JP2019001738A - 化粧崩れの評価方法および化粧崩れ評価用モデル - Google Patents

化粧崩れの評価方法および化粧崩れ評価用モデル Download PDF

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Abstract

【課題】人の肌に近い条件で安定したin vitroでの化粧崩れの評価を行うことのできる方法を提供する。【解決手段】人工皮膚に人工皮脂を塗布するステップと、前記人工皮脂上に化粧料を塗布するステップと、前記化粧料により形成された化粧膜の状態を観察するステップとを含む、化粧崩れの評価方法。人工皮膚と、前記人工皮膚上に塗布された人工皮脂とを備える、化粧崩れ評価用モデル。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な化粧崩れの評価方法、および当該方法に好適に用いられる化粧崩れ評価用モデルに関する。
従来より、化粧の崩れやすさや化粧膜の状態の観察については多くの研究が行われている。たとえば、郷田千恵ら「メーキャップ製品の機能性評価を目的とした化粧塗膜の微視的解析手法の確立」、日本化粧品技術者会誌、2012年、46(4)、271−286(非特許文献1)には、人の肌に化粧料を塗布し、形成した化粧膜(化粧塗膜)をエポキシ樹脂などの転写剤を用いて転写し、走査型電子顕微鏡を用いて化粧膜の表面、化粧膜の断面を観察することで、化粧膜の経時的な変化を観察できる手法が提案されている。
また化粧の崩れに関して、皮脂透過支持体(濾紙)を用いて化粧料の崩れやすさを評価することで、人の肌に近い条件で皮脂による化粧崩れを再現できる方法も提案されている。たとえば、特開平11−130630号公報(特許文献1)には、油脂透過支持体(濾紙)の表面に化粧料を塗布し、裏面から油性成分(人工皮脂)を浸透させ、その後、化粧崩れの現象である「テカリ」をグロス値として計測することにより、肌と同様の化粧崩れを評価する方法が提案されている。
人の肌表面には、皮脂腺、表皮細胞に由来する皮脂が分泌されている。そのため、化粧の崩れやすさを評価する上では、特許文献1で提案されているように肌内部からの皮脂などの油性成分の分泌を想定して化粧崩れを評価することは重要である。しかしながら、特許文献1で提案されている方法は、人の肌とは構造、形態の異なる支持体での評価であり、人の肌で生じる化粧崩れを正確に評価できているとは言い難かった。
また、たとえば特開2013−117503号公報(特許文献2)には、化粧料または化粧料用原料を塗工した皮膚、毛、または基板に、光学顕微鏡下で色素を溶解させて着色した水または油(皮脂)を接触させ、化粧料または化粧料用原料の挙動を観察することで、化粧料または化粧料用原料の持続性、安定性、毛に対する吸着挙動を評価することを特徴とする、化粧料または化粧料用原料の評価方法が開示されている。このような特許文献2に開示された方法は、化粧料を塗布した膜に皮脂を滴下することで化粧の崩れの評価を試みる方法であるが、化粧膜表面側から皮脂を滴下するため、実際の肌の皮脂分泌機構と異なる状態での試験である。
従来より、化粧料に配合される化粧料粉体の研究が数多くされている。特に、肌に付着する部分(裏面)と外界に接する部分(表面)で2重の化粧膜構造を有する化粧料などが開発されており(たとえば、松本香織ら、「新規テアニン処理粉体を用いた、触っても落ちにくいパウダーファンデーションの開発」、フレグランスジャーナル、2014年、42(4)、17−21(非特許文献2)を参照。)、これらに該当する化粧料は、特許文献2に開示されたような化粧膜に皮脂を滴下する方法では正確な化粧崩れ評価が行えないと考えられる。
このため、化粧崩れの評価は、実際に人の肌で評価することが一般的となっている(たとえば、特開2016−124807号公報(特許文献3)、特開2014−193824号公報(特許文献4)、住吉明希子ら、「化粧持ち効果に優れた新規板状粉体の開発」、日本化粧品技術者会誌、2011年、45(4)、315−322(非特許文献3)、大槻理恵ら、「分光顔画像を用いた化粧崩れ評価方法−テカリの反射特性とその評価−」、日本色彩学会誌要旨、2013年、37(3)、200−201(非特許文献4)などを参照)。
しかし、人の肌は、肌表面に見られるキメの構造が異なることで化粧の崩れ方が変化するため(たとえば、特開2004−121696号公報(特許文献5)を参照。)、化粧崩れの評価を一定の条件で行うというのは困難であった。
また、たとえば特開2013−145191号公報(特許文献6)には、化粧崩れの評価に関する発明ではないが、透明皮膚モデル(透明な皮膚レプリカ)に化粧料を塗布して化粧膜を形成させ、リング照明などを用いて表面および裏面の観察を行うことで、化粧膜の状態や付着性を観察する方法が提案されている。
特開平11−130630号公報 特開2013−117503号公報 特開2016−124807号公報 特開2014−193824号公報 特開2004−121696号公報 特開2013−145191号公報
郷田千恵ら「メーキャップ製品の機能性評価を目的とした化粧塗膜の微視的解析手法の確立」、日本化粧品技術者会誌、2012年、46(4)、271−286 松本香織ら、「新規テアニン処理粉体を用いた、触っても落ちにくいパウダーファンデーションの開発」、フレグランスジャーナル、2014年、42(4)、17−21 住吉明希子ら、「化粧持ち効果に優れた新規板状粉体の開発」、日本化粧品技術者会誌、2011年、45(4)、315−322 大槻理恵ら、「分光顔画像を用いた化粧崩れ評価方法−テカリの反射特性とその評価−」、日本色彩学会誌要旨、2013年、37(3)、200−201
上述の特許文献および非特許文献において、in vivoの評価では、被験者間での肌状態が異なることや試験時間が長く被験者の負担が増えるため、人を用いない評価が必要とされている一方で、in vitroの評価では、人の肌に近い条件での安定した化粧崩れ評価ができていないのが現状であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、人の肌に近い条件で安定したin vitroでの化粧崩れの評価を行うことのできる方法を提供することである。
本発明の化粧崩れの評価方法は、人工皮膚に人工皮脂を塗布するステップと、前記人工皮脂上に化粧料を塗布するステップと、前記化粧料により形成された化粧膜の状態を観察するステップとを含むことを特徴とする。
本発明の化粧崩れの評価方法は、人工皮膚に人工皮脂を塗布するステップと、人工皮脂上に化粧料を塗布するステップとの間に、人工皮脂を塗布した人工皮膚を凍結させるステップをさらに含むことが好ましい。
本発明の化粧崩れの評価方法は、人工皮脂上に化粧料を塗布するステップと、化粧料により形成された化粧膜の状態を観察するステップとの間に、人工皮脂および化粧料を塗布した人工皮膚を30〜40℃の温度雰囲気に0.5〜3時間静置するステップをさらに含むことが好ましい。
本発明の化粧崩れの評価方法において、前記人工皮脂の塗布量が人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜10μLであることが好ましい。
本発明の化粧崩れの評価方法において、前記化粧料の塗布量は、化粧料が液状物である場合には人工皮膚の1cm面積あたり1〜10μLであり、化粧料が粉状物である場合には人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜1mgであることが好ましい。
本発明の化粧崩れの評価方法において、前記化粧膜の状態を観察するステップは、人工皮膚の1cm面積の化粧料の付着量を観察することで、化粧崩れのうちヨレを数値として算出することを含むことが好ましい。
本発明はまた、人工皮膚と、前記人工皮膚上に塗布された人工皮脂とを備える化粧崩れ評価用モデルについても提供する。
本発明の化粧崩れ評価用モデルは凍結状態であることが好ましい。
本発明の化粧崩れ評価用モデルにおいて、前記人工皮脂の塗布量が人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜10μLであることが好ましい。
本発明によれば、人の肌に近い条件で安定したin vitroでの化粧崩れの評価を行うことのできる方法およびそれに好適に用いられ得る化粧崩れ評価用モデルを提供することができる。
<化粧崩れの評価方法>
本発明の化粧崩れの評価方法は、(1)人工皮膚に人工皮脂を塗布するステップ(人工皮脂塗布ステップ)と、(2)前記人工皮脂上に化粧料を塗布するステップ(化粧料塗布ステップ)と、(3)前記化粧料により形成された化粧膜の状態を観察するステップ(化粧膜観察ステップ)とを含むことを特徴とする。このような本発明の化粧崩れの評価方法によれば、人工皮膚に人工皮脂を塗布した後に化粧料を塗布することで、皮脂量の変化による化粧崩れの変化を捉えることが可能となり、in vitroでの化粧崩れの評価方法でありながら、人の肌に近い条件で安定した化粧崩れの評価を行うことが可能となる。
(1)人工皮脂塗布ステップ
本発明の化粧崩れの評価方法では、まず、人工皮膚に人工皮脂を塗布する。本発明において用いられる人工皮膚は、従来公知の人工皮膚レプリカを特に制限なく用いることができる。たとえば、一般女性の頬に、市販のレプリカ剤を塗布するというような手順で、レプリカを採取することができる。本発明では、再転写した人工皮膚レプリカを用いることが好ましい。たとえば、レプリカにレプリカ剤を塗布し、脱気装置を用いて気泡を除くことで人工皮膚レプリカを作成することができる。
レプリカ剤を用いる場合、化粧料の付着性が皮膚に類似し、機械的に化粧膜を形成しても破損しないという機械的強度を有するものが好ましく、たとえば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする透明および不透明のレプリカ剤を好適に用いることができ、化粧崩れによる化粧塗膜の状態の変化を表面および裏面からも観察できるという理由から、透明なレプリカ剤を用いることが好ましい。
本発明において用いられる人工皮膚は、その形状、大きさおよび厚みは特に制限されるものではないが、形状としては円形状、四角形状、三角形状などであってよいが、取扱い性の良さという観点からは円形状であり、直径2〜5cmの範囲内であることが好ましい。人工皮膚が上述した円形状以外の形状である場合には、円形状の場合と同程度の面積を有する程度の大きさであることが好ましい。また、人工皮膚の厚みは、10mm以下であることが好ましい。
本発明において、人工皮膚に塗布する人工皮脂は、従来公知の適宜の市販品を特に制限なく用いることができる。
本発明における人工皮脂塗布ステップにおいて、人工皮膚に塗布する人工皮脂の量については特に制限されるものではないが、人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜10μLであることが好ましい。
本発明の化粧崩れの評価方法は、上述の人工皮脂塗布ステップと、後述する化粧料塗布ステップとの間に、人工皮脂を塗布した人工皮膚を凍結させるステップ(凍結ステップ)をさらに含むことが好ましい。このように凍結ステップをさらに含むことで、凍結ステップを経ずに人工皮脂塗布ステップからそのまま化粧料塗布ステップを行った場合と比較して、塗布直後に皮脂と化粧料が混ざらないというような利点がある。
凍結ステップにおいては、人工皮脂を塗布した人工皮膚を、−80〜−20℃の温度下で凍結させることが好ましい。
(2)化粧料塗布ステップ
化粧料塗布ステップでは、人工皮脂を塗布した人工皮膚(好ましくは凍結させたもの)の人工皮脂上に、化粧料を塗布する。ここで、本発明において化粧崩れの評価対象となる化粧料は特に制限されるものではなく、あらゆる化粧料を適用することが可能である。
本発明における化粧料塗布ステップにおいて、人工皮脂上に塗布する化粧料の量は特に制限されないが、たとえば化粧料が液状物である場合には、人工皮膚の1cm面積あたり1〜10μLであることが好ましい。
また、本発明における化粧料塗布ステップにおいて、たとえば化粧料が粉状物である場合には人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜1mgであることが好ましい。
本発明の化粧崩れの評価方法において、上述の化粧料塗布ステップの後、化粧崩れが自然に発生するまでの時間(通常、5〜6時間程度)静置した後、化粧膜観察ステップを行うようにしてもよいが、評価に要する時間を短縮して効率よく本発明の化粧崩れの評価方法を行うことができ、また、一定条件下での評価や皮脂による崩れの経時的な観察ができるという利点があることから、人為的に化粧崩れを促進させるステップ(化粧崩れ促進ステップ)をさらに含んでいてもよい。
化粧崩れ促進ステップを行う場合、当該化粧崩れ促進ステップは、人工皮脂および化粧料を塗布した人工皮膚を30〜40℃の温度雰囲気に0.5〜3時間静置するステップであることが好ましい。当該化粧崩れ促進ステップは、たとえば、市販のインキュベーターを利用することで行うことができる。
(3)化粧膜観察ステップ
化粧膜観察ステップでは、人工皮脂上に化粧料を塗布することで形成された化粧膜の状態を観察する。本発明の化粧崩れの評価方法において、当該化粧膜観察ステップは、人工皮膚の1cm面積の化粧料の付着量を観察することで、化粧崩れのうちヨレを数値として算出することを含むことが好ましい。化粧膜のヨレは、ヨレを生じることでファンデーションの付着している面積が減るため、1cm面積あたりの化粧料の非付着面積率を算出し、ヨレ面積として数値化することができる。後述する実施例、参考例で立証されているように、本発明の化粧崩れの評価方法によれば、化粧崩れのうちヨレについて、in vitro試験でありながら、人での化粧もち評価と類似する結果を得ることができる。
また、本発明の化粧崩れの評価方法において、当該化粧膜観察ステップは、化粧膜の輝度を観察することで、化粧崩れのうちテカリを数値として算出することを含んでいることがさらに好ましい。化粧のテカリは、明るさの度合を示す輝度が増減するため、1cm面積あたりの輝度からテカリ面積率を算出し、テカリ面積として数値化することができる。後述する実施例、参考例で立証されているように、本発明の化粧崩れの評価方法によれば、化粧崩れのうちテカリについても、in vitro試験でありながら、人での化粧もち評価と類似する結果を得ることができる。
<化粧崩れ評価用モデル>
本発明はまた、人工皮膚と、前記人工皮膚上に塗布された人工皮脂とを備える、化粧崩れ評価用モデルについても提供する。このような本発明の化粧崩れ評価用モデルは、上述した本発明の化粧崩れの評価方法の人工皮脂塗布ステップを経た後の状態であり、このような本発明の化粧崩れ評価用モデルを利用することで、本発明の化粧崩れの評価方法の人工皮脂塗布ステップ以降を円滑に効率的に行うことができる。
本発明の化粧評価用モデルにおいて、用いる人工皮膚、人工皮脂などについては、本発明の化粧崩れの評価方法で上述したとおりである。人工皮脂の塗布量についても、本発明の化粧崩れの評価方法で上述したのと同様の理由から、人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜10μLであることが好ましい。
本発明の化粧評価用モデルはさらに凍結状態であることが好ましい。この場合には、上述した本発明の化粧崩れの評価方法における凍結ステップ以降を円滑に効率的に行うことができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔人工皮膚レプリカの作成〕
人工皮膚レプリカは、一般女性の頬から採取したレプリカに市販の透明レプリカ剤を塗布し、脱気装置を用いて気泡を除き、直径4cmの大きさの円状の透明の人工皮膚レプリカを作成した。
<参考例1(in vitro試験)>
〔人工皮脂の滴下による化粧崩れ評価〕
市販の人工皮革に、化粧料としてリキッドファンデーションのサンプル(ファンデーション1、ファンデーション2、ファンデーション3およびファンデーション4)を1cm面積あたり1μL塗布した。サンプル塗布後、一定時間静置して十分に乾燥させ、乾燥した化粧料の表面に人工皮脂を1cm面積あたり1μL滴下した。その後、デジタルカメラやリング照明の付いた観察機器などを用いて、「滴下直後に広がった人工皮脂の面積」と「一定時間後に広がった人工皮脂の面積」を観察し、滴下直後から一定時間後に広がった人工皮脂の馴染み面積率を算出した。算出された人工皮脂の馴染み面積率を下記評価基準1に沿って評価した。
(評価基準1)
×:人工皮脂の馴染み面積が100%以上
△:人工皮脂の馴染み面積が50%以上、100%未満
〇:人工皮脂の馴染み面積が20%以上、50%未満
◎:人工皮脂の馴染み面積が20%未満
(結果)
化粧料によって人工皮脂との馴染みやすさに差がみられ、ファンデーション3=ファンデーション4>>ファンデーション1=ファンデーション2の順に持続効果が高いという評価結果が得られた。
<参考例2(実使用試験)>
〔人での化粧もち評価〕
被験者(10名)に、化粧料として参考例1で用いたのと同じリキッドファンデーションのサンプル(ファンデーション1、ファンデーション2、ファンデーション3およびファンデーション4)を塗布し、撮像装置を用いて経時的に撮影を行い、専門評価者が撮影画像から化粧の持続効果を比較した。化粧の持続効果の判断は、化粧のテカリおよびヨレの有無で判断し、テカリおよびヨレが生じるまでの状態を評価基準2に沿って比較することで各サンプルの化粧もち効果を評価した。
(評価基準2)
・化粧膜のヨレ
×:ヨレを生じるまでの時間が3時間未満
△:ヨレを生じるまでの時間が3時間以上、5時間未満
○:ヨレを生じるまでの時間が5時間以上、10時間未満
◎:ヨレを生じるまでの時間が10時間以上
・化粧のテカリ
×:テカリを生じるまでの時間が3時間未満
△:テカリを生じるまでの時間が3時間以上、5時間未満
○:テカリを生じるまでの時間が5時間以上、10時間未満
◎:テカリを生じるまでの時間が10時間以上
(結果)
化粧料によって化粧持ち持続時間に差がみられ、ヨレはファンデーション2=ファンデーション4>ファンデーション3>ファンデーション1、テカリはファンデーション2=ファンデーション3=ファンデーション4>>ファンデーション1の順に持続効果が高かった。
参考例1、2の評価結果を併せて表1に示す。
Figure 2019001738
表1からも明らかなように、人工皮脂滴下による参考例1において化粧もち評価で高い効果がみられたファンデーション3は、実使用での参考例2において化粧のヨレが生じるという結果が得られた。その一方で、人工皮脂滴下による参考例1において化粧もち評価効果の低かったファンデーション2は、実使用での参考例2において化粧もちが持続しており、in vitro試験と実使用で異なる結果がみられた。
<実施例1(in vitro試験)>
〔人工皮膚を用いた化粧もち評価〕
透明皮膚レプリカに人工皮脂を1cm面積あたり1μL塗布し、本発明の化粧崩れ評価用モデルを作成した。作成した化粧崩れ評価用モデルを、−30℃で1時間凍結した。化粧崩れ評価用モデル毎に、化粧料として参考例1で用いたのと同じリキッドファンデーションのサンプル(ファンデーション1、ファンデーション2およびファンデーション3)を1cm面積あたり1.25μL塗布し、37℃のインキュベーター内に1時間静置することで、化粧料の化粧崩れを生じさせた。
化粧崩れの観察は、リング照明の付いた観察機器またはデジタルカメラなどの撮像装置を用い、化粧崩れによるテカリや化粧膜の状態変化を観察することで評価した。化粧膜のヨレについては、ヨレを生じることでファンデーションの付着している面積が減るため、1cm面積あたりの化粧料の非付着面積率を算出し、ヨレ面積とした。化粧のテカリは、明るさの度合を示す輝度が増減するため、1cm面積あたりのテカリ面積率を算出し、テカリ面積とした。その後、各項目を評価基準3に沿って比較した。
(評価基準3)
・化粧膜のヨレ
×:ヨレ面積が15%以上
△:ヨレ面積が10%以上、15%未満
○:ヨレ面積が5%以上、10%未満
◎:ヨレ面積が5%未満
・化粧のテカリ
×:テカリ面積が15%以上
△:テカリ面積が10%以上、15%未満
○:テカリ面積が5%以上、10%未満
◎:テカリ面積が5%未満
(結果)
実施例1の評価結果を、参考例2のファンデーション1〜3についての評価結果と併せて表2に示す。
Figure 2019001738
実施例1、参考例2のいずれの評価結果においても、ファンデーション2では変化はみられなかったが、ファンデーション3ではヨレ、ファンデーション1ではヨレやテカリが観察され、ファンデーションによって化粧の崩れやすさに差がみられた。さらに、表2から分かるように、実施例1でのin vitro試験では、人での化粧もち評価と類似する結果が得られた。
<実験例>
(実施例2)
人工皮膚レプリカに人工皮脂を1cm面積あたり2μL塗布し、−30℃で1時間凍結し、人工皮脂膜を形成させ、本発明の化粧崩れ評価用モデルを作成した。化粧崩れ評価用モデル毎に、化粧料として参考例1で用いたのと同じリキッドファンデーションのサンプル(ファンデーション1、ファンデーション2およびファンデーション3)を1cm面積あたり1.25μL塗布し、37℃のインキュベーター内に1時間静置することで、化粧料の化粧崩れを生じさせ、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例)
透明皮膚レプリカに人工皮脂を塗布せずに、−30℃で1時間凍結した後、人工皮膚レプリカ毎に、化粧料として参考例1で用いたのと同じリキッドファンデーションのサンプル(ファンデーション1、ファンデーション2およびファンデーション3)を1cm面積あたり1.25μL塗布し、37℃のインキュベーター内に1時間静置することで、化粧料の化粧崩れを生じさせ、実施例1と同様に評価を行った。
(結果)
実施例2、比較例の評価結果を、実施例1の評価結果と併せて表3に示す。
Figure 2019001738
表3から分かるように、人工皮脂の塗布量を増減することで、化粧膜のヨレまたはテカリを生じるタイミングにファンデーション間での差がみられた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (9)

  1. 人工皮膚に人工皮脂を塗布するステップと、
    前記人工皮脂上に化粧料を塗布するステップと、
    前記化粧料により形成された化粧膜の状態を観察するステップとを含む、化粧崩れの評価方法。
  2. 人工皮膚に人工皮脂を塗布するステップと、人工皮脂上に化粧料を塗布するステップとの間に、人工皮脂を塗布した人工皮膚を凍結させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 人工皮脂上に化粧料を塗布するステップと、化粧料により形成された化粧膜の状態を観察するステップとの間に、人工皮脂および化粧料を塗布した人工皮膚を30〜40℃の温度雰囲気に0.5〜3時間静置するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記人工皮脂の塗布量が人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜10μLである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記化粧料の塗布量が、化粧料が液状物である場合には人工皮膚の1cm面積あたり1〜10μLであり、化粧料が粉状物である場合には人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜1mgである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記化粧膜の状態を観察するステップは、人工皮膚の1cm面積の化粧料の付着量を観察することで、化粧崩れのうちヨレを数値として算出することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 人工皮膚と、
    前記人工皮膚上に塗布された人工皮脂とを備える、化粧崩れ評価用モデル。
  8. 凍結状態である、請求項7に記載の化粧崩れ評価用モデル。
  9. 前記人工皮脂の塗布量が人工皮膚の1cm面積あたり0.1〜10μLである、請求項7または8に記載の化粧崩れ評価用モデル。
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