JP5836209B2 - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、定着ベルトを押圧部材によって加圧ローラーに圧接する方式の定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
従来、画像形成装置においては、感光体ドラム等の像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写し、そのトナー像を担持する記録媒体を定着装置に向けて搬送し、定着装置において、熱及び圧力を加えることにより記録媒体上のトナー像を記録媒体に定着させている。そして定着装置には、加熱した無端状の定着ベルトとこれに圧接される加圧ローラーとで形成される定着ニップ部に未定着トナー像を担持した記録媒体を挿通することによって記録媒体にトナーを定着するベルト定着方式がある。
このベルト定着方式では、定着ベルトの内面側に押圧部材を配置し、定着ベルトの外面側から加圧ローラーを押圧部材に圧接するとともに、定着ベルトの内面を押圧部材に摺動させて定着ベルトを回転させている。そして、押圧部材の摺動面の形状を平面状や曲面状とすることにより、また、定着ニップ部の下流側に分離部材を設けることにより、記録媒体の定着ベルトからの分離性を向上させている。
例えば、特許文献1に記載の定着装置では、押圧部材は、定着ベルトの内面に当接する弾性を有する押圧パッドを備え、押圧パッドは、定着ニップ部の上流側から下流側にかけて厚さが大きくなるように形成されている。定着ベルトを加圧ローラーに圧接した状態では、押圧パッドの上流部は加圧ローラーとほぼ同じ曲率を有する形状に湾曲し、一方、押圧パッドの下流部は、加圧ローラーに強く押し付けられて、定着ベルトの移動方向の下流側へ突き出すように変形している。このために、定着ベルトは、押圧パッドの下流側で押圧パッドの突き出した部分の先端部によって、押圧パッドの上流側に比べて大きな曲率で曲げ回され、その結果、記録媒体はその剛性によって加圧ローラーのほぼ接線方向へ進行し、定着ベルトから引き離される。
また、特許文献2に記載の定着装置では、加圧ローラーと、押圧部材である定着ローラーとの間に定着ベルトが配設され、定着ベルト及び加圧ローラーにより定着ニップ部が形成される。定着ニップ部の下流側の近くで定着ベルトの内面に圧接される剥離部材が配置され、剥離部材は、異なる曲率を有する二つの剥離表面を有する。定着処理後、薄い記録媒体を定着ベルトから分離させる場合、剥離部材の小さい曲率の分離面が定着ベルトの内面に圧接し、厚い記録媒体を定着ベルトから分離させる場合、剥離部材の大きい曲率の分離面が定着ベルトの内面に圧接し、記録媒体の厚さにかかわらずに、記録媒体の定着ベルトからの分離性を向上させている。
特開2004−29394号公報(段落[0027]、[0040]、[0041]、第1図) 特開2010−160486号公報(段落[0023]〜[0028]、第4図、第5図)
しかしながら、特許文献1記載の定着装置では、定着ベルトは、押圧部材の上流側から下流側に亘って、押圧部材と定着ベルトとの間の定着ニップ圧を受けて略S字状に湾曲している。定着ベルトが略S字状に変形しながら回転することで、定着ベルトを構成する薄層の基材層は、引張応力と圧縮応力を交互に繰り返して受けるために、疲労破壊が発生するという問題があった。
また、特許文献2記載の定着装置では、定着ベルトは定着ニップ部及び剥離部材の間で略S字状に湾曲して張架されている。定着ベルトが定着ニップ部及び剥離部材の間で略S字状に変形しながら回転することで、定着ベルトの基材層等は、引張応力と圧縮応力を交互に繰り返して受けるために、疲労破壊が発生するという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、記録媒体の定着ベルトからの分離性を向上させるとともに定着ベルトの繰り返しの回転に対して耐久性を保持する定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1の発明は、加熱手段によって加熱される回転可能な無端状の定着ベルトと、該定着ベルトの外面に対向配置される加圧ローラーと、前記定着ベルトの内面が摺擦する摺動面を有して前記定着ベルトを前記加圧ローラーに圧接する押圧部材と、前記定着ベルトの回転方向に対して前記押圧部材の下流側に配設され前記定着ベルトの回転を案内するガイド部材と、を備え、前記定着ベルトと前記加圧ローラーにより形成された定着ニップ部に記録媒体を挿通させて記録媒体上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置であって、前記ガイド部材は、前記定着ベルトの内面に当接する前記加圧ローラー側に凸形状の曲面からなる接触面を有してなり、前記接触面の曲率半径は、前記定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって小さくなるように変化することを特徴としている。
また、第2の発明は、上記の定着装置において、前記押圧部材は押圧パッドからなり、前記ガイド部材の接触面は、前記押圧部材の摺動面に当接するとともに面一に配設されることを特徴としている。
また、第3の発明は、上記の定着装置において、前記接触面及び前記摺動面の当接部を挟んで、前記接触面の上流側端部を通る接線は、前記摺動面の下流側端部を通る接線に対して前記定着ベルト側へ傾斜しており、両方の前記接線のなす角度が30°以下であることを特徴としている。
また、第4の発明は、上記の定着装置において、前記接触面の最大曲率半径は、前記定着ベルトを円形状としたときの内面の半径より小さいことを特徴としている。
また、第5の発明は、上記の定着装置において、定着処理後の記録媒体を前記定着ベルトの表面から分離させる分離部材を備え、前記分離部材は、前記定着ベルトの外面と所定距離だけ隔てて前記ガイド部材の下流側近傍に配設されることを特徴としている。
また、第6の発明は、前記構成の定着装置を備えた画像形成装置である。
第1の発明によれば、定着ニップ部で定着処理された記録媒体は、定着ベルトによってガイド部材側へ搬送され、ガイド部材の下流側では曲率半径が小さいために、例えば分離部材等によって定着ベルトから分離され易くなる。また、定着ベルトはガイド部材の接触面に当接して回転するが、接触面の曲率半径は定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって小さくなるように変化する。このために、定着ベルトが繰り返し回転しても、定着ベルトの基材層等は引張と圧縮の交互の繰り返しの応力を受けることが抑えられ、定着ベルトの耐久性が保持される。
本発明の実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図 実施形態に係る定着装置を示す側面断面図 実施形態に係るガイド部材を備える定着装置の要部を示す側面断面図 実施例及び比較例の定着ベルトの応力状態を示す図
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも用紙搬送方向の下流側に配設された定着装置5と、画像形成部4及び定着装置5の上方に配設された画像読取部6とを備えている。
給紙部2は、記録媒体である用紙9を収容する複数の給紙カセット7と、手差しの用紙を供給する手差しトレイ22とを備えている。給紙ローラー8の回転により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9を1枚ずつ用紙搬送部3に送り出す。手差しトレイ22は、給紙カセット7に収容された用紙9とは異なるサイズの用紙、または封筒やOHPシート等の記録媒体が載置され、それらの記録媒体を用紙搬送部3に送り出す。
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙搬送経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9にトナー像を形成するものであり、図1の矢印方向に回転可能に支持された感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電部12、露光部13、現像部14、転写部15、クリーニング部16、及び除電部17を備えている。
帯電部12は、高電圧を印加される帯電ワイヤーを備えており、この帯電ワイヤーからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光部13により感光体11表面に照射されると、感光体11表面の電位が選択的に減衰され、感光体11表面に静電潜像が形成される。
次いで、現像部14が感光体11表面の静電潜像を現像し、感光体11表面にトナー像が形成される。このトナー像が転写部15によって感光体11と転写部15との間に供給される用紙9に転写される。
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着装置5に向けて搬送される。定着装置5では用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、トナー像が定着された用紙9は、排出ローラー対20によって排出トレイ21上に排出される。
転写部15による用紙9へのトナー像の転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング部16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は除電部17により除去される。そして、感光体11は帯電部12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われる。
定着装置5は図2に示すように構成される。図2は定着装置を概略的に示す側面断面図である。なお、図2は定着装置5を画像形成装置1の背面側(図1の裏側)から見た状態を示しており、用紙搬送方向は図1と逆方向(左から右方向)となっている。また、図2ではガイド部材65は図示していない。
定着装置5は、電磁誘導加熱を用いた定着方式であり、定着ベルト26と、加圧ローラー19と、定着ベルト26を加熱する誘導加熱部30と、温度検知部であるサーミスター25と、ベルト支持部材55と、を備える。
定着ベルト26は、無端状の耐熱ベルトであり、定着装置5への装着前の状態における円形状の内径が例えば30〜50mmで、長手方向の幅が例えば340mmで形成される。定着ベルト26は、内面側から順に、例えば15μmの厚みのPFA層やPTFE層等からなる摺動層26aと、例えば30〜50μmの厚みの電鋳ニッケルからなる基材層である誘導発熱層26bと、例えば100〜500μmの厚みのシリコーンゴム等からなる弾性層26cと、例えば30〜50μmの厚みのフッ素樹脂等からなり定着ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層26dとが積層されて構成される。尚、誘導発熱層26aは、例えば50〜100μmの厚みのポリイミト゛樹脂に銅、銀、またはアルミニウム等の金属粉末を混入させて形成したものであってもよい。
ベルト支持部材55は、ベルト保持部59及びパッド保持部56を有し、アルミニウム等の金属や耐熱性樹脂等からなる。ベルト保持部59は断面視で円弧状をなし、定着ベルト26を誘導加熱部30に対して所定の間隔を隔てて保持する。パッド保持部56は、押圧部材である押圧パッド60を保持する。
押圧パッド60は、液晶ポリマー樹脂等の耐熱性樹脂にて定着ベルト26の内面に配設され、定着ベルト26を介して加圧ローラー19に対向している。また、押圧パッド60は定着ベルト26を加圧ローラー19側に押圧する。尚、パッド保持部56をベルト保持部59と分離して設け、装置本体に支持するように構成してもよい。
加圧ローラー19は、鉄等の円筒型の芯金19aと、芯金19a上に形成される例えば5mmの厚みのシリコーンゴム製の弾性層19bと、弾性層19bの表面を覆う例えば50μmの厚みのフッ素樹脂等からなる離型層19cと、を備え、その外径が例えば30mmに設定される。また、加圧ローラー19は図示しないモーター等の駆動源によって、例えば周速300mm/secで回転駆動させられ、加圧ローラー19の回転によって定着ベルト26は従動回転する。加圧ローラー19と定着ベルト26との圧接する部分に例えば400Nの定着荷重が付与されて、定着ニップ部Nが形成され、定着ニップ部Nでは、搬送される用紙9上の未定着トナー像を加熱及び加圧し用紙9上にトナー像を定着する。
誘導加熱部30は、コイル37と、ボビン38と、磁性体コア39とを備え、電磁誘導により定着ベルト26を加熱するものである。誘導加熱部30は、定着ベルト26の幅方向(図2の紙面の表裏方向)に延びて、定着ベルト26の外面の略半分を囲うように定着ベルト26に対向して配設される。
励磁コイル37は、定着ベルト26の幅方向(図2の紙面の表裏方向)に沿ってリッツ線をループ状に複数回巻回してボビン38に取り付けられる。また励磁コイル37は、図示しない電源に接続され、電源から供給される高周波電流により交流磁束を発生させる。励磁コイル37からの磁束は磁性体コア39を通過し、図2の紙面に平行な方向に導かれ、定着ベルト26の誘導発熱層26aに沿って通過する。誘導発熱層26aを通過する磁束の交流的な強さの変化によって誘導発熱層26aには渦電流が生じる。誘導発熱層26aに渦電流が流れると、誘導発熱層26aの電気抵抗によってジュール熱が発生して、定着ベルト26が発熱することになる。
サーミスター25は、定着ベルト26の表面において幅方向の中央部及び両端部に対向するように配置され、夫々の領域の温度を検知する。サーミスター25の検知温度に基づいて誘導加熱部30の励磁コイル37に供給される電流が制御される。
定着ベルト26が加熱手段である誘導加熱部30によって加熱され、定着可能温度(例えば170℃)になると、定着ニップ部Nで挟持された用紙9が加熱されるとともに、加圧ローラー19によって加圧されることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。定着処理後の用紙9は、定着ベルト26の表面に密着して後述するガイド部材65(図3参照)まで搬送され、分離部材67(図3参照)によって定着ベルト26の表面から分離され、定着装置5の下流側に搬送される。
ガイド部材65及び定着ニップ部N周辺の詳しい構成を図3に示す。図3はガイド部材65及び定着ニップ部N周辺の側面断面図である。
押圧パッド60は、液晶ポリマー樹脂等の耐熱性樹脂やシリコーンゴム等の弾性材料で構成されており、定着ベルト26に対向する摺動面60aにはエラストマーを配置する場合もある。また、摺動面60aには、定着ベルト26との摺擦面の摺動負荷を低減するために、PTFEシート等のフッ素樹脂系の摺動部材(図示せず)を介在させてもよい。押圧パッド60を液晶ポリマー樹脂で形成する場合、加熱及び加圧による押圧パッド60の変形を抑制して定着ニップ部Nの形状を長期間に亘って一定に維持することができる。
摺動面60aは、定着ニップ部Nの上流側における用紙搬送方向(図の矢印A方向)に略平行な平坦部と、平坦部よりも用紙搬送方向下流側において、加圧ローラー19の曲率半径よりも大きい曲率半径を有して加圧ローラー19側に湾曲する曲面部とを有する。押圧パッド60の定着ベルト26の回転方向の下流側には、ガイド部材65が配設される。
ガイド部材65は、定着ベルト26の回転を案内するとともに定着処理後の用紙9を定着ベルト26から分離し易くするものである。ガイド部材65は、例えば100〜500μmの厚みのステンレス鋼を基材として、その表面に例えば15μmのフッ素樹脂のコートを施し、定着ベルト26に当接する摺動層が形成される。尚、ガイド部材65は、例えば1〜5mmの厚みの液晶ポリマー樹脂で形成したものであってもよい。
ガイド部材65には接触面65aが形成される。接触面65aは、定着ベルト26の内面に当接する曲面であって、接触面65aの曲率半径は、定着ベルト26の回転方向の上流側から下流側に向かって小さくなるように変化する。
ガイド部材65の下流側端部65cの近傍には、分離部材67が配設される。分離部材67は、定着処理後の用紙9を定着ベルト26の外面から分離するものであり、定着ベルト26の幅方向に延びる横長の板材からなる。分離部材67の先端部は、ガイド部材65の下流側端部65cの近傍に配置され、また定着ベルト26の外面に対して所定の間隔を隔てて配置される。尚、分離部材67は、定着ベルト26の幅方向に複数個並べて設けられる分離爪で構成してもよい。
この構成によって、ガイド部材65の接触面65aの下流側では曲率半径が小さくなるため、定着ベルト26によって定着ニップ部Nからガイド部材65に搬送された用紙9は、その先端部が用紙のコシ(復元力)により定着ベルト26から剥離し易くなる。そのため、用紙9の先端部がガイド部材65の下流側において分離部材67の下面に沿って矢印B方向へ案内され、定着ベルト26から確実に分離する。
また、用紙9の定着処理及び搬送のために、定着ベルト26が繰り返し回転しても、接触面65aの曲率半径が徐々に小さく変化するために、定着ベルト26の誘導発熱層26a等は引張と圧縮の交互の繰り返し応力を受けることが抑えられる。従って、定着ベルト26が繰り返し回転しても、定着ベルト26の耐久性が保持される。尚、接触面65aの曲率半径は、上流側から下流側に向かって一定の割合で小さく変化してもよく、また、曲率半径の変化率が下流側に向かうほど大きくなるように曲率半径が小さくなってもよく、さらに曲率半径の変化率が下流側に向かうほど小さくなるように曲率半径が小さくなってもよい。
ガイド部材65に形成される接触面65aの最大の曲率半径は、定着ベルト26をベルト支持部材55(図2参照)に装着する前等の円形状とした定着ベルト26の内面の半径よりも小さく構成される。この構成によって、定着ベルト26表面の曲率半径がより小さくなるため、定着ベルト26からの用紙9の剥離性が向上する。
ガイド部材65の上流側端部65bは押圧パッド60の下流側端部60cに当接し、またガイド部材65の接触面65aは押圧パッド60の摺動面60aと面一に構成される。従って、ガイド部材65の接触面65aと押圧パッド60の摺動面60aとの間には、定着ベルト26の回転方向に隙間がなく、また上下方向に段差がなく、その隙間や段差による定着ベルト26の回転時の負荷が発生しないために、定着ベルト26の耐久性が向上する。
上記のように接触面65aと摺動面60aが当接した構成において、接触面65aの上流側端部65bの接線Taは、摺動面60aの下流側端部60cの接線Tbに対して定着ベルト26側(図3の上側)へ30°以下に傾斜している。この構成により、接触面65a及び摺動面60aの当接部において、定着ベルト26の厚み方向の伸縮が比較的に小さく抑えられ、定着ベルト26が繰り返し回転しても、定着ベルト26の耐久性が保持される。
尚、上記実施形態では、ガイド部材65を押圧パッド60に当接させる構成を示したが、本発明はこれに限らず、ガイド部材65は、定着ベルト26の回転方向に対して押圧パッド60(押圧部材)の下流側に離間して配置する構成であってもよい。この場合も上記実施形態と同様の効果を奏する。
また、上記実施形態では、ガイド部材65は定着ベルト26の幅方向の全域に設ける構成を示したが、本発明はこれに限らず、ガイド部材65は、定着ベルト26の幅方向の両端部に設ける構成であってもよい。この場合も上記実施形態と同様の効果を奏する。
また、上記実施形態では、ガイド部材65と押圧部材とを夫々別に設ける構成を示したが、本発明はこれに限らず、ガイド部材65と押圧部材とを例えば液晶ポリマー樹脂等の耐熱性樹脂で一体に構成してもよい。この場合も上記実施形態と同様の効果を奏する。
また、上記実施形態では、押圧パッド60の摺動面60aを平坦部及び曲面部で構成したが、本発明はこれに限らず、押圧パッド60の摺動面60aは加圧ローラー19と同じ方向の曲率半径を有する曲面で構成してもよく、また平坦面で構成してもよい。
また、上記実施形態では、押圧部材は分離パッド60で構成を示したが、本発明はこれに限らず、押圧部材はローラーで構成してもよい。
また、上記実施形態では、加熱手段に誘導加熱部30を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、加熱手段はハロゲンランプ等であってもよい。
以下、本発明の実施形態をさらに具体化した実施例1と、比較例1、2を説明する。尚、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例1及び比較例1、2に係る定着装置5は、電磁誘導加熱を用いた定着方式であり、定着ベルト26は、定着装置5への装着前の状態における円形状の内径が40mmであり、長手方向の幅が340mmであり、さらに、誘導発熱層26aが40μmの厚みの電鋳ニッケルであり、弾性層26bが200μmの厚みのシリコーンゴムであり、離型層26cが30μmの厚みのフッ素樹脂であり、摺動層26dが15μmの厚みのポリアミドイミド樹脂からなる。
また、加圧ローラー19は、外径が30mmであり、芯金19aが鉄製であり、弾性層19bが5mmの厚みの発砲シリコーンゴムであり、離型層19cが50μmの厚みのフッ素樹脂である。加圧ローラー19は周速300mm/secで回転駆動する。定着荷重は400N(片側200N×2)であり、定着ベルト26の表面温度を170℃に設定した。
押圧パッド60は液晶ポリマー樹脂からなり、その摺動面60aは、上流側が平坦面であり、下流側が曲率半径35mmの曲面である。
ガイド部材65は、200μmの厚みのステンレス鋼を基材として、その接触面65aに厚み15μmのフッ素樹脂コートを施している。また、ガイド部材65は、ガイド部材65の接触面65aが押圧パッド60の摺動面60aに段差がなく当接し、且つ接触面65a及び摺動面60aの接線がなす角度が0°となるように、押圧パッド60に対して配設し、さらに定着ベルト26の幅方向の全域に当接するように配設した。
上記の構成において、実施例1のガイド部材65は、接触面65aの周長が9mmであり、接触面65aの上流側端部65bの曲率半径が18mmであり、接触面65aの下流側端部65cの曲率半径が10mmであり、上流側端部65bから下流側端部65cに向かって曲率半径が一定の割合で小さく変化している。
一方、比較例1のガイド部材65は、接触面65aの周長が9mmであり、接触面65aの曲率半径が上流側端部65bから下流側端部65cに亘って8mmである。比較例2のガイド部材65は、接触面65aの周長が9mmであり、接触面65aの曲率半径が上流側端部65bから下流側端部65cに亘って18mmである。
実施例1及び比較例1、2のガイド部材65を取り付けた定着装置5において、定着処理した用紙9の分離性の評価と、定着ベルト26の耐久性の評価を行った。
分離性評価は、全面にトナー像を転写したA4サイズの用紙9の定着ベルト26への巻き付き状態を目視して評価した。実施例1及び比較例1では用紙9の定着ベルト26への巻き付きは発生しなかったが、比較例2では用紙9の定着ベルト26への巻き付きは発生した。
耐久性評価は、加圧ローラー19の回転駆動によって定着ベルト26を従動回転させるエージング試験機を用いて、定着ベルト26が破壊するまでの回数を評価した。比較例1では、A4サイズの用紙の印刷枚数で22万枚相当の耐久回数で定着ベルト26が破壊した。一方、実施例1及び比較例2では、A4サイズの用紙の印刷枚数で30万枚相当のエージング試験を行っても定着ベルト26の破壊が発生しなかった。
図4を用いて定着ベルト26の破壊に至る経緯を説明する。図4は、回転する定着ベルト26の内面に加わる応力状態を示すものであり、実線が実施例1であり、破線が比較例1である。図4の縦軸は、定着ベルト26の内面に加わる応力を示し、起点0の上側では引張応力が作用し、起点0の下側では圧縮応力が作用していることを示す。図4の横軸は、摺動面60a及び接触面65aに対する定着ベルト26の位置を示す。図4の位置Xaから位置Xbの間は、平坦である摺動面60aの区間であり、位置Xbから位置Xcの間は曲面である摺動面60aの区間である。さらに位置Xcから位置Xdの間は、摺動面60aから接触面65aに移動する区間であり、位置Xd以降は接触面65aの区間である。
図4に示すように、比較例1の定着ベルト26の内面には、区間Xc―Xdにおいて厚み方向の伸縮による引張応力と圧縮応力が作用し、また、作用する応力の最大値と最小値との差が大きくなっている。定着ベルト26の回転によって区間Xc―Xdで上記の応力が繰り返し作用することで、定着ベルト26は破壊する。一方、実施例1の定着ベルト26の内面には、区間Xc―Xdにおいて主に引張応力が作用するが圧縮応力が小さく、また、作用する応力の最大値と最小値との差が比較例1の定着ベルト26に対して小さい(比較例1に対して応力振幅で略3/4)ために、定着ベルト26の破壊が発生しなかった。このように、実施例1は分離性評価及び耐久性評価で良好な結果が得られた。
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に、定着ベルトを押圧部材によって加圧ローラーに圧接する方式の定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
1 画像形成装置
5 定着装置
19 加圧ローラー
26 定着ベルト
30 誘導加熱部(加熱手段)
55 ベルト支持部材
56 パッド保持部
59 ベルト保持部
60 押圧パッド(押圧部材)
60a 摺動面
60c 下流側端部
65 ガイド部材
65a 接触面
65b 上流側端部
65c 下流側端部
67 分離部材
N 定着ニップ部
Ta 摺動面の接線
Tb 接触面の接線

Claims (3)

  1. 加熱手段によって加熱される回転可能な無端状の定着ベルトと、
    該定着ベルトの外面に対向配置される加圧ローラーと、
    前記定着ベルトの内面が摺擦する摺動面を有して前記定着ベルトを前記加圧ローラーに圧接する押圧部材と、
    前記定着ベルトの回転方向に対して前記押圧部材の下流側に配設され前記定着ベルトの回転を案内するガイド部材と、を備え、
    前記定着ベルトと前記加圧ローラーにより形成された定着ニップ部に記録媒体を挿通させて記録媒体上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置であって、
    前記押圧部材は弾性材料で構成され、
    前記摺動面は、用紙搬送方向において、前記定着ニップ部よりも長く、前記定着ベルトの前記定着ニップ部に対応する部分及び前記定着ニップ部よりも下流側に対応する部分に連続して当接し、
    前記摺動面は、少なくとも用紙搬送方向下流側の部分に、前記定着ベルトの内側に向かって凹む曲面部を有し、
    前記曲面部の曲率半径は、前記加圧ローラーの曲率半径よりも大きく、
    前記曲面部の用紙搬送方向下流側の端部では、前記定着ベルトと前記加圧ローラーが離れており、
    前記ガイド部材は、前記定着ベルトの内面に当接する前記加圧ローラー側に凸形状の曲面からなる接触面を有してなり、
    前記ガイド部材の接触面は、前記押圧部材の摺動面に当接するとともに面一に配設され、
    前記接触面の曲率半径は、前記定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって小さくなるように変化し
    前記接触面の最大曲率半径は、前記定着ベルトを円形状としたときの内面の半径より小さく、
    前記接触面及び前記摺動面の当接部を挟んで、前記接触面の上流側端部を通る接線は、前記摺動面の下流側端部を通る接線に対して前記定着ベルト側へ傾斜しており、両方の前記接線のなす角度が30°以下であることを特徴とする定着装置。
  2. 定着処理後の記録媒体を前記定着ベルトの表面から分離させる分離部材を備え、
    前記分離部材は、前記定着ベルトの外面と所定距離だけ隔てて前記ガイド部材の下流側近傍に配設されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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