以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。また、以下で例示する数値(例えば計量部Cwの個数等)は一例であり、その数値に限定されるものではない。
(実施形態)
本実施形態における重量選別機は、以下の各構成例で示されるように、各々重量センサ2に支持された複数の計量コンベア1と、各計量コンベア1上に保持されている被計量物の重量と複数の各ランクに対して予め定められた重量範囲とに基づいて、各計量コンベア1上に保持されている被計量物がいずれのランクに属するかを判別する制御部5とを備えている。また、複数の計量コンベア1は平行に配置されている。
〔第1構成例〕
図1(a)は本発明の実施形態の第1構成例の重量選別機を上から見た概略平面図であり、図1(b)は同重量選別機を側方から見た概略模式図である。図2は本発明の実施形態の第1構成例の重量選別機の概略構成を示すブロック図である。
本重量選別機は、複数(例えば6個)の計量部Cwと、第1、第2の2つの排出コンベア3a、3bと、操作表示器4と、制御部5などを備えている。
複数の計量部Cwの各々は、計量コンベア1と、計量コンベア1上の被計量物Pの重量を計量する重量センサ2とを備えている。重量センサ2は、計量コンベア1を支持するロードセル等によって構成される。各計量コンベア1は、ベルトコンベアによって構成され、搬送方向を、矢印aで示す方向と矢印bで示す方向とに切替可能である。
第1、第2排出コンベア3a、3bは、計量コンベア1から搬出される被計量物を外部へ排出するための排出手段であり、各々、ベルトコンベアで構成され、搬送方向を、矢印cで示す方向と矢印dで示す方向とに切替可能である。そして、排出コンベア3a、3bの両端部には、例えば収納箱21〜24が配置され、排出コンベア3a、3bによって搬送された被計量物Pは、収納箱21〜24に収納される。
第1排出コンベア3aと第2排出コンベア3bとは平行に配設され、その間に、複数の計量コンベア1が互いに平行にかつ隣接して配設されている。ここで、各計量コンベア1は、その搬送方向(矢印a、bの方向)が排出コンベア3a、3bの搬送方向(矢印c、dの方向)と直交するように配置され、各計量コンベア1の一端側に第1排出コンベア3aが配置され、各計量コンベア1の他端側に第2排出コンベア3bが配置されている。
排出コンベア3a、3b及び複数の計量部Cw(計量コンベア1を支持する重量センサ2)は、架台11上に設置されている。
そして、図1には示されていないが、図2に示すように、コンベア駆動回路部8a、8b及びA/D変換部9等を有している。
また、各計量コンベア1を支持する重量センサ2によって計量コンベア1上の被計量物Pの重量が計量され、その計量値(アナログ重量信号)は、A/D変換部9でデジタル信号に変換され、制御部5に送られる。
制御部5は、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、CPU等からなる演算制御部6と、RAM及びROM等のメモリからなる記憶部7とを有している。記憶部7には、運転用プログラム、動作パラメータのデータ、計量データ等が記憶される。制御部5は、ランク判別手段、計量コンベア制御手段、第1、第2の排出コンベア制御手段等として機能する。なお、制御部5は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
制御部5は、演算制御部6が記憶部7に記憶されている運転用プログラムを実行することにより、重量選別機の全体の制御を行う。例えば、各計量コンベア1が取り付けられている重量センサ2によって計測される計量値をA/D変換部9を介してデジタル値として随時取得し、必要であれば記憶部7に記憶する。また、コンベア駆動回路部8aを介して各計量コンベア1の駆動動作を制御し、コンベア駆動回路部8bを介して各排出コンベア3a、3bの駆動動作を制御する。操作表示器4から信号が入力されるとともに、操作表示器4へ表示するデータ等の信号を出力する。
操作表示器4は、例えばタッチスクリーン式のディスプレイ(表示装置)を備え、このディスプレイの画面上で、重量選別機の運転の開始及び停止等の操作、運転パラメータの設定等を行うことができる。
以上のように構成された本実施形態の第1構成例の重量選別機の動作について、まず、第1の動作例を説明する。図3及び図4は、本実施形態の第1構成例の重量選別機の動作の一例(特に、第1の動作例における計量コンベア1及び排出コンベア3a、3bの動作制御)を示すフローチャートである。この重量選別機の動作は制御部5の処理によって実現される。なお、重量選別機の動作を制御するために必要となる情報等は全て記憶部7に記憶される。被計量物Pは、例えば、農水産物等である。なお、以下の説明では被計量物を示す符号Pを省略する場合がある。
作業者は、搬送停止状態で被計量物が載っていない計量コンベア1に被計量物Pを例えば1個ずつ随時供給する(載せる)作業を行う。すなわち、各計量コンベア1に被計量物Pが手動で供給される。
制御部5は、A/D変換部9から一定時間間隔で各重量センサ2の計量値を取得し、重量センサ2の計量値に基づいて計量コンベア1上の被計量物Pの重量値を認識し、ランク判別処理を行う。
ここで、ランク判別処理について説明しておく。制御部5は、各重量センサ2によって計量された被計量物Pの重量を認識すると、即座にその被計量物Pが、予め設定されている複数のランクのうちのいずれのランクに属するかを判別する。ここで、第1の動作例では、S(小)品、M(中)品、L(大)品の3つの規格品のランクと、これらの規格品以外である規格外品のランクとからなる4つのランクが設定されている。例えば、各ランクの重量範囲を定める境界値(境界の重量値)が、小さい方から順に、W1、W2、W3、W4に設定され、S品の重量範囲がW1以上、W2未満の範囲に設定され、M品の重量範囲がW2以上、W3未満の範囲に設定され、L品の重量範囲がW3以上、W4以下の範囲に設定され、規格外品の重量範囲がW1未満の範囲及びW4を超える範囲に設定されている。これらのランクの個数と各ランクの重量範囲は、操作表示器4を用いて設定されている。制御部5は、被計量物Pの重量がいずれのランクの重量範囲に含まれるかを判断して、被計量物Pが属するランクを決定する。
図3及び図4に示すフローチャートで示される一連の処理は、制御部5によって一定時間間隔(例えば、1ms間隔)で実行される。なお、以下では、第1、第2排出コンベア3a、3bが矢印c方向を搬送方向として動作することを正転運転と言い、矢印d方向を搬送方向として動作することを逆転運転と言う。また、計量コンベア1が矢印a方向を搬送方向として動作することを正転運転と言い、矢印b方向を搬送方向として動作することを逆転運転と言う。
本動作例では、第1排出コンベア3aの正転運転により被計量物(S品)が排出中であることを示すS品排出中フラグと、第1排出コンベア3aの逆転運転により被計量物(M品)が排出中であることを示すM品排出中フラグと、第2排出コンベア3bの正転運転により被計量物(L品)が排出中であることを示すL品排出中フラグと、第2排出コンベア3bの逆転運転により被計量物(規格外品)が排出中であることを示す規格外品排出中フラグとの4つのフラグが設けられ、それぞれのフラグ領域は記憶部7内に設けられている。以下では、フラグをたてる(値を1にセットする)ことをフラグをONすると言い、フラグを降ろす(値を0にセットする)ことをフラグをOFFすると言う。これらのフラグは、運転開始時には、全てOFFにされている。
まず、ステップS101では、計量コンベア1上に載置(供給)され、重量値を取得済みの被計量物の個数が所定個数n(nは、計量コンベア1の総数以下の所定値)以上であるか否かを判断し、所定個数n以上であればステップS1の処理へ進み、所定個数n未満であればステップS102へ進む。例えば、所定個数nが計量コンベア1の総数(図1の構成の場合は「6」)に設定されている場合には、全ての計量コンベア1に載せられた被計量物の重量値を取得していればステップS1へ進む。なお、作業終了時には、例えば、操作表示器5の操作によって作業終了の指示信号が制御部5に入力されるように構成されており、作業終了の指示信号が入力された場合には、ステップS101を行うことなく、ステップS1から開始される。このステップS1からの処理が繰り返されることにより、全ての計量コンベア1上の被計量物が排出コンベア3a、3bを介して収納箱21〜24へ収納される。
ステップS1では、S品が載置されている計量コンベア1が有るか否かを判定し、有ればステップS2へ進み、無ければステップS11へ進む。
ステップS2では、S品が載置されている計量コンベア1の個数(S品載置コンベア数)と、M品が載置されている計量コンベア1の個数(M品載置コンベア数)とを比較し、S品載置コンベア数がM品載置コンベア数以上の場合には、ステップS3へ進み、そうでない場合にはステップS11へ進む。
ステップS3では、M品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS21へ進み、ONしていなければ(OFFであれば)ステップS4へ進む。
ステップS4では、第1排出コンベア3aを正転運転させる。ここで、第1排出コンベア3aが既に正転運転されている場合には、その正転運転を継続させる。また、第1排出コンベア3aが逆転運転されている場合には、逆転運転を停止させて正転運転を開始させる。
続いて、S品が載置されている計量コンベア1を正転運転させ(ステップS5)、S品排出中フラグをONし(ステップS6)、S品排出中タイマをセットする(ステップS7)。ここで、計量コンベア1の正転運転は、所定時間の間あるいは所定の搬送距離だけ行われて停止され、これにより、計量コンベア1上のS品を第1排出コンベア3aへ搬出させる。第1排出コンベア3aへ搬出されたS品は、第1排出コンベア3aの正転運転によってS品の収納箱21へ搬送される。また、S品排出中タイマには、ステップS5で正転運転が開始された計量コンベア1上のS品が、計量コンベア1から搬出され第1排出コンベア3aによって収納箱21へ搬出されるまでに要する時間として予め定められた所定の時間がセットされ、タイムアップするとS品排出中フラグがOFFされる(後述のステップS24)。
また、ステップS11では、M品が載置されている計量コンベア1が有るか否かを判定し、有ればステップS12へ進み、無ければステップS21へ進む。
ステップS12では、S品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS21へ進み、ONしていなければ(OFFであれば)ステップS13へ進む。
ステップS13では、第1排出コンベア3aを逆転運転させる。ここで、第1排出コンベア3aが既に逆転運転されている場合には、その逆転運転を継続させる。また、第1排出コンベア3aが正転運転されている場合には、正転運転を停止させて逆転運転を開始させる。
続いて、M品が載置されている計量コンベア1を正転運転させ(ステップS14)、M品排出中フラグをONし(ステップS15)、M品排出中タイマをセットする(ステップS16)。ここで、計量コンベア1の正転運転は、所定時間の間あるいは所定の搬送距離だけ行われて停止され、これにより、計量コンベア1上のM品を第1排出コンベア3aへ搬出させる。第1排出コンベア3aへ搬出されたM品は、第1排出コンベア3aの逆転運転によってM品の収納箱22へ搬送される。また、M品排出中タイマには、ステップS14で正転運転が開始された計量コンベア1上のM品が、計量コンベア1から搬出され第1排出コンベア3aによって収納箱22へ搬出されるまでに要する時間として予め定められた所定の時間がセットされ、タイムアップするとM品排出中フラグがOFFされる(後述のステップS28)。
次に、ステップS21では、S品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS22へ進み、ONしていなければステップS25へ進む。
ステップS22では、S品排出中タイマのタイマ値を1減少させ、タイムアップしたか否かを判定し(ステップS23)、タイムアップしていなければステップS31(図4)へ進み、タイムアップしていればS品排出中フラグをOFFさせて(ステップS24)、次のステップS31へ進む。
また、ステップS25では、M品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS26へ進み、ONしていなければステップS31へ進む。
ステップS26では、M品排出中タイマのタイマ値を1減少させ、タイムアップしたか否かを判定し(ステップS27)、タイムアップしていなければステップS31へ進み、タイムアップしていればM品排出中フラグをOFFさせて(ステップS28)、次のステップS31へ進む。
上記の処理では、M品排出中フラグがONしているか否かによって第1排出コンベア3aがM品の被計量物を排出中であるか否かを判断し、S品排出中フラグがONしているか否かによって第1排出コンベア3aがS品の被計量物を排出中であるか否かを判断するようにしている。そして、計量コンベア1上のS品の被計量物を搬出する場合には、ステップS3によって第1排出コンベア3aがM品の被計量物を排出中でないことを確認した後、S品の被計量物を搬出する(ステップS5)ようにしている。また、計量コンベア1上のM品の被計量物を搬出する場合には、ステップS12によって第1排出コンベア3aがS品の被計量物を排出中でないことを確認した後、M品の被計量物を搬出する(ステップS14)ようにしている。
次に、ステップS31では、L品が載置されている計量コンベア1が有るか否かを判定し、有ればステップS32へ進み、無ければステップS41へ進む。
ステップS32では、L品が載置されている計量コンベア1の個数(L品載置コンベア数)と、規格外品が載置されている計量コンベア1の個数(規格外品載置コンベア数)とを比較し、L品載置コンベア数が規格外品載置コンベア数以上の場合には、ステップS33へ進み、そうでない場合にはステップS41へ進む。
ステップS33では、規格外品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS51へ進み、ONしていなければ(OFFであれば)ステップS34へ進む。
ステップS34では、第2排出コンベア3bを正転運転させる。ここで、第2排出コンベア3bが既に正転運転されている場合には、その正転運転を継続させる。また、第2排出コンベア3bが逆転運転されている場合には、逆転運転を停止させて正転運転を開始させる。
続いて、L品が載置されている計量コンベア1を逆転運転させ(ステップS35)、L品排出中フラグをONし(ステップS36)、L品排出中タイマをセットする(ステップS37)。ここで、計量コンベア1の逆転運転は、所定時間の間あるいは所定の搬送距離だけ行われて停止され、これにより、計量コンベア1上のL品を第2排出コンベア3bへ搬出させる。第2排出コンベア3bへ搬出されたL品は、第2排出コンベア3bの正転運転によってL品の収納箱23へ搬送される。また、L品排出中タイマには、ステップS35で逆転運転が開始された計量コンベア1上のL品が、計量コンベア1から搬出され第2排出コンベア3bによって収納箱23へ搬出されるまでに要する時間として予め定められた所定の時間がセットされ、タイムアップするとL品排出中フラグがOFFされる(後述のステップS54)。
また、ステップS41では、規格外品が載置されている計量コンベア1が有るか否かを判定し、有ればステップS42へ進み、無ければステップS51へ進む。
ステップS42では、L品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS51へ進み、ONしていなければ(OFFであれば)ステップS43へ進む。
ステップS43では、第2排出コンベア3bを逆転運転させる。ここで、第2排出コンベア3bが既に逆転運転されている場合には、その逆転運転を継続させる。また、第2排出コンベア3bが正転運転されている場合には、正転運転を停止させて逆転運転を開始させる。
続いて、規格外品が載置されている計量コンベア1を逆転運転させ(ステップS44)、規格外品排出中フラグをONし(ステップS45)、規格外品排出中タイマをセットする(ステップS46)。ここで、計量コンベア1の逆転運転は、所定時間の間あるいは所定の搬送距離だけ行われて停止され、これにより、計量コンベア1上の規格外品を第2排出コンベア3bへ搬出させる。第2排出コンベア3bへ搬出された規格外品は、第2排出コンベア3bの逆転運転によって規格外品の収納箱24へ搬送される。また、規格外品排出中タイマには、ステップS44で逆転運転が開始された計量コンベア1上の規格外品が、計量コンベア1から搬出され第2排出コンベア3bによって収納箱24へ搬出されるまでに要する時間として予め定められた所定の時間がセットされ、タイムアップすると規格外品排出中フラグがOFFされる(後述のステップS58)。
次に、ステップS51では、L品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS52へ進み、ONしていなければステップS55へ進む。
ステップS52では、L品排出中タイマのタイマ値を1減少させ、タイムアップしたか否かを判定し(ステップS53)、タイムアップしていなければ一連の処理を終了し、タイムアップしていればL品排出中フラグをOFFさせて(ステップS54)、一連の処理を終了する。
また、ステップS55では、規格外品排出中フラグがONしているか否かを判定し、ONしていればステップS56へ進み、ONしていなければ一連の処理を終了する。
ステップS56では、規格外品排出中タイマのタイマ値を1減少させ、タイムアップしたか否かを判定し(ステップS57)、タイムアップしていなければ一連の処理を終了し、タイムアップしていれば規格外品排出中フラグをOFFさせて(ステップS58)、一連の処理を終了する。
上記のステップS31以降の処理では、規格外品排出中フラグがONしているか否かによって第2排出コンベア3bが規格外品の被計量物を排出中であるか否かを判断し、L品排出中フラグがONしているか否かによって第2排出コンベア3bがL品の被計量物を排出中であるか否かを判断するようにしている。そして、計量コンベア1上のL品の被計量物を搬出する場合には、ステップS33によって第2排出コンベア3bが規格外品の被計量物を排出中でないことを確認した後、L品の被計量物を搬出する(ステップS35)ようにしている。また、計量コンベア1上の規格外品の被計量物を搬出する場合には、ステップS42によって第2排出コンベア3bがL品の被計量物を排出中でないことを確認した後、規格外品の被計量物を搬出する(ステップS44)ようにしている。
また、ステップS102及びステップS103では、ステップS21〜S28及びステップS51〜58と同じ処理を行う。これにより、計量コンベア1上に載置され、重量値を取得済みの被計量物の個数が所定個数n未満の場合に、ONしている排出中フラグがあれば、それに対応する排出中タイマの値が1減少され、タイムアップした場合には、同排出中フラグがOFFされる。
なお、上記の動作例において、S品排出中フラグ及びM品排出中フラグのいずれかをONからOFFさせたときに第1排出コンベア3aを停止させるようにしてもよい。同様に、L品排出中フラグ及び規格外品排出中フラグのいずれかをONからOFFさせたときに第2排出コンベア3bを停止させるようにしてもよい。
また、S品排出中タイマ、M品排出中タイマ、L品排出中タイマ及び規格外品排出中タイマにセットする時間を、予め定められた所定の時間としたが、これに限られない。例えば、S品排出中タイマにセットする時間を、排出コンベア3aのS品の搬送終端部(あるいはS品の収納箱21)と、そこから最も遠い位置でS品を保持している計量コンベア1との距離に応じた時間、すなわち、同計量コンベア1から搬出されるS品が排出コンベア3aのS品の搬送終端部から排出されるまでに要する時間としてもよい。他の排出中タイマにセットする時間も同様である。
本構成例の場合、複数の計量コンベア1を設けていることにより、複数の被計量物がいずれのランクに属するかを短時間の間に判別することができ、計量コンベア1から同一ランクの被計量物を複数個同時に搬出することができる。そのため、大幅に処理能力の向上を図ることができる。
また、複数の計量コンベア1を平行に配置し、計量コンベア1の両端側に第1、第2排出コンベア3a、3bを配置している。すなわち、複数の計量コンベア1の一端から排出される被計量物を単一の第1排出コンベア3aによって外部へ排出するようにし、複数の計量コンベア1の他端から排出される被計量物を単一の第2排出コンベア3bによって外部へ排出するようにすることにより、装置のコンパクト化を図ることができる。
また、上記の第1の動作例では、ステップS2〜S5において、S品載置コンベア数とM品載置コンベア数とが同数の場合にS品を排出するようにしているが、M品を排出するようにしてもよい。また、S品載置コンベア数とM品載置コンベア数とが同数の場合に、その時点において第1排出コンベア3aが搬送動作しているときには、そのときの搬送方向に応じたランクの被計量物を排出するようにすれば、第1排出コンベア3aの搬送方向を切り替えなくて済み、切り替えるための停止時間が無くなるため、処理能力の向上を図る上で好ましい。
そして、第1排出コンベア3aに搬送させる2つのランクの被計量物(S品、M品)のうち、計量コンベア1に保持されている個数が多い方のランクの被計量物を優先して計量コンベア1から先に第1排出コンベア3aへ搬出させることにより、空になる計量コンベア1の個数を多くすることができる。すなわち、新たに被計量物が供給される計量コンベア1の個数が多くなり、処理能力の向上を図ることができる。
また、ステップS32〜S35において、L品載置コンベア数と規格外品載置コンベア数とが同数の場合にL品を排出するようにしているが、規格外品を排出するようにしてもよい。また、L品載置コンベア数と規格外品載置コンベア数とが同数の場合に、その時点において第2排出コンベア3bが搬送動作しているときには、そのときの搬送方向に応じたランクの被計量物を排出するようにすれば、第2排出コンベア3bの搬送方向を切り替えなくて済み、切り替えるための停止時間が無くなるため、処理能力の向上を図る上で好ましい。
そして、第2排出コンベア3bに搬送させる2つのランクの被計量物(L品、規格外品)のうち、計量コンベア1に保持されている個数が多い方のランクの被計量物を優先して計量コンベア1から先に第2排出コンベア3bへ搬出させることにより、空になる計量コンベア1の個数を多くすることができる。すなわち、新たに被計量物が供給される計量コンベア1の個数が多くなり、処理能力の向上を図ることができる。
また、上記の第1の動作例では、被計量物を4つのランクに選別する場合について説明したが、2つあるいは3つのランクに選別することも可能である。
次に、第2の動作例として、被計量物を3つのランクに選別する場合の動作を説明する。ここでは、軽量品、適量品、過量品の3つのランクが設定されている。例えば、各ランクの重量範囲を定める境界値(境界の重量値)が、小さい方から順に、W11、W12、W13に設定され、軽量品の重量範囲がW11未満の範囲に設定され、適量品の重量範囲がW11以上、W12以下の範囲に設定され、過量品の重量範囲がW12を超える範囲に設定されている。これらのランクの個数と各ランクの重量範囲は、操作表示器4を用いて設定されている。
この場合、第1排出コンベア3aと第2排出コンベア3bのいずれか一方のコンベアのみを正転運転と逆転運転の両方を行わせ、他方のコンベアは正転運転と逆転運転のいずれか一方のみを行わせる。
ここでは、例えば、第1排出コンベア3aに正転運転のみを行わせ、第2排出コンベア3bに正転運転と逆転運転の両方を行わせるようにし、収納箱21に適量品を収納し、収納箱23に過量品を収納し、収納箱24に軽量品を収納するようにした場合の動作について説明する。なお、この場合、収納箱22は不要である。
この場合、制御部5は、各重量センサ2によって計量された被計量物Pの重量を認識すると、即座にその被計量物Pが、上記3つのランクのうちのいずれのランクに属するかを判別する。
また、制御部5は、第1排出コンベア3aに対しては、例えば常時、正転運転を行わせ、適量品の載置されている計量コンベア1に対しては、即座に正転運転させて適量品を第1排出コンベア3aへ搬出させる。また、過量品、軽量品が載置されている計量コンベア1及び第2排出コンベア3bに対しては、第1の動作例におけるL品、規格外品に代えて、過量品、軽量品を搬送させればよく、例えば図4に示すステップS31〜S58と同等の処理によって動作させればよい。
次に、第3の動作例として、被計量物を2つのランクに選別する場合の動作を説明する。ここでは、適量品と不適量品の2つのランクが設定されている。例えば、各ランクの重量範囲を定める境界値(境界の重量値)が、小さい方から順に、W11、W12、W13に設定され、適量品の重量範囲がW11以上、W12以下の範囲に設定され、不適量品の重量範囲がW11未満の範囲及びW12を超える範囲に設定されている。これらのランクの個数と各ランクの重量範囲は、操作表示器4を用いて設定されている。
この場合、第1排出コンベア3aと第2排出コンベア3bの各々に、正転運転と逆転運転のいずれか一方のみを行わせる。
ここでは、例えば、第1排出コンベア3aに正転運転のみを行わせ、第2排出コンベア3bにも正転運転のみを行わせるようにし、収納箱21に適量品を収納し、収納箱23に不適量品を収納する場合の動作について説明する。なお、この場合、収納箱22、24は不要である。
この場合、制御部5は、各重量センサ2によって計量された被計量物Pの重量を認識すると、即座にその被計量物Pが、上記2つのランクのうちのいずれのランクに属するかを判別する。そして、制御部5は、適量品の載置されている計量コンベア1に対しては、即座に正転運転させて適量品を第1排出コンベア3aへ搬出させ、不適量品の載置されている計量コンベア1に対しては、即座に逆転運転させて不適量品を第2排出コンベア3bへ搬出させる。また、第1、第2排出コンベア3a、3bに対しては、例えば常時、正転運転を行わせる。また、不適量品が少ない場合には、不適量品が排出されるときにのみ第2排出コンベア3bを正転運転させるようにしてもよい。
なお、本構成例の重量選別機では、第1〜第3の各動作例の動作を実施できるように、操作表示器4を、ランクの個数及び各ランクの重量範囲を設定及び変更するためのランク設定及び変更手段として機能するようにしたが、これに限られない。例えば、第1〜第3のある2つの動作例における動作を実施できるように構成されてあってもよい。また、第1〜第3のある1つの動作例における動作のみを行うように特化された構成であってもよい。例えば、4つのランクの選別処理のみを行う構成であってもよいし、3つのランクの選別処理のみを行う構成であってもよいし、2つのランクの選別処理のみを行う構成であってもよい。この場合、ランクの個数は固定されており、操作表示器4は、各ランクの重量範囲を設定及び変更するためのランク設定及び変更手段として機能する。
〔第2構成例〕
図5は本発明の実施形態の第2構成例の重量選別機を上から見た概略平面図である。
この第2構成例の場合、前述の第1構成例において、排出コンベアが1つだけ備えられた構成であり、ここでは第1排出コンベア3aのみが備えられている。そして、各計量コンベア1が被計量物Pを矢印a方向へのみ搬送するように構成されている。
この第2構成例の場合、第1構成例における第3の動作例と同様、被計量物を2つのランク(例えば、適量品、不適量品)に選別する。この場合、制御部5は、各重量センサ2によって計量された被計量物Pの重量を認識すると、即座にその被計量物Pが、上記2つのランクのうちのいずれのランクに属するかを判別する。そして、制御部5は、適量品、不適量品が載置されている計量コンベア1及び排出コンベア3aに対しては、第1構成例の第1動作例におけるS品、M品に代えて、適量品、不適量品を搬送させればよく、例えば図3に示すステップS1〜S28と同等の処理によって動作させればよい。これにより、計量コンベア1から排出される適量品は、排出コンベア3aの正転運転によって収納箱21へ搬送され、計量コンベア1から排出される不適量品は、排出コンベア3aの逆転運転によって収納箱22へ搬送される。
この第2構成例の場合も、複数の計量コンベア1を設けていることにより、複数の被計量物がいずれのランクに属するかを短時間の間に判別することができ、計量コンベア1から同一ランクの被計量物を複数個同時に搬出することができる。そのため、大幅に処理能力の向上を図ることができる。
なお、第2構成例において、各計量コンベア1を第1構成例の場合と同様、2方向(矢印a、b方向)に搬送可能な構成とし、適量品を計量コンベア1から矢印a方向へ搬出し、不適量品を計量コンベア1から矢印b方向へ搬出するように構成してもよい。この場合、例えば、排出コンベア3aとは反対側の計量コンベア1の搬出端から排出される被計量物を集めるための排出シュート25を設けてもよい。この排出シュート25は、例えば樋状のシュートからなり、その一端25aが他端25bよりも高い位置となるように傾斜させて設けられている。これにより、計量コンベア1から排出された不適量品は、排出シュート25上をその一端25aから他端25bへ向かう方向へ滑落してその他端25bから排出される。この他端25bから排出される不適量品は、例えば図示しない収納箱に収納される。ここで、排出シュート25は、排出コンベア3aと同様、被計量物を外部へ排出するための排出手段として機能する。
この場合、排出コンベア3aは一方向(例えば、矢印c方向)にのみ搬送動作できればよい。制御部5は、排出コンベア3aを、例えば、常時、矢印c方向へ搬送動作させるようにし、適量品の載置されている計量コンベア1に対しては、即座に正転運転させて適量品を第1排出コンベア3aへ搬出させ、不適量品の載置されている計量コンベア1に対しては、即座に逆転運転させて不適量品を排出シュート25へ搬出させる。なお、排出シュート25に代えて、細長い容器が設けられてあってもよい。この容器あるいは排出シュート25へ排出される被計量物は、例えば廃棄処分あるいは加工処理される物品であってもよい。
また、例えば被計量物が損傷しにくいものであれば、排出コンベア3aに代えて、排出シュート25と同様の排出シュートが設けられてあってもよい。この場合、複数の計量コンベア1の両側(両搬送端側)に排出シュート25が設けられた構成になる。また、この場合も、例えば不適量品が排出される一方の排出シュート25に代えて、前述の細長い容器を設けるようにしてもよい。
また、第2構成例において、各計量コンベア1を第1構成例の場合と同様、2方向(矢印a、b方向)に搬送可能な構成とし、第1構成例における第2の動作例と同様、操作表示器4を用いて、3つのランク(例えば、軽量品、適量品、過量品)に重量選別するようにしてもよい。この場合、例えば、排出コンベア3aとは反対側の計量コンベア1の搬出端から排出される被計量物を集めるための排出シュート25が設けられている。排出シュート25を滑落してその他端25bから排出される被計量物は、例えば図示しない収納箱に収納される。
この場合、制御部5は、適量品、過量品が載置されている計量コンベア1及び排出コンベア3aに対しては、第1構成例の第1動作例におけるS品、M品に代えて、適量品、過量品を搬送させればよく、例えば図3に示すステップS1〜S28と同等の処理によって動作させればよい。これにより、計量コンベア1の正転運転によって排出される適量品は、排出コンベア3aの正転運転によって収納箱21へ搬送され、計量コンベア1の正転運転によって排出される過量品は、排出コンベア3aの逆転運転によって収納箱22へ搬送される。また、制御部5は、軽量品の載置されている計量コンベア1に対しては、即座に逆転運転させて軽量品を排出シュート25へ搬出させる。この場合も、排出シュート25に代えて、細長い容器が設けられてあってもよい。この容器あるいは排出シュート25へ排出される被計量物は、例えば廃棄処分あるいは加工処理される物品であってもよい。
なお、第1構成例における第3の動作例、及び第2構成例のように、被計量物を2つのランクに選別する場合において、2つのランク(ここでは、第1、第2ランクとする)の設定方法を次のようにしてもよい。例えば、第1ランクと第2ランクの重量範囲を定める境界値が、W21の1つだけ設定され、第1ランクの重量範囲をW21以上の範囲に設定され、第2ランクの重量範囲をW21未満の範囲に設定される。この場合、被計量物は第1ランクの品(重い物)と第2ランクの品(軽い物)とに選別される。
以上に述べた各構成例で示したように、本実施形態では、計量コンベア1を1列に配置しているが、複数列(例えば2列)に配置した構成も可能である。例えば、図1に示す第1構成例において、第2排出コンベア3bの左側に、それと平行に第3排出コンベアを設け、この第3排出コンベアと第2排出コンベア3bとの間にも、複数の計量コンベア1を配置してもよい。この場合、例えば、第3排出コンベアは、第1排出コンベア3aと同様、その正転運転によってS品を搬送し、逆転運転によってM品を搬送するようにしてもよい。また、図5に示す第2構成例において、例えば、排出コンベア3aの両側にそれぞれ複数の計量コンベア1を配置するようにしてもよい。
また、本実施形態では、計量コンベア1及び排出コンベア3a、3bに、ベルトコンベアを用いたが、被計量物の種類等によっては、ローラコンベア等を用いてもよい。
また、本実施形態では、計量コンベア1への被計量物の供給を手動で行うようにしたが、自動で行われるよう計量コンベア1への供給装置が設けられてあってもよい。