JP5834066B2 - キラルネマチック構造を有する無機メソ多孔質材料及びその調製方法 - Google Patents

キラルネマチック構造を有する無機メソ多孔質材料及びその調製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5834066B2
JP5834066B2 JP2013502963A JP2013502963A JP5834066B2 JP 5834066 B2 JP5834066 B2 JP 5834066B2 JP 2013502963 A JP2013502963 A JP 2013502963A JP 2013502963 A JP2013502963 A JP 2013502963A JP 5834066 B2 JP5834066 B2 JP 5834066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ncc
mixture
chiral nematic
siliceous
silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013502963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013533836A (ja
JP2013533836A5 (ja
Inventor
マクラクラン、マーク、ジョン
ショプソウィッツ、ケヴィン、エリク
ハマド、ウォドゥード、ヤッサー
キ、ハオ
Original Assignee
エフピーイノベイションズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エフピーイノベイションズ filed Critical エフピーイノベイションズ
Publication of JP2013533836A publication Critical patent/JP2013533836A/ja
Publication of JP2013533836A5 publication Critical patent/JP2013533836A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5834066B2 publication Critical patent/JP5834066B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/02Liquid crystal materials characterised by optical, electrical or physical properties of the components, in general
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D67/00Processes specially adapted for manufacturing semi-permeable membranes for separation processes or apparatus
    • B01D67/0039Inorganic membrane manufacture
    • B01D67/0048Inorganic membrane manufacture by sol-gel transition
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D67/00Processes specially adapted for manufacturing semi-permeable membranes for separation processes or apparatus
    • B01D67/0039Inorganic membrane manufacture
    • B01D67/0053Inorganic membrane manufacture by inducing porosity into non porous precursor membranes
    • B01D67/0058Inorganic membrane manufacture by inducing porosity into non porous precursor membranes by selective elimination of components, e.g. by leaching
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/02Inorganic material
    • B01D71/024Oxides
    • B01D71/027Silicium oxide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/113Silicon oxides; Hydrates thereof
    • C01B33/12Silica; Hydrates thereof, e.g. lepidoic silicic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B37/00Compounds having molecular sieve properties but not having base-exchange properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G17/00Compounds of germanium
    • C01G17/02Germanium dioxide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G19/00Compounds of tin
    • C01G19/02Oxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/52Liquid crystal materials characterised by components which are not liquid crystals, e.g. additives with special physical aspect: solvents, solid particles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2325/00Details relating to properties of membranes
    • B01D2325/02Details relating to pores or porosity of the membranes
    • B01D2325/025Finger pores
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2325/00Details relating to properties of membranes
