JP3753562B2 - 粉体化粧料の鑑別法 - Google Patents
粉体化粧料の鑑別法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3753562B2 JP3753562B2 JP18505199A JP18505199A JP3753562B2 JP 3753562 B2 JP3753562 B2 JP 3753562B2 JP 18505199 A JP18505199 A JP 18505199A JP 18505199 A JP18505199 A JP 18505199A JP 3753562 B2 JP3753562 B2 JP 3753562B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- light
- skin
- cosmetic
- cosmetics
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体や化粧料などの粉体組成物の光学的効果を鑑別するのに有益な鑑別法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧料などの粉体組成物に於いては、その光学的な効果はその機能の多くの部分を占めるものであり、この光学的効果を的確に把握することは、この様な組成物に於いて非常に重要なことである。しかしながら、一口に光学的効果と言っても、その構成要素は複雑多岐にわたっており、単純に見ただけでも、色とその特性、隠蔽力、デフォーカス効果などが直ちに思い浮かぶ。光学的効果はこれだけにとどまらず、まだ要素の把握しきれないものも多く含まれている。化粧料に於いて、近年この様な光学的効果の中で特に注目を浴びているのが、構成粉体による光の拡散・反射・散乱作用のパターンのアレンジである。この様な成果としては、2種の入射角の異なる光の分光光度スペクトルを比較することによって、その粉体乃至は粉体組成物の光の拡散特性、反射特性或いは透過性を総合的に判断し、その粉体乃至は粉体組成物の光学的効果を鑑別する方法などが開発されている。しかしながら、化粧料と言った特性を考えると、粉体或いは粉体組成物のみの光学的効果も重要であるが、更に皮膚との関係による効果をも考慮に入れることが重要であり、この様な鑑別技術の開発が望まれていた。
【0003】
一方、粉体及び/又は粉体化粧料の光学特性を鑑別する鑑別法において、光透過性支持体上に該粉体及び/又は粉体化粧料の薄膜を形成させ、これに薄膜形成面の側から光を照射し、粉体及び/又は粉体化粧料による拡散透過光輪の大きさを光照射と反対の側から測定し、これを指標とすることは全く行われていなかったし、この様な鑑別に於いて、光透過性支持体として、好適に使用される、皮膚の起伏を疑似した凹凸を刻示したプラスチック板は全く作られたことはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、皮膚との関係をも加味しうる粉体及び/又は粉体化粧料の光学効果の鑑別法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、皮膚との関係をも加味しうる粉体及び/又は粉体化粧料の光学効果の鑑別法を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、粉体及び/又は粉体化粧料の光学特性を鑑別する鑑別法であって、光透過性支持体上に該粉体及び/又は粉体化粧料の薄膜を形成させ、これに薄膜形成面の側から光を照射し、粉体及び/又は粉体化粧料による拡散透過光輪の大きさを光照射と反対の側から測定し、これを指標とすることにより、この様な粉体の光学的効果の鑑別がなし得ることを見いだし、発明を完成させるに至った。以下、本発明について実施の形態を中心に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の粉体及び/又は粉体化粧料の光学特性の鑑別法
本発明の粉体及び/又は粉体化粧料の光学特性の鑑別法は、光透過性支持体上に該粉体及び/又は粉体化粧料の薄膜を形成させ、これに薄膜形成面の側から光を照射し、粉体及び/又は粉体化粧料による拡散透過光輪の大きさを光照射と反対の側から測定し、これを指標とすることを特徴とする。ここで、光透過性支持体としては、光を透過するものであれば特段の限定はなく適用でき、例えば、アクリル板、塩化ビニル板、ポリエチレンテレフタレートなどの透明乃至は半透明のプラスチック板、表面を腐食、摩耗などでエッチングされていても良いガラス板等が好適に例示できる。この内、加工のしやすさとコストの低さの点でプラスチック板が特に好ましい。この様な光透過性支持体の好ましい特性としては、皮膚の光学特性、或いは表面の凹凸などの形状特性に近似した性質を有することであるが、通常の透明板であっても従来の評価技術に比すれば、簡便性であって、そこそこの的確さを有する点で進歩性を有する。又、特に好ましい皮膚近似特性を有するものとしては、皮膚の凹凸そのものを刻示したものやそれに近似させた紋様、例えば、皮溝・皮丘等の平均的な深さと幅などを刻示したものが例示できる。
【0007】
本発明の鑑別法の測定のためのサンプルは、上記光透過性支持体上に粉体及び/又は粉体化粧料を固定することにより作製できる。この様な固定の方法としては、アクリル系接着剤などの固着用組成物をドクターブレード等で塗工し、この上に粉体及び/又は粉体化粧料を延展することが好ましく例示できる。この時、粉体及び/又は粉体化粧料の層の厚さは、実際の化粧に準じたものであることが好ましい。
【0008】
本発明の鑑別法では、上記の如く調整されたサンプルにサンプル側から光を照射し、このサンプルに起因する拡散透過光輪の大きさを測定し、これを指標とする。光の照射の角度は特段の限定はないが、サンプル面に対して垂直方向で粉体及び/又は粉体化粧料の固着面の上方から行うのが好ましく、光源としては、特段の限定はないが、広がりがないように調整されたものが好ましく、自然光乃至は白色光に近い分光特性の光が好ましい。これは実際の化粧によって発揮される光学効果を鑑別できるからである。透過光は、例えば、広がりのない乃至は少ない光源を用いた場合には、光透過性支持体そのものの場合に比して、粉体の拡散特性などによって広がった光輪として観察される。例えば、この形成された光輪の直径などを指標にすれば、定量的な鑑別ができる。又、この光輪中の光量の分布などを詳細に分析すると、それぞれの粉体の光学効果の特性を把握することができる。この様な測定は、光照射と反対の側から観察し、鑑別される。
【0009】
本発明の鑑別法では、粉体または粉体化粧料に適用されるが、最も好ましい適用は粉体化粧料である。又、この様な粉体化粧料の設計のために、原料である粉体類の特性を鑑別することも本発明の鑑別法の技術的範囲に属する。原則的に、粉体そのものの光学効果は化粧料などの粉体組成物の光学効果の推定基盤となり、粉体そのものの光学効果を鑑別することも非常に有用である。
【0010】
(2)本発明の光透過性支持体
本発明の光透過性支持体は、上記鑑別法のための粉体を固着させるための支持体であり、鑑別法のための光透過性支持体の中で特に好適なものであり、その表面上に皮膚の起伏に近似した刻示を有することを特徴とする。皮膚の起伏に近似した刻示としては、例えば、溶剤などで軟化させたプラスチック板を実際の皮膚に圧着させて作製したレプリカを型にして、この上に硬化性樹脂液乃至は型を溶解しない溶媒に樹脂を溶解又は分散させた樹脂液を均一な厚さに塗工して固化、脱型させれば、人の皮膚の起伏と同様の刻示を有する光透過性支持体が得られる。又、レプリカなどより平均の格子幅や起伏の大きさを算出し、人工的な格子形状に置換した模様を精密に金型上に刻み込み、これを用いた型押しなどで光透過性樹脂板上に再現することも可能であり、この様な光透過性支持体も、本発明の支持体の技術的範囲に属する。本発明の光透過性支持体は、皮膚の凹凸に起因する光学効果を有するため、この様な皮膚の凹凸と粉体との相乗効果をも含めて鑑別することができる。
【0011】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0012】
<実施例1>
二酸化チタン、マイカ、タルク、球状シリカ、シリカ−二酸化チタン−シリカ多層粉体、シルクパウダーについて、その光学特性を本発明の鑑別法に従って鑑別した。即ち、ガラス板状にアクリル系樹脂接着剤を0.5ミルのドクターブレードを用いて塗工し、乾燥させた後、刷毛で前記粉体を均一に広げ、固着させた。このサンプルの平面の垂直上方向より、平行にそろえた白色光を照射し、サンプルの裏面に設置したカメラで光の挙動を撮影した。この写真を、図1〜6に示す。図1には、二酸化チタン、図2には、マイカ、図3にはタルク、図4には球状シリカ、図5にはシリカ−二酸化チタン−シリカ多層粉体、図6にはシルクパウダーの撮影結果を代用写真として示す。二酸化チタンには殆ど光拡散作用は見られず、球状シリカ、シリカ−二酸化チタン−シリカ多層粉体、シルクパウダー等では光拡散の作用が強く、光輪がぼんやりと大きく広がった光輪を形成していることがわかる。
【0013】
<実施例2>
人の皮膚を用いて、上記レプリカ転写法により、人の皮膚の起伏を刻示した光透過性支持体を作製した。即ち、酢酸エチルで軟化させたレプリカ用のプラスチック板を肌のきれいな人ときれいでない人に貼付し、剥離して型を作製した。この型の上にドクターブレードを用いて、エポキシ樹脂を延展し皮膜を形成させ、この皮膜をきれいに剥離して、本発明の光透過性支持体を作製した。これを実施例1と同様に撮影した結果を図7(肌のきれいな人)と図8(肌のきれいでない人)に示す。これより、肌の起伏の光学的効果が肌の美しさに反映していることがわかる。この皮膚の起伏を刻示したプレート上に、実施例1で拡散効果に優れていることが判明したシリカ−二酸化チタン−シリカ多層粉体60重量部とシリコーン40重量部とを混練りして作製した化粧料を、刷毛で塗布し、実施例1と同様に撮影した。これを図9(肌のきれいでない人+化粧料)と図10(肌のきれいな人+化粧料)に示す。これらの光学的効果は殆ど変わらないことがわかる。これより、化粧料の効果により、皮膚の光学的効果の衰えをカバーしていることがわかる。更に、化粧料の効果には皮膚の構造に起因する光学効果と化粧料の光学効果の相乗の効果が存在し、本発明の鑑別法では、本発明の光透過性支持体を使用することにより、この相乗効果が鑑別しうることがわかる。この様な測定は、決して難しいものではなく、装置、設備も一般的であり、本発明の鑑別法の簡便さも明らかである。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、皮膚との関係をも加味しうる粉体及び/又は粉体化粧料の光学効果の鑑別法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の二酸化チタンの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図2】 実施例1のマイカの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図3】 実施例1のタルクの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図4】 実施例1の球状シリカの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図5】 実施例1のシリカ−二酸化チタン−シリカ多層粉体の測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図6】 実施例1のシルクパウダーの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図7】 肌のきれいな人の皮膚構造を刻示したプレートの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図8】 肌のきれいでない人の皮膚構造を刻示したプレートの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図9】 肌のきれいでない人の皮膚構造を刻示したプレートに化粧料を塗工したものの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
【図10】 肌のきれいな人の皮膚構造を刻示したプレートに化粧料を塗工したものの測定結果を示す図である。(図面代用写真)
Claims (4)
- 粉体及び/又は粉体化粧料の光学特性を鑑別する鑑別法であって、光透過性支持体上に該粉体及び/又は粉体化粧料の薄膜を形成させ、これに薄膜形成面の側から光を照射し、粉体及び/又は粉体化粧料による拡散透過光輪の大きさを光照射と反対の側から測定し、これを指標とすることを特徴とする、粉体及び/又は粉体化粧料の鑑別法。
- 拡散透過光輪の大きさの測定が、画像撮影によるものであることを特徴とする、請求項1に記載の粉体及び/又は粉体化粧料の鑑別法。
- 光透過性支持体上に、皮膚の表面の凹凸と近似した立体的な凹凸が施されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉体及び/又は粉体化粧料の鑑別法。
- 透明乃至は半透明状のプラスチック板上に皮膚の凹凸様の模様が刻示されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の粉体及び/又は粉体化粧料の鑑別の為の光透過性支持体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18505199A JP3753562B2 (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 粉体化粧料の鑑別法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18505199A JP3753562B2 (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 粉体化粧料の鑑別法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001013072A JP2001013072A (ja) | 2001-01-19 |
JP3753562B2 true JP3753562B2 (ja) | 2006-03-08 |
Family
ID=16163950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18505199A Expired - Fee Related JP3753562B2 (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 粉体化粧料の鑑別法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3753562B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013145191A (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Kao Corp | 化粧膜の評価方法 |
JP5834931B2 (ja) * | 2012-01-16 | 2015-12-24 | 花王株式会社 | 化粧膜観察方法 |
-
1999
- 1999-06-30 JP JP18505199A patent/JP3753562B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001013072A (ja) | 2001-01-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3643763B2 (ja) | メイクアップ補助装置、システム及び方法 | |
US20160044218A1 (en) | High-resolution surface measurement systems and methods | |
Mikhail et al. | Accuracy of Kubelka–Munk reflectance theory for dental resin composite material | |
Schultz et al. | Fabrication of 3D fingerprint phantoms via unconventional polycarbonate molding | |
US20120022472A1 (en) | Application method of external dermatological medications, evaluating method of the same, application evaluating apparatus, and application evaluating program | |
JP3753562B2 (ja) | 粉体化粧料の鑑別法 | |
Roberge et al. | StereoTac: A novel visuotactile sensor that combines tactile sensing with 3D vision | |
JP3709382B2 (ja) | 角質細胞の鑑別方法 | |
JPWO2006078026A1 (ja) | 多光源下の環境を考慮した顔料及び酸化チタンの選択方法並びにその配合物 | |
Bannwart et al. | Chromatic changes to artificial irises produced using different techniques | |
JP2001074655A5 (ja) | ||
JP4749122B2 (ja) | 皮膚の表面形態の評価方法 | |
KR19980024052A (ko) | 메이크업 화장품의 평가방법 및 분체조성물 | |
JP2004305558A (ja) | 肌の透明性の評価方法 | |
JP3171344U (ja) | 照明装置 | |
JP2013145191A (ja) | 化粧膜の評価方法 | |
JP2001074655A (ja) | 肌の鑑別法及びそれに適した化粧料の選択法 | |
Wei | Innovative Technology in Art Conservation: Original Appearance and Viewer Perception | |
US4279482A (en) | Illumination of replicas of biological surface tissue | |
CN110806187B (zh) | 一种能够可视化测量的结构色膜及其制备方法和应用 | |
JP6097714B2 (ja) | 塗布材料の光学特性の測定システム、測定方法、測定装置、および積層構造体 | |
JPH0538321Y2 (ja) | ||
US8894244B2 (en) | Transmission type optical element, lighting arrangement, and method for manufacturing | |
JP3433565B2 (ja) | 屈折率測定方法及び測定装置 | |
FR2581191A1 (fr) | Procede pour mesurer une quantite de produit gras se trouvant a la surface d'un element a etudier, appareillage pour sa mise en oeuvre et lame de prelevement dudit produit gras. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041105 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051213 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |