JP5835477B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の駆動力源から出力された動力を伝達するための装置に関し、特に無段変速機を含む伝動経路と、その伝動経路に対して並列に設けられた他の伝動経路とを備えている動力伝達装置に関するものである。
車両の駆動力源として一般に用いられている内燃機関は、回転数の増大に応じて出力トルクが大きくなる特性を有している。これに対して、車両に要求される駆動力は、低車速で大きく、高車速で相対的に小さいのが一般的である。すなわち、車両においては、内燃機関の出力特性に基づくトルクとは反対のトルクが要求される。また、内燃機関の効率の良い運転点は限られている。そのため、内燃機関を駆動力源とする車両では、変速比を適宜に変化させることのできる変速機が搭載されている。そして、その変速機で車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて変速比を適宜に設定することにより、必要とする駆動力を得るとともに内燃機関を効率の良い運転点で運転している。ただし、変速段毎に段階的に変速比を設定する有段変速機のように、変速機で設定する変速比に段差がある場合は、内燃機関を常に効率の良い運転点で運転することはできない。すなわち、効率の良い運転点における内燃機関の回転数が、2つの変速段の間の変速比で設定できる回転数であった場合には、一方の変速段から他方の変速段に切り替わるまでの間の運転状態では効率が低下してしまう。そこで最近では、有段変速機に替えて、変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速機が使用されるようになってきている。
車両用の無段変速機としては、ベルト式無段変速機とトロイダル型無段変速機とが広く知られている。前者のベルト式無段変速機は、動力伝達用のベルトと、そのベルトを巻き掛ける溝の幅を変化させることに伴ってベルトの巻き掛け半径が大小に変化する一対のプーリとを有している。そして、それぞれのプーリの溝幅を変化させてベルトの巻き掛け半径を変化させることにより、それら一対のプーリの間で設定する変速比を無段階に変化させるように構成されている。また、後者のトロイダル型無段変速機は、向かい合わせて配置されている一対のディスクの間にパワーローラを挟み込み、そのパワーローラの各ディスクに対する接触点を結んだ線が、ディスクの回転中心軸線に対して傾斜することにより、各ディスク同士の回転数に差が生じる構成となっている。そして、パワーローラの傾斜角度(傾転角度)が大きいほど、ディスク同士の回転数の差すなわち変速比が「1」から離れるように構成されている。
これらの無段変速機では、変速比を連続的に変化させるために、プーリとベルトとの間の摩擦力、あるいはディスクとパワーローラとの間の摩擦力を利用してトルクを伝達している。摩擦力は、2つの部材の接触箇所における摩擦係数と垂直荷重(もしくは法線方向の荷重)との積であるから、伝達するべきトルクに応じて垂直荷重を大きくすることになる。その垂直荷重は車両用のベルト式無段変速機では、プーリがベルトを挟み付ける荷重である。そしてその荷重は、例えばプーリに油圧アクチュエータを一体に形成し、その油圧アクチュエータに供給する油圧によって発生させている。
一方、車両においては発進時に大きい駆動力が要求される。これに対して定常的な走行状態すなわち巡航時に要求される駆動力は発進時に比較して小さい。そのため、上記の摩擦力を発生させるための垂直荷重は発進時に大きくする必要がある。すなわち、ベルト式無段変速機では、挟圧力を発生させるための油圧を発進時に高くすることになる。車両の駆動状態として比較的短時間である発進時に備えて、大きい油圧を発生させる油圧機器を設けるとすれば、駆動装置やそのための油圧装置が大型化し、また高油圧を発生させることに伴って燃費が悪化してしまう可能性がある。
このような課題を解消することを目的とした装置が、特開2005−308041号公報、特開2004−076876号公報、および特開2000−130548号公報などに記載されている。これらのうち特開2005−308041号公報に記載された装置は、前後進切替機構を構成しているシングルピニオン型遊星歯車機構のサンギヤに、エンジンが出力した動力が伝達され、そのサンギヤをベルト式無段変速機のプライマリープーリと一体の入力軸に連結するクラッチが設けられている。その入力軸の外周側にワンウェイクラッチを介して入力ギヤが嵌合されており、この入力ギヤが前後進切替機構におけるリングギヤに連結されている。なお、ワンウェイクラッチは、前進回転方向で入力軸がその外周側の入力ギヤよりも高速で回転する場合に係合するように構成されている。また、セカンダリープーリと一体の出力軸の外周側には、他のワンウェイクラッチを介して出力ギヤが嵌合されている。そして、上記の入力ギヤと出力ギヤとの間にアイドルギヤが配置され、入力ギヤと出力ギヤとがこのアイドルギヤに噛み合っている。すなわち、入力ギヤと出力ギヤとが共に同方向に回転するように構成されている。これら入力ギヤと出力ギヤとのギヤ比(変速比)は、上記の各プーリとこれらに巻き掛けられたベルトとからなる無段変速機で設定できる最も大きい変速比よりも僅かに小さい変速比に設定されている。そして、上記の他のワンウェイクラッチは、前進回転方向で、出力軸が出力ギヤよりも高速で回転する場合に係合するように構成されている。また、上記の他のワンウェイクラッチと並列に摩擦式のクラッチが設けられている。さらに、後進状態を設定するために、前後進切替機構におけるキャリアを固定するブレーキが設けられている。
したがって、上記の特開2005−308041号公報に記載された装置では、例えば前進走行するために発進する場合、サンギヤと入力軸とがクラッチによって連結され、無段変速機を主体とする主変速経路に入力軸を介してトルクが伝達され、上記の各ギヤを主体とする副変速経路にワンウェイクラッチが係合することによりトルクが伝達される。その場合、ギヤ列による変速比が無段変速機の最大変速比より幾分小さいので、出力ギヤが出力軸よりも高速で回転する。その結果、出力軸側のワンウェイクラッチが解放状態になり、トルクはギヤ列を介して駆動輪に伝達される。すなわち、無段変速機には発進時の大きいトルクが掛からない。そして発進後に、車速が増大するにつれて無段変速機の変速比を次第に小さくすると、セカンダリープーリと一体の出力軸の回転数がその外周側に設けられている出力ギヤの回転数に達し、変速比の低下によってその回転数が更に増大する。その結果、出力軸側のワンウェイクラッチが係合状態になり、駆動輪には無段変速機を介してトルクが伝達される。なお、その場合、入力軸側のワンウェイクラッチは解放状態になるので、インターロック状態は生じない。
また、特開2004−076876号公報に記載された装置は、エンジンが出力した動力を伝達する入力軸と、ベルト式無段変速機におけるプライマリープーリとの間に、シングルピニオン型遊星歯車機構からなる前後進切替機構が設けられている。そして、その前後進切替機構におけるリングギヤとプライマリープーリとが一体となって回転するように連結され、またサンギヤに入力軸が連結されている。したがって、サンギヤとリングギヤとをクラッチによって連結することにより前進状態となり、キャリアをブレーキによって固定することにより後進状態となる。さらに、入力軸と、セカンダリープーリに一体化されている出力軸との間には、無段変速機による最大変速比よりも大きい変速比のギヤ列が設けられている。そのギヤ列を構成している入力ギヤが入力軸に一体化され、またその入力軸にアイドルギヤを介して連結されている出力ギヤが、出力軸に回転可能に嵌合させられている。そして、出力ギヤと出力軸との間に、ワンウェイクラッチと摩擦クラッチとが直列に配列されている。
したがって、前進状態で発進する場合、入力軸をプライマリープーリに連結するためのクラッチを解放しておき、また出力軸側のクラッチを係合させておくことにより、入力軸からギヤ列およびワンウェイクラッチならびにこれと直列に配列されているクラッチを介して出力軸にトルクが伝達される。その状態から入力軸とプライマリープーリとをクラッチによって連結すると、無段変速機の最大変速比がギヤ列による変速比よりも幾分小さいことから、セカンダリープーリおよびこれと一体の出力軸が従前より大きい回転数、より具体的には出力ギヤより高回転数になってワンウェイクラッチが解放状態になる。すなわち、トルクは無段変速機を介して出力軸に伝達される。このように、発進時はギヤ列がトルクの伝達を行うので、無段変速機には発進時の大きいトルクが掛かることがない。
そして、特開2000−130548号公報には、上述した特開2004−076876号公報に記載されている装置と同様の構成の変速装置が記載されている。すなわち、この特開2000−130548号公報に記載された変速装置においても、発進時にトルクを伝達するギヤ列における出力側のギヤと、セカンダリープーリに一体化されている出力軸との間に、ワンウェイクラッチと摩擦クラッチとが並列に配列されている。
これらいずれの公報に記載された装置においても、ベルト式無段変速機と並列にギヤ列が設けられ、主として発進時にそのギヤ列を介して、発進のためのトルクを伝達するように構成されている。そして、前進走行状態では無段変速機を介してトルクを伝達させるために、トルクの伝達経路を切り替えており、その切り替えをワンウェイクラッチを使用して行うように構成されている。しかしながら、ワンウェイクラッチはトルクの伝達方向が一方向に限られるのに対して、車両が実際に走行する際には、正逆いずれの方向にもトルクを伝達する必要がある。また、トルクの伝達経路の構成によってはワンウェイクラッチを機能させないようにする必要もある。そのため、上述した各公報に記載されているように、ワンウェイクラッチと摩擦クラッチとを併用する必要がある。したがって、上述した各公報に記載されている構成では、発進時の大きいトルクが無段変速機に作用することを回避もしくは抑制できるとしても、装置の全体としての構成が大型化し、車載性が損なわれてしまう可能性がある。
また、特開2005−308041号公報に記載された装置および特開2004−076876号公報に記載された装置は、いずれも遊星歯車機構からなる前後進切替機構を備えている。前者の特開2005−308041号公報に記載された構成では、ベルト式無段変速機によってトルクを伝達して走行している場合、そのサンギヤにはエンジンからのトルクが伝達され、またリングギヤにはギヤ列からのトルクが伝達される。そのため、サンギヤ、ピニオンギヤ、およびリングギヤの間に大きな回転数差が生じ、これが動力の損失や潤滑油の劣化、あるいは騒音や振動の原因になる可能性がある。また、後者の特開2004−076876号公報に記載された構成では、ギヤ列がトルクを伝達して走行している場合に、前後進切替機構を構成している遊星歯車機構のサンギヤにエンジンからのトルクが伝達され、かつリングギヤには出力軸側から無段変速機を介してトルクが伝達される。その結果、上記の特開2005−308041号公報に記載された装置と同様に、サンギヤ、ピニオンギヤ、およびリングギヤの間に大きな回転数差が生じ、これが動力の損失や潤滑油の劣化、あるいは騒音や振動の原因になる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、無段変速機を備えた車両用動力伝達装置であって、無段変速機で設定可能な最大変速比もしくは最小変速比を超える変速比を設定でき、しかも小型化が容易でかつ耐久性に優れた車両用動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、駆動力源が出力したトルクが入力される入力軸とトルクを出力する出力軸との間に、変速比を連続的に変化させる無段変速機と、その無段変速機で設定できない少なくとも1つの変速比を有するギヤ列とが、それぞれ、前記入力軸と前記出力軸との間でトルクを伝達できるように設けられた車両用動力伝達装置において、入力要素、出力要素、および回転が止められることにより前記入力要素と前記出力要素とを互いに反対方向に回転させる反力要素の3つの回転要素によって差動作用を行う前後進切替機構が、前記出力軸と同一軸線上に配置されるとともに、前記出力要素と前記出力軸とが連結されていて、前記3つの回転要素の少なくともいずれか2つの回転要素を連結する第1クラッチ機構と、前記反力要素の回転を止めるブレーキ機構とが設けられ、前記入力軸と前記出力要素とが前記無段変速機を介して連結されるとともに、前記入力軸から前記無段変速機を経由して前記出力軸に至る第1トルク伝達経路に、トルクの伝達と遮断とを行う第2クラッチ機構が設けられ、前記入力軸と前記入力要素とが前記ギヤ列を介して連結されるとともに、前記入力軸から前記ギヤ列を経由して前記入力要素に至る第2トルク伝達経路に、トルクの伝達と遮断とを行う第3クラッチ機構が設けられ、前記ギヤ列は、前記入力軸と同一軸線上に配置された駆動ギヤと、前記入力要素に一体的に連結された従動ギヤと、中間軸と、前記中間軸上に設けられかつ前記駆動ギヤに噛み合っている第1アイドルギヤと、前記中間軸上に設けられかつ前記従動ギヤに噛み合っている第2アイドルギヤとを含み、前記第3クラッチ機構は、前記入力軸と前記駆動ギヤとの間、前記従動ギヤと前記入力要素との間、または、前記第1アイドルギヤと前記第2アイドルギヤとの間の連結および遮断を行うように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明における前記ギヤ列は、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、前記第1アイドルギヤ、および、前記第2アイドルギヤによって、前記無段変速機の最大変速比より大きい変速比、もしくは前記無段変速機の最小変速比より小さい変速比を設定するように構成することができる。
また、この発明における前記無段変速機は、前記入力軸からトルクが伝達される駆動側部材と前記出力軸にトルクを出力する出力側部材とを有しており、その場合、この発明における前記第2クラッチ機構は、前記入力軸と前記駆動側部材との間に設けられてこれら入力軸と駆動側部材とを選択的に連結するように構成することができる。
また、この発明における前記無段変速機は、前記入力軸からトルクが伝達される駆動側部材と前記出力軸にトルクを出力する出力側部材とを有しており、その場合、この発明における前記第2クラッチ機構は、前記出力側部材と前記出力軸との間に設けられてこれら出力側部材と出力軸とを選択的に連結するように構成することができる。
また、この発明における前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構とは、それぞれ、摩擦クラッチによって構成することができる。
また、この発明における前記第3クラッチ機構は、噛み合い式のクラッチによって構成することができる。
また、この発明における前記前後進切替機構は、外歯歯車であるサンギヤと、そのサンギヤと同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤと、前記サンギヤに噛み合っている第1ピニオンギヤと、その第1ピニオンギヤおよび前記リングギヤに噛み合っている第2ピニオンギヤと、これら第1ピニオンギヤおよび第2ピニオンギヤを自転かつ公転可能に保持しているキャリアとを備えたダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成することができる。
また、この発明における前記前後進切替機構は、上記のようにダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成される場合、前記サンギヤが前記無段変速機および前記出力軸に連結され、前記キャリアが前記ギヤ列に連結され、前記リングギヤが前記ブレーキ機構によって回転が止められるように構成することができる。
また、この発明における前記前後進切替機構は、外歯歯車であるサンギヤと、そのサンギヤと同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤと、前記サンギヤおよび前記リングギヤに噛み合っているピニオンギヤと、そのピニオンギヤを自転かつ公転可能に保持しているキャリアとを備えたシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成することができる。
また、この発明におけるこの発明における前記前後進切替機構は、上記のようにシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成される場合、前記リングギヤが前記無段変速機および前記出力軸に連結され、前記サンギヤが前記ギヤ列に連結され、前記キャリアが前記ブレーキ機構によって回転が止められるように構成することができる。
そして、この発明における前記前後進切替機構は、複数の回転要素を互いに平行な直線で示し、かつ前記直線に直交する基線との交点からの長さおよび前記基線に対する位置で前記各回転要素の回転速度を示す共線図によって、前記入力要素、前記出力要素、および前記反力要素のそれぞれの回転速度を表すことのできる遊星歯車機構によって構成することができる。その場合、前記反力要素は、前記共線図における中央に位置する線で表される要素であり、前記入力要素は、前記共線図における左右いずれか一方の線で表される要素であり、さらに前記出力要素は、前記共線図における左右いずれか一方の線で表される要素であってよい。
したがって、この発明によれば、前後進切替機構における少なくとも2つの回転要素を第1クラッチ機構によって連結することにより、前後進切替機構の全体が一体となって回転し、前後進切替機構と出力軸とが動力伝達可能な状態になる。その状態で第2クラッチ機構を解放させ、かつ第3クラッチ機構を係合させることにより、出力軸に対して無段変速機が遮断され、かつギヤ列が前後進切替機構を介して出力軸に連結される。すなわち、入力軸と出力軸とがギヤ列および前後進切替機構を介して連結される。そのギヤ列による変速比は、無段変速機で設定することのできない変速比であって、無段変速機での最大変速比より大きい変速比、もしくは最小変速比より小さい変速比である。そのため、動力伝達装置の全体としての変速比幅を、無段変速機で設定することのできる変速比幅よりも広くすることができる。
また、第1クラッチ機構に替えてブレーキ機構を係合させれば、前後進切替機構の反力要素の回転が止められて出力要素が入力要素に対して反対方向に回転する。すなわち、後進走行することができる。その場合、トルクは、第3クラッチ機構およびギヤ列を介して出力要素から出力軸に伝達される。したがって、その場合に動力伝達装置の全体として設定される変速比は、無段変速機では設定することのできない大きい変速比となる。
また、車両の減速時には出力軸側からトルクが入力されるが、第2クラッチ機構を無段変速機の従動側部材と出力軸との間に設けてその第2クラッチ機構を解放しておくことにより、出力軸から無段変速機に入力するトルクを遮断して無段変速機を保護することができる。
また、無段変速機をその変速比がギヤ列での変速比に近くなるように制御した状態で第2クラッチ機構を係合するとともに、第1クラッチ機構を解放させれば、入力軸と出力軸とが第2クラッチ機構および無段変速機を介して連結される。そして、ギヤ列は入力軸に対して遮断される。したがって、無段変速機によって適宜に変速比を設定することができる。その場合、第1クラッチ機構および第2クラッチ機構が伝達トルク容量を次第に変化させることのできる摩擦クラッチによって構成されていれば、第1クラッチ機構および第2クラッチ機構で受け持つトルクの量を次第に変化させることにより、出力軸のトルクの変化を滑らかにすることができる。その結果、変速ショックや駆動力の変化に起因する違和感を防止もしくは抑制することができる。
上記のように第2クラッチ機構が係合され、かつ第1クラッチ機構が解放された状態で、第3クラッチ機構を解放すれば、ギヤ列は出力軸に対しても遮断されることになる。そのため、無段変速機によってトルクを伝達して走行している場合にギヤ列を連れ回したり、前後進切替機構の入力要素だけでなく出力要素からもトルクが入力されて各要素の回転数差が大きくなるなどの事態を回避することができる。その結果、動力の損失を低減できるだけでなく、耐久性を向上させ、また騒音や振動を抑制することができる。そして、その第3クラッチ機構を噛み合い式のクラッチとすることにより、動力伝達装置の全体としての構成を簡素化および小型化することができる。また、第3クラッチ機構は、トルクが殆ど掛かっていない状態で係合あるいは解放されることになるので、その係合および解放の動作に支障が生じることはない。
また、この発明によれば、前後進切替機構が出力軸と同一軸線上に配置され、かつ、その出力要素が出力軸に連結されていることにより、前後進切替機構が出力軸以外の他の軸上に配置される場合と比較して出力軸の慣性質量が大きくなる。出力軸側の慣性質量が小さいと出力軸が振動し易くなり、無段変速機によってトルクを伝達して低速で走行する際にいわゆるこもり音が発生する場合がある。これに対して、上記のように前後進切替機構を出力軸と同一軸線上に配置し、出力軸の慣性質量を増加させることにより、無段変速機による低速走行時に、こもり音の発生を抑制することができる。
そして、この発明によれば、第1クラッチ機構、第2クラッチ機構、ならびに第3クラッチ機構、およびブレーキ機構を、摩擦式あるいは噛み合い式のクラッチやブレーキなど、それぞれ単一の機構によって構成することができる。そのため、動力伝達装置の全体としての構成を簡素化および小型化することができる。また、前後進切替機構をシングルピニオン型あるいはダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成することにより、動力伝達装置の全体としての軸長を短くし、車載性を向上させることができる。
この発明に係る車両用動力伝達装置の一例を説明するためのスケルトン図である。 前後進切替機構をダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成した場合の各回転要素の回転状態をまとめて示す共線図(速度線図)である。 各クラッチ機構およびブレーキ機構の動作状態をまとめて示す図表である。 この発明の第2の具体例を説明するためのスケルトン図である。 この発明の第3の具体例を説明するためのスケルトン図である。 この発明の第4の具体例を説明するためのスケルトン図である。 この発明の第5の具体例を説明するためのスケルトン図である。 この発明の第6の具体例を説明するためのスケルトン図である。 シングルピニオン型の遊星歯車機構からなる前後進切替機構の例を示すスケルトン図である。 前後進切替機構をシングルピニオン型の遊星歯車機構で構成した場合の各回転要素の回転状態をまとめて示す共線図(速度線図)である。
次に、この発明を具体例を参照して説明する。この発明に係る動力伝達装置は、エンジンやモータなどの駆動力源が出力した動力を駆動輪に伝達するための装置であって、変速機能のある装置である。すなわち、一般にはトランスミッションあるいはトランスアクスルと称されている装置である。特に、この発明で対象とする装置は、入力軸と出力軸との間に互いに並列に配列された無段変速機と所定の変速比(ギヤ比)のギヤ列とを有する動力伝達装置である。その無段変速機は、従来知られているベルト式の無段変速機やトロイダル型無段変速機であってよい。ベルト式無段変速機は、FF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)に搭載する動力伝達装置に適している。トロイダル型無段変速機は、FR車(フロントエンジン・リヤドライブ車)に搭載する動力伝達装置に適している。また、ギヤ列は、要は、入力軸から出力軸にトルクを伝達できるギヤであればよいが、この発明では、無段変速機では設定できない変速比をギヤ列で設定する構成となっている。したがって、ギヤ列は、複数のギヤを噛み合わせて構成されている。そしてそのギヤ比(歯数の比)が、無段変速機での最大変速比より大きい変速比あるいは最小変速比より小さい変速比を設定できるように構成されている。なお、車両が発進する際の大きいトルクが無段変速機に掛からないようにするためには、ギヤ列は無段変速機での最大変速比より大きい変速比を設定できるように構成することが好ましい。また、走行中における駆動力源の回転数を低くして燃費を低下させるためには、ギヤ列は無段変速機での最小変速比より小さい変速比を設定できるように構成することが好ましい。
そのような動力伝達装置の具体例を図1に示してある。ここに示す例はFF車に適するように構成した例であり、したがって無段変速機1としてベルト式の無段変速機が採用されている。また、駆動力源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(E/G;エンジン)2によって構成されている。
エンジン2の出力軸(クランク軸)にロックアップクラッチ付のトルクコンバータ3が連結されている。このトルクコンバータ3は従来広く知られている構成のものである。具体的には、フロントカバー4と一体のポンプインペラー5に対向してタービンランナー6が配置されている。また、これらポンプインペラー5とタービンランナー6との間に、図示しない一方向クラッチを介して保持されたステータ7が配置されている。また、タービンランナー6と一体となって回転するロックアップクラッチ8がフロントカバー4の内面に対向して配置されている。そして、そのロックアップクラッチ8を挟んだ両側の圧力差に応じてロックアップクラッチ8が係合・解放動作するようになっている。すなわち、ロックアップクラッチ8がフロントカバー4の内面に接触してトルクを伝達する係合状態になり、また反対に、フロントカバー4の内面から離れてトルクの伝達を遮断する解放状態になるように構成されている。そして、そのタービンランナー6に入力軸9が連結されている。
無段変速機1は、従来知られているように、駆動側部材であるプライマリープーリ10と、従動側部材であるセカンダリープーリ11と、これらプライマリープーリ10およびセカンダリープーリ11に巻き掛けられたベルト12とを備えている。そして、プライマリープーリ10およびセカンダリープーリ11は、ベルト12が巻き掛けられている溝の幅を広げるもしくは狭めるように変化させることにより、ベルト12の巻き掛け半径が大小に変化するように構成されている。すなわち、ベルト12が巻き掛けられているプライマリープーリ10およびセカンダリープーリ11の溝幅を変化させて変速比を無段階に変更するように構成されている。
プライマリープーリ10は入力軸9と同一軸線上で、上記のトルクコンバータ3を挟んでエンジン2とは反対側に配置されている。すなわち、プライマリープーリ10と一体のプライマリーシャフト13が、後述する第2クラッチ機構C2を介して入力軸9に連結されている。また、セカンダリープーリ11は、その回転中心軸線が上記のプライマリープーリ10の回転中心軸線と平行になるように配置されている。そしてセカンダリープーリ11は、その回転中心軸線に沿うように設けられたセカンダリーシャフト14を備えている。そのセカンダリーシャフト14と同一軸線上に出力軸15が配置されており、それらセカンダリーシャフト14と出力軸15とが一体に連結されている。したがって出力軸15は、前述した入力軸9と平行になっている。
前述の入力軸9とプライマリーシャフト13との間に、第3クラッチ機構C3および第2クラッチ機構C2が設けられている。すなわち、入力軸9上でエンジン2およびトルクコンバータ3に近い側から、第3クラッチ機構C3、第2クラッチ機構C2が配置されている。第3クラッチ機構C3は、入力軸9と後述するギヤ列23の駆動ギヤ25とを選択的に連結するための機構である。そして、第2クラッチ機構C2は、入力軸9とプライマリーシャフト13とを選択的に連結するための機構である。この第2クラッチ機構C2は、要は、入力軸9とプライマリーシャフト13との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行うことができるものであればよい。例えば摩擦クラッチや噛み合いクラッチのいずれであってもよいが、係合力に応じて伝達トルク容量が次第に増大もしくは減少する湿式もしくは乾式の摩擦クラッチによって構成されていることが好ましい。
この発明に係る動力伝達装置では、上記の無段変速機1のセカンダリーシャフト14に連結された出力軸15と同一軸線上に、前後進切替機構16が配置されている。この前後進切替機構16は、入力軸9から伝達されたトルクをその方向を変えずに伝達する前進状態と、入力軸9から伝達されたトルクをその方向を反転して伝達する後進状態とに切り替えるための機構である。この発明では、3つの回転要素が互いに差動作用をなすいわゆる差動機構によって前後進切替機構16が構成されている。この種の差動機構は、従来種々知られており、この発明ではいずれの差動機構も採用することができる。図1に示す例では、ダブルピニオン型の遊星歯車機構によって前後進切替機構16が構成されている。
ダブルピニオン型の遊星歯車機構は、外歯歯車であるサンギヤ17と、そのサンギヤ17と同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ18と、サンギヤ17に噛み合っている第1ピニオンギヤ19と、その第1ピニオンギヤ19およびリングギヤ18に噛み合っている第2ピニオンギヤ20と、これら第1ピニオンギヤ19および第2ピニオンギヤ20を自転かつ公転可能に保持しているキャリア21とを備えている。キャリア21には、後述するギヤ列23を介して入力軸9が連結されている。したがってキャリア21が入力要素となっている。また、リングギヤ18の回転を選択的に止めるブレーキ機構Bが設けられている。したがってリングギヤ18が反力要素となっている。このブレーキ機構Bは、リングギヤ18とケーシングなどの固定部22との間に設けられており、多板ブレーキなどの摩擦式ブレーキや噛み合い式のブレーキによって構成することができる。
また、サンギヤ17に無段変速機1のセカンダリーシャフト14および出力軸15が一体に連結されている。したがってサンギヤ17が出力要素となっている。そして、このサンギヤ17とキャリア21との間に、これらサンギヤ17とキャリア21とを連結して遊星歯車機構の全体を一体回転させるための第1クラッチ機構C1が設けられている。この第1クラッチ機構C1は前進走行状態を設定するためのものであって、フォワードクラッチと称することのできるクラッチである。この第1クラッチ機構C1は、要は、トルクの伝達および遮断を選択的に行うことができるものであればよい。例えば摩擦クラッチや噛み合いクラッチのいずれであってもよいが、係合力に応じて伝達トルク容量が次第に増大もしくは減少する湿式もしくは乾式の摩擦クラッチによって構成されていることが好ましい。また、第1クラッチ機構C1は、入力軸9のトルクを入力要素であるキャリア21に直接伝達するように構成されていることが好ましい。
要は、第1クラッチ機構C1は、前後進切替機構16を構成している遊星歯車機構における3つの回転要素のうちの少なくとも2つの回転要素を連結して遊星歯車機構の全体を一体化させるように構成されていればよい。この図1に示す例のようなサンギヤ17とキャリア21とを連結する構成の他に、例えば、特開2010−276159号公報や特開2010−216613号公報に記載されている「フォワードクラッチ」のように、サンギヤとリングギヤとを連結するように構成することもできる。あるいは、特開2005−337360号公報に記載されている「フォワードクラッチ」のように、キャリアとリングギヤとを連結するように構成することもできる。また、3つの回転要素の全てを相互に連結して遊星歯車機構の全体を一体化させるように構成することもできる。
なお、前後進切替機構16を構成している遊星歯車機構は、共線図(速度線図)によって表すことができる。図1に示す前後進切替機構16を表す共線図の例を図2に示してある。図2において、サンギヤ17、リングギヤ18、およびキャリア21が互いに平行な直線で表されている。それら各直線のうち、サンギヤ17を示す直線とキャリア21を示す直線とが左右の両端に位置し、それらの中央に反力要素であるリングギヤ18を示す直線が配置される。また、サンギヤ17を示す直線とキャリア21を示す直線との間隔を「1」とした場合、サンギヤ17を示す直線とリングギヤ18を示す直線との間隔が、キャリア21の歯数とリングギヤ18の歯数との比(すなわちギヤ比)に相当する値に設定される。そして、各直線の基線L0との交点からの距離が、それぞれの回転要素の回転数を示している。また基線L0に対する位置が、それぞれの回転要素の回転方向を示している。したがって、第1クラッチ機構C1を係合させた場合は、前後進切替機構16の全体が一体となって回転するので、各回転要素の回転数は直線Lfで示すようになる。これに対して、ブレーキ機構Bによってリングギヤ18を固定した場合には、各回転要素の回転数および回転方向は直線Lrで示すようになる。すなわち、サンギヤ17がキャリア21に対して反対方向に回転する。
そして、この発明に係る動力伝達装置では、上記の無段変速機1と並列に、複数の平行ギヤにより構成されるギヤ列23が設けられている。このギヤ列23は、無段変速機1での最大変速比より大きい変速比を設定する減速機構、もしくは、無段変速機1での最小変速比より小さい変速比を設定する増速機構として構成されている。この図1に示す例では、ギヤ列23は、入力軸9から出力軸15に向けてトルクを伝達する場合の減速機構として構成されている。そして、入力軸9と同一軸線上に配置された駆動ギヤと、入力軸9と出力軸15との回転方向を同一にするためのアイドルギヤと、そのアイドルギヤを介して上記の駆動ギヤからトルクが伝達される従動ギヤとが設けられている。
具体的には、入力軸9および出力軸15に対して平行に、この発明における中間軸に相当するカウンタシャフト24が配置されている。そして、入力軸9上に、その入力軸9に対して相対回転できるように駆動ギヤ25が配置されている。その駆動ギヤ25に噛み合っているカウンタドリブンギヤ26が、カウンタシャフト24に取り付けられて一体化されている。また、カウンタシャフト24には、カウンタドリブンギヤ26よりも径が大きいカウンタドライブギヤ27が取り付けられて一体化されている。そして、そのカウンタドライブギヤ27に噛み合っている従動ギヤ28が、前後進切替機構16における入力要素であるキャリア21に一体的に連結されている。したがって、上記のカウンタドリブンギヤ26およびカウンタドライブギヤ27が、この発明におけるアイドルギヤに相当している。
従動ギヤ28は、カウンタドライブギヤ27よりも大径であって、カウンタドライブギヤ27から従動ギヤ28に向けてトルクを伝達する場合には減速作用が生じるように構成されている。したがって、ギヤ列23の変速比(ギヤ比)は、上記の駆動ギヤ25とカウンタドリブンギヤ26との間の変速比と、カウンタドライブギヤ27と従動ギヤ28との間の変速比を乗算した変速比となる。図1に示すギヤ列23は、その変速比の値が無段変速機1での最大変速比より大きくなるように構成されている。
そして、この図1に示す例では、駆動ギヤ25を入力軸9に連結し、またその連結を解くための第3クラッチ機構C3が設けられている。したがって、ギヤ列23の出力軸15側には第1クラッチ機構C1が設けられ、かつギヤ列23の入力軸9側に第3クラッチ機構C3が設けられている。ここで、第1クラッチ機構C1が摩擦式のクラッチであってよいことから、第3クラッチ機構C3は係合と解放との2つの状態に切り替わる構成のものであればよい。すなわち、第3クラッチ機構C3は、伝達トルク容量が0と最大値との間の値を取る必要がない。そのため、第3クラッチ機構C3は、ドグクラッチやシンクロナイザーなどの噛み合い式のクラッチによって構成することができる。図1には、シンクロナイザーによって第3クラッチ機構C3を構成した例を示してある。すなわち、第3クラッチ機構C3は、駆動ギヤ25のボス部に形成されたスプラインと、入力軸9のハブに形成したスプラインとにスリーブ29を嵌合させることにより、駆動ギヤ25を入力軸9に連結するように構成されている。
この図1に示す例は、前述したようにFF車に適するように構成した例である。したがって出力軸15から終減速機であるフロントデファレンシャル30にトルクを出力するように構成されている。すなわち、出力軸15に出力ギヤ31が取り付けられ、この出力ギヤ31に噛み合っている大径ギヤ32が減速ギヤシャフト33に取り付けられている。この減速ギヤシャフト33には小径ギヤ34が取り付けられており、この小径ギヤ34がフロントデファレンシャル30のリングギヤ35に噛み合っている。そして、フロントデファレンシャル30はそのリングギヤ35を介して伝達されたトルクを左右のドライブシャフト36から駆動輪(図示せず)に伝達するように構成されている。
この発明に係る上記の動力伝達装置は、前進方向に発進する場合および後進走行する場合に、ギヤ列23を備えたトルク伝達経路を経由して入力軸9から出力軸15にトルクを伝達し、ある程度車速が増大した状態で前進走行する場合に、無段変速機1を備えたトルク伝達経路を経由して入力軸9から出力軸15にトルクを伝達するように制御される。例えば、図示しないシフト装置によってドライブポジション(ドライブレンジ)が選択されると、第1クラッチ機構C1と第3クラッチ機構C3とが係合させられ、また第2クラッチ機構C2とブレーキ機構Bとが解放させられる。図3にはこのような係合および解放の状態を表にまとめて示してある。なお、図3で「ON」は係合していることを示し、「OFF」は解放していることを示す。また、括弧を付した「ON」は過渡的に係合状態になることを示している。
前進方向への発進時に、各クラッチ機構C1,C2,C3,およびブレーキ機構Bをこの図3に示す表のように設定することにより、エンジン2が出力したトルクは、入力軸9、第3クラッチC3、ギヤ列23、および前後進切替機構16を介して、出力軸15に伝達される。すなわち、ギヤ列23における駆動ギヤ25が第3クラッチ機構C3によって入力軸9に連結されているので、入力軸9のトルクは、ギヤ列23を介して従動ギヤ28から前後進切替機構15のキャリア21に伝達される。それとともに、第1クラッチ機構C1を介してサンギヤ17に伝達される。前進時には、前後進切替機構16は、サンギヤ17およびキャリア21の2つの回転要素が第1クラッチ機構C1によって連結されているので、前後進切替機構16の全体が一体化されている。したがって、前後進切替機構16は増減速作用を生じずに、キャリア21から入力されたトルクをそのままサンギヤ17から出力軸15に伝達する。
そして、出力軸15に伝達されたトルクが出力ギヤ31から減速ギヤ列およびフロントデファレンシャル30を介して左右の駆動輪に伝達され、車両が発進する。なお、無段変速機1は、出力軸15もしくはサンギヤ17に常時連結されている。そのため、前後進切替機構16に入力されたトルクは、無段変速機1のセカンダリープーリ11にも伝達される。ただし、発進時には、第2クラッチ機構C2が解放状態になっていて、無段変速機1と入力軸9との間ではトルクの伝達が生じないように切り離されている。したがって、入力軸9と出力軸15との間で無段変速機1を経由したトルクの伝達は生じず、いわゆるインターロック状態となることはない。
このように発進時には、ギヤ列23を経由して入力軸9から出力軸15にトルクが伝達される。そしてギヤ列23が減速機構として機能することにより、入力軸9と出力軸15との間の変速比は、無段変速機1で設定できる最大変速比よりも大きい変速比となる。その結果、車両としては大きい駆動力を得ることができる。また、無段変速機1には発進時の大きいトルクが掛からないので、伝達トルク容量を設定する油圧を高くする必要がない。そのため、高圧の油圧を発生させるための動力の消費が少なくなって燃費を改善することができ、また無段変速機1の耐久性を向上させることができる。
発進後、予め決められている所定の車速にまで増速した際には、無段変速機1の変速比を最大値もしくはそれに近い変速比に設定した状態で、第1クラッチ機構C1を解放させる。それとともに、第2クラッチ機構C2を係合させる。前後進切替機構16は、ブレーキ機構Bが解放されている状態で、更に第1クラッチ機構C1が解放されるので、いわゆる自由回転する状態になる。その結果、出力軸15とギヤ列23との連結が解かれる。これに対して、プライマリープーリ10が第2クラッチ機構C2によって入力軸9に連結される。そのため、入力軸9と出力軸15とは無段変速機1を経由してトルクを伝達するように連結される。したがって、無段変速機1による変速比を徐々に減少させ、あるいは車速とアクセル開度とに応じて変化させることにより、エンジン回転数を燃費の良い回転数に設定することができる。
上記のようにしてギヤ列23を経由するトルクの伝達状態から無段変速機1を経由するトルクの伝達状態に切り替える場合、ギヤ列23による変速比が無段変速機1の最大変速比よりも大きいため、変速比あるいは駆動力が変化することになる。したがって、第1クラッチ機構C1を解放し、かつ第2クラッチ機構C2を係合させる場合、過渡的にそれら第1クラッチ機構C1および第2クラッチ機構C2を滑り係合させるように制御する。すなわち、第2クラッチ機構C2の係合圧を徐々に増大させることにより、その伝達トルク容量を次第に増大させる。これに併せて、第1クラッチ機構C1の係合圧を徐々に低下させることにより、その伝達トルク容量を次第に減少させる。この制御は、従来クラッチ・ツウ・クラッチ制御として知られている制御である。このように第1クラッチ機構C1および第2クラッチ機構C2をそれぞれ制御することにより、出力軸15のトルクが滑らかに変化して変速ショックや違和感が生じることを回避もしくは抑制することができる。
第1クラッチ機構C1が解放され、かつ第2クラッチ機構C2が完全に係合されて、無段変速機1を経由したトルクの伝達が安定的に行われる状態になった後に、第3クラッチ機構C3が解放される。すなわち、ギヤ列23が入力軸9に対しても切り離される。その結果、前後進切替機構16におけるサンギヤ17にセカンダリープーリ11からのトルクが伝達される。しかしながら、リングギヤ18およびキャリア21が自由に回転できる状態になるため、前後進切替機構16を構成している各回転要素同士の間に回転数差が発生する。しかしながら、前後進切替機構16での動力損失や耐久性の低下、あるいは騒音もしくは振動を抑制することができる。なお、第3クラッチ機構C3を解放させる場合、既に第1クラッチ機構C1が解放されていることから、ギヤ列23にはトルクが掛かっていない。そのため、第3クラッチ機構C3が噛み合い式のクラッチによって構成されていても、走行中にその第3クラッチ機構C3を解放させることができる。言い換えれば、この発明に係る動力伝達装置は、上述したように構成することにより、第3クラッチ機構C3を噛み合い式のクラッチによって構成することができる。
一方、後進走行する場合には、図3に示すように、第1クラッチ機構C1および第2クラッチ機構C2を解放するとともに、第3クラッチ機構C3およびブレーキ機構Bを係合させる。この場合、前後進切替機構16においては、リングギヤ18がブレーキ機構Bによって固定された状態で、キャリア21にギヤ列23を経由してエンジン2からのトルクが入力される。そのため、サンギヤ17がキャリア21に対して反対方向に回転する。したがって、前進走行の際の発進時と同様に、ギヤ列23を経由して、入力軸9から出力軸15にトルクが伝達される。そしてこの場合は、出力軸15が後進走行する方向に回転する。また、この場合の変速比は、ギヤ列23による変速比と、前後進切替機構16を構成している遊星歯車機構による変速比とを乗算した変速比となる。そして、出力ギヤ31から減速ギヤ列およびフロントデファレンシャル30を介して左右の駆動輪にトルクが伝達され、車両が後進走行する。なお、第2クラッチ機構C2が解放されていて、無段変速機1と入力軸9との間ではトルクの伝達が生じないように切り離されている。したがって、入力軸9と出力軸15との間で無段変速機1を経由したトルクの伝達は生じず、いわゆるインターロック状態となることはない。
上述したように、この発明に係る上記の動力伝達装置によれば、前進方向への発進時や後進走行する場合、無段変速機1では設定することのできない大きい変速比を設定できる。そのため、発進加速性を向上させることができ、また後進走行時の動力性能を向上させることができる。また、これらの場合に無段変速機1は走行のためのトルクの伝達には関与しないので、無段変速機1でのベルト挟圧力を高くする必要がない。そのため、挟圧力を発生させるための動力の消費を少なくして動力損失を低減できる。また、無段変速機1の耐久性を向上させることができる。さらに、この発明に係る動力伝達装置では、各クラッチ機構を摩擦クラッチや噛み合いクラッチなどの単一の構成のものとすることができる。そのため、必要とする構成部品を少なくして、動力伝達装置の全体としての構成を簡素化することができる。また動力伝達装置を小型化することができる。
また、上述の図1に示す構成の動力伝達装置では、第2クラッチ機構C2が入力軸9上に設けられている。そのため、前進走行中に入力軸9側から第2クラッチ機構C2に掛かるトルクは、トルクコンバータ3以外では増減速作用を受けていないトルクになる。すなわち、駆動状態においては、入力軸9におけるトルク以上のトルクが第2クラッチ機構C2に掛かることがない。したがって、第2クラッチ機構C2に大きなトルクが掛かる可能性がある出力軸15上やカウンタシャフト24上に第2クラッチ機構C2を設けた場合と比較して、第2クラッチ機構C2をトルク容量が小さい小型のクラッチとすることができる。
同様に、上述の図1に示す構成の動力伝達装置では、第3クラッチ機構C3が、入力軸9上で、その入力軸9とギヤ列23の駆動ギヤ25との間に設けられている。そして、その第3クラッチ機構C3が、ギヤ列23を介して出力軸15側にトルクを伝達する場合に、ギヤ列23は第3クラッチ機構C3の出力側で減速機構として機能することになる。したがって、第3クラッチ機構C3にはギヤ列23で増大させられたトルクが掛かることがない。そのため、第3クラッチ機構C3に大きなトルクが掛かる可能性がある出力軸15上やカウンタシャフト24上に第3クラッチ機構C3を設けた場合と比較して、第3クラッチ機構C3をトルク容量が小さい小型のクラッチとすることができる。
この発明に係る動力伝達装置は、ギヤ列23を備えたトルク伝達経路を介して入力軸9から出力軸15にトルクを伝達する場合に、無段変速機1を備えたトルク伝達経路が入力軸9もしくは出力軸15から切り離される。また反対に、無段変速機1を備えたトルク伝達経路を介して入力軸9と出力軸15との間でトルクを伝達する場合には、ギヤ列23を備えたトルク伝達経路が入力軸9もしくは出力軸15から切り離される。そのため、第2クラッチ機構C2および第3クラッチ機構C3は、必ずしも上述した図1に示す位置に設けられている必要はない。したがって、第2クラッチ機構C2および第3クラッチ機構C3は、それぞれの本来の機能を損なわない範囲で適宜な位置に設けることができる。以下、その他の構成例を図4から図8に示して説明する。
図4に示す動力伝達装置は、図1に示す構成のうち第3クラッチ機構C3が、前後進切替機構16と共に出力軸15と同一軸線上に配置され、その他は図1に示す例と同様に構成されている。したがって、この図4の構成のうち図1と異なる部分のみ説明し、図1と同様の構成の部分には図4に図1と同じ符号を付けてその説明を省略する。
第3クラッチ機構C3は、前述したように噛み合い式のクラッチであり、この図4に示す例では、出力軸15もしくはセカンダリーシャフト14と同一軸線上に配置されている。そして、この図4に示す例における第3クラッチ機構C3は、ギヤ列23の従動ギヤ28と、前後進切替機構16における入力要素であるキャリア21との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行うように構成されている。図1に示す構成に対して第3クラッチ機構C3の配置が上記のように変更されたことに伴って、ギヤ列23の駆動ギヤ25が入力軸9に一体となって回転するように取り付けられている。また、入力軸9と無段変速機1のプライマリーシャフト13とが、第2クラッチ機構C2のみを介して連結されている。