    • B01D2325/43Specific optical properties

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、新規なメソ多孔質材料、好ましくは、例えば、メソ多孔質構造及びテンプレート、特にセルローステンプレートのキラルネマチック秩序化から生じるキラリティーの両方を有するシリカ等の無機メソ多孔質材料に関する。
リオトロピック液晶のセルフアセンブリによる無機固体のテンプレート合成は、明確な多孔質構造を有する材料へのアクセスを可能にする1〜10。1992年にBeckら2,9,10により最初に記載された液晶のテンプレート化は、2〜50nmの範囲内の組織(organization)を有する組織化された周期的材料を作製する重要なアプローチとなった。一般的にはメソ多孔質固体は、液晶性のテンプレートの存在下でのシリカ前駆体(例えば、テトラエトキシシラン)の加水分解及び縮合から形成される。最初の発明ではイオン性界面活性剤が使用されたが、その後は種々の分子(例えば、非イオン性界面活性剤)及びポリマー物質がテンプレートとして使用されている。得られた材料は、直径が2〜50nmの範囲の周期的な細孔を有しており(即ちメソ多孔質)、六方晶系、立方晶系、又は他の周期的構造に組織化されている。メソ多孔質シリカを利用している商品の例は、Merck製の、科学品供給会社によって販売されているChromalith(商標)である。
キラリティーは、分子又は物体がその鏡像と重ね合わせることができない特性である。例えば、手は、左手は右手の鏡像であるが、それらは重ね合わせることができないのでキラルである。分子レベルにおけるキラリティーは、生物学及び薬学において基本的に重要な特有の性質を有する大きなキラル構造のアセンブリを可能にする。例えばDNA二重らせんは、キラル構造である。多孔質無機固体中にキラリティーを組み込むことは、キラル物質、立体特異的触媒、キラル認識(検出)、及びフォトニック材料を分離するために有用であり得る新たなタイプの材料を開発するための重要な試みである11〜14。ごく最近になって、キラリティーは、キラル界面活性剤の使用によって六角形メソ構造中に導入された15〜17。より大きい長さスケールで又はキラルネマチック秩序化によりキラリティーを与える努力は、応用の機会を有する新たな材料を開発する可能性がある。
メソゲンがらせん状アセンブリに組織化しているキラルネマチック(又はコレステリック)液晶相は、コレステリル誘導体について最初に観察されたが、さまざまな分子及びポリマーについて存在することが今や知られている。キラルネマチック液晶(LC)のらせん形の組織は、らせんピッチが円偏向した光の角度に依存した選択反射のために可視光の波長近くであるとき虹色をもたらす。このため、キラルネマチックLCは、それらのフォトニック特性について幅広く研究され、偏光ミラー、反射ディスプレー、及びレーザー等の用途に使用されている18〜20。キラルネマチックはまた、らせん状ポリマーの合成等の他の応用にも有効に使われている21。自然界では、キチンの固体状態のキラルネマチックの組織が、カブトムシの外骨格の光沢のある玉虫色をもたらしている22
セルロースの安定なナノ結晶は、多量のセルロースの硫酸加水分解によって得ることができる23。水中で、ナノ結晶性セルロース(NCC)の懸濁液は、乾燥時に保存され得るキラルネマチック相に組織化し、虹色の膜をもたらす24、25。研究者らは、そのNCCのキラルネマチック相を用いて無機材料をテンプレート化することを試みた。Mannは、NCCがテンプレートに複屈折性シリカをアルカリ性条件下で使用することができることを示したが、著者らは、その複屈折性は長距離秩序からよりも(透過電子顕微鏡(TEM)画像はネマチック秩序化の可能性を示唆したが)ストレス誘導性の欠陥から起こり得ると結論付けた26。小さいサンプルサイズのために長距離らせん秩序は観察されず、多孔性は測定されなかった。テンプレートとしてヒドロキシプロピルセルロースのキラルネマチック相を使用して、Antoniettiは、大きな表面積の多孔質シリカを得た27。キラルネマチックな組織はその複合材料中に存在したが、長距離キラル秩序化のはっきりとした証拠は純粋なシリカレプリカ中には存在しなかった。
本発明は、多孔性の固体状態のキラルネマチック構造を提供することを目的とする。
本発明はまた、キラリティーを決める除去可能なテンプレートを有し、それによってそのテンプレートを除去してキラル構造を残すことによって多孔性が導入される、中間体構造物を提供することを目的とする。
更に、本発明は、多孔性の固体状態のキラルネマチック構造を製造するためのプロセスを提供することを目的とする。
その上更に、本発明は、キラリティーを決める除去可能なテンプレートを有し、それによって、多孔性の固体状態のキラルネマチック構造がそのような中間体構造から容易に形成され得る、中間体構造を製造するためのプロセスを提供することを目的する。
本発明の一態様において、キラルネマチック秩序を有するメソ多孔質シリカ質材料が提供される。
本発明の別の態様において、キラリティーを有するメソ多孔質シリカ質材料を調製するプロセスであって、
ナノ結晶性セルロース(NCC)の水性懸濁液中でシリカ質前駆体を反応させてシリカ質材料とNCCの水性混合物を形成するステップ、
前記混合物をキャスティングするステップ、
キャスト混合物から水を除去して、シリカ質材料マトリックス中に、キラリティーを有するNCCの複合体を生成するステップ、及び
シリカ質材料マトリックスの完全性を維持しながら前記複合体から前記NCCを除去するステップ
を含む上記プロセスが提供される。
本発明の更に別の態様において、その中にキラルネマチック秩序でNCCが埋め込まれているシリカ質材料のマトリックスを含むキラルシリカ質複合体が提供される。
本発明の更に別の態様において、キラルシリカ質複合体を調製するプロセスであって、
ナノ結晶性セルロース(NCC)の水性懸濁液中でシリカ質前駆体を反応させてシリカ質材料とNCCの水性混合物を形成するステップ、
前記混合物をキャスティングするステップ、及び
キャスト混合物から水を除去して、シリカ質材料マトリックス中に、キラリティーを有するNCCの複合体を生成させるステップ
を含む上記プロセスが提供される。
本発明の他の態様において、シリカ質材料は他の無機材料、特に、無機のスズ又はゲルマニウム化合物、特に、スズ又はゲルマニウムの酸化物によって置き換えられる。そのような場合、化合物又は酸化物の前駆体は、加水分解又は縮合される。
蒸発の間のキラルネマチックテクスチャの確立を示すNCC及び加水分解されたTEOSのPOM画像である。 自立型虹色NCC−シリカ複合膜の写真である。 NCC−シリカ複合膜のPOM画像である。 3つの異なる色のNCC−シリカ複合膜のCDスペクトルの図である。 焼成したシリカ膜のPOM画像である。 3つの異なる色の純粋なシリカ膜のCDスペクトルの図である。 シリカ膜の上面図を示すSEM画像である。 シリカ膜の断面中のキラルネマチック組織を示すSEM画像である。 ねじれている棒状の形態を示している高倍率でのSEM画像である。 シリカ膜中のフィンガープリント構造を示しているSEM画像である。 NCC−シリカ複合膜のSEM画像である。 純粋なNCC膜のSEM画像である。 調製1からのメソ多孔質シリカのN吸着等温線の図である。 NCCから調製されたメソ多孔質シリカの典型的なBJH細孔径分布の図である。 メソ多孔質シリカのTEM画像である。 メソ多孔質シリカ膜を水に浸す前(上の曲線)と後(下の曲線)のCDスペクトルの図である。 調製1からのNCC−シリカ複合体のTGAの図である。 調製1からのNCC−シリカ複合体のIRスペクトルの図である。 調製1からの焼成した試料のIRスペクトルの図である。 調製5からの有機シリカ−NCC複合体のTGAの図である。 調製5からの焼成した試料のSEM画像である。
本発明において、1つ又は複数の無機モノマー又は金属有機モノマーが、ナノ結晶性セルロースの存在下で重合され、無機マトリックス中に組織化されたセルロースナノ微結晶を含む材料を生成し、そのセルロースを除去した後に、多孔性の材料が得られる。この発明の重要な利点は、多孔性の材料が、セルロースの除去後に残存する細孔構造中に、ナノ結晶性セルロースの特徴であるキラルネマチック秩序を保持することである。
このシリカ質材料は、例えば、加水分解できるシリコン前駆体、重合可能な有機ケイ素モノマー又は無機及び金属有機構造物(例えば有機シランに基づく)であり得る。シリカ前駆体は、最初に加水分解され、その後縮合する。このプロセスは、複雑であるが、加水分解によりSi(OH)基の形成を伴い、その後これらの2つが縮合段階で結合して水を排出する:
2Si(OH)→Si−O−Si+H
本発明は、キラルネマチック構造を有する多孔性の固体状態の材料を製造する新たな方法を提供する。適切なシリカの前駆体(例えば、テトラエトキシシラン又はテトラメトキシシラン)がナノ結晶性セルロース(NCC)の存在下で加水分解されると、シリカマトリックス中に埋め込まれたセルロースナノ結晶の複合体構造物である膜が乾燥後に得られる。NCCテンプレートを除去するための焼成をすると(典型的には大気下540℃で)、多孔性のシリカ材料が、出発複合体の形態に応じて粉末又は膜として得られる。窒素吸着測定は、その材料が、多孔性であり大きな表面積を有することを示す。これらの新規な多孔性材料は、キラルであり、それらは1つの円偏光の光を優先的に反射する。キラル細孔及び大きな表面積を有する多孔性の固体状態の材料は、クロマトグラフィーの担体(キラル又はアキラル成分の分離用)、他のナノ材料のテンプレート化、重金属の吸着剤、化学物質及びガスの吸着剤、軽量補強材、低κ誘電体材料、膜、及び触媒用の担体など、多くの実際的応用にとって魅力的である。
針葉樹クラフトパルプ繊維、他の木質又は非木質バイオマスの硫酸加水分解によって調製されたナノ結晶性セルロース(NCC)は、本発明において、メソ多孔質シリカの製造のためのキラルネマチックテンプレートとして使用される。約1〜10重量%(好ましくは1〜6重量%)の範囲のNCC懸濁液を適切に使用することができ、約2.4のpHで、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)、又はビス(トリエトキシシリル)メタンを懸濁液中NCCの存在下で加水分解し、均一な混合物を生じさせる。偏光顕微鏡(POM)は、蒸発の間にフィンガープリント構造の形成を示し、キラルネマチック相が乾燥中にシリカ前駆体の存在下であっても確立されることを表している(図1)。試料は、ポリプロピレン表面に置き、室温の周囲条件下でそのままにして自立膜が得られるまで乾燥させた(一般的には1〜2日)(図2)。加水分解は、2超7以下、好ましくは2.4〜4の範囲のpHで適切に行われる。
2超、好ましくは少なくとも2.4のpHを使用することが重要であると考えられ、約pH2以下では、調製されたときにキラルネマチック秩序が膜中に観察されず、7より高いpHでは、膜は、典型的な虹色を、又はPOMによりキラルネマチックテクスチャを示さなかった。pH3.5で調製した材料も虹色を示した。pH約2〜7の範囲がこの材料を調製するための最大範囲で、好ましくは約2.4〜4であると考えられる。目視で、並びにPOM(図3)及びSEMにより、自立複合膜は純粋なNCCから成るものと同じように見え、しかしながら、純粋なNCC膜とは対照的に、複合膜は、縮合したシリカマトリックスのために水に再懸濁させることができない。円偏光二色性(CD)は、膜における虹色の起源がキラルであることを裏付ける(図4)。複合膜は、CD信号中に強いプラスの楕円率を与え、それはそれらが約数百ナノメートルの左巻きのらせん構造を有することを示している。
キラルネマチック構造により反射されるピーク波長は、らせんピッチを変えることによって調整することができる。複合膜の色は、TEOS対NCCの比率を増すことによって青から近赤外まで変化させることができる。
これらの複合材料は、TEOS又はTMOSのNCCの存在下での加水分解及び縮合によるシリカでできている。他の重合可能な前駆体を使用することによって、NCCがキラルネマチック秩序化で埋め込まれている他の無機構造物を生み出すことができる。一例として、ビス(トリエトキシシリル)メタンは、重合可能なモノマーとして働き、キラルネマチックNCCが組み込まれている有機ケイ素マトリックスを与える。
膜の焼成は、空気下、540℃で6時間にわたって行われる。複合膜の焼成は、出発時の複合体膜の組成に応じて虹色又は無色のメソ多孔質シリカ膜をもたらす。焼成した膜は全て、POMによる強い複屈折及びテクスチャ(texture)(図5)を示し、それは、純粋なNCC膜について観察されるものとよく似ている。焼成した膜のCDスペクトルにおけるピークの反射率は、出発時のNCC−シリカ複合体と比較して青側に変移している。例えば、赤の複合体膜のキラル反射は、焼成後は225nm移動して緑のシリカ膜を生じた。同じように、青の複合体膜は、光学的に透明なシリカ膜を生じた。CD実験は、メソ多孔質シリカ膜が円偏光した光を反射し(図6)、それ故、NCCの左巻きのらせん秩序化を保つことを裏付けている。UVから赤までの波長の円偏光を反射する膜が、このように、青から近赤外までの波長の光を反射したさまざまな複合体膜の焼成によって得ることができる。
走査電子顕微鏡(SEM)は、メソ多孔質シリカ膜におけるキラルネマチック組織の複製の更なる立証を提供する。NCCのキラルネマチック構造はシリカ中にさまざまな位置でインプリントされる。分域構造は、膜の比較的滑らかな表面で明らかである(図7)。層状構造が、膜の表面に垂直にキラルネマチック相のらせんピッチから現れており、可視光の反射と調和した数百ナノメートルの繰り返しの間隔と共に観察される(図8)。より高い倍率において、ねじれている棒状の形態(図9)を解像することができる。全体の試料を通して、このねじれは、観察者から離れて移動するとき、反時計方向で起こるようであり、それは左巻きのらせん組織に相当する。いくつかの場所でフィンガープリント欠陥が見られ、これはLC相においてPOMによって観察されるもの(図10)の縮約版に相当する。全般的には、この材料の構造は、CD及びPOMの特性化と一致しており、複合体膜(図11)及び純粋なNCC膜(図12)について得られるSEM画像と著しく似て見える。これは、NCCのキラルネマチック組織がシリカ膜中で複製されたことの直接的証拠である。
キラルシリカ膜は、窒素吸着の検討により決定するとメソ多孔質である。大きいヒステリシスループを有するIV型吸着等温線が全ての焼成した試料において、NCC/シリカ比によって約750m/gから300m/gまで変動するBET(Brunauer−Emmett−Tellerモデル)表面積により観察される(図13)。BJH(Barret−Joyner−Halendaモデル)細孔径分布は、約4nmの平均細孔直径を与え、従って、個々のナノ結晶は、塊とはならずに、細孔構造の状態で首尾よく複製されたことを示している(図14)。TEM画像化は、ガス吸着によって測定したものと一致する直径を有する長く、整列した細孔を示している(図15)。測定された細孔容積は、予測された値より小さく、ある程度の細孔の収縮が焼成中に起きたことを示している。その相違はより低いシリカ/NCC比を有する試料でより大きく、これもまた、これらの試料についてのより小さい平均の細孔の大きさによって反映される。
キラルネマチックメソ多孔質膜の独特の性質を明らかにするために、それらの液体の吸着を調べた。これらの膜は、水(及び多くの他の通常の溶媒)を急速に吸着し、透明で無色となり、それは視覚的に検出され得る。その膜の複屈折もまた、溶媒が吸着されたとき急激に低減される(この場合、細孔と壁の間の屈折率の差が、通路が空気の代わりに水で満たされるとき複屈折性の程度を変化させて減じられる)。これらの変化は完全に可逆的であり、その膜は乾燥するとそれらの虹色及び複屈折性をとり戻す。円偏光二色性により、CD信号は液浸後大幅に減少することを見ることができる(図16)。対照として、水(又は他の溶媒)がNCC/シリカ複合体膜に焼成前に添加されたときは、変化が見られなかった。これはCD信号の変化に基づく湿度センサーを可能にするメソ多孔質シリカの独特の性質である。
上記の色変化は、本発明のメソ多孔質材料の独特の特徴である。他のメソ多孔質材料は、水を容易に吸収するが、その材料は液体添加の前後に無色であるために通常はこれを見ることができない。これらの材料がキラルネマチック組織によってフォトニック特性(この場合は可視スペクトル領域中の偏光の選択反射)を有するという事実が、これらの材料中に色をもたらしている。
本発明の材料の特に独特の態様は、大きな表面積、約1〜50nmの細孔の大きさと関連し、キラル構造、偏光の選択反射、及び虹色をもたらすキラルネマチック秩序化を有するメソ多孔性の組合せである。
さまざまな有機シリカ試薬又は有機シランの組合せ(例えば、Si(OEt)+RSi(OEt)、式中、Rは、アルキル、枝分かれしたアルキル、フェニル、又は他の有機成分である)を用いてこれらの材料を製造することは本発明の範囲内である。その材料の可能な成分は、タイプRSi(OR’)、RSi(OR’)、RSi(OR’)、及びSi(OR)の任意の分子である。ケイ素テトライソプロポキシド、テトラプロピルオキシシラン、及びテトラブチルオキシシランは特定の例である。他の置換パターンが可能であるが、網目を支えるためのいくらかの追加のSi(OR)を必要とする可能性がある。
その上、タイプ(R’O)Si−R−Si(OR’)の架橋化合物が可能な前駆体である。例としては、既に述べたR=CH(ビス(トリエトキシシリル)メタン)、R=C(フェニル)及びR=C2n(例えば、エチレン、プロピレンなど)であり、R’が、有機基、好ましくは直鎖状又は枝分かれしたアルキル又は他の有機の例えば不飽和炭化水素又はベンジル基であるものが挙げられる。
シリカと同様に、類似のGeO(ゲルマニア)及びSnO(二酸化スズ)の材料を同様の前駆体を使用することによって製造することができる。
本発明に従って調製された材料は、CDによるプラスの楕円率を示す組織(左巻きの組織)を有する。他の組織(右巻き)は知られていないが、それを発見できれば、この方法はエナンチオマー構造を作るために応用されるはずである。
本発明のメソ多孔質材料は、自立膜又は自己支持膜として、又は物品の輪郭を示す基材上の膜コーティングとして得ることができる。
実施例においてはNCC粒子が分散されることを確実にするために超音波処理を適用した。その超音波処理器は、VWRから入手できる標準的実験室モデル(2A、120V)(Aquasonicモデル50T)である。10〜15分の超音波処理時間をケイ素含有化合物の添加前に一般的には適用した。
調製1
シリカ/NCC複合体の合成:
0.600mLのテトラエトキシシラン(TEOS)を、10mLの新たに超音波処理した3%の水性NCC懸濁液に加える。その混合物を、均一な混合物が得られ、TEOSの完全な加水分解を示すまで60℃で撹拌する(約3時間)。これをそのまま室温まで冷却し、ポリプロピレンのペトリ皿にドロップキャスティングする。室温でのゆっくりした蒸発の後、青い虹色の自立膜が得られる(490mg)。TGA及びIRデータのグラフがそれぞれ図17及び図18に示されている。
焼成:
300mgの複合体膜を、120℃/時間の速度で540℃まで加熱し、空気を流しながら540℃で6時間保つ。室温までゆっくり冷却した後、100mgの無色の自立膜を回収することができる。試料のIRスペクトルによりNCCの完全な除去を確認する(図19)。窒素吸着測定は720m/gのBET表面積を示し(図13)、一方、SEMの画像はキラルネマチック組織と一致する構造を明らかにする。TEM画像化は、ガス吸着によって測定されたものと一致する寸法を有する長い通路を示す(図14)。
調製2
シリカ/NCC複合体の合成:
1.950mLのTEOSを、10mLの新たに超音波処理した3%の水性NCC懸濁液に加え、その混合物を、均一な混合物が得られ、TEOSの完全な加水分解を示すまで60℃で撹拌する(約3時間)。これをそのまま室温まで冷却し、ポリプロピレンのペトリ皿にドロップキャスティングする。室温でのゆっくりした蒸発の後、赤い虹色の自立膜が得られる。
焼成:
300mgの複合体膜を、120℃/時間の速度で540℃まで加熱し、空気を流しながら540℃で6時間保つ。室温までゆっくり冷却した後、180mgの青緑色の自立膜を回収する。IRによりNCCの完全な除去を確認し、窒素吸着測定は408m/gのBET表面積を示す。
調製3
シリカ/NCC複合体の合成:
0.750mLのTEOSを、6mLの新たに超音波処理した2%の水性NCC分散液に加える。その混合物を、均一な混合物が得られ、TEOSの完全な加水分解を示すまで60℃で撹拌する(約3時間)。これをそのまま室温まで冷却し、ポリプロピレンのペトリ皿にドロップキャスティングする。室温でのゆっくりした蒸発の後、無色の膜が得られる。
焼成:
300mgの複合体膜を、120℃/時間の速度で540℃まで加熱し、空気を流しながら540℃で6時間保つ。室温までゆっくり冷却した後、195mgの赤色の自立膜を回収する。試料のIRスペクトルによりNCCの完全な除去を確認する。
窒素吸着測定は240m/gのBET表面積を示し、SEMの画像はキラルネマチック組織と一致する構造を明らかにする(図9)。
調製4
シリカ/NCC複合体の合成:
0.400mLのテトラメトキシシラン(TMOS)を、5mLの新たに超音波処理した6%の水性NCC懸濁液に滴下添加する。激しい泡立ちがTMOSの急速な加水分解を示す。その混合物を室温で更に30分撹拌し、その後、ポリプロピレンのペトリ皿にドロップキャスティングする。室温でのゆっくりした蒸発の後、虹色の青い膜が得られる。
焼成:
300mgの複合体膜を、120℃/時間の速度で540℃まで加熱し、空気を流しながら540℃で6時間保つ。室温までゆっくり冷却した後、97mgの無色の自立膜を回収する。試料のIRスペクトルによりNCCの完全な除去を確認する。窒素吸着測定は673m/gのBET表面積を示す。
調製5
有機シリカ/NCC複合体の合成:
0.600mLのビス(トリエトキシシリル)メタンを、5mLの新たに超音波処理した6%の水性NCC懸濁液に加える。その混合物を、均一な混合物が得られ、有機シリカ前駆体の完全な加水分解を示すまで60℃で撹拌する(約6時間)。これをそのまま室温まで冷却し、ポリプロピレンのペトリ皿にドロップキャスティングする。室温でのゆっくりした蒸発の後、青い膜が得られる。TGAのグラフが比較のために提供されている(図20)。
焼成:
300mgの複合体膜を、120℃/時間の速度で540℃まで加熱し、空気を流しながら540℃で6時間保つ。室温までゆっくり冷却した後、195mgの無色の自立膜を回収する。試料のIRスペクトルによりNCCの完全な除去を確認する。SEM画像化により焼成した試料中のキラルネマチック組織を確認する(図21)。窒素吸着測定は414m/gのBET表面積を示す。
(参考文献)
1. Kanatzidis, M. G. Beyond silica: nonoxidic mesostructured materials. Adv. Mater. 19, 1165-1181 (2007).
2. Kresge, C.T., Leonowicz, M.E., Roth, W.J., Vartuli, J.C. & Beck, J.S. Ordered mesoporous molecular sieves synthesized by a liquid-crystal template mechanism. Nature 359, 710-712 (1992).
3. Yang, P., Zhao, D., Margolese, D.I., Chmelka, B.F. & Stucky, G.D. Generalized syntheses of large-pore mesoporous metal oxides with nanocrystalline walls. Nature 396, 152-154 (1998).
4. Armatas, G.A. & Kanatzidis, M.G. Hexagonal mesoporous germanium. Science 313, 817-820 (2006).
5. MacLachlan, M.J., Coombs, N. & Ozin, G.A. Non-aqueous supramolecular assembly of metal germanium sulfide mesostructures from [Ge4S10]4-clusters. Nature 397, 681-684 (1999).
6. Inagaki, S., Guan, S., Ohsuna, T., Terasaki, O. An ordered mesoporous organosilica hybrid material with a crystal-like wall structure. Nature 416, 304-307 (2002).
7. Sun, D., Riley, A.E., Cadby, A.J., Richman, E.K., Korlann, S.D. & Tolbert, S.H. Hexagonal nanoporous germanium through surfactant-driven self-assembly of Zintl clusters. Nature 441, 1126-1130 (2006).
8. Attard, G.S., Glyde, J.C. & Goltner, C.G. Liquid-crystalline phases as templates for the synthesis of mesoporous silica. Nature 378, 366-368 (1995).
9. Beck, J. S. et al. U.S. Patent No. 5,108,725 (1992).
10. Beck, J. S. et al. WO Patent 91/11390 (1991).
11. Gabashvili, A., Medina, D. D., Gedanken, A. & Mastai, Y. Templating mesoporous silica with chiral block copolymers and its application for enantioselective separation. J. Phys. Chem. B 111, 11105-11110 (2007).
12. Johnson, B. F. G. et al. Superior performance of a chiral catalyst confined within mesoporous silica. Chem. Commun. 1167-1168 (1999).
13. Fireman-Shoresh, S., Popov, I., Avnir, D. & Marx, S. Enantioselective, chirally templated sol-gel thin films. J. Am. Chem. Soc. 127, 2650-2655 (2005).
14. Hodgkinson, I. & Wu, Q. H. Inorganic chiral optical materials. Adv. Mater. 13, 889-897 (2001).
15. Che, S. et al. Synthesis and characterization of chiral mesoporous silica. Nature 429, 281-284 (2004).
16. Qiu, H.B., Inoue, Y. & Che, S.N. Supramolecular chiral transcription and recognition by mesoporous silica prepared by chiral imprinting of a helical micelle. Angew. Chem. Int. Ed. 48, 3069-3072 (2009).
17. Tatsumi, T., Che, S. & Sakamoto, K. USPTO Patent Application 20090043003 (2009).
18. Broer, D. J., Lub, J. & Mol, G. N. Wide-band reflective polarizers from cholesteric polymer networks with a pitch gradient. Nature 378, 467-469 (1995).
19. Yang, D. -K., West, J. L., Chien, L. -C. & Doane, J. W. Control of reflectivity and bistability in displays using cholesteric liquid crystals. J. Appl. Phys. 76, 1331-1333 (1994).
20. Kopp, V. I., Fan, B., Vithana, H. K. M. & Genack, A. Z. Low-threshold lasing at the edge of a photonic stop band in cholesteric liquid crystals. Opt. Lett. 23, 1707-1709 (1998).
21. Akagi, K. et al. Helical polyacetylene synthesized with a chiral nematic reaction field. Science 282, 1683-1686 (1998).
22. Sharma, V., Cme, M., Park, J. O. & Srinivasarao, M. Structural origin of circularly polarized iridescence in jeweled beetles. Science 325, 449-451 (2009).
23. Mukherjee, S. M. & Woods, H. J. X-ray and electron microscope studies of the degradation of cellulose by sulphuric acid. Biochim. Biophys. Acta 10, 499-511 (1953).
24. Revol, J. F., Bradford, H., Giasson, J., Marchessault, R. H. & Gray, D. G. Helicoidal self-ordering of cellulose microfibrils in aqueous suspension. Int. J. Biol. Macromol. 14, 170-172 (1992).
25. Revol, J.F., Godbout, L. & Gray, D.G. Solid self-assembled films of cellulose with chiral nematic order and optically variable properties. J. Pulp Pap. Sci. 24, 146-149 (1998).
26. Dujardin, E., Blaseby, M. & Mann, S. Synthesis of mesoporous silica by sol-gel mineralisation of cellulose nanorod nematic suspensions. J. Mater. Chem. 13, 696-699 (2003).
27. Thomas, A. & Antonietti, M. Silica nanocasting of simple cellulose derivatives: Towards chiral pore systems with long-range order and chiral optical coatings. Adv. Funct. Mater. 13, 763-766 (2003).

Claims (28)

  1. キラルネマチック秩序を有するメソ多孔質シリカ質材料を調製するプロセスであって、
    a)ナノ結晶性セルロース(NCC)の水性懸濁液中で2超7以下の範囲のpHにおいてシリカ質前駆体を反応させてシリカ質材料とNCCの水性混合物を形成するステップ、
    b)前記混合物をキャスティングするステップ、
    c)前記キャスト混合物から水を除去して、シリカ質材料マトリックス中に、キラルネマチック組織化を有するNCCの複合体を生成させるステップ、及び
    d)前記シリカ質材料マトリックスの完全性を維持しながら前記複合体から前記NCCを焼成により除去するステップ
    を含む上記プロセス。
  2. 前記シリカ質前駆体が、加水分解可能なシリコン前駆体であり、a)における前記反応させるステップが前記pHにおいて前記懸濁液中で加水分解可能なシリコン前駆体を加水分解してシリカとNCCの水性混合物を形成することを含み、c)及びd)における前記マトリックスがシリカマトリックスである、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記加水分解可能なシリコン前駆体が、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)又はテトラメチルオルトシリケート(TMOS)である、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記シリカ質前駆体が、ビス(トリエトキシシリル)メタンであり、a)における前記反応させるステップが、前記ビス(トリエトキシシリル)メタンを重合させることを含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. b)における前記混合物の前記キャスティングするステップが、前記混合物のキャスト膜を形成することを含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載のプロセス。
  6. c)における前記除去するステップが、前記キャスト混合物から水を蒸発させて前記複合体中のキラルネマチック組織化を確立することを含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記水性懸濁液が、1〜10重量%のナノ結晶性セルロース(NCC)の濃度を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記pHが、2.4〜4である、請求項1から7までのいずれか一項に記載のプロセス。
  9. キラルネマチック秩序を有するメソ多孔質シリカ質材料。
  10. シリカである請求項9に記載のメソ多孔質シリカ質材料。
  11. 750〜300m/gの範囲の表面積を有する請求項10に記載のメソ多孔質シリカ。
  12. シリカが、可逆的に水を吸収して透明且つ無色になることを特徴とする請求項10又は11に記載のメソ多孔質シリカ。
  13. キラルネマチック秩序を有するシリカ質複合体を調製するプロセスであって、
    a)ナノ結晶性セルロース(NCC)の水性懸濁液中で2超7以下の範囲のpHにおいてシリカ質前駆体を反応させてシリカ質材料とNCCの水性混合物を形成するステップ、
    b)前記混合物をキャスティングするステップ、及び
    c)前記キャスト混合物から水を除去して、シリカ質材料マトリックス中に、キラルネマチック秩序を有するNCCの複合体を生成させるステップ、
    を含む上記プロセス。
  14. ステップa)が、前記pHにおいて加水分解可能なシリコン前駆体をナノ結晶性セルロース(NCC)の水性懸濁液中で加水分解してシリカとNCCの水性混合物を形成することを含み、ステップc)が、前記キャスト混合物から水を除去して、シリカマトリックス中に、キラルネマチック秩序を有するNCCの複合体を生成させることを含む、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記加水分解可能なシリコン前駆体が、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)又はテトラメチルオルトシリケート(TMOS)である、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記シリカ質前駆体が、ビス(トリエトキシシリル)メタンであり、a)における前記反応させるステップが、前記ビス(トリエトキシシリル)メタンを重合させることを含む、請求項13に記載のプロセス。
  17. b)における前記混合物の前記キャスティングするステップが、前記混合物のキャスト膜を形成することを含む、請求項13から16までのいずれか一項に記載のプロセス。
  18. c)における前記除去するステップが、前記キャスト混合物から水を蒸発させて前記複合体中のキラルネマチック秩序を確立することを含む、請求項13から17までのいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 前記水性懸濁液が、1〜10重量%のナノ結晶性セルロース(NCC)の濃度を有する、請求項13から18までのいずれか一項に記載のプロセス。
  20. 前記pHが、2.4〜4である、請求項13から19までのいずれか一項に記載のプロセス。
  21. キラルネマチック秩序でナノ結晶性セルロース(NCC)が埋め込まれているシリカ質材料のマトリックスを含むシリカ質複合体。
  22. 前記シリカ質材料が、シリカである、請求項21に記載のキラルネマチックシリカ質複合体。
  23. キラルネマチック秩序を有するメソ多孔質無機材料を調製するプロセスであって、
    a)ナノ結晶性セルロース(NCC)の水性懸濁液中で2超7以下の範囲のpHにおいて無機前駆体を反応させて無機材料とNCCの水性混合物を形成するステップ、
    b)前記混合物をキャスティングするステップ、
    c)前記キャスト混合物から水を除去して、無機材料マトリックス中に、キラルネマチック秩序を有するNCCの複合体を生成させるステップ、及び
    d)前記無機材料マトリックスの完全性を維持しながら前記複合体から前記NCCを焼成により除去するステップ
    を含み、
    前記無機材料が、ケイ素、スズ又はゲルマニウムの酸化物である、上記プロセス。
  24. ケイ素、スズ又はゲルマニウムの酸化物である、キラルネマチック秩序を有するメソ多孔質無機材料。
  25. キラルネマチック秩序を有する無機/有機複合体を調製するプロセスであって、
    a)無機前駆体を、ナノ結晶性セルロース(NCC)の水性懸濁液中で2超7以下の範囲のpHにおいて反応させて無機材料とNCCの水性混合物を形成するステップ、
    b)前記混合物をキャスティングするステップ、及び
    c)前記キャスト混合物から水を除去して無機材料マトリックス中にNCCの複合体を生成させるステップであって、前記複合体はキラルネマチック秩序を有するステップ
    を含み、
    前記無機材料が、ケイ素、スズ又はゲルマニウムの酸化物である、上記プロセス。
  26. キラルネマチック秩序でナノ結晶性セルロース(NCC)が埋め込まれている無機材料のマトリックスを含み、
    前記無機材料が、ケイ素、スズ又はゲルマニウムの酸化物である、無機/有機複合体。
  27. 自己支持膜又は自立膜の形態の請求項9から12までのいずれか一項に記載のメソ多孔質材料。
  28. 請求項9から12までのいずれか一項に記載のメソ多孔質材料のコーティングをその上に有する基材を含む物品。
JP2013502963A 2010-04-09 2011-03-30 キラルネマチック構造を有する無機メソ多孔質材料及びその調製方法 Expired - Fee Related JP5834066B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32250810P 2010-04-09 2010-04-09
US61/322,508 2010-04-09
PCT/CA2011/000346 WO2011123929A1 (en) 2010-04-09 2011-03-30 Inorganic mesoporous materials with chiral nematic structures and preparation method thereof

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013533836A JP2013533836A (ja) 2013-08-29
JP2013533836A5 JP2013533836A5 (ja) 2014-05-15
JP5834066B2 true JP5834066B2 (ja) 2015-12-16

Family

ID=44760265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013502963A Expired - Fee Related JP5834066B2 (ja) 2010-04-09 2011-03-30 キラルネマチック構造を有する無機メソ多孔質材料及びその調製方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US8623237B2 (ja)
EP (1) EP2556019B1 (ja)
JP (1) JP5834066B2 (ja)
CN (1) CN102985365B (ja)
AU (1) AU2011238367B2 (ja)
BR (1) BR112012025755A2 (ja)
CA (1) CA2795375C (ja)
CL (1) CL2012002814A1 (ja)
RU (1) RU2560403C2 (ja)
WO (1) WO2011123929A1 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8280415B2 (en) * 2008-05-06 2012-10-02 International Business Machines Corporation Performing caller based routing of a phone call
WO2010124396A1 (en) * 2009-05-01 2010-11-04 Fpinnovations Control of nanocrystalline cellulose film iridescence wavelength
US9296618B2 (en) 2011-03-31 2016-03-29 Fpinnovations Process for preparation of mesoporous silica and organosilica materials
CA2835152C (en) 2011-05-11 2015-11-03 Fpinnovations Chiral or achiral, mesoporous carbon
EP2763938B1 (en) 2011-10-06 2019-05-29 FPInnovations Chiral nematic nanocrystalline metal oxides
CN102491343B (zh) * 2011-11-22 2014-07-30 南京林业大学 一种制备纳米中空棒状二氧化硅材料的方法
IN2014DN11015A (ja) * 2012-05-25 2015-09-25 Cambridge Entpr Ltd
US9353313B2 (en) 2012-08-09 2016-05-31 Auburn University Microdevices and methods of manufacture
JP2016517901A (ja) * 2013-03-25 2016-06-20 エフピーイノベイションズ 少なくとも1つの疎水性または低親水性表面を有するセルロースフィルム
WO2014153645A1 (en) * 2013-03-25 2014-10-02 The University Of British Columbia Polymer materials and composite materials with chiral nematic structures and preparation methods thereof
WO2015063800A2 (en) 2013-11-01 2015-05-07 Council Of Scientific & Industrial Research Chiral siliceous composition useful as chiral heterogeneous catalyst and a process for the preparation thereof
CN103992630B (zh) * 2014-05-22 2017-03-29 江苏沃特新材料科技有限公司 用于汽车轮毂外罩的聚苯醚树脂合金材料及其制备方法
US9340461B1 (en) * 2014-11-24 2016-05-17 Ut-Battelle, Llc Method of making controlled morphology metal-oxides
US10022701B2 (en) * 2014-12-12 2018-07-17 Exxonmobil Research And Engineering Company Coating methods using organosilica materials and uses thereof
CN104692389A (zh) * 2015-02-13 2015-06-10 江苏大学 一种纳米结构材料的制备
CN104667882A (zh) * 2015-02-13 2015-06-03 江苏大学 一种纳米结构复合吸附材料的制备及其应用
CN105602229B (zh) * 2016-01-04 2018-05-01 江苏沃特新材料科技有限公司 聚苯醚/聚酰胺合金材料及其制备方法和油箱盖
KR101887022B1 (ko) * 2016-12-12 2018-08-10 대한민국 셀룰로오스 나노 결정을 이용한 다공성 티타니아 박막의 제조방법
US10272418B2 (en) * 2017-08-07 2019-04-30 Saudi Arabian Oil Company Mesoporous zeolites and methods for the synthesis thereof
CN108314803B (zh) * 2018-02-06 2019-09-27 东北林业大学 一种手性向列纤维素纳米晶体-丙三醇复合薄膜及其制备方法和应用
US20210247557A1 (en) * 2018-06-13 2021-08-12 The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate Templated materials, structures including the materials, and methods of using and forming same
CN110964142B (zh) * 2018-09-29 2020-12-15 江苏集萃智能液晶科技有限公司 具有多孔结构的手性聚合物微球及其制备方法
CN110523369A (zh) * 2019-08-14 2019-12-03 江苏大学 一步原位合成氧化镧纳米颗粒掺杂介孔二氧化硅薄膜的方法及应用
CN112280072B (zh) * 2020-10-29 2022-03-29 华南理工大学 一种波长可控纤维素虹彩膜及其制备方法
CN112500564B (zh) * 2020-11-09 2022-05-17 武汉纺织大学 金属离子介导的手性纳米材料、含碳纳米材料及制备方法
CN114112933B (zh) * 2021-11-12 2023-10-10 西安邮电大学 一种动态可调的超窄带手性复合纳米装置
CN114345144B (zh) * 2021-12-30 2022-12-16 复旦大学 一种手性cms/aao异质结膜及其制备方法
CN114702732B (zh) * 2022-06-07 2022-08-26 江苏集萃智能液晶科技有限公司 一种具有双尺寸孔道的高分子微粒及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5108725A (en) 1990-01-25 1992-04-28 Mobil Oil Corp. Synthesis of mesoporous crystalline material
US5629055A (en) * 1994-02-14 1997-05-13 Pulp And Paper Research Institute Of Canada Solidified liquid crystals of cellulose with optically variable properties
RU2203730C1 (ru) * 2001-12-27 2003-05-10 Даванков Вадим Александрович Сорбент и способ его получения
CN1278932C (zh) * 2004-04-29 2006-10-11 上海交通大学 具有手性结构的氧化硅介孔材料及其制备方法
CA2563837C (en) * 2004-04-30 2010-12-21 Japan Science And Technology Agency Inorganic mesoporous substance having chiral twisted structure and process for producing the same
JP2006192374A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Ymc Co Ltd キラル化合物分離剤および分離カラム
EP2763938B1 (en) * 2011-10-06 2019-05-29 FPInnovations Chiral nematic nanocrystalline metal oxides

Also Published As

Publication number Publication date
CA2795375A1 (en) 2011-10-13
CL2012002814A1 (es) 2013-04-05
AU2011238367A1 (en) 2012-11-01
US20110248214A1 (en) 2011-10-13
EP2556019A4 (en) 2016-12-14
EP2556019B1 (en) 2019-01-23
BR112012025755A2 (pt) 2017-03-28
JP2013533836A (ja) 2013-08-29
CN102985365A (zh) 2013-03-20
US8623237B2 (en) 2014-01-07
EP2556019A1 (en) 2013-02-13
WO2011123929A1 (en) 2011-10-13
CA2795375C (en) 2014-09-23
RU2012147660A (ru) 2014-05-20
AU2011238367B2 (en) 2015-04-30
CN102985365B (zh) 2016-06-29
RU2560403C2 (ru) 2015-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5834066B2 (ja) キラルネマチック構造を有する無機メソ多孔質材料及びその調製方法
US10023466B2 (en) Chiral or achiral, mesoporous carbon
Shopsowitz et al. Free-standing mesoporous silica films with tunable chiral nematic structures
CA2835154C (en) Mesoporous silica and organosilica materials and process for their preparation
Nguyen et al. Tuning the iridescence of chiral nematic cellulose nanocrystals and mesoporous silica films by substrate variation
US9758386B2 (en) Chiral nematic nanocrystalline metal oxides
JP3436037B2 (ja) バルク状シリカ多孔体の製造方法
WO1998052869A1 (en) Lyotropic liquid crystalline l3 phase silicated nanoporous monolithic composites and their production
Li et al. Influence of the Al source and synthesis of ordered Al-SBA-15 hexagonal particles with nanostairs and terraces
Ha et al. General synthesis and physico-chemical properties of mesoporous materials
Sekulic Mesoporous and microporous titania membranes
Guangwu et al. Fabrication and properties of optically transparent silica aerogels for hypervelocity particle capture
Porcar et al. Inorganic polymerization in a non-ionic lyotropic lamellar phase
De Witt Switching the reflection in chiral nematic mesoporous silica and organosilica films
Demirörs Effects of Some Transition Metal Salts on the Synthesis of Mesoporous Silica

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140325

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140325

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20140417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150710

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5834066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees