本実施形態の画像形成装置について、スキャン機能、プリント機能およびコピー機能など複数種の機能を有する複合機を例にとって説明する。
(画像形成装置の全体構成)
図1に示すように、画像形成装置100は、原稿搬送部101、画像読取部102およびエンジン部103(給紙部104、用紙搬送部105、画像形成部106および定着部107)を備える。
原稿搬送部101および画像読取部102は、スキャン機能を実現するためのジョブ実行部である。エンジン部103は、プリント機能を実現するためのジョブ実行部である。なお、コピー機能は、スキャン機能とプリント機能との組み合わせで実現される複合機能である。以下の説明では、原稿搬送部101、画像読取部102およびエンジン部103を総じてジョブ実行部108と称する場合がある。
原稿搬送部101は、給紙トレイ11にセットされた原稿Dを原稿搬送路10に供給した後、搬送読取位置に搬送し、排出トレイ12に排出する。この原稿搬送部101には、原稿搬送路10に原稿Dを供給するための給紙ローラー13や、原稿搬送路10に沿って原稿Dを搬送するための複数の搬送ローラー対14が設けられている。
画像読取部102は、搬送読取用のコンタクトガラス20a上(搬送読取位置)に搬送される原稿Dあるいは載置読取用のコンタクトガラス20b上に載置された原稿Dを読み取り、原稿Dの画像データを生成する。この画像読取部102には、ランプ21、ミラー22、レンズ23およびラインセンサー24などによって構成される読取機構が設けられている。
ランプ21およびミラー22は、主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)と直交する副走査方向に移動可能に設置された保持部材25に保持される。保持部材25は、ワイヤー26の一端と連結される。ワイヤー26の他端は、回転することでワイヤー26を巻き取る巻取ドラム27に連結される。なお、保持部材25には複数本のワイヤー26が連結され、複数本のワイヤー26が架けまわされる。ただし、図1では、便宜上、ワイヤー26を1本のみ図示している。
これにより、巻取ドラム27が回転することによって保持部材25が副走査方向に移動する。そして、コンタクトガラス20a上に搬送される原稿Dの読み取りは、保持部材25をコンタクトガラス20aの下方に移動させた状態で行う。コンタクトガラス20b上に載置された原稿Dの読み取りは、保持部材25をコンタクトガラス20bの下方において副走査方向に移動させながら行う。
給紙部104は、用紙Pを収容する給紙カセット41を有し、その給紙カセット41内に収容された用紙Pを用紙搬送路50に供給する。給紙部104には、用紙搬送路50に用紙Pを供給するための給紙ローラー42が設けられている。なお、画像形成装置100は、上下方向に積層装着された複数段の給紙部104を備える。ただし、画像形成装置100に装着される給紙部104が1段分だけでもよい。
用紙搬送部105は、用紙搬送路50に供給された用紙Pを転写ニップおよび定着ニップの順番で搬送し、排出トレイ51に排出する。この用紙搬送部105には、用紙搬送路50に沿って用紙Pを搬送するための複数の搬送ローラー対52が設けられている。複数の搬送ローラー対52のうち1つの搬送ローラー対52は、レジストローラー対53である。レジストローラー対53は、用紙Pを転写ニップの手前で待機させ、タイミングを合わせて転写ニップに送り出す。
画像形成部106は、画像データ(たとえば、画像読取部102の読み取りによって得られた画像データ)に基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。画像形成部106は、感光体ドラム61、帯電装置62、露光装置63、現像装置64、転写ローラー65およびクリーニング装置66を含む。
画像形成時には、感光体ドラム61が回転し、その感光体ドラム61の表面を帯電装置62が所定電位に帯電させる。また、露光装置63は、露光用の光を発光する発光素子(図示せず)を有しており、その発光素子を画像データに基づき点消灯させつつ、感光体ドラム61の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム61の表面に静電潜像を形成する。現像装置64は、感光体ドラム61の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
転写ローラー65は、感光体ドラム61の表面に圧接し、感光体ドラム61との間で転写ニップを形成する。その状態で、レジストローラー対53がタイミングを計り、転写ニップに用紙Pを進入させる。このとき、転写ローラー65には転写用電圧が印加される。これによって、感光体ドラム61の表面のトナー像が用紙Pに転写される。クリーニング装置66は、用紙Pへのトナー像の転写が終わると、感光体ドラム61の表面に残留するトナーなどを除去する。
定着部107は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱および加圧して定着させる。この定着部107は、加熱ローラー71および加圧ローラー72を含む。加熱ローラー71は、発熱源を内蔵する。加圧ローラー72は、定着ローラー71に圧接し、加熱ローラー71との間で定着ニップを形成する。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ニップを通過することにより、加熱および加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。印刷済みの用紙Pは、搬送ローラー対52によって排出トレイ51に送られる。
また、画像形成装置100は、図2に示すような操作パネル109を備える。操作パネル109は、液晶表示部91を含む。この液晶表示部91は、表示面にタッチパネル部92が配置されたタッチパネル付きの表示部である。液晶表示部91は、各種設定などを受け付けるためのソフトキーやメッセージなどを表示する。さらに、操作パネル109には、テンキー93、スタートキー94および状況確認キー95などのハードキーも設けられている。
図1に戻って、画像形成装置100は、ファン100Fを備える。このファン100Fは、ジョブ実行中に画像形成装置100内の空気を循環し、画像形成装置100内を冷却する。
(画像形成装置のハードウェア構成)
図3に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置100の全体制御を行う主制御部110を備える。主制御部110は、CPU111、記憶部112および画像処理部113などを含む。記憶部112は、ROM、RAMおよびHDDなどからなり、たとえば、ジョブの実行に必要なプログラムおよびデータがROMに記憶され、それらプログラムおよびデータがRAMに展開される。画像処理部113は、画像処理専用のASICなどからなり、画像データに対して各種画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を施す。
主制御部110は、エンジン制御部120と接続される。エンジン制御部120は、主制御部110から指示を受け、エンジン部103(給紙部104、用紙搬送部105、画像形成部106および定着部107)の印刷動作を制御する。たとえば、エンジン制御部120は、エンジン部103の各種回転体を回転させるためのモーターM1の駆動を制御し、エンジン部103の各種回転体を適切に回転させる。
なお、モーターM1は、用紙搬送用モーター、画像形成用モーターおよび定着用モーターなどである。用紙搬送モーターは、給紙部104および用紙搬送部105に設置された用紙搬送に用いる各種回転体(搬送ローラー対52など)を回転させるためのモーターである。画像形成用モーターは、画像形成部106に設置された画像形成に用いる各種回転体(感光体ドラム61など)を回転させるためのモーターである。定着用モーターは、定着部107に設置された定着に用いる各種回転体(加熱ローラー71など)を回転させるためのモーターである。
また、主制御部110は、原稿搬送制御部130と接続される。原稿搬送制御部130は、主制御部110から指示を受け、原稿搬送部101の原稿搬送動作を制御する。たとえば、原稿搬送制御部130は、給紙ローラー13および搬送ローラー対14を回転させるためのモーターM2の駆動を制御し、給紙ローラー13および搬送ローラー対14を適切に回転させる。
また、主制御部110は、画像読取制御部140と接続される。画像読取制御部140は、主制御部110から指示を受け、画像読取部102の画像読取動作を制御する。たとえば、画像読取制御部140は、巻取ドラム27を回転させるためのモーターM3の駆動を制御し、巻取ドラム27を適切に回転させる(保持部材25を副走査方向に適切に移動させる)。
また、主制御部110は、パネル制御部150と接続される。パネル制御部150は、主制御部110から指示を受け、操作パネル109の表示動作を制御する。さらに、パネル制御部150は、操作パネル109に対して行われた操作の検知も行う。すなわち、パネル制御部150は、液晶表示部91に表示させたソフトキーがタッチされると、タッチパネル部92の出力に基づきタッチ位置を検知する(タッチされたソフトキーを検知する)。さらに、パネル制御部150は、ハードキー(テンキー93、スタートキー94および状況確認キー95など)が押下されると、押下されたハードキーを検知する。パネル制御部150は、操作パネル109に対して行われた操作を検知すると、検知結果を主制御部110に送信する。これにより、操作パネル109に対して行われた操作を主制御部110が認識する。
また、主制御部110は、通信制御部160と接続される。通信制御部160は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワークを介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができるとともに、原稿Dの読み取りによって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる。また、通信制御部160にモデムなどを内蔵してもよい。この場合には、電話回線などのネットワークを介して、外部のファクシミリ300とファックス通信することができる。
また、主制御部110は、電源部170と接続される。電源部170は、商用電源と接続され、画像形成装置100を動作させるのに必要な電圧を生成する。そして、電源部170は、ジョブ実行部108、操作パネル109および各制御部(主制御部110、エンジン制御部120、原稿搬送制御部130、画像読取制御部140、パネル制御部150および通信制御部160)を被電力供給部として電力供給を行う。以下、電源部170から電力供給を受けて動作する各部を総じて被電力供給部180と称する場合がある。
ここで、画像形成装置100は、被電力供給部180に対する電力供給に関する電力モードとして、通常電力モードと省電力モード(スリープモード)とを搭載する。通常電力モードというのは、被電力供給部180に対して通常の電力供給を行うモードである。省電力モードというのは、被電力供給部180に対する電力供給を通常電力モード時よりも制限するモードである。
電源部170は、通常電力モードのときには、被電力供給部180の全部分に対して電力を供給する。一方で、電源部170は、通常電力モードから省電力モードに移行したときには、被電力供給部180の一部にのみ電力を供給し、それ以外の部分に対する電力供給を停止する。
主制御部110は、通常電力モードから省電力モードへの移行条件が満たされると、通常電力モードから省電力モードに移行させる。たとえば、主制御部110は、画像形成装置100が使用されないまま経過した未使用時間を計時し、画像形成装置100の未使用時間が予め定められた閾値時間を超えた場合に、移行条件が満たされたとして、通常モードから省電力モードに移行させる。あるいは、主制御部110は、通常電力モードから省電力モードへの移行指示を操作パネル109が受け付けた場合にも、移行条件が満たされたとして、通常電力モードから省電力モードに移行させる。
そして、電源部170は、省電力モードから通常電力モードへの復帰条件が満たされたこと示す復帰信号を復帰条件検知部から受けたとき、被電力供給部180の全部分への電力供給を再開する(省電力モードから通常電力モードに復帰させる)。なお、電源部170は、復帰信号を復帰条件検知部から受けるため、省電力モードであっても、復帰条件検知部に対する電力供給は続ける。
復帰条件検知部に相当する部分としては、操作パネル109が挙げられる。たとえば、操作パネル109は、省電力モードのときに操作を受けると、復帰信号を電源部170に送信する。また、通信制御部160も復帰条件検知部として機能する。通信制御部160は、省電力モードのときにコンピューター200やファクシミリ300からデータを受信すると、復帰信号を電源部170に送信する。
さらに、図示しないが、画像形成装置100に取り付けられた装置カバーの開閉を検知するためのセンサー、原稿搬送部101が画像読取部102に対して開閉されたことを検知するためのセンサー、原稿Dが原稿セットトレイ11にセットされたことを検知するためのセンサー、および、給紙カセット41の着脱を検知するためのセンサーなども復帰条件検知部として機能する。すなわち、電源部170は、省電力モードのときに、装置カバーや原稿搬送部101が開閉されたり、原稿セットトレイ11に原稿Dがセットされたり、給紙カセット41が着脱されたりすることで、省電力モードから通常モードに復帰させる。
また、主制御部110は、ファン100Fと接続され、ファン100Fの駆動を制御する。たとえば、主制御部110は、ジョブ実行中にファン100Fを駆動させる。そして、主制御部110は、ジョブ終了後、予め定められた時間が経過してからファン100Fの駆動を停止させる。なお、ファン100Fも被電力供給部180である。
(ジョブ実行モード(通常モードおよび静音モード)の概要)
画像形成装置100は、予め定められた通常処理速度でジョブを実行する通常モード、および、通常処理速度よりも遅い静音処理速度でジョブを実行することによりジョブ実行時の静音性を高める静音モードの2つのジョブ実行モードを搭載する。すなわち、ジョブ実行部108は、通常モードでは通常処理速度でジョブを実行し、静音モードでは静音処理速度でジョブを実行する。
スキャン機能では、ジョブ実行モードを通常モードに設定すると、原稿搬送部101による原稿Dの搬送速度が予め定められた通常速度になる。一方で、ジョブ実行モードを静音モードに設定すると、原稿Dの搬送速度が通常モード時よりも遅くなる。すなわち、原稿搬送制御部130は、ジョブ実行モードが静音モードに設定された場合、モーターM2の回転速度を通常モード時よりも遅くする。たとえば、原稿Dの搬送速度は3段階に切り替え可能となっている。そして、原稿搬送制御部130は、通常モード時にはモーターM2の回転速度を3段階のうち最も高速とし、静音モード時にはモーターM2の回転速度を3段階のうち最も低速とする。
プリント機能では、ジョブ実行モードを通常モードに設定すると、エンジン部103による用紙Pの搬送速度が予め定められた通常速度になる。一方で、ジョブ実行モードを静音モードに設定すると、用紙Pの搬送速度が通常モード時よりも遅くなる。すなわち、エンジン制御部120は、ジョブ実行モードが静音モードに設定された場合、モーターM1の回転速度を通常モード時よりも遅くする。たとえば、エンジン制御部120は、静音モード時のモーターM1の回転速度を通常モード時のモーターM1の回転速度の50%にする。
プリント機能とスキャン機能とを組み合わせたコピー機能では、ジョブ実行モードを通常モードに設定すると、原稿Dおよび用紙Pの搬送速度が通常速度になる。一方で、ジョブ実行モードを静音モードに設定すると、原稿Dおよび用紙Pの搬送速度が通常モード時より遅くなる。
このように、静音モードでは、モーターM1およびM2の回転速度が遅くなるので、モーターM1およびM2の回転音が通常モード時よりも小さくなるとともに、モーターM1およびM2の駆動力が伝達されて駆動する各駆動部の駆動音も通常モード時よりも小さくなる。また、用紙Pの搬送速度が遅くなると、用紙Pと用紙搬送路50とが擦れることにより生じる摺動音が小さくなり、原稿Dの搬送速度が遅くなると、原稿Dと原稿搬送路10とが擦れることにより生じる摺動音が小さくなる。したがって、静音モードでは、通常モードよりも、画像形成装置100内から発せられる音レベルが低くなる。言い換えると、静音性が高くなる。
通常モードおよび静音モードのうちいずれのジョブ実行モードでジョブ実行モードを実行するかの設定は主制御部110が行う。すなわち、主制御部110は、本発明の「モード設定部」に相当する。
たとえば、記憶部112は、通常モードおよび静音モードのうちいずれかをデフォルトモードとして記憶する。そして、主制御部110は、画像形成装置100の起動時に、記憶部112に記憶されたデフォルトモードをジョブ実行モードとして設定する。なお、画像形成装置100の起動時というのは、画像形成装置100に対する主電源投入時だけでなく、省電力モードから通常電力モードへの復帰時も含む。
(機能単位でのジョブ実行モードの設定)
操作パネル109は、図4に示すような機能画面FSを複数種の機能毎に液晶表示部91に表示させる。なお、図4には、一例として、コピー機能の機能画面FSを図示している。
機能画面FS内には、対応する機能において設定値の変更が可能な設定項目を示す設定項目キーIKが表示される。たとえば、コピー機能の機能画面FSには、用紙選択、縮小/拡大、濃度、両面/分割およびページ集約などの各設定項目の設定項目キーIKが表示される。また、設定項目キーIKには、対応する設定項目の現時点の設定値が表記される。そして、操作パネル109は、設定項目キーIKがタッチされると、タッチされた設定項目キーIKに対応する設定項目の設定値を設定変更するための画面(図示せず)を液晶表示部91に表示させる。これにより、ユーザーは、現時点の設定値を認識することができるとともに、その設定値を設定変更することもできる。
また、機能画面FS内には、ジョブ実行モードキーJKも表示される。操作パネル109は、ジョブ実行モードキーJKがタッチされると、ジョブ実行モードを設定変更するためのジョブ実行モード設定画面JS(図5参照)を液晶表示部91に表示させる。なお、ジョブ実行モード設定画面JSは、複数種の機能のジョブ実行モードを機能単位で設定するための機能単位設定操作を受け付ける画面である。すなわち、操作パネル109は、本発明の「操作部」に相当し、機能単位設定操作を受け付ける。
ジョブ実行モード設定画面JS内には、図5に示すように、複数種の機能にそれぞれ対応する複数の表示領域DAが存在する。複数の表示領域DAには、対応する機能を示すテキストが表示される。たとえば、スキャン機能に対応する表示領域DAには「スキャン」というテキストが表示され、コピー機能に対応する表示領域DAには「コピー」というテキストが表示され、プリント機能に対応する表示領域DAには「プリント」というテキストが表示される。
複数の表示領域DA内には、通常モードキーNK1および静音モードキーSK1を有するモード設定キーMK1が1つずつ表示される。すなわち、操作パネル109は、複数種の機能毎にモード設定キーMK1を表示する。スキャン機能の表示領域DA内に表示されたモード設定キーMK1はスキャン機能のジョブ実行モードの設定変更を受け付けるためのキーであり、コピー機能の表示領域DA内に表示されたモード設定キーMK1はコピー機能のジョブ実行モードの設定変更を受け付けるためのキーであり、プリント機能の表示領域DA内に表示されたモード設定キーMK1はプリント機能のジョブ実行モードの設定変更を受け付けるためのキーである。また、通常モードキーNK1は、ジョブ実行モードを通常モードに設定変更するためのキーであり、静音モードキーSK1は、ジョブ実行モードを静音モードに設定変更するためのキーである。
操作パネル109は、モード設定キーMK1がタッチされると、そのタッチ操作を機能単位設定操作として受け付ける。そして、主制御部110は、操作パネル109が機能単位設定操作を受け付けたとき、操作パネル109が受け付けた機能単位設定操作に基づき、複数種の機能のジョブ実行モードを機能単位で設定変更する。
具体的には、主制御部110は、モード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとき、通常モードキーNK1が操作対象となっていれば、機能単位設定操作が行われたモード設定キーMK1に対応する所定機能のジョブ実行モードを通常モードに設定変更する。一方で、主制御部110は、モード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとき、静音モードキーSK1が操作対象となっていれば、機能単位設定操作が行われたモード設定キーMK1に対応する所定機能のジョブ実行モードを静音モードに設定変更する。このとき、主制御部110は、所定機能以外の機能のジョブ実行モードについては、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
たとえば、スキャン機能に対応するモード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとする。この場合、主制御部110は、通常モードキーNK1が操作対象となっていれば、スキャン機能のジョブ実行モードを通常モードに設定変更する(原稿Dの搬送速度を通常速度に設定する)。一方で、主制御部110は、静音モードキーSK1が操作対象となっていれば、スキャン機能のジョブ実行モードを静音モードに設定変更する(原稿Dの搬送速度を通常速度よりも遅い速度に設定する)。そして、主制御部110は、コピー機能およびプリント機能のジョブ実行モードについては、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
また、プリント機能に対応するモード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとする。この場合、主制御部110は、通常モードキーNK1が操作対象となっていれば、プリント機能のジョブ実行モードを通常モードに設定変更する(用紙Pの搬送速度を通常速度に設定する)。一方で、主制御部110は、静音モードキーSK1が操作対象となっていれば、プリント機能のジョブ実行モードを静音モードに設定変更する(用紙Pの搬送速度を通常速度よりも遅い速度に設定する)。そして、主制御部110は、スキャン機能およびコピー機能のジョブ実行モードについては、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
また、コピー機能に対応するモード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとする。この場合、主制御部110は、通常モードキーNK1が操作対象となっていれば、コピー機能のジョブ実行モードを通常モードに設定変更する(原稿Dおよび用紙Pの搬送速度を通常速度に設定する)。一方で、主制御部110は、静音モードキーSK1が操作対象となっていれば、コピー機能のジョブ実行モードを静音モードに設定変更する(原稿Dおよび用紙Pの搬送速度を通常速度よりも遅い速度に設定する)。そして、主制御部110は、スキャン機能およびプリント機能のジョブ実行モードについては、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
図5に示したコピー機能のモード設定キーMK1では、通常モードキーNK1に対して機能単位設定操作を行うと、コピー機能のジョブ実行時の原稿Dおよび用紙Pの搬送速度が両方とも通常速度となるよう設定され、静音モードキーSK1に対して機能単位設定操作を行うと、コピー機能のジョブ実行時の原稿Dおよび用紙Pの搬送速度が両方とも通常速度よりも遅くなるよう設定される。すなわち、コピー機能のジョブ実行時の原稿Dおよび用紙Pの搬送速度を別々に設定することができない。このため、コピー機能のような2つ以上の機能で実現される複合機能については、複合機能を成す2つ以上の機能毎に機能単位設定操作を受け付けるようになっていてもよい。
たとえば、操作パネル109は、図6に示すように、コピー機能の表示領域DA内にスキャン機能およびプリント機能にそれぞれ対応する2つのモード設定キーMK1を表示する。そして、操作パネル109は、コピー機能については、スキャン機能およびプリント機能の2つの機能毎に機能単位設定操作を受け付ける。
図6に示したコピー機能のモード設定キーMK1において、スキャン機能に対応するモード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとする。この場合、主制御部110は、通常モードキーNK1が操作対象となっていれば、コピー機能のジョブ実行時の原稿Dの搬送速度が通常速度となるよう設定する一方、静音モードキーSK1が操作対象となっていれば、コピー機能のジョブ実行時の原稿Dの搬送速度が通常速度よりも遅くなるよう設定する。このとき、主制御部110は、コピー機能のジョブ実行時の用紙Pの搬送速度については、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
また、図6に示したコピー機能のモード設定キーMK1において、プリント機能に対応するモード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとする。この場合、主制御部110は、通常モードキーNK1が操作対象となっていれば、コピー機能のジョブ実行時の用紙Pの搬送速度が通常速度となるよう設定する一方、静音モードキーSK1が操作対象となっていれば、コピー機能のジョブ実行時の用紙Pの搬送速度が通常速度よりも遅くなるよう設定する。このとき、主制御部110は、コピー機能のジョブ実行時の原稿Dの搬送速度については、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
操作パネル109は、ジョブ実行モード設定画面JSを表示するとき、複数種の機能にそれぞれ設定されたジョブ実行モードが通常モードであるか静音モードであるかを視覚的に識別可能に示す。たとえば、操作パネル109は、所定機能のジョブ実行モードが通常モードに設定されている場合、所定機能に対応するモード設定キーMK1のうち、通常モードキーNK1の表示形態を第1表示形態とするとともに、静音モードキーSK1の表示形態を第1表示形態とは異なる第2表示形態とする。一方で、操作パネル109は、所定機能のジョブ実行モードが静音モードに設定されている場合、所定機能に対応するモード設定キーMK1のうち、静音モードキーSK1の表示形態を第1表示形態とするとともに、通常モードキーNK1の表示形態を第2表示形態とする。
第1表示形態というのは、たとえば、表示色を有彩色とする表示形態であり、第2表示形態というのは、たとえば、表示色を無彩色とする表示形態である。図5および図6では、便宜上、通常モードキーNK1および静音モードキーSK1のうち、表示色が有彩色とされている第1表示形態で表示されたキーに網掛けを施し、第1表示形態と第2表示形態とを区別している。なお、第1表示形態および第2表示形態で表示するときの表示色を共に有彩色(あるいは、無彩色)とし、第1表示形態で表示するときと第2表示形態で表示するときとで濃淡を異ならせてもよい。
さらに、操作パネル109は、通常モードキーNK1を第1表示形態で表示するときの通常モードキーNK1の表示形態および静音モードキーSK1を第1表示形態で表示するときの静音モードキーSK1の表示形態を互いに異ならせる(たとえば、表示色または濃淡を互いに異ならせる)。たとえば、操作パネル109は、通常モードキーNK1を第1表示形態で表示するときには、通常モードキーNK1の表示色を赤色とし、静音モードキーSK1を第1表示形態で表示するときには、静音モードキーSK1の表示色を青色とする(図5および図6では、網掛けの向きで表示色の違いを表現している)。
また、図5に示すように、ジョブ実行モード設定画面JS内には、モード設定キーMK1と共に画像形成装置100の装置イメージAIが表示される。操作パネル109は、装置イメージAIを表示するとき、複数種の機能のうち通常モードに設定された機能を実現するための装置部分の表示形態を第3表示形態とし、複数種の機能のうち静音モードに設定された機能を実現するための装置部分の表示形態を第3表示形態とは異なる第4表示形態とする。たとえば、操作パネル109は、第3表示形態で表示する装置部分および第4表示形態で表示する装置部分のそれぞれの表示色または濃淡を互いに異ならせる。
なお、モード設定キーMK1については、対応する機能のジョブ実行モードが通常モードであれば通常モードキーNK1の表示色を赤色とし、対応する機能のジョブ実行モードが静音モードであれば静音モードキーSK1の表示色を青色としている。したがって、装置イメージAIについても、モード設定キーMK1の表示形態に合わせて、通常モードに設定された機能を実現するための装置部分の表示色を赤色とし、静音モードに設定された機能を実現するための装置部分の表示色を青色とするのが好ましい。
ところで、たとえば、スキャン機能が通常モードに設定され、コピー機能(スキャン機能とプリント機能とを組み合わせた複合機能)も通常モードに設定されている場合には、装置イメージAIの全装置部分の表示形態を第3表示形態とすればよい。しかし、スキャン機能が通常モードに設定された状態において、コピー機能が静音モードに設定される場合がある。この場合には、スキャン機能が通常モードに設定され、コピー機能が静音モードに設定されていることを1つの装置イメージAIだけでは表現できない。
したがって、複数種の機能にそれぞれ対応する複数の表示領域DAのうちいずれかがタッチされると、タッチされた表示領域DAに対応する機能のジョブ実行モードが視覚的に識別可能となるよう装置イメージAIの表示が切り替わってもよい。たとえば、スキャン機能の表示領域DAがタッチされ、そのときのスキャン機能のジョブ実行モードが通常モードであったとする。この場合、操作パネル109は、スキャン機能を実現するための装置部分の表示色が赤色(第3表示形態)とされた装置イメージAIを表示する。このときの状態が図5に示した状態である。
そして、図5に示した状態において、スキャン機能のモード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われ、スキャン機能のジョブ実行モードが静音モードに設定変更されたとする。このとき、操作パネル109は、図7に示すように、スキャン機能を実現するための装置部分の表示色が青色(第4表示形態)とされた装置イメージAIを表示する。
その後、図7に示した状態から、プリント機能の表示領域DAがタッチされたとする。このときのプリント機能のジョブ実行モードは静音モードである。したがって、操作パネル109は、図8に示すように、プリント機能を実現するための装置部分の表示色が青色(第4表示形態)とされた装置イメージAIを表示する。
また、図示しないが、操作パネル109は、コピー機能の表示領域DAがタッチされると、コピー機能を実現するための装置部分の表示色が現時点のコピー機能のジョブ実行モードを示す表示色とされた装置イメージAIを表示し、プリント機能の表示領域DAがタッチされると、プリント機能を実現するための装置部分の表示色が現時点のプリント機能のジョブ実行モードを示す表示色とされた装置イメージAIを表示する。
あるいは、図示しないが、スキャン機能を実現するための装置部分の表示色が現時点のスキャン機能のジョブ実行モードを示す表示色とされた装置イメージAI、コピー機能を実現するための装置部分の表示色が現時点のコピー機能のジョブ実行モードを示す表示色とされた装置イメージAI、および、プリント機能を実現するための装置部分の表示色が現時点のプリント機能のジョブ実行モードを示す表示色とされた装置イメージAIの3つが同時に表示されてもよい。
また、操作パネル109は、装置イメージAIの表示領域をタッチする操作も機能単位設定操作として受け付ける。たとえば、操作パネル109は、複数種の機能のうちいずれかの機能を実現するための装置部分の表示領域に対して機能単位設定操作が行われると、機能単位設定操作が行われた表示領域に位置する装置部分で実現される機能のジョブ実行モードを設定変更対象として受け付ける。そして、主制御部110は、機能単位設定操作が行われた表示領域に位置する装置部分で実現される機能のジョブ実行モードを設定変更する。たとえば、スキャン機能のジョブ実行モードが通常モードに設定された状態において、スキャン機能を実現するための装置部分の表示領域に対して機能単位設定操作を行うと、スキャン機能のジョブ実行モードが静音モードに設定変更される。そして、スキャン機能を実現するための装置部分の表示色が赤色(第3表示形態)から青色(第4表示形態)に変更される。
また、操作パネル109は、複数種の機能のジョブ実行モードが通常モードであるか静音モードであるかを視覚的に識別可能に示すアイコンMI1(図4および図9参照)を表示する。たとえば、操作パネル109は、ジョブ実行モードキーJKの表示領域内にアイコンMI1を表示する。
アイコンMI1は、ジョブ実行モードが通常モードに設定されているか静音モードに設定されているか(ジョブ実行時に発せられる音レベル)に応じて表示を変化させる。そして、ジョブ実行モードが通常モードに設定されている場合には、図4に示すように、音レベルが大きいことを示すアイコンMI1が表示され、ジョブ実行モードが静音モードに設定されている場合には、図9に示すように、音レベルが小さいことを示すアイコンMI1が表示される。
また、操作パネル109は、複数種の機能のうちいずれかの機能のジョブ実行モードが設定変更されると、ジョブ実行モードが設定変更されることによってジョブ実行時に発生される音レベルがどれだけ変化するかを示す音情報SI1を表示する。たとえば、操作パネル109は、図5および図7に示すように、ジョブ実行モード設定画面JS内に音レベルの変化を示すテキストをデシベル単位で表示する。
次に、図10に示すフローチャートを参照して、複数種の機能のジョブ実行モードを機能単位で設定するときの流れについて説明する。
図10のフローチャートのスタート時点では、操作パネル109がジョブ実行モード設定画面JSを表示しているとする。この状態において、操作パネル109に対して機能単位設定操作が行われたことをパネル制御部150が検知したとき、図10のフローチャートがスタートする。
ステップS1において、主制御部110は、パネル制御部150から受信した検知結果に基づき、複数種の機能のうち機能単位設定操作の対象となった所定機能を識別する。
ステップS2において、主制御部110は、所定機能のジョブ実行モードを設定変更する。このとき、主制御部110は、所定機能以外の機能のジョブ実行モードについては、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
ステップS3において、主制御部110は、パネル制御部150に指示し、ジョブ実行モード設定画面JSの表示を変更させる。具体的には、パネル制御部150は、所定機能のジョブ実行モードが通常モードに設定された場合、所定機能に対応するモード設定キーMK1のうち、通常モードキーNK1の表示形態を第1表示形態とする(たとえば、表示色を赤色とする)とともに、静音モードキーSK1の表示形態を第2表示形態とする(たとえば、表示色を灰色とする)。一方で、パネル制御部150は、所定機能のジョブ実行モードが静音モードに設定された場合、所定機能に対応するモード設定キーMK1のうち、静音モードキーSK1の表示形態を第1表示形態とする(たとえば、表示色を青色とする)とともに、通常モードキーNK1の表示形態を第2表示形態とする(たとえば、表示色を灰色とする)。
さらに、パネル制御部150は、所定機能のジョブ実行モードが通常モードに設定された場合、装置イメージAIのうち所定機能を実現するための装置部分の表示形態を第3表示形態とする(たとえば、表示色を赤色とする)。一方で、操作パネル150は、所定機能のジョブ実行モードが静音モードに設定された場合、装置イメージAIのうち所定機能を実現するための装置部分の表示形態を第4表示形態とする(たとえば、表示色を青色とする)。
ステップS4において、主制御部110は、操作パネル109が機能単位設定操作を再び受け付けたか否かを判断する。その結果、操作パネル109が機能単位設定操作を受け付けていれば、ステップS1に移行する。一方で、操作パネル109が機能単位設定操作を受け付けていなければ、ステップS5に移行する。
ステップS5に移行すると、主制御部110は、操作パネル109がジョブ実行モード設定画面JSを閉じる終了操作を受け付けたか否かを判断する。なお、操作パネル109は、たとえば、ジョブ実行モード設定画面JS内に表示した「閉じる」というキーCK(図5および図7参照)をタッチする操作を終了操作として受け付ける。その結果、操作パネル109が終了操作を受け付けていれば、図10のフローチャートが終了する。一方で、操作パネル109が終了操作を受け付けていなければ、ステップS4に移行する。
ところで、画像形成装置100に複数段の給紙部104が装着される場合、給紙部104を使用する機能(コピー機能およびプリント機能)については、給紙部104単位(給紙カセット41単位)でジョブ実行モードを設定するためのカセット単位設定操作を受け付けるようになっていてもよい。たとえば、操作パネル109は、装置イメージAIの給紙部104に相当する部分の表示領域がタッチされたとき、そのタッチ操作をカセット単位設定操作として受け付ける。
主制御部110は、上段の給紙部104に相当する部分の表示領域に対してカセット単位設定操作が行われると、上段の給紙部104を使用する機能のジョブ実行モードを設定変更し、下段の給紙部104を使用する機能のジョブ実行モードについては設定変更せずに従前の設定のまま保持する。また、主制御部110は、下段の給紙部104に相当する部分の表示領域に対してカセット単位設定操作が行われると、下段の給紙部104を使用する機能のジョブ実行モードを設定変更し、上段の給紙部104を使用する機能のジョブ実行モードについては設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
なお、複数種の機能のジョブ実行モードを機能単位で設定するための機能単位設定操作を受け付ける画面は、図5および図7に示したジョブ実行モード設定画面JKに限定されない。
たとえば、操作パネル109は、図11に示すようなメニュー画面MS1を表示する。続いて、メニュー画面MS1内の「静音モード」と表記されたメニュー欄C1がタッチされると、操作パネル109は、図12に示すようなメニュー画面MS2を表示する。メニュー画面MS2には、「OFF」と表記されたメニュー欄C11、「スキャン機能のみ」の表記されたメニュー欄C12、「プリント機能のみ」と表記されたメニュー欄C13、および、「両方」と表記されたメニュー欄C14が表示される。そして、操作パネル109は、メニュー画面MS2内のメニュー欄C11〜C14のうち、メニュー欄C12またはC13がタッチされると、そのタッチ操作を機能単位設定操作として受け付ける。
主制御部110は、メニュー欄C12に対して機能単位設定操作が行われると、スキャン機能のジョブ実行モードを静音モードに設定する。また、主制御部110は、メニュー欄C13に対して機能単位設定操作が行われると、プリント機能のジョブ実行モードを静音モードに設定する。なお、メニュー画面MS2において、スキャン機能というのは、複合機能であるコピー機能を成すスキャン機能も含み、プリント機能というのは、複合機能であるコピー機能を成すプリント機能も含む。
また、操作パネル109は、メニュー画面MS2において、複数種の機能のジョブ実行モードを全て同じジョブ実行モードに一括変換するための一括変換操作を受け付ける。具体的には、操作パネル109は、メニュー画面MS2内のメニュー欄C11〜C14のうち、メニュー欄C11またはC14がタッチされると、そのタッチ操作を一括変換操作として受け付ける。主制御部110は、メニュー欄C11に対して一括変換操作が行われると、複数種の機能のジョブ実行モードを全て通常モードに設定し、メニュー欄C14に対して一括変換操作が行われると、複数種の機能のジョブ実行モードを全て静音モードに設定する。
なお、操作パネル109は、図11に示したメニュー画面MS1内の「ジョブ単位での変更」と表記されたメニュー欄C2がタッチされると、図13に示すようなメニュー画面MS3を表示する。メニュー画面MS3には、「許可する」と表記されたメニュー欄C21、および、「許可しない」と表記されたメニュー欄C22が表示される。
そして、メニュー欄C21をタッチすると、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更できるようになり、メニュー欄C22をタッチすると、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更できなくなる。なお、実行対象ジョブ単位での実行対象ジョブのジョブ実行モードの設定変更については、後に詳細に説明する。
たとえば、画像形成装置100にユーザー認証機能を搭載し、画像形成装置100を管理する管理者にのみ、図11〜図13に示す画面で操作する権限を与えるようにしてもよい。なお、ユーザー認証機能については、後に詳細に説明する。
(実行対象ジョブ単位での実行対象ジョブのジョブ実行モードの設定)
操作パネル109は、実行対象ジョブ(実行中ジョブおよび待機中ジョブの少なくとも一方のジョブ)のジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定するためのジョブ単位設定操作を受け付ける。この操作パネル109によるジョブ単位設定操作の受け付けは、実行対象ジョブが実行されているジョブ実行中期間および実行対象ジョブが待機させられているジョブ待機中期間の少なくとも一方の期間に行われる。
まず、実行対象ジョブがプリントジョブ(コピージョブのプリント処理も含む)である場合について説明する。
操作パネル109は、実行対象ジョブがプリントジョブである場合、ジョブ実行中期間およびジョブ待機中期間の少なくとも一方の期間に状況確認キー95(図2参照)が押下されると、図14に示すようなジョブ実行状況画面SS1を表示する。ジョブ実行状況画面SS1内には、実行対象ジョブのジョブ情報(たとえば、ファイル形式やデータ名など)が表示される。このジョブ実行状況画面SS1では、実行対象ジョブが実行中ジョブであるか待機中ジョブであるかを区別するため、実行中ジョブのジョブ情報の表示色が反転される(白抜きとされる)。図14には、一例として、実行対象ジョブが実行中ジョブである場合のジョブ実行状況画面SS1を図示している。
ジョブ実行状況画面SS1内には、通常モードキーNK2および静音モードキーSK2を有するモード設定キーMK2も表示される。このモード設定キーMK2は、ジョブ実行状況画面SS1内に表示されたジョブ情報に対応する実行対象ジョブのジョブ実行モードの設定変更を受け付けるためのキーである。また、通常モードキーNK2は、ジョブ実行モードを通常モードに設定変更するためのキーであり、静音モードキーSK2は、ジョブ実行モードを静音モードに設定変更するためのキーである。
操作パネル109は、モード設定キーMK2がタッチされると、そのタッチ操作をジョブ単位設定操作として受け付ける。そして、主制御部110は、操作パネル109が機能単位設定操作を受け付けたとき、操作パネル109が受け付けたジョブ単位設定操作に基づき、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更する。
具体的には、主制御部110は、モード設定キーMK2に対してジョブ単位設定操作が行われたとき、通常モードキーNK2が操作対象となっていれば、実行対象ジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定変更する。一方で、主制御部110は、モード設定キーMK2に対してジョブ単位設定操作が行われたとき、静音モードキーSK2が操作対象となっていれば、実行対象ジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定変更する。
このとき、主制御部110は、実行対象ジョブが実行中ジョブであれば、搬送中の用紙Pが全て排出されてから、実行対象ジョブを一時停止させる。そして、主制御部110は、実行対象ジョブのジョブ実行モードを設定変更した後、設定変更後のジョブ実行モードに応じた処理速度で実行対象ジョブを再開させる。また、主制御部110は、実行対象ジョブが待機中ジョブであれば、実行対象ジョブのジョブ実行モードを設定変更した後、設定変更後のジョブ実行モードに応じた処理速度で実行対象ジョブを開始させる。
ここまでは、実行対象ジョブが1つである場合について説明したが、実行対象ジョブが1つであるとは限らず、複数の実行対象ジョブが存在する場合がある。たとえば、所定実行対象ジョブの実行中に別の実行対象ジョブが待機させられている場合がある。このような場合、ジョブ実行状況画面SS1内に表示するモード設定キーMK2が1つだけでは、複数の実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更できない。したがって、操作パネル109は、図15に示すように、複数の実行対象ジョブにそれぞれ対応する複数のモード設定キーMK2を表示する。たとえば、操作パネル109は、複数の実行対象ジョブのジョブ情報がそれぞれ表記された複数の表記欄にモード設定キーMK2を1つずつ表示する。
そして、主制御部110は、モード設定キーMK2に対してジョブ単位設定操作が行われたとき、通常モードキーNK2が操作対象となっていれば、ジョブ単位設定操作が行われたモード設定キーMK2に対応する所定実行対象ジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定変更する。一方で、主制御部110は、モード設定キーMK2に対してジョブ単位設定操作が行われたとき、静音モードキーSK2が操作対象となっていれば、ジョブ単位設定操作が行われたモード設定キーMK2に対応する所定実行対象ジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定変更する。このとき、主制御部110は、所定実行対象ジョブ以外の実行対象ジョブのジョブ実行モードについては、設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
次に、実行対象ジョブがスキャンジョブ(コピージョブのスキャン処理も含む)である場合について説明する。
操作パネル109は、実行対象ジョブがスキャンジョブである場合、図16に示すようなジョブ実行状況画面SS2をジョブ実行中期間に表示する。ジョブ実行状況画面SS2内には、たとえば、スキャンジョブが実行中であることを示すメッセージが表示される。そして、操作パネル109は、ジョブ実行状況画面SS2内にモード設定キーMK2も表示し、そのモード設定キーMK2をタッチする操作をジョブ単位設定操作として受け付ける。そして、主制御部110は、操作パネル109が機能単位設定操作を受け付けたとき、操作パネル109が受け付けたジョブ単位設定操作に基づき、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更する。
ところで、操作パネル109は、ジョブ実行状況画面SS1およびSS2を表示するとき、実行対象ジョブのジョブ実行モードが通常モードであるか静音モードであるかを視覚的に識別可能に示す。たとえば、操作パネル109は、実行対象ジョブのジョブ実行モードが通常モードである場合、モード設定キーMK2のうち、通常モードキーNK2の表示形態を第1表示形態とする(たとえば、表示色を有彩色とする)とともに、静音モードキーSK2の表示形態を第1表示形態とは異なる第2表示形態とする(たとえば、表示色を無彩色とする)。一方で、操作パネル109は、実行対象ジョブのジョブ実行モードが静音モードである場合、モード設定キーMK2のうち、静音モードキーSK2の表示形態を第1表示形態とするとともに、通常モードキーNK2の表示形態を第2表示形態とする。図14〜図16では、便宜上、通常モードキーNK2および静音モードキーSK2のうち、第1表示形態で表示されたキーに網掛けを施し、第1表示形態と第2表示形態とを区別している。
さらに、操作パネル109は、通常モードキーNK2を第1表示形態で表示するときの通常モードキーNK2の表示形態および静音モードキーSK2を第1表示形態で表示するときの静音モードキーSK2の表示形態を互いに異ならせる(たとえば、表示色または濃淡を互いに異ならせる)。
なお、図5〜図7に示したモード設定キーMK1については、対応する機能のジョブ実行モードが通常モードであれば通常モードキーNK1の表示色を赤色とし、対応する機能のジョブ実行モードが静音モードであれば静音モードキーSK1の表示色を青色としている。したがって、モード設定キーMK2についても、モード設定キーMK1の表示形態に合わせて、実行対象ジョブのジョブ実行モードが通常モードであれば通常モードキーNK2の表示色を赤色とし、実行対象ジョブのジョブ実行モードが静音モードであれば静音モードキーSK2の表示色を青色とするのが好ましい。
また、操作パネル109は、主制御部110により設定されたジョブ実行モードが通常モードであるか静音モードであるかを視覚的に識別可能に示すアイコンMI2(図14〜図16参照)を表示する。たとえば、操作パネル109は、モード設定キーMK2の表示領域内にアイコンMI2を表示する。
また、操作パネル109は、ジョブ実行モードが設定変更されることによってジョブ実行時に発生される音レベルがどれだけ変化するかを示す音情報SI2を表示する。たとえば、操作パネル109は、図14〜図16に示すように、ジョブ実行状況画面SS1(SS2)内に音レベルの変化を示すテキストをデシベル単位で表示する。
次に、図17に示すフローチャートを参照して、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定するときの流れについて説明する。
図17のフローチャートのスタート時点では、操作パネル109がジョブ実行状況画面SS1(SS2)を表示しているとする。この状態において、操作パネル109に対してジョブ単位設定操作が行われたことをパネル制御部150が検知したとき、図17のフローチャートがスタートする。
ステップS11において、主制御部110は、パネル制御部150から受信した検知結果に基づき、ジョブ単位設定操作の対象となった所定実行対象ジョブを識別する。
ステップS12において、主制御部110は、所定実行対象ジョブのジョブ実行モードを設定変更する。このとき、主制御部110は、所定実行対象ジョブが実行中ジョブである場合には、所定実行対象ジョブを一時停止させ、所定実行対象ジョブのジョブ実行モードを設定変更した後、設定変更後のジョブ実行モードに応じた処理速度で所定実行対象ジョブを再開させる。また、所定実行対象ジョブを含む複数の実行対象ジョブが存在する場合には、所定実行対象ジョブのジョブ実行モードのみを設定変更し、所定実行対象ジョブ以外の実行対象ジョブのジョブ実行モードについては設定変更せずに従前の設定のまま保持する。
ステップS13において、主制御部110は、パネル制御部150に指示し、ジョブ実行状況画面SS1(SS2)の表示を変更させる。具体的には、パネル制御部150は、所定実行対象ジョブのジョブ実行モードが通常モードに設定された場合、所定実行対象ジョブに対応するモード設定キーMK2のうち、通常モードキーNK2の表示形態を第1表示形態とするとともに、静音モードキーSK2の表示形態を第2表示形態とする。一方で、パネル制御部150は、所定実行対象ジョブのジョブ実行モードが静音モードに設定された場合、所定実行対象ジョブに対応するモード設定キーMK2のうち、静音モードキーSK2の表示形態を第1表示形態とするとともに、通常モードキーNK2の表示形態を第2表示形態とする。
ステップS14において、主制御部110は、操作パネル109がジョブ単位設定操作を再び受け付けたか否かを判断する。その結果、操作パネル109がジョブ単位設定操作を受け付けていれば、ステップS11に移行する。一方で、操作パネル109がジョブ単位設定操作を受け付けていなければ、ステップS15に移行する。
ステップS15に移行すると、主制御部110は、実行対象ジョブの実行が全て終了したか否かを判断する。その結果、実行対象ジョブの実行が全て終了していれば、図17のフローチャートが終了する。一方で、実行対象ジョブの実行が全て終了していなければ、ステップS14に移行する。
ところで、実行対象ジョブのジョブ量に応じて、実行対象ジョブのジョブ実行モードが設定変更されてもよい。この場合、主制御部110は、実行対象ジョブのジョブデータに基づきジョブ量を算出し、実行対象ジョブのジョブ量が予め定められた閾値を超えたか否かを判断する。そして、主制御部110は、実行対象ジョブのジョブ量が閾値を超えていれば、実行対象ジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定する一方、実行対象ジョブのジョブ量が閾値を超えていなければ、実行対象ジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定する。
たとえば、主制御部110は、プリントジョブ(コピージョブのプリント処理も含む)を実行するとき、プリントジョブのジョブ量が閾値を超えていれば、プリントジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定し、プリントジョブのジョブ量が閾値を超えていなければ、プリントジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定する。あるいは、主制御部110は、プリントジョブを実行するとき、待機中ジョブのジョブ量が閾値を超えていれば、プリントジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定し、待機中ジョブのジョブ量が閾値を超えていなければ、プリントジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定する。また、主制御部110は、プリントジョブの実行中に待機中ジョブのジョブ量が閾値を超えれば、実行中のプリントジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定し、プリントジョブの実行中に待機中ジョブのジョブ量が閾値以下になれば、実行中のプリントジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定する。
また、たとえば、主制御部110は、スキャンジョブ(コピージョブのスキャン処理も含む)の実行中に、読み込み枚数(ジョブ量に相当)をカウントする。そして、主制御部110は、読み込み枚数が予め定められた閾値を超えたとき、実行中のスキャンジョブのジョブ実行モードが静音モードに設定されていれば、実行中のスキャンジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定変更する。
(電力モードと連動したジョブ実行モード(デフォルトモード)の設定)
操作パネル109は、通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止するか否かを設定するための電力モード設定操作を受け付ける。操作パネル109は、電力モード設定操作を受け付けるとき、たとえば、図18に示すような電力モード設定画面ESを表示する。操作パネル109は、「はい」というキーK1がタッチされると、通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止する旨を受け付ける。主制御部110は、操作パネル109が通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止する旨を受け付ければ、通常電力モードから省電力モードに移行させない。一方で、操作パネル109は、「いいえ」というキーK2がタッチされると、通常電力モードから省電力モードへの移行を許可する旨を受け付ける。主制御部110は、操作パネル109が通常電力モードから省電力モードへの移行を許可する旨を受け付ければ、通常電力モードから省電力モードへの移行条件が満たされたとき、通常電力モードから省電力モードに移行させる。
この構成において、記憶部112に記憶させるデフォルトのジョブ実行モード(デフォルトモード)を電力モードと連動させてもよい。具体的には、記憶部112は、操作パネル109が通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止する旨を受け付けたとき、通常モードをデフォルトモードとして記憶する。したがって、操作パネル109が通常電力モードから省電力モードへの移行を制限する旨を受け付けて以降の画像形成装置100の起動時には、ジョブ実行モードがデフォルトモードである通常モードに設定される。なお、この場合の画像形成装置100の起動時というのは、通常電力モードから省電力モードに移行しないので、画像形成装置100の主電源が切断されてから再び主電源が投入されたときである。
一方で、記憶部112は、操作パネル109が通常電力モードから省電力モードへの移行を許可する旨を受け付けたとき、静音モードをデフォルトモードとして記憶する。したがって、操作パネル109が通常電力モードから省電力モードへの移行を許可する旨を受け付けて以降の画像形成装置100の起動時には、ジョブ実行モードがデフォルトモードである静音モードに設定される。なお、この場合の画像形成装置100の起動時というのは、画像形成装置100の主電源が切断されてから再び主電源が投入されたとき、あるいは、省電力モードから通常電力モードに復帰したときである。
(ジョブ実行頻度と連動したジョブ実行モード(デフォルトモード)の設定)
主制御部110は、予め定められた所定期間内における通常モードでのジョブ実行頻度と静音モードでのジョブ実行頻度とを比較する。所定期間というのは、特に限定されず、たとえば、画像形成装置100に主電源が投入されてから切断されるまでの期間であってもよいし、1日〜数十日であってもよい。
この構成において、記憶部112に記憶させるデフォルトのジョブ実行モード(デフォルトモード)をジョブ実行頻度と連動させてもよい。具体的には、記憶部112は、所定期間内における通常モードでのジョブ実行頻度が静音モードでのジョブ実行頻度よりも高ければ、通常モードをデフォルトモードとして記憶する。これにより、所定期間内における通常モードでのジョブ実行頻度が静音モードでのジョブ実行頻度よりも高かった場合には、所定期間の終了時点以降の画像形成装置100の起動時に、ジョブ実行モードがデフォルトモードである通常モードに設定される。
一方で、記憶部112は、所定期間内における静音モードでのジョブ実行頻度が通常モードでのジョブ実行頻度よりも高ければ、静音モードをデフォルトモードとして記憶する。これにより、所定期間内における静音モードでのジョブ実行頻度が通常モードでのジョブ実行頻度よりも高かった場合には、所定期間の終了時点以降の画像形成装置100の起動時に、ジョブ実行モードがデフォルトモードである静音モードに設定される。
(ユーザー認証と連動したジョブ実行モード(デフォルトモード)の設定)
画像形成装置100は、ユーザー認証機能(ログイン機能)を搭載する。このような画像形成装置100では、ユーザー認証を行うための認証情報が予め登録され、記憶部112に記憶される。
認証を受けるユーザーは、まず、自身の識別情報(たとえば、ユーザー名やパスワード)を入力する。ユーザーからの識別情報の入力受付は、操作パネル109が行う。操作パネル109は、ユーザーから識別情報の入力を受け付けるとき、図19に示すような識別情報入力画面ISを表示する。そして、主制御部110は、ユーザーにより入力された識別情報と認証情報とに基づいて、識別情報を入力したユーザーを認証するか否かを判断する。たとえば、主制御部110は、ユーザーにより入力された識別情報と認証情報とが合致すれば、識別情報を入力したユーザーを認証する(画像形成装置100へのログインを許可する)。
ここで、記憶部112は、通常モードおよび静音モードのうちいずれかをデフォルトモードとして認証情報に対応付けて記憶する。なお、通常モードおよび静音モードのうちいずれをデフォルトモードとして認証情報に対応付けるかは、認証情報の登録時にユーザーが定めることができる。そして、主制御部110は、識別情報を入力したユーザーを認証した場合、認証の基となった認証情報に対応するデフォルトモードをジョブ実行モードとして設定する。
なお、画像形成装置100にユーザー認証機能を搭載する場合、画像形成装置100を管理する管理者にのみジョブ実行モードを設定変更する権限を与え、管理者以外の一般ユーザーがジョブ実行モードの設定変更を行えないようにしてもよい。あるいは、複数種の機能のジョブ実行モードを機能単位で設定変更する権限のみを一般ユーザーに与えてもよいし、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更する権限のみを一般ユーザーに与えてもよい。
(ジョブ実行モードに基づくファンの駆動制御)
主制御部110は、ジョブ実行モードが通常モードに設定した場合と静音モードに設定した場合とで、ファン100Fの駆動時間(ジョブ終了後に継続して駆動させ続ける時間)も異ならせる。具体的には、ファン100Fは、ジョブ実行モードが静音モードである場合には、ジョブ実行モードが通常モードである場合よりも、ジョブ終了後に継続して駆動し続ける時間を短くする。
本実施形態の画像形成装置100は、通常モードでは通常処理速度でジョブを実行し、静音モードでは静音処理速度でジョブを実行するジョブ実行部108と、通常モードおよび静音モードのうちいずれのジョブ実行モードでジョブを実行するかを設定する主制御部110(モード設定部)と、ジョブ実行モードの設定操作を受け付ける操作パネル109(操作部)と、を備える。そして、操作パネル109は、実行中ジョブおよび待機中ジョブの少なくとも一方のジョブである実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定するためのジョブ単位設定操作を、実行対象ジョブが実行されているジョブ実行中期間および実行対象ジョブが待機させられているジョブ待機中期間の少なくとも一方の期間に受け付ける。主制御部110は、操作パネル109がジョブ単位設定操作を受け付けたとき、操作パネル109が受け付けたジョブ単位設定操作に基づき、ジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定する。ジョブ実行部108は、主制御部110により設定されたジョブ実行モードで実行対象ジョブを実行する。
本実施形態の構成では、ジョブ実行中期間およびジョブ待機中期間の少なくとも一方の期間に、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更することができる。すなわち、実行対象ジョブの実行中にその実行中の実行対象ジョブのジョブ実行モードを設定変更することができ、実行対象ジョブの待機中にその待機中の実行対象ジョブのジョブ実行モードを設定変更することもできる。また、実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更することができるので、複数の実行対象ジョブが待機中である場合に、複数の実行対象ジョブのうちから特定の実行対象ジョブのジョブ実行モードのみを設定変更し、残りの実行対象ジョブのジョブ実行モードについては従前の設定のまま保持する、といったことも行える。さらに、実行対象ジョブの実行中に別の実行対象ジョブが待機中である場合に、実行中の実行対象ジョブのジョブ実行モードのみを設定変更する、あるいは、待機中の実行対象ジョブのジョブ実行モードのみを設定変更する、といったことも行える。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、タッチパネル付きの液晶表示部91(表示部)を含み、ジョブ実行中期間およびジョブ待機中期間の少なくとも一方の期間に、通常モードに設定変更するための通常モードキーNK2および静音モードに設定変更するための静音モードキーSK2を有するモード設定キーMK2を液晶表示部91に表示させるとともに、モード設定キーMK2をタッチする操作をジョブ単位設定操作として受け付ける。そして、主制御部110は、モード設定キーMK2に対してジョブ単位設定操作が行われたとき、通常モードキーNK2が操作対象となっていれば、実行対象ジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定する一方、静音モードキーSK2が操作対象となっていれば、実行対象ジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定する。このように構成すれば、ジョブ単位設定操作を簡単な操作(モード設定キーMK2をタッチするだけの操作)にすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、複数の実行対象ジョブが存在する場合、複数の実行対象ジョブにそれぞれ対応する複数のモード設定キーMK2を表示することにより、ジョブ単位設定操作を実行対象ジョブ単位で受け付ける。このように構成すれば、複数の実行対象ジョブが存在する場合であっても、複数の実行対象ジョブのジョブ実行モードを実行対象ジョブ単位で設定変更することができる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、ジョブ実行中期間およびジョブ待機中期間の少なくとも一方の期間に、実行対象ジョブの実行状況を示すジョブ実行状況画面SS1(SS2)を表示し、ジョブ実行状況画面SS1(SS2)内にモード設定キーMK2を表示する。このように構成すれば、実行対象ジョブの実行状況を確認しながら、ジョブ実行モードを設定変更すべきか否かを判断することができる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、通常モードに設定された実行対象ジョブに対応するモード設定キーMK2のうち、通常モードキーNK2の表示形態を第1表示形態とするとともに、静音モードキーSK2の表示形態を第1表示形態とは異なる第2表示形態とする一方、静音モードに設定された実行対象ジョブに対応するモード設定キーMK2のうち、静音モードキーSK2の表示形態を第1表示形態とするとともに、通常モードキーNK2の表示形態を第2表示形態とする。さらに、操作パネル109は、通常モードキーNK2を第1表示形態で表示するときの通常モードキーNK2の表示形態および静音モードキーSK2を第1表示形態で表示するときの静音モードキーSK2の表示形態を互いに異ならせる。このように構成すれば、モード設定キーMK2を見るだけで、そのモード設定キーMK2に対応する実行対象ジョブの現時点のジョブ実行モードを把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、実行対象ジョブのジョブ量を算出するとともに、ジョブ量が予め定められた閾値を超えたか否かを判断し、ジョブ量が閾値を超えれば、実行対象ジョブのジョブ実行モードを通常モードに設定する一方、ジョブ量が閾値を超えなければ、実行対象ジョブのジョブ実行モードを静音モードに設定する。このように構成すれば、ジョブ実行モードを静音モードに設定していたとしても、ジョブ量が多い場合には、自動的に通常モードに設定変更されるので、ジョブを速やかに終了させることができる。逆に、ジョブ実行モードを通常モードに設定していたとしても、ジョブ量が少ない場合(ジョブ終了までの時間が短いと予想される場合)には、自動的に静音モードに設定変更される。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、ジョブ実行モードを機能単位で設定するための機能単位設定操作を受け付ける。主制御部110は、操作パネル109が機能単位設定操作を受け付けたとき、操作パネル109が受け付けた機能単位設定操作に基づき、ジョブ実行モードを機能単位で設定する。ジョブ実行部108は、主制御部110により設定されたジョブ実行モードでジョブを実行する。このように構成すれば、複数種の機能のジョブ実行モードを機能単位で設定変更することができる。すなわち、複数種の機能のうち所定機能のジョブ実行モードのみを設定変更し、所定機能以外の機能のジョブ実行モードについては従前の設定のまま保持しておく、といったことが行える。したがって、たとえば、複数種の機能のジョブ実行モードが全て通常モードに設定された状態において、複数種の機能のうち所定機能を使用するときのみ静音モードでジョブを実行したい場合(所定機能以外の機能を使用するときには通常モードでジョブを実行したい場合)であれば、所定機能のジョブ実行モードのみを設定変更することにより、所定機能以外の機能を使用するときにジョブ実行モードを設定変更する必要がなくなる。これにより、ユーザーの操作(ジョブ実行モードを設定変更するための操作)が減るので、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、コピー機能(複合機能)についてはコピー機能を成すスキャン機能およびプリント機能の2つの機能毎に機能単位設定操作を受け付ける。このように構成すれば、コピー機能を使用するときに、スキャン処理時とプリント処理時とでジョブ実行モードを異ならせることができる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、通常モードに設定変更するための通常モードキーNK1および静音モードに設定変更するための静音モードキーSK1を有するモード設定キーMK1を複数種の機能毎に液晶表示部91に表示させるとともに、モード設定キーMK1をタッチする操作を機能単位設定操作として受け付ける。そして、主制御部110は、モード設定キーMK1に対して機能単位設定操作が行われたとき、通常モードキーNK1が操作対象となっていれば、機能単位設定操作が行われたモード設定キーMK1に対応する機能のジョブ実行モードを通常モードに設定する一方、静音モードキーSK1が操作対象となっていれば、機能単位設定操作が行われたモード設定キーMK1に対応する機能のジョブ実行モードを静音モードに設定する。このように構成すれば、機能単位設定操作を簡単な操作(モード設定キーMK1をタッチするだけの操作)にすることができる。また、複数種の機能毎にモード設定キーMK1が表示されるので、どのモード設定キーMK1に対して機能単位設定操作を行えば良いかが分かり易い。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、コピー機能に対応するモード設定キーMK1の表示領域内に、コピー機能を成すスキャン機能およびプリント機能の2つの機能にそれぞれ対応する2つのモード設定キーMK1を表示する。このように構成すれば、容易に、コピー機能を成すスキャン機能およびプリント機能の2つの機能毎に機能単位設定操作を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、通常モードに設定された機能に対応するモード設定キーMK1のうち、通常モードキーNK1の表示形態を第1表示形態とするとともに、静音モードキーSK1の表示形態を第1表示形態とは異なる第2表示形態とする一方、静音モードに設定された機能に対応するモード設定キーMK1のうち、静音モードキーSK1の表示形態を第1表示形態とするとともに、通常モードキーNK1の表示形態を第2表示形態とする。さらに、操作パネル109は、通常モードキーNK1を第1表示形態で表示するときの通常モードキーNK1の表示形態および静音モードキーSK1を第1表示形態で表示するときの静音モードキーSK1の表示形態を互いに異ならせる。このように構成すれば、モード設定キーMK1を見るだけで、そのモード設定キーMK1に対応する機能の現時点のジョブ実行モードを把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、画像形成装置100の装置イメージAIを液晶表示部91に表示させる。そして、操作パネル109は、装置イメージAIを液晶表示部91に表示させるときに、通常モードに設定された機能を実現するための装置部分の表示形態を第3表示形態とする一方、静音モードに設定された機能を実現するための装置部分の表示形態を第3表示形態とは異なる第4表示形態とする。このように構成すれば、装置イメージAIを見るだけで、通常モードに設定された機能および静音モードに設定された機能を把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、装置イメージAIの表示領域をタッチする操作を機能単位設定操作として受け付ける。そして、主制御部110は、装置イメージAIの表示領域に対して機能単位設定操作が行われたとき、機能単位設定操作が行われた表示領域に位置する装置部分で実現される機能のジョブ実行モードを設定変更する。このように構成すれば、装置イメージAIのうちジョブ実行モードを設定変更したい機能に対応する装置部分をタッチするだけ良いので、機能単位設定操作が直感的で分かり易くなる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、複数種の機能のジョブ実行モードを全て同じジョブ実行モードに一括変換するための一括変換操作を受け付ける。そして、主制御部110は、操作パネル109が一括変換操作を受け付けたとき、操作パネル109が受け付けた一括変換操作に基づき、複数種の機能のジョブ実行モードを全て同じジョブ実行モードに一括変換する。このように構成すれば、複数種の機能のジョブ実行モードを機能単位で設定できることに加えて、複数種の機能のジョブ実行モードを全て同じジョブ実行モードに一括変換することもできるので、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、上記のように、ジョブ実行部108は、画像を形成して用紙Pに印刷する画像形成部106および画像形成部106に用紙Pを供給する給紙部104を含む。そして、操作パネル109は、給紙部104が画像形成装置100に複数段装着される場合、給紙部104を使用する機能については給紙部104単位でジョブ実行モードを設定変更するための操作を受け付ける。このように構成すれば、給紙部104が画像形成装置100に複数段装着される場合に、給紙部104単位でジョブ実行モードを設定変更することができる。
また、本実施形態では、上記のように、通常モードおよび静音モードのうちいずれかをデフォルトモードとして記憶する記憶部112と、通常電力モードでは、被電力供給部180に対して通常の電力供給を行い、省電力モードでは、被電力供給部180に対する電力供給を通常電力モード時よりも制限する電源部170とを備える。そして、主制御部110は、画像形成装置100の起動時には、記憶部112に記憶されたデフォルトモードをジョブ実行モードとして設定する。また、操作パネル109は、通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止するか否かを設定するための操作を受け付ける。
この構成において、通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止する旨を操作パネル109が受け付けたとき、通常モードをデフォルトモードとして記憶部112に記憶させる一方、通常電力モードから省電力モードへの移行を許可する旨を操作パネル109が受け付けたとき、静音モードをデフォルトモードとして記憶部112に記憶させてもよい。ここで、通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止するユーザーは、画像形成装置100を頻繁に使用するので、ジョブを速やかに終了させたいと考える場合が多い。したがって、通常電力モードから省電力モードへの移行を禁止する旨を操作パネル109が受け付けたとき、通常モードをデフォルトモードとして記憶部112に記憶させるようにすれば、ユーザーの利便性が向上する。
また、画像形成装置100の起動時に設定されるジョブ実行モードが記憶部112に記憶されたデフォルトモードとされる構成において、予め定められた所定期間内における通常モードでのジョブ実行頻度が静音モードでのジョブ実行頻度よりも高ければ、通常モードをデフォルトモードとして記憶部112に記憶させる一方、所定期間内における静音モードでのジョブ実行頻度が通常モードでのジョブ実行頻度よりも高ければ、静音モードをデフォルトモードとして記憶部112に記憶させてもよい。これにより、画像形成装置100の起動時に設定されるジョブ実行モードが画像形成装置100の使用状況に応じたジョブ実行モードとなるので、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、上記のように、記憶部112は、ユーザーの認証を行うための予め登録された認証情報を記憶するとともに、通常モードおよび静音モードのうちいずれかをデフォルトモードとして認証情報に対応付けて記憶する。主制御部110は、識別情報と認証情報とに基づき識別情報を入力したユーザーを認証するか否かを判断する。そして、主制御部110は、識別情報を入力したユーザーを認証したとき、認証の基となった認証情報に対応するデフォルトモードをジョブ実行モードとして設定する。このように構成すれば、画像形成装置100の使用に際してユーザーが認証を受けた場合、認証時に設定されるジョブ実行モードが認証ユーザーが予め登録したジョブ実行モードとなるので、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、主制御部110により設定されたジョブ実行モードが通常モードであるか静音モードであるかを視覚的に識別可能に示すアイコンMI1およびMI2を表示する。このように構成すれば、主制御部110により設定されたジョブ実行モードが通常モードであるか静音モードであるかの識別が容易になる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル109は、ジョブ実行モードが設定変更されることによってジョブ実行時に発生される音レベルがどれだけ変化するかを示す音情報SI1およびSI2を表示する。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、上記のように、ジョブ実行中に駆動するファン100Fを備える。そして、ファン100Fは、ジョブ実行モードが静音モードである場合には、主制御部110により設定されたジョブ実行モードが通常モードである場合よりも、ジョブ終了後に継続して駆動し続ける時間を短くする。このように構成すれば、静音モード時の静音性がさらに高まる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。