JP5834732B2 - 排気機構および画像形成装置 - Google Patents
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二成分系現像剤は、粉体の体をなすトナーとこれを担持するキャリアとで構成され、攪拌混合時に生起される摩擦帯電作用によりトナーを帯電させて感光体上の静電潜像に対して静電吸着できる状態とされる。
従来、現像装置内には現像剤を攪拌しながら移動させることができる2本スクリューを設け、一方のスクリューは現像剤供給空間内に、そして、他方のスクリューは現像後に現像剤を回収する回収空間内にそれぞれ配置したうえで相反する方向に現像剤を移動させる構成が知られている。
上述した回収される現像剤とは、磁気ブラシを担持する現像スリーブ内に配置されている反発磁極の作用により現像スリーブから反発飛翔して回収空間に導入される現像剤を意味している。
また、上述した構成を備えた現像部に加えて空気などの気体を利用して新規トナーを補給する構成を備えた撹拌部を循環手段によって接続し、撹拌部で現像剤の状態に応じた撹拌を行い、トナー濃度、帯電量を適切に調整した現像剤を、現像部に供給および現像部から攪拌部へと循環させる構成が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
搬送系において内圧が上昇すると、搬送経路での外部開放部、つまり、現像スリーブ上流および下流において各部品の接合部などから排圧される。このため、排圧部からは圧力が上昇したエアが噴出し、トナーや現像剤を噴出させることが原因となって装置内が汚染される虞がある。
しかし、回収部には現像剤が貯留されることになるので、その回収量が増加するに従い、空気の排出機能が低下する。
このため、所定量となった時点で回収部の交換が必要となる。そこで、交換頻度を低くするには回収部の容積を大きくしなければならず、結果として回収部を配置するスペースの大型化により画像形成装置の大型化を招くことになる。
しかも、回収部の交換は、環境問題として着目されている現像剤のリユースができないという問題もある。
図1は、排気機構を用いる現像装置が適用される画像形成装置を示す図であり、排気帰庫の説明の前に画像形成装置を説明すると次の通りである。なお、図1に示す画像形成装置は、タンデム方式によるフルカラープリンタであるが、本発明は、これに限らず、複写機やファクシミリ装置などにも適用することができる。
各作像部6は、潜像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電手段2、現像装置3、クリーニング手段4等で構成されている。
感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われ、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成される。
感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図中、時計回り方向に回転駆動され、帯電手段2の位置で表面が一様に帯電される(帯電工程)。
現像工程において可視像処理されたトナー像を担持する感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト10A及び1次転写バイアスローラ5との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト10A上に転写される(1次転写工程)。
上述した作像プロセスは、モノクロ画像のみの単一画像形成時およびフルカラー画像形成時にそれぞれ行われるが、フルカラー画像形成時には、図1に示した4つの作像部6Y、6M、6C、6Kにおいて各工程がそれぞれ行われる。すなわち、作像部の下方に配設された不図示の露光部(光書き込み装置)から、画像情報に基づいたレーザ光が、各作像部6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト10A上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト10A上にカラー画像が形成される。
中間転写ベルト10Aは、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ5Y、5M、5C、5Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト10A上に重ねて1次転写される。
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト10Aは、2次転写手段としての2次転写ローラ7との対向位置に達する。中間転写ベルト10A上に形成されたカラートナー像は、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体としての転写紙P上に一括転写される。
2次転写ニップの位置でカラー画像を転写された転写紙Pは、定着部11へ搬送され、ここで、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像を定着される。
定着を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対12により、装置本体100の上面に形成された排紙部100Aへ出力画像として排出され、スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。なお、図1において符号13は、中間転写ベルト10Aのクリーニング装置を示している。
現像槽30の内部には、縦方向に配置された2本の搬送スクリューからなる現像剤供給部材3Aおよび現像剤回収部材3Bがそれぞれ配置されている現像剤供給部30Aおよび現像剤回収部30Bが設けられている。
現像剤供給部材3Aには、現像剤担持体である現像スリーブ3Cが対峙しており、現像剤供給部材3Aから供給される現像剤がドクターブレード3Dにより層厚を規定されたうえで供給されるようになっている。
現像剤供給部材3Aと現像剤回収部材3Bとは、回転方向が逆方向に設定されており、回転時には相対する方向に現像剤が搬送される。
現像剤供給部30Aおよび現像剤回収部30Bは、図3に示す現像剤供給機構に示す構成において循環部に含まれる位置に配置されている。
現像剤供給機構には次の部材が設けられている。
感光体ドラム1上の静電潜像を現像する現像剤を収容可能な現像槽30と、現像槽30から離れた位置で現像槽30から回収された現像剤および消費されたトナーに見合う新規トナーを撹拌混合する現像剤収容部40と、現像剤収容部40に向け新規トナーを補給するトナー供給部60と、現像剤収容部40から排出される撹拌混合後の現像剤を移送するためのロータリーフィーダ50と、現像剤を空気などの気体(以下、便宜上、空気の場合で説明する)により現像槽30に向け移送する、いわゆる、気流搬送機構を構成するための現像剤循環駆動源に相当する空気ポンプ51とが主要部として備えられている。
図3では、現像槽30がカートリッジ状に構成されている。なお、図3においては、便宜上、現像剤供給部材3A、現像剤回収部材3Bに関し、これらの回転軸を対象として符号を付して示してある。
現像剤収容部40において攪拌混合された現像剤は、供給量を調整できるパドルを内部に備えて駆動モータ50Aにより回転駆動されるロータリーフィーダ50に給送され、この位置で供給量を調整される現像剤が空気ポンプ51により生成される気流により現像槽30に向け搬送される。
現像剤回収部材3Bによる現像剤移動方向の最下流には、図示しないトナー濃度検知手段が設置されており、その信号を基にトナータンク61から新規トナーの補給が行われる。トナーの補給は前述したように補給トナー搬送路62に接続されている空気ポンプ63による気流搬送によって行われる。
図4において現像剤収容部40には、上部が円筒状で縦断面が下向き錐状をなす漏斗状の形状とされた容器43が用いられており、最下部に位置して最も小径の排出口400がロータリーフィーダ50に連通している。
本実施例での特徴は、気流搬送による現像剤の循環路において現像剤の搬送に用いられる空気が作用する箇所での圧力が上昇した際の空気を外部に排出する排気機構を備え、排気機構に用いられるフィルタを清浄化する機構を設けたことに特徴がある。
図3及び図4において現像剤収容部40の現像剤の剤面上方に位置する天板には現像剤回収流路41とは別に、排気部をなす排出容器200に連通する排気管路201が接続されている。なお、図4及び後述する図7において矢印は現像剤の移動方向を示している。
網目状メッシュ構造の場合には、例えば、パンチングメタルと同様に、表面に凹凸がない状態となるので、繊維を編み込んだ構成のフィルタと違って、トナーが繊維の中に入り込むことがなく、掃き寄せしやすくなる。
可動磁石203は、フィルタ202の捕集面に対向する捕集面掃き寄せ用磁石203Aと、排出容器200の底部に対向する底部掃き寄せ用磁石203Bとを備えている。従って、捕集面に対向する捕集面掃き寄せ用磁石203Aは、トナーや磁性キャリアなどの粉体が付着するフィルタ202の捕集面と反対側に配置されている。
図6(A)に示すように、可動磁石203は、S極、N極のいずれか一方がフィルタ202の粉体捕集面に対向している。
これにより、フィルタ202の捕集面に対して磁力線が垂直に生起されることで捕集力を強めることができる。
なお、図6(B)は、捕集面に沿って磁石端部を位置させ、各端部の磁極を捕集面に沿ってN,S極とした場合が示されている。このような磁極構成では、不利多202の捕集面に沿った、換言すれば、捕集面に平行する磁力線が生起されるので、捕集面内部を通過する磁力線が弱く、捕集力を強めることができない。
図7において、フィルタ202の捕集面に気流搬送されてきたトナーや磁性キャリアが捕集されて空気のみが排出される状態が継続されると、経時的にトナーや磁性キャリアが捕集面に堆積する(図7(A)に示す状態)。
予め、画像形成置の稼働時間あるいはプリント枚数に応じた可動磁石203の動作時期を設定しておき、可動磁石203を駆動モータ205およびこれに連動する駆動ネジ204を介して可動台206を移動させてフィルタ202の捕集面と反対側で可動磁石を横断させる。可動磁石203が捕集面を横断すると、可動磁石203の磁力に拘束される現像剤、つまり磁性キャリアが移動するのを利用してトナーも掃き寄せされる(図7(B)に示す状態)。
可動磁石203は、フィルタ202の占有領域を外れる位置まで移動すると、トナーおよび磁性キャリアへの磁力が弱まり、排出容器端部に磁力の拘束を解消された掃き寄せられたトナーおよび現像剤は、集約されることになる(図7(C)に示す状態)。
同図において、フィルタ202の清浄化が行われない場合には、破線で示すように、経時的にフィルタ202の捕集面へのトナーや現像剤の堆積により排出容器200内での圧力が上昇し、これが原因して現像剤の搬送系での圧力上昇を招く。
これに対し上記構成を用いた場合には、実線で示すように、清浄化により圧力上昇が解消されることになる。
フィルタ202は、交換可能なように、排出容器200が相当するフィルタ202の支持枠に対して着脱可能に設けられている。
一方、図9に示すように、排出容器200の連通部200Aにおいて、可動磁石203の横断開始側には、粉体である磁性キャリアを貯留可能な空間を構成する保持部207が設けられている。
保持部207は、可動磁石の横断開始位置側に設けられており、飛翔してきた磁性キャリアが入りやすい空間容積を持たせてある。
保持部207は、可動磁石203が横断開始側に復帰する際に、磁気的拘束を利用して磁性キャリアの一部を導入して溜めることができる部分として用いられる。
従って、フィルタ202の捕集面にトナーが多く散在している場合には、可動磁石203を横断させてもトナーへの磁気的拘束が有効に機能しないが、保持部207に溜められていた磁性キャリアが可動磁石203の横断開始と共に捕集面を移動することで磁性キャリアに捕獲されたトナーが捕集面を横断して掃き寄せられることになる。
剥離部208は、排出容器200の内壁面から内側に張り出して横断方向に平行な片部で構成され、その片部が捕集面を移動してくる塊状のトナーと磁性キャリアとの間に進入できるようになっている。
捕集面上を磁性キャリアが移動するときには捕集面上に散乱しているトナーも掃き寄せられ(図9(B)に示す状態)、剥離部208に塊状となったトナーおよび磁性キャリアが進入する。
剥離部208に達したトナーおよび磁性キャリアは、剥離部208の片部がトナーと磁性キャリアの塊内に進入することでトナーおよび磁性キャリアの粉体同士が剥がされて別々に回収される。
なお、上述した作用は、フィルタ202の捕集面にトナーのみが主に付着して捕集されている場合を対象として説明したが、トナーに変えて磁性キャリアの場合も同様である。
同図に示すように、トナー濃度の増加とともにトナー集塵量が増加し、フィルタ202の捕集面に多くのトナーが付着することになる。
このような現象を踏まえ、現像装置内の現像剤のトナー濃度が高い場合、頻度を多くしてフィルタ202の性能低下を抑え、逆にトナー濃度が低い場合、頻度を少なくして余分な掃き寄せ動作を少なくするように、駆動モータ205の駆動タイミングを設定することも可能である。
以上のように、可動磁石203による剤掃き寄せ動作の頻度を、現像装置内の現像剤のトナー濃度によって変えることで、余分な動作をさせることがなくなるので、省電力化が図れる。
30 現像槽
40 現像剤収容部
41 現像剤回収流路
42 現像剤供給流路
100 画像形成装置本体
200 排出容器
201 管路
202 フィルタ
203 可動磁石
204 駆動ネジ
205 駆動モータ
207 保持部
208 剥離部
Claims (9)
- 粉体の気流搬送に用いられる空気の排気部に、前記粉体を捕集して空気のみを排出させるためのフィルタを備えた排気機構において、
前記粉体は、磁性体を含み、
前記粉体が付着するフィルタの粉体捕集面と反対側には、該粉体捕集面を横断可能な可動磁石が設けられ、
前記可動磁石は、前記粉体捕集面を横断した後、該粉体捕集面を外れた位置に向けて前記粉体を掃き寄せることを特徴とする排気機構。 - 前記粉体を掃き寄せる機構として、前記粉体捕集面を横断する方向に沿って配置され前記可動磁石を前記方向に往復動させる駆動ネジを備え、前記可動磁石は前記駆動ネジに螺合され該駆動ネジの回転方向に応じて前記粉体捕集面を外れた位置まで移動可能であることを特徴とする請求項1記載の排気機構。
- 前記可動磁石は、S極、N極のいずれか一方が前記粉体捕集面に対向していることを特徴とする請求項1または2記載の排気機構。
- 前記フィルタは、網目状メッシュ構造とされていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つに記載の排気機構。
- 前記フィルタは支持枠に着脱可能に取り付けられ、該支持枠において前記可動磁石の横断開始側の支持枠壁部には、前記粉体が付着する粉体捕集面側に前記粉体のうちの磁性を有する粉体を貯留可能な保持空間を構成する保持部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一つに記載の排気機構。
- 前記支持枠において前記可動磁石の横断終了側の支持枠壁部には、前記可動磁石の横断移動に連動して互いに付着しながら掃き寄せられた粉体同士間に進入して粉体同士を剥離する剥離部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか一つに記載の排気機構。
- 前記フィルタの面積は、前記可動磁石が前記粉体捕集面を横断する際の前記可動磁石の投影面積に対して、必要排気能力が得られる面積を加えた面積に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一つに記載の排気機構。
- トナーと磁性キャリアとを用いる二成分系現像剤を用いる現像装置により潜像担持体に形成された静電潜像を可視像処理する画像形成装置であって、
前記現像装置は、潜像担持体に現像剤を供給する現像部と該現像部とは別に設けられた現像剤攪拌部との間で現像剤を気流搬送し、前記現像部に排気機構を備え、該排気機構には請求項1乃至7のうちの何れか一つに記載の排気機構が用いられることを特徴とする画像形成装置。 - 前記排気機構における前記可動磁石の掃き寄せ動作は、前記現像装置における前記現像剤のトナー濃度に応じて頻度を設定されることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
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