JP5839771B2 - 微小気泡発生装置および発生法 - Google Patents

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Description

本発明は、微小気泡の発生装置と発生手法に関するものである。
微小気泡とは概ね直径1mm以下の液体中の気泡である。
微小気泡は、体積あたりの表面積が大きく、液体中での滞在時間も長いことから、良好な溶解特性を持ち、例えば、酸素の微小気泡を用いた閉鎖性水域の溶存酸素量の増加や、オゾンの微小気泡を用いた液体の殺菌等に用いられる(非特許文献1参照。)。また、微小気泡の持つ音響特性を生かした超音波造影剤、気泡界面での吸着特性を生かした分離技術、局所変形が起きにくい微小気泡の形状安定性を生かした中空マイクロカプセルの芯物質としての利用(例えば、特許文献1参照。)など、様々な分野において利用されている。
従来の微小気泡の生成技術としては、微小孔を有する管または多孔質体を通して気体を液体中に噴出させる方法、噴流や旋回流中で生じるせん断力を利用して気相を液相に巻き込む方法、超音波を用いて気液界面を振動させ微細な気泡を生成する方法などがある。
微小孔を有する管または多孔質体を通して気体を液体中に噴出させる方法としては、コンプレッサなどの気体供給装置から、水が流れる管に多孔質体を通して気体を供給することで微小気泡を発生させるものがある(特許文献2参照。)。
噴流や旋回流中で生じるせん断力を利用して気相を液相に巻き込む方法としては、装置の中心部に液体及び気体の2相旋回流を形成させ、その2相旋回流の回転軸に沿って気体の負圧空洞部に気体を吸入させることで、気相が液相に巻き込まれて微小気泡が生成するものがある(特許文献3参照。)。
超音波を用いて気泡を分裂させ微小気泡を生成する方法としては、加圧水を送り込む流体移送管に、上流から気体を供給して流体とともに気泡を流し、下流に設けた超音波振動子から気泡含有の液体に超音波を印加し、超音波の圧力振動によって気泡を分裂させることにより微小気泡を生成するものがある(特許文献4参照。)。
また、微小孔を有する管からの微小気泡の生成と超音波を組み合わせた方法として、生成する微小気泡より更に出口径の小さい管状体から気体を放出する際に、超音波によって管状体を振動させることで気泡成長前の離脱を促し微小気泡を生成させるもの(例えば、特許文献5参照。)や、液体中に超音波を印加することによって、液体中の微細管に形成される気液界面から均一径の微小気泡を生成させるもの(例えば、特許文献6参照。)がある。
特開2007−021315号公報 特開平3−288518号公報 特開2002−143885号公報 特開平8−230763号公報 特開2007−253000号公報 特開2005−074369号公報
「微細気泡の最新技術」、株式会社エヌ・ティー・エス、2006年
前記の背景技術において、微小孔を有する管または多孔質体を通して気体を液体中に噴出させる方法や、微小孔を有する管からの微小気泡の生成と超音波を組み合わせた方法では、微小孔の加工が難しい点、目詰まりが生じやすくなる点、気体噴出の際の圧力損失が大きい点が課題である。
また、噴流や旋回流中で生じるせん断力を利用して気相を液相に巻き込む方法では、特に粘性の高い液体における噴流・旋回流形成や液体の循環に伴うエネルギ消費が大きくなりやすい点や、腐食性の強い液体などを循環させることなく微小気泡を供給したい場合には適さない点が課題である。
超音波を用いて気泡を分裂させ微小気泡を生成する方法では、気泡を含む液体中では超音波エネルギが伝播しにくいため、管内の上流から供給される気泡を一様に微細化することが難しい点が課題である。
本発明では、液体中に配置され振動している振動体の周囲に気体を供給することで、前記課題を解消できるような微小気泡の発生装置および発生方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、少なくとも一部が液体中に配置された周波数10kHz以上、振幅10μm以上の振動が可能な振動体と、前記振動体に設けられた気体流路の放出口から周囲液体に気体を供給する気体供給手段を有する微小気泡発生装置であって、前記気体流路の放出口の少なくとも一つは開口面積が0.79mm 以上であり、前記振動の振動方向が前記気体流路の放出口が設けられた面に対して垂直方向であることを特徴とする。
本発明における微小気泡発生法および装置においては、前記振動体の周囲に供給された気体が、前記振動体から生じる強い超音波を受け、振動体上の気液界面あるいは気泡から多量の微小気泡が生成する。
本発明に係る微小気泡発生法および装置によって以下の効果を得ることができる。
(1)超音波を印加しない場合および振動体が10μm以下の振幅の振動を付与した場合に比べ、液体中に微小気泡を大量に発生させることができる。
(2)微細孔から出すことが必須では無く、微細孔から微小気泡発生する方法と比べ目詰まりが起きにくい。
(3)液体を循環させる必要が無いため、有機溶媒や酸・アルカリなどの腐食性の強い液体や、粘性の高い液体にも微小気泡を発生させることができる。
(4)振動体の周囲に気体が供給されるため、振動体上に形成される気液界面および振動体周囲に放出された気泡に強い超音波を印加することができ、微小気泡の発生を促進することができる。
(5)振動体の周囲で気体が発生するため、振動体周囲に放出された気泡に強い超音波を印加することができ、気泡の急激な体積変動に伴う音響化学反応を発生および促進することができる。
図1は本発明に係る微小気泡発生装置の縦断面図である。 図2は本発明の微小気泡発生装置に用いる振動伝達体の斜視図である。 図3は実施例1における振動伝達体の気体放出口の斜視図である。 図4は実施例1および比較例における気体放出口周辺の状態を示す図である。 図5は水中への酸素溶解プロセスにおける実施例1を用いた効果を示す図である。 図6は実施例2における振動伝達体の気体放出口の断面図である。 図7は実施例3における振動伝達体の気体放出口の断面図である。 図8は水への酸素溶解プロセスにおける実施例2および実施例3を用いた効果を示す図である。 図9は実施例4における振動伝達体の気体放出口の斜視図である。 図10は実施例5における振動伝達体の気体放出口の斜視図である。 図11は水への酸素溶解プロセスにおける実施例4および実施例5を用いた効果を示す図である。 図12は水への酸素溶解プロセスにおける実施例6、実施例7、実施例8を用いた効果を示す図である。
本発明は、少なくとも一部が液体中に配置された周波数10kHz以上、振幅10μm以上の振動が可能な振動体と、前記振動体の周囲液体に気体を供給する気体供給手段を有することを特徴とする。以下、本発明を実施するための最良の形態について図1を参照して説明する。
本発明を実施するための最良の形態では、少なくとも一部が液体中に配置された振動体における周波数10kHz以上、振幅10μm以上の振動は、槽10に満たされた液体9の中に超音波放射面15が配置された振動体に電気信号を供給することによって付与される。また、前記振動体周囲の前記液体9への気体供給は、前期振動体からの振動が有効に伝わる範囲の液体中に気体の供給が行えるようにすれば良く、供給した気体のなるべく大きな割合が前記振動体に接触できるようにすることが微小気泡を形成する効率の点で好ましい。前記気体供給の望ましい形態としては、前記振動体に気体供給口6と気体放出口8を接続する気体流路7を設け、気体加圧手段1から前記気体供給口6に気体を供給し、前記液体9の中に位置した前記気体放出口8から放出することが挙げられる。
前記槽10に満たす前記液体9は限定的ではなく、水、油、有機溶媒、アルコール等が例示される。また、前記槽10については、振動体の周囲に前記液体9を存在させることができれば形態は限定されず、河川、湖沼、海や流路でもよい。前記気体放出口8に供給される気体についても限定的ではなく、空気、窒素、酸素、二酸化炭素、オゾン等が例示される。
前記気体加圧手段1は前記気体放出口8に気体を供給できることができれば特に制限はなく、コンプレッサ、ダイアフラムポンプ、サクションポンプ、ギアポンプ、高圧ボンベ等が例示される。
前記振動体は、前記液体9の中の前記気体放出口8に10μm以上、より好ましくは20μmの振幅を与えることが出来れば良く、特に形状は限定されない。また、前記振動体は超音波振動子2が10μm以上の振幅で振動できれば、前記超音波振動子2のみの構成でも良い。但し、10μm以上の大振幅を前記超音波振動子2のみの変位で得ることは難しく、前記超音波振動子2の振幅に振動伝達体5を接続して振幅を増幅することが好ましい。前記振動伝達体5の形状は、特に限定されるものではないが、超音波振幅の増幅に一般的に用いられる振幅拡大ホーンとして公知の形状が望ましい。前記振動伝達体5の一つの好ましい形態としては図2に示す段付き円筒形状が例示される。図2において、大面積の端部は振動子接続面14となり前記超音波振動子2が接続され、小面積の端部が前記超音波振動子2で発生した振動が増幅された前記超音波放射面15となる。また、前記気体放出口8は振動が増幅された前記超音波放射面15に設けられることが望ましい。前記振動伝達体5は、超音波の圧力振動を伝えることができれば、1つの部品からなる構造体でも、複数の部品をネジ止め、接着、溶接等により接続した構造体でも良い。
前記振動伝達体5として用いる材料は限定されないが、超音波ホーン材料として用いられている公知の材料が望ましく、チタン合金、純チタン、Ni−Cr鋼、ステンレス鋼、黄銅、モネルメタル、工具鋼が例示される。
前記振動体に設けた前記気体放出口8の開口形状は限定されないが、加工が容易な円形状や矩形状や、面積等価円の周囲長より周囲長を長くとることが出来るスリット形状、歯車形状、回転鋸形状などが望ましく、前記気体放出口8を複数個設けても良い。前記気体放出口8が設けられた面の振動方向については特に限定されないが、最も強く超音波が発生する前記気体放出口8が設けられた面に対して垂直方向の振動が望ましい。
前記振動体の中に設けた前記気体流路7の形状は気体が通過できることが出来る形状であれば特に限定されないが、前記液体9に擾乱を与えより多くの気泡12および微小気泡13を発生させるために、前記気体放出口8の直前の前記気体流路7において拡大構造または縮小構造または拡大と縮小を組み合わせた構造を有することが望ましく、急縮小形状やオリフィス形状、急拡大形状やベルマウス形状、拡大と縮小を組み合わせたメネジ形状、フィン形状などが例示される。前記振動体の表面粗さについても特に限定されないが、前記液体9に擾乱を与えより多くの前記気泡12および前記微小気泡13を発生させるために、気液界面11と接する前記振動体の表面が算術平均粗さRaで50μm以上の凹凸形状を有することが望ましい。
前記振動体の前記気体供給口6から前記気体流路7を通って前記気体放出口8まで導入された気体は、前記液体9との間で前記気液界面11を形成し、前記振動体の振動によって前記気液界面11に生じる擾乱によって気体が離脱し前記気泡12または直接前記微小気泡13が放出される。前記気体放出口8から放出された前記気泡12は、前記気体放出口8の周辺の前記超音波放射面15から生じる強い超音波によって更に分裂し前記微小気泡13が液体中に多量に生成する。超音波を印加しない場合は前記気体放出口8より径の大きい気泡しか放出されず、また超音波の振幅が10μm以下の場合、10μm以上の場合に比較して前記微小気泡13の発生量は著しく低下する。
前記超音波振動子2は特に限定されず、公知の超音波振動子から適宜選択される。前記超音波振動子2で発生する超音波の周波数と振幅は、ファンクションジェネレータ4で発生させた任意の周波数と波形の信号をアンプ3によって増幅した電気信号によって制御される。本発明による微小気泡の発生は、液体中に存在する気泡を超音波で振動させる際、一定以上の速度および一定以上の振幅を与えることにより、気泡あるいは振動体上の気液界面の一部が分裂することによって微小気泡が生成する。このため、用いる超音波の周波数が高く、振幅が大きい程微小気泡の発生効率が高く、発生する気泡を微小にすることができる。用いる超音波の周波数、振幅は微小気泡発生の目的に応じて、10μm以上、10kHz以上の範囲で適宜選択される。周波数については、公知の超音波振動子が多数存在する15kHz〜100kHzが望ましく、より好ましくは振幅を大きくとることが可能な20kHz〜40kHzの範囲が望ましい。また、超音波の印加は連続的な印加でも、印加する超音波周波数以下の周波数で発生と停止を繰り返すバーストモードの印加でも良い。
実施例1として、槽10として5Lガラスビーカ、液体9として2.5Lの純水、気体および気体供給手段1として酸素および酸素ボンベ、超音波振動子2としてボルト締めランジュバン型超音波振動子、振動伝達体5として、大面積部外径50mm−長さ63mm、小面積部外径20mm−長さ63mm、全長126mmチタン合金製段付き円筒ホーンを用いた。図3に実施例1で用いた気体放出口8の詳細図を示す。気体放出口8の形状は直径6mm、開口面積28.3mmの円形であり、図3に示されるように気体放出口8が設けられた面に対して垂直に気体放出口8が振動する。気体放出口8の振動周波数は20kHz、振幅は20μm、供給する酸素の流量は40mL/minに設定した。
実施例1によって微小気泡13が発生している場合、実施例1と同一条件で気体放出口8の振幅を6μmにした場合および実施例1と同一条件で超音波を印加しなかった場合の気体放出口8の周辺の状態を図4に示す。振幅が小さい場合や超音波を印加しない場合にくらべ多量の微小気泡13が発生していることが確認できる。
また、実施例1によって酸素を水に供給したことによる溶存酸素濃度の変化を図5に示す。図5には比較例として実施例1と同一条件で気体放出口8の振幅を16μmにした場合、気体放出口8の振幅を6μmにした場合、実施例1と同一条件で超音波を印加しなかった場合の溶存酸素濃度の変化も併せて示す。微小気泡13は通常の気泡12に比べて体積当りの表面積が大きく、良好な溶解特性を持っており、図5において実施例1が最も速やかに酸素濃度が上昇していることから、ほとんど酸素濃度の上昇速度が変わらない振幅を6μmにした場合および超音波を印加しなかった場合の酸素濃度の上昇速度に比べ、極めて多量の微小気泡13が生成していることが裏付けられた。また、実施例1は振幅を16μmにした場合の結果よりも速やかな酸素濃度の上昇が見られ、概ね10μmを閾値として、これを超えることにより微小気泡の発生が起こり、更に振幅を増加させると微小気泡の発生が更に促進されることがわかる。
また、水にOHラジカルと反応して発光するルミノールを0.1g/Lの濃度で溶解させた液体を用いて、実施例1を行ったところ、気体放出口8の周囲で発光現象が確認されたことから、本発明の微小気泡発生装置および微小気泡発生法を用いることで気体放出口の周囲で発生した気泡に強い超音波を印加でき、音響化学反応が発生および促進されることも確認した。
実施例2として、実施例1の振動伝達体5に設けられる気体放出口直前の気体流路16を急縮小する形状に変えた例を示す。図6に実施例2で用いた気体放出口8の詳細図を示す。気体放出口の形状は直径6.5mmの円形で実施例1とほぼ同等の大きさであるが、気体放出口直前の気体流路16が、実施例1では単純な円形の貫通穴であるのに対し、実施例2では振動伝達体5の超音波放射面15と30°の角度をなす角度で急縮小する形状を持つ。気体放出口8の形状以外は実施例1と同様の条件とした。この形状では、鋭角なエッジを持つ振動伝達体5が液体中を大振幅で振動する際に液体中に実施例1よりも強い擾乱を発生させることできるため、微小気泡13の発生量を増やすことができる。
実施例3として、実施例1の振動伝達体5に設けられる気体放出口直前の気体流路16を急拡大する形状に変えた例を示す。図7に実施例3で用いた気体放出口8の詳細図を示す。気体放出口直前の気体流路16が、実施例1では単純な円形の貫通穴であるのに対し、実施例3では振動伝達体5の超音波放射面15と振動伝達体5の内部の直径6mmの気体流路7が半径0.8mmの曲面で滑らかに急拡大して接続する形状を持つ。気体放出口8の形状以外は実施例1と同様の条件とした。この形状でも微小気泡13の発生量を増やすことができる。
実施例2および実施例3によって酸素を水に供給したことによる溶存酸素濃度の変化を図8に示す。実施例2および実施例3ともに気体放出口8を変えた以外の条件は実施例1と同じであり、比較例として実施例1の結果も併せて示す。図8では、実施例2および実施例3の酸素濃度上昇が実施例1を上回っており、気体放出口直前の気体流路16に拡大または縮小の構造を設けることにより、実施例1より更に多量の微小気泡13が生成していることを確認した。
実施例4として、実施例1の振動伝達体5に設けられる気体放出口8の個数を変えた例を示す。図9に実施例4で用いた気体放出口8の詳細図を示す。気体放出口の形状は直径3.5mm、開口面積9.6mmの円形を3個配置した形である。3個の気体放出口の開口面積の和は28.8mmと実施例1とほぼ同等であるが、気体放出口合計面積の等価円の周囲長に対する気体放出口の合計周囲長の比は1.7である。気体放出口8の形状以外は実施例1と同様の条件とした。気泡12の放出は擾乱が発生しやすい超音波放射面15と気体流路7の境界で起こりやすいため、気体放出口8の個数を増やし境界の周囲長を増やすことにより、気液界面11からの気泡生成を促し、結果として同じ開口面積でも生じる微小気泡13の量を増やすことができる。
実施例5として、実施例1の振動伝達体5に設けられる気体放出口8の個数を変えた例を示す。図10に実施例5で用いた気体放出口8の詳細図を示す。気体放出口の形状は直径2mm、開口面積3.1mmの円形を9個配置した形である。9個の気体放出口の開口面積の和は28.3mmと実施例1とほぼ同等であるが、気体放出口合計面積の等価円の周囲長に対する気体放出口の合計周囲長の比は3.0である。気体放出口8の形状以外は実施例1と同様の条件とした。実施例4と同様に、気体放出口8の個数を増やし境界の周囲長を増やすことにより、気液界面11からの気泡生成を促し、結果として同じ開口面積でも生じる微小気泡13の量を増やすことができる。
実施例4および実施例5によって酸素を水に供給したことによる溶存酸素濃度の変化を図11に示す。実施例4および実施例5ともに気体放出口8を変えた以外の条件は実施例1と同じであり、比較例として実施例1の結果も併せて示す。図11では、実施例4および実施例5の酸素濃度上昇が実施例1を上回っており、気体放出口合計面積の等価円の周囲長に対する気体放出口の合計周囲長の比が1より大きい気体放出口形状にして超音波放射面15と気体流路7の境界の周囲長を増やすことにより、実施例1より更に多量の微小気泡13が生成することを確認した。
実施例6として、図1中の槽10として500mLガラスビーカ、液体9として300mLの純水、気体および気体供給手段1として酸素および酸素ボンベ、超音波振動子2としてボルト締めランジュバン型振動子、振動伝達体5として、大面積部外径12mm−長さ44.5mm、小面積部外形6mm−長さ64.5mm、全長109mmチタン合金製段付き円筒ホーンを用いた。気体放出口の形状は直径1mm、開口面積0.79mmの円形であり、気体放出口8が設けられた面に対して垂直に気体放出口8が振動する。気体放出口8の振動周波数は20kHz、振幅は20μm、供給する酸素の流量は40mL/minに設定した。気体放出口を小さくしたこの条件においても、実施例1と同様に気体放出口8から微小気泡13が発生することを確認した。
実施例7として、実施例6の振動伝達体5に設けられる気体放出口8の形状を直径1.8mm、開口面積2.54mmの円形に変えた例を示す。気体放出口8の形状以外は実施例6と同様の条件とした。気体放出口の面積を実施例6より大きくした条件では、気体放出口8から実施例6より多くの多量の微小気泡13が発生することを確認した。
実施例8として、実施例6の振動伝達体5に設けられる気体放出口8の形状を直径2.6mm、開口面積5.30mmの円形に変えた例を示す。また、気体放出口直前の形状は、メートル並目ねじM2.6のメネジ形状を備えている。このメネジ部の算術平均粗さRaは約120μmである。気体流路16気体放出口8の形状以外は実施例6と同様の条件とした。気体放出口8の面積を実施例6より大きくした条件では、気体放出口8から実施例6および実施例7より多くの多量の微小気泡13が発生することを確認した。
実施例6、実施例7および実施例8によって同一流量の酸素を水に供給したことによる溶存酸素濃度の変化を図12に示す。図12では最も開口面積の大きい実施例8の酸素濃度上昇が最も早く、最も開口面積の小さい実施例6の酸素濃度上昇が最も遅い。したがって、開口面積の減少によって、微小気泡13の生成量は低下する。実施例6より更に小さい直径1mm、開口面積0.79mm以下の気体放出口8の場合、微小気泡13の生成量の低下と目詰まりなどの問題が起きやすい。
なお、以上の説明は、例示したものであり、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、様々な形態で実施することができる。例えば、実施例2および実施例3において気体放出口直前の気体流路16を急拡大または急縮小する形状に変化させたことにより発明の効果の向上が見られたことから、気体放出口直前の気体流路16を急拡大と急縮小の組合せであるフィン形状やメネジ状にしたものが実施形態として例示される。また、実施例4および実施例5において開口面積を一定にして円形形状の気体放出口8の個数を増やし、超音波放射面15と気体流路7の境界の周囲長を長くすることで発明の効果の向上が見られたことから、気体放出口8の形状を矩形形状、歯車形状、回転鋸形状にしたものや気体放出口8を複数設けた形状が実施形態として例示される。
本発明で得られる微小気泡13は、従来から微小気泡13が有効とされている液相化学反応、浮上分離技術、養殖技術、殺菌技術、船舶の抵抗低減技術、中空マイクロカプセル生成技術などに有効である。また、強力な超音波の印加も同時に行われることから、音響化学反応促進によるラジカル生成技術、難分解性物質分解技術、表面処理技術にも有効である。例えば、実施例8において酸素の代わりにオゾンガスを供給して液体中の大腸菌殺菌に適用した場合、同一流量同一濃度のオゾンガスを多孔質体から発生させた場合に比べて、半分以下の処理時間で滅菌が可能であった。
1 気体加圧手段
2 超音波振動子
3 アンプ
4 ファンクションジェネレータ
5 振動伝達体
6 気体供給口
7 気体流路
8 気体放出口
9 液体
10 槽
11 気液界面
12 気泡
13 微小気泡
14 振動子接続面
15 超音波放射面
16 気体放出口直前の気体流路

Claims (4)

  1. 超音波放射面が液体中に配置された周波数15kHz以上100kHz以下、振幅16μm以上の振動が可能な、超音波振動を増幅させる形状を有する振動体と、前記振動体の超音波放射面に設けられた気体流路の放出口から周囲液体に気体を供給する気体供給手段を有する微小気泡発生装置であって、前記気体流路の放出口の少なくとも一つは開口面積が0.79mm以上28.8mm 以下の範囲であり、前記振動の振動方向が前記気体流路の放出口が設けられた面に対して垂直方向であることを特徴とする微小気泡発生装置。
  2. 前記振動体内部に設けた気体流路の放出口周辺における形状が、拡大構造または縮小構造または拡大と縮小を組み合わせた構造のいずれかを有することを特徴とする請求項1に記載の微小気泡発生装置。
  3. 前記振動体の液体中の表面において、少なくとも一部の表面が算術平均粗さRaで50μm以上の凹凸形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小気泡発生装置。
  4. 超音波放射面が液体中に配置された周波数15kHz以上100kHz以下、振幅16μm以上で振動する超音波振動を増幅させる形状を有する振動体の周囲液体に、前記振動体の超音波放射面に設けられた気体流路の放出口から気体を供給することで微小気泡を発生させる微小気泡発生法であって、前記気体流路の放出口の少なくとも一つは開口面積が0.79mm以上28.8mm 以下の範囲であり、前記振動の振動方向が前記気体流路の放出口が設けられた面に対して垂直方向であることを特徴とする微小気泡発生法。
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