JP5834931B2 - 化粧膜観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧膜のムラ付きなどの塗布状態の観察に有用な化粧膜観察方法及びそれに用いる化粧膜観察装置に関する。
従来、ファンデーション等の化粧料の塗布により形成される化粧膜の評価方法として、種々の方法が知られている。
例えば、人工角層を形成し、その上に化粧膜を形成して目視観察する方法がある(特許文献1)。また、より詳細に化粧膜を観察する方法として、皮膚上の化粧膜にレプリカ剤を塗布して化粧膜をレプリカに転写し、レプリカに転写した化粧膜を電子顕微鏡観察する方法がある(特許文献2)。この方法によれば、ファンデーションに含まれる微粒子酸化チタンが皮溝や皮丘に集中することが観察される。しかしながら、この方法では、ミクロな領域における微粒子酸化チタンの皮溝や皮丘への集中を観察できるものの、皮膚のどの程度の面積が化粧膜で被覆されているのか、皮膚の特定の部位に化粧膜が集中しているのかといった化粧膜の付着状態を観察することができない。
また、皮膚に形成した化粧膜に光を照射し、その照射領域から戻ってくる射出光量を測定して化粧料の塗布量を推定する方法(特許文献3)や、化粧膜のない素肌と、化粧膜が形成された皮膚のそれぞれについて、偏光を使用して皮膚の内部反射光画像を撮り、その画像から光のパワースペクトル密度を求め、化粧膜の有無によるパワースペクトル密度の差から化粧膜の光透過性を評価する方法(特許文献4)がある。しかしながら、これらの方法によっても、皮膚に形成された化粧膜全体としての透過特性がわかるだけで、皮膚のどの程度の面積が化粧膜で被覆されているのか、皮膚の特定の部位に化粧膜が集中しているのかといった化粧膜の付着状態を観察することはできない。
特開平11-169453号公報 特開2002-355235号公報 特開2007-256021号公報 特開平9-164127号公報
上述の従来技術に対し、本発明は、皮膚のどの程度の面積が化粧膜で被覆されているのか、皮丘、皮溝等の皮膚の特定部位に化粧膜がどの程度集中しているのかという化粧膜の付着状態を観察し、化粧膜の付着特性を明らかにすること、特に、化粧膜の形成途中での観察を可能とすることで化粧膜の塗布方法と付着状態との関係も明らかにすることを目的とする。
本発明者は、透明基板上の透明な皮膚のレプリカ等の透明皮膚モデルに化粧膜を形成し、その化粧膜を透明皮膚モデル側から撮像すると、皮丘、皮溝等に化粧料が集中するなどの化粧膜の付着状態を良好に観察できることを見出した。
即ち、本発明は、透明皮膚モデルに塗布された化粧膜を、透明皮膚モデル側から照明し、透明皮膚モデル側からカメラで撮像して観察する化粧膜観察方法を提供する。
また、本発明は、上述の化粧膜の観察方法に使用する化粧膜観察装置として、
透明皮膚モデルの保持手段、
透明皮膚モデルに形成された化粧膜を、透明皮膚モデル側から照明する照明手段、
透明皮膚モデルに形成された化粧膜を、透明皮膚モデル側から撮像するカメラ
を備えた化粧膜観察装置
を提供する。
本発明によれば、化粧料が皮溝、皮丘等の皮膚モデルの凹凸に溜まりながら、あるいは展延されながら化粧膜が形成されていく状態を、画像によって明瞭に観察することができ、化粧膜の付着特性を明らかにすることができる。特に、撮影画像を動画とすると、化粧料が皮膚モデルの凹凸に捉えられる様子あるいは皮膚モデルの凹凸が化粧膜で覆われていく過程などをリアルに観察することができる。
図1は、実施例の化粧膜観察装置の構成図である。 図2Aは、実施例の方法により観察された化粧膜画像である。 図2Bは、実施例の方法により観察された化粧膜画像である。 図2Cは、実施例の方法により観察された化粧膜画像である。 図2Dは、実施例の方法により観察された化粧膜画像である。 図2Eは、実施例の方法により観察された化粧膜画像である。 図2Fは、実施例の方法により観察された化粧膜画像である。 図3Aは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図3Bは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図3Cは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図3Dは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図3Eは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図3Fは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図4Aは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図4Bは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図4Cは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図4Dは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図4Eは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。 図4Fは、比較例の方法により観察された化粧膜画像である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の化粧膜観察方法を実施する化粧膜観察装置10の構成図である。この化粧膜観察装置10は、皮膚の透明レプリカ等の透明皮膚モデル2の保持手段として、透明皮膚モデル2が載置される透明基板1と、透明基板1を水平に保持する基板保持手段(図示せず)を有する。透明皮膚モデル2には化粧料が塗布されて化粧膜3が形成され、化粧膜3あるいはその形成過程が、後述するカメラ6で撮像される。透明基板1を水平に保持し、その上に載置された透明皮膚モデル2に化粧膜3を形成し、そのままの向で化粧膜3を撮影することにより、透明皮膚モデル2が撓むことなく、化粧料の付着性を自然な状態で観察することが可能となる。
また、この化粧膜観察装置10は、透明皮膚モデル2上の化粧膜3を、透明皮膚モデル2側から照明する照明手段8と、同じく透明皮膚モデル2側から化粧膜3を拡大撮像するための拡大レンズ5とカメラ6を有している。また、カメラ6には、撮像した画像の蓄積と画像処理を可能とするパーソナルコンピュータ7が接続されている。
ここで、透明基板1としては、無色透明で表面が平滑かつ、変形が起こりにくく、入射光に対して迷光を生じさせないものが好ましい。このような透明基板1としては、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、高透過ガラス等のガラス板や、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の透明性の高いプラスチック板を使用することができる。透明基板の厚さは、その素材の透明性にもよるが、迷光を防止する点から、50mm以下が好ましく、0.05mm〜30mmがより好ましい。また、透明基板1の光透過性は、厚さ30mmについて99%以上であることが好ましい。
透明皮膚モデル2としては、液状や粉末状のファンデーション、化粧下地等の化粧料の付着性が皮膚に類似し、機械的に化粧膜を形成しても破損しないという機械的強度を有し、化粧膜の透明性を測定する波長範囲で透明性が高いという光学的性質を有するものが好ましい。特に、透明皮膚モデル2の透過性は、全光線透過率で好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。透明皮膚モデル2の形成材料としては、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等をあげることができる。透明皮膚モデル2としては、より具体的には、市販の透明性の高いレプリカ剤で作製した皮膚のレプリカを使用してもよく、所定の表面粗度あるいは所定のピッチの凹凸を有する透明シートを使用してもよい。複数の化粧料について、このような透明シートに化粧膜を形成し、その透過光画像を対比することにより、化粧料のカバー力や付着特性を容易に対比することができ、また、化粧料の塗布方法、塗布具の塗布性能、紫外線防御効果等も対比することができる。
また、透明皮膚モデル2の厚さは、透明性を高くする点から、10mm以下が好ましく、製造容易性も考慮すると、0.1mm〜5mmが好ましい。
化粧膜3は、化粧料の塗布により無機顔料、有機顔料等の粉体が堆積した領域、あるいはこれらの粉体と油分を含む混合物が堆積した領域である。化粧膜3は、液状ファンデーション、乳化液状ファンデーション、パウダーファンデーション、油性ファンデーション、化粧下地、コンシーラ、白粉、口紅、アイシャドー、頬紅等のメークアップ化粧料、紫外線防御乳液及び紫外線防御クリーム等の化粧料を、通常の皮膚への使用方法にしたがって透明皮膚モデル2に塗布することにより形成できる。この化粧膜観察装置10においては、後述するように形成途中の化粧膜3も観察対象とする。
一方、照明手段8としては、撮像領域における照度を均一にするものが好ましく、例えば、白色LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハイドロジェンランプなどを光源とするリング照明を使用することが好ましい。
照明手段8の設置位置は、撮影画像に照明手段8が写り込まないように、カメラ6の筐体かその前方に設けることが好ましい。
また、透明皮膚モデル2のカメラ6側の表面が、好ましくは照度50〜15000Lx、より好ましくは100〜12000Lxで照明されるようにすることが好ましい。
カメラ6は、透明基板1との距離を好ましくは2〜30cm、より好ましくは6〜25cmとなるように配置する。
化粧膜3の撮影画像の倍率としては、静止画を撮る場合、30〜700倍、特に30〜300倍程度のものが得られるようにすることが好ましい。通常、デジタルカメラにより画像を1〜20倍程度に拡大できることから、拡大レンズ5としては、倍率30〜100程度のものを設けることが好ましい。また、動画では静止画よりも画像のぶれの影響が大きく現れることから、動画を撮るときには、静止画よりも倍率を低くすることが好ましい。
また、カメラ6としては、静止画及び動画を撮ることのできるデジタルカメラが好ましく、パーソナルコンピュータ7には、撮った画像に対して2値化や、エッジ抽出、ぼかしなどのフィルタ処理等を行う画像処理ソフトを搭載することが好ましい。このような画像処理ソフトは、Photoshop CS(Adobe製)、Image-J(National Institute of Health の配布するフリーソフトウェア)等を使用して組むことができる。
拡大レンズ5とカメラ6の設置位置は、図1に示したように、透明皮膚モデル2を保持する透明基板1の直下に拡大レンズ5とカメラ6を順次配置してもよく、拡大レンズ5とカメラ6の間にミラーを配置し、拡大レンズ5の側方で画像を撮れるようにしてもよい。これによりカメラ6を用いた化粧膜3の観察が容易となる。
本実施例においては、透明基板1上の皮膚の透明皮膚モデル2に化粧料を塗布して化粧膜3を形成し、その化粧膜3を、透明皮膚モデル2側から照明し、透明皮膚モデル2側からカメラ6で拡大撮影し、その画像を観察することを特徴としており、これにより次の利点を得ることができる。
第1に、化粧料を塗布して化粧膜3を形成する透明皮膚モデル2が透明基板1上にあるので、透明皮膚モデル2が、変形容易な樹脂で形成された皮膚のレプリカやシートであるために化粧料の塗布時に透明皮膚モデル2が変形しても撮影時に焦点がずれず、画像にボケが生じない。
第2に、化粧膜3側から照明せず、透明皮膚モデル2側から照明するので、化粧料の塗布時にスポンジ等の塗布具や指によって照明光Lが遮られることがなく、塗布中の化粧膜3の変化を安定して観察することができる。
第3に、化粧膜3側から撮影せず、透明皮膚モデル2側から撮影するので、化粧料の塗布時にスポンジ等の塗布具や指によって被写体となる化粧膜3が遮られず、塗布中の化粧膜3の変化を安定して撮影し、観察することができる。
第4に、化粧膜3側から撮影せず、透明皮膚モデル2側から撮影するので、化粧料の塗布時にカメラ6が邪魔にならずに化粧膜3に対して正対した方向から撮影することができ、化粧膜3の付着位置等の形成過程を正確に観察することができる。これに対して化粧膜3に対して斜め方向から撮影すると、化粧膜の形成過程の正確な観察ができない。
第5に、化粧膜3側から撮影せず、透明皮膚モデル2側から撮影するので、化粧料の塗布途中であっても、カメラ6を化粧膜3に近接させることができ、それにより拡大画像を撮りやすくなる。これに対し、化粧膜3側から撮影する場合には、塗布作業に要するスペースをあけてカメラ6を設置しなくてはならないので、化粧膜3の拡大画像を撮ることが困難となり、皮丘や皮溝の観察が困難となる。
したがって、本実施例によれば、透明皮膚モデル2に化粧料を塗布することにより、その透明皮膚モデル2に形成されている、皮丘、皮溝等に対応する凹凸に化粧料がたまり、化粧膜3がムラ付きしている様子、あるいはそのような凹凸を含む領域に広く展延している様子、塗布した化粧料をパフなどで広げた場合の展延状態の変化、重ねて塗布した場合の化粧膜の変化など、化粧膜の付着状態やその変化を明瞭に観察することが可能となる。特に、撮影画像を動画とすると、化粧料が皮丘や皮溝等に対応する凹凸に捉えられる様子あるいはそのような凹凸が化粧膜で覆われていく過程などをリアルに観察することができる。
本発明の化粧膜観察装置あるいは化粧膜観察方法は種々の態様をとることができる。例えば、透明皮膚モデル2が撓みにくい素材で形成されている場合に、透明基板1を省略してもよい。
いずれの態様においても本発明の化粧膜観察装置あるいは化粧膜観察方法によれば、化粧膜のムラ付きあるいは展延といった付着特性を良好に観察することができるので、本発明は、化粧料開発における付着性を試験する場合や、店頭などで消費者に化粧料の展延性を紹介する場合に有用となる。
なお、カメラ6で撮った画像をそのまま観察して化粧料の付着性を評価してもよいが、例えば、2値化等の画像処理を行い、化粧膜の付着領域と非付着領域の面積比を算出し、化粧料の付着性の評価指標としてもよく、エッジ処理等により化粧膜3に生じたムラ筋を検出し、筋の現れ方を付着性の評価指標としてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1
(1)装置構成
図1の装置構成において、透明基板1として、1.5mm厚の透明なガラス板を用意した。また、カメラ6としてカシオ社製High speed EXILIM EX-ZR10を使用し、カメラ6と化粧膜3との距離を14.5cmとした。拡大レンズ5及び照明手段8としては、拡大鏡の先端部に白色LEDリング照明がついているマイクロアドバンス社製DS-10を使用した。この場合、カメラ6の倍率は2倍、拡大レンズ5の倍率は30倍とし、カメラ6で動画を撮影するときのフレームレートは240fpsとした。なお、一般に、動画の撮影時のフレームレートは30fpsとされる場合が多いが、素早い塗布作業による化粧膜の形成過程を、画質を落とさず良好に観察する点から、30fps〜1000fpsが好ましい。
また、室内照明の影響がないように、暗室にて撮影し、観察したい化粧膜の色によりリング照明の明るさをマニュアルにて適宜調整した。
(2)皮膚の透明レプリカの作製
(2-1)人肌の印象採得:
まず、レプリカをとる肌(40歳、女性、頬部)をエチルアルコールできれいに拭き、汚れを除去した。次に、精密印象材(付加型シリコーンソフトボディタイプ、2液型、ビューラックス社製)を練和し、採得すべき肌の部分の中心から円を描くように、厚さ約2mmに塗布し、これを約3分放置して硬化させ、人肌の陰(凹)型基盤とした。
(2-2)マスターモデルの作製:
(2-2-1)肌の陽(凸)型基盤の作製;
アクリル板でコア(型枠)を作り、その下面に上記(2-1)で得た肌の陰(凹)型基盤を貼り合わせた。一方、注型用エポキシ主剤に硬化剤を加え、均一に練和し、十分に脱泡したものを上記コア(型枠)に注入し、次いで、これを乾燥炉に入れ、40℃で5〜7時間保持し、硬化後型枠から外してエポキシ凸型基盤を得た。
(2-2-2)マスターモデルの作製;
(2-2-1)と同様にアクリル板で任意の大きさのコア(型枠)を作り、(2-2-1)で作製した凸型基盤をセットし、ワックススペーサーを一層設け、ヘビーボディタイプ付加型シリコーンを圧入し、硬化させてマスターモデルの概型印象を作製した。次いで、ワックススペーサーを除去し、この空隙にソフトボディタイプ付加型シリコーンを注入し、最後に、先の概型印象の作製に使用したのと同じヘビーボディタイプ付加型シリコーンを圧入し、常温で10分間程度保持し、硬化後、凸型基盤と離し、周辺部のバリを取ることにより、マスターモデルを得た。
(2-3)皮膚レプリカの作製:
(2-2-2)で作製したマスターモデルを用いて、次のようにして直径50mmの円形の皮膚レプリカを製造した。
まず、レプリカ材料の流動性と硬化を促進するため、マスターモデルを乾燥炉の中に入れ、約70℃で5分間加温した。
次に、皮膚レプリカの第1層を形成するため、ポリプロピレングリコールとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを反応させ、気泡がなくなるまで真空脱泡撹拌を行い、ウレタンエラストマーを得た。このウレタンエラストマーをトルエンで希釈した後、温めたマスターモデル全体に、ガン吹きで均一にコーティングし、ドライヤーで乾燥させることにより第1層を形成した(70℃、5分間)。膜厚は約30μmであった。
さらに、第2層を形成するため、ポリテトラメチレングリコールと硬化剤であるイソシアネートプレポリマー(ナフタレンジイソシアネート)を1:1の比率で混合し、約3分間、気泡がなくなるまで真空脱泡撹拌を行い、ウレタンエラストマーを得た。撹拌終了後、ウレタンエラストマー主剤と硬化剤を、大気中でマスターモデルの注型部分にゆっくりと注入した。注入後、型を乾燥炉に入れ、70℃で15分間保持し、硬化させ、その後、大気中で徐冷した。硬化徐冷後、脱型し、脱型後プレート辺縁部のバリをカットすることにより、皮膚レプリカを得た。この皮膚レプリカの厚さは1mmであり、全光線透過率は86%であった。
(3)化粧膜の観察
透明基板1上に(2)で作製した皮膚の透明レプリカ2を載置し、その皮膚の透明レプリカ2上に化粧料として表1の組成の液状ファンデーションを次の(3-1)〜(3-6)のステップで塗布すると共に、塗布により形成されていく化粧膜3をカメラ6で拡大撮像し、その画像を観察した。この場合の塗布中の画像及び塗布完了後の画像を図2A〜図2Fに示す。
Figure 0005834931
(3-1)図2Aは塗布前の画像である。
(3-2)肌の全面がファンデーションで覆われるように適量のファンデーションをスポンジで塗布した。図2Bはファンデーションの塗布後の画像である。図2Bから、ファンデーションが肌を覆っていることがわかる。
(3-3)(3-2)でファンデーションを塗布した肌を、その塗布に使用したスポンジでぬぐい取った。図2Cは、ぬぐい取り後の画像である。皮溝を中心にファンデーションが付着していることがわかる。
(3-4)(3-3)でファンデーションぬぐい取ったスポンジを一方向に動かすことにより、再度、肌にファンデーションを塗布した。図2Dは、この塗布後の画像である。筋ムラができていることがわかる。
(3-5)(3-4)で用いたスポンジをランダムな方向に動かすことによりファンデーションを展延した。図2Eは、展延後の画像である。筋ムラが薄くなっていることがわかる。
(3-6)さらに、スポンジにファンデーションを付着させ、ファンデーションを塗り重ねた。図2Fは、塗り重ね後の画像である。ファンデーションの化粧膜が略均一に形成されたことがわかる。
比較例1
照明手段を化粧膜側に設置し、化粧膜側から照明した以外は実施例1と同様にして画像を撮った。この画像を図3A〜図3Fに示す。
図3Aは、塗布前の画像である。
図3Bは、塗布開始時の画像である。塗布作業により照明光が遮られ、画像が暗くなった。
図3Cは、適量のファンデーションを塗布した後の画像である。化粧膜により照明光が遮られ、画像が暗くなった。
図3Dは、ファンデーションの塗布時に、スポンジで照明光が遮られたときの画像である。さらに画像が暗くなった。
図3Eは、肌に塗布したファンデーションを、その塗布に使用したスポンジでぬぐい取った状態の画像である。ファンデーションの塗布状態の均一度があがっていることはわかる。しかしながら、画像が暗いため、皮溝への付着はわかるが、皮丘への付着がわかりにくく、実際には存在する筋状のムラを画像では観察することができない。
図3Fは、同じスポンジを使用してファンデーションの塗布を繰り返した後の画像である。この画像でも、皮溝への付着はわかるが、皮丘への付着がわかりにくい。
比較例2
カメラを化粧膜側に設置し、化粧膜側から撮像した以外は実施例1と同様にして画像を撮った。この画像を図4A〜図4Fに示す。
図4Aは、塗布前の画像である。カメラを化粧膜側に設置すると、塗布作業のスペースの確保のためにカメラを化粧膜に十分に近づけることができない。そのため、画像の倍率を十分に高くすることができず、毛穴、皮溝、皮丘という皮膚の表面構造を観察することができない。
図4Bは、一回目のファンデーションの塗布後の画像である。塗りムラがわかるが、皮丘や皮溝へのファンデーションの付着状態は観察できない。
図4Cは、ファンデーションの塗布に使用したスポンジで、肌のファンデーションをぬぐい取っているときの画像である。このようにスポンジでレプリカが遮られ、化粧膜の画像を撮ることができない。
図4Dは、同じスポンジを使用してファンデーションを展延した後の画像である。塗布ムラが薄くなっていることがわかるが、皮溝や皮丘へのファンデーションの付着状態は観察できない。
図4Eは、ファンデーションをさらに塗布した後の画像である。ファンデーションの付着が均一になっていることがわかるが、皮溝や皮丘へのファンデーションの付着状態は観察できない。
図4Fは、さらにファンデーションの塗布を繰り返した後の画像である。化粧膜がより均一になっていることがわかるが、皮溝や皮丘へのファンデーションの付着状態は観察できない。
実施例1と比較例1,2を対比することにより、実施例1のように、透明基板を介して皮膚の透明レプリカ側から化粧膜を照明し、撮像すると、化粧膜の形成過程も含めて画像が暗くならず、十分な倍率も確保できるので、ファンデーションが皮溝や皮丘に付着していく状態をミクロレベルで観察できることがわかる。
本発明は、開発時の化粧料や製品となった化粧料の付着性の評価、店頭などにおける消費者への化粧料の付着性の説明などに有用である。
1 透明基板
2 透明皮膚モデル又は皮膚の透明レプリカ
3 化粧膜
5 拡大レンズ
6 カメラ
7 パーソナルコンピュータ
8 照明手段
L 照明光
10 化粧膜観察装置

Claims (7)

  1. 透明皮膚モデルに塗布された化粧膜を、透明皮膚モデル側から照明し、透明皮膚モデル側からカメラで撮像して観察する化粧膜観察方法。
  2. カメラで塗布中の化粧膜の動画を撮る請求項1記載の化粧膜観察方法。
  3. 透明皮膚モデルの厚さを1mm以下とする請求項1又は2記載の化粧膜観察方法。
  4. リング照明で照明する請求項1〜3のいずれかに記載の化粧膜観察方法。
  5. 透明皮膚モデルの保持手段、
    透明皮膚モデルに形成された化粧膜を、透明皮膚モデル側から照明する照明手段、
    透明皮膚モデルに形成された化粧膜を、透明な皮膚モデル側から撮像するカメラ
    を備えた化粧膜観察装置。
  6. 動画の撮像が可能なカメラを備える請求項5記載の化粧膜観察装置。
  7. 照明手段がリング照明である請求項5又は6記載の化粧膜観察装置。
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