この図4に示すように構成された動力伝達装置においても、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、第3クラッチ機構C3、およびブレーキ機構Bは、前進方向への発進時、前進走行時、および後進走行時に、それぞれ、前述の図3に示すように係合もしくは解放させられる。そして、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様にして、ギヤ列23を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達、および無段変速機1を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達が行われる。そして、図1に示す動力伝達装置と同様に作用させ、また同様の効果を得ることができる。
また、この図4に示す構成では、前述の図1に示す動力伝達装置の構成と同様に、第2クラッチ機構C2が無段変速機1のいわゆる入力側に配置されている。したがって、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様に、エンジン2の動力で前進走行している場合には、エンジン2から入力軸9に伝達されたトルク以上のトルクが第2クラッチ機構C2に掛かることがない。そのため、この図4に示す構成においても、第2クラッチ機構C2の小型化を図ることができる。
そして、この図4に示す構成では、上記のように第3クラッチ機構C3が、出力軸15と同一軸線上に配置されている。したがって、エンジン2から入力軸9に伝達されたトルクは、ギヤ列23で減速されて第3クラッチ機構C3における従動ギヤ28側の回転部材に伝達される。その結果、第3クラッチ機構C3にエンジン2からのトルクがそのままの回転数で伝達される場合と比較して、第3クラッチ機構C3における従動ギヤ28側の回転部材とキャリア21側の回転部材との間の回転数差が小さくなる。言い換えると、第3クラッチ機構C3における入力側回転部材と出力側回転部材との間の回転数差が小さくなる。そのため、第3クラッチ機構C3における係合制御を容易に行うことができる。また、第3クラッチ機構C3の耐久性を向上させることができる。
図5に示す動力伝達装置は、図1に示す構成のうち第3クラッチ機構C3が、この発明における中間軸に相当しているギヤ列23のカウンタシャフト24と同一軸線上に配置され、その他は図1に示す例と同様に構成されている。したがって、この図5の構成のうち図1と異なる部分のみ説明し、図1と同様の構成の部分には図5に図1と同じ符号を付けてその説明を省略する。
第3クラッチ機構C3は、前述したように噛み合い式のクラッチであり、この図5に示す例では、ギヤ列23におけるカウンタシャフト24と同一軸線上に配置されている。そして、この図5に示す例における第3クラッチ機構C3は、カウンタシャフト24と、ギヤ列23におけるアイドルギヤの1つであるカウンタドライブギヤ27との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行うように構成されている。図1に示す構成に対して第3クラッチ機構C3の配置が上記のように変更されたことに伴って、ギヤ列23の駆動ギヤ25が入力軸9に一体となって回転するように取り付けられている。また、入力軸9と無段変速機1のプライマリーシャフト13とが、第2クラッチ機構C2のみを介して連結されている。
この図5に示すように構成された動力伝達装置においても、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、第3クラッチ機構C3、およびブレーキ機構Bは、前進方向への発進時、前進走行時、および後進走行時に、それぞれ、前述の図3に示すように係合もしくは解放させられる。そして、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様にして、ギヤ列23を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達、および無段変速機1を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達が行われる。そして、図1に示す動力伝達装置と同様に作用させ、また同様の効果を得ることができる。
また、この図5に示す構成では、前述の図1に示す動力伝達装置の構成と同様に、第2クラッチ機構C2が無段変速機1のいわゆる入力側に配置されている。したがって、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様に、エンジン2の動力で前進走行している場合には、エンジン2から入力軸9に伝達されたトルク以上のトルクが第2クラッチ機構C2に掛かることがない。そのため、この図5に示す構成においても、第2クラッチ機構C2の小型化を図ることができる。
そして、この図5に示す構成では、上記のように第3クラッチ機構C3が、ギヤ列23のカウンタシャフト24と同一軸線上に配置されている。したがって、ギヤ列23における駆動ギヤ25とカウンタドリブンギヤ26とのギヤ対を、入力軸9からカウンタシャフト24に向けてトルクを伝達する場合の減速機構として構成することにより、エンジン2から入力軸9に伝達されたトルクは、ギヤ列23における駆動ギヤ25とカウンタドリブンギヤ26との間で減速されて、第3クラッチ機構C3におけるカウンタシャフト24側の回転部材に伝達される。その結果、第3クラッチ機構C3にエンジン2からのトルクがそのままの回転数で伝達される場合と比較して、第3クラッチ機構C3における従動ギヤ28側すなわち入力側の回転部材とキャリア21側すなわち出力側の回転部材との間の回転数差が少なくなる。そのため、第3クラッチ機構C3における係合制御を容易に行うことができる。また、第3クラッチ機構C3の耐久性を向上させることができる。
図6に示す動力伝達装置は、図1に示す構成のうち第2クラッチ機構C2が、前後進切替機構16と共に出力軸15と同一軸線上に配置され、その他は図1に示す例と同様に構成されている。したがって、この図6の構成のうち図1と異なる部分のみ説明し、図1と同様の構成の部分には図6に図1と同じ符号を付けてその説明を省略する。
この発明における第2クラッチ機構C2は、入力軸9から無段変速機1を経由して出力軸15に至るトルク伝達経路でトルクの伝達と遮断とを行うクラッチである。この図6に示す例では、第2クラッチ機構C2は、出力軸15と同一軸線上に配置され、無段変速機1のセカンダリーシャフト14と出力軸15との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行うように構成されている。図1に示す構成に対して第2クラッチ機構C2の配置が上記のように変更されたことに伴って、入力軸9と無段変速機1のプライマリーシャフト13とが直接連結されている。
この図6に示すように構成された動力伝達装置においても、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、第3クラッチ機構C3、およびブレーキ機構Bは、前進方向への発進時、前進走行時、および後進走行時に、それぞれ、前述の図3に示すように係合もしくは解放させられる。そして、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様にして、ギヤ列23を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達、および無段変速機1を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達が行われる。そして、図1に示す動力伝達装置と同様に作用させ、また同様の効果を得ることができる。
また、この図6に示す構成では、前述の図1に示す動力伝達装置の構成と同様に、第3クラッチ機構C3が、入力軸9上で、その入力軸9とギヤ列23の駆動ギヤ25との間に設けられている。したがって、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様に、第3クラッチ機構C3にはギヤ列23で増大させられたトルクが掛かることがない。そのため、この図6に示す構成においても、第3クラッチ機構C3の小型化を図ることができる。
そして、この図6に示す構成では、第2クラッチ機構C2が無段変速機1のいわゆる出力側に配置されている。そのため、ギヤ列23を介して入力軸9と出力軸15とが連結されている状態で減速する場合に、第2クラッチ機構C2によって無段変速機1を出力軸15に対して遮断することができる。その結果、無段変速機1に過大なトルクが作用することを回避し、無段変速機1の耐久性を向上させることができる。すなわち、第1クラッチ機構C1および第3クラッチ機構C3を係合させた状態で減速する場合、車両の走行慣性力に基づくトルクが出力軸15に作用する。その場合、出力軸15と無段変速機1のセカンダリーシャフト14との間は、第2クラッチ機構C2が解放状態になっていて遮断されている。したがって、減速時のいわゆる逆入力トルクが無段変速機1に掛かることがない。そのため、無段変速機1に不必要に作用するトルクを低減し、かつ不必要な回転を抑制することができる。その結果、無段変速機1の耐久性を向上させることができる。
図7に示す動力伝達装置は、図1に示す構成のうち第2クラッチ機構C2および第3クラッチ機構C3が、前後進切替機構16と共に出力軸15と同一軸線上に配置され、その他は図1に示す例と同様に構成されている。したがって、この図7の構成のうち図1と異なる部分のみ説明し、図1と同様の構成の部分には図7に図1と同じ符号を付けてその説明を省略する。
この図7に示す例では、第2クラッチ機構C2は、上記の図6に示す動力伝達装置の構成と同様に、出力軸15と同一軸線上に配置され、無段変速機1のセカンダリーシャフト14と出力軸15との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行うように構成されている。また、第3クラッチ機構C3は、前述の図4に示す動力伝達装置の構成と同様に、出力軸15もしくはセカンダリーシャフト14と同一軸線上に配置され、ギヤ列23の従動ギヤ28と前後進切替機構16のキャリア21との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行うように構成されている。図1に示す構成に対して第2クラッチ機構C2および第3クラッチ機構C3の配置が上記のように変更されたことに伴って、ギヤ列23の駆動ギヤ25が入力軸9に一体となって回転するように取り付けられている。また、入力軸9と無段変速機1のプライマリーシャフト13とが直接連結されている。
この図7に示すように構成された動力伝達装置においても、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、第3クラッチ機構C3、およびブレーキ機構Bは、前進方向への発進時、前進走行時、および後進走行時に、それぞれ、前述の図3に示すように係合もしくは解放させられる。そして、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様にして、ギヤ列23を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達、および無段変速機1を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達が行われる。そして、図1に示す動力伝達装置と同様に作用させ、また同様の効果を得ることができる。
また、この図7に示す構成では、前述の図4に示す動力伝達装置の構成と同様に、第3クラッチ機構C3が、出力軸15上で、ギヤ列23の従動ギヤ28と前後進切替機構16のキャリア21との間に設けられている。したがって、前述の図4に示す動力伝達装置の場合と同様に、第3クラッチ機構C3における入力側の回転部材と出力側の回転部材との間の回転数差が少なくなる。そのため、この図7に示す構成においても、第3クラッチ機構C3における係合制御を容易に行うことができる。また、第3クラッチ機構C3の耐久性を向上させることができる。
そして、この図7に示す構成では、上記の図6に示す動力伝達装置の構成と同様に、第2クラッチ機構C2が無段変速機1のいわゆる出力側に配置されている。したがって、上記の図6に示す動力伝達装置の場合と同様に、ギヤ列23を介して入力軸9と出力軸15とが連結されている状態で減速する場合に、第2クラッチ機構C2によって無段変速機1を出力軸15に対して遮断することができる。そのため、この図7に示す構成においても、無段変速機1に過大なトルクが作用することを回避し、無段変速機1の耐久性を向上させることができる。
図8に示す動力伝達装置は、図1に示す構成のうち第2クラッチ機構C2が、前後進切替機構16と共に出力軸15と同一軸線上に配置され、第3クラッチ機構C3が、ギヤ列23のカウンタシャフト24と同一軸線上に配置されている。そして、その他は図1に示す例と同様に構成されている。したがって、この図8の構成のうち図1と異なる部分のみ説明し、図1と同様の構成の部分には図8に図1と同じ符号を付けてその説明を省略する。
この図8に示す例では、第2クラッチ機構C2は、上記の図6,図7に示す動力伝達装置の構成と同様に、出力軸15と同一軸線上に配置され、無段変速機1のセカンダリーシャフト14と出力軸15との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行うように構成されている。また、第3クラッチ機構C3は、前述の図5に示す動力伝達装置の構成と同様に、ギヤ列23のカウンタシャフト24と同一軸線上に配置され、そのカウンタシャフト24とギヤ列23のカウンタドライブギヤ27との間におけるトルクの伝達および遮断を選択的に行う構成されている。図1に示す構成に対して第2クラッチ機構C2および第3クラッチ機構C3の配置が上記のように変更されたことに伴って、ギヤ列23の駆動ギヤ25が入力軸9に一体となって回転するように取り付けられている。また、入力軸9と無段変速機1のプライマリーシャフト13とが直接連結されている。
この図8に示すように構成された動力伝達装置においても、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、第3クラッチ機構C3、およびブレーキ機構Bは、前進方向への発進時、前進走行時、および後進走行時に、それぞれ、前述の図3に示すように係合もしくは解放させられる。そして、前述の図1に示す動力伝達装置の場合と同様にして、ギヤ列23を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達、および無段変速機1を主体とするトルク伝達経路を介したトルクの伝達が行われる。そして、図1に示す動力伝達装置と同様に作用させ、また同様の効果を得ることができる。
また、この図8に示す構成では、上記の図6,図7に示す動力伝達装置の構成と同様に、第2クラッチ機構C2が無段変速機1のいわゆる出力側に配置されている。したがって、上記の図6,図7に示す動力伝達装置の場合と同様に、ギヤ列23を介して入力軸9と出力軸15とが連結されている状態で減速する場合に、第2クラッチ機構C2によって無段変速機1を出力軸15に対して遮断することができる。そのため、この図8に示す構成においても、無段変速機1に過大なトルクが作用することを回避し、無段変速機1の耐久性を向上させることができる。
そして、この図8に示す構成では、前述の図5に示す動力伝達装置の構成と同様に、第3クラッチ機構C3がギヤ列23のカウンタシャフト24と同一軸線上に配置されている。したがって、前述の図5に示す動力伝達装置の場合と同様に、ギヤ列23における駆動ギヤ25とカウンタドリブンギヤ26とのギヤ対を、入力軸9からカウンタシャフト24に向けてトルクを伝達する場合の減速機構として構成することにより、第3クラッチ機構C3における入力側の回転部材と出力側の回転部材との間の回転数差が少なくなる。そのため、第3クラッチ機構C3における係合制御を容易に行うことができる。また、第3クラッチ機構C3の耐久性を向上させることができる。
なお、この図8に示す構成および前述の図5に示す構成のように、第3クラッチ機構C3をカウンタシャフト24上に配置する場合、カウンタドライブギヤ27をカウンタシャフト24に対して連結し、またその連結を解除するように構成する替わりに、カウンタドリブンギヤ26をカウンタシャフト24に対して連結し、またその連結を解除するように、第3クラッチ機構C3を構成してもよい。あるいは、カウンタドリブンギヤ26とカウンタドライブギヤ27とを一体に連結しておき、これをカウンタシャフト24に対して連結し、またその連結を解くように、第3クラッチ機構C3を構成してもよい。
この発明に係る動力伝達装置は、前後進切替機構16を、上述したダブルピニオン型の遊星歯車機構に替えて、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成することもできる。その例を図9に記載してある。この発明における前後進切替機構16をシングルピニオン型の遊星歯車機構37を使用して構成する場合、サンギヤ38が入力要素とされ、キャリア39が反力要素とされ、そしてリングギヤ40が出力要素とされている。したがってキャリア39に、そのキャリア39の回転を選択的に止めるブレーキ機構Bが設けられている。また、サンギヤ38にギヤ列23の従動ギヤ28が連結され、リングギヤ40に出力軸15が連結されている。そして、サンギヤ38とリングギヤ40との間に、それらサンギヤ38とリングギヤ40とを選択的に連結する第1クラッチ機構C1が設けられている。
上記のようにシングルピニオン型の遊星歯車機構37で構成した前後進切替機構16を表す共線図(速度線図)の例を図10に示してある。図10において、サンギヤ38、キャリア39、およびリングギヤ40が互いに平行な直線で表されている。それら各直線のうち、サンギヤ38を示す直線とリングギヤ40を示す直線とが左右の両端に位置し、それらの中央に反力要素であるキャリア39を示す直線が配置される。また、サンギヤ38を示す直線とリングギヤ18を示す直線との間隔を「1」とした場合、キャリア39を示す直線とリングギヤ40を示す直線との間隔が、サンギヤ38の歯数とキャリア39の歯数との比(すなわちギヤ比)に相当する値に設定される。そして、各直線の基線L0との交点からの距離が、それぞれの回転要素の回転数を示している。また基線L0に対する位置が、それぞれの回転要素の回転方向を示している。したがって、第1クラッチ機構C1を係合させた場合は、遊星歯車機構37すなわち前後進切替機構16の全体が一体となって回転するので、各回転要素の回転数は直線Lfで示すようになる。これに対して、ブレーキ機構Bによってキャリア39を固定した場合には、各回転要素の回転数および回転方向は直線Lrで示すようになる。すなわち、リングギヤ40がサンギヤ38に対して反対方向に回転する。
このように、前後進切替機構16をシングルピニオン型の遊星歯車機構37で構成した場合であっても、前述したダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成した前後進切替機構16と同様に機能させることができる。また、ダブルピニオン型の遊星歯車機構に替えてシングルピニオン型の遊星歯車機構37を使用することにより、装置を簡素化することができる。
以上のように、この発明に係る動力伝達装置によれば、前後進切替機構16における少なくとも2つの回転要素を第1クラッチ機構C1によって連結することにより、前後進切替機構16の全体が一体となって回転し、前後進切替機構16と出力軸15とが動力伝達可能な状態になる。その状態で第2クラッチ機構C2を解放させ、かつ第3クラッチ機構C3を係合させることにより、出力軸15に対して無段変速機1が遮断され、かつギヤ列23が前後進切替機構16を介して出力軸15に連結される。すなわち、入力軸9と出力軸15とが、ギヤ列23および前後進切替機構16を介して連結される。その場合、ギヤ列23による変速比は、無段変速機1で設定することのできない変速比である。すなわち、無段変速機1での最大変速比より大きい変速比、もしくは最小変速比より小さい変速比である。そのため、動力伝達装置の全体としての変速比幅を、無段変速機1で設定することのできる変速比幅よりも広くすることができる。
また、第1クラッチ機構1に替えてブレーキ機構Bを係合させることにより、前後進切替機構16における反力要素の回転が止められ、その結果、前後進切替機構16における出力要素が入力要素に対して反対方向に回転する。すなわち、車両を後進走行させることができる。その場合、トルクは、第3クラッチ機構C3およびギヤ列23を介して前後進切替機構16の出力要素から出力軸15に伝達される。したがって、その場合に動力伝達装置の全体として設定される変速比は、無段変速機1では設定することのできない大きい変速比となる。すなわち、後進走行時においても、動力伝達装置の全体としての変速比幅を広くすることができる。
そして、この発明に係る動力伝達装置によれば、前後進切替機構16が出力軸15と同一軸線上に配置され、かつ、前後進切替機構16の出力要素が出力軸15に連結される。その結果、例えば前後進切替機構16が入力軸9やカウンタシャフト24などの軸上に配置される場合と比較して、出力軸15の慣性質量が大きくなる。そのため、出力軸15が振動の影響を受け難くなり、無段変速機1による低速走行時に、いわゆるこもり音の発生を抑制することができる。
なお、上述した第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、ならびに第3クラッチ機構C3、および各ギヤのそれぞれの軸線方向での位置は、設計上適宜に決めることができる。例えば、上述した各具体例における構成部材のうち隣接する構成部材同士の位置を軸線方向で相互に入れ替えることもできる。
また、上述した各具体例は、ギヤ列23による変速比を無段変速機1での最大変速比より大きくした例であるが、この発明は、要は、無段変速機1で設定できない変速比をギヤ列23によって設定するように構成されていればよい。したがって、ギヤ列23による変速比を無段変速機1での最小変速比よりも小さくしてもよい。このように構成すれば、エンジン2を低負荷で運転して走行する場合に、エンジン回転数を無段変速機1で変速比を設定する場合よりも低回転数にすることができる。その結果、車両の燃費を更に向上させることができる。
また、上述した各具体例では、1つの変速比(ギヤ比)を有するギヤ列23を用いた構成を示しているが、この発明におけるギヤ列は、2つ以上の変速比(ギヤ比)を有し、それらの変速比を選択して設定できるギヤ列であってもよい。

Claims (11)

  1. 駆動力源が出力したトルクが入力される入力軸とトルクを出力する出力軸との間に、変速比を連続的に変化させる無段変速機と、その無段変速機で設定できない少なくとも1つの変速比を有するギヤ列とが、それぞれ、前記入力軸と前記出力軸との間でトルクを伝達できるように設けられた車両用動力伝達装置において、
    入力要素、出力要素、および回転が止められることにより前記入力要素と前記出力要素とを互いに反対方向に回転させる反力要素の3つの回転要素によって差動作用を行う前後進切替機構が、前記出力軸と同一軸線上に配置されるとともに、前記出力要素と前記出力軸とが連結されていて、
    前記3つの回転要素の少なくともいずれか2つの回転要素を連結する第1クラッチ機構と、前記反力要素の回転を止めるブレーキ機構とが設けられ、
    前記入力軸と前記出力要素とが前記無段変速機を介して連結されるとともに、前記入力軸から前記無段変速機を経由して前記出力軸に至る第1トルク伝達経路に、トルクの伝達と遮断とを行う第2クラッチ機構が設けられ、
    前記入力軸と前記入力要素とが前記ギヤ列を介して連結されるとともに、前記入力軸から前記ギヤ列を経由して前記入力要素に至る第2トルク伝達経路に、トルクの伝達と遮断とを行う第3クラッチ機構が設けられ、
    前記ギヤ列は、前記入力軸と同一軸線上に配置された駆動ギヤと、前記入力要素に一体的に連結された従動ギヤと、中間軸と、前記中間軸上に設けられかつ前記駆動ギヤに噛み合っている第1アイドルギヤと、前記中間軸上に設けられかつ前記従動ギヤに噛み合っている第2アイドルギヤとを含み、
    前記第3クラッチ機構は、前記入力軸と前記駆動ギヤとの間、前記従動ギヤと前記入力要素との間、または、前記第1アイドルギヤと前記第2アイドルギヤとの間の連結および遮断を行うように構成されている
    とを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記ギヤ列は、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、前記第1アイドルギヤ、および、前記第2アイドルギヤによって、前記無段変速機の最大変速比より大きい変速比、もしくは前記無段変速機の最小変速比より小さい変速比を設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記無段変速機は、前記入力軸からトルクが伝達される駆動側部材と前記出力軸にトルクを出力する出力側部材とを有し、
    前記第2クラッチ機構は、前記入力軸と前記駆動側部材との間に設けられてこれら入力軸と駆動側部材とを選択的に連結するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記無段変速機は、前記入力軸からトルクが伝達される駆動側部材と前記出力軸にトルクを出力する出力側部材とを有し、
    前記第2クラッチ機構は、前記出力側部材と前記出力軸との間に設けられてこれら出力側部材と出力軸とを選択的に連結するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用動力伝達装置。
  5. 前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構とは、それぞれ、摩擦クラッチによって構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用動力伝達装置。
  6. 前記第3クラッチ機構は、噛み合い式のクラッチによって構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両用動力伝達装置。
  7. 前記前後進切替機構は、外歯歯車であるサンギヤと、そのサンギヤと同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤと、前記サンギヤに噛み合っている第1ピニオンギヤと、その第1ピニオンギヤおよび前記リングギヤに噛み合っている第2ピニオンギヤと、これら第1ピニオンギヤおよび第2ピニオンギヤを自転かつ公転可能に保持しているキャリアとを備えたダブルピニオン型遊星歯車機構を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両用動力伝達装置。
  8. 前記サンギヤは、前記無段変速機および前記出力軸に連結され、
    前記キャリアは、前記ギヤ列に連結され、
    前記リングギヤは、前記ブレーキ機構によって回転が止められるように構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両用動力伝達装置。
  9. 前記前後進切替機構は、外歯歯車であるサンギヤと、そのサンギヤと同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤと、前記サンギヤおよび前記リングギヤに噛み合っているピニオンギヤと、そのピニオンギヤを自転かつ公転可能に保持しているキャリアとを備えたシングルピニオン型遊星歯車機構を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両用動力伝達装置。
  10. 前記リングギヤは、前記無段変速機および前記出力軸に連結され、
    前記サンギヤは、前記ギヤ列に連結され、
    前記キャリアは、前記ブレーキ機構によって回転が止められるように構成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の車両用動力伝達装置。
  11. 前記前後進切替機構は、複数の回転要素を互いに平行な直線で示し、かつ前記直線に直交する基線との交点からの長さおよび前記基線に対する位置で前記各回転要素の回転速度を示す共線図によって、前記入力要素、前記出力要素、および前記反力要素のそれぞれの回転速度を表すことのできる遊星歯車機構を含み、
    前記反力要素は、前記共線図における中央に位置する線で表される要素であり、前記入力要素は、前記共線図における左右いずれか一方の線で表される要素であり、さらに前記出力要素は、前記共線図における左右いずれか一方の線で表される要素である
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の車両用動力伝達装置。
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