JP5839850B2 - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ駆動装置及びその制御方法、撮像装置及びその制御方法に関し、特に変倍レンズの駆動に伴う像面の移動を補正するレンズ駆動装置及びその制御方法、撮像装置及びその制御方法に関する。
光学機器には、撮影光学系としてズーミングが可能なズーム光学系を有するものがある。特にビデオカメラでは、リアフォーカスタイプと呼ばれるズーム光学系が用いられる場合が多い。リアフォーカスタイプのズーム光学系では、変倍レンズを移動させて変倍を行う際に像面移動(ピントずれ)が生じるため、変倍レンズよりも像面側に配置されたフォーカス補正レンズを移動させて像面移動を補正し、合焦状態を維持する制御が行われる。フォーカス補正レンズを移動させる位置は、被写体距離ごとに、変倍レンズの位置に対するフォーカス補正レンズの位置を示す電子カムデータ(以下、単にカムデータという)によって予め決められている。
このようなズーム光学系において合焦状態を維持しつつ変倍を行うためには、変倍レンズの位置とフォーカス補正レンズの位置とがカムデータにより定められた関係を正確に保つ必要がある。変倍レンズの位置は、これを移動させるステッピングモータに印加された駆動パルス信号のパルス数を所定の基準位置からカウントすることにより得ることができる。このため、駆動パルス信号のパルス数(以下、駆動パルス数という)に応じてフォーカス補正レンズの位置を制御することで、カムデータにより定められた関係を保ちつつ、変倍レンズとフォーカス補正レンズを移動させることができると考えられる。
光学機器におけるレンズ駆動装置としては、駆動源としてのステッピングモータと、ステッピングモータにより回転される送りねじ、及び、レンズ保持部材に取り付けられて送りねじに噛み合うラックにより構成される駆動機構とを有するものがある。このような駆動機構を有する光学機器の小型化のためには、ステッピングモータの回転数や出力トルクを低くして消費電力を低減し、これによりバッテリを小型化することが有効である。しかし、ステッピングモータの出力トルクを低くすると、レンズ駆動負荷が増加した場合にステッピングモータの脱調が発生し易くなる。ステッピングモータの駆動量は、一般に、該ステッピングモータに印加された駆動パルス信号のパルス数に基づいて制御されるため、脱調が発生すると、ステッピングモータの駆動量とレンズ位置との対応関係が崩れ、レンズ位置を正確に制御できなくなる。
また、レンズ駆動負荷を減少させるために、ラックの送りねじに対する噛み合い圧(がた取り圧)を低くすることも可能である。しかしながら、この場合、衝撃によってラックが送りねじのねじ山を飛び越す、いわゆる歯飛びが生じ易くなり、レンズ位置を正確に制御できなくなる。
特許文献1には、ステッピングモータにより移動されるレンズの位置を検出する位置センサを設けたレンズ駆動装置が開示されている。この装置では、ステッピングモータの脱調や駆動機構の歯飛びが発生した場合に、位置センサにより検出されたレンズ位置に応じてステッピングモータの制御を補正することで、正確なレンズ位置制御を可能としている。
また、特許文献2には、レンズ位置制御の精度を向上させるため、ステッピングモータにより移動されるレンズの位置を位置センサにより検出し、その検出結果を用いてステッピングモータのフィードバック制御を行うレンズ駆動装置が開示されている。
特開平05−281449号公報 特開平11−110045号公報
しかしながら、ステッピングモータの駆動力を変倍レンズに伝達する駆動機構における送りねじとラックの噛み合い部や、変倍レンズを保持するレンズ保持部材とラックとの結合部等には、ガタが存在する。また、送りねじやラックには、ねじピッチの誤差等の製造誤差が含まれる。さらに、ステッピングモータにも、駆動パルス信号のパルス数に対する実際の駆動量に個体差がある。このようなガタや製造誤差及び個体差は、ステッピングモータに印加された駆動パルス数と実際の変倍レンズの位置とに不整合を生じさせる。その結果、変倍レンズの位置とフォーカス補正レンズの位置との関係がカムデータにより定められた関係から外れてしまい、変倍に伴ってピントずれが発生する。
さらに、リアフォーカスタイプのズーム光学系において、小型でかつ広角化を実現するために、変倍レンズとフォーカス補正レンズの他に、もう一つの補正レンズを光軸方向に駆動させるレンズタイプがある。このレンズタイプでは、撮像面に対して固定された絞りを間に挟んで、変倍レンズともう一つの補正レンズを一定の比率で移動させることによって変倍を行い、フォーカス補正レンズを移動させることによって像面移動を補正するように設計されている。このような場合、上記3つ以上のレンズを所定の位置関係を保って駆動しなければ合焦状態は維持できない。よって、変倍レンズ駆動時の被写体のピント維持はさらに困難になる。
しかしながら、特許文献1及び2では、ステッピングモータにより移動される変倍レンズに対して位置センサを設けることで、変倍レンズ自体の位置制御の精度を向上させているに過ぎない。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、3つ以上の複数の駆動群を持つレンズタイプのズーム光学系において、変倍レンズと複数の補正レンズの位置関係を正しく制御し、ピントボケなどの性能低下を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のレンズ駆動装置は、光軸方向に移動可能な変倍レンズと、前記光軸方向に移動可能な補正レンズと、入射光を光電変換して電気信号を出力する、前記光軸方向に移動可能な撮像手段と、前記変倍レンズと、前記変倍レンズの移動に伴う像面の移動を補正するための前記補正レンズ及び前記撮像手段との位置関係が所定の被写体距離ごとに示された第1の情報を記憶する記憶手段と、前記撮像手段の位置を検出する位置検出手段と、前記第1の情報に基づいて、前記変倍レンズの移動に伴い、前記補正レンズ及び前記撮像手段の位置を制御する制御手段とを有、前記変倍レンズの移動時において、前記制御手段は、前記撮像手段を駆動する駆動手段のパルスカウント値に基づく前記撮像手段の位置と、前記位置検出手段により検出された前記撮像手段の位置との差による像面のずれを、前記補正レンズの移動によって補正することを特徴とする。
本発明によれば、3つ以上の複数の駆動群を持つレンズタイプのズーム光学系において、変倍レンズと複数の補正レンズの位置関係を正しく制御し、ピントボケなどの性能低下を防止することができる。
第1の実施形態におけるビデオカメラの構成を示すブロック図。 ステッピングモータの構造を示す図。 第1の実施形態におけるズーミング制御を示すフローチャート。 図3の処理で行われる第1フォーカス補正レンズの目標位置決定処理の詳細を示すフローチャート。 図3の処理で行われるズームレンズ及びフォーカス補正レンズの位置制御を示すフローチャート。 図3の処理で行われる第2フォーカス補正レンズの目標位置決定処理の詳細を示すフローチャート。 第1フォーカス補正レンズの速度設定を説明する図。 ズーム停止時の第1フォーカス補正レンズの補正方法を示す図。 ズーム中の第1フォーカス補正レンズの補正方法を示す図。 第2の実施形態におけるビデオカメラの構成を示すブロック図。 第2の実施形態におけるズーミング制御を示すフローチャート。 図11の処理で行われる第1フォーカス補正レンズの目標位置決定処理の詳細を示すフローチャート。 図11の処理で行われるズームレンズ、フォーカス補正レンズ、及び撮像素子の位置制御を示すフローチャート。 図11の処理で行われる撮像素子の目標位置決定処理の詳細を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態におけるレンズ駆動装置を有する撮像装置の一例として、ビデオカメラの構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、ビデオカメラについて説明するが、本発明はビデオカメラに限られるものではなく、例えば、デジタルスチルカメラ等の他の撮像装置にも適用することができる。
図1において、101は第1固定レンズ、102は光軸方向に移動して変倍を行うズームレンズ(変倍レンズ)、103は絞りである。104、105は変倍に伴う焦点面の移動を補正する機能とフォーカシングの機能とを兼ね備えた、光軸方向に駆動可能なフォーカスコンペンセータレンズである。以下、104を「第2フォーカス補正レンズ」(第2補正レンズ)、105を「第1フォーカス補正レンズ」(第1補正レンズ)と呼ぶ。第1固定レンズ101、ズームレンズ102、絞り103、第2フォーカス補正レンズ104及び第1フォーカス補正レンズ105により撮像光学系が構成される。
本第1の実施形態では、第1ステッピングモータ110aと第2ステッピングモータ119a(第2駆動手段)をオープンループ制御方式によって制御する。具体的には、まずマイクロプロセッサ116は、ビデオカメラの電源投入時等において、ズームレンズ102を所定の基準位置に移動させるように、第1ステッピングモータ駆動回路110bを通じて第1ステッピングモータ110aを駆動する。この動作を、ズームリセット動作という。ズームレンズ102が基準位置に移動したことは、不図示の基準位置センサによって検出することができる。基準位置センサは、例えばフォトインタラプタにより構成される。この場合、ズームレンズ102(実際にはこれを保持するレンズ保持部材)に設けられた遮光部が、フォトインタラプタの発光部と受光部との間に入り込み、フォトインタラプタが受光状態から遮光状態に切り替わる。これにより、ズームレンズ102が基準位置に移動したことが検出される。
ズームリセット動作の後、マイクロプロセッサ116は、第1ステッピングモータ110aを駆動して、ズームレンズ102を撮影開始位置(ここでは、ワイド端とするが、テレ端であってもよい)に移動させる。ズームレンズ102を基準位置からワイド端まで移動させるのに第1ステッピングモータ110aに印加すべき駆動パルス数は予め、マイクロプロセッサ116内に設けられたメモリ117に記憶されている。
同様に、第2フォーカス補正レンズ104もリセット動作を行う。ズームレンズ102と同じく、所定の基準位置に移動させるように、第2ステッピングモータ駆動回路119bを通じて第2ステッピングモータ119aを駆動する。リセット動作の後、マイクロプロセッサ116は、第2ステッピングモータ119aを駆動して、第2フォーカス補正レンズ104を撮影開始位置に移動させる。撮影開始位置は、ズームレンズ102の位置に応じた位置をマイクロプロセッサ116内に設けられたメモリ117に記憶されている情報から算出する。これにより、ビデオカメラによる撮影を開始することが可能となる。
ユーザがズームレンズ102をワイド端から任意の位置に移動させるためにズーム操作部118を操作すると、マイクロプロセッサ116は、第1ステッピングモータ110aに印加する駆動パルス信号のパルス数(以下、「駆動パルス数」と呼ぶ。)を算出する。以下、この算出結果を、目標駆動パルス数(目標駆動量)という。そして、マイクロプロセッサ116は、実際の駆動パルス数(実駆動量)が目標駆動パルス数に一致するまで、第1ステッピングモータ駆動回路110bを通じて第1ステッピングモータ110aに駆動パルス信号を印加する。
同時に、ズームレンズ102の目標駆動パルス数に応じて第2フォーカス補正レンズ104を駆動させるため、マイクロプロセッサ116は、第2ステッピングモータ119aに印加する目標駆動パルス数をメモリ117に記憶されている情報から算出する。そして、マイクロプロセッサ116は、実駆動量が目標駆動パルス数に一致するまで、第2ステッピングモータ駆動回路119bを通じて第2ステッピングモータ119aに駆動パルス信号を印加する。
このように、本第1の実施形態ではズームレンズ102と第2フォーカス補正レンズ104に対してオープンループ制御方式を採用する。これにより、フィードバック制御方式を用いる場合に比べて、ズームレンズ102と第2フォーカス補正レンズ104の駆動の制御を簡単な構成で行うことができる。
次に、ステッピングモータ110aのメカ構造について、図2を用いて説明を行う。
図2(a)は、図1に示すビデオカメラの構成において、ズームレンズ102を駆動するための第1ステッピングモータ110aの構成の一例を示す図である。第1ステッピングモータ110aの回転軸109には直接送りネジが切ってある。回転軸109は軸受け部110dで受けられていて、軸受け部110dと第1ステッピングモータ110aは部材110cで一体となっている。121は案内棒であって、回転軸109が第1ステッピングモータ110aによって回転すると、案内棒121によってズームレンズ102が光軸と垂直な面内で回転するのを防止する。これにより、ズームレンズ102に取り付けられているラック102aが光軸と平行に移動し、それに伴いレンズ102も光軸と平行に移動する。
ラック102aは図2(b)に示すように、送りネジに対して送り歯が噛み合うように不図示のバネ部材によるバネ力によって抑え込むような構造をしている。これにより、回転軸109が回転することで送り歯が送りネジによって押し出され、ラック102aが光軸方向に移動する。また、図中では送り歯と送りネジとの間にギャップがないように図示しているが、実際は製造上のバラツキや経年劣化等により送りネジと送り歯との間のギャップができ、ガタが発生することがある。
ズームレンズ102の位置情報は、第1ステッピングモータ110aの駆動パルス数のカウント値を用いることにより、基準位置からの位置変化として得ることができる。しかし、上述のようにガタが発生した場合、駆動パルス数のカウント値から得られたズームレンズ102の位置と実際のズームレンズ102の位置とに不一致が生じる。
そこで、本第1の実施形態では、ズームレンズ102の実際の位置(実位置)を検出するために、ズーム位置センサ114aを設けている。ズームレンズ102(実際には、これを保持するレンズ保持部材)には位置スケール114bが取り付けられており、この位置スケール114bに対向する位置に、ズーム位置センサ114aが固定されている。
位置スケール114bには、光軸方向に変化する磁気パターンや光反射パターン等のスケールパターンが形成されている。ズーム位置センサ114aが位置スケール114b上のスケールパターンによって変化する磁気信号や光信号を読み取ることで、ズームレンズ102の光軸方向での実位置を検出することができる。ズーム位置センサ114aの検出信号は、マイクロプロセッサ116に入力され、変倍時の第1フォーカス補正レンズ105と第2フォーカス補正レンズ104の駆動の制御に用いられる。
ズームレンズ102と同様に、第2ステッピングモータ119aの駆動パルス数のカウント値を用いて、基準位置からの第2フォーカス補正レンズ104の位置情報を得ることができる。しかし、第2フォーカス補正レンズ104の駆動機構を構成する送りねじ121とラック104aとの間にはガタがあることがある。また、送りねじ121やラック104aに製造誤差があったり、ステッピングモータ119aの駆動パルス数に対する駆動量に個体差があったりする。これらの場合、駆動パルス数のカウント値から得られた第2フォーカス補正レンズ104の位置と実際の第2フォーカス補正レンズ104の位置とに不一致が生じる。
そこで、本第1の実施形態では、ズームレンズ102と同様に、第2フォーカス補正レンズ104の実位置を検出するために、第2フォーカス位置センサ120aを設けている。第2フォーカス補正レンズ104(実際には、これを保持するレンズ保持部材)には位置スケール120bが取り付けられており、この位置スケール120bに対向する位置に、第2フォーカス位置センサ120aが固定されている。
位置スケール120bには、光軸方向に変化する磁気パターンや光反射パターン等のスケールパターンが形成されている。第2フォーカス位置センサ120aが位置スケール120b上のスケールパターンによって変化する磁気信号や光信号を読み取ることで、第2フォーカス補正レンズ104の光軸方向での実位置を検出することができる。第2フォーカス位置センサ120aの検出信号は、マイクロプロセッサ116に入力され、変倍時の第1フォーカス補正レンズ105の補正駆動制御に用いられる。
111は第1フォーカス補正レンズ105の駆動源であるフォーカスモータ(フォーカスアクチュエータ)を含むフォーカス駆動回路(第1駆動手段)であり、マイクロプロセッサ116からの制御信号に応じてフォーカスモータを駆動する。
115aは第1フォーカス補正レンズ105の実位置を検出するための第1フォーカス位置センサである。第1フォーカス補正レンズ105(実際には、これを保持するレンズ保持部材)には位置スケール115bが取り付けられており、この位置スケール115bに対向する位置に、第1フォーカス位置センサ115aが固定されている。
位置スケール115bには、光軸方向に変化する磁気パターンや光反射パターン等のスケールパターンが形成されている。第1フォーカス位置センサ115aが位置スケール115b上のスケールパターンによって変化する磁気信号や光信号を読み取ることで、第1フォーカス補正レンズ105の光軸方向での実位置を検出することができる。第1フォーカス位置センサ115aの検出信号はマイクロプロセッサ116に入力され、変倍に伴う像面移動を補正したりフォーカシングを行ったりする際に第1フォーカス補正レンズ105の位置のフィードバック制御に用いられる。
マイクロプロセッサ116は、前述したようにズーム操作部118の操作に応じて、操作に応じた移動量分、第1ステッピングモータ110a、第2ステッピングモータ119a、フォーカスモータの駆動を制御する。また、マイクロプロセッサ116は、各種スイッチからの入力に応じてビデオカメラ全体の動作を制御する。また、マイクロプロセッサ116は、前述した第1ステッピングモータ110aと第2ステッピングモータ119aの駆動パルス数をカウントするカウンタを有する。
記憶手段としてのメモリ117は、変倍に伴う像面移動を補正するためのデータを3つ保持する。
まず、ズームレンズ102の位置に応じた第1フォーカス補正レンズ105の位置を示す電子カムデータ(以下、「第1カムデータ」と呼ぶ。)が所定の被写体距離(焦点距離)ごとに記憶されている。この第1カムデータは、ズームトラッキングデータ等とも称され、変倍によってズームレンズ102が移動する際に、合焦状態を維持するために第1フォーカス補正レンズ105が移動すべき位置(軌跡)を示すデータである。
次に、ズームレンズ102の位置に応じて一意に決定する第2フォーカス補正レンズ104の位置を示す電子カムデータ(以下、「第2カムデータ」と呼ぶ。)が記憶されている。この第2カムデータは、変倍によってズームレンズ102が移動する際に、合焦状態を維持するために第2フォーカス補正レンズ104が移動すべき位置(軌跡)を示すデータである。上記第1カムデータ及び第2カムデータは、第1の情報として、記憶手段としてのメモリ117に各々記憶されている。
最後に、ズームレンズ102の位置に応じた、第1フォーカス補正レンズ105及び第2フォーカス補正レンズ104それぞれの単位移動量あたりの像面位置の移動量を表す、第1敏感度及び第2敏感度とからなる第1光学特性データ(第2の情報)を記憶する。この第1光学特性データは、ズームレンズ102の位置に応じた第2敏感度を第1敏感度で割った値である。そして、第2フォーカス補正レンズ104の目標駆動量と実位置とのズレが発生した場合に、合焦状態を維持するために第1フォーカス補正レンズ105の補正すべき量を算出する際に使用される。なお、この算出方法については、図4を参照して詳細に後述する。
マイクロプロセッサ116は、ズーム位置センサ114aによるズームレンズ102の移動後の実位置の検出結果と、第1ステッピングモータ110aの目標駆動量と、第2フォーカス位置センサ120aによる第2フォーカス補正レンズ104の移動後の実位置の検出結果と、第2ステッピングモータ119aの目標駆動量と、第1カムデータ、第2カムデータと、第1光学特性データとを用いて、第1フォーカス補正レンズ105を移動するフォーカスモータの駆動を制御する。
絞り103は、複数の絞り羽根を、不図示のガルバノ方式の絞りアクチュエータによって開閉動作させることで、開口径を変化させ、光量を調節する。113はマイクロプロセッサ116からの制御信号に応じて絞りアクチュエータを駆動する絞り駆動回路である。112は絞り羽根の開閉状態(絞り値)を検出するホール素子等の絞り位置検出素子であり、その検出信号はマイクロプロセッサ116に入力され、絞り値の制御に用いられる。
106はCCDセンサやCMOSセンサ等により構成される、入射光を電気信号に変換する光電変換素子としての撮像素子である。107は撮像素子106の出力をサンプリングし、ゲインを調整するCDS/AGC回路である。108はカメラ信号処理回路であり、CDS/AGC回路107の出力信号に対して各種信号処理を行って、映像信号を生成する。生成された映像信号は記録装置115に送られる。記録装置115は、映像信号を所定の記録フォーマットに変換し、変換後の映像信号を磁気テープ、半導体メモリ、光ディスク等の記録媒体に記録する。
また、映像信号は、マイクロプロセッサ116にも入力される。マイクロプロセッサ116は、入力された映像信号のうち輝度成分を抽出し、該輝度成分が常に適正な値(予め決められた範囲の値)を持つように、絞り駆動回路113を通じて絞りユニット103を制御する。この際、マイクロプロセッサ116には絞り位置検出素子112からの検出信号が入力され、マイクロプロセッサ116は、この検出信号に基づいて絞りユニット103の絞り値のフィードバック制御を行う。
次に、以上のように構成されたビデオカメラにおけるズーミング制御について、図3のフローチャートを用いて説明する。このズーミング制御は、マイクロプロセッサ116に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。また、ここでは、ズームレンズ102が、ズームリセット動作の後、撮影開始位置としてのワイド端からテレ端までのいずれかの位置にあるものとする。
S201では、マイクロプロセッサ116は、内部のカウンタから、第1ステッピングモータ110aの現在の駆動パルス数のカウント値(以下、「駆動パルスカウント値」と呼ぶ。)Pstpを読み出す。そして、駆動パルスカウント値Pstpを、マイクロプロセッサ116内に設けられた不図示のRAMに格納する。ここでの駆動パルスカウント値Pstpは、駆動パルス数から換算したズームレンズ102の現在位置に相当する。
S202では、マイクロプロセッサ116は、ズーム操作部118の操作量を読み取る。次に、S203では、S202で読まれたズーム操作部118の操作量(以下、「ズーム操作量」と呼ぶ。)に応じて、第1ステッピングモータ110aの駆動速度であるズーム速度を決定する。
次に、S204では、マイクロプロセッサ116は、S203で決定したズーム速度が0であるか否かを判定する。0でない場合はズーミングを継続している状態であるとして、S205に進む。0である場合は、ズーミングを行っていない状態であるとして、S207に進む。
S205では、マイクロプロセッサ116は、第1ステッピングモータ110aの目標駆動量である目標駆動パルス数ΔPstpを算出する。本第1の実施形態のビデオカメラでは、このズーミング制御用のコンピュータプログラムを映像信号の垂直同期信号の周期(例えば、NTSC方式では1/60秒、PAL方式では1/50秒)毎に実行する。このため、目標駆動パルス数ΔPstpは、垂直同期信号の1周期の間に、S204で決定したズーム速度でステッピングモータ110aが駆動される量とする。この後、S206に進む。
S206では、マイクロプロセッサ116は、S201でRAMに格納した駆動パルスカウント値Pstpと、S205で算出した目標駆動パルス数ΔPstpとをズーミングの方向(テレ方向又はワイド方向)に応じて加算または減算する。これにより、ステッピングモータ110a、つまりはズームレンズ102の目標駆動位置Ptrgtを算出し(位置取得)、RAMに格納してS208進む。
一方、S207では、マイクロプロセッサ116は、ズーミングが行われていないので、現在のステッピングモータ110aの駆動パルスカウント値Pstpを目標駆動位置Ptrgtとして設定し(位置取得)、S208に進む。
S208では、移動開始前におけるズームレンズ102の目標駆動位置Ptrgtに応じた第2フォーカス補正レンズ104の目標位置を求める。ここでは、メモリ117に記憶されている第2カムデータを用いることで、ズームレンズ102の位置に応じた第2フォーカス補正レンズ104の目標位置を一意に決定することができる。マイクロプロセッサ116は、求めた目標位置に基づいて、第2フォーカス補正レンズ104を駆動するために第2ステッピングモータ119aに印加する目標駆動パルス数を算出する。なお、S208で行われる目標位置の決定処理については、図6を参照して後述する。
S209では、マイクロプロセッサ116は、第1フォーカス補正レンズ105の目標位置を決定する処理を行うが、この処理についても図4を参照して後述する。
そして、S210において、マイクロプロセッサ116は、S206で算出された目標駆動位置Ptrgtに向けて第1ステッピングモータ110aを駆動する。さらに、S208で決定された目標位置に第2フォーカス補正レンズ104を移動させるよう第2ステッピングモータ119aを駆動する。さらに、S209で決定された目標位置に第1フォーカス補正レンズ105を移動させるようフォーカスモータを駆動する。なお、S207でPstp=Ptrgtとされた場合は、ズームレンズ102、第1フォーカス補正レンズ105、第2フォーカス補正レンズ104はいずれも駆動しない。各レンズの駆動が終了すると、処理を終了する。
次に、図3のS208で行われる第2フォーカス補正レンズ104の目標位置の決定処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
まずS501で、マイクロプロセッサ116は、内部のカウンタから、第2ステッピングモータ119aの現在の駆動パルスカウント値Pf2stpを読み出す。次にS502でズーム位置センサ114aからズームレンズ102の位置検出データPsensを読み出してRAMに格納する。
次にS503で第2フォーカス補正レンズ104を追従させようとする目標位置をズームレンズ102の移動目標位置と第2カムデータとにより決定する。ここで、S201で検出したズームレンズ102の駆動パルスカウント値Pstpは、あくまで基準位置に対してパルスカウントを加算した相対的なズーム位置であり、実際は駆動機構のガタやネジピッチのばらつき等よる誤差がある。そのため、ズームレンズ102の基準位置からパルスカウントを増減させた駆動パルスカウント値Pstpが示す位置と、ズーム位置センサ114aにより検出された位置検出データPsensが示す位置とは、必ずしも一致しない。従って、実際にフォーカスを追従させたい合焦位置を駆動パルスカウント値Pstpだけを頼りに制御するとズレを生じてしまい、結果的に被写体のピントがボケた状態のままとなってしまい、撮像装置としての性能低下を招く。
そこで、S503では、次の式(1)に従って、ズームレンズ102の現在位置を示す位置検出データPsensに、S205にて決定した目標駆動パルス数ΔPstpを加算する。そして、得られたズーム位置をフォーカス追従するために用いるズームレンズ102の目標位置Pstgtとして決定し、RAMに格納する。
Pstgt=Psens+ΔPstp …(1)
次にS504で、現在追従しようとしている第2カムデータを読み出す。この第2カムデータを用いることで、現在の合焦状態を維持するための、ズームレンズ102の位置に対応する第2フォーカス補正レンズ104の位置を求めることができる。
次にS505では、第2フォーカス補正レンズ104の目標位置を決定する。これは、ズームレンズ102の目標位置Pstgtに対応する第2フォーカス補正レンズ104の目標位置をメモリに記憶されている第2カムデータから決定する。この目標位置の決定後、S209に進む。
次に、図3のS209で行われる第1フォーカス補正レンズ105の目標位置の決定処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
まずS301で、第1フォーカス位置センサ115aから第1フォーカス補正レンズ105の位置検出データPfsensを読み出し、RAMに格納する。本第1の実施形態では第1フォーカス補正レンズ105は、VCMなどのサーボモータを想定しているため位置センサを設けている。ステッピングモータを第1フォーカス補正レンズ105のアクチュエータとして用いている場合は、パルスカウント値がフォーカス位置データとなる。
次にS302で第2フォーカス位置センサ120aから第2フォーカス補正レンズ104の位置検出データPf2sensを読み出し、RAMに格納する。マイクロプロセッサ116は、内部のカウンタから、第2ステッピングモータ119aの現在の駆動パルスカウント値Pf2stpを読み出す。本第1の実施形態では、第2フォーカス補正レンズ104を駆動するためにステップモーターを使用しているが、ここでの検出する位置はパルスカウント値ではなく、実際のレンズ位置を意味している。
次にS303でズーム位置センサ114aからズームレンズ102の位置検出データPsensを読み出して、RAMに格納する。
次にS304で、現在追従しようとしている第1カムデータを読み出す。この第1カムデータを用いることで、現在の合焦状態を維持するための、ズームレンズ102の位置に対応する第1フォーカス補正レンズ105の位置を求めることができる。
以降の工程で、第1フォーカス補正レンズ105を追従させようとする目標位置をズームレンズ102の移動目標位置と第1カムデータにより決定する。ここで、S201で検出したズームレンズ102の駆動パルスカウント値Pstpは、あくまで基準位置に対してパルスカウントを加算した相対的なズーム位置であり、実際は駆動機構のガタやネジピッチのばらつき等よる誤差がある。そのため、ズームレンズ102の基準位置からパルスカウントを増減させた駆動パルスカウント値Pstpが示す位置と、ズーム位置センサ114aにより検出された位置検出データPsensが示す位置とは、必ずしも一致しない。従って、実際にフォーカスを追従させたい合焦位置を駆動パルスカウント値Pstpだけを頼りに制御するとズレを生じてしまい、結果的に被写体のピントがボケた状態のままとなってしまい、撮像装置としての性能低下を招く。
そこで、S305では、S503と同様に上述の式(1)に従って、ズームレンズ102の現在位置を示す位置検出データPsensに、S205にて決定した目標駆動パルス数ΔPstpを加算する。そして、得られたズーム位置をフォーカス追従するために用いるズームレンズ102の目標位置Pstgtとして決定し、RAMに格納する。
次にS306で、ズームレンズ102を駆動する第1ステッピングモータ110aが駆動停止状態であるかどうかを判別する。第1ステッピングモータ110aが駆動中であればS307に進む。S307では、第2フォーカス補正レンズ104の停止時のズレΔPf2gapを算出する。ズレΔPf2gapは、以下の式(2)に従い、駆動パルスカウント値Pf2stpと位置検出データPf2sensとの差から求まる。
ΔPf2gap=Pf2stp−Pf2sens …(2)
次にS308では、S307で求めた第2フォーカス補正レンズ104のズレΔPf2gapを補正するための、第1フォーカス補正レンズ105の補正量の計算を以下の式(5)に従い行う。なお、この補正方法が本発明の特徴的な部分であり、ズーム中は第2フォーカス補正レンズ104のズレを、第1フォーカス補正レンズ105で補正させながらズーム駆動することにより、ズーム中のピント性能の向上に貢献している。以下、その方法を詳細に示す。
まず、補正の方法は、敏感度を用いることを特徴としている。敏感度とは、レンズが所定量動いた場合の像面の変化である。第2フォーカス補正レンズ104のズレによる像面の移動量ΔDf2は、式(3)により求まる。
ΔDf2=ΔPf2gap×第2フォーカス補正レンズの敏感度 …(3)
続いて、第2フォーカス補正レンズ104の像面移動量ΔDf2を用いて第1フォーカス補正レンズ105で補正するための補正量ΔPfcmpの算出を行う。ここでは、次の式(4)に従って、第2フォーカス補正レンズ104のズレΔPf2gapを第1フォーカス補正レンズ105の補正量に変換する。
ΔPfcmp=ΔDf2÷第1フォーカス補正レンズの敏感度 …(4)
上記の式をまとめると式(5)のようになる。つまり、第2フォーカス補正レンズのズレΔPf2gapにズーム位置によって異なる補正係数Kをかけることにより、第2フォーカス補正レンズのズレを第1フォーカス補正レンズの補正量ΔPfcmpに変換することが可能になる。
ΔPfcmp=ΔPf2gap×(第2フォーカス補正レンズの敏感度÷第1フォーカス補正レンズの敏感度)
=ΔPf2gap×K …(5)
次にS309では、ズームレンズ102の目標位置Pstgtに対応する第1フォーカス補正レンズ105の対応位置をメモリ117に記憶されている第1カムデータを参照して求める。第1フォーカス補正レンズ105の対応位置をPfsens’とすると、第1フォーカス補正レンズ105の目標位置Pftgt’は式(6)のように決定される。
Pftgt’=Pfsens’+ΔPfcmp …(6)
第1フォーカス補正レンズ105の目標位置の決定後、S210に進む。
一方、S306においてズームレンズ102を駆動する第1ステッピングモータ110aが駆動停止状態であると判別された場合、S310に進む。ここで、ズームレンズ102は停止しているが、上述のようにズームレンズ102の位置検出データPsensはズーム目標位置Ptrgtとは必ずしも一致しておらず、しきい値以下の誤差を持つ位置で停止している。一方、ここまでの処理ではフォーカス目標位置はズーム目標位置Ptrgtに対応するカムデータ上の位置として求めている。そのため、ズームレンズ102の実際の位置がズーム目標位置Ptrgtと一致していない場合は合焦状態を維持するためのカムデータからずれてしまう。特に撮像装置がマニュアルフォーカスモードである場合、撮像装置は自動での合焦動作を行わないため、カムデータからずれた分だけ被写体のピントがボケた状態のままとなってしまい、撮像装置としての性能低下を招く。これを防止するため、S310では、ズーム位置センサ114aからのズームレンズ102の位置検出データPsensに対応する第1フォーカス目標位置を第1カムデータから求め、これを第1フォーカス補正レンズ105の目標位置としてS311に進む。
次にS311では、上記と同様の理由から、ズーム位置センサ114aからのズームレンズ102の位置検出データPsensに対応する第2フォーカス位置を第2カムデータから求め、これを第2フォーカス目標位置としてS312に進む。
次にS312では、第2フォーカス補正レンズ104の停止時のズレΔPf2gapを算出する。ズレΔPf2gapは、S311で求めた第2フォーカス目標位置を仮にPf2stpとして、式(2)に従い、第2フォーカス目標位値Pf2stpと第2フォーカス補正レンズ104の位置検出データPf2sensとの差から求める。
次にS313では、S312で求めた第2フォーカス補正レンズ104のズレΔPf2gapを補正するための、第1フォーカス補正レンズ105の補正量ΔPfcmpを上述した式(5)に従って計算する。なお、この補正方法が本発明の特徴的な第2の部分であり、ズーム停止時は、ズーム停止後にズームレンズ102と第2フォーカス補正レンズ104のズレを、第1フォーカス補正レンズ105で補正することにより、停止時のピント性能の向上に貢献している。
次にS314では、第1フォーカス補正レンズ105の目標位置Pftgtを、第1フォーカス補正レンズ105の補正量ΔPfcmpと、S310で求めた第1フォーカス目標位置を仮にPfsensとして、次式(7)に従って決定する。
Pftgt=Pfsens+ΔPfcmp …(7)
次にS315では、第1フォーカス補正レンズ105の目標速度を決定する。本第1の実施形態のビデオカメラでは、このズーミング制御用のコンピュータプログラムを映像信号の垂直同期信号の周期(例えば、NTSC方式では1/60秒、PAL方式では1/50秒)ごとに実行する。このため、ズーム中は1周期以内に目標位置に到達できる速度を設定する。しかし、ズーム停止時に補正を行う場合は、図7に示すように通常よりも速い速度で第1フォーカス補正レンズ105を駆動させる。これにより、停止ズレによるボケが発生する時間を短縮することが可能となる。
まず、第1フォーカス補正レンズ105が図7の(A)第1フォーカス停止位置に停止している場合、1周期である1V以内に、実線で示したように(C)第1フォーカス補正量だけ駆動させ(B)第1フォーカス補正位置に到達させれば良い。しかしながら、(B)に到達するまでの間は合焦位置ではないためボケが見えてしまう。そこで、破線で示したように、1周期よりも短い時間dで(C)第1フォーカス補正量だけ駆動させ、(D)第1フォーカス補正位置に到達させることにより、ボケの発生期間が非常に少なくなる。よって、目標速度は(C)第1フォーカス補正量を時間dで割った値(破線の傾き)となる。ただし、速度(破線の傾き)が急になるに従い、フォーカスの目標位置に対するオーバーシュートが発生しやすくなる。そこで、時間dは十分な測定を行い、オーバーシュートが発生してもボケとして認識できない速度に設定することとする。目標速度の決定の後、S210に進む。
次に、図3のS210にて行われるズームレンズ102、第1フォーカス補正レンズ105、第2フォーカス補正レンズ104の駆動制御について、図5のフローチャートを用いて説明する。
S401では、マイクロプロセッサ116は、ズームレンズ102の位置がフォーカス追従用ズーム目標位置Pstgtに一致しているか否かを判定する。一致していなければS403に進み、第1ステッピングモータ110aを駆動して、ズームレンズ102をフォーカス追従用ズーム目標位置Pstgtに移動させ、S404に進む。また、ズームレンズ102の位置がフォーカス追従用ズーム目標位置Pstgtに一致していれば、S402に進み、第1ステッピングモータ110aの駆動を停止させ、S404に進む。
S404では、マイクロプロセッサ116は、第1フォーカス補正レンズ105の位置(第1フォーカス位置センサ115aによる検出位置)が図4に示した処理によって決定された目標位置と一致しているか否かを判定する。一致していなければ、S406に進んで、第1フォーカス補正レンズ105を目標位置に移動させるようフォーカスモータを駆動し、S407に進む。一方、第1フォーカス補正レンズ105の位置が目標位置と一致していると判定した場合はS405に進み、フォーカスモータの駆動を停止させ、S407に進む。
S407では、マイクロプロセッサ116は、第2フォーカス補正レンズ104の位置(第2フォーカス位置センサ120aによる検出位置)が図6に示した処理によって決定された目標位置と一致しているか否かを判定する。一致していなければ、S409に進んで、第2フォーカス補正レンズ104を目標位置に移動させるよう第2ステッピングモータ119aを駆動し、処理を終了する。一方、第2フォーカス補正レンズ104の位置が目標位置と一致していると判定した場合は、S408に進み、第2ステッピングモータ119aの駆動を停止して、処理を終了する。
次に、第1フォーカス補正レンズ105の補正方法を示す。
図4のS306以降にて行われる、ズーム中及びズーム停止時のズームレンズ102、第1フォーカス補正レンズ105、第2フォーカス補正レンズ104の駆動制御について、図8及び図9を用いて詳細に説明する。
ズームレンズ102が停止している場合、第1フォーカス補正レンズ105及び第2フォーカス補正レンズ104は、第1カムデータ、第2カムデータにより表されるカム軌跡上に停止することにより、ピントを維持することが可能になる。しかしながら、前述の通り、モーターの停止精度により、上記の停止位置にズレが生じてしまう。そこで、本発明は、ズームレンズ102と第2フォーカス補正レンズ104はオープン制御で制御する。そして、これらレンズの停止ズレによる像面のズレは、敏感度を用いた補正係数Kを用いて算出された補正量だけ、第1フォーカス補正レンズ105が補正駆動するというフィードバック制御を行うことを特徴としている。
まず、ズーム停止時の補正について説明する。図8に示すように、ズームレンズ102が位置Psensに、第2フォーカス補正レンズ104がPf2sensに停止しているものとする。この場合、ズームレンズ102のズレは、第1ステッピングモータ110aのパルスカウントによる目標駆動位置Ptrgtとズームレンズ102の停止位置Psensとの差分ΔPgapで表される。ここで、ズームレンズ102の停止ズレΔPgapは、Psensの位置における、第1フォーカス補正レンズ105の第1カムデータ上のPfsensを目標位置にすることにより、補正される。
次に第2フォーカス補正レンズ104の停止ズレは、第2ステッピングモータ119aのパルスカウントによる目標位置Pf2stpとPf2sensの差分であるΔPf2gapで表される。第2フォーカス補正レンズ104の停止ズレPf2gapを補正する補正量は、ズーム位置によって異なる補正係数Kを乗算したΔPfcmpで表される。よって、ズーム停止後、第1フォーカス補正レンズ105を第1カムデータ上のPfsensから、通常の速度よりも早い速度でΔPfcmpだけ移動し、最終的にPftgtに到達させることによりピントズレが補正される。
上記説明したように、ズームレンズ102、第2フォーカス補正レンズ104のズレを第1フォーカス補正レンズ105により補正することが可能である。
次に、第2フォーカス補正レンズ104がPf2sensで停止した状態からズームを開始する場合について図9を参照して説明する。この場合、ズームレンズ102のズレは、第1ステッピングモータ110aのパルスカウントによる目標駆動位置Ptrgtとズームレンズ102の停止位置Psensとの差分で表される。しかし、ズーム中はPsensに目標駆動量ΔPstpを加算したPstgtの位置における、第1カムデータ上のPfsens’を目標位置にすることにより、ズームレンズ102のズレは補正される。
次に第2フォーカス補正レンズ104の停止ズレは、第2ステッピングモータ110aの目標位置Pf2stpと第2フォーカス補正レンズ104の停止位置Pf2sensとの差分であるΔPf2gapで表される。第2フォーカス補正レンズ104の停止ズレΔPf2gapを補正する補正量は、ズーム位置によって異なる補正係数Kを乗算したΔPfcmpで表される。よって、ズーム中は第1カムデータ上のPfsensにズーム位置に応じた補正量ΔPfcmpだけ移動した点Pftgtが目標位置となる。つまり、ズーム目標位置Pstgtにおける、第1フォーカス補正レンズの目標位置Pfsens’から、ΔPfcmp’だけ移動したPftgt’が第1フォーカス補正レンズ10の目標位置になる。
このように、ズーム中においても、ズームレンズ102及び第2フォーカス補正レンズ104のズレを第1フォーカス補正レンズ105により補正することが可能である。
上記の通り第1の実施形態によれば、駆動機構のガタやネジピッチのばらつきによって駆動予想量とレンズの実際の移動量の不一致が生じるような場合においても、次のような効果を得ることができる。即ち、位置センサ情報をフィードバックさせて、リアフォーカスレンズタイプのレンズにおいても合焦位置関係が維持されるように補正レンズ位置を移動させることが可能となる。これにより、被写体のピントがボケることを防止し、撮像装置としての性能を確保することができる。
さらに、複数の補正レンズが駆動する場合、分解能がもっとも高いモータ以外をすべてオープン制御系として扱うため、駆動制御を単純化できる。そして、オープン制御されているそれぞれのレンズの駆動予想量とレンズの実際の移動量のズレ量から、ピント補正駆動量を算出し、分解能がもっとも高いモータを持つレンズ(第1の実施形態では第1フォーカス補正レンズ105)にて補正する。これにより合焦の維持が可能になる。つまり、複数の補正レンズが駆動する場合においても、合焦を維持したズーム操作が可能になり、性能低下を防ぐことができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図10は、本第2の実施形態における撮像装置の一例として、ビデオカメラの構成を示すブロック図である。なお、図10に示す構成において、図1と同様の構成については同じ参照番号を付して説明を省略する。
本第2の実施形態におけるビデオカメラは、図1を参照して説明した第1の実施形態におけるビデオカメラと比較して、撮像素子106を駆動してフォーカス制御を行うところが異なる。そのため、撮像素子106を光軸方向に駆動するための第2ステッピングモータ125a(第2駆動手段)、駆動機構を構成する送りねじ124、及びラック106aが設けられている。更に、撮像素子106には撮像素子位置センサ123a及び位置スケール123bが付加されている。また、図1の第2フォーカス補正レンズ104の代わりに、図10では第2固定レンズ126が挿入され、第2フォーカス補正レンズ104を光軸方向に駆動するための駆動機構及び位置を検出するためのセンサ機構を省略している。
なお、図1を参照して説明した第1の実施形態の場合、第2フォーカス補正レンズ104と、第1フォーカス補正レンズ105(補正レンズ)が独立して光軸方向に駆動制御される。これに対して、本第2の実施形態では、ズームレンズ102、絞り103、第2固定レンズ126はカム環で繋がっており、ズームレンズ102の駆動に伴い連動する。また、第1の実施形態では第2固定レンズ126が光軸方向に駆動するのに対して、本第2の実施形態は撮像素子106が光軸方向に駆動する点が異なる。
一般的にズームレンズにおいて、ズーム倍率を維持しつつ、小型化を実現するためには、各レンズの群の屈折力を強めればよい。しかしながら、このようにしたズームレンズでは、ズーミングの際の収差変動が大きくなり、高い光学性能を得るのが困難になってくる。そこで、図10のように、第1固定レンズ101は不動の状態で、ズームレンズ102の駆動に伴い、絞り103と、第2固定レンズ126をある比率で連動させ、かつ、撮像素子106を光学全長が広角端に比べ望遠端の方が長くなるように駆動させる。これにより、小型でかつ、広画角、高ズーム倍率の撮像装置の実現が可能になる。
具体的な撮像素子106の動作を以下に示す。まずマイクロプロセッサ116は、ビデオカメラの電源投入時等において、撮像素子106を所定の基準位置に移動させるように、第2ステッピングモータ駆動回路125bを通じて第1ステッピングモータ125aを駆動する。この動作を、センサリセット動作という。撮像素子106が基準位置に移動したことは、不図示の基準位置センサによって検出することができる。基準位置センサは、例えばフォトインタラプタにより構成される。この場合、撮像素子106(実際にはこれを保持する保持部材)に設けられた遮光部が、フォトインタラプタの発光部と受光部との間に入り込み、フォトインタラプタが受光状態から遮光状態に切り替わる。これにより、撮像素子106が基準位置に移動したことが検出される。
センサリセット動作の後、マイクロプロセッサ116は、第2ステッピングモータ125aを駆動して、撮像素子106を撮影開始位置(ここでは、ワイド端での合焦位置とするが、テレ端の合焦位置であってもよい)に移動させる。撮像素子106を基準位置からワイド端の合焦位置まで移動させるのに第2ステッピングモータ125aに印加すべき駆動パルス数は予め、マイクロプロセッサ116内に設けられたメモリ117に記憶されている。
位置スケール123bには、光軸方向に変化する磁気パターンや光反射パターン等のスケールパターンが形成されている。撮像素子106が位置スケール123b上のスケールパターンによって変化する磁気信号や光信号を読み取ることで、撮像素子106の光軸方向での実位置を検出することができる。撮像素子位置センサ123aの検出信号は、マイクロプロセッサ116に入力され、変倍時の撮像素子106の駆動の制御に用いられる。
記憶手段としてのメモリ117には、変倍に伴う像面移動を補正するためのデータを3つ保持する。
まず、ズームレンズ102の位置に応じた第1フォーカス補正レンズ105の位置を示す電子カムデータ(以下、「第1カムデータ」と呼ぶ。)が所定の被写体距離(焦点距離)ごとに記憶されている。この第1カムデータは、ズームトラッキングデータ等とも称され、変倍によってズームレンズ102が移動する際に、合焦状態を維持するために第1フォーカス補正レンズ105が移動すべき位置(軌跡)を示すデータである。
次に、ズームレンズ102の位置に応じて一意に決定される撮像素子106の位置を示す電子カムデータ(以下、「第3カムデータ」と呼ぶ。)が記憶されている。この第3カムデータは、変倍によってズームレンズ102が移動する際に、合焦状態を維持するために撮像素子106が移動すべき位置(軌跡)を示すデータである。上記第1カムデータ及び第3カムデータは、第1の情報として、記憶手段としてのメモリ117に各々記憶されている。
最後に、ズームレンズ102の位置に応じた第1フォーカス補正レンズ105の単位移動量あたりの像面位置の移動量を表す第1敏感度の逆数を第2光学特性データ(第2の情報)として記憶する。この第2光学特性データは、撮像素子の目標駆動量と実位置とのズレが発生した場合に、合焦状態を維持するために第1フォーカス補正レンズ105の補正すべき量を算出する際に使用されるデータである。なお、この算出方法については、図14を参照して詳細に後述する。
次に、以上のように構成されたビデオカメラにおけるズーミング制御について、図11のフローチャートを用いて説明する。このズーミング制御は、マイクロプロセッサ116に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。ズーム操作部118の操作によるズームレンズ102の駆動に伴い、カム環で繋がれた絞り103と第2固定レンズ126が連動する。ただし、説明の簡略化のために、以降ではズームレンズ102の移動にのみ言及し、連動されるレンズに関しては説明を省略することとする。
また、図11において、S201〜S207までの処理は、図2で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。
S1008では、ズームレンズ102の目標駆動位置Ptrgtに応じた撮像素子106の目標位置を算出する。ここでは、メモリ117に記憶されている第3カムデータを用いることで、ズームレンズ102の位置に応じた撮像素子106の目標位置を一意に決定することができる。マイクロプロセッサ116は、求めた目標位置に基づいて、撮像素子106を駆動するために第2ステッピングモータ125aに印加する目標駆動パルス数を算出する。なお、S1008で行われる目標位置の決定処理については、図14を参照して後述する。
S1009では、マイクロプロセッサ116は、第1フォーカス補正レンズ105の目標位置を決定する処理を行うが、この処理については図12を参照して後述する。
そして、S1010では、マイクロプロセッサ116は、S206で算出された目標駆動位置Ptrgtに向けて第1ステッピングモータ110aを駆動する。さらに、S1008で決定された目標位置に撮像素子106を移動させるよう第2ステッピングモータ125aを駆動する。さらに、S1009で決定された目標位置に第フォーカス補正レンズ10を移動させるようフォーカスモータを駆動する。なお、S207でPstp=Ptrgtとされた場合は、撮像素子106及び第1フォーカス補正レンズ105はいずれも駆動しない。各レンズの駆動が終了すると、処理を終了する。
次に、図11のS1008で行われる撮像素子106の目標位置の決定処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
まずS1301で、マイクロプロセッサ116は、内部のカウンタから、第2ステッピングモータ125aの現在の駆動パルスカウント値Pcstpを読み出す。次にS1302でズーム位置センサ114aからズームレンズ102の位置検出データPsensを読み出してRAMに格納する。
次にS1303で、撮像素子106を追従させようとする目標位置をズームレンズ102の移動目標位置と第3カムデータにより決定する。ここで、S201で検出したズームレンズ102の駆動パルスカウント値Pstpは、あくまで基準位置に対してパルスカウントを加算した相対的なズーム位置であり、実際は駆動機構のガタやネジピッチのばらつき等よる誤差がある。そのため、ズームレンズ102の基準位置からパルスカウントを増減させた駆動パルスカウント値Pstpが示す位置と、ズーム位置センサ114aにより検出された位置検出データPsensが示す位置とは、必ずしも一致しない。従って、実際にフォーカスを追従させたい合焦位置を駆動パルスカウント値Pstpだけを頼りに制御するとズレを生じてしまい、結果的に被写体のピントがボケた状態のままとなってしまい、撮像装置としての性能低下を招く。
そこで、S1303では、式(1)に従って、ズームレンズ102の現在位置を示す位置検出データPsensに、S205にて決定した目標駆動パルス数ΔPstpを加算する。そして、得られたズーム位置をフォーカス追従するために用いるズームレンズ102の目標位置Pstgtとして決定し、RAMに格納する。
Pstgt=Psens+ΔPstp …(1)
次にS1304で、現在追従しようとしている第3カムデータを読み出す。この第3カムデータを用いることで、現在の合焦状態を維持するための、ズームレンズ102の位置に対応する撮像素子106の位置を求めることができる。
次にS1305では、撮像素子106の目標位置を決定する。これは、ズームレンズ102の目標位置Pstgtに対応する撮像素子106の目標位置をメモリに記憶されている第3カムデータから決定する。この目標位置の決定後、S1009に進む。
次に、図11のS1009で行われる第1フォーカス補正レンズ105の目標位置の決定処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
まずS1101で、第1フォーカス位置センサ115aから第1フォーカス補正レンズ105の位置検出データPfsensを読み出し、RAMに格納する。次にS1102で撮像素子位置センサ123aから撮像素子106の位置検出データPcsensを読み出し、RAMに格納する。また、マイクロプロセッサ116は、内部のカウンタから、第2ステッピングモータ125aの現在の駆動パルスカウント値Pcstpを読み出す。本第2の実施形態では、撮像素子106を駆動するためにステップモーターを使用しているが、ここでの検出する位置はパルスカウント値ではなく、実際のレンズ位置を意味している。
次にS1103でズーム位置センサ114aからズームレンズ102の位置検出データPsensを読み出して、RAMに格納する。
次にS1104で、現在追従しようとしている第1カムデータを読み出す。この第1カムデータを用いることで、現在の合焦状態を維持するための、ズームレンズ102の位置に対応する第1フォーカス補正レンズ105の位置を求めることができる。
以降の工程で、第1フォーカス補正レンズ105を追従させようとする目標位置をズームレンズ102の移動目標位置と第1カムデータにより決定させる。ここで、S201で検出したズームレンズ102の駆動パルスカウント値Pstpは、あくまで基準位置に対してパルスカウントを加算した相対的なズーム位置であり、実際は駆動機構のガタやネジピッチのばらつき等よる誤差がある。そのため、ズームレンズ102の基準位置からパルスカウントを増減させた駆動パルスカウント値Pstpが示す位置と、ズーム位置センサ114aにより検出された位置検出データPsensが示す位置とは、必ずしも一致しない。従って、実際にフォーカスを追従させたい合焦位置を駆動パルスカウント値Pstpだけを頼りに制御するとズレを生じてしまい、結果的に被写体のピントがボケた状態のままとなってしまい、撮像装置としての性能低下を招く。
そこで、S1105では、S1303と同様に上述の式(1)に従って、ズームレンズ102の現在位置を示す位置検出データPsensに、S205にて決定した目標駆動パルス数ΔPstpを加算する。そして、得られたズーム位置をフォーカス追従するために用いるズームレンズ102の目標位置Pstgtとして決定し、RAMに格納する。
次にS1106にて、ズームレンズ102を駆動する第1ステッピングモータ110aが駆動停止状態であるかどうかを判別する。第1ステッピングモータ110aが駆動中であればS1107に進む。S1107では、撮像素子106の停止時のズレΔPgapを算出する。ズレΔPgapは、以下の式(8)に従い、駆動パルスカウント値Pcstpと位置センサPcsensとの差から求まる。
ΔPcgap=Pcstp−Pcsens …(8)
次にS1108では、S1107で求めた撮像素子106のズレΔPcgapを補正するための、第1フォーカス補正レンズ105の補正量の計算を以下の式(9)に従い行う。なお、この補正方法が本特許の特徴的な部分であり、ズーム中は撮像素子106のズレを、第1フォーカス補正レンズ105で補正させながらズーム駆動することにより、ズーム中のピント性能の向上に貢献している。以下、その方法を詳細に示す。なお、撮像素子106が駆動されていることにより、補正量算出の計算式が第1の実施形態と異なる。
まず、補正の方法は、敏感度を用いることを特徴としている。敏感度とは、レンズが所定量動いた場合の像面の変化である。撮像素子106のズレによる第1フォーカス補正レンズ105のピント補正量ΔPfcmpは、式(9)により求まる。
ΔPfcmp=ΔPcgap÷フォーカス補正レンズの敏感度 …(9)
次にS1109では、ズームレンズ102の目標位置Pstgtに対応する第1フォーカス補正レンズ105の対応位置をメモリ117に記憶されている第1カムデータを参照して求める。第1フォーカス補正レンズ105の対応位置をPfsens’とすると、第1フォーカス補正レンズ105の目標位置Pftgt’は、上述した式(6)により決定できる。
Pftgt’=Pfsens’+ΔPfcmp …(6)
第1フォーカス補正レンズ105の目標位置の決定後、S1010に進む。
一方、S1106においてズームレンズ102を駆動する第1ステッピングモータ110aが駆動停止状態であると判別された場合、S1110に進む。ここで、ズームレンズ102は停止しているが、上述のようにズームレンズ102の位置検出データPsensはズーム目標位置Ptrgtとは必ずしも一致しておらず、しきい値以下の誤差を持つ位置で停止している。一方、ここまでの処理ではフォーカス目標位置はズーム目標位置Ptrgtに対応するカムデータ上の位置として求めている。そのため、ズームレンズ102の実際の位置がーム目標位置Ptrgtと一致していない場合は合焦状態を維持するためのカムデータからずれてしまう。特に撮像装置がマニュアルフォーカスモードである場合、撮像装置は自動での合焦動作を行わないため、カムデータからずれた分だけ被写体のピントがボケた状態のままとなってしまい、撮像装置としての性能低下を招く。これを防止するため、S1110では、ズーム位置センサ114aからのズームレンズ102の位置検出データPsensに対応するフォーカス目標位置を第1カムデータから求め、これを第1フォーカス補正レンズ105の目標位置としてS1111に進む。
次にS1111では、上記と同様の理由から、ズーム位置センサ114aからのズームレンズ102の位置検出データPsensに対応する撮像素子106を第3カムデータから求め、これを撮像素子106の目標位置としてS1112に進む。
次にS1112では、撮像素子106の停止時のズレΔPcgapを算出する。ズレΔPcgapは式(8)に従い、駆動パルスカウント値Pcstpと位置検出データPcsensとの差から求める。
次にS1113では、S1112で求めた撮像素子106のズレΔPcgapを補正するための、第1フォーカス補正レンズ105の補正量ΔPfcmpを上述した式(9)に従って計算する。なお、この補正方法が本特許の特徴的な第3の部分であり、ズーム停止時は、ズーム停止後にズームレンズ102と撮像素子106のズレを、第1フォーカス補正レンズ105で補正することにより、停止時のピント性能の向上に貢献している。
次にS1114では、第1フォーカス補正レンズ105の目標位置Pftgtを、第1フォーカス補正レンズ105の補正量ΔPfcmpと、S1110で求めた第1フォーカス目標位置を仮にPfsensとして、上述した式(7)に従って決定する。
次にS1115では、図4のS315と同様にして、第1フォーカス補正レンズ105の目標速度を決定する。目標速度の決定の後、S1010に進む。
次に、図11のS1010にて行われるズームレンズ102、第1フォーカス補正レンズ105、撮像素子106の駆動制御について、図13のフローチャートを用いて説明する。
S1201では、マイクロプロセッサ116は、ズームレンズ102の位置がフォーカス追従用ズーム目標位置Pstgtに一致しているか否かを判定する。一致していなければS1203に進み、第1ステッピングモータ110aを駆動して、ズームレンズ102をフォーカス追従用ズーム目標位置Pstgtに移動させ、S1204に進む。また、ズームレンズ102の位置がフォーカス追従用ズーム目標位置Pstgtに一致していれば、S1202に進み、第1ステッピングモータ110aの駆動を停止させ、S1204に進む。
S1204では、マイクロプロセッサ116は、第1フォーカス補正レンズ105の位置(第1フォーカス位置センサ115aによる検出位置)が図12に示した処理によって決定された目標位置と一致しているか否かを判定する。一致していなければ、S1206に進んで、第1フォーカス補正レンズ105を目標位置に移動させるようフォーカスモータを駆動し、S1207に進む。一方、第1フォーカス補正レンズ105の位置が目標位置と一致していると判定した場合はS1205に進み、フォーカスモータの駆動を停止させ、S1207に進む。
S1207では、マイクロプロセッサ116は、撮像素子106の位置(撮像素子位置センサ123aによる検出位置)が図14に示した処理によって決定された目標位置と一致しているか否かを判定する。一致していなければ、S1209に進んで、撮像素子106を目標位置に移動させるよう第2ステッピングモータ125aを駆動し、処理を終了する。一方、撮像素子106の位置が目標位置と一致していると判定した場合は、S1208に進み、第2ステッピングモータ125aの駆動を停止して、処理を終了する。
上記の通り第2の実施形態によれば、第2フォーカス補正レンズ104の代わりに撮像素子106を駆動してフォーカス補正を行う場合にも、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態では、送りねじとラックを用いたズームレンズの駆動機構を備えた場合について説明したが、駆動機構としては、ギア列を用いたもの等、送りねじとラックを用いた駆動機構以外のものであってもよい。
以上説明した各実施形態は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施形態に対して種々の変形や変更が可能である。

Claims (9)

  1. 光軸方向に移動可能な変倍レンズと、
    前記光軸方向に移動可能な補正レンズと、
    入射光を光電変換して電気信号を出力する、前記光軸方向に移動可能な撮像手段と、
    前記変倍レンズと、前記変倍レンズの移動に伴う像面の移動を補正するための前記補正レンズ及び前記撮像手段との位置関係が所定の被写体距離ごとに示された第1の情報を記憶する記憶手段と、
    前記撮像手段の位置を検出する位置検出手段と、
    前記第1の情報に基づいて、前記変倍レンズの移動に伴い、前記補正レンズ及び前記撮像手段の位置を制御する制御手段とを有
    前記変倍レンズの移動時において、前記制御手段は、前記撮像手段を駆動する駆動手段のパルスカウント値に基づく前記撮像手段の位置と、前記位置検出手段により検出された前記撮像手段の位置との差による像面のずれを、前記補正レンズの移動によって補正する
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記補正レンズを駆動する駆動手段は、前記撮像手段を駆動する駆動手段より分解能が高いことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  3. 前記補正レンズを駆動する駆動手段及び前記撮像手段を駆動する駆動手段は、ステッピングモータであることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  4. 前記変倍レンズの移動時において、前記制御手段は、前記撮像手段を駆動する駆動手段のパルスカウント値に基づく前記撮像手段の位置と、前記位置検出手段により検出された前記撮像手段の位置との差による像面のずれを補正するための前記補正レンズの補正量を算出し、前記変倍レンズの目標位置に対応する前記第1の情報に基づく前記補正レンズの位置及び前記補正量に基づいて、前記補正レンズの目標位置を算出し、前記補正レンズを移動するよう制御することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記変倍レンズの位置を検出する変倍レンズ位置検出手段を有し、
    前記変倍レンズの停止時において、前記制御手段は、前記変倍レンズ位置検出手段によって検出された前記変倍レンズの位置と前記記憶手段に記憶された前記第1の情報とを用いて前記撮像手段の目標位置を算出し、当該目標位置と前記位置検出手段により検出された前記撮像手段の位置との差による像面のずれを補正するための前記補正レンズの補正量を算出し、当該補正量に基づいて前記補正レンズを移動するよう制御することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記補正レンズ及び前記撮像手段それぞれの単位移動量あたりの像面の移動量を示す第2の情報が前記記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記制御手段は、前記第2の情報に基づいて、前記像面のずれを補正するための前記補正レンズの補正量を算出することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  8. 前記制御手段は、前記変倍レンズの移動時と比較して、前記変倍レンズの停止時における前記補正レンズの駆動速度をより速く設定することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 光軸方向に移動可能な変倍レンズと、前記光軸方向に移動可能な補正レンズと、入射光を光電変換して電気信号を出力する、前記光軸方向に移動可能な撮像手段と、前記変倍レンズと、前記変倍レンズの移動に伴う像面の移動を補正するための前記補正レンズ及び前記撮像手段との位置関係が所定の被写体距離ごとに示された第1の情報を記憶する記憶手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像手段の位置を検出する位置検出工程と、
    前記第1の情報に基づいて、前記変倍レンズの移動に伴い、前記補正レンズ及び前記撮像手段の位置を制御する制御工程とを有し、
    前記変倍レンズの移動時に、前記制御工程において、前記撮像手段を駆動する駆動手段のパルスカウント値に基づく前記撮像手段の位置と、前記位置検出工程により検出された前記撮像手段の位置との差による像面のずれを、前記補正レンズの移動によって補正する
    ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
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