JP5836310B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ジョブの実行速度を変化させることができ、ジョブの設定を受け付ける操作部を含む画像形成装置に関する。
複写機、複合機、プリンタ、FAX装置のような画像形成装置では、ジョブ実行時に音が生ずる。あまりに大きな音が画像形成装置から生ずると、騒音となり、使用者に不快感を与えてしまう。また、ジョブ実行時に生ずる音の大きさの程度が、新たな画像形成装置を導入の考慮事項の1つとなる場合もある。そのため、ジョブ実行時に画像形成装置から生ずる音は、できるだけ小さい方が好ましい。そして、画像形成装置から生ずる音を落とすための構成を有する技術が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、少なくとも2種類以上の異なる搬送速度で記録紙収納部から記録紙を画像記録部へ搬送して画像を記録可能な画像形成装置であり、記録動作を通常よりも静かに行う静音モードを有し、切り替え手段(静音モードのスイッチ25)で静音モードが選択されたことに応じて、前記異なる搬送速度のなかで通常時より遅い搬送速度を選択して記録を行う画像形成装置が記載されている。また、原稿を読取る読取り動作を行い、記録紙収納部から記録紙を画像記録部へ搬送して読取った画像を記録する画像形成装置であり、記録動作を通常よりも静かに行う静音モードを有し、通常時は読取り動作が完了する前に前記記録紙の搬送を開始して記録を行い、前記静音モードが選択されたことに応じて、前記読取り動作が完了した後に前記記録紙の搬送を開始して記録を行う画像形成装置が記載されている。この構成により、稼働音低減のための切り替え手段(静音読取モードスイッチ25など)に対する操作に応じ、稼働音の騒音を低減しようとする(特許文献1:補正後の請求項3、請求項6等参照)。
特開2004−167798号公報
画像形成装置には、ジョブで使用する設定項目(機能)の選択や、設定値を定めるために、使用者が設定操作を行うための部分(操作部)が設けられる場合がある。所望のジョブの実行結果が得られるように、操作部を用いて、使用者は各種の設定を行う。
特許文献1記載の画像形成装置では、画像形成装置の稼働音を抑えるモードで画像形成装置を動作させるには、常時、切り替え手段で静音モードを実行する旨の設定を使用者の手で行わなくてはならない。言い換えると、静音モードでの印刷は自動でなされない。逐一、設定を行う必要があるので、静音モードで印刷するための操作が煩わしいという問題がある。そして、静音モードで印刷することは煩わしい、と使用者が感ずると、静音モードがほとんど利用されないという結果となる。また、静音モードでの印刷を行う設定をし忘れると、画像形成装置の稼働音が大きい状態で印刷が行われるという問題もある。
本発明は、上記の問題点に鑑み、ジョブを静音モード速度で実行するか、通常モード速度で実行してジョブ完了までの時間を短くするかを、使用者の操作部に対する特定の操作の有無によって(特定操作をトリガとして)、自動的に定め、使用者の意思にあうように適切にジョブ実行速度を定める。
上記課題解決のため請求項1に係る画像形成装置は、用紙を搬送して用紙に印刷を行う印刷部と、載置された原稿の搬送を自動的に行う原稿搬送部を含み搬送される原稿を読み取る原稿読取部の何れか一方、又は、両方を含み、ジョブを実行するジョブ実行部と、実行しようとするジョブで利用する設定項目を選択する操作と、実行しようとするジョブの設定値を設定する操作と、ジョブの実行指示を受け付ける操作部と、前記操作部を、1タッチの操作により複数タッチ分の操作がなされた状態とする特定操作の内容を記憶する記憶部と、を含み、前記ジョブ実行部は、設定操作中に前記操作部で前記特定操作がなされたジョブと、前記操作部に対する設定操作中に前記特定操作がなされず通常操作のみで設定されたジョブでは、ジョブ実行速度を異ならせることとした。
本発明の画像形成装置によれば、使用者の操作部に対する特定の操作の有無に応じ、画像形成装置から生ずる音の大きさを抑えて静音モードでジョブを実行するか、静音モードよりもジョブ実行速度を速くしてできるだけジョブ完了までの時間を短くするかを、自動的に定めて、使用者の意思にあうように適切なジョブ実行速度を定めることができる。
複合機を示す図である。 原稿読取部を示す図である。 操作パネルの一例を示す図である。 複合機のハードウェア構成を示す図である。 ジョブの実行速度切替を説明するための図である。 コピー機能の初期画面を示す図である。 送信機能の初期画面を示す図である。 設定項目一覧画面を示す図である。 編集したショートカットの登録画面を示す図である。 プログラム選択画面を示す図である。 プログラム編集のメニュー画面を示す図である。 プログラムの編集登録画面を示す図である。 ワンタッチキー一覧画面を示す図である。 特定操作に応じたジョブ実行速度制御の流れを示すフローチャートである。 特定操作の速度設定画面を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図15を用いて説明する。以下の説明では、原稿読取部1(ジョブ実行部に相当)と印刷部2(ジョブ実行部に相当)を含む複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略)
まず、図1を用いて、実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、複合機100を示す図である。
図1に示すように、複合機100の正面前方には、複合機100に関して各種設定を行うための操作パネル3(操作部に相当)が設けられる(詳細は後述)。又、図1に示すように、本実施形態の複合機100は、上部に、画像読取部1aと原稿搬送部1bを含む原稿読取部1が設けられる。又、複合機100の内部に印刷部2として、給紙部4a、搬送部4b、画像形成部5a、中間転写部5b、定着部5c、排出搬送部4c、両面搬送部4dを含む。
複数の給紙部4aは、それぞれ印刷に用いる用紙Pを収容する。各給紙部4aは、それぞれ回転駆動する給紙ローラー41を含む。印刷のとき、何れかの給紙ローラー41が回転し、1枚ずつ搬送部4bに用紙Pを送り込む。
搬送部4bは、用紙Pの案内のためのガイド板や、回転して用紙Pを搬送する搬送ローラー対42a、42b、42cや、形成されたトナー像の転写タイミングに合わせ用紙Pを送り出すレジストローラー対43を含む。
画像形成部5aは、複数の画像形成ユニット50(ブラック用の50Bk、イエロー用の50Y、シアン用の50C、マゼンタ用の50M)と露光装置51を含む。各画像形成ユニット50は、感光体ドラム、帯電装置、現像装置、清掃装置などを含む。露光装置51は、画像データに基づき、レーザ光を点消灯しつつ出力し、各感光体ドラムを走査露光する。各画像形成ユニット50と露光装置51により、感光体ドラムの周面上にトナー像が形成される。
中間転写部5bは、各1次転写ローラー52Bk〜52M、中間転写ベルト53、駆動ローラー54、複数の従動ローラー55(55a〜55c)、2次転写ローラー56、ベルト清掃装置57を含む。中間転写ベルト53は、各画像形成ユニット50からトナー像の1次転写を受け、シートに2次転写を行う。
定着部5cは、用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。定着部5cは、発熱体を内蔵する加熱ローラー58とこれに圧接する加圧ローラー59を含む。加熱ローラー58と加圧ローラー59のニップに用紙Pが通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙Pに定着する。
排出搬送部4cは、定着部5cから排出された用紙Pを排出トレイ44方向又は両面搬送部4d方向に用紙搬送方向を仕分ける。用紙Pの搬送方向の切り替えのため、切替弁45を有する。そして、排出搬送部4cの排出ローラー対46は、正回転方向に回転駆動して排出トレイ44方向に送り出す。尚、両面印刷のとき、排出ローラー対46は、用紙Pをスイッチバックさせ、片面印刷済みの用紙Pを両面搬送部4dに導く。両面搬送部4dの両面搬送ローラー対47、48、49(計3つ)は片面印刷済の用紙Pをレジストローラー対43の上流まで搬送する。
(原稿読取部1)
次に、図2を用いて、実施形態に係る原稿読取部1を説明する。図2は、原稿読取部1を示す図である。
本実施形態の複合機100は、原稿読取ための主要構成として、原稿搬送部1bと画像読取部1aを含む。
原稿搬送部1bは、複合機100の最上位に設けられる。原稿搬送部1bは、原稿搬送方向上流側から順に、原稿トレイ11、原稿D給紙ローラー12a、原稿搬送路12b、複数の原稿搬送ローラー対12c、原稿排出ローラー対12d、原稿排出トレイ13等を含む。そして、原稿搬送部1bは、搬送読取用コンタクトガラス14a(読み取り位置)に向け原稿トレイ11に載置された原稿Dを1枚ずつ、自動的、連続的に搬送する。尚、原稿搬送部1bは、図1、図2の紙面奥側を支点として画像読取部1aに対し上下方向に開閉自在に取り付けられ、各コンタクトガラスを上方から押さえる板として機能する。
次に、本実施形態における画像読取部1aを説明する。画像読取部1aは、搬送される原稿Dを読み取るための搬送読取用コンタクトガラス14aと、載置された原稿Dを読み取るための載置読取用コンタクトガラス14bを上面に有する。
又、図2に示すように、画像読取部1aは、筐体内に、ランプ15aと第1ミラー15bが取り付けられた第1移動枠15cと、第2ミラー15dと第3ミラー15eが取り付けられた第2移動枠15f、ワイヤ15g、巻取ドラム15h、レンズ15i、原稿Dで反射された光が入射され、1ライン毎に原稿Dを読み取り、画像データを生成するためのイメージセンサー16のような光学系部材を含む。ランプ15aから発せられた光は、各コンタクトガラス上の原稿Dに当たり、反射光を各ミラーで反射させて、レンズ15iに導く。レンズ15iは反射光を集光し、イメージセンサー16に入射する。
第1移動枠15c及び第2移動枠15fには複数本のワイヤ15gが取り付けられる(図2では、便宜上1本のみ図示)。ワイヤ15gの他端は巻取ドラム15hに接続され、巻取モーター15m(図5参照)により、巻取ドラム15hが正逆回転し、第1移動枠15cと第2移動枠15fは水平方向に自在に移動する。
原稿搬送部1bにより搬送される原稿Dを読み取るとき、巻取モーター15mが駆動した後、第1移動枠15cと第2移動枠15fは、搬送読取用コンタクトガラス14aの下方位置(読み取り位置)に固定される。そして、通過する原稿Dに対し、ランプ15aは光を照射する。一方、載置読取用コンタクトガラス14b上に載置された原稿Dを読み取る場合、第1移動枠15c及び第2移動枠15fを、巻取ドラム15hやワイヤ15g等により、ホームポジションから図2の右方向に水平に移動させ、走査動作を、順次原稿端部まで連続的に行う。
(操作パネル3)
次に、図1、図3を用いて、実施形態に係る操作パネル3の一例を説明する。図3は、操作パネル3の一例を示す図である。
まず、複合機100は、コピー機能(コピージョブ)や、原稿Dを読み取って得られたデータをいずれかの場所に格納する送信機能(送信ジョブ)や、複合機100の記憶装置61(図4参照)に記憶された画像データを利用するボックス機能のような複数の機能を有する。言い換えると、複合機100では、実行できるジョブの種類が多数に及ぶ。
これらの機能の設定のため、操作パネル3が設けられる。操作パネル3は、複合機100の正面上方に設けられる(図1参照)。そして、操作パネル3は、用いる機能を選択するためにコピーキー33aや送信キー33bのようなハードキーを含む機能選択キー群33を含む。また、操作パネル3には、数字入力用のテンキー部34や、各種設定後、ジョブの開始指示用のスタートキー35(入力部に相当)等が設けられる。
また、操作パネル3は表示部31を含む。表示部31は、機能を利用するうえで(ジョブを実行するうえで)、各機能で設定可能な設定項目の選択するための画面や、選択した設定項目の設定画面や、設定値の設定用のキーを表示する。例えば、表示部31は、液晶や有機ELのような表示パネルである。また、タッチパネル部32が表示部31に対し(表示部31の上面に)設けられる。タッチパネル部32は、表示部31の領域内のタッチされた位置(座標)を検知するためのものである。タッチパネル部32の出力に基づき、タッチされた位置に表示される画像、キーなどが認識され、使用者の操作が受け付けられる。
(複合機100等のハードウェア構成)
次に、図4を用いて、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を説明する。図4は、複合機100のハードウェア構成を示す図である。
まず、主制御部6が設けられる。主制御部6は、操作パネル3、原稿読取部1、印刷部2、記憶装置61、通信部62などと接続され、複合機100の制御を司る。主制御部6のCPU63は、制御のための演算などの処理を行う。画像処理部64は、原稿Dの読み取りで得られた画像データや、通信部62で受信された画像データに対し、操作パネル3でなされた設定に応じた画像処理を行い、印刷や送信用の画像データを生成する。
記憶装置61は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置61を組み合わせて構成される。制御用のデータやプログラムや画像データや設定に関するデータを記憶し、主制御部6は記憶装置61に記憶内容に基づいて制御を行う。
通信部62は、主制御部6の指示に基づき、ネットワークや通信回線やケーブルを介して、コンピューター200やFAX装置300と通信を行う。通信部62は、コンピューター200やFAX装置300に画像データを送信できる。また、主制御部6は、コンピューター200やFAX装置300から画像データを受信させ、受信画像データに基づいて印刷部2に印刷を行わせることができる。
また、主制御部6は、原稿搬送部1b、画像読取部1aと接続され、動作の指示を出して制御を行う。また、主制御部6は印刷部2を制御するエンジン制御部20と接続される。エンジン制御部20は、主制御部6の指示に基づき、給紙部4a、搬送部4b、画像形成部5a、中間転写部5b、定着部5c、排出搬送部4c、両面搬送部4dなどの動作を制御し、印刷部2に印刷を行わせる。
又、主制御部6は、操作パネル3になされた入力を認識し、使用者の設定にあわせてコピー等が行われるように複合機100を制御する。操作パネル3で、例えば、両面印刷の設定がなされると、例えば、主制御部6は、エンジン制御部20に指示を与え、排出搬送部4c、両面搬送部4dを動作させ、用紙Pの両面に印刷を行わせる。
操作パネル3は、パネル制御部30、メモリー36(記憶部に相当)、ドライバ回路30a、表示部31、タッチパネル部32を含む。パネル制御部30は、CPUやIC等で構成され、表示部31の表示を制御する。また、パネル制御部30は、タッチパネル部32の出力を受け、どのキーや画像の表示位置がタッチされたかを認識し、なされた操作を認識する。
そして、表示部31で表示される画面、画像の画像データは、操作パネル3内のメモリー36が記憶する。従って、パネル制御部30は、設定項目の選択するためのキーのような何れかのキーの表示位置がタッチされると、次に表示すべき画面の画像データをメモリー36から読み出し、パネル制御部30は、表示部31で表示を行うための画像データを、表示部31を実際に制御するドライバ回路30aに指示を与え、表示部31の表示内容をなされた操作に応じた態様に変化させる。尚、表示部31が表示する画面、画像の画像データを本体側の記憶装置61に記憶させ、パネル制御部30は、記憶装置61からの受ける画像データに基づき、表示部31に表示を行わせてもよい。
また、パネル制御部30は、機能選択キー群33に含まれるハードキーやテンキー部34やスタートキー35のようなハードキーと接続される。そして、パネル制御部30は、タッチ操作された(押された)ハードキーを認識する。
(通常モードと静音モード)
次に、図5を用いて、実施形態に係る複合機100でのジョブの実行速度に関するモードについて説明する。図5は、ジョブの実行速度切替を説明するための図である。
本実施形態の複合機100は、通常の速度でジョブ実行する通常モードを有する。また、複合機100は、通常モードよりもジョブの実行速度を遅くして、ジョブの実行に伴って複合機100からの音量(発する音のレベル)を抑える静音モードを有する。通常モードは、仕様上、予め定められた通常のジョブの実行速度(例えば、仕様上の1分間あたりの印刷枚数や原稿読取枚数)でジョブを実行するモードである。
静音モードでは、ジョブの実行速度が抑えられる。そのため、原稿Dや用紙Pの送り出し音や、原稿Dや用紙Pが搬送ガイドに衝突する音や擦れにより生ずる音や、各種モーターの回転音や、ジョブ実行に際して回転する回転体や機械要素(ローラーやローラーを回転させるギア)から生ずる音のような複合機100のジョブ実行に伴い生ずる音の大きさを抑えることができる。言い換えると、静音モードでは、通常モードよりも複合機100から生ずる音を抑えることができる。
具体的に、静音モードでのジョブの実行速度(以下、「静音モード速度」)は、通常モードでのジョブの実行速度(以下、「通常モード速度」)の1/2や1/3や3/4や2/3や、3/5程度でもよく適宜定められる。言い換えると、通常モード速度は、静音モード速度よりも速い。以下の説明では、静音モード速度を通常モード速度の1/2(半速)とする例を説明する。
静音モードでジョブを実行するか、通常モードでジョブを実行するかの指示は、操作パネル3で行うことできる。そのため、操作パネル3には、静音モードでジョブを実行するか、通常モードでジョブを実行するかを定めるためのモード設定キー37が設けられる。モード設定キー37は、操作パネル3にハードキーとして設けられてもよいし、表示部31にソフトキーとして表示されてもよい。
また、本実施形態の複合機100では、静音モードでジョブを実行するか、通常モードでジョブを実行するかは、ジョブに関し操作パネル3になされた操作(特定操作の有無)に基づき定まる(詳細は後述)。これにより、モード設定キー37を用いて設定せずに、自動的に静音モード速度でのジョブの実行がなされる。
次に、ジョブの実行速度の制御について説明する。本実施形態の複合機100では、原稿読取部1の原稿搬送部1bには、原稿搬送制御部10bが設けられる。原稿搬送制御部10bは、主制御部6の指示に基づき、原稿搬送を制御する。原稿搬送制御部10bは、CPUやROMやRAMやICや素子を含む回路(基板)である。
コピージョブ(原稿読取部1の原稿読み取りに基づく画像データを用いて、印刷するジョブ)や、送信ジョブ(原稿読取部1の原稿読み取りに基づく画像データをコンピューター200やFAX装置300や記憶装置61に送信するジョブ)のとき、原稿搬送制御部10bは、原稿トレイ11に載置された原稿Dを1枚ずつ搬送する。尚、原稿読取部1には、原稿トレイ11に原稿Dがあるか否かを検知するための原稿検知センサー10sが設けられる。
原稿搬送制御部10bは、原稿トレイ11に載置された原稿Dを搬送する回転体を回転させる原稿搬送モーター10mを制御する。原稿搬送制御部10bは、静音モードでジョブを実行するとき、通常モードでジョブを実行するときよりも、原稿搬送モーター10mの回転速度を遅くする(1/2程度とする)。これにより、静音モードでは、原稿搬送制御部10bは、通常モードのときよりも1/2程度の速度で原稿Dを搬送する。
また、原稿読取部1の画像読取部1aには、読取制御部10aが設けられる。読取制御部10aは、主制御部6の指示に基づき、原稿Dの読み取りを制御する。読取制御部10aは、CPUやROMやRAMやICや素子を含む回路(基板)である。
読取制御部10aは、各移動枠(ランプ15aや各ミラー)を移動させる巻取モーター15mの回転速度や、回転方向を制御する。また、読取制御部10aは、ランプ15aの点消灯を制御する。読取制御部10aは、原稿Dを読み取るとき、ランプ15aを点灯し、読み取りが終了するとランプ15aを消灯させる。また、読取制御部10aは、イメージセンサー16の動作を制御する。また、読取制御部10aは、イメージセンサー16のアナログ出力に基づき、A/D変換部17に画像データを生成させる。また、読取制御部10aは、A/D変換部17により生成された画像データに対し、読取データ処理部18に各種補正や調整のための画像処理を行わせる。また、読取制御部10aは、画像メモリー19に読取データ処理部18が処理した画像データを蓄積させ、画像データを主制御部6や記憶装置61に向けて送信させる。
コピージョブや、送信ジョブのとき、読取制御部10aは、搬送される原稿Dや、巻取モーター15mを動作させて載置読取用コンタクトガラス14bに載置された原稿Dを読み取らせる。
読取制御部10aは、静音モードで載置読取用コンタクトガラス14bに載置された原稿Dの読み取りを伴うジョブを実行するとき、通常モードでジョブを実行するときよりも、巻取モーター15mの回転速度を遅くする(1/2程度とする)。これにより、静音モードでは、読取制御部10aは、原稿Dの読み取り速度を通常モードのときよりも1/2程度とする。
読取制御部10aは、静音モードで原稿Dの読み取りを行うとき、イメージセンサー16やA/D変換部17や読取データ処理部18や画像メモリー19の動作速度(動作クロック)を通常モードのときよりも遅い速度で動作させてもよい(例えば、動作周波数を1/2程度とする)。あるいは、読取制御部10aは、イメージセンサー16やA/D変換部17や読取データ処理部18や画像メモリー19を通常モードと、静音モードとで同じ速度で動作させてもよい。この場合、原稿搬送方向(副走査方向)でのライン数は予め定められた読取解像度に比べ多くなるので、読取制御部10aは不要なラインを読取データ処理部18に間引き処理させる。
また、印刷部2には、エンジン制御部20が設けられる。エンジン制御部20は、主制御部6の指示に基づき、印刷速度(単位時間あたりの印刷枚数)を制御する。エンジン制御部20は、エンジンCPU21やエンジンメモリー22やICや素子を含む回路(基板)である。
エンジン制御部20は、印刷部2内に設けられる印刷用モーター23のON/OFFや回転速度を制御する。印刷用モーター23は、1又は複数設けられる。印刷用モーター23は、印刷に用いる用紙搬送用のローラーや、用紙搬送を行いつつ印刷に関する処理を行う回転体(中間転写ベルト53や2次転写ローラー56や定着部5cのローラーか画像形成部5aの回転体など)やトナー像の形成に関する回転体(例えば、感光体ドラム)のような印刷時に回転する回転体を回転させる。また、読取制御部10aは、感光体ドラムの走査、露光を行う露光装置51内のポリゴンミラーを回転させるポリゴンモーター24のON/OFFや回転速度を制御する。
コピージョブや、コンピューター200のような外部から送信されたデータに基づき印刷を行うプリントジョブや、記憶装置61に蓄積された画像データに基づき印刷を行うボックス印刷ジョブのとき、エンジン制御部20は、印刷部2に印刷を行わせる。
エンジン制御部20は、静音モードで印刷に関するジョブを実行するとき、通常モードでジョブを実行するときよりも、印刷用モーター23の回転速度を遅くする(1/2程度とする)。これにより、静音モードでは、エンジン制御部20は、印刷ジョブの実行速度を通常モードのときよりも1/2程度とする。
また、エンジン制御部20は、静音モードで感光体ドラムの走査、露光を行うとき、通常モードよりも感光体ドラムの回転速度が遅くなるのにあわせて、ポリゴンモーター24の回転速度を通常モードよりも遅くしてもよい(例えば、ポリゴンモーター24に入力する駆動信号の周波数を1/2程度とする)。あるいは、エンジン制御部20は、静音モードでは、ポリゴンモーター24の回転速度を同じとしつつ、減速率にあわせて、数ラインに1ラインの割合で、感光体ドラムの走査、露光を行うようにしてもよい(例えば、2ライン中、1ラインのみ画像データにあわせて露光する)。
(通常操作)
次に、図6、図7を用いて、実施形態に係る複合機100での設定のうちの通常の操作を説明する。図6は、コピー機能の初期画面71を示す図である。図7は、送信機能の初期画面72を示す図である。尚、他の機能の初期画面も存在するが説明を省略する。
パネル制御部30は、操作パネル3の機能選択キー群33(ハードキー)の1つとして設けられたコピーキー33aが押されると、コピー機能の初期画面71を表示する。また、パネル制御部30は、機能選択キー群33の1つとして設けられた送信キー33bが押されると、送信機能の初期画面72を表示する。
本実施形態の複合機100は、多数にわたる設定可能な機能(設定項目)を備える。そして、パネル制御部30は、複数の設定項目のうち、設定を行う設定項目を選択するためのキーを表示部31に表示させる。例えば、図6では、コピー機能の初期画面71に、よく用いられる6つの設定項目の選択キーK1を表示する例を示している。その他の設定項目を用いるとき、使用者は、機能一覧キーK2の表示位置をタッチする。また、図7では、送信機能の初期画面72に送信方法を選択するための選択キーK3を表示する例を示している。その他の送信に関する設定項目を選択するとき、使用者は、機能一覧キーK2の表示位置をタッチする。
操作パネル3のパネル制御部30は、設定項目を選択する操作がなされると、選択された設定項目用の設定画面を表示する。使用者は、設定画面に表示されるキーの表示位置や、操作パネル3のハードキーを押して、選択した設定項目の設定値を設定する。例えば、コビー機能を用いるとき、使用者の操作とタッチパネル部32の出力に基づき、パネル制御部30は、両面印刷の設定項目が選択されたと認識すると、両面印刷に関する設定画面を表示部31に表示させ、両面印刷の設定画面に関する設定値を認識する。
このように、通常、複合機100のコピーや送信のような機能の設定項目を選択し、設定値を設定するには、最上層の初期画面から、設定項目の選択や設定値を設定するキー操作を1回ずつ繰り返す。そして、1回の通常のキー操作ごとに、パネル制御部30は、表示部31の表示を切り換えさせ、最終的に、設定項目の設定が選択、設定しようとする機能の設定値が設定される(通常操作)。この機能の選択、設定が行われたことをパネル制御部30は認識し、その内容を主制御部6に送信する。これにより、主制御部6は、操作パネル3で選択、設定された機能を反映した動作を原稿読取部1や印刷部2に行わせ、使用者の意思(例えば、濃度設定や拡大縮小など)が反映されたジョブの結果が得られる。
(特定操作・ショートカット)
次に、図8、図9を用いて、特定操作のうちのショートカットを説明する。図8は設定項目一覧画面73を示す図である。図9は、編集したショートカット登録画面74を示す図である。
ここで、特定操作とは、予め内容が登録された(メモリー36に記憶された)操作であって、操作パネル3の状態を1回のタッチ操作で複数タッチ分の操作がなされた状態とする操作である。
本実施形態の複合機100では、コピーや送信などの各機能について、多数の設定項目が用意されている。そして、本実施形態の複合機100では、ショートカットの特定操作を行えるようになっている。ショートカットの特定操作は、1タッチの操作(呼び出し操作)を行うだけで、予め登録していた設定項目の設定画面を表示させる操作である。
通常の操作では、所望の設定画面を表示させるには、設定項目を選ぶための画面を表示させる操作や、設定項目を選ぶための画面のページを切り替える操作や、設定項目を選択する操作のような複数回のタッチ操作(ステップ)が必要である。しかし。このショートカットの特定操作により、1タッチで簡易に設定画面を表示させることができる。
ショートカットの特定操作を行うには、使用者は、ショートカットキーK4の表示位置をタッチする。図6では、パネル制御部30がコピー機能の初期画面71の下方の位置に2つのショートカットキーK4を表示部31に表示させる例を示している。
そして、操作パネル3は、ショートカットキーK4の内容(どの設定項目の設定画面を表示させるか)の編集を受け付ける。パネル制御部30は、設定項目を選択するための設定項目一覧画面73内や、各種設定画面内に、ショートカット編集キーK5を表示する。図8の例では、コピー機能での設定項目一覧画面73内に、ショートカット編集キーK5を表示する例を示している。
ショートカット編集キーK5の表示位置がタッチされると、パネル制御部30は、ショートカット登録画面74を表示部31に表示させる。パネル制御部30(操作パネル3)は、ショートカット登録画面74に対してなされた、ショートカットキーK4がタッチされたときに設定画面を表示させる設定項目を選択する入力や、ショートカットキーK4の名前を付す入力を受け付ける。
そして、ショートカット登録画面74内に設けられた登録キーK6の表示位置がタッチされると、メモリー36は、ショートカット登録画面74でなされた設定内容を記憶する。以後、パネル制御部30は、メモリー36の記憶内容に基づき、表示位置がタッチされたショートカットキーK4に関連付けられた設定画面を表示部31にさせる。
(特定操作・プログラム)
次に、図6、図7、図10〜図12を用いて、特定操作のうちのプログラムを説明する。図10はプログラム選択画面75を示す図である。図11は、プログラム編集のメニュー画面76を示す図である。図12はプログラムの編集登録画面77を示す図である。
本実施形態の複合機100では、プログラムの特定操作を行えるようになっている。プログラムの特定操作は、1タッチの呼び出し操作を行うだけで、操作パネル3を予め登録していた(定義されている)設定項目の設定値が設定されている状態とする操作である。尚、本実施形態の複合機100では、プログラムの特定操作を、1タッチの呼び出し操作を行うだけで、予め登録しておいた複数の設定項目の設定画面をウィザード形式で順番に表示させるための操作として登録しておくこともできる。
通常の操作では、複数の設定項目に関し、設定値が設定された状態とするには、設定項目の選択する操作や、設定値の設定する操作のようなタッチ操作を複数回繰り返す必要がある。しかし、プログラムの特定操作により、1タッチで操作パネル3を1又は複数の設定項目の設定値を設定することができる。
プログラムの特定操作を行うには、使用者は、プログラムキーK7の表示位置をタッチする。図6や図7では、下方の位置にプログラムキーK7が配される例を示している。
プログラムキーK7の表示位置がタッチされると、パネル制御部30は、予め登録されたプログラムを選択するためのプログラム選択画面75を表示部31に表示させる(図10参照)。図10では、プログラムに対応する各プログラム選択キーK8(計6つ)を表示部31に表示する例を示している。使用者は、操作パネル3に対して操作を行い、呼び出したいプログラムに対応するプログラム選択キーK8の表示位置をタッチする。これにより、操作パネル3は、呼び出されたプログラムで予め定められた(定義された)設定値が設定され、呼び出されたプログラムで予め定められた(定義された)表示がなされる。
また、パネル制御部30は、タッチパネル部32の出力に基づき、プログラムの内容(呼び出すと、どの設定項目のどの設定値が設定された状態とするか)を登録するための編集操作を認識する。パネル制御部30は、プログラム選択画面75に編集操作を行うためのプログラムメニューキーK9を表示する。図10の例では、プログラム選択画面75の下方にプログラムメニューキーK9が表示される例を示している。
プログラムメニューキーK9の表示位置がタッチされると、パネル制御部30は、新規登録キーK10、編集キーK11、削除キーK12を表示部31に表示させる(図11参照)。新規登録キーK10は、新たにプログラムを登録するときに操作される。編集キーK11は、登録済みのプログラムの内容を編集するときに操作される。削除キーK12は、登録済みのプログラムを削除するときに操作される。
新規登録キーK10の表示位置がタッチされたときや、編集キーK11がタッチされたとき、パネル制御部30は、プログラムの編集登録画面77を表示部31に表示させる。パネル制御部30は、タッチパネル部32の出力に基づき、プログラムの編集登録画面77で、ジョブの種類(コピーや送信など)や、プログラムの名称や、設定項目の選択や、選択した設定項目の設定値(図12参照)や、宛先などのようなプログラムの内容を定める使用者の操作を認識する。
そして、プログラムの編集登録画面77内に設けられた登録キーK13の表示位置がタッチされると、メモリー36は、プログラムの編集登録画面77でなされた設定内容を記憶する。以後、パネル制御部30は、メモリー36の記憶内容に基づき、操作パネル3を、表示位置がタッチされたプログラム選択キーK8に対応するプログラム(選択されたプログラム)で予め定められた設定値が設定された状態とする。
(特定操作・ワンタッチ)
次に、図7、図13を用いて、特定操作のうちのワンタッチを説明する。図13はワンタッチキー選択画面78を示す図である。
本実施形態の複合機100では、ワンタッチの特定操作を行えるようになっている。ワンタッチの特定操作は、1タッチの呼び出し操作を行うだけで、予め登録していた送信ジョブの宛先(送信先アドレス。例えば、FAX番号や、Eメールアドレスや、ネットワークアドレス)が設定された状態とする操作である。
通常の操作では、テンキー部34や表示部31に表示されるソフトウェアキーボード(不図示)を用いて宛先を入力するか、予め登録された宛先のデータベースであるアドレス帳機能を利用して宛先をアドレス帳から選択することで、宛先が設定される。このような宛先の設定方法では、複数回タッチ操作を繰り返す必要があるが、しかし、予めワンタッチの特定操作について、よく用いる送信先を登録しておけば、1タッチで宛先を設定することができる。
ワンタッチの特定操作を行うには、使用者は、ワンタッチキー選択画面78を表示部31に表示させる。送信機能の初期画面72内に配されたワンタッチキー選択画面78を呼び出すための選択キーK3の表示位置がタッチされると、パネル制御部30は、ワンタッチキー選択画面78を表示部31に表示させる(図7参照)。
パネル制御部30は、ワンタッチキー選択画面78に、予め登録されたワンタッチキーK14を表示部31に一覧表示させる(図13参照)。図13では、1画面内に、12のワンタッチキーK14が表示される例を示している。使用者は、呼び出したい宛先(ワンタッチキーK14)の表示位置をタッチする。これにより、パネル制御部30は、呼び出された宛先に送信を行う設定がなされたと認識する。
また、図示は割愛するが、パネル制御部30(操作パネル3)は、ワンタッチの登録内容の編集操作を受け付ける。パネル制御部30は、タッチパネル部32の出力に基づき、送信先アドレスや、ワンタッチキーK14の名称などのようなワンタッチの特定操作の内容を定義するための使用者による操作を認識する。
そしてメモリー36は、ワンタッチの内容を記憶する。以後、ワンタッチキーK14がタッチされると、パネル制御部30は、メモリー36の記憶内容に基づき、表示位置がタッチされたワンタッチキーK14に対応する宛先がジョブ(画像データ)送信の宛先と認識する。
尚、上記の例では、ワンタッチキーK14を表示部31に表示されるソフトキーとして設ける例を説明したが、操作パネル3上でハードキーとしてワンタッチキーK14を設けてもよい。
(特定操作の有無に応じたジョブ実行速度)
次に、図14、図15を用いて、特定操作の有無に応じたジョブ実行速度を説明する。図14は、特定操作に応じたジョブ実行速度制御の流れを示すフローチャートである。図15は、特定操作の速度設定画面79を示す図である。
本実施形態の複合機100では、スタートキー35により実行が指示された特定操作の有無によって、ジョブの実行速度を替える。言い換えると、特定操作をトリガとして、主制御部6は、自動的に静音モードでジョブを実行するか否かを判断する。
そこで、図14を用いて、特定操作の有無に応じたジョブ実行速度の制御の流れを説明する。図14のスタートは、複合機100の電源が投入され、使用者によるジョブの設定を受け付ける待機状態である。
操作パネル3(パネル制御部30)は、実行しようとするジョブに関する設定を受け付ける(ステップ♯1)。なお、使用者によりなされた設定入力の内容は、パネル制御部30から主制御部6に伝達される。そして、操作パネル3(パネル制御部30)は、ジョブの実行開始の指示がなされたか否かを確認する(ステップ♯2)。パネル制御部30は、スタートキー35が押されたことや、表示部31に表示されるジョブの実行開始を指示するキーの表示位置がタッチされたとき、ジョブの実行開始の指示がなされたと認識する。
まだジョブの実行開始の指示がなされていなければ(ステップ♯2のNo)、操作パネル3(パネル制御部30)は、引き続き、ジョブの設定入力を受け付ける状態を保つ(ステップ♯1に戻る)。
一方、実行開始の指示がなされたとき(ステップ♯2のYes)、主制御部6は、実行指示がなされたジョブ(実行しようとするジョブ)の設定入力の間に、特定操作がなされたか否かを確認する(ステップ♯3)。言い換えると、主制御部6は、特定操作がなされたジョブか否かを確認する。
特定操作がなされておらず、通常操作のみなされたジョブのとき(ステップ♯3のNo)、主制御部6は静音モード速度でジョブを実行させる(ステップ♯4)。主制御部6は、ジョブの種類に応じ、静音モード速度で原稿搬送のような原稿読取処理を原稿読取部1に行わせ、用紙搬送やトナー像形成のような印刷処理を印刷部2に行わせる。
そして、フローは終了する(エンド)。そして、主制御部6は、表示部31に初期画面を表示させ、次のジョブの設定を受け付ける状態となる。使用者のジョブの設定入力がなされると、フローが再びステップ♯1から開始される。
特定操作がなされているとき(ステップ♯3のYes)、主制御部6は通常モード速度でジョブを実行してよいか否かを確認する(ステップ♯5)。
ここで、図9、図15を用いて、特定操作が行われたときのジョブの実行速度の設定を説明する。図15は、実行するジョブの速度設定画面79を示す図である。
本実施形態では、特定操作が行われたとき、通常モード速度でジョブを実行するか静音モード速度でジョブを実行するか設定可能である。
具体的に、特定操作を登録するとき、パネル制御部30は、その特定操作がなされたときに静音モード速度でジョブを実行するか、通常モード速度でジョブを実行するかの速度設定を受け付ける。そして、特定操作の内容をメモリー36に記憶させるとき、速度設定の内容もあわせて記憶される。これにより、特定操作ごとに、速度設定を行うことができ、特定操作ごとに、速度設定の内容が記憶される。そのため、特定操作の内容や目的に応じて、ジョブの実行速度を設定することができる。
また、パネル制御部30は、特定操作ごとではなく、統一的に、特定操作が行われたときのジョブの速度設定を受け付けるようにしてもよい。図15は、特定操作の種類の単位で速度設定を受け付けるための速度設定画面79を示している。
速度設定画面79には、特定操作の種類ごとに、特定操作がなされたときに通常モード速度でジョブを実行するときに表示位置がタッチされる通常モード速度キーK15と、特定操作がなされたときに静音モード速度でジョブを実行するときに表示位置がタッチされる静音モード速度キーK16が配される。いずれかのキーの表示位置にタッチすることにより、特定操作がなされたときのジョブの実行速度を設定することができる。OKキーK17の表示位置がタッチされたとき、操作パネル3(パネル制御部30)は、メモリー36や記憶装置61に、なされた速度設定の内容を記憶する。
そして、メモリー36や記憶装置61に記憶された速度設定に基づき、主制御部6は、特定操作がなされたジョブの実行速度を定める。言い換えると、主制御部6は、記憶された速度設定に基づいて、特定操作がなされたジョブを静音モード速度で実行するか、通常モード速度で実行するかを確認する。
尚、図9を用いて説明したように、特定操作の登録の際に速度設定があわせてなされたとき、主制御部6は、速度設定画面79による統一的なジョブの実行速度の設定がなされていても、特定操作の登録にあわせて設定された速度設定に基づいた速度でジョブを実行させる。
通常モード速度でジョブを実行するとき(ステップ♯5のYes)、主制御部6は、ジョブの種類に応じ、静音モード速度よりも速い通常モード速度での原稿搬送のような原稿読取処理を原稿読取部1に行わせ、用紙搬送やトナー像形成のような印刷処理を印刷部2に行わせる(ステップ♯6)。そして、フローは終了する(エンド)。一方、予めなされた速度設定に基づき、特定操作がなされても静音モード速度でジョブを実行すべきとき(ステップ♯5のNo)、フローはステップ♯4に移行する。
(ジョブの実行速度の変更)
次に、図5を参照して、ジョブの実行速度の変更について説明する。
本実施形態の複合機100では、特定操作の有無によってジョブの実行速度が自動的に決められる。そして、静音モード速度でジョブを実行して、複合機100から生ずる音の大きさを抑えることができる。
しかし、急いでいる使用者にとっては、静音モード速度で実行されるジョブを通常モード速度で実行させたいと思う場合もある。一方、複合機100から生ずる音の大きさをできるだけ抑えたい使用者にとっては、通常モード速度で実行されるジョブを静音モード速度で実行させたいと思う場合もある。
そこで、操作パネル3は、実行指示がなされたジョブの実行速度の変更を受け付ける。操作パネル3(パネル制御部30)は、モード設定キー37へのタッチ操作をジョブの実行速度の変更指示として受け付ける。また、パネル制御部30は、実行指示がなされたジョブのモード切替のための画像を表示するようにしてもよい。具体的に、パネル制御部30は、実行中や実行待ちのジョブの一覧とともに、実行中や実行待ちの各ジョブのそれぞれについて、静音モードでジョブを実行するか、通常モードでジョブを実行するかを選択するための画像(キーや図柄)を表示部31に表示させる。そして、モード設定キー37へのタッチや、表示部31に表示されたモード選択のための画像の表示位置をタッチするような操作パネル3への実行速度の変更の操作がなされると、主制御部6は、実行中のジョブや、先行のジョブが実行されているために実行待機中のジョブについて、通常モード速度であれば静音モード速度へ、静音モード速度であれば通常モード速度へ、ジョブの実行速度を変化させる。
そして、主制御部6は、原稿Dを読み取るジョブのとき、変更後のジョブ実行速度(通常モード速度又は静音モード速度)で原稿Dの読み取りを原稿読取部1に行わせる。また、主制御部6は、印刷を行うジョブのとき、変更後のジョブ実行速度(通常モード速度又は静音モード速度)で印刷を印刷部2に行わせる。
(静音性の向上)
次に、図5を参照して、静音性を向上について説明する。
本実施形態の複合機100は、使用者にうるさいと不快感を持たせないようにするため、静音モード速度でのジョブを実行できる。また、その他にも、以下のような使用者の不快感を減らす処理、動作がなされる。
まず、操作パネル3は、操作パネル3に設けられたソフトキーやハードキーに対するタッチ操作の操作音を発する発音部38を含む(図5参照)。例えば、発音部38は、電子音を発するスピーカーである。
そして、原稿読取部1や印刷部2がジョブ実行している間では、発音部38は、ジョブを実行していないときよりも操作音を大きくする。反対に、原稿読取部1や印刷部2がジョブ実行していないとき、発音部38は、ジョブを実行しているときよりも操作音を小さくする。これにより、ジョブが実行されていないとき、操作音の音量を抑え、使用者に不快感を与えることを防ぐ。一方で、ジョブを実行しているときに大きな操作音を鳴らし、操作音が顕著に聞こえるようにしつつ、使用者にうるさいと不快感を覚えさせない。
また、ジョブ実行のとき、複合機100から生ずる音を抑えるため、主制御部6は、給紙部4aから給紙を開始するタイミング(時点)と、原稿搬送部1bから原稿Dの送り出しを開始するタイミング(時点)を異ならせる。これにより、用紙Pの送り出しが重なって複合機100から生ずる音が大きくなることを避けることができる。
使用者は設定操作の簡略化を図って設定を素早く終わらせるために便利な特定操作を行う場合もあれば、定期的、ルーチンワーク的に実行するジョブの設定内容を登録しておき特定操作で設定内容を呼び出す場合もあれば、急がず特定操作を利用せずに通常の操作で逐一設定を行うような場合もある。
そこで、本実施形態の画像形成装置画像形成装置(複合機100)は、ジョブを実行するジョブ実行部(原稿読取部1、印刷部2)と、実行しようとするジョブで利用する設定項目を選択する操作と、実行しようとするジョブの設定値を設定する操作と、ジョブの実行指示を受け付ける操作部(操作パネル3)と、操作部を、1タッチの操作により複数タッチ分の操作がなされた状態とする特定操作の内容を記憶する記憶部(メモリー36)と、を含み、ジョブ実行部は、設定操作中に操作部で特定操作がなされたジョブと、操作部に対する設定操作中に特定操作がなされず通常操作のみで設定されたジョブでは、ジョブ実行速度を異ならせる。
これにより、使用者のジョブの設定操作から、高速でジョブを実行すべきか低速でジョブを実行すべきかを自動的に判断し、自動的にジョブの実行速度が変えられる。言い換えると、使用者がなした設定操作の内容に応じて、自動的にジョブの実行速度を切り替えることができる。また、逐一、画像形成装置(複合機100)から生ずる音を抑えるため、静音モードでのジョブ実行を指示する操作がなくても静音モードでジョブを実行させることができる。
又、使用者は急いでいるときに設定操作の簡略化を図って設定を素早く終わらせるため、便利な特定操作を行う場合が多い。また、特定操作を利用せずに通常の操作で逐一設定を行うということは、使用者は急いでいない場合がある。そこで、ジョブ実行部(原稿読取部1、印刷部2)は、操作部(操作パネル3)に対する設定操作中に特定操作がなされたジョブを通常のジョブ実行速度である通常モード速度で実行し、通常操作のみで設定されたジョブを通常モード速度よりもジョブ実行速度が遅い静音モード速度で実行する。
これにより、使用者が急いでいると認められる場合には、ジョブは高速に実行され、使用者が別段急いでいないと認められる場合には、ジョブは低速で実行される。従って、使用者が急いでいるか否かを正確に判断したうえで、ジョブの実行速度を定めることができる。また、逐一、使用者がジョブの実行速度を設定しなくても、自動的に、適切な速度でジョブが実行される。
又、定期的、ルーチンワーク的に実行するジョブの設定内容を登録しておき特定操作で設定内容を呼び出すようなジョブでは、決められた時間に間に合うようにジョブが実行されればよい場合もある。言い換えると、特定操作ごとに目的や内容が異なり、使用者は、特定操作によっては、速度を落としたジョブの実行を許容する場合もある。そこで、操作部(操作パネル3)は、特定操作ごとに、通常モード速度でジョブを実行するか、静音モード速度でジョブを実行するかを設定する速度設定を受け付け、記憶部(メモリー36)は、それぞれの特定操作に対応付けて、操作部でなされた速度設定の内容を記憶し、ジョブ実行部(原稿読取部1、印刷部2)は、通常モード速度でジョブを実行する速度設定の特定操作を経て実行指示がなされたジョブを通常モード速度で実行し、静音モード速度でジョブを実行する速度設定の特定操作を経て実行指示がなされたジョブについては、特定操作がなされても静音モード速度で実行する。
これにより、使用者の意思に基づき、ジョブの実行完了までの時間の短縮を優先するか、あるいは、ジョブの実行完了までの時間は長くなってもよいので、静音性を優先させるかを定めることができる。
又、操作部(操作パネル3)は、使用者による特定操作の内容を定める入力を受け付け、操作部に対し特定操作の内容を登録する指示がなされると、記憶部(メモリー36)は、使用者により定められた特定操作の内容を記憶し、特定操作は、操作部にて呼び出し操作を行うことにより操作部を予め定められた設定値が設定された状態とする操作、操作部にて呼び出し操作を行うことにより予め定められた設定項目の設定画面を操作部の表示部31に表示させる操作、操作部にて呼び出し操作を行うことにより操作部をジョブの宛先が設定された状態とする操作の何れか1つ、又は、複数である。これにより、様々な種類の操作に対応付けて、ジョブ実行速度を自動的に定めることができる。
又、操作部(操作パネル3)は、実行指示がなされたジョブの実行速度の変更を受け付け、ジョブ実行部(原稿読取部1、印刷部2)は、変更後のジョブ実行速度でジョブを実行する。これにより、ジョブの実行指示を出してからジョブ実行完了までの間に、特定操作の有無により自動的に定められたジョブの実行速度を、事後的に低速に、又は、高速に切り替えることができる。従って、使用者は事後的に所望の速度でジョブを実行させることができる。
又、ジョブを実行していない状態では画像形成装置(複合機100)から生ずる音はあまりなく、操作部(操作パネル3)を操作したとき(例えば、何らかのキーを押したとき)に伴い発音される電子音のような操作音は目立つ。そのため、ジョブを実行していない状態での操作音をうるさく感じる使用者もいる。一方で、ジョブを実行しているとき、画像形成装置(複合機100)から生ずる音にまぎれて、操作音があまり気にならないようになることが経験的に分かっている。そこで、操作部(操作パネル3)は、操作部に対するタッチ操作の操作音を発する発音部38を含み、発音部38は、ジョブ実行部(原稿読取部1、印刷部2)がジョブ実行中の操作音を、ジョブ実行部がジョブを実行していないときよりも大きくする。
これにより、操作音を発するようにしても、使用者に画像形成装置(複合機100)から生ずる音は、静かであると感じさせることができる。また、操作部(操作パネル3)に対する操作音により、画像形成装置(複合機100)の周辺にいる者に不快感を持たせない。更に、ジョブ実行中での操作音の聞き取りが容易になるので、使用者は自己の操作が受け付けられていることを容易に認識できる。
又、ジョブ実行部(原稿読取部1、印刷部2)は、用紙Pを搬送して用紙Pに印刷を行う印刷部2と、載置された原稿Dの搬送を自動的に行う原稿搬送部1bを含み、搬送される原稿Dを読み取る原稿読取部1の何れか一方、又は、両方である。これにより、使用者が急いでいない場合(ジョブの実行完了までに時間を要してもよいと考えている場合)には、印刷部2や原稿搬送部1bから生ずる音を小さくして印刷や原稿読み取りのジョブを実行することができる。また、使用者が急いでいる場合(ジョブの実行完了までの時間が短い方がよいと考えている場合)には、印刷や原稿読み取りのジョブが速やかに実行される。
又、搬送経路でのガイドへの紙の衝突音や、搬送を行う回転体の回転開始音などの要因によって、印刷に用いる用紙Pや原稿Dの送り出しを開始するとき、比較的大きな音が生じやすい。そこで、印刷部2は、用紙Pを供給する給紙部4aを含み、給紙部4aと原稿搬送部1bは、異なるタイミングで用紙Pと原稿Dの送り出しを開始する。これにより、印刷用の用紙Pと原稿Dの送り出し開始時点をずらすことができる。従って、画像形成装置(複合機100)の2箇所で同じような時間帯に大きな音が生ずることを避けることができ、画像形成装置から生ずる瞬間的な最大音量を低く抑えることができる。
上記の実施形態では、特定操作がなされたジョブについては、速度設定に応じた速度でジョブが実行される例を説明した。しかし、主制御部6は、特定操作がなされたジョブについては、一律に静音モード速度で実行させ、特定操作がなされず通常操作のみで設定されたジョブについては、通常モード速度で実行させるようにしてもよい。
反対に、主制御部6は、特定操作がなされたジョブについては、一律に通常モード速度で実行させ、特定操作がなされず通常操作のみで設定されたジョブについては、静音モードで実行させるようにしてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、操作パネルのような操作部と、印刷や原稿読み取りを行うジョブ実行部を含む画像形成装置に利用可能である。
100 複合機(画像形成装置) 1 原稿読取部(ジョブ実行部)
1b 原稿搬送部 2 印刷部(ジョブ実行部)
3 操作パネル(操作部) 36 メモリー(記憶部)
38 発音部 4a 給紙部
P 用紙 D 原稿

Claims (7)

  1. 用紙を搬送して用紙に印刷を行う印刷部と、載置された原稿の搬送を自動的に行う原稿搬送部を含み搬送される原稿を読み取る原稿読取部の何れか一方、又は、両方を含み、ジョブを実行するジョブ実行部と、
    実行しようとするジョブで利用する設定項目を選択する操作と、実行しようとするジョブの設定値を設定する操作と、ジョブの実行指示を受け付ける操作部と、
    前記操作部を、1タッチの操作により複数タッチ分の操作がなされた状態とする特定操作の内容を記憶する記憶部と、を含み、
    前記ジョブ実行部は、設定操作中に前記操作部で前記特定操作がなされたジョブと、前記操作部に対する設定操作中に前記特定操作がなされず通常操作のみで設定されたジョブでは、ジョブ実行速度を異ならせることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ジョブ実行部は、前記操作部に対する設定操作中に前記特定操作がなされたジョブを通常のジョブ実行速度である通常モード速度で実行し、前記通常操作のみで設定されたジョブを前記通常モード速度よりもジョブ実行速度が遅い静音モード速度で実行することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記操作部は、前記特定操作ごとに、前記通常モード速度でジョブを実行するか、前記静音モード速度でジョブを実行するかを設定する速度設定を受け付け、
    前記記憶部は、それぞれの前記特定操作に対応付けて、前記操作部でなされた前記速度設定の内容を記憶し、
    前記ジョブ実行部は、前記通常モード速度でジョブを実行する前記速度設定の前記特定操作を経て実行指示がなされたジョブを前記通常モード速度で実行し、前記静音モード速度でジョブを実行する前記速度設定の前記特定操作を経て実行指示がなされたジョブについては、前記特定操作がなされても前記静音モード速度で実行することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記操作部は、使用者による前記特定操作の内容を定める入力を受け付け、
    前記操作部に対し前記特定操作の内容を登録する指示がなされると、前記記憶部は、使用者により定められた前記特定操作の内容を記憶し、
    前記特定操作は、前記操作部にて呼び出し操作を行うことにより前記操作部を予め定められた設定値が設定された状態とする操作、前記操作部にて呼び出し操作を行うことにより予め定められた設定項目の設定画面を前記操作部の表示部に表示させる操作、前記操作部にて呼び出し操作を行うことにより前記操作部をジョブの宛先が設定された状態とする操作の何れか1つ、又は、複数であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記操作部は、実行指示がなされたジョブの実行速度の変更を受け付け、
    前記ジョブ実行部は、変更後のジョブ実行速度でジョブを実行することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記操作部は、前記操作部に対するタッチ操作の操作音を発する発音部を含み、
    前記発音部は、前記ジョブ実行部がジョブ実行中の操作音を、前記ジョブ実行部がジョブを実行していないときよりも大きくすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記印刷部は、用紙を供給する給紙部を含み、
    前記給紙部と前記原稿搬送部は、異なるタイミングで用紙と原稿の送り出しを開始することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
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