中線601の位置に埋め込まれた鉄球602と、X線撮影装置1の正中線と、X線撮影装置1の撮影軌道の前歯部側の頂点(基準位置)との位置が一致する位置である。なお、本実施形態のX線撮影装置1は、X線撮影装置1において被写体を固定するときの正中線と、X線撮影装置1の撮影軌道の前歯部側の頂点(基準位置)との位置が一致するように構成されていることは、後記する3Dファントムで検証されているものとしている。
(カメラ取付位置)
カメラ11は、前記したように補助具12がX線撮影装置1に装着される位置に合わせて、真上から補助具12を撮影できる位置に取り付けられている。この取り付け位置の詳細について図9を参照して説明する。図9は、図1にブロック図で示した示すX線撮影装置1の外観の一例を示している。図9に示すX線撮影装置1において、床に固定されたベース23上に設けられた支柱24に対して旋回駆動手段4が上下に移動できるように接続されている。ここでは、外観を簡略化して示しているので、旋回駆動手段4のアーム4aが保持するX線源2とX線撮像手段3とはそれぞれ専用ユニットに収納されており、また、図1に示したパノラマ用画像処理手段7等の制御部、操作部、表示部は支柱24の上部のコントローラ25に一括収納されているものとしている。
図9の破線603で示す領域の拡大図に示すように、X線撮影装置1は、X線撮影時に被写体(患者)を位置付けするための上下に移動可能なチンレスト26を備えている。前記した第2フェーズにおいて、被写体(患者)を位置付けする場合、例えば、チンレスト26から補助具12を取り外し、人物が図9において右側を正面として1番の中切歯で位置付けされる。このとき、前後に移動可能なフォアヘッドサポート27で前頭部が固定され、左右に移動可能なサイドヘッドサポート28で側頭部が左右から固定される。
一方、前記した第1フェーズにおいて、印象のカメラ撮影画像を取得する場合、補助具12をチンレスト26に水平に固定する。固定する際には、補助具12の正中線601の位置に埋め込まれた鉄球602と、X線撮影装置1の正中線とを一致させる。そして、この一致した状態で、補助具12の正中線601の位置に埋め込まれた鉄球602と、アーム4aの下面とを鉛直方向で結ぶ線が、アーム4aの下面に交わる位置であるカメラ取付位置604にカメラ11が取り付けられる。
より詳細には、カメラ取付位置604は、カメラ11のレンズ中心そのものである必要はなく、図10に示すように、カメラ11の画角に印象22や鉄球602が含まれればよい。図10において、Hは、X線撮影装置1に固定された補助具12のU字部の縦方向(以下、単に高さという)において画角に収まっている実際の距離を表している。ここで、添字の「b」は実際の距離であることを示す。また、図10において、hはカメラ11から補助具12までの実際の距離の一例を表している。なお、本実施形態では、一例として、距離は、mmを単位として測定することとする。
カメラ撮影画像605は、図10に示す画角に対応して補助具12に印象材21を付着していない状態で取得したものである。このカメラ撮影画像605の寸法を示すHは、補助具12の画像のU字部の縦方向(以下、単に高さという)をピクセル(pixel)単位で表したものを示す。ここで、cはカメラ画像であることを示す。また、カメラ撮影画像605の寸法を示すWは、補助具12の画像のU字部の横方向(以下、単に幅という)をピクセル(pixel)単位で表したものを示す。なお、補助具12の実寸と、カメラ撮影画像605のピクセル数との対応を求める計算式については、後記する。
前記したステップS4に対応してカメラ撮影画像605の取り込みプロセスの一例を図11に示す。この場合、利用者は、X線撮影装置1のモニタ(第2出力手段17)に表示された「印象撮影」ボタンをクリックする(ステップS21)。これに応じて、X線撮影装置1は、カメラ11によって撮影したカメラ撮影画像605を転送し、画像記憶手段13に保存する。
X線撮影したパノラマ断層画像B0をもとに別の断層を再構成しようとするとき、再構成においてもととする基本断層位置は、設定した撮影モードにおける標準撮影軌道と同じである。このことから、以下のように撮影軌道をカメラ画像上に配置することで、現在表示している断層位置を得ることができる。
前記したステップS8に対応して、断層域選択画面のナビゲート表示の初期状態について図12を参照して説明する。初期状態では、撮影軌道表示処理プロセスは、より詳細には、次の工程を含む。まず、X線撮影装置1は、パノラマ用画像処理手段7によって、カメラ撮影画像を読み込み(ステップS31)、撮影モードに対応した撮影軌道座標テーブルを読み込む(ステップS32)。本実施形態では、撮影モードは、成人用の標準パノラマモードと、小児用のパノラマモードとを有している。そして、X線撮影装置1は、成人用の標準パノラマモードで用いる撮影軌道座標値を予め登録したテーブル(単に標準テーブルという)と、小児用のパノラマモードで用いる撮影軌道座標値を予め登録したテーブル(単に小児テーブルという)とを予め記憶手段に格納している。ここで、撮影軌道座標値は、後記する検証用の3Dファントムに基づいて登録されているものとする。なお、ステップS31は、ステップS34の前であれば、その順序は限定されず、並列処理も可能である。
ステップS32に続いて、X線撮影装置1は、カメラ撮影画像上に配置する撮影軌道座標値を算出する(ステップS33)。この処理は、後記する検証用の3Dファントム上の実寸距離に対応した座標値を、画像上の座標値(画面上のピクセル値)に変換する処理である。なお、本実施形態のようにカメラ11を固定して実寸とピクセル値との対応が不変であれば、記憶するテーブルの段階でピクセル値に換算しておくことも可能である。
続いて、X線撮影装置1は、算出した座標値をカメラ撮影画像上に配置する(ステップS34)。すなわち、算出した座標値の位置にCG等で描画する。そして、X線撮影装置1は、配置した座標値をもとに、第2出力手段17に描画した断層位置を表示する(ステップS35)。描画に用いるCG画像は、特に限定されないが、図17に示すように、例えば歯の個数と同じ数の比較的大きなドット(ポイント)と、ポイント間を結ぶラインとを用いることができる。なお、ラインは直線に限らず、滑らかに補間する曲線等でもよい。ポイントの個数もこれに限らない。
(検証用ファントム)
前記したように、X線撮影装置1は、補助具12を装着したときにその位置合わせが完了するように構成されている。このことを裏付ける検証用の3Dファントムについて図13および図14を参照して説明する。なお、この検証は、X線撮影装置1が利用者に利用される前に、X線撮影装置1を製造して利用可能に完成した後に行うものである。したがって、X線撮影装置1を用いた作業の流れや処理プロセスに現れるものではない。
図13に3Dファントム606の鳥瞰図の一例を示す。3Dファントム606は、図13において左側が最も高い平面になっており、右側、上側、下側に向かうほど低くなっている。3Dファントム606は、X線撮影装置1の標準撮影軌道607に対応して作成されているものである。標準撮影軌道607のうち、図13において右半分が歯列に対応し、左半分が頭蓋骨の顎部等に対応している。
図13において、608の符号で示す直線と、標準撮影軌道607との交点(計25箇所)が、標準テーブルに予め登録された撮影軌道座標に対応している。この撮影軌道座標は、原点0を基準にしている。その値を(X0,Y0)とする。原点0から図13において上側の交点の位置を順番に「1,…,12」で図示し、「左側1番,…,左側12番」と呼び、それら交点の座標値を、(XL1,YL1),…,(XL12,YL12)とする。同様に、原点0から図13において下側の交点の位置を順番に「1,…,12」で示し、「右側1番,…,右側12番」と呼び、それら交点の座標値を、(XR1,YR1),…,(XR12,YR12)とする。
図14には、小児用撮影軌道609を3Dファントム606上に示す。小児用撮影軌道609は、標準撮影軌道607より小さいだけで同様なものなので、説明を省略し、以下では、図13に示した標準撮影軌道607を用いて説明する。
次に、標準撮影軌道607と、補助具12との位置合わせについて図15を参照して説明する。X線撮影装置1では、標準撮影軌道607の一点である図13の原点0を、図15に示す補助具12の鉄球602に位置合わせしている。図15は、実物に相当する補助具12の実寸と、その平面座標との関係を示す図である。
補助具12の実寸を図15に示すように定義する。ここで、Hは、前記したように、X線撮影装置1に固定された補助具12のU字部の高さにおいて画角に収まっている実際の距離を表している。また、Wは、補助具12のU字部の幅において画角に収まっている実際の距離を表している。平面座標の原点を、図15に示す(0,0)の位置に設定する。このとき、平面座標の原点(0,0)を基準にした鉄球602の位置座標までのU字部の高さ方向(x座標)における実寸をHで示す。同様に、鉄球602の位置座標までのU字部の幅方向(y座標)における実寸をWで示す。
図15に示す補助具12の実寸と、図10に示す補助具12の画像であるカメラ撮影画像605のピクセル数との関係から、式(1)に示すように、1ピクセル当たりの長さLp[mm/pixel]を求めることができる。
p=W/W … 式(1)
この式(1)を用いて、前記したステップS33においてカメラ撮影画像上に配置する撮影軌道座標値を算出する方法を説明する。図15に示すように、平面座標の原点(0,0)から、補助具12の正中位置の鉄球602までの距離が、幅W[mm]および高さH[mm]である場合ということは、次のように言い換えることができる。すなわち、図15に示す平面座標の原点(0,0)を、図13に示した3Dファントム606の原点0の座標値(X0,Y0)に置き換えると、平面座標の原点(0,0)のy座標である実寸値Y[mm]から鉄球602までの実際の幅がW[mm]となる。同様に、平面座標の原点(0,0)のx座標である実寸値X[mm]から鉄球602までの長さ(高さ)がH[mm]となる。
したがって、図10に示す補助具12のカメラ撮影画像において、平面座標の原点(0,0)を図15と同様な位置に設定すれば、平面座標の原点(0,0)のx座標から、補助具12の正中位置の鉄球602の画像の位置までの幅方向のピクセル数は、前記した式(1)を用いることで、式(2)で算出されることになる。同様に、平面座標の原点(0,0)のy座標から、補助具12の正中位置の鉄球602の画像の位置までの高さ方向のピクセル数は、式(3)で算出されることになる。
/L(pixel) … 式(2)
/L(pixel) … 式(3)
図13および図15で定義した平面座標をもとに、原点(0,0)=原点0(X0,Y0)から、図13に示す標準撮影軌道607と、直線608との各交点までの水平方向の距離(高さ)および垂直方向の距離(幅)の実寸を算出することができる。その一例を表1に示す。なお、水平方向および垂直方向の距離を算出する際、求めた値は絶対値をとったものとする。
Figure 2010148676
この表1に示した水平方向および垂直方向の距離[mm]を、前記した式(1)に示す1ピクセル当たりの長さLp[mm/pixel]で割ることで、カメラ撮影画像上に描画する際に必要なピクセル位置を算出することができる。この換算値を表2に示す。
Figure 2010148676
次に、前記したステップS9〜S11で示した関心領域の断層選択および表示プロセスの一例について図16を参照して説明する。X線撮影装置1は、利用者の操作によって第1入力手段18から表示画面の選択指示を受け付けると、第1出力手段10や第2出力手段17のモニタに、所望の断層域を設定するための断層域選択画面を表示する。このとき、図17(a)に示すように、印象のカメラ撮影画像上に、基本断層(標準撮影軌道)が重畳して表示される。このようにパノラマ撮影の基本断層(標準撮影軌道)を、印象のカメラ撮影画像上に表示することで、利用者は、X線撮影対象の被写体(患者)の実際の歯列が、X線撮影装置1で予め設定されている基本断層から、どの程度ずれが発生しているかを明確に知ることができる。
そして、利用者は、モニタに表示された断層域選択画面において、基本断層(標準撮影軌道)のポイントを、マウス操作にて利用者が所望する関心領域の断層に合わせる(ステップS41)。操作により移動したポイントの位置情報は、第1入力手段18からパノラマ用画像処理手段7に入力する。パノラマ用画像処理手段7は、取得した位置座標に基づいて、図17(b)に示すように断層位置の軌道を描画して第1出力手段10に出力する。利用者は、移動後に表示された軌道を確認することで、微妙なマウス操作を行うことができる。
そして、利用者は、断層域選択画面において、画面表示される図示しない「設定」ボタンをマウスでクリックする(ステップS42)。これにより、X線撮影装置1は、パノラマ用画像処理手段7によって、選択された関心領域の断層域の画像を再構成し、処理結果としてのパノラマ画像を第1出力手段10(モニタ)に表示する(ステップS43)。
[パノラマ用画像処理手段の機能ブロック]
図18は、本発明の実施形態に係るX線撮影装置のパノラマ用画像処理手段の機能を示すブロック図である。パノラマ用画像処理手段7は、図18に示すように、大別して、断層域選択受付手段40と、画像再構成手段50と、画像サイズ補正手段60とを備えている。また、処理画像記憶手段8には、パノラマ用画像処理手段7が参照する情報として、カメラ撮影画像31と、標準テーブル32と、小児用テーブル33とが記憶されている。
カメラ撮影画像31は、図10に示すカメラ撮影画像605と同様な画像である。ただし、図8に例示したように印象材21が付着されて印象22が写し取られた状態の補助具12の画像である。
標準テーブル32は、図13に示したように、3Dファントム606において、608の符号で示す直線と、標準撮影軌道607との交点(計25箇所)を示す座標値を格納したテーブルであり、前記した表1のような記憶構造を有している。なお、左右とも1番〜8番の座標が歯列の位置に相当するので、9番〜12番の座標は使用しなくてもよい。
小児用テーブル33は、同様に図14を参照して説明した座標値を格納したテーブルである。
断層域選択受付手段40は、図18に示すように、カメラ撮影画像読込手段41と、テーブル読込手段42と、座標値算出手段43と、描画手段44と、合成手段45と、ポイント変更受付手段46とを備えている。
カメラ撮影画像読込手段41は、処理画像記憶手段8から、指定されたカメラ撮影画像31を読み込み、合成手段45に出力するものである。
テーブル読込手段42は、処理画像記憶手段8から、指定されたテーブル(標準テーブル32または小児用テーブル33)を読み込み、座標値算出手段43に出力するものである。
座標値算出手段43は、カメラ撮影画像上に描画する際に必要なピクセル位置を算出するものである。この座標値算出手段43は、前記した式(1)〜式(3)に基づいて、前記した表2のような換算値を算出し、算出結果を描画手段44に出力する。
描画手段44は、座標値算出手段43で算出された被写体の断層位置の軌道を描画するものである。
合成手段45は、描画手段44で描画された被写体の断層位置の軌道と、カメラ撮影画像読込手段41で読み込んだカメラ撮影画像とを合成することで断層域選択画面を生成し、第1出力手段10に出力するものである。
なお、描画手段44や合成手段45は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、または、CPUやFPGA(Field Programmable Gate Array)から構成され、所定のプログラムをRAMに展開して実行することで前記した機能を果たす。
ポイント変更受付手段(変更受付手段)46は、第1出力手段10に表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を第1入力手段18から受け付けて、選択および変形された軌道の描画を描画手段44に指示するものである。ここで、選択および変形された軌道の情報は、画像再構成手段50に出力される。このポイント変更受付手段46は、第1入力手段18(GUI)に係る処理を行う。
画像再構成手段50は、断層域選択画面を表示するための前提として、関心領域(ROI)の選択を受け付けるために、初期状態では、パノラマ断層画像B0を構成する。すなわち、画像再構成手段50は、画像記憶手段6に蓄積されたフレーム画像gを組み合わせて重畳する際に、フレーム画像gの組合せを適宜変更して、基本断層b0に対応したパノラマ断層画像B0を生成する。
また、この画像再構成手段50は、ポイント変更受付手段46から選択および変形された軌道の情報を取得した場合、この選択および変形された軌道の情報に基づいて、パノラマ断層画像B0を構成する複数のフレーム画像gの重ね合わせ幅を求め、各フレーム画像gのデータをメモリ上で重畳することにより、選択および変形された軌道(指定された断層域)の断層画像を再構成する。画像再構成手段50によって生成されるパノラマ断層画像B0や再構成された断層画像の情報は、画像サイズ補正手段60に出力される。
画像サイズ補正手段60は、第1入力手段18から受け付ける、選択および変形された軌道の情報に基づいて、被写体の選択および変形された軌道の位置と、標準断層位置とのずれに応じて、被写体の選択および変形された軌道の位置において画像再構成手段50で再構成された断層画像を拡大または縮小することで、ずれが無い場合に想定されている画像の大きさに対応した画像サイズに補正するものである。ここでは、画像サイズ補正手段60は、垂直方向補正手段61と、水平方向補正手段62とを備えるものとした。
垂直方向補正手段61は、垂直方向の画像サイズを補正するものであり、水平方向補正手段62は、水平方向の画像サイズを補正するものである。画像サイズの拡大/縮小を行う補正の原理(以下、単に、サイズ補正原理という)について、図19および図20を参照して説明する。サイズ補正原理には、被写体とX線源2との位置関係を考慮した原理(サイズ補正原理A)と、選択された断層域(関心領域)と旋回駆動手段4の回転中心Oとの位置関係を考慮した原理(サイズ補正原理B)との2種類がある。
(図19に示す例の前提)
X線撮影装置1は、旋回駆動手段4のアーム4aにX線源2とX線撮像手段3とが保持されているので、X線源2とX線撮像手段3の受光面との距離は一定であり、かつ、X線源2とX線撮像手段3とは回転中心Oの周りに回転することを前提としている。また、図19では、正規の断層位置である標準断層位置701(ある瞬間の標準撮影軌道;破線の位置)は、回転中心Oから距離rだけ離れた位置である。そして、X線撮像手段3は、標準断層位置701にある被写体を撮像したときに、適切な大きさの被写体画像が取得され、その適切な大きさで表示できるように調整されている。ここで、X線源2と標準断層位置701との間の距離をa、X線撮像手段3と標準断層位置701との間の距離をbとする。
(サイズ補正原理A)
サイズ補正原理Aは、X線源2とX線撮像手段3との被写体が、固定された一方のX線源2に対して近づくと、他方のX線撮像手段3で撮像される被写体の画像の大きさは、その分だけ拡大し、逆に、被写体をX線源2から遠ざけると、その画像の大きさは縮小することになるというものである。
図19に示すように、関心領域の歯列の位置702(太線の位置)は、標準断層位置701から回転中心O側(図19において左側)に所定の距離Lだけずれている。この場合、関心領域の歯列の位置702を、固定されたX線源2に対して近づけると(図19において左側に移動すると)、X線撮像手段3で撮像される画像の大きさは、X線撮影装置1で予め定めている画像の大きさに比べて拡大することになる。
より詳細には、X線撮影装置1では、標準断層位置701にあると仮定する被写体(正規の位置の被写体)に対して、次の関係を想定している。すなわち、図19において、正規の位置の被写体は、X線撮像手段3の受光面では、実際よりも(a+b)/a倍のサイズに拡大して撮影されるので、表示画面上では、実際の被写体サイズよりも拡大して表示される。ゆえに、(a+b)/aを拡大率といい、これをMで表す。
Figure 2010148676
また、関心領域の歯列の位置702にあると仮定する被写体(関心領域の位置の被写体)は、X線撮像手段3の受光面では、同様に拡大して撮影される。このときの拡大率をMで表す。
Figure 2010148676
拡大率Mは、拡大率Mよりも大きいので、歯列の位置が正規の位置からX線源2側にずれたことに起因して拡大した割合Mは、式(6)で表される。
Figure 2010148676
つまり、関心領域の位置が、正規の位置から距離Lだけずれたことに伴い、被写体の画像は、水平方向も垂直方向もM倍だけ余計に拡大して表示される。
(サイズ補正原理B)
サイズ補正原理Bは、X線源2とX線撮像手段3との被写体が、固定された回転中心Oに対して近づくと、X線撮像手段3で撮像される被写体の画像の大きさは、その分だけ縮小し、逆に、被写体を回転中心Oから遠ざけると、その画像の大きさは拡大することになるというものである。そのため、サイズ補正原理Bは、被写体の画像の水平方向にだけ画像サイズの影響を及す原理である。
前記したように、関心領域の歯列の位置702は、標準断層位置701から回転中心O側に距離Lだけずれている。言い換えると、関心領域の歯列の位置702は、回転中心Oから所定距離(L−r)だけ図19において右側に離れている。この場合、関心領域の歯列の位置702を、回転中心Oに対して近づけると(図19において左側に移動すると)、X線撮像手段3で撮像される画像の大きさは、X線撮影装置1で予め定めている画像の大きさに比べて縮小することになる。
より詳細には、X線撮影装置1では、標準断層位置701にあると仮定する被写体(正規の位置の被写体)のフレーム画像を用いて画像再構成したときに、前記した式(4)の拡大率Mで正しく表示されるようになっている。ところが、図19に示すように、関心領域の歯列の位置702が回転中心Oに近づいてしまったので、フレーム画像を用いて同様に画像再構成すると、関心領域の位置の被写体の画像は、拡大率Mで正しく表示されることはなく、想定した拡大率Mよりも縮小して表示されてしまう。このとき縮小した割合Nは、式(7)で表される。
Figure 2010148676
以上をまとめると、垂直方向の補正には、サイズ補正原理A(式(6))を用いればよく、水平方向の補正には、サイズ補正原理Aおよびサイズ補正原理B(式(6)と式(7))を用いればよい。したがって、画像サイズ補正手段60の垂直方向補正手段61は、画像再構成手段50で再構成された断層画像の垂直方向のサイズに、式(8)に示す垂直方向拡大率vを乗算することにより、再構成された断層画像の垂直方向のサイズを補正する。
Figure 2010148676
また、水平方向補正手段62は、再構成された断層画像の水平方向のサイズに、式(9)に示す水平方向拡大率hを乗算することにより、再構成された断層画像の水平方向のサイズを補正する。
Figure 2010148676
(図20に示す例)
次に、図20を参照して説明する。図20に示す例と、図19に示した例とは、前提において、関心領域の歯列の位置702(太線の位置)が相違している。すなわち、図20に示す例では、標準断層位置701からX線撮像手段3側(図20において右側)に距離Lだけずれている。また、関心領域の歯列の位置702は、回転中心Oから所定距離(L+r)だけ図20において右側に離れている。
これらの相違点を除けば、同様にサイズ補正原理を導けるので詳細な説明は省略する。図20に示す例におけるサイズ補正原理によると、前記した式(5)、式(6)および式(8)において、「a−L」をそれぞれ「a+L」に置き換え、かつ、前記した式(7)および式(9)において、「r−L」をそれぞれ「r+L」に置き換えれば、対応する関係式を導くことができる。
図19あるいは図20に示す例で説明したように補正した後、第1出力手段10は、画像サイズが補正された断層画像をパノラマ断層画像として表示することができる。ここで、図20に示す例に対応する表示画像例を図21に示す。なお、図21では、図20に対応させる目的のために、標準断層位置701、すなわち撮影軌道を破線(内側の線)で示し、かつ、関心領域の歯列の位置702、すなわち変形された軌道を実線(外側の線)で示した。ただし、断層域選択画面では、初期状態において、印象と共に標準断層位置701だけが表示され、続いて、利用者が選択した結果の表示として関心領域の歯列の位置702が表示されることになる。
図21に示す距離Lが前記した式(5)〜式(9)中のずれ幅Lである。ここでは、簡単のため、標準断層位置701の軌道と、関心領域の歯列の位置702の軌道とが、どの位置でも一定の距離Lだけ離間しているものとした。このX線撮影装置1のパノラマ用画像処理手段7では、例えば、合成手段45と、ポイント変更受付手段46とによって距離Lの情報を取得し、画像サイズ補正手段60に通知することができる。
図19あるいは図20に示す例において、画像サイズ補正手段60は、フレーム画像を歯列の位置(関心領域)で断層再構成した場合に得られる所望の断層画像において、その画像垂直方向および画像水平方向の画像サイズに、前記した式(8)および式(9)の拡大率あるいはその符号を置換した関係式を適用することで補正する。これにより、正規の断層域で得られる断層画像と同様の大きさで表示されることになる。
具体的には、
正規の断層域で得られる画像の幅 :W
正規の断層域で得られる画像の高さ :H
歯列の位置(関心領域)で得られる画像の幅 :W
歯列の位置(関心領域)で得られる画像の高さ:H
とすると、式(10)および式(11)の関係式が得られる。
=H×v … 式(10)
=W×h … 式(11)
したがって、式(8)に示す垂直方向拡大率vや式(9)に示す水平方向拡大率hに対して次の用途1、用途2が考えられる。
(用途1)前記した式(8)および式(9)のように算出した拡大率を用いて、パノラマ画像の画像再構成を行うことができる。
(用途2)パノラマ撮影画像において最もピントが合っている位置の拡大率を算出することで、サイズ補正後の断層画像として、正規の断層域に対してどの程度拡大/縮小した画像が表示されているかを明確にすることができる。
これらの考えから、例えば関心領域の歯列の位置702が最もピントが合っている断層位置であるとした場合、関心領域の歯列の位置702で断層再構成した際の、画像垂直方向および画像水平方向の画像サイズを、被写体の実寸サイズに補正することも可能である。これは、前記した式(4)の拡大率Mを「1」にすることに相当する。
関心領域の歯列の位置702で断層再構成した場合の、画像垂直方向および画像水平方向の画像サイズを、被写体のサイズに補正するための垂直方向の補正率(垂直サイズ補正率)v、および水平方向の補正率(水平サイズ補正率)hは、それぞれ式(12)、式(13)で表される。
Figure 2010148676
被写体の実寸サイズに補正するための垂直サイズ補正率v、および水平サイズ補正率hを用いて、被写体サイズに補正するときの関係は以下のようになる。
具体的には、
歯列の位置(関心領域)で得られる画像の幅 :W
歯列の位置(関心領域)で得られる画像の高さ:H
被写体位置での画像の幅 :W′
被写体位置での高さ :H′
とすると、式(14)および式(15)の関係式が得られる。
W′=W×h … 式(14)
H′=H×v … 式(15)
したがって、式(12)に示す垂直サイズ補正率vや式(13)に示す水平サイズ補正率hに対して次の用途3が考えられる。
(用途3)
パノラマ撮影画像において、最もピントが合っている位置の補正率を算出することで、被写体の実寸と同じサイズの画像を表示することができる。よって、被写体が例えば歯列の場合、表示画像から病変部の正式なサイズを取得することが可能となる。
本実施形態によれば、X線撮影装置1は、予め採取した印象をカメラ11で撮影し、その画像上に基本断層(標準撮影軌道)を重畳表示する。したがって、利用者は、実際にパノラマ撮影により得られた断層位置を視覚的に認識することができる。また、利用者は、基本断層(標準撮影軌道)と関心領域の断層位置との間にどの程度のずれがあるかを明確に認識することができる。
また、本実施形態によれば、X線撮影装置1は、表示した印象の撮影画像上で関心領域の断層位置を選択および変形する操作を受け付けることができる。したがって、利用者は、診断に適した断層位置を簡単に指示することができる。例えば、断層域選択画面において、被写体が歯列の場合、歯牙同士の隣接面を指定することが可能である。歯牙同士の隣接面を指定するに際し、ポイントを歯列の列方向の隣のポイントに向かって移動させたり、ポイント間の直線部分が、歯牙同士の隣接面を貫くように、歯列の幅方向(歯列の内側や外側)に移動させたりすることができる。これにより、選択された断層画像が表示されたときに、利用者は、隣接面のう蝕(虫歯)を観察することができる。また、X線撮影装置1は、任意の断層位置の断層画像を容易に再構成できるため、患者にとって最小限の被ばくとなる。
また、本実施形態によれば、X線撮影装置1は、基本断層(標準撮影軌道)と関心領域の断層位置との間にあるずれ幅から、関心領域の画像拡大率を算出することができる。これにより、算出した拡大率を用いて、パノラマ画像の画像再構成を行うことができる。また、最もピントが合っている位置の拡大率を算出することで、歯列の断層(関心領域)が正規の断層域に対してどの程度拡大/縮小した画像を見ているかを明確することができる。さらに、この拡大/縮小されている画像のサイズを、被写体の実際の大きさとなるように補正をかけることも可能となる。以上のことから、臨床的にも有効性がある。
さらに、本実施形態によれば、X線撮影装置1では、被写体(患者)の印象を一度カメラ撮影しておけば、その被写体(患者)が再度パノラマ撮影をする際にも、そのカメラ撮影画像を断層域選択画面に反映することができる。また、このカメラ撮影画像取得時に使用した印象材付補助具を保管しておけば、同一の被写体(患者)であれば、装置に対して前回と同様の位置づけを行うことが可能である。さらに、この印象材付補助具を位置付けに再度使用するときには、前回の断層面の位置が把握できているため再現性がある。このとき、利用者は、経時変化を容易に追うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。例えば、本実施形態では、パノラマ用画像処理手段7に、画像サイズ補正手段60を備えるベストモードで説明したが、画像サイズ補正手段60は必須の構成ではない。ただし、この画像サイズ補正手段60の作用により、様々な用途に適用することが可能となり、より優れた効果を奏することになるから、ベストモードであることが好ましい。
また、本実施形態では、X線撮影装置1がカメラ11を備えていることとしたが、カメラ11は必須ではなく、X線撮影装置1が、別のカメラを備えた位置合わせ装置で撮像したカメラ撮影画像を取得するように構成することもできる。
また、本実施形態では、旋回駆動手段4のアーム4aは、回転中心Oの周りに回転可能に構成され、さらに回転中心Oを移動させるスライド動作が可能に構成されているものとしたが、本発明のX線撮影装置において、回転中心Oを移動させるスライド動作は必須ではなく、旋回駆動手段4のアーム4aが回転中心Oの周りに回転する動作だけを行うように構成することもできる。
また、前記した式(10)や式(11)の関係式は、画像再構成後の断層画像に対して利用するだけではなく、画像再構成前のフレーム画像に対して利用することもできる。
また、関心領域の再構成された断層画像の表示は、静止画像に限定されるものではない。例えば、歯列の内側から外側に向かって0.1mm単位で断層位置をずらしたときの断層画像を連続的にムービー表示してもよい。この場合、断層域選択画面の表示(ナビゲート表示)において、印象のカメラ撮影画像に重畳される軌道についても、ムービー表示に対応する断層位置の軌道を連続的に表示させてもよい。
また、本実施形態では、パノラマ用画像処理手段7が画像再構成処理の機能と、利用者が断層位置を選択するための画像を表示する機能との両方を有するものとして説明したが、別々に設けるようにしてもよい。
また、パノラマ用画像処理手段7は、一般的なコンピュータに、前記した描画手段44、合成手段45、ポイント変更受付手段46、画像再構成手段50の機能を実行させるパノラマ用画像処理プログラムを実行することで実現することもできる。このプログラムは、通信回線を介して提供することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
本発明の実施形態に係るX線撮影装置の構成を模式的に示すブロック図である。 被写体としての標準的な歯列に対応するように割り当てられた複数の断層を示す説明図である。 入力された関心領域(ROI)の一例を示す図であって、(a)はパノラマ断層画像上で指定されたROI、(b)は指定されたROIに対応した奥行き方向の各断層をそれぞれ示している。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置のパノラマ用画像処理手段がROIからフレーム画像を抽出して再構成する処理を示す説明図である。 標準的な歯列よりも小さい歯列の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置を用いた作業の流れと処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置に装着される補助具の一例を示す平面図である。 図7に示した補助具に付着された印象材により採取された歯列の印象の一例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置が備えるカメラの取り付け位置の説明図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置が備えるカメラの配置とカメラ撮影画像との対応関係の説明図である。 図6に示したカメラ撮影画像の取込プロセスの一例を示すフローチャートである。 図6に示したナビゲート表示の初期状態としての撮影軌道表示処理プロセスの一例を示すフローチャートである。 標準撮影モードに対応した標準撮影軌道を示す説明図である。 小児用撮影モードに対応した小児用撮影軌道を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置に位置付けされる補助具および鉄球の実空間上の長さおよび幅の説明図である。 図6に示した関心領域の断層選択および表示プロセスの一例を示すフローチャートである。 断層域選択画面の表示例を示す図であって、(a)は標準撮影軌道、(b)は入力操作によって変形された軌道を示している。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置のパノラマ用画像処理手段の機能を示すブロック図である。 歯列が想定よりも拡大して表示される場合を説明するための説明図である。 歯列が想定よりも縮小して表示される場合を説明するための説明図である。 関心領域の歯列の位置が標準断層位置よりも外側にある場合の断層域選択画面の説明図である。
符号の説明
1 X線撮影装置
2 X線源
3 X線撮像手段
4 旋回駆動手段
4a アーム
5 A/D変換手段
6 画像記憶手段(フレーム画像記憶手段)
7 パノラマ用画像処理手段
8 処理画像記憶手段
9 全画像表示記憶手段
10 第1出力手段
11 カメラ
12 補助具(位置付け用補助具)
13 画像記憶手段(カメラ撮影画像記憶手段)
14 カメラ画像用処理手段
15 処理画像記憶手段
16 全画像表示記憶手段
17 第2出力手段
18 第1入力手段
19 第2入力手段
21 印象材
22 印象
23 ベース
24 支柱
26 チンレスト
25 コントローラ
27 フォアヘッドサポート
28 サイドヘッドサポート
31 カメラ撮影画像
32 標準テーブル
33 小児用テーブル
40 断層域選択受付手段
41 カメラ撮影画像読込手段
42 テーブル読込手段
43 座標値算出手段
44 描画手段
45 合成手段
46 ポイント変更受付手段
50 画像再構成手段
60 画像サイズ補正手段
61 垂直方向補正手段
62 水平方向補正手段

Claims (4)

  1. X線撮影用の基準位置に位置付けされた被写体にX線を照射するX線源と、
    前記被写体を透過したX線を受光するX線撮像手段と、
    前記X線源と前記X線撮像手段とを前記被写体が収まるように所定の間隔を空けて保持するアームを所定の回転中心の周りに回転させる旋回駆動手段と、
    前記基準位置への被写体の位置付けに対応して当該装置に予め定められた標準断層位置における前記被写体のX線撮影結果である複数のフレーム画像を記憶するフレーム記憶手段と、
    指定された断層位置のパノラマ断層画像を生成するパノラマ用画像処理手段と、
    前記パノラマ断層画像を表示する表示手段とを有するX線撮影装置であって、
    被写体の型を写し取るために位置付け用補助具に付着された印象材により採取された前記被写体の印象を、前記旋回駆動手段の回転軸方向から視た前記標準断層位置を示す標準撮影軌道に位置合わせしてカメラで撮影したカメラ撮影画像を記憶するカメラ撮影画像記憶手段を備え、
    前記パノラマ用画像処理手段は、前記旋回駆動手段の回転軸方向から視た前記被写体の断層位置の軌道を前記カメラ撮影画像上に重畳して表示手段に出力し、表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を受け付け、選択および変形された軌道の情報に基づいて前記複数のフレーム画像の重ね合わせ幅を求め、前記選択および変形された軌道の断層画像を再構成することにより前記パノラマ断層画像を生成することを特徴とするX線撮影装置。
  2. 前記選択および変形された軌道の情報に基づいて、前記被写体の選択および変形された軌道の位置と、前記標準断層位置とのずれに応じて、前記被写体の選択および変形された軌道の位置において再構成された断層画像を拡大または縮小することで前記ずれが無い場合に想定されている画像の大きさに対応した画像サイズに補正する画像サイズ補正手段を備え、
    前記表示手段は、前記画像サイズが補正された断層画像を前記パノラマ断層画像として表示することを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記X線撮影用の基準位置および前記標準撮影軌道に位置合わせされた前記カメラを前記アームに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置。
  4. 被写体の指定された断層位置のパノラマ断層画像を生成するために、
    X線撮影装置により被写体の撮影対象の断層をパノラマ撮影することで取得された複数のフレーム画像を記憶したフレーム画像記憶手段と、
    被写体の型を写し取るために位置付け用補助具に付着された印象材により採取された前記被写体の印象を、前記X線撮影装置の標準撮影軌道に位置合わせしてカメラで撮影したカメラ撮影画像を記憶するカメラ撮影画像記憶手段とを備えたコンピュータを、
    前記被写体の断層位置の軌道を描画する描画手段、
    前記描画された被写体の断層位置の軌道と前記カメラ撮影画像とを合成して表示手段に出力する合成手段、
    表示された断層位置の軌道に対する選択および変形の指示を受け付けて前記選択および変形された軌道の描画を前記描画手段に指示する変更受付手段、
    前記選択および変形された軌道の情報に基づいて前記複数のフレーム画像の重ね合わせ幅を求め、前記選択および変形された軌道の断層画像を再構成する画像再構成手段、
    として機能させることを特徴とするパノラマ用画像処理プログラム。
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